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【298】Aspergillus nigerのアゾール系抗真菌薬剤耐性化の検討 大阪府

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【298】Aspergillus nigerのアゾール系抗真菌薬剤耐性化の検討 大阪府
298
Aspergillus niger のアゾール系抗真菌薬剤耐性化の検討
◎佐子 肇 1)、吉川 裕之 1)、吉田 静華 1)、斎藤 晴子 1)
独立行政法人 国立病院機構 刀根山病院 1)
【目的】近年、アゾール系抗真菌薬剤に耐性を示す A.
その他の薬剤は 48 時間後に最終判定とした。
fumigatus が報告されている。当院でも、慢性肺アスペルギ
【結果】A. niger 50 株の MIC はアンホテリシン B(AMPH-
ルス症の患者が長期間イトラコナゾール(ITCZ)の治療継
B)1μg/mL 以下、ITCZ 1μg/mL 以下、VRCZ 0.5μg/mL 以
続中に、ITCZ およびボリコナゾール(VRCZ)に対し耐性
下および MCFG 0.125μg/mL 以下の感受性域を示し、フル
化した A. fumigatus の症例を確認した。一方、A. niger につ
コナゾール(FLCZ)は Aspergillus 属に活性を有しないため
いて薬剤耐性化の報告は少ない。今回我々は酵母真菌薬剤
16μg/mL 以上の耐性域を示した。今回、FLCZ 以外のアゾ
ール系薬に耐性を示す A. niger は認めなかったが、ITCZ に
感受性キット ASTY(極東)を用いた微量液体希釈法で A.
niger の最小発育阻止濃(MIC)を測定し、薬剤耐性化につい
て報告する。
MIC 1μg/mL の上昇(30 株、58.8%)を認めた。【考察】
A. niger は病院内環境からしばしば検出され日和見感染菌
【対象】2012 年~2014 年の 3 年間に各種呼吸器疾患から分
として重要である。治療に ITCZ が有効であった A. niger 感
離した A. niger 51 株を検討に用いた。
染症も散見されるが、アスペルギルス属の中でも A.
【抗真菌薬剤感受性試験】菌液調整は① 試験管に菌液調整
niger は同剤に対する感受性が A. fumigatus に比較して低い
用 A 液 1mL を加え、湿らせた滅菌綿棒で PDA から集落表
とされている。A. niger による肺アスペルギルス症の治療に
面の胞子部分を拭い取り、十分懸濁した。② A 液で
おいて、ITCZ 長期投与例では二次耐性(獲得耐性)の動向
McFarland 1 に調整した後、中間層菌液 200μL を A 液
を監視するために定期的な MIC 測定が必要であると思われ
2mL に加え十分懸濁した。感受性測定は添付文書に従い実
る。
施した。ミカファンギン(MCFG)は接種菌量および培養時間
により MIC に影響がでることから 24~30 時間後に判定し、
☎06-6857-4488(内線:2265)
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