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輸入真菌症 - 真菌症フォーラム

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輸入真菌症 - 真菌症フォーラム
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説
I
輸入真菌症
フローチャート(
I 48 ∼ 53 頁)
菌症ではその常識は通用しない。いずれも一種の風土
概説
病であるため、流行地域があり、これらの地域への渡
航歴が診断の最初の段階で極めて大切になる(ただし
ヒストプラスマ症は明らかな海外渡航歴のない患者に
ポイント
1)
発症したという国内報告がある )。これらの疾患を
輸入真菌症はしばしば健常者が感染するほどの高い
疑うためには、まず流行地への渡航歴を綿密に聴取し、
感染力を持つ
病像と照らし合わせて本症を疑う。特にコクシジオイ
診断を始めるには流行地への渡航歴を聴取すること
デス症は感染力が非常に強く、数時間の滞在でも感染
が必須である
することがある。
本症を疑ったら病院内の感染事故予防のため、培養
診断には培養あるいは塗抹・病理検査による原因真
検査などを行う前に、必ず検査部と打ち合わせを行
菌の確認が必要であるが輸入真菌症の原因真菌は極め
う
て感染力が強く、バイオセーフティーレベル( BSL )
3 に分類されている。一般の施設で培養すると検査室
定義・概念
内で深刻な感染事故が起こる可能性が高く、非常に危
原則として日本国内に生息しない真菌による感染症
険である。また、第 3 種病原体に分類されている菌種
であり、海外の流行地で感染するなどして日本で発病
が多く、発育してからの輸送は実際には極めて困難と
がみられたものを輸入真菌症という。コクシジオイデ
なる。よって疑いのある症例では、必ず主治医があら
ス症、ヒストプラスマ症、パラコクシジオイデス症、
かじめ、検査施行前に本菌の可能性があることを検査
マルネッフェイ型ペニシリウム症、ブラストミセス症
部と打ち合わせを行い、専門の施設(千葉大学真菌医
がこれに該当する。ガッティ型クリプトコックス症を
学研究センター臨床感染症分野もしくは国立感染症研
含める場合もある。日本の真菌症に比べて感染力が強
究所真菌部)に問い合わせをするなどして検体の培
く、健常者でも感染し、容易に全身感染を起こすのが
養・処理法を検討しておく必要がある。上記専門施設
特徴である(マルネッフェイ型ペニシリウム症を除
では各種抗体測定なども可能である。
く)。重篤化しやすいこと、検査時の感染事故の可能
以下、各疾患について概説する。
性が高いこと、近年増加しつつあることなどから、海
外渡航歴のある患者では本疾患も鑑別すべきである。
ヒストプラスマ症
またコクシジオイデス症は感染症法により第四類に指
定されており、届出が必要である。
原因真菌はいずれも二形性真菌であり、現在地球上
で知られているなかで最も危険な真菌とされている
または
はじめに
ヒストプラスマ症は、二形性真菌である
属菌による感染症である。3 種類の原因
(コクシジ
オイデス症原因真菌)をはじめとして高い病原性を持
真菌があり、それぞれ
、
つ。わが国ではクリプトコックス症以外の深在性真菌
症は基本的に日和見感染症であるが、これらの輸入真
222
var.
var.
var.
、
があるが、ヒト型は前二者
3
第
である。それぞれ、土壌中に生息し、汚染された地域
の土木建築工事やコウモリの生息する洞窟探検などに
1)急性肺ヒストプラスマ症
吸入後 1∼4 週間の潜伏後に、感冒様症状(発熱、
よる集団発生がしばしば報告されている。流行地は、
倦怠感、頭痛、胸痛、乾性咳嗽など)で発症する。症
菌種によって異なる。
状は、免疫が正常で、曝露量が少ない場合には、一過
var.
によるカプスラーツム型ヒストプラスマ症は、広範囲
性で、大部分は 1 か月以内で自然治癒する。健常者で
に断続的に広がっており、米国中央部のミシシッピ渓
も、大量の曝露を受けた場合には、重篤化し、致命的
谷からオハイオ渓谷が中心であるが、中南米、東南ア
となることがある。身体所見として、通常は発熱以外
ジア、オーストラリア、ヨーロッパなどでも散発的に
に特徴的なものはないが、ラ音や胸膜摩擦音、結節性
みられる。一方、
紅斑や多発性滲出性紅斑を伴うことがある。
var.
