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本発明は、 B型肝炎 (HBV)プレコアタンパク質によるトール様

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本発明は、 B型肝炎 (HBV)プレコアタンパク質によるトール様
JP 2007-538232 A 2007.12.27
(57)【 要 約 】
本 発 明 は 、 B型 肝 炎 (HBV)プ レ コ ア タ ン パ ク 質 に よ る ト ー ル 様 受 容 体 の 発 現 の 制 御 、 ま た は
そ の 細 胞 外 発 現 産 物 で あ る B型 肝 炎 E抗 原 (HbeAg)の 発 現 の 制 御 を 提 供 す る 。 こ の よ う な 発
現 を 制 御 す る 化 合 物 は 、 動 物 に お い て HBV感 染 の 治 療 お よ び 予 防 に 用 途 が あ る 。 ま た 、 本
発 明 は 、 HBVを 診 断 す る た め の 方 法 、 お よ び 診 断 プ ロ ト コ ー ル に 有 用 な 薬 剤 を 提 供 す る 。
本発明はさらに、ヒトおよび動物モデルを含む他の動物種において病態をモニターするた
め の 方 法 、 な ら び に HBVに よ る 感 染 、 ま た は 他 の 病 的 状 態 の 進 行 に 関 す る 被 験 体 の 指 標 を
提供するための方法を意図する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
TLRシ グ ナ ル 伝 達 の レ ベ ル を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 を
判 定 す る 段 階 を 含 む 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因 の 存 在 を 検 出 す る
た め の 方 法 で あ っ て 、 該 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 、 ま た は TLRの レ ベ ル の
高 低 、 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 内 の 成 分 が 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 関 連 す る 疾 患 状 態 も
しくはその素因の存在の指標となる、方法。
【請求項2】
プ レ コ ア 発 現 産 物 が 細 胞 内 型 で あ る 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項3】
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プ レ コ ア 発 現 産 物 が 細 胞 外 型 で あ る 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項4】
TLRが TLR-2ま た は そ の ホ モ ロ グ で あ る 、 請 求 項 1ま た は 2ま た は 3記 載 の 方 法 。
【請求項5】
TLRシ グ ナ ル 伝 達 の レ ベ ル が TLRま た は TLR-2の レ ベ ル で 判 定 さ れ 、 次 に そ れ が コ ー ド す
る mRNAの 量 で 判 定 さ れ る 、 請 求 項 1ま た は 4記 載 の 方 法 。
【請求項6】
細 胞 内 も し く は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 の レ ベ ル ま た は TLRの レ ベ ル が タ ン パ ク 質 レ
ベ ル で 判 定 さ れ る 、 請 求 項 4記 載 の 方 法 。
【請求項7】
20
TLRシ グ ナ ル 伝 達 を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の レ ベ ル ま た は 活 性 を 判 定 す る 段
階 を 含 む 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 疾 患 状 態 の 進 行 に 対 す る 治 療 プ ロ ト コ ー ル へ の 応 答 を モ
ニ タ ー す る た め の 方 法 で あ っ て 、 該 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 、 ま た は TLR
の レ ベ ル の 高 低 、 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 内 の 成 分 が 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 関 連 す る
疾患状態もしくはその素因の存在の指標となる、方法。
【請求項8】
HBVが プ レ コ ア お よ び /ま た は BCP突 然 変 異 体 で あ る 、 請 求 項 7記 載 の 方 法 。
【請求項9】
HBVに 特 定 さ れ る エ フ ェ ク タ ー 分 子 が 細 胞 内 ま た は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 で あ る 、
請 求 項 8記 載 の 方 法 。
30
【請求項10】
TLRが TLR-2ま た は そ の ホ モ ロ グ で あ る 、 請 求 項 7記 載 の 方 法 。
【請求項11】
TLRシ グ ナ ル 伝 達 の レ ベ ル が TLRま た は TLR-2の レ ベ ル で 判 定 さ れ 、 次 に そ れ が コ ー ド す
る mRNAの 量 で 判 定 さ れ る 、 請 求 項 7ま た は 10記 載 の 方 法 。
【請求項12】
細 胞 内 も し く は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 の レ ベ ル ま た は TLRも し く は そ の ホ モ ロ グ の
レ ベ ル が タ ン パ ク 質 レ ベ ル で 判 定 さ れ る 、 請 求 項 10記 載 の 方 法 。
【請求項13】
細 胞 内 も し く は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 の レ ベ ル を 下 方 制 御 す る ま た は TLRの レ ベ ル
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を上方制御もしくは下方制御するワクチンを含む有効量の薬剤を被験体へ投与する段階を
含 む 、 HBVに 感 染 し た ま た は 疾 患 状 態 を 有 す る も し く は そ の 素 因 を 有 す る 被 験 体 を 治 療 す
るための方法。
【請求項14】
HBVが プ レ コ ア お よ び /ま た は BCP突 然 変 異 体 で あ る 、 請 求 項 13記 載 の 方 法 。
【請求項15】
HBVに 特 定 さ れ る エ フ ェ ク タ ー 分 子 が 細 胞 内 も し く は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 で あ る
、 請 求 項 13記 載 の 方 法 。
【請求項16】
TLRが TLR-2ま た は そ の ホ モ ロ グ で あ る 、 請 求 項 13記 載 の 方 法 。
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【請求項17】
細 胞 内 も し く は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 の レ ベ ル ま た は TLRの レ ベ ル が 、 そ れ を コ ー
ド す る mRNAの 量 で 判 定 さ れ る 、 請 求 項 13ま た は 16記 載 の 方 法 。
【請求項18】
細 胞 内 も し く は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 の レ ベ ル ま た は TLRの レ ベ ル が タ ン パ ク 質 レ
ベ ル で 判 定 さ れ る 、 請 求 項 13ま た は 16記 載 の 方 法 。
【請求項19】
細 胞 内 も し く は 細 胞 外 の プ レ コ ア 発 現 産 物 の 調 節 因 子 お よ び 任 意 で TLRま た は そ の ホ モ
ロ グ の 調 節 因 子 と 、 1つ ま た は 複 数 の 薬 学 的 に 許 容 さ れ る 担 体 お よ び /ま た は 希 釈 液 と を 含
む 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因 の 治 療 に 用 い る た め の 薬 学 的 組 成 物
10
またはワクチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本 発 明 は 、 動 物 種 に お い て B型 肝 炎 ウ イ ル ス (HBV)の 感 染 の 治 療 お よ び 予 防 に 有 用 な 化 合
物 を 提 供 す る 。 本 発 明 は さ ら に 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 他 の 疾 患 状 態 を 診 断 す る た め の 方
法および診断プロトコールに有用な薬剤を提供する。本発明はさらに、ヒトおよび動物モ
デ ル を 含 む 他 の 動 物 種 に お い て 病 態 を モ ニ タ ー す る た め の 方 法 、 な ら び に HBVに よ る 感 染
または他の病的状態の進行に対する被験体の感受性の指標を提供するための方法を意図す
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る。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
本明細書において言及される刊行物の参考文献詳細もまた、本明細書の末尾に収載する
。
【0003】
本明細書における任意の先行技術への言及は、この先行技術が任意の国における共通の
常識の一部をなすということの認識でも、または何らかの示唆でもなく、またそのように
解釈されるべきではない。
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【0004】
B型 肝 炎 ウ イ ル ス (HBV)は 、 衰 弱 性 の 疾 患 状 態 を も た ら し 、 急 性 肝 不 全 を 引 き 起 こ し 得 る
。 HBVは 、 RNA中 間 体 を 介 し て 複 製 し 、 そ の 複 製 戦 略 に 逆 転 写 を 利 用 す る DNAウ イ ル ス で あ
る 。 HBVゲ ノ ム は 、 表 面 遺 伝 子 、 プ レ コ ア 遺 伝 子 、 コ ア 遺 伝 子 、 ポ リ メ ラ ー ゼ お よ び X遺 伝
