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LNG - 中東協力センター
0 第37回中東協力現地会議 中東地域におけるJOGMECの活動状況 2012年8月 理事 根井 寿規 JOGMECの基本的機能 資源エネルギーの安定供給確保のために、国の資源外交の一翼を担うとともに、 これまで4本柱の事業を推進、今年度法律改正により、石炭・地熱業務を追加予定。 ①石油・天然ガスの探 鉱・開発支援事業 ②金属鉱物資源の探 鉱・開発支援事業 ・出資・債務保証 ・探鉱・開発関連情報の 収集・分析・提供 ・地質構造の調査 ・技術開発 ・出資・融資・債務保証 ・探鉱・開発関連情報の 収集・分析・提供 ・地質構造の調査 ・技術開発 三次元物理探査船 「資源」 海外地質構造調査 (東シベリア) ④鉱害防止支援事業 ・国家石油備蓄の統合管理 ・国家石油ガス備蓄基地の 建設 ・民間備蓄事業への融資等 ・国家備蓄希少金属鉱産物 の購入・売却・管理 ・鉱害防止事業への融資 ・鉱害防止対策の技術支援 ・坑廃水処理施設の運営受託 ・鉱害防止積立金・鉱害防止 事業基金の管理 ・資源国政府等への技術支援 国家石油ガス備 蓄基地の建設 (倉敷基地) 金属JV調査 (アルゼンチン) 炭鉱開発 ボーリング調査 松尾鉱山坑廃水で 汚染された北上川 (1972年当時) 石油コンビナート 総合防災訓練 (志布志基地) 金属JV調査 (ペルー) ⑤石炭探鉱・開発支 援事業 ・出資・債務保証 ・石炭関連の技術実証、技 術支援 ・情報収集・提供 ・地質構造調査・調査支援 ③資源備蓄事業 現在の松川と 北上川の合流点 ⑥地熱探査・開発支 援事業 ・出資・債務保証 ・環境調和支援 ・初期調査の支援補助金 交付 ・情報収集・提供 地表調査 噴気試験 石油天然ガス・金属鉱物資源機構法(JOGMEC法)の改正 概要 東日本大震災の教訓を踏まえ、災害に強いエネルギー供給構造を構築すべく、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC)に資源開発に係る支援機能の強化・集約化する体制を整備するための措置を講じるため、JOGMEC法の改正を行う。 改正内容 JOGMECへの業務の集約化 JOGMECの機能強化 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の石炭資 源・地熱資源開発業務等をJOGMECに移管し、出資業務などを 追加する。 ①天然ガス、金属鉱物、石炭及び地熱について、新たに財政投 融資特別会計投資勘定(産投出資)からの資金を活用する。 探鉱フェーズ 石油 石炭資源開 発業務 石炭経過 業務 石炭利用技 術開発 地熱資源開 発 地熱利用技 術開発 出資 天然ガス JOGMEC に移管 JOGMEC に移管 NEDO に存置 JOGMEC に移管 出資 債務保証 NEDO に存置 債務保証 出資 金属鉱物 ※「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成22年12月閣議決定)の 指摘を踏まえ対応。 採取・採掘等・液化フェーズ 出資 債務保証 出資 出資 債務保証 出資 出資 債務保証 出資 石炭 債務保証 出資 緊急時における供給支援業務の創設 備蓄法に基づき、災害時石油供給計画を特定石油事業者等が 適切に実施できるよう、事業者からの要請に応じて、人的及び技 術的援助を行う業務を追加する。 地熱 :エネルギー特会エネルギー需給勘定 :一般会計 債務保証 :財政投融資特会投資勘定 太線 :新規措置したもの ②鉱物資源の地質構造調査について、水深200メートル以深と 2 されている制限を見直し。 世界のエネルギー需給動向、見通し 需要 供給 ○世界のエネルギー供給は現状、化石燃料が 中心であり、約7割を占める(2008年)。 ○世界のエネルギー需要は、今後、中国・インド 等の途上国を中心に増加する見通しであり、 2030年には現状の1.3倍まで増加。 ○国際エネルギー機関によれば、今後も化石 燃料が供給の中心であり、2030年においても 約6割を占める。 ○天然ガスの利用がこれから伸びると予想。 【エネルギー需要の推移・見通し(世界,1971-2030)】 (石油換算 百万トン) (石油換算 百万トン) 18,000 石油27% ガス25% 見通し 石炭22% 15,000 中国 12,000 インド バイオマス12% 途上国等 (中印除く) 9,000 原子力7% 再生可能エネ4% 水力3% 6,000 先進国 3,000 0 1971 1980 1990 2000 2008 2020 2030 出典:国際エネルギー機関 World Energy Outlook 2010 新政策シナリオ 出典:国際エネルギー機関 World Energy Outlook 特別レポート 2011年6月 日本の原油・液化天然ガス地域別輸入量 原油輸入量(2011年度) イエメン 0% その他地域 15% イラン 8% アラブ首長 国連邦 23% オマーン 2% イラク 2% サウジアラビ ア 33% ク カタール ウェート 10% 7% 出典:財務省貿易統計 原油 イラン イラク サウジアラビア クウェート カタール オマーン アラブ首長国連邦 イエメン その他地域 全体 百万bbl 106.7 27.7 429.9 98.2 135.7 29.8 301.8 1.0 191.3 1322.1 LNG輸入量(2011年度) カタール 17% LNG カタール オマーン アラブ首長国連邦 イエメン その他地域 全体 千t 14301 4227 5638 362 58656 83183 オマーン 5% アラブ首長 国連邦 7% その他地域 71% イエメン 0% カタールは東日本大震 災を受けて400万tの LNGを追加供給 依然高い中東への輸入の依存度 これまで同様、中長期的にも密接な関係を築いていく必要 LNGの最大級の輸入先であるカタールとの関係は最重要 液化天然ガス国別処理能力(2011年) LNG処理能力 MENA 1316 インドネシア 341 マレーシア 250 ナイジェリア 219 豪州 199 その他諸国 463 全体 2788 中東諸国の 能力は高い 出典:IGU LNG Report 2011, PFC Energy 千t / 年 参考:本邦企業が上流権益を有する主要天然ガスプロジェクト 支援 サハリンⅠ 本邦企業権益比率:30% サハリンⅡLNG 支援 支援 カナダ・ゴルドバシェールガス 年産960万t マレーシアLNGⅢ 本邦企業権益比率:50% 本邦企業権益比率:22.5% 年産700万t 本邦企業権益比率: 支援 カタールLNG 年産1,000万t ヘラン、ジンタン、セライガス田等 37.5~75% マーセラスシェールガス 支援 タングーLNG 本邦企業権益比率:30% 年産760万t 本邦企業権益比率5% ダーウィンLNG 支援 ボンタンLNG 本邦企業権益比率:45.88% 年産2,180万t 年産300万t 本邦企業権益比率: 本邦企業権益比率20.4% マハカム沖ガス田他50% NWS LNG 支援 年産250万t(予定 1次開発) 本邦企業権益比 率:16.7% 本邦企業権益比率:90% 支援 プルートLNG(Train1) モザンビーク・ロブマオフショア 大規模ガス発見 本邦企業権益比率:20% 本邦企業権益比率:12.5% アバディLNG 年産1,500万t 支援 バーネットシェールガス パプアニューギアLNG 年産430万t 年産660万t(予定) 本邦企業権益比率:10% 本邦企業権益比率:4.68% イクシスLNG サンライズLNG 年産840万t(予定) 年産:未定 本邦企業権益比率:76% 本邦企業権益比率:10% 石油鉱業連盟「石油・天然ガス開発資料」及び報道記事、各社発表よりJOGMEC作成 ※支援案件には旧石油公団支援案件を含む。探鉱中・開発中のプロジェクトの年産量は設備能力。 支援 JOGMEC支援案件 支援 同支援終了案件※ ___ 探鉱中・開発中 ___ 生産中 6 メタンハイドレート調査・技術開発 新たな国産資源;メタンハイドレート(MH)開発に向け技術的知見を蓄積。