による
ズボアジィ型ヒストプラスマ症は、中部および南部ア
胸部画像所見としては、結節影、びまん性陰影、肺
フリカ(特にウガンダ、ケニア、ガボン、コンゴ)な
門リンパ節腫大、胸水貯留などがあるが、特徴的な所
どの特定地域でみられる。また、明らかな渡航歴を認
見がないことも多い。また、治癒したのちも結節影や
めない症例もあり、国内での感染も疑われている。日
石灰化が残る。
本での症例は、現在までに 71 例の報告があり、近年
確定診断には培養検査または病理組織学的診断を行
の報告では、コクシジオイデス症を抜いて最多となっ
う。主な検体としては、喀痰、気管支内採痰、BAL、
ている。
肺生検( TBLB、VATS、CT ガイド下肺生検など)
である。培養に際しては、他の輸入真菌症病原体同様
診断と治療
に注意が必要であり、無理に自施設で行わず、専門の
病型としては、大きく三つ、急性肺ヒストプラスマ
施設(千葉大学真菌医学研究センター臨床感染症分野
症、慢性肺ヒストプラスマ症、播種性ヒストプラスマ
もしくは国立感染症研究所真菌部など)に依頼する。
2)
症に分類される 。
抗原検査はほとんど行われていない。抗体検査は補
リスクファクターとして、慢性型では COPD が、
体結合反応( CF )法と抗体拡散( ID )法があり、前
播種性型では、新生児、AIDS、血液悪性疾患、臓器
者は他の輸入真菌症と交差反応を示すが、後者は特異
移植、血液幹細胞移植、免疫抑制薬使用(コルチコス
性が高い。急性型においては、感染後 4∼6 週間で抗
テロイド、TNF 抑制薬)、先天性 T 細胞欠損(ガン
体価が上昇し、数か月以上持続することが知られてい
マインターフェロン受容体欠損症、高 IgM 症候群、
る。
3)
その他)などが知られている 。
〈第一選択薬〉
他の輸入真菌症と同様に、特徴的な症状や所見はな
軽症∼中等症で限局している場合
いため、流行地域への渡航歴とともに、洞窟探検など
ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴静注( loading
の特殊な情報が有力な手掛かりになる。ただし、前述
dose:1 日 3 回点滴静注を 3 日間)、ITCZ 内用
のごとく、明らかな渡航歴を認めない症例もあり、国
液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 2 回経口投
内での感染も疑われている症例があることに注意が必
[BⅢ]
与、6∼12 週
1)
要である 。
重症、びまん性の場合
4、
5)
L-AMB 3∼5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注( 1∼
有効性の報告があるが、ITCZ に劣ることが示されて
2 週間)に続き、ITCZ 200 mg/回 1 日 2 回点滴
いる。やむを得ず FLCZ を使用する場合は、十分量
静注( loading dose:1 日 3 回点滴静注を 3 日間)
、
( 400∼800 mg/日)を用い、注意深く経過を観察する。
で活性があり、有効性が期待される
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 2
[AⅢ]
回経口投与、12 週
が、症例数が少なくエビデンスは不十分である。した
重篤な呼吸不全がある場合には、メチルプレドニ
がって、ITCZ や L-AMB が使用できない場合の第二
ゾロン 0.5∼1 mg/kg/日 1 日 1 回点滴静注の併
選択として考慮してもよいと考えられる。
[BⅢ]
用も考慮
223
I
輸入真菌症
。FLCZ も
治療は、ITCZ と L-AMB を用いる
VRCZ も
章
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説
2)慢性肺ヒストプラスマ症
空洞を形成し、肺炎症状、喀血、呼吸不全などを呈
る急性型と比較すると抗体陽性率は低い(偽陰性が多
い)
。
し、胸部画像所見としては、結核をはじめとした抗酸
〈第一選択薬〉
菌症や他の真菌症、サルコイドーシスと類似した所見
軽症∼中等症
を示す。
確定診断法は、急性型と同様であるが、抗体検査の
陽性率は約 80 %と比較的高い。
〈第一選択薬〉
ITCZ 200 mg/回 1日1 回点滴静注(loading dose:
ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴静注( loading
dose:1 日 3 回点滴静注を 3 日間)、ITCZ 内用
液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1∼2 回経口