子 を コ ー ド す る 重 複 す る オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム を 備 え る 部 分 的 な 二 本 鎖 DNA構 造
を有する複雑な性質を持つ。
【0005】
HBVプ レ コ ア /コ ア 遺 伝 子 は 、 共 通 の 末 端 で あ る N末 端 を 有 す る HBcAg(コ ア 遺 伝 子 に コ ー
ド さ れ る )の 合 成 お よ び HBeAg(プ レ コ ア 遺 伝 子 に コ ー ド さ れ る )の 合 成 を 制 御 す る 2つ の イ
ン フ レ ー ム 開 始 コ ド ン を 含 む 。 実 際 に 、 プ レ コ ア 遺 伝 子 は 、 同 じ タ ン パ ク 質 の 2種 類 の 型
40
: HBeAg細 胞 外 型 お よ び 本 明 細 書 に お い て P22と 称 す る P22ま た は P25細 胞 内 型 を コ ー ド す る
。 プ レ コ ア 遺 伝 子 発 現 産 物 を HBeAg/P22と 称 す る 。 細 胞 外 タ ン パ ク 質 は 、 免 疫 介 在 性 の ウ
イルスの排除機構のための標的である。
【0006】
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 に 関 し て 、 こ の ORFの 最 初 の AUGか ら 翻 訳 が 開 始 さ れ 、 シ グ ナ ル ペ プ
チ ド を コ ー ド す る preC領 域 を 備 え る 25kDポ リ ペ プ チ ド を 生 じ る 。 シ グ ナ ル ペ プ チ ド は 、 そ
の ペ プ チ ド が 切 断 さ れ て 、 分 泌 経 路 か ら 搬 出 さ れ る 17kDタ ン パ ク 質 産 物 を 生 ず る ERに 前 駆
体 タ ン パ ク 質 を 挿 入 す る こ と に よ っ て 機 能 す る 。 こ の 17∼ 25kDタ ン パ ク 質 が P22で あ る 。
搬 出 の 間 、 塩 基 性 の C末 端 ド メ イ ン が 切 断 さ れ て 15∼ 17kDの 可 溶 性 タ ン パ ク 質 を 生 成 し 、
そ れ が 最 終 的 に 血 清 中 に 分 泌 さ れ て HBeAgと し て 測 定 さ れ る が 、 そ の 中 に は 外 側 の 細 胞 膜
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へ 取 り 込 ま れ る も の も あ る 。 HBeAg/P22は 、 生 産 的 な ウ イ ル ス 複 製 を 必 要 と し な い 。
【0007】
HBcAgは 、 そ の 合 成 が 2番 目 の イ ン フ レ ー ム 開 始 コ ド ン か ら 開 始 さ れ 、 よ り 短 い ゲ ノ ム 転
写 物 か ら 翻 訳 さ れ る 、 21kDの リ ン タ ン パ ク 質 で あ る 。 HBcAgは 、 ヌ ク レ オ カ プ シ ド の 主 要
な タ ン パ ク 質 成 分 で あ る 。 C末 端 ド メ イ ン は 高 度 に 塩 基 性 で あ り 、 非 配 列 特 異 的 核 酸 結 合
ドメインを保有する。
【0008】
重 複 す る Xオ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム 領 域 (X-ORF)中 に 存 在 す る 基 底 コ ア プ ロ モ ー タ
ー [BCP](ヌ ク レ オ チ ド 1744∼ 1804位 )は 、 プ レ コ ア 領 域 お よ び コ ア 領 域 両 方 の 転 写 を 制 御
し 、 2つ の mRNA、 つ ま り プ レ コ ア mRNAと プ レ ゲ ノ ム /C mRNAの 合 成 を 命 令 す る 。 プ レ コ ア mR
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NAは HBeAg/P22を コ ー ド し 、 プ レ ゲ ノ ム /C mRNAは コ ア タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る 。 DNAポ リ
メ ラ ー ゼ は 、 逆 転 写 の た め の 鋳 型 で あ る プ レ ゲ ノ ム RNA(pgRNA)と し て 働 く 。
【0009】
HBeAg/P22合 成 に 作 用 す る 突 然 変 異 の 2つ の 主 要 な グ ル ー プ が 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 突 然
変 異 (G1896A)な ら び に ヌ ク レ オ チ ド 1762位 お よ び ヌ ク レ オ チ ド 1764位 の 基 底 コ ア プ ロ モ ー
タ ー (BCP)に お け る 突 然 変 異 で あ り 、 そ れ ら は 全 て HBeAg/P22産 生 の 低 下 お よ び そ の 結 果 生
じる宿主免疫応答の増加をもたらす。尤もこれは患者の中には一過性である場合もあり、
免疫抑制されていない患者においてはより悪性度の高い肝疾患との明確な相関性はない。
プ レ コ ア 突 然 変 異 は 類 似 し た 時 期 に 頻 繁 に 生 じ 、 し ば し ば コ ア 遺 伝 子 突 然 変 異 /欠 失 に 関
連している。
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【0010】
プ レ コ ア 停 止 突 然 変 異 と HBV遺 伝 子 型 と の 間 に は 関 連 性 が あ る 。 ヌ ク レ オ チ ド 1896位 は
グ ア ノ シ ン (G)で あ り 、 キ ャ プ シ ド 形 成 に 関 与 し て い る RNA構 造 エ レ メ ン ト 、 イ プ シ ロ ン 内
に 見 出 さ れ る 。 こ れ は ヌ ク レ オ チ ド 1858位 と 塩 基 対 を 形 成 し 、 ヌ ク レ オ チ ド 1858位 で の 突
然 変 異 は 、 ヌ ク レ オ チ ド 1896位 で の プ レ コ ア 停 止 突 然 変 異 と 共 に 、 イ プ シ ロ ン の ス テ ム ル
ー プ 領 域 内 で ウ イ ル ス の 塩 基 対 形 成 を 促 進 し 得 る 。 遺 伝 子 型 Aの HBV感 染 患 者 に お い て (北
ア メ リ カ お よ び ヨ ー ロ ッ パ の 一 部 で 最 も 一 般 的 な 遺 伝 子 型 )、 ヌ ク レ オ チ ド 1858位 は Cで あ
る 。 こ の 遺 伝 子 型 で は 、 ヌ ク レ オ チ ド 1896位 (Gか ら A)と ヌ ク レ オ チ ド 1858位 (Cか ら T)の 双
方での突然変異がステムループ構造を安定化させるために必要であると考えられる。遺伝
子 型 Aの HBVに お い て ヌ ク レ オ チ ド 1858位 で の 代 償 的 な 突 然 変 異 な く 、 C-1858が A-1896と 対
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になろうとする場合に塩基対形成不全が生じ、そのことがパッケージングシグナルのステ
ムループ構造を不安定化する。パッケージングのための安定なイプシロンがないと、キャ
プシド形成の低下およびその結果複製の低下が起こる可能性があり、複製欠損ウイルスと
な る 。 従 っ て 、 2つ の 突 然 変 異 事 象 の 必 要 条 件 の た め に 、 遺 伝 子 型 Aに お い て は プ レ コ ア 停
止コドン突然変異の頻度が低くなる可能性がある。対照的に、アジア、アフリカ、地中海
盆 地 ま た は 中 東 の 70% よ り 多 い 慢 性 HBV保 菌 者 に お い て HBV配 列 は 既 に ヌ ク レ オ チ ド 1858位
に Tを 含 む 。 従 っ て 、 安 定 な ス テ ム ル ー プ 対 形 成 を も つ プ レ コ ア 突 然 変 異 体 を 生 じ る た め
に は 、 ヌ ク レ オ チ ド 1896位 で の 単 一 の 突 然 変 異 の み が 必 要 と さ れ る 。 ヌ ク レ オ チ ド 1858位
が Tで あ る こ れ ら の 他 の 遺 伝 子 型 (遺 伝 子 型 B、 C、 D、 お よ び E)を 有 す る 患 者 に お け る プ レ
コ ア 停 止 突 然 変 異 HBVが 高 い 頻 度 で あ る こ と は 、 停 止 コ ド ン お よ び イ プ シ ロ ン の 安 定 な ス
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テ ム ル ー プ 構 造 を も た ら す た め に 単 一 の 突 然 変 異 (G1896A)の み が 必 要 と さ れ る と い う 必 要
条 件 の 反 映 で あ る (Hunt et al, Hepatology. 31(5):1037-44, 1994; Lok et al, Proc Na
tl Acad Sci USA.91(9):4077-81, 1994)。
【0011】
BCPで の 、 特 に ヌ ク レ オ チ ド 1762位 お よ び ヌ ク レ オ チ ド 1764位 で の 突 然 変 異 は T-1762お
よ び /ま た は A-1764と な り 、 種 々 の 持 続 感 染 患 者 、 劇 症 肝 炎 患 者 、 な ら び に 免 疫 抑 制 患 者
に お い て 検 出 さ れ て い る 。 T-1762お よ び A-1764で の 二 重 の 突 然 変 異 は 、 HBeAg/P22の 減 少 (
し か し 消 失 で は な い )お よ び ウ イ ル ス 量 の 増 加 に 関 連 す る (Gunther et al, Adv Virus Res
. 52:25-137, 1999; Hunt et al, 1994 前 記 )。 概 し て 、 こ の パ タ ー ン の プ レ コ ア 変 化 は
、 遺 伝 子 型 Aの 感 染 患 者 の 中 に 見 出 さ れ る 。
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【0012】
コ ア タ ン パ ク 質 は 、 2つ の 主 要 な ド メ イ ン 、 ア ミ ノ 酸 144位 ま で の N末 端 集 合 ド メ イ ン と
機 能 上 重 要 な 、 ア ル ギ ニ ン に 富 む C末 端 ド メ イ ン と に 分 け ら れ る 。 C末 端 ド メ イ ン は 、 プ レ
ゲ ノ ム RNAの 結 合 お よ び ゲ ノ ム 複 製 に 必 要 と さ れ る 上 、 核 輸 送 に も 関 与 し て い る 。 興 味 深
い こ と に 、 HBeAg陽 性 免 疫 耐 性 フ ェ ー ズ の 患 者 の HBVの コ ア タ ン パ ク 質 配 列 は 、 ア ミ ノ 酸 変
化を含まないかまたはごく僅かしか含まず、免疫圧が少ないことが臨床的に明白な突然変
異 が 少 な い と い う 結 果 を も た ら す 可 能 性 を 示 唆 す る 。 HbcAgお よ び HBeAgア ミ ノ 酸 変 化 の 蔓
