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「第4次勝央町振興計画」をダウンロードする(PDF:6.3MB)

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「第4次勝央町振興計画」をダウンロードする(PDF:6.3MB)
心豊かに安心して暮らせる
自然と文化のまち
“元気な勝央”の実現に向けて
昭和 29 年合併以来半世紀が過ぎ、バブル崩壊後の経済情勢も不安定な情勢が続
き、先行きの見えない時代となっています。本町におきましては、減少を続けてい
た人口も中国自動車道の開通や勝央中核工業団地への企業立地により徐々に増加
回復していましたが、平成7年国勢調査を境に再び減少傾向に転じています。少
子・高齢化の波は、勝央町も例外なく押し寄せてきています。
経済社会環境の変化は、新たな課題とその解決を、地方行政に求めてきました。
その形の現れが、市町村合併に集約され、多くの市町村が平成の大合併を迎えるこ
とになったことと思われます。
市町村合併は究極の行財政改革であり、時代のすう勢と受け止めています。しか
し、将来的な合併を視野に入れつつも、まずは、今の勝央町を良くする数々の取り
組みに専念していかなければならない状況にあります。本町の規模や財政状況を十
分踏まえたまちづくり、また、今後市町村合併を進める場面にあっては、新市建設
計画策定の礎となるべきものと本計画を捉え、勝央町の今後のまちづくりの根幹
を、この第4次勝央町振興計画として策定しました。
第3次勝央町振興計画は、平成7年 10 月に基本構想と基本計画の二本柱で策定
され、それに沿って政策実現を目指し、ある程度の成果を上げることができました。
第4次勝央町振興計画も、基本構想と基本計画で構成されています。基本構想は 10
年間の長期構想であり、勝央町の目標とすべき将来像とこれを実現するための施策
の大綱を示しています。基本計画は、基本構想で示された大綱を実現するための施
策と主要事業を明らかにしたものとなっております。
この計画では、住民意識調査結果の検討や、議会の意見をはじめ、振興計画審議
会・行政懇談会等での住民のご意見や要望を反映できるよう、住民の目線に立って
行政を進めることに主眼を置きました。
やさしい自然と豊かな文化などの本町の特徴を生かしながら、「心豊かに安心し
て暮らせる自然と文化のまち“元気な勝央”」を将来都市像として、住民参画のま
ちづくりを実現していくことを目指します。
平成 24 年3月
勝央町長
1
水
嶋
淳
治
第4次勝央町振興計画
Ⅰ 序論
第1章 第4次勝央町振興計画策定の考え方 ........................... 2
第1節 計画策定の趣旨 ................................................. 2
第2節 計画の性格 .................................................... 3
第3節 計画策定の基本方針 ............................................. 3
第4節 計画の構成と期間 ............................................... 4
第2章 勝央町の歴史と特性 ........................................ 5
第1節 勝央町の歩み ................................................... 5
第2節 位置・地勢 ..................................................... 5
第3節 気候 ........................................................... 6
第4節 交通 ........................................................... 6
第5節 土地利用 ....................................................... 6
第6節 人口 ........................................................... 8
第7節 産業 ........................................................... 8
第8節 勝央町の特性 .................................................. 10
第3章 勝央町を取り巻く社会の潮流 ............................... 11
Ⅱ 基本構想
第1節 まちづくりの基本理念 .......................................... 14
第2節 将来像 ........................................................ 14
第3節 まちづくりの基本方針 .......................................... 15
第4節 将来のフレーム ................................................ 16
第5節 施策の大綱 .................................................... 19
Ⅲ 基本計画
第1章 住民と協働でつくるまちづくり 【総合】 ..................... 34
第1節 自治体経営の効率化 ............................................ 34
第2節 協働システムの確立 ............................................ 47
第3節 活力あるコミュニティづくり .................................... 51
第4節 青少年の育成 .................................................. 54
第5節 男女のパートナーシップの確立 .................................. 56
第6節 人権啓発と教育の推進 .......................................... 57
2
第2章 健康で安心して暮らせるまちづくり
【保健・医療・福祉】 .... 59
第1節 子育て支援環境の充実 .......................................... 59
第2節 食育・運動・休養からの健康づくりの充実 ........................ 61
第3節 高齢者福祉の充実 .............................................. 64
第4節 障がいのある人への福祉の充実 .................................. 67
第5節 地域福祉の充実 ................................................ 69
第6節 社会保障の充実 ................................................ 71
第7節 保健医療サービスの充実 ........................................ 79
第3章 誰もが住みやすい、快適でうるおいのあるまちづくり 【生活基盤】 ... 80
第1節 秩序ある土地利用計画 .......................................... 80
第2節 交通体系の確立 ................................................ 86
第3節 生活基盤の整備 ................................................ 93
第4節 公園・緑地の活用・整備 ....................................... 101
第4章 環境にやさしく、安全で安心なまちづくり 【環境・危機管理】 104
第1節 地球にやさしい環境整備 ....................................... 104
第2節 安全に暮らせる環境整備 ....................................... 109
第3節 安心して暮らせる環境整備 ..................................... 113
第5章 やさしい人と文化をはぐくむまちづくり 【教育・文化】 ...... 118
第1節 幼児教育の充実 ............................................... 118
第2節 学校教育の充実 .............................................. 120
第3節 生涯学習の充実 ............................................... 124
第4節 スポーツ・レクリエーションの振興 ............................. 127
第5節 地域文化の振興と文化財の保護活用 ............................. 129
第6節 国際交流の推進 ............................................... 132
第6章 豊かさと活力を実感できるまちづくり 【産業】 .............. 134
第1節 町の特性を生かした農林業の振興 ............................... 134
第2節 活気あふれる産業の振興 ....................................... 137
第3節 地域特性を生かした観光の振興 ................................. 143
第4節 若者定住化の促進 ............................................. 145
参考資料 ............................................................ 147
・住民意識調査結果
・勝央町振興計画策定体制
・勝央町振興計画審議会条例
・勝央町振興計画審議委員
・用語解説
3
4
1
Ⅰ 序論
□第1章□ 第4次勝央町振興計画策定の考え方
第1節
計画策定の趣旨
勝央町は、平成7年度に町の将来ビジョンとして、第3次勝央町振興計画『「調和」「生き
がい」「人づくり」をシンボルテーマと定め農業・商業・工業の調和のとれた町、生きがいと
活力に満ちた町』を求め、豊かな自然と歴史を生かした様々な施策を展開してきたところです。
この間、右肩上がりの成長型社会が終焉するとともに、経済社会環境の変化は新たな課題と
その解決を、地方行政に求めてきました。その形の現れが、市町村合併に集約され、多くの市
町村が平成の大合併を迎えることになりました。市町村合併は時代のすう勢であり、究極の行
財政改革であると思われます。
勝央町では、将来的な合併を視野に入れつつも、まず考えるべきは、現在の勝央町を良くす
る数々の取り組みに専念していかなければならないということです。本町の人口規模や財政状
況を十分に勘案したまちづくりを進めていくとともに、今後市町村合併を進める場面にあって
は、新市建設計画策定の礎となるべきものと本計画を捉え、勝央町の今後のまちづくりの根幹
を、この第4次勝央町振興計画として策定しています。
この計画では、議会の意見をはじめ、行政懇談会等での住民のご意見や要望を反映できるよ
う、住民の目線に立って行政を進めることに主眼を置いています。住民意識調査の結果も審議
会や策定委員会において検討してきました。
やさしい自然と豊かな文化などの本町の特徴を生かしながら、「心豊かに安心して暮らせる
自然と文化のまち“元気な勝央”」を将来像として、住民参画のまちづくりを実現していくこ
とを目指しています。
2
第2節
計画の性格
この計画は、町政運営の総合的かつ計画的な指針となる町の将来像を明らかにし、その実現
に向けた施策の基本方向を定めるものです。
住民、民間企業、団体等に対しては、計画内容についての理解と協力を求め、まちづくりに
ついての積極的な参加と行動を求めるものです。
国、県等に対しては、将来のまちづくりに関する総意を明らかにするものとして、効果的に
計画が推進されるよう、協力を要請するものです。
第3節
計画策定の基本方針
3‐1 住民参加のまちづくり計画
地方のまちづくりは、今まで以上に住民が主人公となる時代を迎えました。第3次勝央町振
興計画においても「協働のまちづくり」を謳っていますが、ともすると、先に行政が物事を決
め、後から住民の皆さんにお願いするスタイルになっていた感は否めません。
今後は、事業策定の段階から、決定、実施、評価のそれぞれの段階に参加の機会があり、多
様な主体による多様な住民参加が行われるまちづくりを重視し、「協働のまちづくり」を明確
に振興計画の中に位置づけます。
3‐2 実現性を踏まえたまちづくり計画
今までの振興計画では、すべての分野における事項が計画期間内に実現されることを前提に、
「あれも、これも」と総花的に計画されていました。
計画に記載された事項はすべて喫緊の課題であり、計画実現に向けて真摯に取り組むべき事
項でありますが、現実的には、広域的な機関との連携などの諸要因から実現困難であったり、
財政事情から下位に順位付けされたりするものも少なくありません。
本計画では、施策の優先度・重要度等を基本計画の中で考慮し、優先度・重要度等は実施計
画策定の際に評価し直すことで、実施計画へ反映させる方針です。
また、目標達成に向けた実効性の高い計画になるよう、構成分野ごとの施策目標を明確にし
ていきます。
3
第4節
計画の構成と期間
第4次勝央町振興計画は、基本構想、基本計画で構成されています。
4‐1 基本構想 平成33年度目標
・ 基本構想は、平成24年度から33年度までの10年間の長期的構想であり、勝央町の目標とす
べき将来像と、これを実現するための施策の大綱を示したものです。
4‐2 基本計画 平成24年度から33年度までの計画
・ 基本計画は、基本構想で示された大綱を実現するための施策と主要事業を明らかにしたも
のです。
・ 前期計画は平成24年度から28年度まで、後期計画は平成29年度から33年度までの、それぞ
れ5ヵ年を計画期間として具体的な施策を定めたものです。
4‐3 実施計画 3ヵ年計画
・ 実施計画は基本計画で定めた施策を具体化するために、どのような事業を実施するか明ら
かにしたものであり、3ヵ年を計画期間としてローリングシステムにより見直し、予算編
成や事務事業の具体的指針となるものです。
4
□第2章□
第1節
勝央町の歴史と特性
勝央町の歩み
勝央町の周辺は、古くから瀬戸内海と日本海を結ぶ交通の要衝として開け、植月地区大砂
で押型紋土器、鳥羽野では銅鐸が出土、美野地区には高塚前方後円墳など古代の文化財が多
く、平地区周辺の丘陵台地には大小無数の古墳や住居跡が散在し、町内全地域から埋蔵文化
財が出土するなど古くから栄えた地域であることを示しています。
本町の中心である勝間田は、戦国時代は兵馬交通の要衝として江戸時代は京都、江戸と出
雲石見に至る参勤交代の道筋、出雲街道の宿場町作州七駅の一つとして栄え、多くの人たち
が往来し隆盛を極めました。
昭和 29 年3月、勝間田、植月、吉野、古吉野、高取の1町4村が合併し勝央町が誕生以来、
中国自動車道の開通、勝央中核工業団地、国営開発事業など大型プロジェクトの完成や運動
公園、武道館、小中学校の改築、総合文化施設など公共施設整備による社会資本の蓄積に努
めてきました。
第2節
位置・地勢
本町は岡山県の北東部に位置し、北は奈義町、
東は美作市、南は美咲町、西は津山市に接する
総面積 54.09km2 の町です。また、中国山脈の主
峰の一つ、那岐山の南にあり、町の中央部を北
から南に貫流する一級河川吉井川の支流である
滝川が流れています。そして、流域に広がる盆
地と、それを取り巻くなだらかな丘陵地が農用
地として利用されています。市街地は町南部勝
間田・高取地区を通る国道 179 号に沿って形成
されており、全国的にも有数の規模を誇る内陸
型工業団地である勝央中核工業団地と新勝央中
核工業団地が立地しています。
5
第3節
気候
勝央町の気候は、瀬戸内海性気候と裏日本式気候の中間型を示し、年間平均気温は 12℃~
14℃、年間降雨量は 1,400 ㎜程度ですが年々気温は上昇傾向にあります。
また、降雨も集中豪雨が多発傾向にあり、降雪期間は 12 月下旬から3月上旬ですが、積雪
量は少なくなっています。
第4節
交通
幹線道路は、中国自動車道と国道 179 号が町南部を東西に平行して走り本町と関西地方を
結び、これに平行してJR姫新線が走っています。
中国自動車道には、津山市とJR大阪駅を結ぶ高速バスが運行されており、これが京阪神
方面への交通手段として盛んに利用されています。
また、国道 429 号が町の北部を横断し津山市と兵庫県を結び、広域農道も同様に町の北部
を東西に横断、県道勝央勝北線が南北に町の中央部を縦断しています。
第5節
土地利用
本町町域の利用は、町の中央部を北から南に貫流する滝川の流域に広がる盆地と、それを
取り巻くなだらかな丘陵地が農用地として利用され、その周囲に農村集落が形成されていま
す。市街地は町南部勝間田・高取地区を通る国道 179 号に沿って形成され、宅地化の進展に
より、農用地との混在化が著しくなっています。
6
7
第6節
人口
勝央町の総人口は、11,195 人、3,928 世帯(H22 年 10 月 1 日国勢調査)で、昭和 55 年ま
で減少を続けた人口は、勝央中核工業団地の立地企業の影響により昭和 60 年 11,469 人、平
成2年 11,539 人、平成7年 11,669 人と増加に転じました。しかしながら、少子高齢化の波
は勝央町も例外でなく、平成 12 年 11,428 人、平成 17 年 11,263 人、平成 22 年 11,195 人と
微減となっています。
第7節
産業
勝央町の産業は、昭和 45 年までは 50%を超えていた第1次産業への就業人口の割合も、
農業離れや専業から兼業農家への移行も進み、平成 17 年は 15.9%まで落ち込んでいます。
昭和 55 年に事業完了した国営パイロット事業により開墾された農地も、労働力の高齢化に伴
い遊休地化が進んでいます。
第2次産業や第3次産業への就業人口は、昭和 54 年に完成した勝央中核工業団地への企業
立地や時代の流れにより大幅な増加傾向にあります。
商業地は、国道 179 号沿いに形成されていますが、購買先が隣接の津山市・美作市に向け
られているため、商店数は(H9年 141 店舗から H19 年 113 店舗へ)減少しています。
8
9
第8節
勝央町の特性
8-1 地域資源の抽出
「心豊かに安心して暮らせる自然と文化のまち」という目標に立つまちづくりを展開して
いくには、本町にどのような資源と特性があるか、それをいかに利用し活用するか検討する
必要があります。
そこで勝央町の特性をさぐり、資源を抽出してみます。
(1)自然の特性と資源
・おだやかな気象、なだらかな丘陵台地の地勢
・間山、長尾山の眺望
・中核工業団地の修景
・ぶどう、桃・梨などの果樹生産
(2)人文的特性と資源
・出雲街道の街並み
・伝統工芸(泥天神)
・金時祭、天神祭
・郷土芸能(勝央金時太鼓・勝央音頭)
・角土俵
(3)社会的特性と資源
・中核工業団地
勝央中核工業団地
・おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジ
ノースヴィレッジ
8-2 特性要素の活用
本町の特性要素の活用を図るためには、行政と住民が一体となって「誇れるものづくり」
を共通のテーマとして、各分野で活用の可能性を検討し、人材、施設、資金を確保し、将来
にゆるぎない町の特性の育成強化を図るものとします。
10
□第3章□ 勝央町を取り巻く社会の潮流
21世紀という新しい時代の方向性(潮流)をしっかりと見据え、これに適切に対応していく
ことが真に豊かな地域社会を切り拓いていくために必要です。
勝央町を取り巻く時代の潮流は、次のようなものです。
1 少子高齢化社会の進展
女性の社会進出や経済力の向上、家族観の変化などを背景とする晩婚化、非婚化の進行など
により、我が国の出生率はかつてない落ち込みを見せています。
また、一方で、医療技術の進歩や生活水準の向上などによる平均寿命の伸びに伴い、高齢者
人口(65歳以上)は大幅に増加し、世界に類のない超高齢社会が訪れようとしています。少子
高齢化は次世代を担う人々の負担増加に結びつき、就業構造や社会資本整備など社会全体の構
造に大きく影響を及ぼします。少子化への対応として、住宅や就業の場を確保することで若者
の定住を促進することや、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みは、子どもを生み育てや
すい環境づくりを推進するという点からも重要になっています。
本町でも平成12年の国勢調査によると既に4人に1人が65歳以上の高齢者という状況にな
っています。さらに、今後は75歳以上の後期高齢者人口も増加していくことが予想されます。
新しい時代におけるまちの発展のためにも、子供を生み育てやすい環境づくり、若者に魅力
ある地域づくりを進めることが重要であり、また、医療・福祉の充実や健康づくり、生きがい
づくりなど、高齢者がいきいきと活動できるようにすることが求められています。
高齢化への対応として、高齢であっても元気であり、豊かな老後を過ごすことができる長寿
社会づくりや、介護保険制度を中心とした福祉政策全般の再編や柔軟な対応が求められていま
す。
2 住民参加・協働・地方分権
近年、個人の価値観やライフスタイルが多様化し、物質的豊かさよりも、心の豊かさが求め
られています。一人ひとりが個人の価値観に基づき、主体的な生き方を求める傾向が強くなっ
ています。
このような傾向の一つとして、住民の中にも、ボランティア活動など社会や地域のために貢
献することに価値を見出す人やNPO法人などが現れました。
一方、高齢社会や人口減少時代の到来、地球環境問題への対応など、今や、官の分野だけで
解決できる課題ではなくなりつつあります。さらに、平成12 年4月には、地方分権一括法が
施行され、本格的に地方分権型社会に向けた動きが進んでいます。そのような動きの中では、
自治のあり方について「地方自治の本旨を基本とする対等・協力の新しい関係の構築」が謳わ
れ、物事の計画段階や白紙の段階から住民が行政に参加すること、言い換えるならば「住民参
加」「住民協働」が謳われています。
地方分権が進められる中、地方の自立が課題となっており、自らの知恵と力でまちづくりを
11
推進することが求められています。財源的にも地方自治の自立が求められ、住民の受益と負担
の関係もより明確に求められています。
限りある財源の中で、これまで蓄積した社会資本を最大限に生かしながら、地域住民が自ら
の責任と判断で主体的に行う個性ある地域づくりを推進していくことが必要です。
また、地方分権を進め、自らの判断と責任のもとで住民本位の行政を展開することが求めら
れている一方、国と地方の財政状況は非常に厳しく、財源の多くを地方交付税に依存する小規
模自治体は、一層効率的な行財政運営が強いられていくこととなります。
このため、行財政規模を拡大し、行政能力を強化する市町村合併や広域行政の取り組みが時
代の要請となっています。
3 自然環境との共生
オゾン層の破壊、温暖化、酸性雨など環境の悪化が地球規模で深刻化するとともに、廃棄物
が処理能力を超えて増加しています。
また、自然志向、健康志向といった価値観の変化に伴い、自然の循環に配慮することが重視
されてきています。
そのため、自然の大切さとかけがえのなさを再認識し、海や山、川など優れた自然環境の保
全に努め、恵み豊かな自然を次の世代に引き継いでいくことが求められています。
4 高度情報化の時代
高度情報化の進展により、流通・サービス、観光、農林水産、福祉・医療、教育、防災など
のあらゆる分野において高度化、高速化、効率化が進行していきます。また、家庭における情
報通信機器の急速な普及により、家族や個人の生活様式自体を変えていくような新しい展開も
予測されています。
さらに、高度情報化の進展は、地方にとっては大都市圏との時間や距離、情報量の格差を解
消するとともに、情報通信産業育成の絶好の機会となることから、情報通信基盤の整備や人材
の育成を進め、すべての住民が高度情報通信社会の恩恵を享受できる体制を構築しておくこと
が必要とされています。
5 厳しい財政と行政改革
国の三位一体改革などにより、厳しい財政状況は今後も続くことが予想されます。地方税の
減少や地方交付税の削減など、地方をめぐる財政環境は厳しさを増しています。
勝央町においても、町税は平成14年度の約18億9百万円をピークに低迷し、平成22年度決算
では17億8千2百万円となっています。地方交付税も平成12年度の18億7百万円から平成22年
度では17億3百万円まで減少しています。
勝央町の財政力指数は岡山県内でも町村の上位ですが、今後、厳しさを増すことが予想され
ます。厳しさを増す財政環境に対応して、行政のスリム化を念頭におき、将来にわたって安定