[AⅡ]
投与を、少なくとも 12 か月
重症
1 日 3 回点滴静注を 3 日間)、ITCZ 内用液また
L-AMB 3 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注( 1∼2 週
はカプセル剤 200 mg/回 1 日 1∼2 回経口投与を
間)に続き、ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴静注
[AⅡ]
少なくとも 12 か月、できれば 18∼24 か月
( loading dose:1 日 3 回点滴静注を 3 日間)、
〈第二選択薬〉
呼吸不全や重症例、ITCZ を 12 週間投与しても無効で
ある場合
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1
[AⅠ]
∼2 回経口投与を 12 か月
中枢神経病変を伴う場合
L-AMB 3∼5 mg/kg/日 1 日 1 回点滴静注( 1∼
L-AMB 5 mg/kg/回を 1 日 1 回点滴静注(総量
2 週間)に続き、ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴
175 mg/kg を目処に、4∼6 週間以上)に続き、
静注( loading dose:1 日 3 回点滴静注を 3 日間)
、
ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴静注( loading
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1
dose:1 日 3 回点滴静注を 3 日間)、ITCZ 内用
[AⅢ]
∼2 回経口投与、12 週
液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1∼2 回経口
3)播種性ヒストプラスマ症
AIDS などの細胞性免疫不全のように、宿主防御能
が極度に低下した患者では、酵母形がマクロファージ
内で増殖し続けるために、播種性へと進展する。急性
の経過、慢性の経過を示す場合がある。HIV 合併の
投与を 12 か月以上、髄液の抗原値など、髄液の
[BⅢ]
異常が改善されるまで継続
その他
免疫不全状態が改善できない場合や適切な治療後も
再発を繰り返す場合
ヒストプラスマ症における AMPH-B と L-AMB の
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1
RCT の結果から、治療には L-AMB が推奨される。
[BⅢ]
回生涯にわたり継続
急性に経過する場合には、高熱、悪寒、全身衰弱、
粘膜潰瘍などを伴い、肝脾腫、貧血などが認められる。
コクシジオイデス症
慢性の場合には、口腔内を中心とした粘膜潰瘍、肝機
能障害(肝脾腫)
、副腎機能障害、心内膜炎などを伴う。
重症例では、ショック、呼吸不全、肝不全、腎不全、
血液凝固異常などが認められることがある。中枢神経
はじめに
コクシジオイデス症は二形性真菌である
または
系の病変は 5∼20 %にみられ、髄膜炎、限局性の脳
の胞子の経
病変、脳血管障害、脳炎などを呈するが、脊髄病変は
気道的な吸入によって起こる感染症である。本症の流
稀である。胸部画像所見として、粒状網状影、粟粒状
行地は米国アリゾナ州、カリフォルニア州中南部、ニ
陰影などがある。腹部 CT では、肝脾腫、リンパ節腫
ューメキシコ州南部、テキサス州西部などの米国南西
大や副腎腫大を認めることがある。
部から隣接するメキシコや、ブラジル、アルゼンチン、
確定診断法は、急性型と同様であるが、検体として
ベネズエラ、コロンビアなどの中南米諸国である。原
は、血液、骨髄、肝臓、皮膚を含む感染部位が考えう
因真菌の好む生育環境は、年間降雨量が 500 mm 以
る。ただし、培養の陽性率は低く( 10∼15 %)
、特に
下の半乾燥地帯でアルカリ性の土壌を有する地域であ
髄液の培養は通常陰性である。また、健常者に発症す
る 。これらの流行地で旅行者や滞在者が感染し帰国
224
6)
3
第
後診断される例が最も多い。本菌は自然環境下や通常
胸水、肺門リンパ節腫脹を認めることが多い。ときに
の培養条件下では菌糸形をとり、発育すると感染形態
著明な低酸素をきたす場合や進行が急速な重症例がみ
である胞子(分節型分生子)を形成する。一方、感染
られる。
病巣内では分生子は成長し球状体と呼ばれる独特の形
流行地域における市中肺炎の原因の一つであり、血
態となる。本菌はヒトへの感染力が極めて強く、短期
清コクシジオイデス抗体陽性が診断根拠となる。ID
間(あるいは短時間)の滞在であっても感染が成立し