延 は 、 pre-C欠 損 の も の と 非 常 に 類 似 し て お り 、 慢 性 感 染 の 複 数 の 段 階 に 見 ら れ る 。 し か
し 、 一 度 患 者 が 免 疫 再 活 性 化 (排 除 )フ ェ ー ズ に 入 る と 、 HbcAgお よ び HBcAgア ミ ノ 酸 変 化 の
平 均 変 化 率 は 5倍 よ り 多 く 増 加 し 、 お そ ら く 免 疫 圧 お よ び そ の 後 の ウ イ ル ス 「 選 択 」 の 影
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響 を 受 け て 36ヶ 所 の ホ ッ ト ス ポ ッ ト 部 位 に ク ラ ス タ ー を 形 成 す る 。 こ れ ら の ホ ッ ト ス ポ ッ
ト 部 位 は 、 主 要 な 細 胞 傷 害 性 Tリ ン パ 球 (CTL)[ア ミ ノ 酸 18∼ 30]領 域 お よ び ヘ ル パ ー T(TH )
細 胞 [ア ミ ノ 酸 50∼ 70]領 域 、 な ら び に そ れ ぞ れ 75∼ 90お よ び 120∼ 140ア ミ ノ 酸 残 基 の 2つ
の B細 胞 [HBc/e1お よ び HBc/e2]エ ピ ト ー プ と 連 結 さ れ て い る (Gunther et al, 1999 前 記 )
。
【0013】
特 定 の 慢 性 HBV感 染 集 団 を 理 解 す る た め に は 、 HBV感 染 の 自 然 歴 を 理 解 し な け れ ば な ら な
い 。 肝 硬 変 お よ び ま た は 肝 癌 を 発 症 し て い る 慢 性 HBV感 染 患 者 の 30% 以 下 に つ い て 、 HBVの
経過は、臨床試験または治療のために評価された各患者に対して個別に定義されねばなら
な い 。 HBeAg陰 性 の 慢 性 肝 炎 は 、 こ れ ま で の と こ ろ 遺 伝 子 型 A感 染 が 一 般 的 で な い 世 界 中 の
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いくつかの地域、例えば、アフリカ、アジア、中東、地中海盆地、および南アメリカにお
い て HBVに 起 因 す る 慢 性 肝 炎 の 優 勢 型 を 表 し て い る 。
【0014】
HBeAgか ら 抗 HBeAg抗 体 へ の 重 要 な 自 発 的 セ ロ コ ン バ ー ジ ョ ン (お よ び HBV DNAレ ベ ル の 付
随 的 減 少 )は 、 毎 年 、 慢 性 B型 肝 炎 保 菌 者 (野 生 型 ウ イ ル ス を 有 す る 患 者 中 )の 1∼ 10% に 起
こ る が 、 HBVの 肝 臓 か ら の 排 除 を 伴 う HBsAgか ら 抗 HBsAg抗 体 へ の セ ロ コ ン バ ー ジ ョ ン は 、
非 常 に 稀 で あ る (年 1% 以 下 )。
【0015】
慢 性 HBV感 染 は 、 6ヶ 月 よ り 多 い HBsAgの 持 続 と し て 定 義 さ れ る 。 HBVの 持 続 は 、 共 有 結 合
で 閉 じ ら れ た 環 (cccDNA)の 安 定 な 性 質 、 免 疫 学 的 特 権 部 位 の 感 染 お よ び /ま た は HBV特 異 的
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免 疫 抑 制 に 起 因 す る 可 能 性 が あ る 。 HBeAgは 、 FASに 媒 介 さ れ る ア ポ ト ー シ ス を 介 し て HBeA
g特 異 的 Th1 CD4+T細 胞 お よ び HBcAg特 異 的 Th1 CD4+T細 胞 を 枯 渇 さ せ る こ と に よ っ て 、 HBV
の 持 続 に 役 割 を 果 た す と 考 え ら れ て い る (Milich et al, J. Immunol 160:2013-21, 1998)
。 HBeAgは 胎 盤 を 通 過 す る 、 そ れ に よ っ て 新 生 児 に お い て HBVへ の 耐 性 を 確 立 す る こ と が で
き 、 垂 直 感 染 で 持 続 性 の HBV感 染 の 頻 度 を 増 加 さ せ る 。 Th1/Th2応 答 の 不 均 衡 が 、 IL-4お よ
び IL-10な ど の 抗 炎 症 性 サ イ ト カ イ ン の 産 生 に よ る HBeAg特 異 的 CD8+T細 胞 応 答 お よ び HBcAg
特 異 的 CD8+T細 胞 応 答 な ら び に Th1エ フ ェ ク タ ー 細 胞 の 抑 制 を 促 進 す る (Ferrari et al, J
Immunol. 145: 3442-9, 1990; Milich et al, 1998 前 記 ; Milich et al, Proc Natl Aca
d Sci USA. 92:6847-51, 1995)。 ま た 、 慢 性 HBV感 染 個 体 に お い て 全 身 性 の CD4+T細 胞 反 応
低 下 を 引 き 起 こ し 得 る 他 の 機 構 も 存 在 す る 。 そ れ は 分 裂 促 進 因 子 に 対 す る 応 答 が HBV陰 性
40
対 照 と 比 較 し て 減 少 し 、 抗 HBV治 療 で HBVウ イ ル ス 量 が 減 少 し た 後 に 増 加 す る た め で あ る (B
oni et al, J Clin Invest. 102:968-75, 1998)。 こ の T細 胞 の 「 反 応 低 下 」 は 、 IFN-γ 、
TFN-α お よ び IL-12産 生 が 減 少 し 、 従 っ て CD8+T細 胞 応 答 の 刺 激 が 減 少 し た 、 HBV感 染 樹 状
細 胞 に お け る 機 能 低 下 か ら 生 じ 得 る (Beckebaum et al, Immunology. 109:487-95, 2003)
。
【0016】
概 し て 、 首 尾 よ く 感 染 を 除 去 し た 個 体 と 比 較 し て 、 持 続 性 の HBV感 染 で は HBV特 異 的 な CD
4+お よ び CD8+の 機 能 的 T細 胞 が 減 少 し て い る 。 HLA-A2陽 性 の 慢 性 保 菌 者 に お け る 全 HBV抗 原
ま た は 定 義 済 み の エ ピ ト ー プ に 対 す る 増 殖 応 答 で 評 価 し た 場 合 、 持 続 性 の HBV感 染 個 体 に
お い て 、 HBV特 異 的 CD8+T細 胞 応 答 は 有 意 に 減 少 し て い る (Ferrari et al, J Immunol. 145
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:3442-9, 1990; Maini et al, J Exp Med. 191:1269-80, 2000)。 特 に 、 HBeAg陽 性 の 慢 性
保 菌 者 に お い て 、 コ ア エ ピ ト ー プ (領 域 c18-27中 )を 認 識 す る 特 異 的 CD8+T細 胞 は 、 四 量 体
で 測 定 し た 場 合 ほ ぼ 検 出 不 可 能 で あ り 、 IFN-γ を 産 生 す る 能 力 が 減 弱 し て い る 。 ま た 、 HB
V特 異 的 CD8+T細 胞 は 、 炎 症 反 応 を 起 こ し 得 る 肝 臓 に も 見 出 さ れ る が 、 HBV感 染 の 除 去 に は
効 果 が な い (Jung et al, Virology. 261:165-72, 1999; Maini et al, 2000 前 記 )。
【0017】
宿 主 と ウ イ ル ス の 関 係 と い う の は 、 HBVな ど の 多 く の ウ イ ル ス が そ れ ら の 不 可 視 性 を 最
大化しようと試みるのに対し、宿主が感染を予防および根絶しようと試みる動的なプロセ
スである。最初に、ウイルスは、自己複製して他の細胞を感染させるために、標的細胞と
結合し、標的細胞に侵入して適当な細胞コンパートメントへ移動しなければならない。感
10
染 し た 細 胞 は 、 ウ イ ル ス に 誘 発 さ れ て ウ イ ル ス の 複 製 サ イ ク ル の 1つ ま た は 複 数 の 段 階 を
阻 害 す る サ イ ト カ イ ン (例 え ば TNF-α お よ び IFN-γ )を 産 生 す る 可 能 性 が あ り 、 そ れ に よ っ
て感染の範囲を制限する。
【0018】
宿主の単球およびマクロファージは、ウイルスへの初期応答において、感染に間接的お
よ び 直 接 的 な 効 果 を 有 す る 炎 症 促 進 性 サ イ ト カ イ ン 、 例 え ば IL-1、 TNF-α 、 IL-6、 IL-12
お よ び IL-18を 分 泌 す る こ と で 重 要 な 役 割 を 果 た す 。 単 球 お よ び マ ク ロ フ ァ ー ジ は さ ら に
単 球 、 ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー (NK)細 胞 お よ び T細 胞 を 補 充 し て 機 能 を 遂 行 で き 、 さ ら に 適 切 な T
h機 能 を 切 り 替 え て ウ イ ル ス の 根 絶 を 促 進 で き る 。
【0019】
20
これらの炎症促進性サイトカインの産生をもたらす、微生物病原体に対する自然免疫は
、 ト ー ル 様 受 容 体 (Toll Like Receptor, TLR)の 活 性 化 の 結 果 と し て 生 じ る 。 TLRは パ タ ー
ン認識受容体の主要なクラスとして同定されている。細菌産物、例えばエンドトキシンお
よ び ペ プ チ ド グ リ カ ン に 関 与 す る TLRの 役 割 は 、 近 年 明 ら か に さ れ た (Akashi et al., J I
mmunol. 164: 3471-3475, 2000; Takeuchi et al., Immunity, 11: 443-451, 1999; Tapp
ing et al., J Immunol. 165: 5780-5787, 2000)。 13個 よ り 多 い TLRが 同 定 さ れ 、 そ れ ら
は多数の異なる細菌による活性化に重要な役割を果たしている。近年、このことは、ネズ
ミ モ デ ル に お い て 呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル ス (RSV)が TLR-4を 刺 激 す る こ と が 証 明 さ れ た ウ イ ル
ス へ も 及 ん で い る (Kurt-Jones et al., Nat Immunol. 1: 398-401, 2000; Haeberle et a
l., J Infect Dis. 186: 1199-1206, 2002)。 さ ら に 、 麻 疹 ウ イ ル ス (MV)は 、 TLR-2依 存 シ
30
グ ナ ル を 活 性 化 さ せ る こ と が 示 さ れ て お り (Bieback et al., J Virol. 76: 8729-8736, 2
