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数 学 Ⅱ
数学 Ⅱ ラジオ 学習メモ 第 5 章 微分と積分 第 1 節 微分係数と導関数 第 68 回 導関数 ⑴ 講師:水 谷 信 也 導関数の定義 関数 y=f(x) の x=a における微分係数 f'(a) を求めてみよう。 そして,aをx でおきかえて得られる導関数を定義する。 微分係数 f'(a) を求める 導関数の定義 微分するということ 微分係数 f'(a) を求める 関数 f(x) = x2 の x = a における微分係数 f'(a) を求めてみよう。 f(a + h)- f(a) = (a + h)2 - a2 = h(2a + h) f (a + h) − f (a) h よって f '(a) = lim h→0 h(2a + h) = lim (2a+h)=2a h→0 h = lim h→0 この式を用いれば,いろいろな a の値について f'(a) の値を求めることが できる。 微分係数を求めてみよう。 〈例5〉 関数f(x)=x2のx=3における微分係数 f'(3)は, 上の f'(a)=2aの式にa=3を代入して f'(3) = 2 × 3 = 6 f(x) = x2 について,上の f'(a)=2a の式を用いていろいろな a の値にお ける微分係数を求めると,次のようになる。 a f'(a) -3 -6 -2 -4 -1 -2 0 0 1 2 2 4 3 6 4 8 すなわち,a のそれぞれの値に対して f'(a) の値が定まり,f'(a) は a の 関数になる。 このとき,文字 a を x でおきかえて得られる関数 f'(x) = 2x どうかんすう を関数 f(x)=x2の導関数という。 導関数 一般に,関数 f(x) の導関数 f'(x) は,次の式で求められる。 導関数 f'(x) = lim h→0 f(x + h) − f(x) h び ぶん 関数 f(x) からその導関数 f'(x) を求めることを,f(x) を微分するという。 高校講座・学習メモ 131 数学 Ⅱ ラジオ 学習メモ 第 5 章 微分と積分 第 1 節 微分係数と導関数 第 68 回 導関数 ⑴ 導関数の定義 微分する 〈例6〉 関数 f(x)=xを微分してみよう。 f'(x) = lim h→0 = lim h→0 f (x + h) − f(x) h (x + h) − x lim h lim = h→0 = h→0 1 = 1 h h 〈例7〉 関数 f(x)=x3を微分してみよう。 f(x+h)−f(x)=(x+h)3−x3 =h(3x2+3xh+h2) よって f'(x)= lim h→0 = lim h→0 f(x + h) − f(x) h h(3x2 + 3xh + h2) h = lim (3x2+3xh+h2)=3x 2 h→0 高校講座・学習メモ 132 数学 Ⅱ ラジオ 学習メモ 第 69 回 導関数 ⑵ 第 5 章 微分と積分 第 1 節 微分係数と導関数 講師:水 谷 信 也 xn の導関数と公式 xn の導関数や f(x)=c の導関数がどのようになるかを学習し よう。また,導関数の計算をするための公式を学ぼう。 xn の導関数 定数の導関数 導関数の公式 xn の導関数 関数 y = f(x) の導関数を表すには,f'(x) のほかに y', { f(x) }' などの記号も用いられる。 すでに学んだように,(x)' = 1,(x2)' = 2x,(x3)' = 3x2 であるから,次 の公式が成り立つ。 xn 導関数 n = 1,2,3 のとき (xn)'=nxn−1 定数の導関数 関数 f(x) = 2 を微分してみよう。 f'(x) = lim h→0 f(x + h) − f(x) lim 2 − 2 lim 0 lim = h→0 = h→0 = h→0 0 = 0 h h h 同様にして,関数 f(x) = c の導関数は次のようになる。 関数 f(x)=c の導関数 f'(x)=(c)'=0 導関数の公式 〈例8〉 関数f(x)=4x2を微分してみよう。 f(x + h) − f(x) = 4(x + h)2 − 4x2 = 4h(2x + h) よって f'(x) = lim h→0 = lim h→0 f(x + h) − f(x) h 4h(2x + h) h = lim 4(2x + h) = 4 × 2x = 8x h→0 高校講座・学習メモ 133 ラジオ 学習メモ 数学 Ⅱ 〈例8〉で,(x2)' = 2x であるから,次の式が成り立つ。 (4x2)' = 4(x2)' 第 5 章 微分と積分 第 1 節 微分係数と導関数 第 69 回 導関数 ⑵ xn の導関数と公式 〈例9〉 関数f(x)=x2+xを微分してみよう。 f(x+h)−f(x)={(x+h)2+(x+h)}−(x2+x) =h(2x+h+1) よって f'(x)= lim h→0 = lim h→0 f(x + h) − f(x) h h(2x + h + 1) lim = h → 0 (2x+h+1)=2x+1 h 〈例9〉で,(x2)' = 2x,(x)' = 1 であるから,次の式が成り立つ。 (x2+x)'=(x2)'+(x)' 一般に,次のことが成り立つ。 導関数の公式 定数 k について {kf(x)}'=kf'(x) {f(x)+g(x)}'=f'(x)+g'(x) {f(x)−g(x)}'=f'(x)−g'(x) 高校講座・学習メモ 134 数学 Ⅱ ラジオ 学習メモ 第 70 回 導関数 ⑶ 第 5 章 微分と積分 第 1 節 微分係数と導関数 講師:水 谷 信 也 導関数の計算 導関数の公式を用いて,いろいろな関数を微分できるようにす るとともに,導関数を用いて微分係数を求めてみよう。 導関数の公式の使い方 導関数を求める 微分係数の計算 導関数の公式の使い方 前回学習した導関数の公式などをもう一度確認しておこう。 xn 導関数 n = 1,2,3 のとき (xn)'=nxn−1 関数 f(x)=c の導関数 f'(x)=(c)'=0 導関数の公式 定数 k について {kf(x)}'=kf'(x) {f(x)+g(x)}'=f'(x)+g'(x) {f(x)−g(x)}'=f'(x)−g'(x) 導関数を求める 【例題1】 関数 y=x3−2x2−3を微分しなさい。 【解】 y'=(x3−2x2−3)' =(x3)'−(2x2)'−(3)' =(x3)'−2(x2)'−(3)'=3x2−2×2x−0=3x2−4x 【例題2】 関数 y=(x−1)(2x+3)を微分しなさい。 【解】 y=(x−1)(2x+3)=2x2+x−3 であるから。 y'=(2x2+x−3)' =2(x2)'+(x)'−(3)'=2×2x+1−0=4x+1 微分係数の計算 微分係数 f'(a) を求めるには,導関数 f'(x) の x に a を代入すればいい。 導関数を利用して,微分係数を求めてみよう。 〈例10〉 関数 f(x) =x2+x−2について,x=-3における微分係数 f'(-3) を求めてみよう。 高校講座・学習メモ 135 ラジオ 学習メモ 数学 Ⅱ 第 5 章 微分と積分 第 1 節 微分係数と導関数 第 70 回 導関数 ⑶ 導関数の計算 f(x)を微分すると f'(x)=2x+1 よって f'(-3)=2×(-3)+1=-5 ■微分係数の求め方 f(x) [関数] f'(x) [導関数] f'(a) [微分係数] x = a を代入 微分する 《問8》 関数 f(x)=3x2-2x+3について,x=-2,x=1における微分係 数をそれぞれ求めなさい。 f'(1) = 6 × 1-2 = 4 よって f'(-2) = 6 × (-2)-2 = -14 f(x) を微分すると f'(x) = 6x-2 《問8 解答》 高校講座・学習メモ 136