的な財政運営が行えるよう、さらに徹底した行財政改革の取り組みが求められています。
12
13
第1節
まちづくりの基本理念
勝央町民憲章の勝央町民の誓いを基本理念とします。【制定時期】昭和 48 年 10 月 16 日
【内容】
わたくしたちは、美しい自然に恵まれ、滝川のほとりに育った勝央町民です。
わたくしたちは、互に話しあい、力をあわせて、平和で住みよい町をつくります。
一、健康で働くことをよろこび、豊かな家庭をつくりましょう。
一、人を愛し、きまりを守り、明るく清潔な町をつくりましょう。
一、老人を敬い、青少年の夢を伸ばし、あたたかい町をつくりましょう。
一、教養を高め、よい風習を育て、文化かおる町をつくりましょう。
一、自然を生かし、環境を整え、調和のある町をつくりましょう。
第2節
将来像
これからのまちづくりの方向性や基本理念を踏まえ、今後10年、勝央町の目指すべき将来像
を次のように設定します。
14
第3節
まちづくりの基本方針
「心豊かに安心して暮らせる 自然と文化のまち“元気な勝央”」
実現に向け、以下の6つの基本方針を掲げます。
① 住民と協働でつくるまちづくり
まちづくりの主体は行政と住民の協働にあり、各主体の役割を明確にしながら、協働や連携
を基本とする、メリハリの効いたまちづくりを進めます。
② 健康で安心して暮らせるまちづくり
一人ひとりが健康に満ち、高齢者や障がいのある人が生きがいを持って暮らせ、安心して子
育てのできる、いきいきとしたまちづくりを進めます。
③ 誰もが住みやすい快適でうるおいのあるまちづくり
本町の立地条件や自然環境の良さを生かしながら、魅力的な市街地の形成や身近な生活環境
の充実を図り、自分のまちとして愛着の持てる快適なまちづくりを進めます。
④ 環境にやさしく、安全で安心なまちづくり
やさしい自然を守り、環境循環型の社会を目指すとともに、地域の安全安心の確立と、しっ
かりした危機管理を図ります。
⑤ やさしい人と文化をはぐくむまちづくり
多くの文学者を輩出した勝央の伝統文化の継承と、思いやりと豊かなこころを持った人づく
りができる環境づくりを進めます。
⑥ 豊かさと活力を実感できるまちづくり
地域資源や立地条件を踏まえながら、農林業・商業・工業・観光業それぞれの特性を生かし
た産業の振興に向けた環境づくりを進めます。
15
第4節
将来のフレーム
1 人口フレーム
まちづくりの指針としての振興計画を策定するにあたり、これまでの本町の動向や長期的見
通しを踏まえた上で、本町の将来人口を明確にしておくことが必要です。
勝央町は工業団地造成により昭和55年国勢調査(10,382人)以来、平成7年国勢調査(11,669
人)までの15年間は人口が増加してきました。しかし、平成12年国勢調査(11,428人)、平成
17年国勢調査(11,263人)、平成22年国勢調査(11,195人)と人口は減少傾向です。近年の出
生率の低下と高齢化の急速な進展に伴い、現在では自然動態も減少しています。
目標年次における将来人口を、統計手法で推計すると、国勢調査人口及び住民基本台帳人口
は下記のとおり推計されます。新たな定住条件の整備による政策的増加人口を加味した11,000
人を計画目標値の人口と設定します。
65歳以上の高齢者人口については、平均寿命の伸びに伴い、一貫して増加傾向にあります。
定年退職を迎えた団塊の世代の故郷への回帰も予想され、平成27年には高齢化率が30%を超え、
確実に超高齢社会が到来することが予想されます。
16
2 土地利用フレーム
1)土地利用の方針
土地は住民生活や産業活動の基盤であり、限られた資源です。その利用にあたっては、快適
な生活が送れるよう、自然環境との調和を図りつつ、景観の維持・創造、災害に対する安全性
の確保等に十分配慮し、長期的視野に立ち総合的かつ計画的な利用を図ります。
① 計画的な土地利用
都市計画区域の用途地域内の土地については、長期的な展望に立ち計画的にゾーンを設定
し、農林業などとの整合性を図りながら計画的な土地利用を推進します。
② 立地性を生かした土地利用
将来都市構造の形成及び地域生活圏の形成を見据え、立地性を生かした、円滑な都市活動
を支える適正な土地利用を図ります。
③ 地域特性に応じた土地利用
快適な居住環境の実現を目指し、地域特性に応じた市街地環境の形成を図るため、用途地
域などの制度に基づき、土地利用区分を図ります。
④ 自然環境と調和した土地利用
市街地周辺における豊かな山地、平地林などは、都市環境や都市景観の向上に資するもの
であり、自然災害防止などの観点からも、緑地として保全する意義があります。住民の憩い
の場としての活用や、自然と共生する土地利用の誘導を図ります。
2)ゾーンの形成
将来都市像の実現に向けて、自然環境保全・活用ゾーン、都市的土地利用ゾーン、農村的土
地利用ゾーン、農業ゾーンの4つに区分し、それぞれの特性を生かした土地利用を目指すもの
とします。
〔 ゾーンの形成 〕
○自然環境保全・活用ゾーン
丘陵部を位置づけ、豊かな自然環境の保全を基本としながら、多くの人々が自然とふれあ
える憩いの場としての活用を考慮していきます。
○都市的土地利用ゾーン
現行の用途区域を位置づけ、住宅地と沿道商業地などが共存する、暮らしやすく、うるお
いのある環境づくりを図ります。
○農村的土地利用ゾーン
既存の農村集落を位置づけ、快適でゆとりのある生活環境の形成を図ります。
○農業ゾーン
田園環境を主体に位置づけ、農業生産の場として、優良農地の保全や休耕農地の活用に努
めていきます。
17
18
第5節
施策の大綱
1 住民と協働でつくるまちづくり
1)自治体経営の効率化(行政運営、財政運営、情報化推進、広域行政、市町合併)
町税収入の伸び悩みや地方自治体を取り巻く今までにない社会環境の変化は、これまで以上
に無駄を省いた効率的な行財政運営、そして職員の能力向上を求めています。
限られた行政資源(人、もの、金、情報など)でどれだけ効率的かつ効果的に、住民の多種
多様なニーズに応えられるか、あらゆる面で自治体としての真価が問われています。
これまでの自治行政のあり方を根底から見直し、時代に即した地域経営を推進するため、
「住
民と協働のまちづくり」「良質な行政サービスの提供」「公正かつ透明な行政運営」「経営感
覚を取り入れた行政運営」の4つの視点を持って、“経営する自治体”を目指します。
地方分権の推進とともに、人的資源の向上が求められています。職員の政策形成能力の向
上をはじめ職員研修の充実を図るほか、人事制度や組織機構の見直しを行い、
“質”の高い行
政組織を目指します。
指定管理者委託の拡充やPFI事業(社会資本整備の民間事業化)の導入を検討するほか、
多様な入札契約手法も検討します。
また、近年の情報通信技術の革新的な進歩により、社会のあらゆる分野で情報化が進み、生
活、経済をはじめ社会全体において、物の流れやサービスの仕組みが大きく変わり、急速に通
信速度の高速化や無線化が都市部において進んでいます。住民一人ひとりが、都市部のサービ
スに優るとも劣らない環境を利用できるよう、情報格差の問題にも十分配慮するとともに、I
CT(情報通信技術)社会の実現に向けた地域情報化の施策を推進し、また一方で、電子自治
体を構築することにより、住民の利便性や行政の透明性を高めることを目指します。
ごみ処理業務をはじめ消防や衛生業務など、周辺市町村と進めてきた広域共同事務は四半世
紀以上の実績があります。町単独では解決できない大きな問題を、関係市町村相互の信頼と共
同のもと対処してきました。住民の社会生活圏は、概ねこれら行政の広域圏と重なります。将
来的な合併も視野に入れながら、地域の一体的整備と振興を図り、サービスの均一化や効率化
に努めるなど、積極的な広域行政の推進に努めます。
いわゆる平成の大合併では、合併を見送った本町ですが、本町を取り巻く社会情勢は依然と
して厳しく、再度、近隣市町との合併も視野に入れた将来の行政運営のあり方について検討し
ていく必要があります。近隣市町の情勢や住民意見の集約に努めながら、合併の可能性を検討
します。
2)協働システムの確立(ボランティア・NPO活動支援、広報・広聴)
最近の地方自治体の抱える諸課題は、急激な社会環境の変化と先行きの不透明さから、行政
のみで解決することは困難になってきています。また、従来、社会的課題や住民のニーズに対
応するのは行政の役目という認識が一般的でしたが、公平性を以て、均一的なサービスの提供
19
を原則とする行政では対応しにくいことも事実です。そこで、期待されるのがボランティアや
NPOなどとの協働による“新しい公共サービス”の出現です。
自らの地域の問題に、自主的かつ柔軟に、迅速に対応することができるボランティア(個人・
団体)やNPOに期待が寄せられます。公共サービスの担い手として、わが国に山積する多く
の社会的課題の新たな担い手として評価されはじめています。
勝央町においても、従来の「サービスを提供する行政とサービスを受ける住民」いう二極概
念から脱却し、様々な課題の解決に向け、多様な主体がそれぞれの立場で「公共」を担い、地
域にあった「新しい公共サービス」を形成することを目指します。行政とボランティア・NP
O・企業等が目的意識を共有し協働をすることで、より人と人のつながりが強い温かみのある
豊かな地域社会の実現に努めます。
協働を進めるためには、情報の共有が必要であり、広報・広聴事業の成果と比例するものと
考えます。
時期を逸することなく、わかりやすい形で正確な情報を公開することに努め、積極的に映像
や新聞などのマスメディアの協力を得た広報活動を充実させます。また、定期的な住民との対
話機会を拡充するなど、公聴の充実も図ります。
3)活力あるコミュニティづくり(コミュニティ活動の支援・人づくり活動の推進)
自分たちの地域は自分たちの手で良くしていこうとする、連帯と協調のもとに成り立つコミ
ュニティ活動は、これからの協働のまちづくりの原点となるものです。また、地域住民がその
責任において、積極的にまちづくりに参画する住民自治こそ地方自治の本質であり、地方分権
時代にふさわしいものといえます。
これまでの、地縁によるコミュニティ(区や自治会組織)の活動や、特定の目的達成のため
に生まれたボランティアやNPO法人の活動など、公共性の高い活動を積極的に支援するとと
もに、これらの組織連携などの調整を行います。さらには、活動の拠点となる施設の整備充実
や、情報の提供に努めます。
また、これらのコミュニティが積極的に活動できるか否かは、リーダーの資質と情熱に大き
く依存することも事実であることから、地域に貢献できる人づくりと組織づくりを推進します。
20
4)青少年の育成(青少年育成)
近年の社会経済環境の変化に伴う生活様式の多様化は、地域や家庭のあり方に大きな影響を
及ぼし、人間関係の希薄化と他人や社会への無関心を招き、地域社会の教育力の低下に大きく
影響したといえます。全国的に、自己中心的な発想や社会規範にそぐわない行動を起こす青少
年が増え、大きな社会不安の一因となっています。
次代を担う青少年が心豊かに健やかに成長することをねらい、これまで以上に家庭、学校、
地域、行政が連携をより一層深め、青少年教育活動の各種施策を積極的に推進します。非行防
止活動や、青少年の社会活動参加事業を町民総ぐるみ運動として展開し、モラルの高い青少年
の育成を推進します。
また、近年、就職意欲がなく働かない、ニート(NEET=無業者)と呼ばれる若者たち
が急増し社会問題化してきました。町としても、関係機関と協力をしながら、この問題に対
処していきます。
5)男女のパートナーシップの確立(男女共同参画)
男女共同参画社会が多方面で唱えられ、平成11年6月に男女共同参画社会基本法が制定され
ました。しかし、10年以上が経過した現在も依然として家庭や職場、地域において、男女の固
定的な役割分担意識が残っており、女性の社会参加、地域活動への大きな妨げとなっています。
社会のあらゆる分野で、男女がお互いの人権を確かなものとし、共同参画社会の実現が図ら
れるよう、男女共同参画基本法の理念に基づきながら、様々な機会を通じた男女平等意識の啓
発を進めるとともに、地域活動や町政運営への参加機会の拡大に努めます。
6)人権啓発と教育の推進(人権啓発と教育)
人権尊重社会の実現のためには、自分の人権と同様に他人の人権をも尊重することが求めら
れています。住民一人ひとりが、自分の人権のみならず他人の人権についても正しく理解し、
その権利の行使に伴う責任を自覚して人権を相互に尊重し合うこと、すなわち、人権共存の考
え方を推進していきます。
女性、子ども、高齢者、障がいのある人、人権問題、外国人、刑を終えて出所した人、犯
罪被害者等、様々な差別が存在しています。人権一般の普遍的な視点から人権教育を推進す
るほか、多くの住民から理解と共感を得られるような啓発活動を進める必要があります。ま
た、各人権課題に対する取り組みを推進し、それらに関する知識や理解を深め、さらには課
題の解決に向けた実践的な取り組みを推進します。
21
2 健康で安心して暮らせるまちづくり
1)子育て支援環境の充実(子育て支援)
子どもを育てる環境は大きく変わり、様々な問題も生じていますが、子どもたちの健やか
な成長を願って、国では「次世代育成支援対策法」
「児童虐待防止法」等が施行されています。
勝央町でも、
「子どもがいきいきと成長できるまち」という理想の暮らしに対する願いとし
て、
『感性豊かな子どもの成長』を掲げ、育児への孤立感を持つことなく、親も子も信頼のお
ける家族や友人、地域の人たちとふれあいながら生活し、喜びや悲しみを共に分かち合いな
がら楽しく子育てできるよう、
「勝央町次世代育成後期計画」
「勝央町食育推進計画」
(ともに
H22 年3月策定)に沿って事業を展開していきます。
2)食育・運動・休養からの健康づくりの充実(健康づくり)
平均寿命の伸びと平行して、寝たきりや認知症の方が増え、若くしての突然死や自殺も大
きな社会問題となっています。年を重ねてもこの地に住んでよかったと思えるようなまちづ
くりをしていく必要があります。健康は、そのための必要な条件と位置づけ、健康面からの
まちづくり計画「いきいき金太郎健康の郷づくり計画(健康勝央 21)
」(H14 年度~)を推進し
ていきます。
3)高齢者福祉の充実(高齢者福祉)
急速な高齢化の進展により、高齢者の福祉ニーズはますます高まるものと考えられます。
「勝
央町高齢者保健福祉計画」「勝央町介護保険事業計画」に沿って施策を推進します。寝たきり
や認知症、虚弱等による介護を要する高齢者に対しては、介護保険制度との連携を図り、社会
全体で支えることを基本とします。
高齢者が要介護状態になることを予防できて、できる限り住み慣れた環境で自立して日常生
活を営むことができるよう、介護予防教室の充実や地域での見守り等、多角的な視点からのサ
ービス提供に努めます。
一方で、多くの高齢者が、元気で充実した生活や、生きがいを感じるための社会参加を求め
ており、こうした高齢者の自立意欲を受け止め、勝央町の発展や活力に欠かせない人材として
捉えた施策が必要です。
高齢者の長い人生経験から培われた豊富な知識や技術、文化をまちづくりの貴重な資源とし
て評価し、次世代を担う子どもたちとの世代間交流を通して、未来へ継承できる施策を展開し
ます。また、地域福祉団体をはじめとする地域団体の活性化を図るなど、高齢者のいきいきし
た暮らしの環境づくりに努めるほか、ボランティア活動や、スポーツクラブ活動等を生涯活動
の場として支援するなど、高齢者の生きがい対策を推進します。
22
4)障がいのある人への福祉の充実(障がいのある人への福祉)
障がいを持つ人も持たない人も等しく生きる(ノーマライゼーション)理念のもと、誰もが
住み慣れた家庭や地域で生活ができる社会の実現に向け、総合的、体系的な福祉施策を充実さ
せることが必要です。
障がいがあっても、子どもや家族の尊厳が大切にされ共に生きる地域づくりを進めます。
乳幼児期から高齢期に至るまで、その人のライフステージに応じたニーズを把握し、関係機
関と連携してサービスを提供します。
また、障がいのある人の自立を図るため、一般就労が困難な障がいのある人に対する福祉的
就労の場の確保、拡大に努めるとともに、地域における文化活動やスポーツ・レクリエーショ
ン活動への積極的な参加を促進します。さらに、日常生活を送る上で支障のないよう、様々な
障壁をなくす(バリアフリー)環境整備を進めます。
こうした事業を、勝英地域自立支援協議会や勝田郡地域生活支援センターと連携して推進し
ていきます。
5)地域福祉の充実(地域福祉)
少子高齢化の急速な進行、核家族化や女性の社会進出による保育・介護機能の低下、地域と
しての一体感の希薄化など、社会状況は大きく変化しつつあり、住民の福祉に対する需要はま
すます多様化、複雑化しています。こうした状況の中、すべての住民が住み慣れた地域でいつ
までも安心して暮らせるよう、お互いに助け合う意識を持った福祉のまちづくりが必要となっ
ています。
このため、ボランティアなどの組織による公的福祉サービスの充実に努めるほか、総合保健
福祉センターをサービスの拠点として、地域福祉を支える事業展開を図り、新しい公共サービ
スとして協働体制づくりを進めます。
また、住民の福祉に対する意識を高め、福祉活動への積極的な参加の促進を図ります。地域
福祉活動の中心的役割を担う社会福祉協議会の機能を充実するほか、身近な相談役の民生委
員・児童委員と主任児童委員との連携を強化し、地域福祉の充実を図ります。
6)社会保障の充実(介護保険、国民健康保険・高齢者医療制度、国民年金、生活支援)
社会保障制度は、住民が安心して日常の生活を過ごすために欠かせないものであり、今後、
少子高齢化が進む中では、その重要性が一層高まるものと考えられます。
介護保険制度の導入以降、介護サービスの基盤は整いつつあるといえますが、今後も介護の
ニーズに応えながら、多様なサービスが提供できる体制整備に努めるとともに、介護サービス
の質の確保を図ります。また、介護保険制度の安定的な運営の確保に向けた保険財政の健全化
や保険料の収納率の向上、介護給付の適正化に取り組みます。
医療を安定的に保障する国民健康保険の運営は、高齢社会の進展や医療技術の高度化等によ
り大変厳しい状況にあります。保険給付に見合う収入を確保し財政の安定を図る一方で、医療
費の適正化、保健事業の充実などにより支出の適正化に努め、国民健康保険制度の長期的安定
に努めます。将来、新制度への移行が見込まれる高齢者医療制度については、制度移行が円滑
23
に行えるよう制度内容について周知徹底の啓発活動を行うとともに、業務の移行スケジュール
に従い新制度への対応を行います。
また、老後の生活を保障する国民年金に関しては、住民の受給権確保に向けた啓発活動等を
行い、年金制度に対する理解を促すとともに、未加入者への加入促進や年金保険料未納者の解
消に努めます。
さらに、高齢、障がい、傷病などが原因で経済的に自立して生活することが困難な生活困窮
者に対し、生活を保障するための生活保護制度の迅速な対応に努め、相談、助言を強化してい
きます。
7) 保健医療サービスの充実(地域医療)
住民が、自分の健康づくりに気をつけながらも適切に医療が受けられるように、地域医療や
広域での救急医療体制の確立に努めるとともに、住民に対して正しい医療へのかかり方につい
て啓発をします。
岡山県が推進している、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4疾病に対する切れ目のな
い医療連携体制の構築に向けて住民に啓発をしていきます。
また、救急医療については、津山圏域消防組合、津山中央病院救急救命センター、休日当番
医の関係機関等との連携強化を図り、夜間・休日等の診療体制の充実を図ります。
24
3 誰もが住みやすい、快適でうるおいのあるまちづくり
1)秩序ある土地利用計画(土地利用計画・都市計画)
本町の豊かな自然や快適な生活環境を確保する上で、土地の有効的な利用を計画的に進める
ことは、とても重要な課題となります。
地域特性に配慮した土地利用を推進するため、都市計画区域においては、都市計画法、町開
発事業の調整条例等により良好な居住環境の形成を図るとともに、用途地域の制度に基づいて、
無秩序な開発を抑制し、優良な農地の保全を図ります。
一方、市街地周辺における豊かな山地、丘陵地や河川などは、災害防止や治水計画に配慮し
ながら、住民の憩いの場としての活用を検討するなど、自然と共生する土地利用を図ります。
2)交通体系の確立(道路交通計画、生活道路、公共交通)
地域交流や都市間交流を支え、住民生活や産業活動の基盤となる都市交通体系は、地域づく
りに欠かすことのできない重要な要素の一つです。
本町の道路交通については、津山広域都市計画区域マスタープランとの整合性を踏まえなが
ら、勝央町の骨格となる地域高規格道路、広域幹線道路や幹線道路等の整備を推進します。広
域的なネットワークから地区内の交通サービスまで、道路の持つ機能と役割に応じ、安全と利
便、経済発展に配慮した整備を図ります。
また、歩道や自転車道の整備による車道との分離や、公共交通に対するサービス水準を高め、
すべての住民が安全で利用しやすい交通環境の実現を目指します。
高齢化社会が進み、高齢者福祉を進める観点からも、高齢者の利用ニーズを勘案しながら、
公共交通の利便性の確保に努めます。
3)生活基盤の整備(上水道、下水道、衛生)
快適な暮らしや健康を支える生活環境の重要性がより一層増しています。
上水道については、これからも「安全で、おいしい水の安定供給」を継続していくために、
健全な事業執行を基本として一層の経営合理化に努めながら、老朽配水管を耐震性の強いもの
へと敷設替えを進めます。
下水道については、快適な生活環境の確保と河川の水質保全のため、効率的で安全・安心な
施設管理に努めます。また、面整備については平成22年度末で完了しましたが、今後の環境の
変化及び都市化の進展により区域の拡大及び施設の高度化が求められる場合には、順次整備す
る方針です。
また、毎年増加するごみについては、循環型社会を形成していくために、当町においても、
平成19年3月に見直しをした「一般廃棄物処理基本計画(ごみ編)」(H17年3月制定)に沿っ
て事業を展開し、事業者、地域コミュニティ、町がそれぞれの立場で、総合型ごみ処理施設(新
クリーンセンター)と連携をとりながら、廃棄物の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、 再
資源化(Recycle)の3Rを推進していきます。
また、水環境の保全と公衆衛生の確保を図る上で、生活排水対策を積極的に推進していく
25
ことが重要な課題になっており、
「一般廃棄物処理基本計画(生活排水編)」
(H19 年3月見直
し)に沿って地域住民の協力のもとに事業を展開し、生活環境の改善により快適で豊かな水
環境を整えていきます。
斎場については、昭和 62 年建設の施設で、火葬炉の老朽化が進んでおり、近い将来抜本的
な改修を図る必要があります。
また、し尿処理については、勝英衛生施設組合と連携し効率的な施設運用を図ります。
4)公園・緑地の活用・整備(公園、緑化推進)
“身近な公園”の整備は、特に子育て世代から要望の高い事項です。身近な公園は災害時に
おける避難空間としての機能も有することから、投資効果等を検討し、少子化時代と地域に即
した地域が育てていく公園整備を推進します。
また、公共施設における緑化を推進するとともに、自治会などと連携を深めながら、住民の
緑化意識の高揚を図り、住民自らが地域の緑化を推進するよう図ります。
26
4 環境にやさしく、安全で安心なまちづくり
1)地球にやさしい環境整備(環境保全・水と緑の保全)
私たちを取り巻く地球規模の環境は、大量生産、大量消費、大量廃棄といった社会経済活動
を原因とした著しい負荷により、環境ホルモンなどの新たな化学物質の発生、オゾン層の破壊、
地球温暖化の深刻化など、様々な問題が顕在しています。
かけがえのない環境を守っていくために、地球規模の環境保全の意識を住民一人ひとりが持
ちながら、生活様式や事業者の活動のあり方を根底から見つめ直すことが必要です。自然環境
や生活環境の保全をはじめ、資源循環型社会の実現に向けて、ごみの減量化やリサイクルの推
進、住民・事業者・行政の協働による環境優先の地域づくりを進めます。
住民が水と緑にふれあい、自然を肌で感じられるような親水空間の創出、緑の保全、平地
林・屋敷林などの残された緑の維持を図り、おだやかでやさしい自然環境を暮らしに身近な
大切な資源として守り、引き継いでいく体制づくりを進めます。
2)安全に暮せる環境整備(交通安全、防犯)
犯罪や交通事故のない安全な暮らしの確保は、すべての人々が生活する上で最も重要な土台
となるものです。
交通安全対策については、関係機関との連携を図りながら交通安全施設の整備充実に努め、
交通事故のない地域環境づくりを進めます。
近年では、コミュニティの弱体化による地域防犯機能の衰退や、犯罪の低年齢化・悪質化が
進みつつあり、身近な生活空間における安全確保が強く求められています。
より安全な地域社会づくりを目指し、「安心安全情報ネットワーク」の発展・拡充に努めな
がら、防犯施設の整備や、青少年育成に関わる団体との連携による地域ぐるみの防犯活動の展
開を図り、犯罪などを未然に防止する環境づくりを推進します。
3)安心して暮らせる環境整備(消防・救急、防災)
近年、様々な災害が頻発する中、自然災害の少ない本町にあっても、誰もがいつでも安心し、
明るく暮らせるよう、住民の生命と財産を守る基本的な環境を整えることが重要です。
消防力の一層の強化に努めるとともに、関係機関との協議を進め、救急救助体制の充実を図