21年度から、日本 周辺海域のMHを対象とした世界初の海洋産出試験を行うフェーズ2実施中。 • 23年度は24年度に予定の第1回海洋産出試験に向けた諸準備作業を進め、 第二渥美海丘のメタンハイドレート濃集帯を試験地として、事前掘削作業を 実施(24年3月終了)。 産出試験(フローテスト)・廃坑は25年1-3月、全機器撤収は同年8月頃を予定。 フェーズ1 スケジュール 陸上産出 試験 海洋調査 H13年度 フェーズ2(予定) H14年度 H15年度 H16年度 カナダ H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 カナダ 2 回目 1回目 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 フェーズ3(予定) 長期陸上産出試験(情報収集~試験地選定~試験) H28年度 東部南海トラフ 東部南海トラフ 東部南海トラフ原始資源量評価 地震探査等 基礎試錐 海洋産出試験候補地の選定 海洋産出試験準備 第1回 第2回 海洋産 海洋産 出試験 出試験 H29年度 H30年度 商業的産出準備 総合評価 ✓国際的な事業として、大手国際石油会社ConocoPhillips社との間で、同社がアラスカ州ノーススロープで実施するメタ ンハイドレート層でのCO2置換実験に参加することに合意(10月)。現地実験は24年4月に成功裏に終了。 減圧法の概念図 東部南海トラフ海域 ConocoPhillipsとの合意締結 (10月 於:ヒューストン) GTL(Gas To Liquids)とは? H H C H H メタン 合 O 成 C ガ H スチーム ス 一酸化炭素 H O 製 造 HH 酸素 工 O O 水素 程 H F T 合 成 工 程 H H H H H H H H H C C C C C C C C H H H H H H H H H C H H FT合成油(C5~100) 水 素 化 分 解 工 程 H H H H H H H H C C C C C C C C H H H H H H H H H ナフサ(C5~10) H H H H H H H H H H H H H C C C C C C C C C C C C H H H H H H H H H H H H H 灯油(C10~14) H H H H H H H H H H H H H C C C C C C C C C C C C H H H H H H H H H H H H 軽油(C14~20) O C 二酸化炭素 O 1.GTL技術により、天然ガス、油田随伴ガス、シェールガス、炭層ガス(CBM)から 液体炭化水素(液体燃料)を製造することができる。 2.GTL技術は合成ガス、FT合成、アップグレーディング(水素化分解)の、3工程 (化学反応)よりなる。 3.各工程に関する国産技術が日本にはある(2,500BPD規模程度が次のターゲット)。 H C H H GTL Demonstration Plant(500BPD) April 2009 April 2009 天然ガス液体燃料化技術(GTL)実証研究 GTL技術により、石油代替液体燃料ソースの確保、技術的・経済的に開発困難な既発見・未開発ガス 田の開発可能性拡大、並びに随伴ガス、炭層ガス(CBM)の活用手法拡大を図る。 民間企業からの資金導入を促進する観点から補助率を3分の2から2分の1に引き下げを実施。 ア.GTL技術の確立 •22年度実証運転でFT合成系に見出された課題に対応、解決。 •商業規模(15,000BPD)のプラントを設計・建設・運転可能で、競合技術に対して競争力のあるGTL技術 を確立。 •このGTL実証研究(日本GTL技術研究組合と共同実施)成果について、「石油技術協会業績賞」を受賞 (24年6月)。 イ.GTL技術の商業適用 •JAPAN-GTLに関心を示すベトナム、ロシア、オーストラリア、北米等の国営石油会社、政府関係者、民間 企業を対象に、実証研究後の商業化に向けた情報交換・事業化調査を実施中。 