法では感染後 3 週間で 90 %の患者が陽性となる 。
た事例も報告されている。また、過去に感染し潜在性
CF 法は感染早期には陽性となりにくい。海外のガイ
となっている患者が何らかの理由で免疫低下状態とな
ドライン では播種性病変を認めず合併症が存在しな
り内因性に再発するという例も知られている。なお、
い症例では無治療で経過をみるように記載されている
本症は真菌症としては唯一わが国の感染症法対象疾患
が、前述のとおり有色人種は重症化のリスクファクタ
に指定されており(四類感染症)、診断後直ちに届出
ーであるため、わが国では原則として確定診断例では
が義務付けられている。
全例治療を行うことが望ましい 。
章
2)
7)
8)
治療・処方例
Ⅰ 診断と治療
① 軽症∼中等症
病型としては急性肺コクシジオイデス症、慢性肺コ
クシジオイデス症、播種性コクシジオイデス症に大別
2)
される 。
#
FLCZ 400 mg/回 1 日 1 回経口または静脈内投与 、
[AⅢ]
3∼6 か月
ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴静注( loading
本症の重症化のリスクファクターとして AIDS、血
dose:1 日 2 回点滴静注を 2 日間)、ITCZ 内用
液悪性疾患、高用量のステロイド、TNF-α阻害薬な
液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 2 回経口投
ど種々の免疫抑制薬の使用があげられる。そのほか妊
[BⅢ]
与、3∼6 か月
6)
婦、有色人種であることなども知られている 。症状
② 重症、びまん性の場合
は非特異的であり他の疾患との鑑別は困難であるため、
L-AMB 2∼6 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注、も
渡航歴・滞在歴も含めた詳細な病歴聴取が診断への有
しくは FLCZ 400∼500 mg/回 1 日 2 回静脈内投
力な手がかりとなる。
与 数週間、改善がみられれば FLCZ 400 mg/回 #
診断は血清抗体・抗原価測定が有用である。ID 法
1 日 1 回経口投与、もしくは ITCZ 内用液または
と CF 法とがあり、ID 法は特異度が高く、感染後 3
カプセル剤 200 mg/回 1 日 2 回経口投与、12 か
2)
週間で 90 %の患者が陽性となる 。CF 法は感染早期
には陽性となりにくいが感度は比較的高く、抗体価は
ある程度病勢を反映する。しかし免疫低下宿主では偽
陰性となることに注意する。一方で免疫低下宿主など
での播種性コクシジオイデス症では抗原陽性率が高い。
[AⅢ]
月以上
#FLCZ は 1 分間に 10 mL を超えない速度で投与
する
2.慢性肺コクシジオイデス症
急性感染例の 5∼10 %は症状収束後に肺に結節影
や空洞影、間質影などを残す。輸入真菌症として診断
様々な成長段階の球状体を検出することが診断の根拠
される日本人例の多くはこの病型であり、
「自覚症状
となる。極めて危険度の高い菌であり、一般医療機関
がなく帰国後検診で肺に陰影を指摘された」という発
での培養検査は行うべきではない。治療は FLCZ、
見パターンが典型的である。抗体検査は極めて有用で
ITCZ、AMPH-B を用いる。
ある。肺病変は胸膜直下に存在することが多く、気胸
1.急性肺コクシジオイデス症
や膿胸を呈することもある。血痰や喀血を伴うことも
1∼3 週間の潜伏期間の後、全身倦怠感、発熱、頭痛、
あるが無症状であることも多い。前述したとおり、米
乾性咳嗽、息切れ、胸痛などの非特異的な症状が出現、
国のガイドラインでは無症状の場合治療は積極的に推
稀に紅斑状もしくは斑状丘疹状の皮疹を伴うことがあ
奨されていないが、わが国では原則として治療を行う。
る。症状は自然軽快することがほとんどだが 2 か月程
特に間質性病変、空洞性病変を伴う症例(慢性線維化
度持続することもある。胸部 X 線写真では浸潤影や
空洞性肺コクシジオイデス症)は慢性活動性進行性の
225
I
輸入真菌症
そのほか肺病変などの病理組織学的診断にて特徴的な
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説
病型であるため必ず全例治療を行う。
する場合
[BⅢ]
L-AMB 2∼6 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注
治療・処方例
[BⅢ]
。
外科的切除が可能な場合は積極的に検討する
#
2)髄膜炎合併例
FLCZ 400 mg/回 1 日 1 回経口または静脈内投与 、
[AⅡ]
または