002)、 二 本 鎖 RNA(多 く の ウ イ ル ス の コ ア )は 、 TLR-3に よ る 応 答 を 直 接 媒 介 す る こ と が 示 さ
れ て い る (Matsumoto et al., Biochem Biophys Res Commun. 293: 1364-1369, 2002)。
【0020】
TLRの リ ガ ン ド に よ る 刺 激 は 、 細 胞 内 シ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 複 雑 な ネ ッ ト ワ ー ク の 活 性 化
を惹起してその後の炎症応答を調整する。これらのシグナル伝達ネットワークの重要な成
分 は 、 ア ダ プ タ ー タ ン パ ク 質 MyD88(お よ び 関 連 タ ン パ ク 質 )、 数 個 の プ ロ テ イ ン キ ナ ー ゼ (
IRAK-1、 p38 MAPキ ナ ー ゼ お よ び Iκ Bキ ナ ー ゼ を 含 む )、 TRAF6お よ び 転 写 因 子 NF-κ Bで あ
る (図 7)。 NF-κ Bの 活 性 化 は 、 種 々 の 炎 症 促 進 性 メ デ ィ エ ー タ ー (例 え ば TNFα 、 IL-1、 IL6お よ び MCP-1)の 発 現 を 引 き 起 こ す (Akira, S. J Biol Chem 278, 38105-8; 2003; Barton
40
, G. M. & Medzhitov, R. Science 300, 1524-5 2003; Beutler, B., et al., J Leukoc
Biol 74, 479-85; 2003)。 ま た 、 TLR3お よ び TLR4は 、 ア ダ プ タ ー 分 子 TRIF(TLR3と TLR4に
関 す る )お よ び TRAM(TLR4に 関 す る )の 関 与 す る MyD88非 依 存 性 経 路 を 介 し て シ グ ナ ル 伝 達 が
可 能 で あ る Lien, E. & Golenbock, D. T. Nat Immunol 4, 1162-4, 2003。
【0021】
TLR活 性 化 の 際 に 伝 達 さ れ る シ グ ナ ル は 、 次 に 特 異 的 免 疫 応 答 の 活 性 化 を 制 御 す る 。 特
異的免疫系は、自然免疫系により認識され、処理された後、病原体に対してのみ応答する
と い う 証 拠 が あ る 。 T細 胞 受 容 体 は 、 活 性 化 を 生 じ さ せ る た め に ペ プ チ ド -MHC複 合 体 と 関
連 し て 抗 原 提 示 細 胞 の 表 面 に 発 現 さ れ る 共 刺 激 分 子 、 例 え ば CD80お よ び CD86を 必 要 と す る
。 こ れ ら の 共 刺 激 分 子 の 発 現 は 、 一 部 TLRに 制 御 さ れ る (Pasare, C. & Medzhitov, R. Cur
50
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r Opin Immunol 15, 677-82, 2003)。 ま た 、 そ れ ら は B細 胞 を 活 性 化 さ せ て リ ウ マ チ 因 子
を 産 生 す る 際 に も 重 要 で あ る (Leadbetter, E. A. et al. Nature 416, 603-7 2002)。
【0022】
病 原 体 に 媒 介 さ れ る TLRの 下 方 制 御 の 役 割 を 調 査 す る こ と 、 お よ び 自 然 免 疫 系 を 補 助 す
ることにより感染と戦う機構を開発することが必要である。
【発明の開示】
【0023】
発明の概要
本 明 細 書 を 通 じ て 、 文 脈 上 他 の 意 味 に 解 す べ き 場 合 を 除 き 、 「 含 む (comprise)」 と い う
単 語 、 ま た は 「 含 む (comprises)」 も し く は 「 含 ん で い る (comprising)」 な ど の 変 化 形 は
10
、明記した要素もしくは整数または要素もしくは整数の群を包含することを意味するが、
任意の他の要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の排除を意味するものではない
と理解される。
【0024】
本 発 明 は 、 HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 に よ り そ の 発 現 ま た は 活 性
が 改 変 さ れ る 細 胞 表 面 マ ー カ ー を 同 定 す る 。 細 胞 表 面 マ ー カ ー は 自 然 免 疫 に 関 与 し 、 HBV
によって指定される分子はこれらのマーカーのレベルまたは活性を特異的に調節すること
が 提 唱 さ れ る 。 従 っ て 、 細 胞 表 面 マ ー カ ー お よ び HBVに 特 定 さ れ る エ フ ェ ク タ ー 分 子 は 、
有 用 な 治 療 標 的 お よ び /ま た は 診 断 標 的 で あ る 。 特 に 、 本 発 明 は 、 HBVに 特 定 さ れ る 抗 原 の
存 在 下 で ト ー ル 様 受 容 体 (TLR)の 調 節 を 同 定 す る 、 従 っ て 抗 原 と TLRの 双 方 が 、 HBV感 染 の
20
ための、かつ治療プロトコールをモニターするための有用な治療マーカーおよび診断マー
カ ー で あ る 。 さ ら に よ り 特 定 の 態 様 で は 、 HBVに 特 定 さ れ る エ フ ェ ク タ ー 分 子 は 、 細 胞 内
型 P22も し く は P25な ど の プ レ コ ア タ ン パ ク 質 で あ る か 、 HBeAgな ど の そ の 分 泌 さ れ た 形 態
で あ る 。 集 合 的 に 、 本 明 細 書 に お い て こ れ ら の 分 子 は 「 HBeAg/P22」 と 称 す る 。
【0025】
本 発 明 の 好 ま し い 態 様 に 従 っ て 、 TLR、 特 に TLR-2お よ び TLR-4は 、 HBVも し く は そ の 突 然
変 異 型 に よ る 感 染 の 後 、 肝 細 胞 上 ま た は 肝 細 胞 中 で HBeAg/P22の 存 在 も し く は 非 存 在 に よ
り 異 な っ て 影 響 さ れ る こ と が 認 識 さ れ る 。 HBVの 突 然 変 異 と し て は 、 プ レ コ ア 突 然 変 異 お
よ び /ま た は BCP突 然 変 異 が 挙 げ ら れ る 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 (P22)も し く は そ の 分 泌 さ れ
た 形 態 (HBeAg)な ら び に TLR、 特 に TLR-2お よ び TLR-4は 、 従 っ て 、 HBVに よ る 感 染 を 治 療 す
30
るための、または予防に役立つワクチンを含む治療薬または予防薬の有用な標的である。
こ れ ら は ま た 、 被 験 体 が HBVに 感 染 し た か ま た は 感 染 し て い る か ど う か 、 あ る い は 被 験 体
に持続感染の素因があるかまたは被験体が持続感染しているかどうか、または別の疾患状
態であるかどうかを判定する有用な診断標的でもあり、さらに臨床上または疫学上の管理
ツールとして用いることができる。
【0026】
特 に 、 HBVに よ る 感 染 は 、 結 果 と し て 感 染 プ ロ セ ス を 促 進 す る TLRの 下 方 制 御 を も た ら す
。 プ レ コ ア 突 然 変 異 な ど の 突 然 変 異 HBVに よ る 感 染 は 、 結 果 と し て TLRの 上 方 制 御 を も た ら
す。
【0027】
40
従 っ て 、 本 発 明 は 、 HBVに 特 定 さ れ る HBeAg/P22な ど の エ フ ェ ク タ ー 分 子 な ら び に /ま た
は TLR-2お よ び TLR-4な ど の TLRの レ ベ ル を 調 節 す る こ と の で き る 治 療 薬 お よ び /ま た は 予 防
薬 を 提 供 す る 。 HBVに 特 定 さ れ る エ フ ェ ク タ ー 分 子 に は 、 TLR-2ま た は TLR-4な ど の TLRを 上
方 制 御 ま た は 下 方 制 御 す る (す な わ ち 調 節 す る )任 意 の 分 子 が 含 ま れ る 。 例 え ば 、 HBVに お
い て 、 エ フ ェ ク タ ー 分 子 は HBeAg/P22で あ る 。
【0028】
さ ら に 、 本 発 明 は 、 HBVに よ る 感 染 の 存 在 ま た は 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因 を 検 出 す る
た め の 方 法 を 提 供 し 、 該 方 法 は TLRシ グ ナ ル 伝 達 の レ ベ ル を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー
分子の存在もしくは非存在を判定する段階を含み、該エフェクター分子の存在もしくは非
存 在 、 ま た は TLRの レ ベ ル の 高 低 、 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 内 の 成 分 が 、 HBVに よ る 感
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染または関連する疾患状態もしくはその素因の存在の指標となる。
【0029】
さ ら に 、 本 発 明 は 、 TLRの レ ベ ル を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在 お よ び /ま
た は レ ベ ル に よ り HBVに よ る 感 染 を 診 断 ま た は 評 価 す る た め の 方 法 、 あ る い は 肝 細 胞 で の T
LR-2お よ び /ま た は TLR-4な ど の TLRの レ ベ ル を 判 定 す る た め の 方 法 を 提 供 す る 。
【0030】
ま た 、 本 発 明 は 、 TLRシ グ ナ ル 伝 達 の レ ベ ル を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在
お よ び /ま た は レ ベ ル を 判 定 す る こ と に よ る 、 あ る い は 肝 細 胞 で TLRお よ び シ グ ナ ル 伝 達 経
路 の 成 分 、 例 え ば TLR-2お よ び /ま た は TLR-4お よ び NFκ β な ど の レ ベ ル を 判 定 す る こ と に
よ る 、 HBVに よ る 感 染 の 診 断 ま た は 評 価 の た め の 方 法 を 提 供 す る 。
10
【0031】
従 っ て 、 本 発 明 は 、 HBVも し く は そ の 突 然 変 異 体 に よ る 感 染 ま た は 感 染 に 対 す る 素 因 ま
