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添削問題解答解説 世界の諸地域:アジア州 1
添削問題解答解説 世界の諸地域:アジア州 1 CJ01LA-H1C2-01 (配点 50) 次の各問に答えなさい。 A 次の地図を見て,下の問に答えなさい。 あ か い え お う x y ⑴ 次の①・②の説明にあてはまる国または地域を,地図中のあ~かの中から 1 つずつ 選び,記号で答えなさい。 (8点) ① 日本よりも人口密度の高い国であり,1991年に国際連合に加盟した。 ② 16世紀以降,スペイン,次いでアメリカ合衆国の植民地支配を受けた国であり, キリスト教徒が人口の大部分を占める。 ⑵ 地図中の x ・ y の国について述べた次の文 a ・ b の正誤の組み合わせとして正しい ものを,下のア~エの中から 1 つ選び,記号で答えなさい。 (6点) a x は,かつては天然ゴムやすずの生産に依存するモノカルチャー経済の国であっ たが,現在ではICの主要生産国となっている。 b 海上交通の要地に位置する y は,資源は少ないものの,20世紀後半に積極的な工 業化政策を進めて,アジアNIESの一員となった。 ア a -正 b -正 イ a -正 b -誤 ウ a -誤 b -正 エ a -誤 b -誤 CJ01LA-H1C2-02 B 次の各問に答えなさい。 ⑶ 中国の東北部や内陸部で重工業が発達した理由を,簡単に説明しなさい。 (8点) ⑷ 東南アジアには中国系の人々が多く住んでいます。このことについて述べた次の文 中の〔 〕に入れるのに最も適当な語句を漢字 2 字で書きなさい。 (6点) 海外に住む中国系の人々は,以前は〔 〕とよばれていた。 〔 〕とは, “中国の国外で仮住まいする人” を意味する言葉である。現在は,移住先の国で国籍 を取得する人々が多くなっており,華人というよび名が一般的となっている。 ⑸ 東南アジアやバングラデシュでは,水田の水かさが増えるにつれて,穂先を水面の 上に伸ばして成長する稲が栽培されてきました。この稲を何といいますか。 (6点) ⑹ 南アジアの国々についての説明として適当なものを,次のア~エの中から 1 つ選び, 記号で答えなさい。 (6点) ア 南アジアのほとんどの国がASEANに加盟している。 イ インドやスリランカでは茶の栽培が盛んである。 ウ インドとパキスタンの間では,アッサム地方の領有をめぐって国境紛争が起こ った。 エ パキスタンのガンジス川下流域では,小麦の栽培が盛んである。 ⑺ 西アジアの国々について述べた次の文中の〔 a 〕 ・〔 b 〕に入れるのに最も 適当な語句をそれぞれ書きなさい。 (10点) 西アジアには多くの油田があり,とりわけ〔 a 〕湾沿岸には石油の生産量・輸 出量の多い国が集中している。サウジアラビア・イランなどの産油国は,欧米の巨大 資本に対抗して自国の利益を守るため,1960年に〔 b 〕を結成した。 ⑴ ①-あ ②-う ⑵ ア ⑶ 石炭や鉄鉱石などの資源が産出されるため。 ⑷ 華僑 ⑸ 浮稲 ⑹ イ ⑺ a -ペルシャ b -OPEC ⑴① 1910年,朝鮮は日本の植民地とされ,第二次世界 大戦での日本の敗戦を経て独立したものの,南の大韓民 国(韓国;地図中のあ)と北の朝鮮民主主義人民共和国 (北朝鮮)に分かれました。韓国と北朝鮮は,1991年に国際 連合(国連)への同時加盟を果たしました。なお,韓国 は日本以上に人口密度の高い国です。 関連 韓国と北朝鮮の間では, 1950年に朝鮮戦争が勃 発しました。北緯38度線 こうちゃくじょうたい 付近で戦線が膠 着 状 態 と な っ た の ち,1953年 パン ムン ジョム に板 門 店 で休戦協定が 結ばれました。 CJ01LA-H1C2-0 ② 16世紀後半から19世紀末までスペインの植民地であり, その後,アメリカ合衆国の支配を受けたフィリピン(地 図中のう)では,現在でもキリスト教徒が全人口の約 9 割を占めています。東南アジアのその他の国の宗教を見 てみると,ベトナム・ラオス・カンボジア・タイ・ミャ ンマー(ビルマ)といった国々では仏教徒が多く,マレー シアやインドネシア・ブルネイ(ブルネイ=ダルサラー ム)ではイスラム教徒が多くなっています。 なお,地図中のいは台湾,えはベトナム,おはタイ, かはミャンマーです。 ⑵ a (正) 地図中の x はマレーシアです。マレーシアは, イギリスによる植民地支配の影響で,独立後もプラン テーションで生産される天然ゴム・あぶらやし(油や し)や,鉱山から採掘されるすずの輸出に依存するモ ノカルチャー経済が続きました。しかし,1980年代 以降,外国からの投資などによって工業化が急速に進 み,現在ではIC(集積回路)の主要生産国となって います。 b (正) 地図中の y はシンガポールです。シンガポー ルはインドと中国を結ぶ航路上に位置する要地である ことから,かつてイギリスの植民地支配を受けました。 独立後のシンガポールは,資源の少ない都市国家では あるものの,外国資本を誘致して積極的な工業化政策 を進め,アジアNIESの一員となりました。 ⑶ 中国では,石炭や鉄鉱石といった鉱産資源は,東北部 や内陸部にかたよって分布しています。そのため,こう した資源を原料・燃料とする鉄鋼業などの重工業は,資 源が産出される地域の近くで発達しました。 関連 マレーシアの先住民族は マレー人ですが,プラン テーションや鉱山におけ る労働力として中国やイ ンドから多くの人々が移 住してきたため,現在の マレーシアには中国系や インド系の人々も多く住 んでいます。 CJ01LA-H1C2-0 ⑷ 中国系の人々は,東南アジアをはじめ,世界の各地に 居住しています。海外に居住するこのような中国人は, か きょう かつて華 僑 とよばれていました。彼らの多くは中国南 部のフーチエン(福建)省やコワントン(広東)省の出 身で,移住先では主に商工業に従事し,その国の経済に 大きな影響力をもっている場合もあります。 華僑の「僑」の字には仮住まいという意味があり,中 国から一時的に出かせぎに行ったり,政情が不安定で移 住したりすることがほとんどであったため,この言葉が 使われていました。しかし近年では,海外で生まれ,そ の国の国籍をもち現地に定着している中国系住民が増え ており,華人というよび名が一般的になっています。 ⑸ チャオプラヤ川・メコン川・ガンジス川の下流域に広 がる三角州(デルタ)地帯の低湿地では,川の増水によっ て肥えた土が運ばれてくるという土地の特性に合わせ うきいね て,浮稲という稲が盛んに栽培されてきました。これは, 水かさが増えるのに合わせて穂先を水面から出して成長 する稲です。浮稲は,ふつうの作物の栽培が困難な洪水 の多い土地でも栽培できるという長所がありますが,収 穫量は多くありません。このため,農業技術が進んだ現 在では,浮稲よりも収穫量の多い稲を植えることが多く なりました。 ⑹ ア(誤) ASEAN(東南アジア諸国連合)は,1967 年にタイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ フィリピンの 5 か国により結成された国際協力機構で す。その後,他の東南アジア諸国の加盟があい次ぎ, 1999年には加盟国数が10か国となりました。 イ(正) インド・スリランカでは,イギリスによる植 民地支配下で茶の栽培が発展しました。インドのアッ サム地方やダージリン,スリランカのウバ・キャンデ ィなどは,世界有数の紅茶の産地です。 関連 華人は世界に3000万人 以上いるといわれ,その 8 割以上が東南アジアに 住んでいます。 CJ01LA-H1C2-0 ウ(誤) 1947年にイギリスから独立したのち,インド とパキスタンの間では,カシミール地方の領有をめぐ り,くり返し国境紛争が起こりました。 エ(誤) パキスタンのインダス川流域や,インドのガ ンジス川上流域では,小麦の栽培が盛んです。 ⑺ 西アジアには多くの油田があり,とりわけペルシャ湾 沿岸には石油の生産量・輸出量の多い国が集中していま す。かつて石油は,欧米の巨大資本に採掘・流通などを 握られていましたが,第二次世界大戦後,鉱産資源を有 する発展途上国の間では,こうした巨大資本に対抗し, 自分たちで資源を管理することによって自国の立場を有 利にしようとする考え方が現れました。そのような中で, 1960年,サウジアラビア・イラン・ベネズエラなど 5 つ オ ペ ッ ク の産油国はOPEC(石油輸出国機構)を結成しました。 さらにくわしく 1968年には,アラブ諸 オ ア ペ ッ ク 国のみから成るOAPEC (アラブ石油輸出国機構) も結成されました。