FLCZ 400 mg/回 1 日 1 回経口投与
3∼6 か月投与
[BⅢ]
400∼500 mg/回 1 日 2 回経口投与
[BⅢ]
もしくは
ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴静注( loading
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 2
dose:1 日 2 回点滴静注を 2 日間)、ITCZ 内用
[BⅡ]
∼4 回経口投与
液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 2 回経口投
沈静化後も生涯の服用が必要である。
与、6∼12 か月
[BⅢ]
以上で改善しないとき
以上で改善がみられないとき
L-AMB 2∼5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注、改
AMPH-B 0.1∼1.5 mg 髄腔内投与の追加を考慮
[BⅢ]
する
善後はアゾール系経口薬へ変更、12 か月以上投
[BⅢ]
与
パラコクシジオイデス症
#FLCZ は 1 分間に 10 mL を超えない速度で投与
する
3.播種性コクシジオイデス症
健常者でも起こりうるが、AIDS 患者や免疫抑制薬
はじめに
パラコクシジオイデス症は二形性真菌
による感染症である。
の投与を受けている患者(臓器移植患者など)、糖尿
病患者、血液悪性疾患患者、妊婦や有色人種などは播
本症の流行地はブラジル、メキシコ、ベネズエラ、コ
種性コクシジオイデス症のリスクファクターである。
ロンビア、ボリビア、アルゼンチンなど中南米各地に
感染後数か月から 1 年程度で起こることが多いが、と
及ぶが、特にブラジルに多い。本症は流行地での長期
きに数年経過してから発症することもある。髄膜、皮
居住歴のある患者に発症することがほとんどで、しか
膚、軟部組織、骨、関節などに発症する。初期の感染
も 30 歳以上の男性が 90 %以上を占める。感染初期
が沈静化したのちに期間を置いて播種性病変で突然再
は無症状であり、潜伏期は 4 か月であったという症例
発することもあるため注意を要する。髄膜炎はもっと
報告もあるが一般には極めて長く、平均 14 年程度、
も重症であり、播種性コクシジオイデス症の 30∼50
最長 60 年と極めて長い 。進行は緩徐であり、肺病
%の患者に合併する。頭痛の持続や嗜眠、錯乱などの
変のほか顔面、口腔粘膜病変、表在リンパ節腫脹など
精神状態の変化が初期症状となりうる。致死率は極め
を呈する
て高く、1 年以内に 90 %は死亡するとされ、水頭症
人を中心に増加したが、現在は症例数が減少している。
をしばしば合併する。骨関節病変は持続する鈍痛を呈
健常者の感染例が多く、多くは 30∼50 歳、男性が 90
し、骨では椎体、肋骨、頭蓋骨、長管骨末端など、関
%以上を占め、そのほとんどが現地では農業従事者
節では肘や膝などが好発部位である。
治療・処方例
1)皮膚軟部組織・骨関節病変などにとどまる場合
10 )
。わが国では 1985 年頃から来日ブラジル
(わが国での職業は工場勤務の工員が多い)である。
診断と治療
FLCZ 400 mg/回 1 日 1 回経口投与、もしくは
主な病型は慢性肺パラコクシジオイデス症、皮膚粘
ITCZ 200 mg/回 1 日 1 回点滴静注( loading
膜パラコクシジオイデス症に大別されるが、全身の臓
dose:1 日 3 回点滴静注を 3 日間)、ITCZ 内用
器に病変を認める全身播種型の症例もみられる 。ア
液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 2 回経口投
ルコール多飲、喫煙、低栄養は本症のリスクファクタ
[AⅡ]
。状況に応じて高用量( FLCZ
与、12 か月
ーである 。感染者の 8 割が肺病変を合併する
800∼2,000 mg/日、ITCZ 600∼800 mg/日)も考
前述のとおり潜伏期が極めて長いため、流行地の滞在
慮する
[BⅢ]
歴を十分に遡って聴取する必要がある。
以上で改善がみられない場合や脊椎病変などが存在
226
9)
2)
9)
2、
9)
。
診断は病変部位(肺、粘膜、リンパ節)の病理組織
3
第
学的診断による特徴的な菌体(多極性出芽を伴う舵輪
もある。
状の酵母)の検出が最も信頼性が高い。原因真菌は極
治療・処方例
めて発育が遅く診断における意義は低い。また危険度
〈第一選択薬〉
の高い菌であることからも一般医療機関での培養検査
ITCZ 内用液またはカプセル剤 100 mg/回 1 日 1
は原則として推奨されない。血清診断は ID 法や CF
回経口投与 6∼12 か月
[AⅢ]