り、災害時に迅速かつ的確な応急対策等が実施できる体制を確立します。
また、住民一人ひとりの防災・防火意識の高揚を図りながら、災害弱者に配慮した防災施設
の整備や地域における自主防災組織の設置を図り、行政と住民が協働する、総合的な防災体制
の確立を進めます。
27
5 やさしい人と文化をはぐくむまちづくり
1)幼児教育の充実(幼児教育)
子どもは皆、多様な可能性を持っています。幼児期はこれを大きく開花させ、子どもが健全
に成長し、人間性豊かな心をはぐくんでいくための基礎となる極めて重要な時期です。この時
期に、あいさつや手伝いなどの生活習慣や集団生活における社会性などを身につけることは大
きな意味を持っています。
家庭と保育園が連携し、保育園での幼児教育の内容充実を図るとともに、さらに保育園と小
学校が情報の交流や連携を取りつつ、学校教育への円滑な移行を促進します。
また、充実した幼児教育をも担える「こども園」を視野に入れた再編計画を立てます。
2)学校教育の充実(学校教育)
豊かな人間性をはぐくむべき時期の教育において、受験競争の過熱化、いじめや不登校、社
会体験不足など、様々な問題点が指摘されています。
学校教育には、急激な社会の変化に主体的に対応できる「心豊かでたくましい子ども」の育
成が求められています。本町においても、児童・生徒が生きる力を身につけられるよう、自ら
学び、考える力を育成するとともに、豊かな人間性や創造力、健やかな心と体をはぐくむ教育
に努めます。特別支援教育においても、個々の教育的ニーズを把握し、持てる力を高め自立に
向けた取り組みや支援を行います。
また、新しい教育方法への対応や今後の児童・生徒数の変化などを考慮した教育施設の改
修・整備を進め、地産地消や食育の考え方を取り入れた学校給食の提供や、安全に関する学校
の危機管理体制の確立に努めます。
3)生涯学習の充実(生涯学習)
物の豊かさから心のゆとりを求める時代の流れを受け、住民の自発的な学習意欲は高まりを
見せていますが、その学習内容は多岐にわたり、熟度も人により様々です。
高度化・多様化した学習ニーズへの柔軟な対応を図るため、勝央町公民館と勝央図書館を住
民の生涯学習の拠点とし、各地区のコミュニティセンターと連携し、豊富な知識と実行力を有
した指導者の確保・養成に努めるとともに、学習機会の場の提供や社会教育団体との連携・支
援を推進します。
また、誰もが平等に暮らせる社会の実現に向け、人権教育の充実を図ります。
勝央町にずっと住み続けたいと思う人を育てる「人づくり」は、勝央町の「まちづくり」の
原点ともなります。「人づくり」を実践する生涯学習により、住民一人ひとりが生涯を通じ、
自己を高め、個性を磨き、様々なことを学ぶことによって、ふるさと勝央町の基盤が築かれま
す。これまで、様々な講座を開催し多くの住民の参加を得てきましたが、今後は行政活動全般
を生涯学習の視点から見直し「行政の生涯学習化」を進めます。様々な学習機会の場の提供や
学びやすい環境づくり、学習情報の提供や生涯学習の啓発、生涯学習推進組織の支援を進め、
勝央町の「人づくり」につなげていきます。
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4)スポーツ・レクリエーションの振興(スポーツ・レクリエーション)
自由時間の増大や健康志向の高まりにより、年齢や体力などに応じて、様々なスポーツ・レ
クリエーションを楽しむ住民が増えています。
平成 22 年 10 月に設立された「勝央町健康スポーツクラブ」を中心に、子どもから高齢者ま
で、すべての住民が日常生活の中で気軽にスポーツ・レクリエーションに親しみ、体力の向上
や健康づくりが図られるよう、スポーツに接する機会の充実に努めます。
総合運動公園等体育施設の積極的な利用を促すためには、住民のニーズに応える既存体育施
設の整備・充実を図ることが重要となります。
また、スポーツ推進委員や各スポーツ少年団、中学校等の部活動など指導者の養成を図り、
指導者間の連携をとることにより、軽スポーツの普及から競技スポーツの競技力向上まで総合
的な指導体制の確立に努めます。
5)地域文化の振興と文化財の保護活用(芸術・文化活動)
住民の芸術・文化活動への志向や、歴史・伝統文化に対する関心は、心のゆとりや豊かさを
求める現れとして、年々高まってきています。
勝央文化ホールと勝央美術文学館を勝央町の文化の「母船」として、優れた芸術・文化を鑑
賞する機会を提供するほか、住民が自ら創作活動をする文化創造の場を提供し、勝央町の地域
特色を生かした文化のまちづくりを目指します。また、地域伝統文化や、県・町指定文化財な
どの保護とその活用を図ることで、郷土に根ざした文化の振興を図ります。
子どもを対象とした絵画展や芸術鑑賞会等、既存施設を利用した事業や、保育園・学校での
アウトリーチ事業等を積極的に実施し、幼少期から芸術文化に親しむことのできる環境を整備
することで、明治以降、多くの文化人を輩出した勝央町の新しい文化の創造と発展につながる
よう施策を展開します。
6)国際交流の推進(国際交流)
日常生活のあらゆる面で国際化が進展し、身近な地域社会でも外国人や異文化に接する機会
が増えています。
お互いをよく理解し、より友好を深めていくため、様々な交流機会の提供や、外国語による
生活情報の提供を図るなど、外国人も安心して暮らせる環境づくりを進めます。
29
6 豊かさと活力を実感できるまちづくり
1)町の特性を生かした農林業の推進(農業の振興、林業の振興)
農業従事者の減少・高齢化、農産物価格の下落など農業を取り巻く環境はますます厳しさを
増しています。
農業にも構造改革が迫られています。とりわけ、町の基幹産業である農業だからこそ元気が
出せる施策を積極的に進めなくてはなりません。
そのため、町や地域の特性を生かした農業の生産と経営の安定した経営体の育成を進めます。
個別経営体は法人化を、また、集落営農による組織経営体により農業経営の構造改革を進めま
す。施設園芸と水田農業のそれぞれの分野での専門性を高め、町の特産品のブランド化を進め、
特性ある勝央町の農業を目指します。
「おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジ」を活力形成と町農業の核とし、
都市住民との交流による消費者ニーズを捉え、生産と販売への変化をかけながらサブ拠点や集
落へのまとまりある農業連携を確立させるための施策を検討します。
林業については、産業としての経済活動的な視点のほか、森林の持つ自然環境機能を維持す
るためにも、森林組合と連携し良好な森林保全を進めます。
2)活気あふれる産業の振興(商業の振興、工業の振興、労働環境・消費生活)
今後のまちづくりにおいて、商工業の振興は、単に町に活力をもたらすばかりではなく、勝
央町の様々な情報の発信源として重要な役割を担うものです。
商業においては、津山市、美作市へ消費者の流出が課題となっています。活性化の方策とし
て、商工会との協働による商環境の整備を推進するとともに、他産業や観光との連携や、勝央
オリジナル商品の開発や観光客を呼び込む散策ルートの考案など、消費者ニーズを先取りした
形の特徴ある方策をとる必要があります。
工業においては、既存企業への組織面での援助や情報を提供し、また、中国自動車道の高速
交通網に恵まれた立地条件を生かせる優良企業の誘致を進めます。
消費者行政や、労働行政の分野では、今まで取り組みは薄かった分野でありますが、消費者
団体の育成、消費者教育の推進、消費者相談窓口の充実などに努めます。
3)地域特性を生かした観光の振興(観光)
観光やレジャーを目的に多くの人々がまちを訪れ、賑わう様子は、まちに元気を与え、本町
の魅力をさらに高めます。
自然回帰志向や、やすらぎ志向に沿った自然との共存を重視した観光の振興が期待されます。
このため、既に多くの来訪者を迎え、今後とも交流の拠点となる「おかやまファーマーズ・マ
ーケット ノースヴィレッジ」周辺の環境整備を検討します。
また、グリーンツーリズム等について検討し、体験・観光イベントの充実や県北部市町村と
連携した観光ルートの開発などに努めます。
観光バス事業者や旅行事業社などとの連携を強化し、途中下車による寄り道的な観光を促進
30
するなどの工夫を図り、観光客も誘致できる施策を検討します。
4)若者定住化の促進(定住化促進)
若者が多く住むまちには活気があふれ、子育て世代の活力がどの世代にも元気を与えてく
れます。定住化策の中でも若者の定住化に結びつく方策をとる必要があります。
まず町有地の遊休土地の利用で、住宅用地の提供を図ります。そして住宅建設のための補
助制度を検討します。
また、町内の空き家を利用した定住化促進のため、町内の空き家の情報提供の仕組みづく
りを図ります。
町営住宅は、老朽化が激しく運営のあり方を検討する必要があります。
定住化のためには、雇用の場の確保が重要となってきますが、関係機関との連携強化を含
めた情報提供を積極的に行っていきます。
31
32
33
1
第1節
総合
住民と協働でつくるまちづくり
自治体経営の効率化
【1 行政運営 】
現況と課題
地方自治体をめぐる行政需要・行政課題が年々増大する一方で、経費の節減・定員適正化が
強く求められ、現組織体制の見直し、効率的、効果的な体制構築が急務となっています。
簡素で、住民にわかりやすく、利用しやすい組織機構に基づく行政運営が必要であり、行政
需要の変化に対応した効率的な組織となるよう、継続的な見直しを行わなければなりません。
特に、限られた町の職員数(H23年4月1日現在で137人)で、時代に適応した行政施策を展
開していくためには、多様な人材の確保が必要であり、人材育成基本方針に基づいた計画的な
人材育成を行いながら、職員の自己啓発意欲を喚起し、組織による能力開発の支援と、職員研
修計画等による資質の向上に努めていくことが不可欠となっています。
また、現業部門だけでなく、事務部門についても、費用対効果等に基づき、民間への事業委
託の推進の観点から、コスト削減や住民サービス向上の効果が期待できる事務事業を洗い出し、
積極的かつ計画的に外部委託化を推進していく必要があります。
さらに、本町における公共施設の管理運営は、平成18年度から「指定管理者制度」の導入を
しています(13施設)が、まだ、多数を直営で行っているのが現状であり、今後も公共施設に
対する行政需要の多様化、住民サービスの向上に対応するため効率的なシステムが必要となっ
ており、民間の活力やノウハウを積極的に活用した「指定管理者制度」の推進が求められてい
ます。
34
35
基 本 方 針
○町の力や真価が問われる地方分権の時代の本格的な到来を念頭に、一人ひとりの行政職員が
自己の能力向上に努めるとともに、限られた人員の中、柔軟で効果的な行政運営を推進しま
す。
施策の方向
(1)行政改革の推進
①抜本的な事務・事業の整理・組織の合理化を図ります。
②平成19年度から取り入れた人事評価制度を効果的に活用し、職員研修の充実など、
人材育成基本方針の推進を図ります。
③行政評価システムの導入を検討します。
④行政需要に応じた人員の検討を行い適正な職員配置や意思形成過程が簡素化された
フラットな組織編制にします。
(2)協働と参画の環境づくり
①住民の町政への参加を促し、住民と町との信頼関係を深める、公正で民主的な町政
を推進するため、町政に関する公文書を情報公開条例に基づき開示します。
②給食調理、ごみ収集など、現業部門の外部委託の推進を図ります。
③PFI事業導入の検討や、民間への事務事業の委託推進を図ります。
④勝央文化ホールなどを対象とした、指定管理者制度の導入を検討します。
(3)個人情報の保護
住民サービスの必要性などにより収集・保有した個人情報については、「勝央町個
人情報保護条例」に基づき、漏えいや改ざんなどがないよう安全に管理・保護します。
36
【2 財政運営 】
現況と課題
本町の税収等の財源は質・量ともに近隣市町村に比べ比較的恵まれてはいますが、今後とも
大きな伸びは期待できない一方で、住民のニーズは多種・多様化し、行政需要はますます増加
の傾向にあります。
また、住民生活に直結する投資的経費や経常的経費の財政需要の増加も見込まれており、財
源確保及び事務事業の優先選択等を通じて、長期の計画的な財政運営を図ることが急務となっ
ています。
- 収支の状況 -
本町の普通会計の収支は、過去5年間の決算では実質収支は各年度とも黒字を示し、財政収
支の均衡を保持しています。実質収支比率は4%前後で推移していますが、今後とも過去の分
析と計画的財政運営に努めていく必要があります。
- 歳入の状況 平成12年度以降の10年間での歳入の伸びは、平成15・16年度総合文化施設の建設により伸び
たほかは、全体的にほぼ横ばい状態ですが、税収については景気の落ち込みなどの影響で、法
人町民税を中心に落ち込み傾向です。また、地方交付税については、三位一体改革の影響で平
成14年度から急激に落ち込み、厳しい財政運営を余儀なくされましたが、平成20年度からは落
ち込み以前の数値に回復しつつあります。
今後、経済情勢や社会動向が短期間に変化することが予測されますが、的確な対応により、
自主財源の安定確保に努める必要があります。
- 歳出の状況 平成12年度以降の10年間で歳出の伸びは、平成15・16年度総合文化施設の建設により伸びた
ほかは、全体的にほぼ横ばい状態ですが、消費的経費は、やや急激な伸びを示しています。投
資的経費は、平成15・16年度の総合文化施設建設や平成20年度勝間田小学校耐震化以外の年度
は、大規模建設工事がなかった結果、減となっています。
37
また義務的経費については、扶助費は伸び、人件費は減少し全体でほぼ横ばいとなっていま
す。
今後はこれらの動向に十分注意を払いながら、財政計画に基づく社会資本整備の充実を図っ
ていく必要があります。
38
- 財政構造 (経常収支比率)
財政構造の弾力性を示す指標で、70%~80%程度が妥当とされており、本町は概ねその範囲
内にありますが、扶助費・公債費など義務的経費の増加する要因は大きく、財政の硬直化を招
く恐れもあり、さらなる経費の節減・合理化に努める必要があります。
(財政力指数)
本町の財政力を示す財政力指数は、0.4台から0.5台の範囲内にあり、今後もこの状況が続く
ことが予想されます。
(財政健全化法による健全化判断比率・資金不足比率)
平成19年6月に成立、公布された「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき、
年度ごと決算数値をもとに算定した「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」「実質公債費比率」
「将来負担比率」の4つの健全化判断比率と公営企業の「資金不足比率」の公表が義務づけら
れました。
本町の平成21年度数値は、健全化判断比率の実質公債費比率が17.0%、将来負担比率199.2%
39
と県下比較ではあまりよくないのが現状です。また、その他の指標は黒字のため算定されませ
んでした。
今後、起債の抑制・財政調整基金の積立等を図ることにより、数値的には改善することが予
測されます。
- 後年度財政負担 本町の公債費比率は、平成11年度には15%を超える状況でしたが、財政運営の努力によって
徐々に回復安定してきています。
公債費は、人件費などと同様に義務的経費であり、任意に削減できない硬直性の強い経費で
あり、財政の健全性を悪化させる原因となるもので、その動向に留意するとともに、新規借り
入れは極力行わない等公債費の増加を抑制するよう努める必要があります。
また、債務負担行為についても、地方債と同様の性格を持つものであり、この取り扱いにも
慎重を期す必要があります。
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基本方針
○税収の確保や地方交付税制度の有効活用により、効率的な自主財源の確保を図るとともに、
補助金や町債を効果的に措置し、円滑な行政運営に資する財源確保を図ります。
施策の方向
(1)自主財源の確保
町税における、課税客体把握の適正化を図るとともに、収納率の向上に向けた抜本
的な対策の実施を検討します。
(2)健全な財政運営の確立
①地方交付税や、補助金等の特定財源の確保に努めるとともに、経常経費の抑制を図
ります。
②新地方公会計制度に基づく連結財務書類(企業会計手法を取り入れた総合的な財政
状況を示す決算表)の作成・公表を継続します。
③すべての補助金・負担金について見直しを図り、削減案を検討・提示します。
④一般会計、特別会計、出資法人等の決算を総合的に把握・提示します。
(3)財源の効果的な活用
①住民ニーズや、重要性・投資効果などを勘案しながら、施策の優先順位の的確な把
握に努め、財源の効果的な活用を図ります。
②最優先する重要事業を選定し、当該事業の投資効果を分析・評価する指標の作成・
提示を図ります。
(4)職員給与及び人事管理の適正化
行政需要の動向を的確に把握し、適正な職員配置と定員管理に努めるとともに、給
与水準の適正化等により、人件費の増加を極力抑制して健全な財政運営に努めます。
41
【3 情報化推進 】
現況と課題
平成15・16年度に津山広域テレトピア計画に基づき、テレビ津山を事業主体として町内全域
にCATV網を敷設しました。これにより、町内全域にブロードバンド網が完成しました。そ
れ以前は民間業者のADSLに頼らざるを得ませんでしたが、基地局から遠い地域(特に町の
北部地域)は通信速度が確保されず、インターネットができにくい環境でした。CATV網の
整備で、情報通信格差の是正が図られています。しかし、インターネット接続率は、30%前後
と今後の普及促進が課題となっています。
また、平成15年度に地域イントラネットネットワークの整備により町内の公共施設間が光ケ
ーブルで接続されました。このネットワークを有効に活用し、住民基本台帳カードの普及や電
子申請など住民の利便性向上や地域活性化につなげていくことが重要となっています。
情報化の推進には、行政からの情報提供とすべての住民が高度情報通信社会の恩恵を享受で
きる体制を構築していくことが求められています。
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基本方針
○行政と住民の直接通信手段としての新たなブロードバンドの導入を検討します。
○ブロードバンド通信網の有効活用と住民利便性の向上を目指します。
施策の方向
(1)情報通信基盤の整備
現状としてCATV網が整備されている本町においては、架設電柱の問題や同様形
態の補助金導入の問題などでFTTHの模索が困難となっています。次世代無線通信
等による通信手段の導入によりさらなるブロードバンド化を検討します。
(2)電子自治体の促進
岡山県の電子申請システムを活用し、住民の利便性向上につながる電子申請の普及
を図ります。
また、岡山県統合型GISの共同利用や住基カードの普及促進と活用等、インター
ネットを活用した様々な住民サービスの向上に努めるとともに、行政の事務効率化を
図ります。
(3)自治体クラウド
自治体クラウドへの参加を検討し、情報セキュリティ・システム性能の向上と情報
システム関連経費の削減を図ります。
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【4 広域行政 】
現況と課題
ごみ処理・し尿処理・消防救急業務等の広域行政事務組合のほか、各分野における協議会の
設置などが図られる一方で、住民の生活圏は、住民の年齢や職域などにより町境を越えてさら
に多方面に広がっています。
今後は、地方分権化などの時代の流れや住民のニーズを的確に捉え、近隣市町村との協調を
図りながら、広域的な連携強化をさらに積極的に進めていく必要があります。
基本方針
○本町の独自性・地域特性に配慮しながら、地域社会の発展、住民要求の高度化・多様化に併
せて、近隣市町村相互間効果の高い広域行政の推進に努めます。
施策の方向
(1)地域住民の豊かな生活を確保するため、津山広域事務組合、津山圏域消防組合、勝英
衛生施設組合、津山圏域資源循環施設組合等との連携強化を図り、広域の中で担うべ
き本町の役割を見極めながら、広域行政の推進に努めます。
(2)各広域行政組織と連携したサービスの提供
各広域組織と連携を図りながら、広域事務事業を推進し、地域住民の満足するサー
ビス提供に努めます。
(3)広域行政をめぐる積極的な情報提供
広域行政組織のほか、津山地方拠点都市地域などの関係市町村と連携を図りなが
ら、ホームページなどの電子媒体を活用した、広域行政情報提供の整備に努め、広域
圏における住民の間での一体感の醸成を図ります。
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【5 市町合併 】
現況と課題
地方分権改革の進展に伴い、市町村が行う行政サービスは自らの判断と責任において実施す
ることが求められ、国の進める三位一体の改革は、地方財政に重大な影響を及ぼしていきまし
た。
加えて、少子高齢化の急激な進行や生産年齢人口の減少は、これまでの社会構造を大きく変
化させ、行政サービスの需要の増大や、税収を柱とする財源の減少を招くばかりでなく、行政
による将来的な社会保障や福祉サービスの継続を不安視させるものとなっています。
こうした状況を背景に、本町も勝田町・美作町・英田町・柵原町の5町による合併を進めて
いたところですが、平成16年6月30日に協議不調により協議会が廃止となりました。
しかしながら、本町を取り巻く社会経済情勢は依然として厳しく、再度、近隣市町との合併
も視野に入れた、将来の行政運営のあり方について検討していくことが求められます。
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基本方針
○道州制移行の動向や近隣市町の情勢も見極めながら、合併可能性を検討します。
施策の方向
(1)住民合意による市町合併を目指すため、アンケートや地域懇談会などによる住民意見
の調査を実施します。
(2)近隣市町と連携し、行政サービスの現状と行政運営の課題を明確にしながら、住民が
安心して暮らせる新たな都市の実現に向け、市町合併の検討体制の調整に努めます。
(3)市町合併の可能性に向けた検討
アンケート調査の実施や、地域懇談会の開催などにより、住民意向の把握に努め、
アンケート調査の結果を勘案し、合併可能性の調査委員会を検討します。
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第2節
協働システムの確立
【1 ボランティア・NPO活動支援 】
現況と課題
本町では、地域の福祉・保健や子どもたちの育成・教育の分野において、ボランティアが積
極的に活動しており、行政もこれらの活動に対し助成を行うなどの協力を行ってきましたが、
その数はまだまだ限られています。
一方で、行財政の縮減傾向が強まり、今日まで行政サービスとして実施してきた個別事業の
継続が心配される中、将来的に行政として提供できない分野におけるボランティア・NPO活
動に対する期待はますます大きなものとなっています。
こうした状況を踏まえ、住民のボランティア意識の向上と理解、その活動を支える人材の育
成など、住民と行政の協働によるまちづくりの推進に向けた、ボランティア・NPO活動に対
する積極的な支援と連携の充実に努めていく必要があります。
「きのこの森」まつりの様子
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基本方針
○豊かな地域社会の形成を目指し、ボランティアやNPO等の民間活動の育成と支援に努めま
す。
施策の方向
(1)ボランティア・NPO活動の育成・支援
①ボランティア・NPO活動などの積極的な育成・支援を図ります。
②町内ボランティア団体及びNPO団体との連携・協力により運営されるボランティ
ア・NPO支援体制の確立を目指します。
(2)社会貢献活動の促進
様々な分野における社会貢献活動の普及に向け、活動支援体制の整備や活動情報の
提供を図り、ボランティア団体やNPO団体、企業をはじめ、誰もが参加できる環境
づくりに努めます。
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【2 広報・広聴 】
現況と課題
町の広報・広聴活動は、行政と住民とを結ぶパイプとして重要な役割を担っており、その充
実に向けては、映像・新聞などのマスメディアとの連携・協力による正確な情報提供や、定期
的な住民との対話機会の設置などに努めていくことが必要です。
また、地方分権の時代における広報・広聴の新しいあり方が求められており、従来の行政が
保有する情報を一方的に住民に対して提供する、というスタイルの見直しが必要となっていま
す。今後は、インターネットなど電子媒体の活用や住民からの積極的な地域情報の提供も含め、
行政が保有する情報そのものを住民と協力しながら充実させていく、新たな広報・広聴活動の
展開が期待されます。
地区別行政懇談会(高取地区)の様子
勝央町ホームページのトップ画面の一部
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基本方針
○住民との情報交換を密にするため、広報・広聴活動の充実を図ります。
施策の方向
(1)情報の提供・公開を積極的に進めます。
広報紙、CATV、インターネット、携帯電話配信など、いろいろなメディアを活
用しながら情報を提供していきます。
(2)情報発信の強化を図ります。
①新聞社を利用しての情報発信を進め、情報発信の即効性を高め、町行事の周知度の