18FY 19FY 20FY 21FY プラント設計 建設 試運転 実証運転 解体 研究スケジュール 22FY 23FY 24FY Shale(頁岩)ガス開発の進展 掘削・開発技術の進歩により採掘が可能に 1.水平掘り 地上 2.水圧フラクチャリング (人工的に水圧で割れ目を作る) 3.割れ目の広がりを的確に把握する 全体 地下 出所:Statoil HP等より 出所:NY州環境保護局 多段階に行う水圧フラクチャリング シェールガス開発の技術 世界のシェールガス資源量評価 最近の評価では12~27兆立方 フィートと大幅減の情報も 新たなガス6,600兆立 方フィートの可能性あり (約60年分) 資源開発のステージ 資源探査衛星 空中物理探査 <金属鉱物のケース> <石油・天然ガスのケース> 試掘 調査 ・ 探査 地質調査 Oper Drilli 電磁探査 ng & 開発工事 掘削 磁場 Explo ボーリング調査 物理 探査 rat io Com plet io n 海上 生 フォ 産プラ ーム ット Rese rvoir n 鉱床 & We lls ation s タン カー 陸上 貯油 パイ 基地 プラ イン Proje ct & Engin eerin g 海底 パイ プラ イン ※陸上でのプロジェクトも存在 金属鉱物 石油・天然ガス 資源の特性 金属鉱物が岩石・岩体中に固体として存在(⇒坑道堀・露天掘により、 母岩ごと採取し、後で分離) 地表面~地下1,000メートル程度の深度に賦存 資源の特性 油ガスが地層中の空隙を充填して液体・気体として存在(⇒生産井の掘削により 自噴、その後、水やガス圧入で回収率を促進) 地下3,000~5,000メートル程度の深度に賦存 事前調査→探鉱→開発→生産段階へと推移 鉱区取得後、親会社による探鉱・開発が主流。(ただし開発段階に移 行後、プロジェクト会社を設立するケースもある) 鉱区取得後、プロジェクト会社による探鉱・開発が主流。 プロジェクトコストの規模 探鉱費 数億~数十億円程度 開発・生産費 数百億円程度 プロジェクトコストの規模 探鉱費 数十~数百億円程度 開発・生産費 数百~数千億円程度(近年は1兆円以上の事業も多数) 石油・天然ガス開発支援業務の仕組み 債務保証 リスクマネー供給等 地質構造 調査等 ガス採取・液化出資 探鉱出資 資産買収出資 我が国企業 事前段階 探鉱段階 開発段階 生産段階 資源外交の積極的推進 技術開発 技術者研修受入 共同研究 情報収集・分析・提供等 産油・産ガス国との関係強化 産油・産ガス国 国 ~プロジェクトの段階に応じた支援により自主開発を促進~ 石油・天然ガス開発部門の活動状況(中東関連) (1)資源外交の支援強化、権益確保の基盤形成等 戦略的に重要な又は資源ポテンシャルが大きい産油・産ガス国等を対象に、 政府の資源外交を支援するとともに、JOGMEC自ら資源外交の一翼を担う ①産油・産ガス国との共同事業の推進 • イラク:JOGMECは18年度から大規模な技術者研修事業を継 続実施するなど、日イ間の信頼関係構築に貢献 また、JOGMEC自ら国際入札への参加資格を取得(21年4 月)し、民間の権益取得を一元的に支援するタスクフォース チームを組成 生産施設技術に係る共同スタディ実施中(24年7月末現在) イラク・シャハリスターニ石油大臣/JOGMEC河野 理事長との会談 (20年9月 於:バグダッド) • UAE:我が国最大の自主開発権益を有するUAEについて、アブダビ国営石油会社 ADNOCの高評価を受け、巨大海洋油田を対象としたCO2EORスタディ実施について操 業会社と契約(有償)締結(21年10月)、スタディ実施中 石油・天然ガス開発部門の活動状況(中東関連) ②海外技術者研修の実施 • 研修事業による人的繋がりの強化を通じ、産油・産ガス国での事業の円滑化を図るため、国 営石油会社等の技術者を招聘し、油層工学、地質、物理探鉱、掘削等に関する研修を実 施 • 現在までに、中東・北アフリカ地域からは、13カ国約1,800名が参加) ⇒イラク:18・19年度実施の『イラク1,000人研修』に引き続き、23年度 には、政府間合意(20年6月)に基づく『イラク500人研修』(100名/ 年×5年間)の3年目として5コースを実施(97名招聘)。