法がよく用いられる(千葉大学真菌医学研究センター
章
〈第二選択薬〉
臨床感染症分野もしくは国立感染症研究所真菌部で測
FLCZ 200∼600 mg/回 1 日 1 回経口投与 1∼2
定可能)。いずれも病勢をある程度反映し感度は良好
[AⅢ]
年
であるが、特異度はやや低くヒストプラスマ症でも陽
AMPH-B 1 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注 4∼8 週
性となりうる。近年 ELISA 法が開発され、CF 法と
間、その後 ITCZ 内用液またはカプセル剤、もし
比較して感度特異度ともに良好であると報告されてい
[BⅢ]
くは FLCZ 経口投与 1∼2 年
る。
11 )
治療は全例に必須である
。第一選択は経口の
マルネッフェイ型ペニシリウム症
ITCZ である。FLCZ は治療期間が長くなったり、再
発率が高くなるとされる。アゾール系薬無効例や重症
例では AMPH-B を用いる。スルファジアジンは古く
から用いられているが再発率が高い傾向にある。
1.慢性肺パラコクシジオイデス症
臨床症状は極めて非特異的で、慢性呼吸器症状(咳
はじめに
マルネッフェイ型ペニシリウム症は、二形性真菌で
ある
が原因となって起こる全
身性感染症である。大部分のペニシリウム属菌は、環
嗽、喀痰∼血痰、労作時息切れ)、発熱、盗汗、体重
境中に多く存在しており、ほとんどは病原性がない。
減少などの消耗症状を認める。胸部画像では両側びま
例外的に
ん性の間質影もしくは浸潤影が認められる。気管支拡
するが、輸入真菌症のなかでは健常者に対して感染力
張所見、空洞影、結節影や縦隔肺門リンパ節の腫脹を
は高くなく、通常は AIDS などの重篤な細胞性免疫
みることもある。症状は進行性で最終的には呼吸不全
低下宿主に多い
に至る。
投与などもリスクファクターとなる。流行地域は、ベ
治療・処方例
トナム北部山岳地帯、中国・ベトナム国境地帯、タイ
〈第一選択薬〉
などであるが、マレーシア、インド東部、オセアニア
ITCZ 内用液またはカプセル剤 100 mg/回 1 日 1
[AⅢ]
回経口投与 6∼12 か月以上
〈第二選択薬〉
FLCZ 200∼600 mg/回 1 日 1 回経口投与 1∼2
はヒトに比較的高い病原性を有
2、
12 )
。HSCT、臓器移植、ステロイド
でも報告がみられる。
診断と治療
経気道感染によって発症すると推測されているが、
呼吸器症状は顕著で無く、胸部 X 線、CT でも肺病変
L-AMB 2∼5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注 4∼8
が確認されないことが多い。全身播種を起こすと、播
週間、その後 ITCZ 内用液またはカプセル剤、も
種性ヒストプラスマ症と類似した病像を示す。主な症
[BⅢ]
しくは FLCZ 経口投与 1∼2 年
状は、発熱、貧血、体重減少、皮疹、リンパ節腫大、
2.皮膚粘膜パラコクシジオイデス症
2)
肝脾腫大である 。HIV 陽性患者では、皮疹が最も多
上気道粘膜(鼻、口腔、咽喉頭)の有痛性潰瘍性病
くみられ、中心に壊死を伴った丘疹が多い。また、皮
変がもっとも多い。口腔粘膜病変は歯肉炎が初発で数
疹の部位は、顔や首に多く、上肢、体幹、下肢の順に
週間∼数か月の経過で口唇や舌、口蓋、咽喉頭などに
多い。口蓋にみられることもある。Hb 10 g/dL 以下
潰瘍性病変が広がっていくことが多い。口蓋や鼻中隔
の貧血も多くの患者で認められる。骨・骨髄病変や、
に穿孔を起こすこともある。嚥下障害を伴い、低栄養
関節炎も認められることがある
状態となりやすい。頸部リンパ節腫脹などを伴うこと
の類似病変は、他の輸入感染症でもみられることがあ
13 )
。しかし、これら
227
I
輸入真菌症
[AⅢ]
年
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説
り、これらの所見のみでは鑑別は困難である。
軽症の場合
確定診断には培養検査または病理組織学的診断を行
う。主な検体は、血液、BAL、皮膚病巣(中心の壊死
部)、骨髄吸引物、末梢リンパ節などである。特徴的
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 2
回経口投与、10 週間
[BⅢ]
〈第二選択薬〉
な分裂像( fission )を伴う酵母が貪食細胞内にみられ
VRCZ 4 mg/kg/回( loding dose:初日のみ
れば診断に役立つが、単なる細胞内酵母様真菌として、
6 mg/kg/回)1 日 2 回点滴静注、最低 3 日間。そ
ヒストプラスマ症などとの鑑別は困難であることが多