向上を図ります。
②防災行政無線の全戸配信の仕組み、若しくは屋外放送塔の増設など住民すべてが情
報を受けることができるよう図ります。
(3)パブリックコメントなど公聴の充実や、地域懇談会の定期的な実施を図ります。
(4)これまでの行政主導の広報活動から、住民参加型の広報活動にしていくため、広報委
員の役割やあり方について検討していきます。
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第3節
活力あるコミュニティづくり
【1 コミュニティ活動の支援 】
現況と課題
核家族化や少子社会の進展は、従来の家庭機能を低下させ、介護や子育てを地域社会や行政
に依存させる傾向を強めています。
本町のコミュニティ活動は、地縁による区や自治会組織を基盤としながら、行政と連携した
まちづくり・地域自治活動を進めてきましたが、今後も自治会を基本に、あるいはそれらを包
含する地域を母体に、様々な活動の展開を図っていく必要があります。
「環境美化の日」(7月・12月の第1日曜日)作業の様子
基本方針
○連帯感や郷土愛にあふれたコミュニティの大切さを認識し、自主性を尊重しながら、多様な
地域コミュニティ活動の促進・支援を図り、子どもからお年寄りまでが伸び伸びと暮らせる
まちづくりを進めます。
施策の方向
(1)コミュニティ価値の再認識
①住民の参加する祭り・イベント等の見直しや創出を図り、その活性化を促します。
②従来、本町で行われてきたコミュニティ活動情報の把握・整理を進めます。
(2)関連施設の整備
①日頃の身近なコミュニティ活動を支える地域集会施設などの活動拠点づくりや、容
易に立ち寄れる会話の場づくりに努めます。
②教育施設を含め、コミュニティ活動に利用できる公共施設の把握と、有効利用のあ
り方についての検討を行います。
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(3)推進体制の充実
①各種団体等の活動を活性化させ、その活動内容がまちづくりに反映されるよう、庁
内体制の充実や活動支援に努めます。
②コミュニティ活動の展開に主体的に関わるキーパーソンの発掘・育成に努めます。
(4)自治会活動の推進
①住民主体による、地域に根差した自治会(区)活動の支援を図ります。
②自治会活動、公民館活動、コミュニティ活動の3つの連携による取り組みの実施を
検討します。
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【2 人づくり活動の推進 】
現況と課題
豊かな暮らしや満足のいく人生を送ることに価値が求められる中、住民のまちづくりに対す
る参加意欲も徐々に高まってきており、身近なボランティア活動や地域活動などの自主的活動
が随所に見受けられます。
まちづくりにおいては、住民が主体的・積極的に知恵を出し合い、行動していくことが大切
になってきており、そうした活動に貢献できる人材の育成や、卓越したアイデアを持つ地域リ
ーダーの存在は不可欠であるといえます。
ノースサポーターの花植えボランティアの様子
廃油から石鹸づくりに取り組む消費生活問題研究協議会のみなさん
基本方針
○誰もがまちづくりに参加できる組織や環境づくりと、地域での積極的な活動を支える人づく
りに努めます。
施策の方向
(1)人材の育成 ・地域リーダーを養成する学習会などの開設を検討し、地域リーダーの
発掘・育成に努めます。
①本町の将来の担い手の育成に向け、郷土に関する子ども向け教材の作成や活用を検
討し、子どもたちが地域の中で学習する機会の創設の働きかけを図ります。
②地域活動の活性化を図るため、若者が自主的に活動できるようなまちづくり・人づ
くりを進めます。
③会社勤めや子育てを終えた世代の方に対し、コミュニティ活動(地域貢献活動)に
よる生きがいづくり、仲間づくりを進めます。
(2)参画の環境づくり
①まちづくりイベントの実施にあたり、企画段階から住民が参画できる手法を検討し
ます。
②勝央町の散策ルートマップの作成・活用など、世代間交流のきっかけづくりに努め
ます。
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第4節
青少年の育成
【1 青少年育成 】
現況と課題
本町の次代を担う青少年が、豊かな情操を培い、自主性と社会性とを備えながら、心身とも
に健やかに成長することは住民すべての願いです。
しかし、核家族化・少子化の進行、情報化の進展、地域社会・家庭の教育力の低下など、青
少年を取り巻く社会環境は大きく変化しており、物質的な豊かさや生活の利便性が増している
反面、心の豊かさやたくましく生きる力を欠いた、自己中心的な社会規範にそぐわない行動を
起こす青少年が増えています。
青少年の健全育成に向けては、関係機関や団体、家庭、学校、地域、行政の一層の連携のも
と、青少年を正しく理解し、適切に指導していく体制づくりや、青少年が積極的に社会参加し、
自立した人間として必要な判断力や行動力を身につけることができる環境整備に努めていく
必要があります。
中学生「職場体験」の様子
「子どもわくわくスクール」の様子
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基本方針
○社会の変化に主体的に対応できる、資質と意欲のある青少年を育成するために、家庭や学校、
地域、行政、関係機関などとの連携を深めながら、青少年教育活動の各種施策を積極的に推
進します。
施策の方向
(1)青少年健全育成体制の充実
①家庭や学校、地域、行政、関係機関との連携や、勝央町青少年問題協議会など関係
団体との連絡を密にしながら、学校外活動の推進など、指導・育成体制の充実を図
ります。
②必要な知識や技術の研修を行い、青少年指導者の育成に努めます。
(2)社会参加活動の促進
地域の人々との交流を通した青少年の団体・グループ活動への支援を図るととも
に、その活動への参加を促します。
(3)青少年を取り巻く環境の整備
①青少年の犯罪や非行を未然に防ぐため、相談・指導体制を充実するとともに、街頭
指導などの補導活動を推進します。
②青少年の健全な環境づくりを促進するため、有害図書対策や、薬物乱用防止・感染
症予防などの啓発活動の推進を図ります。
(4)家庭教育の推進
家庭が子どもにとって、家族とのふれあいを通じ、人間形成が行われる場であると
ともに、しつけや社会規範など、人間としての基礎的な資質や能力を育成する場であ
るという認識のもと、家庭の担い手である親が、自らの責任を自覚し、家庭教育につ
いての意義や役割について理解と認識を深めるために、家庭の教育力を高めるための
学習、交流機会の充実・拡充に努めます。
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第5節
男女のパートナーシップの確立
【1 男女共同参画 】
現況と課題
近年の社会・経済情勢の変化に伴い、女性の活動の場は様々な分野に広がり、法律や制度面
での男女平等の条件は着実に整備される一方で、依然として、家庭、職場、地域における性別
役割分担意識が人々の中に残っています。
こうした中、一人ひとりが個性豊かに充実した
人生を築くためには、男女が相互の立場を認め合
い、互いにいきいきと活躍できる社会の実現に向
けた取り組みが大切になります。
また、女性が積極的に社会の諸分野に参画しよ
うとする意識を持つことができ、家庭や仕事、地
域活動など、あらゆる場において男女が共に参画
することを容易にする、男女共同参画についての
一層の意識啓発に努めていく必要があります。
「男女共同参画と地域づくり」(H22.12.10 人権講演会の様子)
基本方針
○男女共同参画社会の実現を目指し、住民や企業の主体的な参画による啓発活動に努めるとと
もに、あらゆる分野における男女共同参画に関する施策を進めます。
施策の方向
(1)男女平等の意識づくり
①男女が等しく認め合うことができるよう、男女共同参画講座の開催など、学習機会
の充実を図ります。
②女性の社会参加を支援する各種講座の開催に努めます。
(2)男女共同参画社会の促進
①就職機会の確保、男女相互の就業分野の拡大など、雇用の場における男女平等の環
境づくりを促進します。
②保育・介護等の福祉サービスの充実を図り、働く女性のための生活環境づくりに努
めます。
③政策形成過程や方針決定の場における女性の参画を進めるため、町審議会などへの
女性委員の登用に努めます。
④男女共同参画社会づくりを進める各種団体への支援や、リーダーの育成、交流の機
会の充実を図ります。
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第6節 人権啓発と教育の推進
【1 人権啓発と教育 】
現況と課題
住民誰もが個人として等しく尊重され、安心して暮らすことのできる明るい社会をつくるた
めには、人権の尊重が絶対条件であり、憲法においても、基本的人権は侵すことのできない永
久の権利として保障されています。
本町はこれまで、人権を守り育てる輪を広げるため、人権意識の高揚に向けた人権教育や啓
発活動の展開に努めてきました。今後は、人権尊重という普遍的な理念を生活に根づかせ、住
民誰もが豊かな自己実現を図ることのできる社会環境づくりに向けて、ふれあい・交流や参
加・体験を重視した、多種多様な教育活動や啓発活動の推進に努めていく必要があります。
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基本方針
○すべての住民が自信と誇りを持って生きることのできる、差別と偏見のない真に人権が尊重
される社会の実現に向け、人権教育や啓発活動の積極的な推進を図ります。
施策の方向
(1)人権啓発活動の充実
①人権意識を生活の中に根づかせるため、各種講座や講演会、広報活動などの啓発活
動充実に努めます。
②各種人権機関等との連携強化を図りながら、人権問題等の啓発活動の充実を図りま
す。
(2)人権教育の推進
①人権教育を生涯学習として位置づけ、住民が人権問題を自らの生き方の問題として
捉えることのできる、多様な人権学習の推進に向けた条件整備に努めます。
②学校教育における様々な活動や体験を通じて、確かな人権意識を醸成します。
③社会教育活動などを通じながら、人権教育を積極的に進めることのできる指導者の
育成に努めます。
(3)推進体制の整備
①人権尊重のまちづくりのための条例制定の検討を進めます。
②人権をキーワードにした活動を進める各種団体、機関、行政相互のネットワーク化
を図ります。
③子どもの虐待、DV等の人権侵害に関する相談体制の充実を図ります。
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保健・医療・福祉
2
第1節
健康で安心して暮らせるまちづくり
子育て支援環境の充実
【1 子育て支援 】
現況と課題
子育て世代の家庭では、核家族化の進行や地域との関係も希薄になる中で、初めて経験する
子育てにおいて、「身近に相談できる人がいない」「子育ての基本的な知識が得られない」な
どの状況を生み、家庭の子育て力が低下しています。特に乳児訪問から、産後うつ傾向のある
母親は12%あります。また、未就園の子どもを育てている家庭では、一日中子どもとつきあう
中で、育児の負担が多く、不安やストレスを感じることが多くなります。こうした子育てのス
トレスや負担感が児童虐待を引き起こす要因にもなり、子どもの健全な成長を阻害し、ひいて
は少子化の原因にもなっていると考えられます。
また、父親が子育てに関われない理由のトップは、「仕事が忙しすぎるため」が77.2%を示
しています(新岡山いきいき子どもプラン)。経済的負担感も増加している現状で、仕事と子
育ての両立への支援は重要な課題となっています。
さらに、障がいのある子どもを持つ家庭では、子育てをしていく上で多くの悩みや不安を感
じています。身近な地域で安心して生活できるよう、早期療育体制の充実や、保育園、学校に
おいても障がい児教育のさらなる充実が望まれます。
基本方針
○感性豊かな子どもの成長を願い、子どもが生き生きと成長できるまちづくりを目指します。
その実現のため、落ち着いて生活できる家庭づくり、やさしさと思いやりを感じて子どもが
のびのびと育つ地域づくり、安心して子どもを生み育てられる環境づくりを目指した施策を
進めます。
施策の展開には、住民との協働により「勝央町次世代育成後期計画」「勝央町食育推進計
画」のもとに総合的な子育て支援策を推進します。
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施策の方向
(1)家庭づくり
①家庭教育はすべての教育の出発点となります。男女が協力して家庭を築くこと、子
どもを生み育てることの喜びや意義、生命の大切さについての理解を深めることに
関する教育・広報・啓発について、各分野が連携しつつ効果的な取り組みを推進し
ます。
②母子保健対策の充実を図ります。親子が安心して生活できるよう、子どもの成長段
階に応じた育児に関する正しい知識の情報を提供します。
また、身近な場所で、気軽に育児・健康・子どもの発達等について相談ができる
よう地域子育て支援拠点を整備します。専門的な相談が受けられるように、専門機
関など地域の資源を活用した相談体制の充実に努めます。
さらに、不妊症のために子どもを持つことができない夫婦に対して、相談ができ
る窓口の紹介をするとともに、不妊治療の一部を負担し、精神的、経済的負担の軽
減を図ります。
(2)地域づくり
①社会全体で子育てする気運づくりや意識の啓発を図り、子どもたちが幅広い人間性
を身につけられるよう、地域での見守り等を推進します。
民生委員・児童委員と主任児童委員、愛育委員、栄養委員、子育てアドバイザー、
ファミリー・サポート・センター等と連携して子育て支援ができるゆるやかなネッ
トワークを推進します。
②子育て中の親子が集まり情報交換や交流をしたり(親子ふれあい広場等)、子育て
に関する講座(子育て出前講座)を開催するなど親子の育ちの場を支援します。
(3)環境づくり(相談体制や保育体制の充実)
①様々な子どもの問題について共通の知識や認識を広く普及啓発し、保護者だけでな
く子どもも気軽に相談できるように相談や情報提供の体制を充実します。
②就業形態の変化などによる多様な保育ニーズに対応するため、低年齢保育や延長保
育、一時保育、ファミリー・サポート・センターの充実を図るとともに、学童保育
の保育環境の維持、充実に努めます。
③子どもの疾病の早期発見と保健の向上を目指し、乳幼児医療の対象を中学校3年生
まで拡大していますが、この制度の継続に努めます。
子育て家庭に対する経済的支援、ひとり親家庭に対する「児童扶養手当の支給」
や「医療費の助成」など日常生活の基盤整備を図り、就労指導を行い安定した就労
確保の支援に努めます。
60
第2節
食育・運動・休養からの健康づくりの充実
【1 健康づくり 】
現況と課題
平均寿命は延びてきましたが、一方で、寝たきりや認知症の増加がみられます。勝央町の主
な死因を、男女別に全国平均と比べてみると、男性では、脳血管疾患と心疾患が、女性では脳
血管疾患が高い傾向にあります。医療費を疾病別にみると、糖尿病に関する医療が平成13年以
降、岡山県と比較して医療費が上がってきています。
メタボリックシンドロームを予防(脱却)し、脳卒中や心筋梗塞などの重篤な生活習慣病を
予防するためには、ライフスタイルに応じ、様々な機会に「食育の推進・運動の普及・上手な
休養のとり方等」の啓発に努めることが必要です。
(1)男女別の標準化死亡比
61
(2)男女別の糖尿病の標準化(年齢階層を考慮した)受療率と標準化医療費
受療率は、通常年齢によって大きな違いがあり、異なった年齢構成を持つ地域別の受療率を
そのまま比較することはできません。比較を可能にするために標準的な年齢構成に合わせて算
出しています。(岡山県の平均を1としており、標準化受療比が1以上の場合は、岡山県の平
均より受療率が高いと判断され、1以下の場合は受療率が低いと判断されます。
62
栄養委員の指導による「夏休み子ども料理教室」の様子
勝央町ウォーキングの会の様子
基本方針
○健康は自ら守り、つくるという原則を踏まえ、「いきいき金太郎健康の郷づくり計画(健康
勝央21)(H14年度~)」に基づきながら、世代や性別を問わず、住民誰もが生活習慣病の
疾病予防や健康の増進が図られるよう、健康づくり運動の推進を図ります。
施策の方向
(1)健康づくりの促進
①生涯を通じた食育の推進により、「安全でおいしい食をひろげる町~子どもの食か
らの健康づくり施策の推進・大人の食からの健康づくり~」施策の推進を図ります。
(「勝央町食育推進計画」から)
②「いくつになっても自分にあった運動が続けられる。そこに仲間がいればなお楽し
い」をモットーに、日常生活に運動を取り入れることを推奨し、勝央町ウォーキン
グの会・健康スポーツクラブ等と連携し、運動の機会をPRします。
③ストレスと上手につきあい、ストレスとはどういうものかを理解し、そのストレス
が重荷にならないよう家族や友人、地域の人たちと交流を持ったり、趣味やスポー
ツを積極的に生活に取り入れることの大切さを普及啓発します。
63
第3節
高齢者福祉の充実
【1 高齢者福祉 】
現況と課題
国における高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は年ごとに高まり、平成22年現
在で23.1%に達しているものが、10年後の平成32年には29.2%に、25年後の平成47年には
33.7%にまで上昇し、国民の3人に1人が65歳以上になると見込まれています。
その一方で、少子化・核家族化が進展し、ひとり暮らし高齢者の増加など、高齢者を取り巻
く新たな社会問題が発生しています。
本町では、高齢者人口(65 歳以上)が平成22年国勢調査で3,121人、高齢化率は27.9%に達
するなど、既に高齢社会に突入しており、今後もさらに、高齢化が進むものと考えられます。
こうした現状を直視しながら、本格的な少子高齢社会の到来に対応していくため、高齢者が
社会の敬愛の中で安心していきいきと暮らせるよう、保健・医療・福祉の各施策を一体的かつ
計画的に実施していく必要があります。
また、平成12年度から介護保険制度が導入されましたが、団塊世代の高齢化に伴いこれまで
より一層、寝たきりや認知症の高齢者の増加が予想され、介護予防に向けた保健・医療・福祉
の連携による取り組みが一層強く求められます。
64
基本方針
○高齢者が家庭や住み慣れた地域で、健康で、安心して、いきいきと生活できるよう、地域包
括支援センターが中心となり各種の在宅福祉サービスの充実・高齢者を支える地域づくりの
推進・健康づくりの促進・社会活動への参加機会の拡大や交流の場の提供などに努めていき
ます。
施策の方向
(1)保健・福祉サービスの充実
①高齢者が住み慣れた地域社会で引き続き生活できるよう、自立生活を支援する在宅
福祉サービスの充実を図ります。
②保健・医療・福祉の連携を図りながら、寝たきりや介護予防の視点に立った、健康
相談・訪問指導等のサービスの充実を図ります。
③民生児童委員協議会・地域福祉団体との協力のもとに、高齢者を地域で見守る地域
ケアの体制づくりに努めます。
④地域包括支援センターの機能充実を図り、各種生活支援や介護保険に対する相談体
制の確立に努めます。
⑤介護者の負担軽減に対応するため、介護サービスの充実を図ります。
65
(2)高齢者を支える地域づくりの推進
地域ぐるみで高齢者を支えるため、各地区の福祉推進委員や各種組織の役員からな
る地域福祉団体の活動を今後も支援していきます。
(3)健康づくり・介護予防の促進
一層の健康保持と介護予防のため、必要な人に対して、健康体操・口腔健康教室・
認知症予防教室等、健康づくりと介護予防の機会を提供し、健康づくりを推進します。
(4)社会参加の促進
①高齢者の知識と経験を生かした社会参加の場として、社会福祉協議会と連携しボラ
ンティアや老人クラブの活動の奨励・支援に努めます。
②高齢者事業団の充実を図り、就業機会の提供に努めます。
③公共施設等を有効活用し、高齢者が気楽に集まれる場や機会の充実を図ります。
④地区の福祉の会の行事や保育園(学校)活動において子どもたちと高齢者との世代
間交流を進め、生活文化の語り伝えを図ります。
⑤高齢者の学習機会の充実を図り、生きがいづくりや学ぶ仲間づくりを支援します。
(5)敬老意識の啓発
高齢者を敬愛する意識の啓発を促します。
66
第4節
障がいのある人への福祉の充実
【1 障がいのある人への福祉 】
現況と課題
本町における障がいのある人については、手帳を保持している人が、身体障害者手帳所持者
555人、療育手帳所持者95人、精神障害者保健福祉手帳保持者23人です。(H23年4月現在)
本町ではこれまで、障がいのある人とその家族への経済的・精神的負担を軽減するため、デ
イサービスの実施や日常生活用具の給付などの支援を行ってきましたが、今後はさらに、障が
いの発生、療育、機能訓練、就労機会の拡充、日常生活への支援など、必要とする時に必要な
支援が受けられる、総合的・体系的な福祉サービスの展開が重要となります。
さらに、ノーマライゼーションの理念の実現を目指し、障がいのある人が、地域社会におい
て生きがいを持って暮らせる環境づくりや、自立と社会参加に向けた援助に努めていく必要が
あります。
基本方針
○障がいのある人の自立と社会参加に向け、相談・介護体制の充実や、日常生活のあらゆる分
野におけるユニバーサルデザイン化を進めるとともに、誰もが地域の一員として生きがいを
持って暮らせる環境づくりに努めます。
67
施策の方向
(1)治療体制の充実
医療機関などとの連携のもとに、早期治療と療育・リハビリテーション体制の充実
に努めます。
(2)福祉サービスの充実
①障がいのある人の生活実態の把握に努めながら、きめ細かな在宅福祉サービスの拡
充を図ります。
②障がいのある人の活動を支援し、団体が利用できる場の整備に努めます。
③障がいのある人に関する情報提供を充実させ、多くのボランティアの参加を促進し
ます。
④障がいのある人を持つ家族への生活支援を図るとともに、様々な情報交換や悩みを
相談できる場づくりに努めます。
⑤助成や特別児童扶養手当の給付を通じ、保健の向上と福祉の増進を図ります。
(3)社会参加の促進
①ハローワークや勝田郡地域生活支援センター「虹」等関係部署との連携を図りなが
ら、障がいのある人の就労を促進するとともに、福祉的就労の場の確保・充実に努
め、支援します。
②障がいのある人の療育体制等を整備するとともに、ライフステージの各段階におけ
る教育や学習機会の充実を図ります。
(4)人にやさしいまちづくり
ユニバーサルデザインを基本に、誰もが利用しやすい公共施設の整備を図るなど、
人にやさしく暮らしやすいまちづくりを進めます。
(5)障害者福祉計画の策定
障がいのある人の福祉の向上に資する「勝央町障害者計画・障害福祉計画(H19年
3月)」及び「勝央町障害福祉計画(第2期)」の改訂を図ります。
68
第5節
地域福祉の充実
【1 地域福祉 】
現況と課題
近年、少子・高齢化や女性の社会進出が進むとともに、核家族化や1世帯当たりの少人数化
が進行し、地域社会でのつながりの希薄化や家族間の扶助機能の低下がもたらされています。
本町においても、子ども・障がいのある人・高齢者等を家庭内のみで支えるのは難しい状況
にあることが顕在化してきており、子どもの育成や高齢者の介護など多様な問題に対し、地域
住民の連帯意識に基づいた支援体制を整えるなど、地域ぐるみの福祉環境づくりが求められて
います。
今後は、人と人とのつながりの中で互いに支え合う相互扶助の地域社会づくりを念頭に、地
域住民・民間事業者・行政の地域福祉ネットワークの構築、ボランティアの育成や活動の支援、
福祉活動の拠点整備・充実などに努めていく必要があります。
「福祉講演会」の様子
69
基本方針
○社会的な支援を要する住民が地域社会の一員として自立した日常生活を営めるよう、住民自
らの力で互いに支え合い、助け合う地域社会の構築と、各種福祉サービスのネットワーク化
を図り、地域ぐるみの福祉環境づくりを推進します。
施策の方向
(1)人材・団体等の育成と活動支援
①社会福祉協議会をはじめとする各種社会福祉法人・ボランティア団体等の活動を支
援します。
②ボランティア養成講座等の学習機会の充実を図り、福祉サービスを担う人材の育
成・確保に努めます。
(2)活動拠点の整備
①地域福祉活動の推進拠点として、総合保健福祉センターの効率的活用を図ります。
②住民や団体等の相互の交流機会を提供するため、公共施設等の有効活用を図ります。
(3)地域福祉のネットワーク化
①民生委員・児童委員や主任児童委員との連携を強化し、相談体制の充実に努めます。
②地域福祉の担い手として期待されるボランティア団体やNPO法人の立ち上げやネ
ットワーク化を促進し、地域に根差した福祉サービスの提供に努めます。
③多様化する福祉需要に応じた的確なサービス提供体制を確保するため、民間事業者
との連携・協働に向けた調整・支援に努めます。
④高齢者など判断能力が低下した人の権利が守られるよう、成年後見制度の活用を検
討します。
70
第6節
社会保障の充実
【1 介護保険 】
現況と課題
介護保険制度は、高齢者が安心して地域で暮らせるよう、介護を社会全体で支えるシステム
として平成12年4月から導入されました。
本町においては、高齢者保健福祉計画及び第4期介護保険事業計画を策定し、「町民だれも
が、健康で生きがいと喜びを持って過ごし、一人ひとりが能力と創造性を発揮して、活力のあ
