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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University
Title Author(s) Journal URL 肛門括約筋温存術後における排便機能の研究 : 内圧 測定を同調させた Video Defecography を用いて 河, 一京 東京女子医科大学雑誌, 64(9):953-954, 1994 http://hdl.handle.net/10470/9373 Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database. http://ir.twmu.ac.jp/dspace/ 75 一.村瀬茂・川瀬敦之・比気利康 cularな肝細胞癌を強く疑われLp・TAEが施行され ・福田陽子・倉光秀麿・織畑秀夫 た.こののち手術目的で外科に紹介された.画像診断 当院では,1992年6月から1993年1月までに,腹腔 上,肝細胞癌としては非典型的であったが,下大静脈 鏡下胆嚢摘出術を19例に施行した.内訳は男性10例, に接するという解剖学的特殊性より,吸引細胞診・経 女性9例で,平均年齢は48歳(29∼76歳),胆嚢ポリー 過観察という手段がためらわれ,左葉切除・尾状葉全 プが1例,胆石症18例であった.術中に開腹を余儀な 切除を行った.病理組織診断は海綿状血管腫であった. くされたのは,炎症が強く胆嚢管が確認できなかった 26.教室でのCTL研究の現状と問題点 胆石症の1例である.本症例は,右季肋部の強い柊痛 (豊岡第一病院外科) 三橋 牧 と腫脹,発熱で入院し,化学療法で症状軽快後に腹腔 教室での約4年間の試行錯誤を繰り返してきた 鏡下胆摘術を試みたもので,開腹時,十二指腸穿孔を CTL研究について,到達点と問題点を明らかにしてみ 来しており,胆嚢摘出に加えて十二指腸憩室化手術を た.CTL療法のキーポイントは,①CTL活性の増強 施行した、術後は,十二指腸断端のIeakage,皮下膿瘍 法と,②大量培養法の確立にある.第一の点に関して (MRSA)を併発したが,術後9日目より経口摂取可能 は,シクロフォスファミド(Cy)の静注が有効であっ となり,67日目に退院となった.本症例を中心に,当 た.この機序はCyがサプレッサーインデューサーT 院における腹腔鏡下肥摘術の経験について報告する. 細胞を抑制することによると思われた.第2の点に関 24.確定診断に難渋した膵頭部癌の1症例 しては,抗CD抗体を用いることにより従来の培養法 (森下記念病院外科) 西山隆明 では得られなかった高い増殖を得ることができること 森下 薫・山田則道 が明らかとなった. 症例は62歳男性.飲酒歴(+).1カ月前より上腹部・ さらに,自己癌の手に入らない患者のためにHLA 背部痛みられ近医で加療するも軽快せず来院.来院時 の一部一致した細胞株の樹立が急務であったが,現在 血液一般検査では異常みられず,CA19−9値208u/ml, まで10種類の胃,大腸癌株を樹立することができた. USで胆嚢の軽度腫大と膵管の軽度拡張, GIFで乳頭 部の腫大・変形を認め乳頭部腫瘍が強く疑われたが, しかし,進行癌患者で単球の増加している場合は CTLの誘導ができない場合も多く,今後さらに検討を 以後のERCP(乳頭部生検),低緊張性十二指腸造影, 続ける必要がある.また,IL−2が商品化されたが非常に 腹部CT, Angio,で明らかな所見得られず,また 高価なため,経済面での困難性が増してきている. CA19・9値の再検でも132u/mlと低下しており膵炎と 27.末梢静脈栄養法の研究一輸液組成とその臨床応 の鑑別に困難を感じた.2週間後の腹部CT, USの再 用についての検討一 検にて,USで膵頭部に2.2×1.7cmの腫瘍を認め膵頭 (第こ外科) 松本匡浩 部癌の診断を得た.手術勧めるも患者は他院での加療 当教室の過去の検討から,消化器癌手術の術後早期 を希望,他院での手術結果は手術不能とのことであっ のエネルギー消費量は約30kcal/kg/dayであること た.膵・胆道系疾患の診断において,初回検査のわず が明らかになっている.今回我々は脂肪とアミノ酸を かな異常所見からの注意深い検索が必要であることを 組み合わせた輸液を用いて従来の中心静脈栄養法と比 痛感した. 較し,末梢中カロリー輸液の可能性について中間報告 25.肝細胞癌が否定できず切除を行った尾状葉血管 を交え検討した. 腫の1例 〔対象と方法〕中心静脈カテーテルを使用し,消化 (大分市医師会立アルメイダ病院外科) 器癌患者36名を対象に1:脂肪+アミノ酸,II:ブド 林達弘・白鳥敏夫・笠井恵 ウ糖+アミノ酸,III:ブドウ糖+アミノ酸+脂肪の3 村木 博・斎藤 登・山中 茂 種類の輸液を封筒法にて選択し投与を行い検討した. 術前確定診断をつけ得ず,肝細胞癌の疑い診断のま 〔中間報告〕現在1群3例,II群2例, III群4例を ま手術を行った尾状葉下大静脈部の腫瘍の診断内容に 行っているが,栄養学的にはm群,II群,1群の順に つき,その概要を述べ,いくつかの問題点につき考察 良好な成績が得られ,末梢静脈中カロリー輸液の可能 する.