た は 感 染 の 持 続 の 治 療 、 予 防 お よ び /ま た は 診 断 、 あ る い は 感 染 の 排 除 に 有 用 な 治 療 薬 お
よ び 診 断 薬 な ら び に こ れ を 含 む 組 成 物 を 意 図 す る 。 本 発 明 の 本 局 面 は 特 に 、 HBV感 染 の 治
療 お よ び 診 断 、 な ら び に プ レ コ ア 突 然 変 異 を 含 む HBVに よ る 感 染 ま た は プ レ コ ア 突 然 変 異
を 含 ま な い HBVに よ る 感 染 を 区 別 す る こ と に 及 ぶ 。
【0032】
ま た 、 本 発 明 は 、 HBVに 感 染 し た か ま た は 疾 患 状 態 を 有 す る か ま た は そ の 素 因 を 有 す る
被験体を治療する方法を提供し、該方法は、細胞内もしくは細胞外のプレコア発現産物の
レ ベ ル を 下 方 制 御 す る か ま た は TLRの レ ベ ル を 上 方 ま た は 下 方 制 御 す る ワ ク チ ン を 含 む 、
20
有効量の薬剤を該被験体へ投与する段階を含む。
【0033】
本発明はさらに、治療に対する応答をモニターすると同時に治療計画の有効性を判定す
るための方法を提供する。
【0034】
さ ら に 、 本 発 明 は 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 疾 患 状 態 の 進 行 に 対 す る 治 療 プ ロ ト コ ー ル へ
の 応 答 を モ ニ タ ー す る た め の 方 法 を 意 図 し 、 該 方 法 は TLRシ グ ナ ル 伝 達 を 調 節 す る HBV特 定
エフェクター分子のレベルまたは活性を判定する段階を含み、該エフェクター分子の存在
も し く は 非 存 在 、 ま た は TLRの レ ベ ル の 高 低 、 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 内 の 成 分 が 、 HB
Vに よ る 感 染 ま た は 関 連 す る 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因 の 存 在 の 指 標 と な る 。
30
【0035】
好ましい哺乳類はヒトである。また、動物モデルも本発明により意図される。
【0036】
好ましい態様の詳細な説明
本 発 明 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 も し く は HBeAgな ど の そ の 分 泌 さ れ た 形 態 を 産 生 す る HBV
に よ る 感 染 は 、 肝 細 胞 (肝 実 質 細 胞 お よ び ク ッ パ ー 細 胞 を 含 む )お よ び PBMC(末 梢 単 球 を 含
む )に お い て TLR-2お よ び TLR-4の レ ベ ル を 低 下 さ せ る が 、 プ レ コ ア 突 然 変 異 お よ び /ま た は
BCP突 然 変 異 を 有 す る HBVに よ る 感 染 は 、 TLR-2お よ び TLR-4を 上 方 制 御 さ せ 、 さ ら に TLRシ
グ ナ ル 伝 達 を 調 節 す る 可 能 性 も あ る と い う 決 定 に 基 づ い て 述 べ ら れ て い る 。 TLR-2お よ び T
LR-4の レ ベ ル の 調 節 を 、 HBVに 特 定 さ れ る エ フ ェ ク タ ー 分 子 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 も し く
40
は HBeAgな ど の そ の 分 泌 さ れ た 形 態 に よ り 判 定 し た 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 も し く は HBeAgな
ど の そ の 分 泌 さ れ た 形 態 の 存 在 、 非 存 在 ま た は レ ベ ル 、 あ る い は TLR-2お よ び TLR-4の レ ベ
ル 、 な ら び に /あ る い は プ レ コ ア タ ン パ ク 質 も し く は HBeAgな ど の そ の 分 泌 さ れ た 形 態 の 機
能 ま た は 活 性 は 、 HBV感 染 ま た は 感 染 の 原 因 と な る HBVの 種 類 ま た は HBV感 染 の 素 因 も し く
は 持 続 の 診 断 指 標 を 提 供 す る 。 さ ら に 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 も し く は HBeAgな ど の そ の 分
泌 さ れ た 形 態 、 TLR-2お よ び TLR-4は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 も し く は HBeAgな ど の そ の 分 泌
さ れ た 形 態 ま た は TLR-2お よ び /も し く は TLR-4レ ベ ル ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 を
調節するワクチンを含む薬剤の治療標的となる。
【0037】
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 も し く は HBeAgな ど の そ の 分 泌 さ れ た 形 態 は 、 以 下 「 プ レ コ ア タ ン
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パ ク 質 /HBeAg」 と 称 す る 。 本 発 明 は 、 プ レ コ ア 突 然 変 異 、 例 え ば 切 断 、 点 突 然 変 異 も し く
は ヌ ル 突 然 変 異 を 有 す る HBV変 異 体 、 お よ び ま た HBVプ レ コ ア 遺 伝 子 の 転 写 を 下 方 制 御 す る
BCP突 然 変 異 を 含 む HBV変 異 体 に 及 ぶ 。
【0038】
従 っ て 、 本 発 明 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgな ら び に /ま た は TLRお よ び 特 に TLR-2お
よ び /も し く は TLR-4、 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 の レ ベ ル を 調 節 す る 薬 剤 、 プ レ
コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgな ら び に /ま た は TLR-2お よ び /も し く は TLR-4な ら び に /ま た は TLRシ
グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 の レ ベ ル を 判 定 す る 診 断 薬 な ら び に HBV感 染 に 対 す る ワ ク チ ン の 開
発 を 含 む 感 染 の 治 療 お よ び /も し く は 予 防 の た め の 方 法 を 提 供 す る 。
【0039】
10
本発明は、さらに治療プロトコールに対する応答をモニターすると同時に治療計画の有
効性を判定するための方法を意図する。特に、本発明は、哺乳類などの動物において、さ
らに特にヒトにおいて、他の疾患状態の感染および進行のための臨床的または疫学的管理
ツールを提供する。
【0040】
本 発 明 は 、 さ ら に TLRレ ベ ル ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 に 基 づ い て 、 プ レ コ ア タ
ン パ ク 質 /HBeAgを 産 生 す る HBVま た は 産 生 し な い ウ イ ル ス (す な わ ち 、 プ レ コ ア お よ び /ま
た は BCP突 然 変 異 体 )に よ る 感 染 の 識 別 を 可 能 に す る 。
【0041】
従 っ て 、 本 発 明 の 一 局 面 は 、 TLRの レ ベ ル も し く は 活 性 を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー
20
分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 を 判 定 す る 段 階 、 ま た は TLRも し く は そ の ホ モ ロ グ の レ ベ ル も
し く は 活 性 を 判 定 す る 段 階 を 含 み 、 該 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 ま た は TLR
も し く は そ の ホ モ ロ グ の レ ベ ル の 高 低 が 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 関 連 す る 疾 患 状 態 も し く
は そ の 素 因 の 存 在 の 指 標 と な る 、 HBVに よ る 感 染 の 存 在 ま た は 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因
を検出するための方法を意図する。
【0042】
特 に 、 本 発 明 は 、 TLRシ グ ナ ル 伝 達 の レ ベ ル を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の 存 在
もしくは非存在を判定する段階を含み、該エフェクター分子の存在もしくは非存在、また
は TLRの レ ベ ル の 高 低 、 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 内 の 成 分 が 、 HBVに よ る 感 染 、 ま た は
関 連 す る 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因 の 存 在 の 指 標 と な る 、 HBVに よ る 感 染 の 存 在 ま た は 疾
30
患状態もしくはその素因を検出するための方法を提供する。
【0043】
さ ら に 、 本 発 明 の 別 の 局 面 は 、 TLRの レ ベ ル も し く は 活 性 を 調 節 す る HBV特 定 エ フ ェ ク タ
ー 分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 を 判 定 す る 段 階 、 あ る い は TLR、 ま た は そ の ホ モ ロ グ 、 ま た
は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 の レ ベ ル ま た は 活 性 を 判 定 す る 段 階 を 含 み 、 該 エ フ ェ ク タ
ー 分 子 の 存 在 も し く は 非 存 在 ま た は TLRも し く は そ の ホ モ ロ グ の レ ベ ル の 高 低 ま た は そ の T
LRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 が HBVに よ る 感 染 あ る い は 関 連 す る 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因
の 存 在 の 指 標 と な る 、 HBVに よ る 感 染 の 存 在 ま た は 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因 を 検 出 す る
ための方法を意図する。
【0044】
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本 発 明 の 別 の 態 様 は 、 HBVに 特 定 さ れ る エ フ ェ ク タ ー 分 子 の レ ベ ル ま た は 活 性 あ る い は T
LRま た は そ の ホ モ ロ グ の レ ベ ル ま た は 活 性 を 判 定 す る 段 階 を 含 み 、 該 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の
存 在 も し く は 非 存 在 ま た は TLRも し く は そ の ホ モ ロ グ の レ ベ ル の 高 低 、 TLRシ グ ナ ル 伝 達 経
路 の 成 分 が 、 HBVに よ る 感 染 あ る い は 関 連 す る 疾 患 状 態 も し く は そ の 素 因 の 存 在 の 指 標 と
な る 、 HBVに よ る 感 染 ま た は 疾 患 状 態 の 進 行 に 対 す る 治 療 プ ロ ト コ ー ル へ の 応 答 を モ ニ タ
ーするための方法を提供する。
【0045】
本 発 明 の さ ら に ま た 別 の 局 面 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを 下 方 制 御 す る か 、 あ る い
は TLRの レ ベ ル ま た は シ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 を 上 方 制 御 す る か ま た は 下 方 制 御 す る ワ ク
チ ン を 含 む 有 効 量 の 薬 剤 を 被 験 体 へ 投 与 す る 段 階 を 含 む 、 HBVに 感 染 し た か ま た は 疾 患 状
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態を有するかまたはその素因を有する被験体を治療する方法に向けられる。
【0046】
本発明を詳細に記載する前に、特に断りのない限り、本発明は、特定の成分の製剤、製
造方法、投与計画などに限定されず、それ自体変動し得ることが当然理解される。また、
本明細書において用いられる用語は、特定の態様を説明する目的のためのみに用いられ、
限定する目的で用いられるものではないことも当然理解される。
【0047】
本 明 細 書 に お い て 用 い ら れ る 単 数 形 の 「 1つ の (a)」 、 「 1つ の (an)」 お よ び 「 そ の (the)
」は、文脈上明確にそうでないことが指示されている場合を除いて、複数の局面を含むこ
と に 留 意 し な け れ ば な ら な い 。 従 っ て 、 例 え ば 、 1つ の 「 化 合 物 」 へ の 言 及 に は 単 一 の 化
10
合 物 の ほ か に 2つ 以 上 の 化 合 物 も 含 ま れ る ; 「 1つ の 活 性 物 質 」 に は 単 一 の 活 性 物 質 の ほ か
に 2つ 以 上 の 活 性 物 質 が 含 ま れ る ; な ど 。
【0048】
本発明の記載および請求において、下記の定義に従って以下の用語が用いられる。
【0049】
用語「化合物」、「活性物質」、「薬理学的活性物質」、「医薬品」、「活性物」およ
び 「 薬 物 」 は 本 明 細 書 に お い て 同 義 的 に 用 い ら れ 、 所 望 の 薬 理 学 的 お よ び /ま た は 生 理 学
的効果を誘発する化学物質を指す。また、これらの用語は、限定されるものではないが、
塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、類似体などをはじめとする本明細書
において具体的に言及される活性物質の薬学的に許容される成分および薬理学的に活性の
20
ある成分を包含する。用語「化合物」、「活性物質」、「薬理学的に活性のある物質」、
「医薬品」、「活性のある」および「薬物」が用いられる場合、それ自体活性な物質、な
らびに薬学的に許容される、薬理学的に活性のある塩、エステル、アミド、プロドラッグ
、代謝生成物、代謝産物、類似体、その他を含むことも当然理解される。用語「化合物」
は、化学物質という意味のみに解釈されるべきでなく、ペプチド、ポリペプチドおよびタ
ン パ ク 質 な ら び に RNA、 DNAお よ び そ の 化 学 類 似 体 な ど の 遺 伝 分 子 に も 及 ぶ 。 「 ペ プ チ ド 」
、「ポリペプチド」、または「タンパク質」への言及には、多糖またはリポ多糖成分を備
え る 分 子 が 含 ま れ る 。 用 語 「 ア ン タ ゴ ニ ス ト 」 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は 他 の
病 原 体 特 異 的 エ フ ェ ク タ ー 分 子 の レ ベ ル を 下 方 制 御 す る か 、 あ る い は TLRを 下 方 制 御 す る
化合物、活性物質、薬理学的活性物質、医薬品、活性物、および薬物の例である。「アゴ
30
ニ ス ト 」 ま た は 「 増 強 剤 」 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR、 例 え ば TLR-2も し く
は TLR-4の レ ベ ル を 上 方 制 御 す る 。
【0050】
本 発 明 は 、 ワ ク チ ン 、 な ら び に 化 合 物 あ る い は TLR-2お よ び /も し く は 4の ア ゴ ニ ス ト ま
た は ア ン タ ゴ ニ ス ト お よ び ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 ま た は 抗 プ レ コ ア /HBeAg抗 体 、 ま た は 抗 ウ
イ ル ス 性 サ イ ト カ イ ン (例 え ば 、 IFN-α 、 IFN-γ 、 IL-2、 TNF-α )ま た は 他 の 免 疫 調 節 薬 な
どの物質の組み合わせに及ぶ。
【0051】
従 っ て 、 本 発 明 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR-2お よ び /も し く は TLR-4な ど
の TLRの レ ベ ル を 調 節 す る 際 に 有 用 な 、 あ る い は 一 般 の ま た は 特 異 的 TLRシ グ ナ ル 伝 達 を 増
40
強 す る 際 に 有 用 な 化 合 物 を 意 図 す る 。 こ れ ら の 化 合 物 は 、 HBVに よ る 感 染 の 緩 和 ま た は 予
防 ま た は 治 療 、 あ る い は 別 の 疾 患 状 態 の 治 療 に 効 果 が あ る 。 調 節 さ れ る TLRを 保 有 す る 好
ましい細胞としては肝細胞が挙げられる。肝細胞としては肝実質細胞が挙げられる。「化
合物」、「活性物質」、「薬理学的活性物質」、「医薬品」、「活性物」、および「薬物
」 へ の 言 及 に は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgの ア ン タ ゴ ニ ス ト ま た は TLRも し く は TLRシ グ
ナ ル 伝 達 の ア ゴ ニ ス ト も し く は 増 強 剤 な ど の 2つ 以 上 の 活 性 物 の 組 合 せ が 含 ま れ る 。 ま た
、「組合せ」には、薬剤が別々に提供されて投与されるか、別々に投薬されるか、または
投 薬 前 に 混 合 さ れ る 2部 分 な ど の 複 数 部 分 の 薬 学 的 組 成 物 が 含 ま れ る 。
【0052】
例 え ば 、 複 数 部 分 の 薬 学 的 パ ッ ク は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRの 調 節 因 子
50
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お よ び 1つ ま た は 複 数 の 抗 菌 薬 も し く は 抗 ウ イ ル ス 薬 を 有 し 得 る 。 用 語 「 調 節 (modulating
)」 ま た は 「 調 節 す る (modulate)」 ま た は 「 調 節 (modulation)」 な ど の そ の 誘 導 体 は 、 上
方制御または下方制御を説明するために用いられる。
【0053】
本明細書において薬剤の「有効量」および「治療上有効量」という用語は、所望の治療
効果または生理的効果を提供するのに十分な薬剤の量を意味する。さらに、薬剤の「効果
的 な HBeAg調 節 量 ま た は 効 果 的 な TLR調 節 量 」 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgの 機 能 を 直 接
的 も し く は 間 接 的 に 上 方 制 御 も し く は 下 方 制 御 す る 、 ま た は TLR-2も し く は TLR-4な ど の 特
定 の TLRを 上 方 制 御 も し く は 下 方 制 御 す る 、 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 を 増 強 す る の に 十 分 な
薬 剤 の 量 で あ る 。 こ れ は 、 例 え ば 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgの ア ン タ ゴ ニ ス ト と し て 、
10
ま た は TLRも し く は そ の シ グ ナ ル 伝 達 成 分 、 例 え ば TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 も し く は そ
の 模 倣 物 で あ る 薬 剤 の ア ゴ ニ ス ト (す な わ ち 増 強 剤 )と し て 作 用 す る 薬 剤 に よ っ て 、 他 の 細
胞 受 容 体 を 介 し て TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 を 誘 発 す る 薬 剤 に よ っ て 、 あ る い は TLRシ グ ナ ル 伝
達成分の阻害剤を拮抗する薬剤によって達成され得る。望ましくない効果、例えば副作用
が所望の治療効果とともに時々現れる;従って、実行者は適切な「有効量」を決定する際
に見込まれる恩典と潜在的リスクの均衡を保たせる。必要とされる正確な量は、被験体の
種、年齢、および全体的な健康状態、投与方法などに応じて、被験体によって変動するこ
とになる。従って、正確な「有効量」を特定することは不可能であると考えられる。しか