る勝央町を構築する。」ことを目指し、より多くの人々と連携をとりながら、諸施策の展開を
図ってきました。
現在は、制度自体が周知されてきたこともあり、要介護度レベルの低い介護認定者の増加が
みられ、施設サービス及び居宅サービスの利用者も年々増加の傾向にあります。
今後、高齢社会が進展する中においては、介護保険制度の重要性はさらに増すと考えられる
ため、安定的な運営の確保に向けた、保険財政の健全化や保険料の収納率の向上、介護給付の
適正化など、適切な制度の運用に努めていく必要があります。
また、介護保険制度の導入以降、介護サービス事業者の増加もあり、介護サービスの基盤は
整いつつあるといえますが、今後も、介護サービス需要の見通しに合わせながら、多様なサー
ビス主体との連携強化を図り、介護サービスの質及び量を確保していくことが大切です。
71
72
基本方針
○「勝央町高齢者保健福祉計画」及び「第5期介護保険事業計画」に基づきながら、要介護認
定の適正化・平準化、介護給付の適正化、介護サービスの質の向上を図ります。
施策の方向
(1)サービス提供体制の充実
①地域包括支援センターとの連携や、介護認定審査会の適正な実施など、サービス実
施体制の充実を図ります。
②ケアマネジメントの充実とともに、多様なサービス事業者との連携を図り、要介護
者のニーズに応じた居宅・施設サービスの提供及び質の向上に努めます。
③介護者の心身の負担を軽減するため、介護に関わる情報提供や、相談・支援体制の
充実を図ります。
(2)保険財政の健全運営
①介護給付の適正化に向け、介護給付費の請求に対する点検の徹底を図ります。
②保険料の口座振替制度や納付窓口の拡大など、収納率の向上に向けた取り組みに努
めます。
73
【2 国民健康保険・高齢者医療制度 】
現況と課題
- 国民健康保険 国民健康保険は、近年の急速な高齢化や医療の高度化による医療費の増大がみられる中、高
齢者や低所得者層を多く抱えるという構造的な問題から、財政的にますます深刻な状態となっ
ており、その解決を図ることが緊急の課題となっています。
現在、国において医療保険制度の抜本的改革が進められていますが、国民健康保険制度の安
定的かつ健全な運営を確保し、安心して医療サービスが受けられる制度の維持が図られるよう、
国・県に対し要請していく必要があります。
また、医療費の適正化及び医療費の抑制の観点から、保健・医療・福祉の各分野と連携し、
疾病の予防、重症化の防止など、住民の健康づくりを推進していくことが望まれます。
- 高齢者医療制度 65歳以上の高齢者の医療を担う高齢者医療制度は、高齢者の医療の確保に関する法律(S57
年法律第80号)に基づき平成20年4月に制度化され、75歳以上の後期高齢者を対象とする後期
高齢者医療制度と65歳以上75歳未満の前期高齢者医療制度についての保険者間の財政調整制
度から構成されています。この制度は、従来の老人保健制度に替わって、(1)世代間の費用
負担の明確化、(2)運営責任の明確化、(3)保険料格差の是正を目的に創設されましたが、
施行時の説明不足や保険料の年金からの天引きに対する反感、名称や高齢者を他の医療保険制
度から切り離したことに対する批判が高まり、抜本的な制度の見直しが求められてきました。
現在では、後期高齢者制度改革会議が平成22年12月10日にまとめた「高齢者のための新たな
医療制度について(最終とりまとめ)」が示すとおり、保険者の再編・統合や新たな高齢者医
療保険制度創設を目的に、老後における健康の保持と適切な医療の確保に向けた検討が進めら
れているところです。
こうした現状を考え合わせながら、予想される受給対象者の大幅な増加への対応や、年々増
加する医療費の抑制に向け、高齢者の健康保持増進や医療費の適正化対策に取り組んでいくこ
とがますます重要になっています。
74
基本方針
○国民健康保険制度の健全な運営に努めるとともに、被保険者の健康を保持する疾病予防対策
や特定健康診査、特定保健指導の充実を図ります。
○老後における健康の保持と適切な医療の確保に向け、高齢者医療制度の安定的な運営確保や、
高齢者の疾病予防対策の充実に努めます。
施策の方向
(1)財政運営の健全化
①国民健康保険制度の健全な運営を図るため、財政基盤強化策の一層の充実など、医
療保険制度の抜本的改革の早期実現を国・県に要請します。
②審査体制の充実と疾病予防活動の推進を図り、医療費給付の適正化に努めます。
③保険税の収納率向上に向け、収納体制の整備・充実に努めます。
(2)広報・保健事業の推進
①国民健康保険制度、医療費の現状、被保険者の負担状況などについて、広く住民の
理解を得るため、広報活動の推進に努めます。
②疾病の予防、早期発見による重症化の防止を図るため、保健・医療・福祉の各分野
との連携を強化し、予防医療を中心とした保健事業の推進に努めます。
(3)制度の安定的な運営確保
①高齢者医療制度の健全な運営に向け、財政基盤強化の一層の充実や保険者の再編・
統合など、医療保険制度の抜本的改革の早期実現を国・県に要請していきます。
②医療費の適正化対策を積極的に進めます。
③高齢者医療制度や医療費の現状などについて、住民の理解が得られるよう、広報活
動の推進に努めます。
(4)疾病予防対策の充実
①保健・医療・福祉の各分野との連携を図りながら、予防医療を主体とした保健事業
を推進し、疾病の予防と健康の増進に努めます。
②生活習慣病を予防するため特定健康診査や特定保健指導を行い、メタボリックシン
ドローム(内臓脂肪症候群)の早期発見・早期治療に努めます。
75
【3 国民年金 】
現況と課題
国民年金は、長い老後の生活において、その生活の基礎的な部分を生涯にわたって保障する
制度として、国民生活に必要不可欠な制度です。
平成16年には年金制度の改正が行われ、国民皆年金の堅持を基本に、基礎年金に対する国庫
負担割合の引き上げや将来の保険料水準を明らかにし、長期的に給付と負担の均衡を図ってい
くものとされました。また、信頼に応え、一層のサービス向上の実現を目指し、平成22年1月
1日から社会保険庁は、組織・人員を一新し「日本年金機構」として生まれ変わりました。
急速に進展する少子高齢化、厳しい社会情勢、年金制度の将来に対する不安感、不信感が高
まる中、こうした年金制度改革の動向を踏まえつつ、年金制度に対する正しい理解を求め、国
民年金の未加入者や保険料未納者の問題を解決していく必要があります。
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基本方針
○国民共通の基礎年金制度の理念のもと、加入対策を推進し、受給権の確保に努めます。
施策の方向
(1)加入の推進・収納の支援
①窓口での勧奨や年金相談などを通して、未加入者の解消に努めます。
②窓口での納付勧奨や口座振替制度を推進し、未納者及び無年金者の解消に努めます。
③20歳到達者の加入漏れや、他の公的年金からの加入漏れを防ぎます。
(2)啓発活動の推進
①広報紙、パンフレット等による制度の普及や、窓口相談業務の充実を図ります。
②被保険者の年金受給権の確保を目的に、受給権の有無や保険料の納付月数など、必
要な情報の提供に努めます。
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【4 生活支援 】
現況と課題
本町の生活保護世帯・人員は、近年の高齢化・核家族化の進行や景気の停滞をはじめとする
社会経済情勢の影響により、年々増加の傾向を示しています。
今後も引き続き、社会福祉協議会など関係機関との連携強化を図り、民生委員・児童委員と
主任児童委員の協力を得ながら、被保護世帯や要保護世帯の実態を把握するとともに、生活意
欲の向上や自立更生に向けた適切なサービスの提供やアドバイスに努めていく必要がありま
す。
基本方針
○低所得者が安定した生活を営むことができるよう、関係機関と連携を図りながら、相談業務
の充実や自立更生などの支援に努めます。
施策の方向
(1)相談・指導体制の充実
社会福祉協議会等の関係機関や民生委員・児童委員と主任児童委員との連携を図り
ながら、要保護者からの相談に対し、各種支援制度の活用など、適切な指導・助言に
努めます。
(2)生活保護の適正な実施
関係機関との連携により、積極的な訪問活動を実施し、的確な指導・援助を行うと
ともに、開始後の継続調査等により、生活保護の適正実施に努めます。
(3)自立・就労の支援
①関係機関や民生委員・児童委員と主任児童委員との連携を密にしながら、生活保護
世帯の自立促進を図ります。
②就労可能な要保護者の求職相談に応じ、職業安定所等との連携による就労支援に努
めます。
78
第7節
保健医療サービスの充実
【1 地域医療 】
現況と課題
急速に進む高齢化や疾病構造の変化など、医療を取り巻く状況は日々変化しており、住民の
医療に対するニーズも多様化、高度化しています。
本町の医療施設は、病院が1ヵ所、内科診療所が5ヵ所、歯科診療所が4ヵ所となっていま
す。
休日昼間における急病患者に対する医療サービスについては、勝田郡医師会の協力を得て、
在宅当番医制度によって、対応を図っています。また、夕方から翌朝までの夜間における受診
は、津山市が津山中央病院・津山第一病院(夜10時まで)に委託している救急医療サービス事
業に依存しています。
津山中央病院救急救命センターは、岡山県北の3次救急医療を担うよう位置づけられていま
すが、現実には1次医療者の受診が多く、3次救急に専念できない現状です。住民に対してか
かりつけ医を持ち、津山中央病院の利用の仕方について、住民への啓発を勧めていきます。
今後とも、様々な医療課題への対応を見据えながら、保健・医療の連携を強化し、住民が病
気や怪我をしても安心して治療を受けることができる、地域医療体制づくりが求められます 。
基本方針
○住民が健康で安心して暮らせるよう、関係医療機関や保健部門との連携を一層強化しながら、
地域医療体制、救急医療体制の整備・充実を図ります。
施策の方向
(1)地域医療体制の充実
①医療機関や保健部門との連携を図りつつ、予防・治療・リハビリテーションに至る
までの保健医療サービスを可能とする、地域医療体制の整備・充実を図ります。
②感染症等の予防医療サービスの充実を図ります。
(2)救急医療体制の確立
①津山圏域消防組合、津山中央病院救急救命センター、休日当番医の関係機関等との
連携強化を図り、夜間・休日等の診療体制の充実を図ります。
②住民や関係機関の協力を得ながら、救急医療体制の確立に努めます。
79
3
第1節
生活基盤
誰もが住みやすい、快適で
うるおいのあるまちづくり
秩序ある土地利用計画
【1 土地利用計画 】
現況と課題
土地は限られた資産であり、住民の生活と生産のための共通の基盤です。
このことから、その利用にあたっては公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図り合理的
な土地利用を進め、豊かで快適な郷土の創造を図らなくてはなりません。
現在、本町町域の利用は、町の中央部を北から南に貫流する滝川の沿線に広がる盆地と、そ
れを取り巻くなだらかな丘陵地が農用地として利用され、町南部勝間田・岡・黒土地区を通る
国道179号に沿って市街地が形成され、宅地化の進展により農用地との混在化が著しくなって
います。
平成22年現在の土地利用状況は、総面積54.09㎢のうち、山林原野面積20.61㎢(38.1%)、
農用地面積16.33㎢(30.2%)、宅地面積3.89㎢(7.2%)、その他13.26㎢(24.5%)、とな
っています。町の南部地域の勝間田・高取地区18.36㎢を都市計画区域に指定、うち3.72㎢を
用途地域に指定、町全域を農業振興整備地域に指定、13.79㎢を農用地区域として指定して開
発規制や利用の誘導及び、農地の保全を進めています。しかし、勝間田地区の国道179号の沿
線での住宅化は著しく農用地との混在化が進み、農業の生産活動が困難な農用地の出現や、工
業団地企業関連の下請企業や流通業務企業の用地需要の発生など、土地利用についての課題は
多くなっています。
80
81
基本方針
○将来都市像の実現に向けて、自然環境保全・活用ゾーン、都市的土地利用ゾーン、農村的土地
利用ゾーン、農業ゾーンの4つに区分し、それぞれの特性を生かした土地利用を目指します。
○都市計画区域の用途地域内の土地については、同区域の農林業などとの整合性を図りながら
計画的な土地利用を推進します。
○将来都市構造の形成及び地域生活圏の形成を見据え、立地性を生かした、円滑な都市活動を
支える適正な土地利用を図ります。
○快適な居住環境の実現を目指し、地域特性に応じた市街地環境の形成を図るため、用途地域
などの制度に基づき、きめ細かな土地利用区分を図ります。
○市街地周辺における豊かな山地、平地林などは、都市環境や都市景観の向上に資するもので
あり、自然災害防止などの観点からも、緑地として保全する意義があります。住民の憩いの
場としての活用や、自然と共生する土地利用の誘導を図ります。
施策の方向
(1)土地利用に関する法律の適正な運用
国土利用計画法・都市計画法・県土保全条例・町開発事業の調整条例等開発規制に
かかる法律や条例、農業振興地域整備に関する法律、農地法など各関係法律の適切な
運用とともに、将来の土地利用の方向を定めて計画的な調整と誘導によって適正な土
地利用を確保します。
(2)地域整備施策の推進
①用途地域内の農用地利用計画の変更
宅地化の進展で農用地との混在による農業生産活動の停滞や、工業団地企業の下
請企業・流通関係企業による業務地需要の増大など土地利用動向の実態に即した土
地利用を促進するため、勝間田地区・平地区・黒土地区・岡地区等において、用途
地域内における農用地の土地利用計画の調整を図ります。
②工業用地の利用と住宅用地の造成
町内には勝央中核工業団地・新勝央工業団地等156haが造成され企業立地が進ん
でいます。しかし、経済情勢の悪化に伴い、未建設の用地も少なくなく、また隣接
する福吉地区に27haの工業団地が民間企業により開発される予定でしたが、開発・
誘致が進んでいません。官民合わせて工業団地の総面積は183haとなり内陸型工業
団地では日本有数のものとなっていますが、地域活性化の中心を担うためには未建
設地への企業誘致・建設を進めていきます。
一方住宅地の造成は、予定していた黒土地区に約2haの住宅団地は美作岡山道路
の予定地にあたり中止となりました。町有地の遊休地処分による住宅用地の造成や
住宅建築ニーズを見極め住宅団地の造成を図ります。また、近年住宅団地及びアパ
ートの造成が活発に行われ始めており、それらの民間活力を利用誘導するなど、津
山地方拠点都市の住宅拠点地区としてその役割を果たし、定住化の促進を図ります。
82
③森林地域の土地の利活用
岡地区の山林に岡山県が農業の理解を深め都市間交流を進めるファーマーズ・マ
ーケット約20haの整備が平成9年に完了しました。この施設は、自然木を随所に残
しながらロッジ・マーケット・畜産加工場・小動物園・牧場などの施設が配置され、
地域活性化推進の核として大きな役割を果たしてきました。
平成23年度からは、町に管理・運営が全面移管され、若干の規模縮小を行いまし
たが、町移管を契機に新しい魅力の創造と集客力アップの方策を勘案しながら、こ
の施設周辺の山林を活用して自然歩道や緑道など自然を生かすよう設置し、住民の
健康増進と余暇利用を図っていきます。
また民間企業がゴルフ場予定地として取得していた、畑屋・東吉田・黒坂・為本
地区の山林を事業の中止により、町が約169haを取得しましたが、この土地の利用に
ついては、住民・町内各団体の意見を広く取り入れ、自然と調和した土地利用の方
策を検討していきます。
勝央中学校の各施設の改修移転が行われ、植月中地区・平地区の山林約10haが文
教地区として利用されています。
その他、時代的要求であるリゾート・レクリエーション施設の建設等についても、
自然環境の保全を基本に森林地域の活用をもって対応を図るものとします。
④健康増進体育施設の充実
平成15・16年にかけ美術文学館・図書館・文化ホールなどの総合文化施設が役場
北側に建設されました。役場・公民館・総合保健福祉センターなど既存施設も併せ
てシビックゾーンの形成がなされ、文化施設の充実が図られました。
町内スポーツ施設は体育館等の老朽化が著しくなっています。健康スポーツクラ
ブの設立など、健康志向とも相まって、施設の充実を望む声が高まっています。総
合的なスポーツ施設の充実を図ります。
⑤国・県有施設の利活用
本町に設置されている独立行政法人森林総合研究所林木育種センター関西育種
場・県の施設岡山県農林水産総合センター森林研究所は県下唯一の林業施設であ
り、かけがえのない緑の空間であります。
育苗ほ場や種子採種林など学術的な要素を持つ、自然公園・学習の森として位置
づけができるもので、これを地域住民に開放されることを国・県等関係機関に要請
し、その許可が得られれば地域住民の憩いの場として利用を図ります。
⑥公有地の拡大
今後道路改良やまちづくり事業は、ますます進展し拡大されるものと考えられま
す。
事業の推進には、土地の取得は不可欠なもので、この交渉の状況が事業推進の成
否を決定するといっても過言ではありません。このため、代替用地や移転先用地と
して先行取得による公共用地拡大の積極的な推進を図ります。
83
【2 都市計画 】
現況と課題
人口の減少は、小幅にとどまっているものの、少子高齢化は進み、税収の減少、福祉施策等
の行政コストの増大が見込まれています。旧出雲街道を中心とした市街地は、かつて商店が集
積していましたが、モータリゼーションの進展により、郊外型大規模店舗へと移り、衰退しつ
つあります。
岡山県は比較的災害の少ない県といわれていますが、東北地方太平洋沖地震に匹敵するとい
われる東南海・南海地震の発生や異常気象による局所的な大雨による河川の氾濫など自然災害
の懸念が広がっています。このため、防災施設の充実、避難路の確保などに配慮した災害に強
いまちづくりをしなければなりません。
また、環境負荷の低減や自然環境と調和した都市づくりを進める必要性が高まってきていま
す。勝央町の地域特性や観光資源を生かした交流人口の増加を図ることが重要課題となってい
ます。
84
基本方針
○新おかやま夢づくりプラン等の上位計画や「岡山県の都市づくりの方針」による津山広域都
市計画マスタープラン、本町の現況、課題等を踏まえ、住民、企業等との協働や津山市等と
の広域的な役割と分担による都市計画を進めていきます。
施策の方向
(1)安全・安心で暮らしやすい都市づくり
安全・安心で暮らしやすい都市づくりを目指して、災害時における避難路や避難場
所などの機能を備えた基盤整備を計画的・効果的に進めていきます。
(2)環境にやさしい都市づくり
①市街地郊外に広がる優良な農地と後背部の豊かな自然環境の保全及び調和を図る
とともに、緑地や水辺空間を生かした都市計画を進めます。
②環境負荷の低減や町内の潤いの確保という観点から、計画的な緑地公園等の整備・
保全に努め緑化を推進します。
(3)個性と魅力あふれる都市づくり
自然、歴史、文化など地域特性や西日本屈指の内陸工業団地が立地する地域特性を
生かした個性と魅力あふれる都市計画を進めます。
(4)連帯による相互補完を目指した都市づくり
津山市を中心として関係自治体が連携し、地域間アクセスの向上による区域の利便
性と一体性の向上を図るとともに、相互補完により近隣都市が互いに支え合う都市づ
くりを進めます。
85
第2節
交通体系の確立
【1 道路交通計画 】
現況と課題
本町の道路網は、中国自動車道が東西に走り、美作岡山道路の建設が進むなど、主要都市を
結ぶ道路網の整備は進んでいます。また、国道・広域農道等により津山市等の近隣の市町村と
もアクセス道は一応整備をみており、ふるさと農道勝間田吉野線の完成により町内を南北に結
ぶ路線も完了をしていますが、さらに勝央ICへのアクセス道として、町道鍵の池線との連絡
道の整備が課題となっています。
活力ある地域産業や文化の創造に向け、また住民生活や生産活動の利便性、効率性の向上の
ため、総合的な交通体系の整備に取り組む必要があります。
近年、町内の交通事情は工業団地企業従事者等の通勤などにより、通行車両が増加し、住民
の安全と利便の向上を確保するためには、道路網の整備は重要な課題となっています。
また、町道においては、完成から長い年月が経過した道路が増加し、今後維持管理に多くの
経費が必要になってきます。
86
基本方針
○地域産業・住民生活の利便性、効率性の向上及び住民の安全と利便の向上を図る道路網の確
立を目指します。特に道路改良においては、安全を確保するために自歩道の設置を行い、車
道との分離を進めるとともに町道認定の見直しを行い、道路網の維持管理の方法も踏まえて
計画的な整備に努めます。
87
施策の方向
(1)国道
①高規格道路「美作岡山道路」は、平成24年3月20日に勝央IC~湯郷温泉ICまで
供用開始されましたが、早期の全線完成を関係機関に要請し、県南へのアクセスの
スピード化による地域産業・住民生活の利便性の向上に努めます。また、勝央JC
Tの完成により国道179号からの中国自動車道への乗降ができるようになることか
ら、京阪神へのアクセスの利便性を図ります。
②国道179号の歩道を自歩道化とマウンドアップ方式からフラット方式へ改良の促進
を要請していきます。国道429号の早期完全改良により、車道との分離に努めて住
民の安全で安心な交通のため、道路改良を要請します。また、美作岡山道路への乗
入れができるようになることから、国道179号の交通量の増加が予想されるため、
黒坂交差点などの改良の早期完成を要請します。
(2)県道
勝央勝北線をはじめとする主要地方道2路線と豊久田平線他4路線の一般県道が
ありますが、改良率は89%と依然低く、安全性や利便性確保のために早期改良が必要
です。特に勝央勝北線の平地区の橋梁部分、岡地区の畑沖・勝間田線のJR線踏切部
分は幅員が狭くスムーズな車両の離合ができていないことから、早期の改良を要請し
ます。
(3)町道
①地区からの要望を中心として住民生活の利便性、効率性の向上と安全に根差した
改良を目指します。
②町道の認定の見直しがされてから相当の年数が経過しており、また、新たに住宅
団地の開発等がなされ路線も増加しているため、町道の認定の見直しを図ります。
88
【2 生活道路 】
現況と課題
完成から長い年月が経過した町道・農道が増加し舗装の劣化・横断側溝の破損・のり面の樹
木が成長し車両等の交通に支障を来たしている路線が増加しているのが現状です。今まで部分
的な補修により対応してきましたが、路線ごとに対応の見直しが必要となってきました。今ま
では、近接の土地の所有者により草刈り等管理を依存していた部分が高齢化により期待できな
くなる等により維持管理費(委託費)に相当額の経費を要する事が予想されることから、計画
的な維持管理を目指します。
89
基本方針
○町道・農道を路線ごとに見直し舗装の敷設替・オーバレイ等の対応を行い維持管理を計画的
に行います。危険箇所等を含む地区からの要望に応えながら勝央町地域づくり一括交付金と
も合わせて改良に努めます。
施策の方向
(1)利用実態に合った町道の認定基準の見直しを行い、町道としての管理区分等を決定し
計画的維持管理を行う基となる道路台帳の再編「システム化」を図ります。
(2)改良及び修繕を問わず地区からの要望により、勝央町地域づくり一括交付金との兼ね
合いも合わせながら要望実施に努めます。
(3)町道・農道の橋梁部分については、平成21年度に長寿命化に伴う点検を実施しました。
その結果を踏まえて長寿命化対策が必要な橋梁については、順次対応を行っていきま
す。
(4)見直した維持管理計画遂行のための新たな組織の立ち上げを図ります。
90
【3 公共交通 】
現況と課題
本町には、JR姫新線が町南部を東西に走り、勝間田駅・西勝間田駅の2ヵ所から、主とし
て津山方面への通学の交通手段として利用されています。
また、高速バスについては、中国自動車道を津山―大阪間を結ぶ路線が30分おきに運行され
ており、津山方面あるいは大阪方面へ中国勝間田バス停から数多くの方が利用されています。
町内を巡回する福祉バス(ふれあいバス)は、勝央中学校・勝間田小学校・勝央北小学校の
スクールバスとして朝夕の利用を併用しながら、平日運行されています。
国道179号の神姫バス・国道429号中鉄バスの廃止以後、国道179号では、勝間田駅で中継さ
れますが、美作共同バスと中鉄北部バスとで、美作方面・津山方面の主として通学交通手段の
確保を目的で運行されています。国道429号では、勝田バスが旧勝田町―津山市間の運行を行
っています。
福祉バスを除いて、本町が直接運営に関わっているものはなく、各社・各市の運営に依存す
るものであり、今後の運営が懸念されるところです。
91
基本方針
○高齢化社会が進み、高齢者福祉を進める観点からも、高齢者の利用ニーズを勘案しながら、
公共交通の利便性の確保に努めます。
施策の方向
(1)福祉バスの利便性向上を図るため、利用者要望の集約に努めます。
(2)デマンド交通も視野に入れながら、高齢者の利用ニーズに沿った公共交通対策を検討
します。
92
第3節
生活基盤の整備
【1 上水道 】
現況と課題
本町の上水道は、平成17年度4月から岡山県広域水道企業団より日量12,000㎥の受水計画を
もって町全域を給水区域として給水を行っています。平成22年度の普及状況は、給水人口
11,523人、普及率99.49%となっています。
現在、工業団地の用水、生活用水などを含めて安定供給を続けていますが、現状は少子高齢
化等による給水人口の減少、景気低迷による企業の水需要の減少、また、岡山県広域水道企業
団の財政難による受水料金値上げ検討の動きなど、水道事業は厳しい経営状況で推移すること