の後、200 mg/回 1 日 2 回経口投与に変更 12 週。
2)
い 。培養に際しては、他の輸入真菌症病原体同様に
あるいは、200 mg/回( loading dose:初回のみ
注意が必要である。比較的病原性は低いが、現在日本
300 mg/回)1 日 2 回経口投与 12 週間
[C1Ⅲ]
では BSL3 に属する真菌であること、他の輸入真菌症
再発予防
との鑑別も困難である場合も多いことから、無理に自
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1
施設で行わず、専門の施設(千葉大学真菌医学研究セ
[AⅡ]
回経口投与
ンター臨床感染症分野もしくは国立感染症研究所真菌
部など)に依頼することを推奨する。現在のところ、
ブラストミセス症
利用可能な血清診断法はない。
致死率は非常に高く、早期診断と早期の適切な治療
が重要である。また、抗真菌薬が奏効しても、治療終
了後、6 か月以内に再発する症例が少なくないため、
はじめに
ブラストミセス症は二形性真菌である
再発を予防するための予防的抗真菌薬投与も考慮す
12 )
る
。治療薬に関するエビデンスは少ないが、
による感染症である。流行地は北米ミネ
ソタ州からミシシッピ州にかけての河川流域、および
AMPH-B( 0.6∼1 mg/kg/日)を 2 週間継続したのち、
五大湖周辺であり、本菌はこれらの湖沼・河川周辺の
ITCZ に変更することが、従来第一選択とされてきた
湿潤した植物などが堆積した森林地域の酸性土壌に生
14 )
[AⅡ] 。L-AMB 関する直接のエビデンスはないが、
2、
15、
16 )
息している
。そのほかヨーロッパ、南アジア、
本ガイドラインでは、他の真菌症の治療と同様に、
南米、アフリカにおける散発的な発生が報告されてい
AMPH-B の代わりに L-AMB を第一選択とした。ま
る。わが国での症例は現時点では報告されていない。
た、軽症の場合は、ITCZ を初期治療に用いてもよい
患者は農業や建設業者などに多く、男性に多い。流行
[BⅢ]
。FLCZ は有効性が若干落ちることが知られて
地でのキャンプ、釣り、ハンティングなどのレクリエ
おり、第一選択に含めなかったが、ITCZ が使用でき
ーションなどもリスクファクターとして知られてい
ない場合には選択の対象となる。VRCZ も
で
る 。本症は健常者も罹患するが、AIDS 患者、骨髄・
有効であり臨床効果が期待されるが、症例が少なく十
臓器移植患者、血液悪性疾患患者、免疫抑制薬使用患
15 )
分なデータが集まっていない
。ITCZ や L-AMB
16)
15 )
者などでは重症化しやすく致死率も高い
。その他、
が使用できない場合の第二選択薬になりうると考えら
高齢者、COPD 患者、担癌患者、アフリカ系人種で
れるが、エビデンスは無い。
の致死率が高いことが知られている
では、MCZ、
17 )
。なお、過去
に本菌に感染し潜在化していたものが上記のような免
KCZ、5-FC にも感受性がある。
また、特に AIDS 患者では、治療終了後も放置す
ると約 50 %が 6 か月以内に再発するので、ITCZ
疫低下状態に陥ったときに内因性に再発してくる可能
性があり、注意が必要である。
16 )
[AⅡ] 。
200 mg/日の予防投与が勧められる
〈第一選択薬〉
診断と治療
L-AMB 3∼5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注( 2 週
呼吸により経気道的に感染し肺病変を起こすが、外
間)に続き、ITCZ 内用液またはカプセル剤 200
傷による皮膚ブラストミセス症も報告されている。約
[AⅢ]
mg/回 1 日 2 回経口投与、10 週間
半数は無症状である。病型は、通常の肺炎のみで終息
する急性肺ブラストミセス症、慢性化して肺線維症を
228
3
第
起こす慢性肺ブラストミセス症、全身播種に進展する
16 )
播種性ブラストミセス症などがある
。急性肺ブラ
2.慢性肺ブラストミセス症
症状は結核に類似しており慢性咳嗽、喀痰、胸痛、
ストミセス症の症状は非特異的であり、通常の肺炎と
血痰、全身倦怠感、体重減少などが出現する。画像で
の鑑別は困難である。免疫低下宿主では重篤化し呼吸
は網状粒状影、結節影、少量の胸水貯留などを認める。
不全にいたることもある。一部の症例で急性感染が遷
空洞影を呈することもあるが頻度は結核に比べて低い。
延化し慢性肺ブラストミセス症に進展する。播種性ブ
治療・処方例
ラストミセス症では皮膚、骨あるいは骨髄、泌尿生殖
① 軽症∼中等症例
器病変の頻度が高い。
診断は病変部検体の塗抹標本あるいは生検組織から
病理学的に特徴的な菌体(厚い細胞壁を有し、付着面