し、任意の個々の場合における適切な「有効量」は、日常的な実験のみを用いて当業者に
よって決定され得る。
20
【0054】
「薬学的に許容される」担体、賦形剤または希釈液とは、生物学的にもあるいはその他
の点でも望ましい薬学的媒体を意味し、すなわちその物質はいかなる副作用も起こさずに
、または実質的な副作用を起こさずに、選択された活性物質とともに被験体へ投与するこ
とができる。担体には、賦形剤、および、希釈剤、界面活性剤、着色剤、湿潤剤または乳
化 剤 、 pH緩 衝 剤 、 防 腐 剤 な ど の 他 の 添 加 剤 が 含 ま れ 得 る 。 ま た 、 薬 学 的 組 成 物 は 、 処 方 に
応じてワクチン組成物と記述されることもある。
【0055】
同様に、本明細書において提供される「薬理学的に許容される」塩、エステル、アミド
、プロドラッグまたは化合物の誘導体とは、生物学的にもあるいはその他の点でも望まし
30
い塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは誘導体である。
【0056】
本 明 細 書 に お い て 用 い ら れ る 用 語 「 治 療 (treating)」 お よ び 「 治 療 (treatment)」 と は
、 感 染 ま た は 疾 患 の 症 状 の 重 篤 度 お よ び /ま た は 頻 度 の 低 下 、 症 状 お よ び /ま た は 根 本 的 な
原 因 の 排 除 、 感 染 症 状 お よ び /ま た は そ の 根 本 的 原 因 の 発 生 の 予 防 な ら び に 障 害 の 好 転 ま
たは改善を指す。付随する障害は、例えばウイルス感染後であれば、肝硬変または肝細胞
癌などの肝臓障害であり得る。
【0057】
患者の「治療」は、感受性の高い個体における感染または他の疾患状態または有害な生
理的事象の予防、ならびに感染または他の疾患状態または、肝臓障害もしくは癌などの下
40
流の状態を抑制することによる臨床徴候を示す個体の治療を含み得る。一般に、そのよう
な 状 態 ま た 疾 患 は 感 染 で あ り 、 よ り 詳 細 に は ウ イ ル ス 感 染 で あ り 、 さ ら に 詳 細 に は HBVに
よる感染である。従って、例えば、感染を有する患者または感染を進行させる傾向のある
患者を「治療する」本方法は、感染または他の疾患の予防ならびに一度確立された感染ま
たは他の疾患状態の治療を包含する。
【0058】
「 HBV」 ま た は そ の 完 全 な 用 語 「 B型 肝 炎 ウ イ ル ス 」 へ の 言 及 は 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 ま
たは免疫薬などの特定の治療薬に耐性のある変異体をはじめとする、あらゆる変異体を含
む 。 特 に 重 要 な 変 異 体 は 、 HBVの プ レ コ ア お よ び /ま た は BCP突 然 変 異 体 で あ る 。
【0059】
50
(12)
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本明細書において用いられる「患者」とは、動物、好ましくは哺乳類をさし、より好ま
しくは本発明の医薬製剤および方法から恩恵を受け得るヒトを指す。本明細書に記載され
る医薬製剤および方法から恩恵を受け得る動物の種類に制限はない。ヒトであるかまたは
非ヒト動物であるかにかかわらず、患者は個体、被験体、動物、宿主またはレシピエント
と称され得る。本発明の化合物および方法は、ヒト医学、獣医学ならびに一般的に、家畜
学または野生動物の管理に用途を有する。
【0060】
本 発 明 の 化 合 物 は 、 大 分 子 も し く は 小 分 子 、 核 酸 分 子 (ア ン チ セ ン ス 分 子 も し く は セ ン
ス 分 子 を 含 む )、 ペ プ チ ド 、 ポ リ ペ プ チ ド も し く は タ ン パ ク 質 、 ま た は 、 RNAi複 合 体 も し
く は siRNA複 合 体 な ど の ハ イ ブ リ ッ ド 分 子 (RISC複 合 体 お よ び Dicer複 合 体 を 含 む )、 リ ボ ザ
10
イ ム 、 も し く は DNAzymeで あ っ て よ い 。 化 合 物 は 細 胞 へ の 進 入 を 促 進 す る よ う に 修 飾 さ れ
る必要がある可能性がある。化合物が細胞外受容体と相互作用する場合には、これは必要
で は な い 。 薬 剤 の 例 と し て は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRと 相 互 作 用 す る 化
学物質および抗体、またはプレコア発現を調節する遺伝分子が挙げられる。
【0061】
上記のように、好ましい動物はヒトである。
【0062】
実 験 動 物 の 例 (動 物 モ デ ル を 含 む )と し て は 、 マ ウ ス 、 ラ ッ ト 、 ウ サ ギ 、 モ ル モ ッ ト お よ
びハムスターが挙げられる。ウサギならびにラットおよびマウスなどのげっ歯類動物は、
便宜な試験系または動物モデルを提供する。家畜動物としては、ヒツジ、ウシ、ブタ、ヤ
20
ギ 、 ウ マ お よ び ロ バ が 挙 げ ら れ る 。 非 哺 乳 類 動 物 、 例 え ば 鳥 類 (ア ヒ ル な ど )、 ゼ ブ ラ フ ィ
ッ シ ュ 、 両 生 類 (オ オ ヒ キ ガ エ ル を 含 む )お よ び キ イ ロ シ ョ ウ ジ ョ ウ バ エ (Drosophila mela
nogaster)な ど の シ ョ ウ ジ ョ ウ バ エ (Drosophila)種 も 意 図 さ れ る 。
【0063】
従 っ て 、 本 発 明 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを 調 節 す る か (例 え ば 作 動 さ せ る ま た は
拮 抗 す る )、 あ る い は TLR-2お よ び /ま た は TLR-4な ど の TLRを 調 節 す る (す な わ ち 増 強 す る 、
ま た は 活 性 化 す る 、 ま た は 拮 抗 す る )薬 剤 を 提 供 す る 。
【0064】
本 発 明 は 、 候 補 薬 物 を 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR-2も し く は TLR-4な ど の TL
Rま た は そ の 一 部 と 接 触 さ せ る こ と を 含 む 、 こ の よ う な 薬 剤 の た め の ス ク リ ー ニ ン グ 方 法
30
を 意 図 す る 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR分 子 は 、 本 明 細 書 に お い て 「 標 的 」 ま
た は 「 標 的 分 子 」 と 称 さ れ る 。 ス ク リ ー ニ ン グ 手 法 は 、 (i)薬 物 と 標 的 と の 間 の 複 合 体 の
存 在 、 ま た は (ii)標 的 を コ ー ド す る 核 酸 分 子 の 発 現 レ ベ ル の 変 化 に つ い て ア ッ セ イ す る 段
階 を 含 む 。 ア ッ セ イ の 1つ の 形 式 は 、 競 合 的 結 合 ア ッ セ イ 法 を 含 む 。 こ の よ う な 競 合 的 結
合アッセイ法では、一般に標的を標識する。遊離している標的を任意の推定複合体から分
離 し 、 遊 離 し て い る (す な わ ち 複 合 体 化 し て い な い )標 識 の 量 が 標 的 分 子 に 対 す る 試 験 薬 剤
の結合の尺度である。また、遊離している標識でなく結合している標識を測定してもよい
。標的でなく化合物を標識して、試験される薬物の存在下および非存在下で標的に結合す
る 化 合 物 の 量 を 測 定 す る こ と も 可 能 で あ る 。 こ の よ う な 化 合 物 は 、 例 え ば 、 HBV感 染 の 治
療 ま た は 予 防 に 必 要 と さ れ る プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgの 調 節 因 子 ま た は TLRの 調 節 因 子
40
を見出す際に有用な標的を阻害する可能性がある。
【0065】
薬物スクリーニングの別の技法は、標的に対して適した結合親和性を有する化合物のハ
イ ス ル ー プ ッ ト ス ク リ ー ニ ン グ 法 を 提 供 し 、 こ れ は Geysen(国 際 公 開 公 報 第 84/03564号 )に
詳細に記載されている。簡潔に述べると、プラスチックピンまたは他の表面などの固相担
体上で、多数の異なる小ペプチド試験化合物を合成する。ペプチド試験化合物を標的と反
応させ、洗浄する。次に、結合した標的分子を当技術分野において周知の方法により検出
する。本方法は非ペプチド化学物質のスクリーニングに適合させることができる。従って
、 こ の 局 面 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR-2も し く は TLR-4な ど の TLRの 標 的 調
節因子のスクリーニングのための組合せ方法にまで及ぶ。
50
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【0066】
精製された標的を、上記の薬物スクリーニング技法において用いるプレート上に直接コ
ーティングすることができる。しかし、標的に対する非中和抗体を用いて標的を固相上に
固 定 化 す る こ と も で き る 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgに 特 異 的 な 抗 体 も ま た 、 プ レ コ ア タ
ン パ ク 質 /HBeAgの 阻 害 剤 と し て 有 用 で あ る 可 能 性 が あ る 。
【0067】
また、本発明は、標的と特異的に結合することの可能な中和抗体が、標的もしくはその
断片に対する結合に関して試験化合物と競合する、競合的な薬物スクリーニングアッセイ
の 使 用 も 意 図 す る 。 本 方 法 で は 、 抗 体 を 用 い て 標 的 の 1つ ま た は 複 数 の 抗 原 決 定 基 を 共 有
する任意のペプチドの存在を検出することができる。
10
【0068】
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRに 対 す る 抗 体 は 、 ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗 体 で あ っ て も
モノクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体であるのが好ましい。抗体は
、 多 数 の 手 段 の い ず れ か に よ っ て 調 製 す る こ と が で き る 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た
は TLRの 検 出 の た め 、 抗 体 は 、 必 然 的 で は な い が 一 般 的 に 非 ヒ ト 動 物 、 例 え ば 霊 長 類 、 家