患者は46歳の男性.検診のUSにて肝血管腫を指 性を期待できる成績であった.今後症例を重ね検討し 摘された.3カ月後,当院にてのCT, MRIで肝細胞 たい. 癌の可能性を示唆され,さらに血管造影ではhypovas一 28.肛門括約筋温存術後における排便機能の研究 一953 76 一内圧測定を同調させたVideo Defecogr3pLyを用 〔対象〕1992年3月から12月までにリンパ節腫脹を いて一 認め,カラードプラを施行後病理学的診断の行われた (第二外科) 河 一京 症例に臨床所見上化膿性および炎症性と思われた症例 直腸癌に対する低位前方切除術や炎症性大腸疾患に を加えた38症例,リンパ節数46個について検討した. 対する各種pouch形成手術の術後排便評価は未だ定 〔方法〕Bモードエコーで形態を,カラードプラで まっていない.排便機能を評価するために,臨床症状 描出される腫瘍内血流と流速を測定し各々の組織型に の他に生理学的には,安静時肛門内圧,直腸コンプラ よる特徴を検討した. イアンス,直腸最大容量等の測定,また形態学的には 〔結果〕病理所見上滑転移性,結核性,反応性リン 直腸造影や大腸ファイバースコピーなどが行われてき パ節腫脹および悪性リンパ腫と診断されたリンパ節に た.最近では排便状態をリアルタイムで観察するため はそれぞれBモードおよび血流パターンに類似点と にDefecographyが有用とする報告もある. 特徴的な所見とを認めた.それぞれの流速には有意差 今回,前方切除術,回腸肛門管吻合,回腸肛門吻合, はなかった. 回腸直腸吻合などの術後の生理学的,形態学的評価を, 31.膜型人工肺と部分体外循環を用いた呼吸,循環 独自に作製した内圧測定を同調させたVideo Defeco− 補助装置について graphyを用いて行ってみた. (救命救急センター) 曽我幸弘 29.乳癌患者における血中シアル化beX濃度測定の 〔目的および対象〕当センターでは1991年7月から, 臨床的意義 従来の呼吸管理では対処不能と考えられた急性呼吸不 (第二外科) 吉野浩之 全の患者に,部分体外循環と膜型人工肺を用いた呼吸 2型墨型抗原であるシアル化しeX(以下LeX)を乳癌 補助(ECLA)を行い,その有用性を検討してきた.今 患者血清で測定し,その臨床的意義と腫瘍マーカーと 回は,同処置の急性循環不全に対する有用性を検討す しての有用性を検討した.健常女性240例の血清測定値 るとともに,新しい心肺蘇生法(PCPS)としての可能 は2.56±2.49u/ml(平均値±標準偏差)であった.こ 性を検討したので報告する. の健常女性の測定値よりcut off値を8u/mlと決定す 〔結果〕カニュレーションは経皮的アプローチによ ると,原発乳癌226例での陽性率はstage I 7.6%,stage り19Fr,のカテーテルを短時間に挿入することが可能 II 18.9%, stage III 45.8%, stage IV 60.0%であっ であった.合併症として心配された出血については, た.現在,乳癌の腫瘍マーカーとして一般に用いられ ヘパリン処理された人工肺および回路が有用であっ ているCEAおよびCA!5−3での陽性率はそれぞれ た.同処置はA−Vバイパスを選択することにより,呼 stage I 6.6%, 4.0%, stage II 6.5%, 6.5%, stage 吸および循環補助に対して有用であった. III 29.2%,25.0%, stage IV 80.0%,80.0%であっ 〔結語〕部分体外循環と轡型人工肺を用いた呼吸循 た.一方,再発乳癌に関しては,LeXが45年中28例, 環補助装置は新しい心肺蘇生法になりうると思われ 62.2%の陽性率を示したのに対し,CEAおよびCA15− た. 3の陽性率は,それぞれ40.0%,60.0%であった.また 32.重症患者における胃粘膜組織pH測定の意義 再発乳癌での腫瘍マーカーのコンビネーションアッセ (救命救急センター) 泰明恵吾 イではCEAとCA15−3で68,9%の陽性率であったが 〔目的〕重症疾患患者の胃粘膜組織pHをトノミー これにし♂を加えると88.9%と高い陽性率を示した. ターを用いて測定し,その臨床的意義について検討す 以上の結果よりLeXは原発乳癌での腫瘍マーカーとし る. て,また再発乳癌でのモニタリングマーカーとして有 〔対象および方法〕意識障害もしくはショック状態 用であることが示唆された. 30.Color I)oppler Flow Imagingによる表在リン の患者13例(脳血管疾患7例,敗血症2例,出血性 ショック1例,窒息1例,肝性昏睡1例,薬物中毒1 パ節超音波診断の研究 例)を対象とした.トノミーター(Tonometrics, Inc) (第二外科) 四條隆幸 を胃内に挿入し,胃液のPCO、を測定した.この値と動 〔目的〕表在リンパ節腫脹の診断に,従来行われて 脈血HCO3からHenderson−Hasselbalchの式を用い きたBモードエコーに加えてカラードプラを併用し て胃粘膜組織pHを算出した.今回は生存例と死亡例 て質的診断を行い,病理組織学的所見と比較検討する. のpHiを比較し検討した. 一954一