また、イラクと の共同スタディの中で、施設の腐食対策技術に関する研修を実施し た(11名参加)。 イラク共同スタディでの油層評価作業 ③日本・サウジアラビア産業協力 • 関係機関との連携のもと、最大の原油輸入先であるサウジアラビアへの日本企業投資を促 進し、重層的な互恵関係の構築を目指す • 日サ両国首脳間の共同声明(19年4月)を受け、産業投資促進を目的として設立されたタス クフォースに、経済産業省、外務省及び関係政府機関とともに参加し、同国との産業協力事 業を推進 • 24年度の新規1件(1社)を含め(7月末時点) 、これまでに6案件(計7社)がサウジへの投資 決定済み 石油・天然ガス開発部門の活動状況(中東関連) (2)リスクマネー供給による自主開発促進 • 我が国企業が行う探鉱・開発事業に対し、リスクマネー供給(出資・債務保証)を実施 石油公団時代(昭和42年以降)から通算し、330余のプロジェクトを支援 うち、中東・北アフリカ案件は43件(アラビア石油、アブダビ石油、ジャパン石油開発、カ タールLNGプロジェクト、オハネットオイルアンドガス、エジプト石油開発等) • 19年4月からは、出資・債務保証比率の上限を引き上げ(原則50%⇒大水深案件等につい ては75%まで支援拡大)、我が国企業の権益取得活動に対する支援を強化 また、22年7月、JOGMEC法を改正し、政府保証付き長期借入金等を活用できる対象とし て、資産買収に係る出資業務等を拡充し、タイムリーに大規模資金供給ニーズに対応 • • 今後、国の資源外交案件にも関与し、イラク、ベネズエラ等の大型案件に対しても積極的に 支援を進める方針 ⇒イラク:21年12月に行われた第2次入札の結果、JAPEXがペトロナス(マレーシア)と共 に、 ガラフ油田(既発見未開発)の開発権を落札(JAPEX参加比率は30%) →22年7月、資産買収出資案件として採択、支援実施中。 石油・天然ガス開発部門の活動状況(中東関連) (3)技術開発 • • JOGMECは、欧米石油会社と渡り合える技術や技術開発力をテコにして、資源確保への 取り組みを強化 特に、中東・北アフリカ地域の産油・産ガス国においては、環境対策に関連したニーズが高 いこともあり、積極的に技術協力・支援を実施 CO2EOR JOGMEC (当時JNOC)は、1980年代から炭酸ガス (CO2)の油層への圧入による原油増進回収法 (EOR*)の技術開発に取り組み、UAE等の産油国側 から高い評価を得て、我が国企業が有する既存権益 の維持等に貢献 産油・産ガス国側でも地球温暖化等環境問題に対す る関心が急速に高まっており、二酸化炭素回収貯留 技術(CCS**)等の環境対策を含めた協力事業の要 請あり。JOGMECは、CO2EOR技術開発等により蓄積さ れた知見を積極的に活用し、CCS等の環境対策事業 にも貢献していく方針 N2 他 火力発電所・ 製油所等 分離・回収 排ガス 輸送 圧入 CO2 パイプライン CO2 原油 油層 CO2EOR:二酸化炭素を油層内に圧入することで、 原油の生産量・回収率を増大させる技術 EOR* = Enhanced Oil Recovery CCS** = Carbon dioxide Capture & Storage 石油・天然ガス開発部門の活動状況(中東関連) ① CCS-CO2EOR関連技術開発の促進 • アブダビ及びクウェート等とのCO2EOR共同研究 ⁃ UAE:巨大海洋油田を対象に、有償でのスタディ実施。先方からの評価を受け、 パイロットテストの実施を見据えた継続スタディを実施予定。 ② CCS以外の石油・天然ガス開発に係る環境面の課題対応 • リビア国営石油会社(NOC)との油田随伴水処理に関する共同研究 リビアでは、石油生産に伴い坑内から排出された随伴水が砂漠に長年放置さ れ、大小多数の水溜りを形成しており、随伴水中の含有成分(油、有害化学物 質、重金属、NORM*等)が土壌・地下水へ直接的・間接的に環境汚染を引き 起こす可能性あり NORM* = Naturally Occurring Radioactive Materials の略。自然起源の放射性物質。 JOGMECは、NOCと共同で土壌汚染対策スタディに取り組み、産油国側の環境 ニーズに対応するとともに、権益取得に向けて、各国との競争が激化しているリ ビアとの関係強化を図り、我が国企業の活動を側面から支援 参考:JOGMECの新規事業(日本技術総結集型事業) 目的 石油開発・その他分野問わず日本の先端技術を活かして、多様化の進む産油ガス国のニーズ に対応し、関係構築・強化を図る。JOGMECは本邦企業と産油ガス国の間に立ってニーズ・シー ズをマッチングし、実施の際には実施主体として共同研究を行う。 行程 FY2012:石油・天然ガス開発分野における革新的技術研究テーマ公募 ↓(各テーマ実施に向けた予備的検討) FY2013~:日本技術総結集型資源獲得戦略事業(各テーマ実施) 日本のハイエンド技術 コンピューター・IT・ ネットワーク・ソフトウェア 現状 資源国企業等 JOGMEC 物理探査技術、大水深・海洋開発、 取りまとめ役 操業課題等 ニーズ 環境調和型開発等のニーズに対し、 戦略企画 30件以上の申請。この公募結果を 問題解決 内外で検討し、海洋・環境分野テーマを 含む10件前後の採択・実施を予定。 (安定浮体構造物、ガス中のCO2処理、H2S有効利用、随伴水処理、etc.) ロボット・精密機械 超伝導 シーズ ナノテクノロジー・ 素材(マテリアル) バイオテクノロジー 環境 計量・計測(センサー) 各国の技術的課題に柔軟・迅速に対応、日本企業の競争力強化へ 参考:新規事業の行程イメージ 1.JOGMECフェア 1-1 我が国政 府ニーズ 1-2 技術ニーズ (国営石油会社等) ( 異 業 種 交 流1-4 ) 2.事業化までの技術戦略 Phase Ⅰ マ ッ チ ン グ 1-3 技術シーズ ・素材、機器 ・エレクトロニクス ・バイオ、etc 石油開発 促進事業 Phase Ⅱ 2-2-1 2-1 即戦力技術 2-3-1 技 事業化実証 (個別技術) 術 F / S 2-2-2 転用実証 (個別技術) (新規参入インセンティブ) 1 技術開発テーマ設定 ・技術協議会 ・提案公募、etc Phase Ⅲ (現地化・すり合わせ) 2-3-2 事業化実証 (技術パッケージ) 2 技術開発 ・わが国の技術力向上 ・基礎から応用まで 国 営 石 油 会 社 等 と の 関 係 強 化 油 ガ ス 田 の 権 益 交 渉 ・ 獲 得 石油・石油ガス備蓄部門の活動状況(中東関連) ●石油・石油ガス備蓄 石油ガス国家備蓄基地(地上タンク方式) 被災した久慈国家備蓄基地 ①東日本大震災への対応 • JOGMECは、東日本大震災の影響により、東北地方において石油ガ スの供給が不足する事態が生じるおそれがあるため、 経済産業大 臣から神栖国家石油ガス備蓄基地から隣接する民間輸入基地への 国家備蓄石油ガスの放出の指示を受け、昨年4月に放出を実施し た。 石油ガス国家備蓄基地(地下岩盤タンク方式) • 津波により被災した久慈国家石油備蓄基地の復旧作業を実施中 倉敷基地貯槽掘削完了状況(配管竪坑部) ②中東産油国との共同備蓄プロジェクト • 日本政府とUAE(21年6月)、サウジアラビア(22年6月)との間で、共同備蓄プロジェクトに合 意→ 両国国営石油会社所有の原油を日本国内に蔵置(UAE⇒鹿児島、サウジ⇒沖縄)。 JOGMECは本プロジェクトを支援。特に、沖縄においては、サウジの国営石油会社との間に管 理委託契約を締結、原油管理を行っている。 • 産油国は、東アジアオイルマーケットとの関係の緊密化を期待。また、日本は、緊急時(石油 の供給不足時)における貯蔵原油の優先的な供給を受けることが可能。 ⇒日本のエネルギーセキュリティの向上、両国との友好関係強化に貢献