が予測されます。
93
基本方針
○住民の健康で文化的な生活や消防・産業活動を支える「安全で、おいしい水の安定供給」
に努めます。
○地震等の自然災害・停電時に適切な対応ができるよう、施設整備・体制整備に努めます。
施策の方向
(1)運営基盤の強化
将来の安定供給については、岡山県広域水道企業団から受水することで解消しまし
たが、今後、水需要の増大が見込みにくい状況下での経営効率化等の観点から、指定
管理者制度導入などの検討を行うとともに、財政担当部局とも十分な協議を行い運営
基盤の強化を図ります。
(2)給水の効率化
老朽管の更新、基幹施設・管路網の耐震化など年次計画を策定し、施設・管路の改
築更新を行います。また、災害発生後の影響期間を短縮するため応急給水体制、迅速
な復旧体制を整備し対策を講じます。
94
【2 下水道 】
現況と課題
健康で安全かつ快適な生活環境の確保と公共用水域の保全を目的とした下水道は、市街地の
みならず農村集落においても強く求められ、現在は国民的要求となっています。
本町では、昭和51年度に公共下水道事業に着手し、勝央浄化センターを昭和55年6月に供用
開始し、勝央工業団地と一部市街地の汚水処理を行うとともに、順次整備面積の拡大を図って
きましたが、平成17年に第5次総量規制により求められる高度処理に対応するため改築更新工
事に着手し、平成20年度に水処理4系列すべての整備を完了し、日最大14,000㎥の処理能力を
有し、平成21年度から凝集剤添加循環式硝化脱窒法により全量を高度処理し放流しています。
公共下水道事業は全体計画面積554haの内494haを整備し、一部民間開発予定地を除き平成19年
度末にほぼ完了しました。
高取地区は特定環境保全公共下水道事業全体計画面積37haにより、平成2年度に着手し、平
成5年8月に高取中継ポンプ場の供用を開始し、圧送により公共下水に接続し勝央浄化センタ
ーで処理を行っています。高取地区は平成9年度末に整備を完了しました。北部地区において
も、特定環境保全公共下水道事業全体計画面積159haにより平成10年度に着手し、平成13年9
月に北部中継ポンプ場の供用を開始し、圧送により公共下水道に接続し勝央浄化センターで処
理を行っています。北部地区は平成22年度末にほぼ整備を完了しました。
吉野地区(美作市下香山地区を含む)の一部と神五郎地区の2地区は、平成9年に農業集落
排水事業により着手し、神五郎地区は全体計画面積4haを整備し平成12年7月に供用開始し、
吉野地区は平成12年12月に供用開始し処理施設により汚水処理を行うとともに、順次整備を図
り全体計画面積20haを整備し平成15年度に整備を完了しました。
なお、集合処理の困難な家屋については、合併処理浄化槽設置整備事業等により整備を行っ
ています。
平成22年度末の下水整備状況は、整備率99.7%、水洗化率89.9%で岡山県の平均整備率
79.3%を上回る整備率となっています。
下水道事業の運営に関しては、施設を適正に維持管理するとともに管理運営の合理化や効率
化を進めるとともに、老朽化した施設の計画的な長寿命化対策・更新を進めて行く必要があり
ます。
また、近年、全国各地で局所的な集中豪雨が増加傾向にあり、地形的に低い箇所での浸水被
害が頻発していることから、浸水対策が重要になってきています。
95
96
97
基本方針
○岡山県クリーンライフ 100 構想に基づき、水洗化を促進し水洗化率の向上に努めます。
○施設・管渠の長寿命化計画の策定により、適正で効率的な維持管理に努めます。
○浸水被害の防止及び軽減に取り組み安全で安心なまちづくりに努めます。
施策の方向
(1)北部地区の下水道整備
平成 22 年度に面整備はほぼ完了しましたが、公共・特環・農集による集合処理が困
難な地区・家屋については合併処理浄化槽設置整備事業等で実施し、3事業により全
町水洗化を目指します。現在まで、全町の早期下水道整備による安全で快適な暮らし
を目指して整備を行ってきましたが、農業集落排水事業の処理施設は維持管理費が嵩
むことから、公共下水の面整備完了に伴い、公共下水への接続も視野に入れて維持管
理費の削減を図っていきます。
(2)南部地区管渠・浄化センターの長寿命化対策
既設管渠及び浄化センターについては、
供用開始以来 30 年以上が経過している部分
もあり、管渠については硫化水素等の影響によりヒューム管・コンクリート製マンホ
ール等の劣化がみられ、また、浄化センターについては経年による設備劣化がみられ
るため、長寿命化計画を策定し、年次計画を基に長寿命化対策・改築更新を行い施設
の延命を図り適切な維持管理に努めます。
(3)水洗化の推進
下水道の必要性の啓蒙、
水洗化による快適な生活のアピール等に積極的に取り組み、
全戸水洗化を推進します。
(4)汚泥の処理
汚水処理過程で発生する汚泥の処理についてはコンポストにより有効利用を図り
処分費の軽減及び二次公害の防止に努めます。また、汚泥処理過程で発生する消化ガ
スについても消化ガス発電設備を設置し省エネルギー及び二酸化炭素排出の削減を図
ります。
(5)浸水対策
本町の下水道は分流式ですが、ハード・ソフトの両面から効率的かつ効果的対策を
進め、降雨による市街地・集落等の浸水被害の防止及び軽減を図り環境保全に努めま
す。
(6)経営の健全化
水洗化率の向上による料金収入の増加・経費の節減により、下水道会計の効率運営
に努めます。委託する管理の内容に応じ、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、
住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とした指定管理
者制度導入等の検討を行い経営の健全化を図ります。
98
【3 衛生 】
現況と課題
現在、広報紙等による「ごみにならないものを買う消費行動や物を無駄なく大切に長く使う
生活習慣」の啓発を行ったり、無線放送で、毎週のごみの分別収集について詳しく説明をして
います。しかしながら、可燃ごみの収集状況をみると、一人が一日に出すごみの量は、平成17
年は400.0gでしたが、平成22年には460.9gと年々増加している状況であり、今後より一層の啓
発に努めます(表22参照)。また、ごみの高度な資源化設備や粗大ごみの再生機能などを備え
た処理施設の建設計画や最終処分場を広域で進めていく必要があります。
また、環境監視員や地区・警察等との協力のもとに、町としても今後も強いメッセージを出
し、不法投棄の撲滅に向けて取り組みます。
次に、し尿処理状況は、各家庭への下水道への接続とともに、年々減少しています。また、
斎場については、経年による劣化で火葬炉等早期に抜本的な改修の必要性があります。
99
基本方針
○資源循環型社会経済の構築を目的として、「一般廃棄物処理基本計画(ごみ編)」「一般廃
棄物処理基本計画(生活排水編)」に基づき事業を展開していきます。
斎場の火葬炉の抜本的な改修を図る必要があります。
施策の方向
(1)資源循環型社会経済の構築を目指した取り組みを住民・事業所・町が一体となって推
進します。
①住民に対して、広報紙等による「ごみにならないものを買う消費行動や物を無駄な
く大切に長く使う生活習慣」の啓発をし、ごみの減量を啓発します。
②事業者に対して、ごみの減量化対策の推進を依頼します。
③生ごみ処理機の利用の勧めや各地区コミュニティごとの分別収集の継続によりごみ
の減量化やリサイクルの推進を図ります。
④収集業者との連携によるリサイクル事業を推進します。
⑤高度な資源化設備や粗大ごみの再生機能などを備えた処理施設や最終処分場の建設
計画を広域で進めます。
(2)早期に、斎場の火葬炉の抜本的な改修を図る必要があります。
100
第4節
公園・緑地の活用・整備
【1 公園 】
現況と課題
本町の公園はおかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジをはじめ、総合スポー
ツ公園ゾーンを持つ工業団地と市街地との緩衝緑地機能と公園機能を併せ持った都市公園の
勝央緑地、他都市公園2ヵ所、金山谷池親水公園、カタクリ初恋公園などが代表的なものです。
その他にも吉野地区に運動公園1ヵ所、各地区や開発団地に児童公園、グラウンドゴルフ場な
どがあります。
しかし、各公園の施設は脆弱であり、住民のニーズに応える施設とはいえず、多くの公園が
完成から相当の年数が経過し、遊具をはじめ施設の構造物に損傷が見受けられることから、維
持管理に経費が必要となります。また、金山谷池親水公園とカタクリ初恋公園の管理は委託し
ている地区により維持されています。
101
基本方針
○生活環境の保全・青少年の健全育成・体力の向上・健康増進・地域コミュニティ・レクリエ
ーションの場として、また、自然環境の保全と緑地と併せ持ち住民に安らぎ・潤いを与える
役割を持たせるよう「緑のマスタープラン」に時点修正を加え公園緑地の整備を図ります。
施策の方向
(1)おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジが町へ全面移管されたことか
ら、観光地としての利用だけではなく、平成 21 年度から発足しているボランティア
組織とともに、住民の公園として住民が育てていく体制から、平成 24 年度からは指
定管理者制度への導入により、民間の活力により集客を図ります。
(2)多様化するレクリエーション需要に応えるよう運動公園の施設整備を図ります。
(3)平成 21 年度作成の都市公園長寿命化計画に基づいて都市公園の施設修繕を図ります。
(4)地区住民・家族・友人など小グループのコミュニティ・レクリエーションの場となっ
ている各地区や住宅団地にある児童公園、グラウンドゴルフ場は地区による一層の利
用と管理がなされるよう体制づくりに努めます。
(5)自然資源を活用した空間を楽しめる金山谷池親水公園、カタクリ初恋公園等は町内外
へ情報発信を行い、より多くの方に自然に親しんでいただけるよう努力します。また、
今後もこれらの公園は、地区住民の協力を得て地区の公園として管理していただける
よう施設の充実を図ります。
102
【2 緑化推進 】
現況と課題
緑地は公園とともに生活環境の保全の場として、住民の安らぎ・潤いを与える重要な役割を
果たすものです。
町の代表的緑地としては、工業団地と市街地との緩衝緑地機能と公園機能を併せ持った都市
公園の勝央緑地があります。
公園の新設による緑地の拡大・街路樹の新設をすることは、多額の建設費やその後の維持管
理費の問題があるため、おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジ、ノースロッ
プの森や滝川の保全、整備等による既設または自然環境を生かした整備の必要があります。
基本方針
○既に策定されている「緑のマスタープラン」に時点修正を加え、自然環境の保全と系統的な
公園・緑地の配置に重点を置き、住民の協力を得ながら推進を図ります。
施策の方向
(1)緑地の拡大にあっては既に策定されている「緑のマスタープラン」に時点修正を加え、
自然環境の保全と系統的な公園・緑地の配置に重点を置き住民の協力を得ながら推進
を図ります。
①相当規模のある公園緑地として勝央緑地を配置、また滝川はホタルの生息地として
保全を図るべく公園緑地系として配置していきます。
②日常レクリエーション系統として、おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴ
ィレッジ、運動公園、ノースロップの森、児童公園、地区公園等を配置します。
③防災系統として勝央緑地、中国自動車道沿いに緑地を配置します。
④上記の分散している緑地・公園を滝川や街路樹により連絡するような配置になるよ
う地区住民の協力を得て緑化に努力します。
103
4
第1節
環境・危機管理
環境にやさしく、安全で安心な
まちづくり
地球にやさしい環境整備
【1 環境保全 】
現況と課題
近年、地球の温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊、野生生物の減少など、様々な問題が発生し
ており、こうした地球レベルの環境問題への取り組みが世界規模で高まっています。
住民、事業所、行政が各々の役割に基づき、自らの地域を環境への負荷の少ない持続的発展
が可能な循環型の社会へと変革し、快適な地球環境を次の世代に引き継いでいく必要がありま
す。
勝央町では、平成18年に「新エネルギービジョン」、平成19年に「省エネルギービジョン」
を策定し、省エネルギービジョンの基本方針に従い、平成22年度庁舎省エネ改修に取り組み年
間54t-CO2の削減を得ることができました。
今後は、民間レベルでの取り組みを進めるため、太陽光発電の導入や太陽熱温水器の導入へ
の補助等を検討する必要があります。
104
勝央町が作成した「新エネルギービジョン」・「省エネルギービジョン」
勝央北小学校の太陽光発電設備(H23.2 月完成)
基本方針
○公害や生活環境の悪化を未然に防止するため、事業主・住民・行政の役割を明確にし、そ
れぞれの立場での環境保全活動の実践を推進します。
○地球規模の環境保全に目を向けた、地球環境への負荷の低減や循環型社会の形成、環境に
やさしいライフスタイルへの転換など、幅の広い環境対策を推進します。
105
施策の方向
(1)環境にやさしいライフスタイルの実現
①日常生活が地球環境に及ぼす影響を考慮するよう、環境保全意識の啓発を図ります。
②一人ひとりの取り組みによる環境保全活動の普及・促進に努めます。
③太陽光発電等の導入家庭への補助を検討します。
(2)環境監視・指導体制の確立
①悪臭(野焼き・側溝・ペットの糞尿など)の発生抑制に資する意識の啓発に努めま
す。
②水質汚濁を防止するため、浄化槽の設置を促進するとともに、事業所における産業
排水の水質基準遵守の徹底を図ります。
③土壌汚染の防止に向け、土砂等の埋め立てに対する適正な指導を行います。
106
【2 水と緑の保全 】
現況と課題
本町は、一級河川吉井川の支流である滝川が中国山地に源を発し、北から南に町の中央部を
貫流しています。滝川流域の平坦部に市街地、農地が分布しており、その周囲には丘陵地の樹
林地が分布し、平地も点在しています。このような災害が比較的に少ないおだやかでやさしい
環境は、次代にわたって継承していくべき大切な地域資源であるといえます。
また、豊かな田園や集落地からなる里山の原風景は、住民の誇りとなるものであり、勝央町
固有の有効な環境として守り、引き継いでいくことが望まれます。
こうした中、都市化の進展による水質の悪化や緑の減少、自然の持つ環境浄化機能や防災機
能の低下が懸念されており、町の水・緑環境や景観を守るためにも、積極的な取り組みに努め
ていくことが必要となっています。
これまで、地元との協力による環境保全の取り組みを広く緑の取り組みへと波及させ、自然
環境の保全に向けた活動をより一層高めるとともに、地域住民が自然の大切さを身近に感じる
ことのできる、憩いや安らぎの場となる環境づくりが求められます。
金山谷池親水公園
基本方針
○都市計画マスタープランに位置づけられる、水・緑のネットワーク形成やその機能・役割を
踏まえながら、河川・森林等の環境保全・活用を推進し、生活にうるおいを与える魅力ある
水と緑の空間づくりを目指します。
107
施策の方向
(1)滝川をはじめとする河川の環境保全・環境整備
アダプト事業などにより、地域住民、ボランティアとの連携のもと、河川管理者に
対する要望を図りながら、ホタルの生息地でもある滝川の環境保全・環境整備に取り
組みます。
(2)生態系に配慮した水路整備
農業用排水路の生態系に配慮した整備を推進します。
(3)水質等の向上
生活排水等水質汚染の原因を取り除く下水道の面整備がほぼ完了し、99.7%の整備
率を達成したため、水洗化率の向上に努めます。また、処理場における高度処理の実
施により、さらなる水質向上に努めます。
(4)水・緑のネットワークの形成
滝川などの中小河川や周辺緑地、おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィ
レッジ、金山谷池親水公園、ゴルフ場跡地などを結び、住民のやすらぎの場として機
能する水・緑のネットワーク形成に努めます。
(5)緑の保全
①滝川周辺の丘陵部の森林などについては、緑の持つ公益的機能の維持に配慮した保
全・育成策の導入に努めます。
②勝央町都市計画「緑のマスタープラン」に基づき、守るべき緑や活用すべき緑を明
確にするとともに、その整備の手法を検討します。
(6)里山環境の保全・育成
里山や平地林などの身近な緑環境の保全に向け、土地所有者、行政の連携による維
持・管理の仕組みの検討・導入に努めます。
(7)水・緑景観の維持
勝央町の基調となる水・緑の優れた自然景観を維持していくため、住民の意識向上
を図ります。
108
第2節
安全に暮らせる環境整備
【1 交通安全 】
現況と課題
国道179号をはじめ、いくつもの主要地方道が通過する本町は、県内でも交通量の多い地域
となっています。本町の交通事故の特徴をみると、国道や主要地方道を中心に、朝夕の時間帯
に多く発生しています。事故の内容については、交差点の一時不停止、信号無視、安全未確認
など、運転者の不注意により発生するものが大多数を占め、交通環境に順応しにくい子どもや
高齢者等の交通弱者の事故も目立っています。
人命尊重を基本理念に、安全、円滑、快適な交通社会の実現を目指し、歩行者、自転車、幼
児、高齢者、障がい者等が安心して通行できる道路交通環境を確立するとともに、交通道徳に
基づいた自発的な交通安全意識の高揚を促していく必要があります。
109
基本方針
○「人命は他のなにものにも優先する」との認識のもと、事故のないまちづくりを進めるため、
安全で人にやさしい交通施設の整備を行うとともに、交通安全の意識高揚を図るなど、ソフ
ト面での交通安全施策を積極的に展開していきます。
施策の方向
(1)安全・快適な交通環境づくり
①信号機・道路標識・道路標示・歩道・ガードレール・カーブミラーなど、交通安全
施設の整備を推進します。
②歩行者・自転車ネットワークの整備や、通学路の整備など、安全で快適な交通環境
の確立に努めます。
(2)交通マナー向上に資する交通規制の推進
シートベルト・チャイルドシートの着用を促進するとともに、飲酒運転・無謀運転
追放運動を推進します。
(3)交通安全意識の啓発
幼児から高齢者まで、保育園・学校・職場等を通じた交通安全教育を推進し、交通
安全意識の啓発に努めます。
110
【2 防犯 】
現況と課題
近年、地域コミュニティの弱体化に伴い、空き巣やひったくり、子どもをターゲットにした
犯罪が多発し、さらには犯罪の低年齢化・悪質化が進むなど、地域社会における安全安心の確
立は喫緊の課題となっています。
身近な犯罪については「地域の安全は自分たちで守る」という住民意識を高めることで大き
く減少するといわれており、地域ぐるみによる防犯活動の推進が期待されます。
本町では、防犯灯補助事業を大きく見直し、地域住民の要望に応える設置補助を行い、さら
に平成17年6月に勝央町安全と安心のまちづくり推進条例を策定し、各地区に自主防災・防犯
組織の設立をよびかけ一定の効果を上げてきました。
今後はさらに、住民の防犯意識の高揚を図りながら、自主的な防犯活動を支援するなど、住
民が安心して暮らせる安全なまちづくりに努めていく必要があります。
地域ぐるみの安全安心パトロールの様子(平地区)
111
基本方針
○住民を犯罪から守り、安心して暮らせるまちづくりを推進するため、犯罪を未然に防止する
安全な環境づくりや、関係機関・団体との連携による地域ぐるみの安全活動の展開、防犯に
対する意識の啓発や青少年健全育成に向けた取り組みを推進します。
施策の方向
(1)迅速な情報伝達
平成 18 年度に導入したメール配信サービスの拡充に努めます。
(2)安全な環境づくり
防犯灯の設置支援を継続するとともに、「子ども 110 番の家」の充実を図ります。
(3)防犯体制の強化
警察との連携や、各地区で組織された自主防犯活動の支援などにより、安全安心パ
トロールなど防犯体制の強化を図ります。
(4)防犯体制の強化
青少年の非行防止のため、関係団体との連携を図りながら、青少年健全育成に関す
る住民の理解を深め、有害環境の浄化を推進します。
112
第3節
安心して暮らせる環境整備
【1 消防・救急 】
現況と課題
‐消防‐
本町の火災の特徴をみると、建物火災とその他の火災(空地、土手及び河川敷地等)が多く、
車両火災、林野火災が次いで発生しています。各個人・家庭はもとより、地域を含めた火災予
防体制の強化を図るとともに、消防分署の設置など、消防・救急体制の強化に努めていく必要
があります。
‐救急‐
交通事故によるけが人や、高齢による急病人の搬送増加が憂慮される中、高度な救急医療体
制の確立が求められています。
113
日頃の訓練の成果を競う「操法訓練大会」の様子
114
基本方針
○誰もが安全で快適に暮らせるよう、住民一人ひとりの防災意識の高揚を図りながら、消防体
制の充実や広域的な連携体制の強化に努め、住民の生命や身体、財産を守れるまちづくりを
推進します。
施策の方向
(1)消防体制の強化
①地域防災計画の見直しを行います。
②災害時における各種機関との連携強化や、食料等の備蓄体制の確立に努めます。
③消防団員の確保に努め、消防団の活性化を図ります。
(消防防災施設の設備・強化)
・消防分署の新設を図ります。
・消防防災施設の機能強化や、機械器具及び資機材の整備充実を図ります。
(防火意識の高揚)
・火災予防運動の強化と、住民参加による各種訓練の開催に努めます。
(災害に強いまちづくり)
・河川の整備、避難所や避難路の確保等による、水害・火災・地震に強いまちづ
くりを推進します。
(自主防災体制の充実)
・自主防災組織の設置に努め、災害時の連携や、相互援助体制の充実を図ります。
(危機管理体制の確立)
・国民保護法の制定に伴う、国民保護協議会の設置及び国民の保護に関する計画
書の作成を図ります。
・住民の生命や財産を保護するため、災害等に迅速に対応できる応急措置体制や
消防体制づくりに努めます。
・安全で良好な居住環境の形成が図られるよう、建築関係法令の周知に努めると
ともに、木造建築物の耐震診断の支援を実施します。
(2)救急体制の強化
(高度救急・救助体制の充実)
・高度救急医療体制の充実を図ります。
・地域の協力・連携をもとに、高齢者や障がい児などの災害弱者に対する救急・
救助体制の確立に努めます。
115
【2 防災 】
現況と課題
平成23年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生し、地震や津波による未曾有の被害がもた
らされました。東日本大震災は、これからの防災計画の見直しを余儀ないものとし、新たな計
画の必要性が認識されています。
近年、風水害や地震等による自然災害が全国各地で相次いで発生し、人命や多くの財産が失
われ、長期にわたる避難生活を強いられ
ている状況が見受けられます。直近にお
いては、近隣の美作市や兵庫県佐用町に
おいての被害は記憶に新しいところです。
現在まで、本町において大きな地震や
火災、水害などの災害は発生していませ
んが、万が一災害が発生した場合に迅速
かつ的確に対応できるよう、普段から防
災に対する心構えや日頃の備えを準備し
ておく必要があります。
「みんなで防災 in 勝央」での訓練の様子(2007.10.21)
116
基本方針
○誰もが安全で快適に暮らせるよう、住民一人ひとりの防災意識の高揚を図りながら、消防体
制の充実や地域ぐるみによる防災組織の育成、広域的な連携体制の強化に努め、住民の生命
や身体、財産を守れるまちづくりを推進します。
施策の方向
(1)防災体制の強化
①地域防災計画の見直しを行います。
②災害時における各種機関との連携強化や、食料等の備蓄体制の確立に努めます。
③防災施設の設備・強化を行います。
・防災施設の機能強化や、機械器具及び資機材の整備充実を図ります。
・老朽化した防災行政無線設備のデジタル化更新を実施し、整備充実に努めます。
④防災意識の高揚を図ります。
・住民参加による各種訓練の開催に努めます。
⑤災害に強いまちづくりを進めます。
・河川の整備、避難所や避難路の確保等による、水害・火災・地震に強いまちづく
りを推進します。
⑥自主防災体制の充実を図ります。
・自主防災組織の設置に努め、災害時の連携や、相互援助体制の充実を図ります。
⑦危機管理体制の確立を図ります。
・国民保護法の制定に伴う、国民保護協議会の設置及び国民の保護に関する計画書
の作成を図ります。
⑧安全で良好な居住環境の形成が図られるよう、建築関係法令の周知に努めるととも
に、木造建築物の耐震診断の支援を実施します。
117
5
第1節
教育・文化
やさしい人と文化をはぐくむまちづくり
幼児教育の充実
【1 幼児教育 】
現況と課題
幼児期は、子どもが健全に成長し、人間性豊かな心をはぐくんでいくための基礎となるきわ
めて重要な時期です。この時期に、あいさつや手伝いなどの生活習慣や集団生活における社会
性などを身につけることは大きな意味を持っています。
勝央町は早くから幼保一体の理念のもと、昭和45年度までに幼稚園を廃して、その役割を保
育園に統合し、幼稚園教諭免許を持つ保育士の採用や、幼児教育研修に保育園職員を積極的に
参加させるなど、保育園において幼児教育をも担ってきました。
しかしながら、近年、アパートが林立し若年人口の増加が著しい黒土、岡地区を抱える勝間
田保育園が200人の定員を超える園児数を抱える一方、北部過疎地域にある吉野、古吉野両保