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1
∼2 回経口投与、6∼12 か月以上
[AⅡ]
② 重症例
の広い出芽をする酵母)を認めることによる。一般医
L-AMB 3∼5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注 1∼2
療施設での培養検査は原則として行わない。血清検査
[AⅢ]
、その
週間もしくは改善が認められるまで
は ID 法、CF 法、ELISA 法があるが感度、特異度と
後 ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1
もに不十分である。ID 法は陽性のときの診断価値は
[BⅢ]
日 1∼2 回経口投与、6∼12 か月以上
高いが播種性での偽陰性が知られている。CF 法はヒ
3.播種性ブラストミセス症
ストプラスマ症、コクシジオイデス症でも陽性となる。
全身播種となった場合、頻度の高い病変部位として
治療は L-AMB もしくは ITCZ が多く用いられて
は皮膚( 40∼80 %)、骨あるいは骨髄( 25∼30 %)、
15 )
いる
。FLCZ はやや抗菌力は劣るが髄液移行が良
関節( 10 %)
、前立腺や精巣・精巣上体などの男性泌
好であるため中枢神経系への播種を合併している場合
尿生殖器( 10∼30 %)
、中枢神経系( 5∼10 %)など
は選択肢の一つとなりうる。VRCZ は効果が期待さ
が代表的である。AIDS 患者に合併するブラストミセ
れているが報告されている臨床データはいまだ不十分
ス症では中枢神経系への播種の頻度が 40 %程度と高
である。
く、逆に皮膚病変の頻度は低い。皮膚病変は顔面や頭
1.急性肺ブラストミセス症
部に多く、しばしば皮膚癌との鑑別を要する。鼻腔、
感染後 4∼6 週間の潜伏期の後に症状が出現するが
口腔や咽頭粘膜に潰瘍病変をきたすこともある。骨あ
約半数は無症状のまま自然軽快する。湿性咳嗽、喀痰、
るいは骨髄病変は椎体(下部胸椎∼腰椎)、骨盤、頭
息切れ、発熱など非特異的な症状を呈し、画像では大
蓋骨、肋骨、長管骨に多いが関節への進展や周囲軟部
葉性もしくは区域性の浸潤影を認める。胸水貯留や肺
組織の膿瘍をきたさない限り無症状であることが多い。
門縦隔リンパ節腫脹は稀である。一部の患者(特に免
関節病変は肘、膝、足関節に多く腫脹、疼痛をきたす。
疫低下宿主)では重症化し呼吸不全をきたしたり
前立腺病変では圧痛、肥大、精巣上体病変では陰嚢の
ARDS を呈したりすることがある。症状出現例では
腫大、疼痛が出現する。中枢神経病変では頭痛、錯乱
自然治癒することは少ないため、全例で治療が必要で
などの神経症状が出現する。
ある。一部の症例で慢性型あるいは播種型に進展する。
治療・処方例
治療・処方例
1)中枢神経症状を伴わない場合
① 軽症∼中等症例
① 軽症∼中等症例
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1
[AⅡ]
∼2 回経口投与、6∼12 か月以上
[AⅡ]
∼2 回経口投与、6∼12 か月以上
② 重症例
L-AMB 3∼5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注 1∼2
L-AMB 3∼5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注 1∼2
[AⅢ]
、その
週間もしくは改善が認められるまで
[AⅢ]
、その
週間もしくは改善が認められるまで
後 ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1
後 ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1
[BⅢ]
日 1∼2 回経口投与、6∼12 か月以上
[BⅢ]
日 1∼2 回経口投与、6∼12 か月以上
229
輸入真菌症
I
ITCZ 内用液またはカプセル剤 200 mg/回 1 日 1
② 重症例
章
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説
2)中枢神経病変を伴う場合
L-AMB 5 mg/kg/回 1 日 1 回点滴静注 4∼6 週間、
その後経口アゾール系薬( FLCZ 600∼800 mg/
回 1 日 1 回、ITCZ 内用液またはカプセル剤 200
mg/回 1 日 2∼3 回、VRCZ 200∼400 mg/回、1
[BⅢ]
日 2 回)経口投与 12 か月以上
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