育園の園児数は定員の半数にも満たないアンバランスな状態となっています。
また、5ヵ所の保育園はいずれも建設から30年近くが経過しており、近年は傷みも目立ち、
設備も時代の要請に応えていない面があります。
近年、国は保育所と幼稚園を統合した「こども園」の設置を進めていますが、その理念は当
町のそれと合致するものであり、その導入については運営や内容について十分な検討を必要と
するものの、現保育園を多様な要望にも応えつつ、乳児保育から就学前教育まで担えるものに
発展的に改編する必要があります。
さらに、幼児一人ひとりの内面に芽生える可能性を理解し、これを引き出し伸ばす環境づく
りが求められていることから、保育士に計画的で継続的な研修受講の機会を与え、そのスキル
アップを図ります。
118
基本方針
○幼児教育の充実を促進するため家庭や小学校、または他の関係機関との連携を強化します。
○保育園の移設も含めた「こども園」を視野に入れた再編計画を立てます。
施策の方向
(1)幼児教育の充実促進
①幼児教育の内容充実を家庭と保育園が連携を取りながら推進します。
②保育士に幼児教育研修受講の機会を与え、そのスキルアップを図ります。
③保育園再編計画策定にあたっては幼児教育についても重点を置いたものとします。
(2)関係機関との連携強化
①保育園と小学校の情報交流・連携を図り、小学校教育への円滑な移行を促進します。
119
第2節
学校教育の充実
【1 学校教育 】
現況と課題
児童・生徒を取り巻く環境は常に変化をしており、それに伴い学校・地域・行政においては
多様な対応が必要とされています。児童・生徒個々の学力の確立、豊かな心と健やかな体、生
涯にわたる人間形成の基礎を築いていくためには学校を中心として家庭・地域・関係機関の連
携の強化を行うことがますます重要になっています。
本町の学校は、町南部に立地する勝間田小学校と町北部に立地していた3校(植月・吉野・
古吉野小学校)の児童数の減少により平成20年4月に統合し誕生した勝央北小学校及び勝央中
学校があります。児童・生徒数の減少、統合学校の人間関係の醸成等考慮すべき事項が散見さ
れます。
学校施設については、勝間田小学校が平成20年に改築、勝央北小学校(旧植月小学校)は昭
和63年に、勝央中学校は平成4年~5年にそれぞれ改築しています。勝央北小学校・勝央中学
校は改築後年数が経過しており部分修繕が増えてきています。
また、勝央北小学校においては、平成20年統合時に当時の検討委員会は「施設は当面の間、
植月小学校の施設を使用する」としていることから、勝央北小学校新校舎についての検討を始
める必要があります。
120
こうした中、本町では、外国語指導助手配置事業(ALTの派遣)や小学校コンピュータ整
備事業の導入を図り、地産地消による給食を実施するなど、外国語教育やIT教育、食育など、
時代の変化に対応のできる児童・生徒の育成に努めてきました。
その一方で、児童・生徒の学力の低下や不登校、いじめ、非行の低年齢化、子どもが被害者
となる犯罪の増加などが大きな社会問題となっており、本町においてもこのような課題に対応
していくことが求められています。
今後は、教師の指導力の研鑽を促し、学校・家庭・地域の一層の連携強化を図りながら、子
どもの安全・安心を確保し、確かな学力や豊かな心、健やかな体など、子どもたちの個性を尊
重しつつ自立して社会で生きていく基礎をはぐくんでいく必要があります。
基本方針
○知・徳・体のバランスの取れた力の育成を基本に、変化の激しい21世紀を心豊かにたくまし
く生きる児童・生徒の育成を目指します。
○学校・家庭・地域の連携を強化しながら、安心してのびのびと学ぶことのできる教育環境づ
くりを進め、健全な児童・生徒の育成に努めます。
121
施策の方向
(1)学校施設の整備充実
各校の老朽化した機械設備の年次計画による改修、コンピュータや情報機器設備の
充実など教育環境の整備をさらに進めます。
(2)義務教育
(教育内容の充実)
①個々の児童・生徒の能力に応じた指導に努めるとともに、自ら学び・考え・判断し、
表現する「確かな学力」の育成を図ります。
②教職員・外部人材等学校教育に携わる体制の質・量の充実を図り、きめ細やかな指
導に努めます。
③小中学校の9年間を見通し、連続性・継続性のある一貫した教育を目指します。
(特別支援教室の充実)
①特別な支援を要する児童生徒のために、個別の指導計画を作成し、個々に応じた指
導の充実を図ります。
②軽度発達障がい児に対しては、就学前から適切な支援を行うよう、関係機関との連
携を強化するとともに、研修による教職員の資質の向上に努めます。
(心の教育)
①読書活動や様々な体験活動を通じた豊かな心の育成に努めます。
②スクールカウンセラーやスクールサポーターの配置など、教育相談の充実を図りま
す。
(健康づくり)
①安全・安心な地場の食材を活用した学校給食の充実を図り、学校における食育を推
進します。
②健康な身体づくりや生涯にわたるスポーツライフの基盤づくりを目指し、発達段階
に応じた体力向上策の推進や、運動の基礎・基本の指導充実に努めます。
(地域に開かれた学校づくり)
①学校運営協議会(コミュニティ・スクール)制度の取り組みを生かし、学校運営に
対する、地域の多様な意見の把握・反映に努めます。
②学校行事や授業等への地域住民の参加を促進し、開かれた学校づくりに努めます。
(国際理解教育)
外国語指導助手の積極的な活用を図ることにより、他国の伝統・文化等の知識ひい
ては国際社会の理解に関する教育を推進します。
(情報教育)
ICTや全小・中学校に整備された校内LANの積極的な活用による、学習コンテ
ンツの充実や学校間交流の促進などに努めます。
122
(勤労体験・社会体験)
働くことの尊さやたくましく生きる社会性を育むため、事業所等の協力を得ながら、
児童・生徒の勤労体験・社会体験の実施を図ります。
(児童・生徒の安全・安心の確保)
①児童・生徒が安全・安心な学校生活を営むことができるよう、安全教育の推進や通
学路の安全確保に努めるとともに、教職員の危機管理意識の向上や防犯訓練の実施
による、安全管理の徹底を図ります。
②スクールガードリーダー・地域のボランティア等との連携による学校内外の安全・
安心の確保に向けた取り組みを図ります。
(教育相談の充実)
①相談員の養成及び資質向上を図り、利用者の要望に添えるよう、幅広いきめ細かな
相談体制の確立に努めます。
②学校・家庭等との連携を強化し、効果的な相談の実施に努めます。
(教育研究の充実)
①教職員の専門的知識・技術の向上を目指し、研究活動の充実を図ります。
②教育研究体制の強化に向け、教育の質的変化に対応できる研修の実施を図ります。
③学校支援地域本部事業制度の取り組みにより、学校、家庭、地域が一体となって地
域ぐるみで子育てをする体制を構築します。
123
第3節
生涯学習の充実
【1 生涯学習 】
現況と課題
生活水準や教育水準の向上、自由時間の増大等を背景に、今日では、生涯の各時期において
地域住民の学習に対する意欲が向上するとともに、科学技術の高度化、情報化、国際化等の進
展に伴い、新たな知識や技術を習得する必要性が高まってきています。
本町においても、乳幼児期から高齢期まで、生涯にわたってより充実した楽しい人生を送る
ため自由に学ぶことができ、その成果が適切に評価される生涯学習社会の実現に向け、公民館
を中心に、各種の事業を実施していますが、その反応は、十人十色は昔のこと、今は百人百色
ともいえるようで、要求と無関心との幅が相当開いているといえます。
地域住民の学習ニーズに的確に応えていくための対応と、生涯学習になかなか興味を示して
くれない人々への啓発をいかになすべきかを考慮に入れ、体制づくりを進めていかなければな
りません。
生涯学習の中央機関である公民館を中心に、図書館、美術文学館、文化ホール、コミュニテ
ィセンター、コミュニティハウス、学校等が有機的に連携しネットワークを形成し、それらを
核とした地域の生涯学習推進体制整備を進めていきます。
また、町各部局の各分野で総合的、企画的調整を図り、住民の意見や要望を施策に反映させ
ていく必要があります。
施設面において、公民館は、耐震診断の結果、地震に対して倒壊または崩壊する危険性があ
るとの判定を受けており、早期に耐震工事または建替工事を行う必要があります。
また、植月コミュニティセンターの建替用地は取得済ですが、工事は未着手のため、今後検
討を行う必要があります。
124
基本方針
○公民館をはじめ、集会所等のコミュニティ機能を強化し、図書館、美術文学館、文化ホール
等の生涯学習施設及び環境条件の充実を図ります。
○多様な生涯学習活動の展開を図るため、学習内容の体系化や指導者の確保、幅広い人材の育
成、社会教育団体の活動支援を図ります。
施策の方向
(1)生涯学習推進体制の整備・充実
①社会教育主事、司書、学芸員等の社会教育専門職員の適切な配置に努めるとともに、
各機関・団体等との連絡・調整を図り、生涯学習推進体制の整備・充実に努めます。
②社会教育委員、公民館運営審議会、図書館協議会、美術文学館協議会を一本化し、
効率的な審議会運営を図ります。
(2)生涯学習機会の拡大と内容・方法の調査研究
①生涯にわたる学習機会を保障するため、各世代やニーズに応じた学習内容の体系化
及び学習活動の推進に努めます。
②高度情報化や少子高齢化など、多様な視点に配慮した、新規講座の開発や事業の実
施に努めます。
③町長部局や各種団体、学校等との連携により、効果的な生涯学習事業を推進します。
④時代に即した教材や備品の配置に努めます。
⑤図書館所蔵資料及び、県内公共図書館間ネットワークを活用し、多岐にわたる住民
の生涯学習の支援及び住民の読書推進活動に努めます。
(3)生涯学習施設の充実
①時代のニーズに即しながら、コミュニティセンターの役割・機能の見直しや施設の
配置を検討します。
125
②学校施設の開放等による施設の有効利用を図ります。
③コミュニティ施設については、指定管理者制度の導入により健全な施設運営を行い
ます。
(4)自主的活動の充実
①社会教育関係団体、文化団体、サークル等の活性化を促進します。
②各種講座、学級、教室等が自主的に継続されていくために、民間指導者の積極的な
発掘・養成や、ボランティアの育成に努めます。
126
第4節
スポーツ・レクリエーションの振興
【1 スポーツ・レクリエーション 】
現況と課題
近年の年間労働時間の短縮や、学校週5日制の実施による自由時間の増大等により、主体的
に自由時間を活用し、精神的に豊かな日常生活を送りたいという住民のニーズは年々強まって
います。
一方で、科学技術の高度化や情報化等の進展により、人間関係の希薄化や精神的なストレス
の増大、運動不足による体力の低下など、心身両面にわたる健康問題が社会問題として顕在化
してきています。
こうした中、スポーツ・レクリエーションの果たす役割は大きく、体を動かすことによる爽
快感や達成感、他の人々と共に楽しむことによる連帯感がもたらされ、体力の向上や精神的ス
トレスの解消、生活習慣病の予防が図られるなど、心身両面にわたる健康保持に貢献するもの
です。
今後は、住民の様々なニーズを踏まえながら、楽しみながら体を動かすことのできるスポー
ツ・レクリエーション活動の普及に努めるとともに、体育施設の整備・改修や学校体育施設の
開放、指導者や愛好者に対するスポーツ医学・栄養学等の学習機会の提供を図るなど、住民が
生涯にわたってスポーツに親しめる環境づくりを行っていくことが必要です。
127
基本方針
○住民の誰もが身近に、手軽に楽しめるスポーツ・レクリエーションの普及に努め、施設の充
実や指導者の育成を図ります。
○本町におけるスポーツ振興基本計画の策定に取り組むとともに、平成22年10月に設立された、
「勝央町健康スポーツクラブ」を中心に子どもから高齢者まで、すべての住民がスポーツ・
レクリエーションに親しみ、体力の向上や健康づくりが図られるようスポーツに接する機会
の充実に努めます。
施策の方向
(1)スポーツ・レクリエーションの推進
住民が気軽にスポーツ・レクリエーションに親しめるよう、総合運動公園の積極的
な利用を促します。
(2)施設整備の推進
①住民のニーズに応える、既存社会体育施設の整備・改修及び学校体育施設の夜間・
休日開放の拡充を図ります。
②スポーツ公園のプールについては、平成 16 年度から使用を中止して荒廃した状態と
なっています。撤去も含めた今後の対応について検討する必要があります。
(3)軽スポーツの普及推進
スポーツ推進委員を中心に、子どもから高齢者まで、誰もが楽しみながら体力づく
りに親しむことのできる軽スポーツの普及・促進に努めます。
(4)指導者の養成
住民に健全なスポーツを奨励するため、指導体制の充実や、指導者の育成に努めま
す。
(5)クラブ活動の推進
①体育協会の各専門部や、スポーツ少年団、中学校の部活動等との連携・調整を図り
ます。
②本町の実状に則しながら、総合型地域スポーツクラブ「勝央町健康スポーツクラブ」
を中心に多世代を対象に誰もがクラブ活動に参加し、楽しみながら体力の向上や健
康づくりが図られるように努めます。
(6)競技力の向上
スポーツ競技力の向上に向けて、関係機関等との連携を図りながら、一貫指導体制
の確立や競技会の開催等に努めます。
(7)スポーツ団体の育成
体育・スポーツ団体の育成を図ります。
128
第5節
地域文化の振興と文化財の保護活用
【1 芸術・文化活動 】
現況と課題
本町には、古くから出雲街道の要衝の地として栄え、“文化のまち”として自負している歴
史があります。しかしながら、芸術文化活動に携わっている人は、各分野とも固定化している
傾向があるので、住民が身近に芸術文化活動に参加できる環境づくりを進めるとともに幅広い
文化交流を推進していきます。特に、新しいものや初心者ニーズを把握し公民館等で講座を開
き、自主グループへの移行を図っていく必要があります。
勝央文化ホールでは、平成7年度から実施している「文化のまちづくり事業」をさらに充実
させ、音楽はもとより演劇・映画・伝統芸能等、住民が気軽に親しめ、鑑賞や参加ができる芸
術文化環境の醸成を行っていきます。まちづくりの拠点施設として、様々な舞台芸術や音楽な
どが自由に鑑賞、発表できる場として、地域住民に質の高い魅力的なサービスを提供すること
はもちろん、地域住民の芸術文化活動を活性化し、自主グループを育成していきます。
美術文学館は、旧郷土美術館の各種文化振興事業を引き継ぎ、財団法人美作学術文化振興財
団と連携を密にしながら事業の展開を図り、心豊かな文化の香り高いまちづくりを進めていき
ます。
文化財保護については、文化遺産の保護措置・公開展示など伝統文化の継承発展に資するた
め、無形文化財ともいうべき伝承文化・昔ものがたりなどの発掘収集、地域開発にかかる埋蔵
文化財の確認調査、出雲街道等古道にかかる伝統的町並みや、自然の歴史を語る巨木、祠など
の保存・記録、幻の焼き物「勝間田焼」等文化財保護委員会を中心に検討・研究し後世に伝え
るなど、研究活動を進めていきます。また、町内には、埋蔵文化財が数多く存在しているため、
伝統的文化遺産としての保護強化と活用に努めていくことが望まれます。
129
石仏上遺跡発掘の様子
発掘した文化財の展示(勝央美術文学館)
130
基本方針
○勝央文化ホール・勝央美術文学館の有効利用により、住民の自発的な芸術・文化活動の振興
を図るとともに、郷土に残る文化遺産を保護し、歴史・文化とのふれあいの場としての活用
を促進します。
施策の方向
(1)勝央文化ホール・勝央美術文学館の有効活用
①住民の自主的・創造的な芸術・文化活動が十分に展開されるよう文化施設の有効活
用を図ります。
②青少年の身近な芸術文化活動の発表の場として、勝央文化ホールの利用を促進しま
す。
③勝央文化ホールの音楽ホールとしての機能を生かした施策を展開します。
④勝央美術文学館の広域的な知名度向上に向け、近隣市町村とのネットワーク化を促
進します。
⑤積極的な自主事業の展開により、勝央町発信の文化をアピールしていきます。
(2)芸術・文化活動の支援
①優れた芸術・文化の鑑賞機会を提供するとともに住民参加の文化イベントを行いま
す。
②文化団体等の自主性を尊重しながら、各種援助、活動の促進を図ります。
③貸館業務での住民サービスを充実させ、アマチュア文化団体の育成に寄与します。
④芸術文化活動を支える指導者やボランティアを養成し、芸術文化活動におけるサポ
ーターを育成します。
(3)町文化財の保護・活用
①住民の文化財に対する愛護思想の高揚を促すため、広報活動の展開や学習機会の提
供に努めます。
②発掘調査によって明らかにされた町内の遺跡の紹介や遺物の公開展示を行うことに
より文化財保護意識の高揚に努めます。
③閉館中の郷土美術館の郷土資料館への転用を検討します。
131
第6節
国際交流の推進
【1 国際交流 】
現況と課題
近年の交通・情報通信の発展に伴い、以前よりも世界が身近なものとなり、多くの地方自治
体において活発な交流が展開される中、県においても「観光立県岡山」づくりに向け、様々な
国の人々が訪れ、交流や連携を図ることのできる環境づくりに努めるものとしています。
さらには、グローバル化・少子高齢化・労働人口の減少といった社会構造の変化から、近い
将来、地域レベルにおいても、これまで以上の在住外国人の増加が予想され、より一層の国際
化の進展が見込まれます。
こうした中、本町ではこれまでバングラデシュの救援、インド研修生の受け入れ、タイ国ラ
ヨン県知事の招待、中国遼寧省蓋県、モンゴル国ウブルハンガイ県知事の来町などアジアの
国々と交流を進めています。
特に、モンゴル国ウブルハンガイ県とは平成10年学校建設資金を援助したことから、交流が
継続し、平成21年に友好交流協定を締結しています。
また、現在の外国人登録人口は約50名ですが、公共施設や案内標識等に外国語標記はほとん
ど実施されておらず、国際社会に対する住民の意識啓発を促す観点からも、在住外国人や訪問
する外国人の利便性を高める公共施設等の外国語標記や、生活情報の提供などに努めていく必
要があります。
今後さらに、国際社会に開かれたまちづくりを推進していくため、国際交流についての認識
を深めるとともに、これからの国際化に対応できる人づくりや環境づくりに努めていくことが
大切です。
町が建設費の一部助成をして完成した体育センター(モンゴル国ウブルハンガイ県)
132
メルゲド学校で日本語を教える勝央町派遣教師(H22.9月~11月)(モンゴル国ウブルハンガイ県)
基本方針
○本町の歴史的な特性を生かした交流の推進と、国際化に対応した基盤づくりに努めます。
施策の方向
(1)国際化に対応した基盤づくり
①国籍や民族などの異なる人々が、互いに文化の違いを認め合いながら共に生きてい
こうとする、多文化共生の地域づくりを推進します。
②公共施設や案内標識等への外国語標記の導入を検討します。
③行政窓口の強化等、行政サービスにおける外国人対応の充実を図ります。
④ALT(外国語指導助手)の積極的な派遣により、語学の向上と国際理解教育の推
進を図ります。
(2)交流事業の推進
モンゴル国ウブルハンガイ県との教育・文化の分野での交流事業を推進します。
133
6
第1節
産業
豊かさと活力を実感できるまちづくり
町の特性を生かした農林業の推進
【1 農業の振興 】
現況と課題
農業従事者の高齢化に伴う農業経営の担い手の減少、農産物価格の低迷、遊休農地の増加に
伴う経営耕地面積の減少など農林水産業全体が停滞・縮小しています。遊休農地の増加は、有
害鳥獣の発生を招き農村の環境や景観の悪化につながり、農山村環境の維持を図る上でも耕作
放棄地再生事業などの取り組みを推進していく必要があります。
また、高品質な農産物の生産振興と集落営農の推進を図りながら、豊富な農業資源を有効活
用することや、特徴を生かした情報発信を強める必要があります。
耕作放棄地再生利用緊急対策を活用した事例
再生作業前
→
再生作業後
134
基本方針
○効率的・安定的な経営体を確立するため、農業者・農業団体・行政がその連携のもとに一体
的な施策による農業振興を図ります。
施策の方向
(1)将来への農業展開
創意と工夫により効率的・安定的な経営を目指す農業者の育成強化に努め、地域の
農業をリードする認定農業者を支援します。
(2)集落営農の推進
集落営農の組織化・法人化等、経営体の育成及び集落の持つ諸機能の再構築と高付
加価値型の農業振興を推進します。
(3)農用地の利用増進
①農用地の利用については、農地利用集積円滑化団体・岡山県農林業担い手育成財団
と連携しながら流動化の促進を図り、面的集積した条件で担い手に利用集積される
よう努め、農用地の保全、合理化・有効活用を図ります。
②農用地は、労働力の高齢化、後継者不足と地理的条件から耕作放棄による原野化が
予想されますが、耕作放棄地再生利用緊急対策等による耕作放棄地の再生化に取り
組み、農用地の減少を最小限に食い止めます。
(4)特産物の振興
①特産物の振興を図るため、勝英農業普及センターの指導のもとに市場性の高い農産
物の産地化形成に努めます。
②農業指導体制の充実や技術支援の拡充を図り、安定供給を目指します。
③6次産業化を推進し、農産物加工による特産物の開発を促進して、地域特産物とし
てのブランド化を目指します。
(5)環境保全型農業の振興
資源循環型農業の確立を目指して、有機農業などの推進と環境への負荷の少ない農
業展開に向けて、減農薬栽培技術の開発を推進します。
(6)担い手育成の推進
①U・J・Iターン希望者への就農相談・体験研修の実施、生活支援など総合的な就
農支援システムの構築を推進します。
②次世代の農業経営を担う新規就農者・認定農業者の確保・育成のため必要な支援を
展開します。
③高齢者の豊富な知識を生かすなど、高齢者や女性農業者の積極的な地域農業への参
画・協力を推進し、都市住民との交流事業を推進します。
135
【2 林業の振興 】
現況と課題
国産林需要の長期的な低迷など林業を取り巻く近年の厳しい環境の中で、生産意欲は低下し、
林業従事者の減少や高齢化とも相まって、森林保育施業への影響が危惧されています。
また、国民の森林に対する価値観が変化しており、森林の持つ水源涵養、国土保全などの公
益的機能や保養・休養機能の活用を積極的に進めながら、林業の活性化を図る必要があります。
基本方針
○森林の有する諸機能を総合的かつ高度に発揮させるため、適正な森林施業の実施により、健
全な森林資源の維持増進を図るとともに、地域の特性・資源の状況及び自然条件など総合的
に勘案し、水源涵養・国土保全・保養・休養機能など森林に対する社会的な要請の高まりに
対応し、機能に応じた多様な資源の整備と保全を図ります。
施策の方向
(1)林業基盤の整備の推進
林道・作業道を整備促進し、作業の効率化・労働強度の軽減及び生産コストの低減
を支援し、計画的な保育・間伐・造林の促進に取り組みます。
(2)森林組合の基盤強化
経営規模の零細な林家にかわって、森林施業の中核的な役割を担う森林組合の連携
強化を図り、高性能機械の導入促進・担い手育成及び木材流通・加工体制整備の支援
に努めます。
(3)森林空間の活用
広葉樹等の植栽を推進し、天然生林の保全及び原生的森林の保全に努め、自然景観
を考えた森林づくりを進め、森林の保養・休養機能を活用するとともに、住民と都市
住民が一体となったボランティア活動などによる適正な管理を進め、森と共存する心
を育てる運動の展開に努めます。
136
第2節
活気あふれる産業の振興
【1 商業の振興 】
現況と課題
平成19年の本町の商業は、商店数113店、従業員数723人、年間販売額129億円で、国道179号
沿いに中規模のスーパーマーケット2店、コンビニエンスストア3店の勝間田地区を中心に各
地区に点在している小規模な商店で構成されています。農業協同組合の勝英地区の合併により
旧村単位で設置されていた支所の廃止により併設された購買部も廃止され、吉野地区のみとな
っています。町北部に点在していた零細な個人商店は、廃業し交通弱者は日々の生活用品の調
達にも支障を来たしてきています。
核となる商業施設が形成されておらず、津山市、美作市等の郊外型店舗への消費者の流出が
従前より続くなど、大変厳しい状況にあります。
こうした中、将来にわたって町の活力をはぐくんでいくためにも、消費者のニーズを見極め
ながら、商工会との協働による買い物環境の向上や、他産業との連携による勝央オリジナル商
品の開発、観光客を身近な商店街に引き込む散策ルートの整備など、新たな方策を検討してい
く必要があります。
137
基本方針
○消費者ニーズの多様化や交通体系の変化等を踏まえ、町独自の商業サービスの展開を図りま
す。
施策の方向
(1)中小融資制度の充実
経営の安定化や経営の体質強化に資するため、町商工融資制度の充実を図ります。
(2)商工会との連携
①商工会を主体としながら、商工業の活性化に向けた道筋の検討を図ります。
②ホームページを中心とした情報発信体制の充実を図ります。
(3)商業サービスの充実
①高齢化の進行等に対応した宅配の実施など、消費者にとって魅力あるサービスの提
供促進に努めます。
②観光業との連携を図りながら、観光客を商店街に引き込むことのできる、魅力的な
散策ルートの設定を図ります。
(4)勝央オリジナル商品の開発
他産業との連携を図りながら、勝央の特産品の開発等、地域資源を活用した中小企
業の事業活動を支援していきます。
138
【2 工業の振興 】
現況と課題
昭和54年に勝央中核工業団地、平成2年に勝央第二工業団地、平成8年に新勝央工業団地が
完成、中国自動車道で関西圏まで2時間で結ばれる立地条件に恵まれているほか、上水道、工
業用水、下水道の完備などの条件整備によって、医薬品・塗料・香料などの化学系の企業を中
心に27社が立地操業しています。
平成21年の本町の工業は、43事業所、従業員数2,690人、製造品出荷額1,420億7,000万円と
なっています。
今後は、優位な条件を生かし、地元雇用への対応や地域の活力づくりにつながる新たな企業
誘致を図るとともに、既存企業の支援体制の強化や操業環境の向上に努めていく必要がありま
す。
また、さらなる企業誘致を図るためには、工場跡地・工業団地開発可能地等の未利用地を活
用する必要があり、積極的な情報提供や誘致活動を推進していく必要もあります。
139
基本方針
○交通アクセス等の良さを生かした新たな企業誘致を図るとともに、既存企業における経営基
盤の強化を促進します。
施策の方向
(1)既存企業の支援
①既存企業の経営安定化に向け、融資制度の導入を検討します。
②関係機関や企業等と連携しながら、相談や情報提供体制の確立、技術交流集会の開
催などを促進し、経営の近代化を図ります。
(2)優良企業の誘致
①高速交通網等に恵まれた立地条件を生かせる、流通・情報産業関連の企業誘致に努
めます。
②新技術・新エネルギー関連企業の誘致を推進します。
(3)地域資源を活用した産業づくり
恵まれた農産物と立地条件を生かし、農産加工品の生産拡大を図り、生産加工販売
の一貫体制による農工商複合企業の育成を推進します。
140
【3 労働環境・消費生活 】
現況と課題
- 労働環境 経済、産業の動向や少子高齢化時代への移行に伴い、労働環境も変化しています。長引く不
況を反映して中高年のリストラや若年層の就業機会の減少など、雇用情勢は依然として厳しい
状況となっています。
本町に立地する事業所は、工業団地に一部大手企業が立地するも、勤め先の多くは中小零細
規模であるため、就業の安定と生活の向上に向けては、津山雇用労働センター等関係機関との
連携のもと、福利厚生等、労働環境の充実を支援していく必要があります。
- 消費生活 高度情報化や産業の高水準化に伴う多様な商品・サービスの提供により、近年の消費生活は
豊かになった反面、販売形態や商品宣伝の多様化・複雑化に伴い、詐欺商法、クレジット商法、
霊感商法など消費者の心理を巧みに利用した悪徳商法により、消費者トラブルも増加していま
す。
消費者の利益保護や消費生活の安定を図るため、多種多様化する問題への対応を可能とする
システムづくりや、問題発生の未然防止に向けた啓発活動に努めていく必要があります。
141
基本方針
(労働環境)
○安心して働き続けられる環境づくりを目指し、若年者への就業支援や、進出企業の地元
雇用促進による就業機会の拡充を図るとともに、勤労者の福利厚生の支援に努めます。
(消費生活)
○住民自らが判断し、行動のできる消費者となるよう、各種啓発活動を推進します。
施策の方向
(1)職業相談の充実と就業の安定
①若年者の就業に対する意識が多様化する中で、若年層の就業支援の充実を図りま
す。
②本町に進出する企業・事務所に対し、町内居住者の雇用の要請に努めます。
(2)労働者福利厚生の充実
関係市町と連携し津山雇用労働センターの機能を拡大強化し、効果的な運用に努め
ます。
(3)消費者相談体制の確立
相談件数の増加や複雑化に適切に対応するため、相談窓口の開設など、消費者相談
体制の確立に努めます。
(4)消費者啓発の強化
消費者問題に対する学習機会を提供し、消費者意識の向上を図ります。
(5)消費者団体の活動促進
消費者団体の支援を図り、自主的な活動を促進します。
142
第3節
地域特性を生かした観光の振興
【1 観光 】
現況と課題
本町においては、おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジ、勝央美術文学館、
出雲街道、石仏の道、カタクリ公園などの観光資源があり、自然体験を主とした日帰り周遊型
の観光が展開され、観光入り込み客数は平成19年度をピークとして減少傾向にあります。
また、天神祭、金時祭などのイベントに毎年多くの入場者が訪れています。こうした特徴あ
る観光資源やイベントを有する一方で、本町のみでの集客・滞在は難しい状況にあり、今後、
ますます高まりの予想される観光・レクリエーション需要に対応していくためには、おかやま
ファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジ周辺の交流拠点としての機能強化や、グリーン
ツーリズム等による滞在機能の強化、県北市町村と連携した各観光資源のネットワーク化など
に努めていく必要があります。
おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジについては、岡山県からの移管を受
けて、町においても公募等による指定管理者制度の導入を図り、併せて運営のあり方も見直し
を図る必要があります。
143
基本方針
○おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジをはじめとする良質な地域資源を活
用し、来訪者のみならず住民一人ひとりが楽しめる、住民・行政の協力による観光・レクリ
エーションの振興を図ります。
施策の方向
(1)観光資源の整備
①自然とのふれあいに重点をおくおかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジ
周辺に体験型観光農園を整備し、様々な体験が楽しめる勝央の観光拠点づくりを進めま
す。
②農業や商業との連携をとりながら、勝央ならではの物産品の開発に努め、地域産業
の発展と観光事業の振興を図ります。
③都市住民が農業を体験できる、休耕農地等を活用した観光農園の整備や、グリーン
ツーリズムの実践を促します。
(2)観光ネットワークづくり
①県北市町村の観光施設と連携した、広域観光ネットワークの形成を図ります。
②各観光資源や市街地を巡る散策ルートの設定や、遊歩道の整備を図り、回遊性のあ
る観光地づくりに努めます。
(3)観光情報発信の推進
①役場ホームページ・津山ケーブルテレビにおいてイベント情報の発信を推進します。
②地元新聞社等への情報提供を図り、地域への情報発信に努めます。
144
第4節
若者定住化の促進
【1 定住化促進 】
現況と課題
住民意識調査では、
「勝央町にずっと住みたいと思っている」と回答した人が 77.3%であり、
定住化志向は非常に強いといえます。
現在町営住宅は、5ヵ所 66 戸ありますが、大半が老朽化してきており町営住宅の運営のあ
り方を検討していく必要があります。
町の分譲宅地については、現在1ヵ所 10 区画を予定していますので、積極的なPRにより
完売を目指し、定住者確保につなげていく必要があります。
活気あふれるまちづくりには、若者の定住化をより一層支援していく必要があります。若者
向けの定住化の補助制度検討や雇用場所の確保など一体として推し進める必要があります。
基本方針
○若者の定住化促進のため、補助制度の検討や雇用確保を進めていきます。また、町が所有す
る分譲宅地の販売、移住・定住希望者への空き家情報を提供します。
施策の方向
(1)町の分譲宅地の販売を促進
現在予定している分譲宅地の販売を積極的にPRし、完売を目指します。町所有の
遊休地を宅地化し、分譲を進めることにより定住化促進を図ります。
(2)空き家情報の提供
町内に存在する空き家への居住を促進するため、移住・定住希望者のための情報サ
イトへの登録の仕組みづくりを図ります。
(3)補助制度の検討
若者の定住促進のため、新築住宅の固定資産税減免や新築住宅補助などの定住化の
ための補助制度の検討を行います。
(4)町営住宅の運営のあり方
老朽化した町営住宅について、運営のあり方の検討を進めます。
(5)雇用の確保
雇用の場の提供について、公共職業安定所、県等の関係機関と連携を図っていきま
す。
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春の芝生広場(おかやまファーマーズ・マーケット ノースヴィレッジ)
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○勝央町振興計画審議会条例 (昭和 46 年3月 22 日条例第4号)
(設置)
第 1 条 地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 138 条の 4 第 3 項の規定に基づき、勝
央町振興計画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所管事務)
第 2 条 審議会は、町長の諮問に応じ勝央町振興計画に関する事項について調査し、
及び審議する。
(組織)
第 3 条 審議会は、委員 15 人で組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから町長が任命し、又は委嘱する。
(1) 町議会議員 5 人
(2) 学識経験を有する者 5 人
(3) 町の職員 5 人
(任期)
第 4 条 委員は、当該諮問に係る審議が終了したときは、解任され、又は解嘱される
ものとする。
(会長及び副会長)
第 5 条 審議会に会長及び副会長 1 人を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。
3 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第 6 条 審議会は、会長が招集する。
2 審議会は、委員の定数の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決すると
ころによる。
(庶務)
第 7 条 審議会の庶務は、総務部において処理する。
(補則)
第 8 条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営について必要な事項は、町長が
別に定める。
附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 第 6 条第 1 項の規定にかかわらず最初に開かれる審議会は、町長が招集する。
166
167
用語解説
項
目
ADSL
FTTH
ICT
あ
行
NPO
アウトリーチ
オゾン層破壊
介護保険制度
学校運営協議会制度
(コミュニティ・スクール)
環境ホルモン
協働
グリーンツーリズム
グローバル化
ケアマネジメント
か
行
健全化判断比率
公債費比率
こども園
コミュニティ
コンポスト
説
明
Asymmetric Digital Subscriber Lineの略。電話回線を使う高速デジタ
ル有線通信技術。
Fiber To The Homeを略してFTTH(エフ・ティー・ティー・エイチ)
。
光ファイバーを伝送路として一般個人宅へ直接引き込む、アクセス系光
通信の網構成方式のこと。
情報・通信に関連する技術一般の総称。IT(Information Technology)
の「情報」に加えて「コミュニケーション」(共同)性が具体的に表現
されている点に特徴がある。ICTとは、ネットワーク通信による情
報・知識の共有が念頭に置かれた表現である。
Non Profit Organizationの略。行政や企業とは別に社会活動をする非
営利の民間組織。
公共機関の現場出張サービスなどの意味で多用される。美術館・博物館
が裾野を広げる契機として施設訪問など対外的な広報活動をし、関心を
高めたりする活動をアウトリーチとしている。
成層圏のオゾン層が、フロンなどの人工化学物質で破壊される現象。オ
ゾン層が破壊されると、地上に降り注ぐ有害紫外線が増大し、皮膚がん
の増加など、健康被害や動植物への影響が生じると考えられている。
保健・医療・福祉にわたる介護サービスを利用者の選択により、総合的
に利用できるようにし、社会全体で高齢者介護を支える仕組み。
学校運営協議会は、保護者や地域住民の中から委嘱され、校長の求めに
応じ、学校運営について意見を述べることができる。学校運営協議会制
度の導入により、地域に開かれた学校づくりが一層推進され、学校が家
庭や地域と連携した特色ある教育活動が活発になることが期待されて
いる。
環境中に存在する化学物質のうち、生体にホルモン作用をおこしたり、
逆にホルモン作用を阻害する「内分泌かく乱物質」のこと。一般にわか
りやすく紹介するために、「環境中に存在するホルモンのような物質」
という意味合いから環境ホルモンという通称で呼ばれる。
住民、地域、行政が、責任や役割を分担しながら、協力して働くこと。
農山漁村地域において、自然、文化、農林漁業とのふれあいや地元の人々
との交流を楽しむ滞在型の余暇活動のこと。
国境を越えて地球規模でものごとが進む現象。
介護の必要な障がい者、高齢者に適切な介護計画を立て、それに従って
十分なサービスを提供すること。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき算定するもの
で、財政の健全度がどの程度の水準であるかを表す。健全化判断比率の
4指標(「実質赤字比率」
「連結実質赤字比率」
「実質公債費比率」
「将来
負担比率」)のうち一つでも早期健全化基準を超えると、自主的な改善
努力による早期健全化を図らなければならない。また、財政再生基準を
一つでも超えると、国等の関与による確実な再生を進めなければならな
い。
地方債発行規模の妥当性を判断するための指標で、地方債の元利償還金
に対する割合で、一般的に15%を超えると財政の弾力性が阻害されると
いわれている。
保育所及び幼稚園等における小学校就学前の子どもに対する保育及び
教育並びに保護者に対する子育て支援の総合的な提供を行う施設。保育
及び教育を一体的に提供し、地域における子育て支援を実施する機能を
備えるもの。
一定の地域の中で帰属意識を共有する人々の集団。地域社会、協働生活
体。
有機物を微生物によって完全に分解した肥料のこと。有機資材(有機肥
料)と同義で用いられる場合もあるが、有機資材は易分解性有機が未分
解の有機物残渣も含むのに対し、堆肥(コンポスト)は易分解性有機物
を完全に分解したものを指す。
168
CATV
財政力指数
三位一体改革
資金不足比率
資源循環型社会
自主防災組織
自治体クラウド
さ
行
実質収支
実質収支比率
指定管理者
シビックゾーン
住民基本台帳カード
集落営農
省エネルギー
生涯学習
食育
も と も と は 共 同 受 信 ア ン テ ナ ・ テ レ ビ ジ ョ ン ( Community Antenna
Television)の略。テレビの有線放送サービス。山間部や人口密度の低
い地域など、地上波テレビ放送の電波が届きにくい地域でもテレビの視
聴を可能にするという目的で開発された。近年では多チャンネルや電話
サービス、高速なインターネット接続サービスなどを武器に、都市部で
も加入者を増やしている。
財政基盤の強さを示す指標。標準的な行政活動を行う財源をどのくらい
自力で調達できるかを示した指標で、財政力指数が大きいほど財政力が
強いとみられる。通常過去3ヵ年の平均をいう。
地方分権を進めるために、国と地方の税財政を見直す改革で、①国庫補
助金負担金の廃止・縮減②地方交付税の見直し③地方への税源移譲の3
つを一体で行うもの。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき算定するもの
で、公営企業の健全度がどの程度の水準であるかを表す。資金不足比率
が経営健全化基準を超えると、自主的な改善努力により早期健全化を図
らなければならない。
資源を有効に使い、ごみをリサイクルして環境にできるだけ負担をかけ
ない社会。
災害対策基本法第5条2において規定されている、地域住民による任意
の防災組織である。主に町内会・自治会が母体となって地域住民が自主
的に連帯して防災活動を行う任意団体であるが、具体的には町内会・自
治会防犯部といった組織や、地域の婦人防火クラブ、その他防災関連の
NPOなどがその例である。
地方自治体の情報システムをデータセンター(DC)に移し、複数の市
町村がシステムを共同で使うことができる環境。または、その環境をつ
くる取り組みを指す。
歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた、実質的な
収入と支出の差をいう。
実質収支/標準財政規模×100の算式で表す。実質収支は多額であればよ
いというものではなく、その妥当性を判断するために算出される比率
で、3~5%が適当といわれている。
地方公共団体に代わり、公共施設の管理運営業務全般を行う者をいう。
民間の持つ専門性やノウハウを公共施設に活用することで、住民サービ
スの向上、行政コストの縮減を図るために導入された「指定管理者制度」
に基づくもの。
役場や総合保健福祉センター、住民が利用する文化施設等の公共施設が
集積する地区・エリアを指す。
居住する市区町村において、簡単に交付が受けられるセキュリティに優
れたICカードで、行政手続をインターネットで申請などができる電子
政府・電子自治体の基盤ともなるものであり、利便性の向上、行政事務
の効率化に役立つ。
集落内の複数の農家が協定を結び、農地や機械・施設の共同購入・利用
や作業の分担など、共同・組織化した生産活動を行うこと。
同じ社会的・経済的効果をより少ないエネルギーで得られるようにする
ことである。略して省エネといわれることも多い。日本では、オイルシ
ョックのときにエネルギーの安全保障の面から始められた。一般的な省
エネの目的としては費用(コスト)の低減が主であるが、限りあるエネ
ルギーの使用量削減やエネルギー利用に伴う環境負荷削減を通した環
境保護、経営管理や安全保障の観点におけるエネルギーリスクの低減も
挙げられる。
自己の充実、啓発や生活の向上のために生涯を通じて主体的に学習する
こと。
心身の健康の基本となる食生活に関する様々な教育を行うこと。食べる
ものを選ぶ力、食べ方、調理法、味覚形成、食べ物の生育に関する知識
や豊かな食生活の楽しみを覚える等の力をつけることを目指す。
169
新エネルギー
さ
行
新地方公会計制度
スクールガードリーダー
ゾーン
総合型地域スポーツクラブ
DV(ドメスティックバイオレ
ンス)
男女共同参画
地域ケア
地域包括支援センター
た
行
地域防災計画
デマンド交通
統合型GIS
道州制
ニート
な
行
ノーマライゼーション
新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネルギー法)にお
いて「新エネルギー利用等」として定義され、同法に基づき政令で指定
されるもののことを指す。現在、政令により指定されている新エネルギ
ーは、バイオマス、太陽熱利用、雪氷熱利用、地熱発電、風力発電、太
陽光発電などであり、すべて再生可能エネルギーである。
平成18年6月に成立した「行政改革推進法」の中で、地方自治体の資産・
債務改革の一環として、企業会計の慣行を参考とした新たな地方公会計
の整備が規定され、これを受けて、同年8月に、総務省は指針を出し、
民間企業の発生主義・複式簿記の考え方を取り入れた4つの財務書類の
整備を、全国の地方公共団体に求めている。これら一連の流れに基づい
た新たな地方の公会計制度が、「新地方公会計制度」といわれているも
の。
学校安全指導員。児童・生徒を対象にした防犯活動において、スクール
ガード(学校安全ボランティア)を統率し、指導・助言を行う人。
地帯。区域。範囲。
日本における生涯スポーツ社会の実現を掲げて、1995年より文部科学省
が実施するスポーツ振興施策の一つで、幅広い世代の人々が、各自の興
味関心・競技レベルに合わせて、様々なスポーツに触れる機会を提供す
る、地域密着型のスポーツクラブをいう。
配偶者や恋人など親密な関係で、一方が他者を支配するための身体的、
性的、経済的、精神的な暴力や差別。
男女が性別による社会的役割に縛られることなく、対等な構成員として
社会に参加すること。
誰もが住み慣れた地域の中で、いつまでも生活し続けられるよう、保健、
福祉、医療をはじめとする関係機関がネットワークを組んで生活を支え
ること。
介護保険法に定められた、地域住民の保健医療の向上と福祉の増進を総
合的に支援することを目的とし、地域支援事業を一体的に実施する役割
を担う中核的な機関。
災害対策基本法(第40条)に基づき、各地方自治体(都道府県や市町村)
の長が、それぞれの防災会議に諮り、防災のために処理すべき業務など
を具体的に定めた計画である。
利用者が交通業者に電話などで乗車を「要請」することで利用する交通
手段を指す。過疎地に広がっている交通手段で、これまでの路線バスと
もタクシーとも違う輸送手段である。
GISは地理情報システムのことで、コンピュータ上に地図情報や様々
な付加情報を持たせ、作成・保存・利用・管理し、地理情報を参照でき
るように表示・検索機能を持ったシステム。自治体の中で、道路、固定
資産、上下水道、農地など担当別に、地図を整備しては、とても費用が
かさんでしまい、同じ地域の地図を整備するなら、ベースの地形図はみ
んなで共有して同じもの使おうというのが、統合型GIS。
現行の都道府県制度を廃止して、複数の都道府県を統合した面積規模を
持つ広域行政体をつくり、自立のための権限を与える制度。
NEET(Not in Employment,Education or Training)
。無職の若者。
職業にも学業にも職業訓練にも就いていない(就こうとしない)人。
障がい者や高齢者などハンディキャップのある人を特別視することな
く、そうした人々に対して配慮しながら、地域社会の中で共に普通の生
活ができるような社会が当たり前とする考え方。
170
PFI
バリアフリー
ビオトープ
は
行
標準財政規模
ファミリー・
サポート・センター
ブランド
ブロードバンド
ま
行
社会資本整備などの公共サービス供給を民間主導型で行うこと。
高齢者や身体に障がいを持つ人等の日常生活の妨げになる物理的な障
壁、人の自由な行動を妨げる障壁がないこと。また、その障壁を取り除
くこと。
生物空間、生物生息空間のこと。「周辺地域から明確に区分できる性質
を持った生息環境の地理的最小単位」であり、生態系とはこの点で区別
される。
各地方公共団体の財政規模を比較するのに、特定財源を控除し、地方税
や普通交付税など通常経常的に収入であろう一般財源の額での比較が
妥当であり、標準税収入額等+普通交付税額を標準財政規模という。
地域において育児や介護の援助を受けたい人と行いたい人が会員とな
り、育児や介護について助け合う会員組織。現在では育児のサポートの
対象は、子を持つすべての家庭に広がっている。ファミリー・サポート・
センターの設立運営は市区町村が行う。
柄や商標。商品や会社などの名前だけでなく、人が商品やサービスを見
たときに思い浮かべるイメージ全体の意味としても使われる。
インターネットにおける大容量・高速通信サービス。
マスメディア
新聞社・出版社・放送局など特定少数の発信者から、一方的かつ不特定
多数の受け手へ向けての情報伝達手段となる新聞・雑誌・ラジオ放送・
テレビ放送などのメディア(媒体)である。
マザーズサポートグループ
育児不安や育児困難家庭の早期支援策の一つである。母親の①育児不安
の軽減②育児スキルの向上や情報交換③孤立感の解消と仲間づくりを
支援し、虐待の発生を予防するグループミーティングである。
メタボリックシンドローム
U・J・Iターン
や
行
ユニバーサル
デザイン
LAN
ライフスタイル
ライフステージ
ら
行
連結財務書類
6次産業
内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・高脂血症の
うち2つ以上を合併した状態をいう。
UJIターン現象(ユージェイアイターンげんしょう)は、以下の3つ
の人口還流現象の総称。
Uターン現象: 地方から都市へ移住したあと、再び地方へ移住するこ
と。
Jターン現象: 地方から大規模な都市へ移住したあと、地方近くの中規
模な都市へ移住すること。
Iターン現象: 地方から都市へ、または都市から地方へ移住すること。
文化・言語・国籍の違い、性別や年齢、障害・能力の如何に関わらず、
すべての人が安全かつ快適に利用できる製品や建造物、生活空間などの
デザイン。
Local Area Networkの略。一つの施設内など、限られた地域におけるコ
ンピュータのネットワーク。
生活の様式、営み方。また、人生観・価値観・習慣などを含めた個人の
生き方。
人間の一生において、年齢に伴って変化する生活段階のことで、少年期、
青年期、壮年期、老年期などに分けられる。
「新地方公会計制度」に基づき、普通会計に特別会計、一部事務組合、
広域連合、第三セクターを連結した財務書類4表(貸借対照表・行政コ
スト計算書・純資産変動計算書・資金収支計算書)を作成・公表するこ
ととされていて、これらの一連の連結された財務書類をいう。
農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開して
いる経営形態を表す。また、このような経営の多角化を6次産業化と呼
ぶ。
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勝央町振興計画
心豊かに安心して暮らせる自然と文化のまち
“元気な勝央”
発行年月日:平成24年3月
発
行:岡山県勝央町
岡山県勝田郡勝央町勝間田201
TEL:0868-38-3111
FAX:0868-38-3120
策
定:勝央町総務部
印
刷:㈱ジャパンインターナショナル総合研究所 中国支社
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