畜 動 物 (例 え ば ヒ ツ ジ 、 ウ シ 、 ブ タ 、 ヤ ギ 、 ウ マ )、 実 験 動 物 (例 え ば マ ウ ス 、 ラ ッ ト 、 モ
ル モ ッ ト 、 ウ サ ギ )お よ び コ ン パ ニ オ ン ア ニ マ ル (例 え ば イ ヌ 、 ネ コ )に 由 来 す る 。 一 般 に
、抗体に基づくアッセイは細胞または組織生検でインビトロにて実施する。しかし、抗体
が適切に非免疫化されるか、ヒト使用の場合はヒト化されるならば、抗体を例えば核タグ
で標識し、被験体へ投与し、核標識の蓄積する部位を放射線学的技術によって決定するこ
20
と が で き る 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR抗 体 は 、 従 っ て 、 病 原 性 マ ー カ ー 標 的
化剤とみなされる。従って、本発明は、ヒトおよび非ヒト被験体における病原性標的イメ
ージングにおける使用のための抗体の非免疫化型に及ぶ。これを以下にさらに説明する。
【0069】
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRに 対 す る 抗 体 の 作 製 の た め に は 、 分 子 が ヒ ト 組 織
を含む動物由来のものであろうと、組換え手段によって産生される場合には細胞培養由来
のものであろうと、この分子を生物試料から抽出する必要がある。一般に、単球および肝
実 質 細 胞 が 便 宜 な 供 給 源 で あ る 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRは 、 任 意 の 適 当 な
手段によって生物試料から分離することができる。例えば、分離には、プレコアタンパク
質 /HBeAgま た は TLRの 表 面 電 荷 特 性 、 大 き さ 、 密 度 、 生 物 活 性 お よ び 別 の 実 体 (例 え ば そ れ
30
が 結 合 も し く は 会 合 す る 別 の タ ン パ ク 質 も し く は 化 学 物 質 )に 対 す る そ の 親 和 性 の う ち の
任 意 の 1つ ま た は 複 数 を 利 用 し て よ い 。 従 っ て 、 例 え ば 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た
は TLRの 生 物 試 料 か ら の 分 離 は 、 超 遠 心 分 離 法 、 イ オ ン 交 換 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 法 (例 え ば
陰 イ オ ン 交 換 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 、 陽 イ オ ン 交 換 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー )、 電 気 泳 動 法 (例 え
ば ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド ゲ ル 電 気 泳 動 、 等 電 点 電 気 泳 動 )、 サ イ ズ 分 離 (例 え ば 、 ゲ ル 濾 過 、
限 外 濾 過 )お よ び 親 和 性 に 媒 介 さ れ る 分 離 (例 え ば 、 限 定 さ れ る も の で は な い が 、 Dynabead
(商 標 )分 離 な ど の 磁 性 ビ ー ズ 分 離 、 免 疫 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 、 免 疫 沈 降 を 含 む 免 疫 親 和 性
分 離 )の う ち の 任 意 の 1種 類 以 上 に よ っ て 達 成 す る こ と が で き る 。 分 離 技 術 の 選 択 は 、 プ レ
コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は 求 め ら れ る 特 定 の TLRま た は そ れ を 得 る た め の 組 織 の 生 物
活性もしくは物理的特性に依存し得る。
40
【0070】
好 ま し く は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを 生 体 液 か ら 分 離 す る こ と に よ り キ
ナーゼ上に存在する高次構造エピトープが保存され、従って、分子の変性をもたらす技術
を 回 避 す る の に ふ さ わ し い 。 当 業 者 で あ れ ば 、 動 物 に 曝 露 さ れ る プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBe
Agま た は TLR上 の 抗 原 決 定 基 ま た は 活 性 部 位 が 確 実 に 天 然 分 子 の も の と 構 造 上 同 一 で あ る
よ う に す る た め に 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR(例 え ば そ れ を 得 る た め の 生 物 試
料 )に 特 有 の 生 理 学 的 条 件 に 可 能 な 限 り 近 い 条 件 を 維 持 ま た は 模 倣 す る こ と の 重 要 性 を 認
識するであろう。これにより、免疫化された動物において天然分子を認識し得る適切な抗
体を確実に作製することができる。
【0071】
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免 疫 化 お よ び そ の 後 の モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 産 生 は 、 例 え ば Kohler and Milstein, Nat
ure. 256: 495-499, 1975; Kohler and Milstein, Eur. J. Immunol. 6(7): 511-519, 19
76), Coligan et al. (「 Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons, Inc.,
1991-1997) and Toyama et al. (Monoclonal Antibody, Experiment Manual」 , publish
ed by Kodansha Scientific, 1987に 記 載 さ れ る 標 準 的 な プ ロ ト コ ー ル を 用 い て 実 行 す る
こ と が で き る 。 本 質 的 に 、 標 準 法 に よ っ て プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLR、 ま た
は プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRを 含 む 試 料 で 動 物 を 免 疫 化 し て 抗 体 産 生 細 胞 、
特 に 抗 体 産 生 体 細 胞 (例 え ば Bリ ン パ 球 )を 産 生 さ せ る 。 次 に 、 不 死 化 の た め に こ れ ら の 細
胞を免疫化した動物から採取することができる。
【0072】
10
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRの 断 片 を 用 い て 抗 体 を 作 製 す る 場 合 、 そ れ を ま ず
担体と会合させる必要があり得る。「担体」とは、非免疫原性であるか免疫原性の乏しい
物 質 (例 え ば ハ プ テ ン )と 自 然 に ま た は 人 工 的 に 結 合 し て そ の 免 疫 原 性 を 高 め る 、 一 般 に 高
分子量の任意の物質を意味する。
【0073】
抗体産生細胞の不死化は、当技術分野において周知の方法を用いて行うことができる。
例 え ば 、 エ プ ス タ イ ン -バ ー ウ イ ル ス (EBV)を 用 い る 形 質 転 換 法 に よ り 不 死 化 を 達 成 す る こ
と が で き る (Kozbor et al., Methods in Enzymology. 121: 140, 1986)。 好 ま し い 態 様 で
は 、 細 胞 融 合 法 を 用 い て 抗 体 産 生 細 胞 を 不 死 化 さ せ る が (Coliganら 、 1991-1997、 前 記 に
記 載 )、 本 方 法 は モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 産 生 に 広 く 用 い ら れ て い る 。 本 方 法 で は 、 抗 体 を
20
産 生 す る 可 能 性 の あ る 抗 体 産 生 体 細 胞 、 特 に B細 胞 を 骨 髄 腫 細 胞 株 と 融 合 さ せ る 。 こ れ ら
の体細胞は、感作動物、好ましくはマウスおよびラットなどのげっ歯類動物のリンパ節、
脾臓、および末梢血に由来し得る。マウス脾細胞が特に有用である。しかし、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、もしくはヤギの細胞、または他の動物種由来の細胞を代わりに用いること
も可能であろう。
【0074】
ハイブリドーマを作製する融合手法で使用するための特化した骨髄腫細胞株がリンパ性
腫 瘍 か ら 開 発 さ れ て い る (Kohler and Milstein, 1976, 前 記 ; Shulman et al., Nature.
276: 269-270, 1978; Volk et al., J. Virol. 42(1): 220-227, 1982)。 こ れ ら の 細 胞 株
は 、 少 な く と も 3つ の 理 由 か ら 開 発 さ れ た 。 第 1の 理 由 は 、 融 合 し て お ら ず 同 様 に 無 限 に 自
30
己増殖する骨髄腫細胞からの、融合したハイブリドーマの選択を容易にするためである。
これは通常、ハイブリドーマの増殖を後押しする特定の選択培地での増殖を不能にさせる
、 酵 素 を 欠 損 し た 骨 髄 腫 を 用 い る こ と に よ っ て 達 成 さ れ る 。 第 2の 理 由 は 、 リ ン パ 性 腫 瘍
細胞の自らの抗体を産生する固有の能力に起因する。ハイブリドーマによる腫瘍細胞抗体
の産生を排除するため、内因性の免疫グロブリン軽鎖または重鎖を産生不能な骨髄腫細胞
株 を 用 い る 。 こ れ ら の 細 胞 株 を 選 択 す る 第 3の 理 由 は 、 融 合 に 対 す る そ れ ら の 適 合 性 お よ
び効率のためである。
【0075】
多 く の 骨 髄 腫 細 胞 株 が 融 合 細 胞 ハ イ ブ リ ッ ド の 作 製 に 用 い る こ と が で き 、 例 え ば P3X63Ag8、 P3X63-AG8.653、 P3/NS1-Ag4-1(NS-1)、 Sp2/0-Ag14お よ び S194/5.XXO.Bu.1が 挙 げ ら
40
れ る 。 P3X63-Ag8お よ び NS-1細 胞 株 は Kohlerお よ び Milsteinに よ り 記 載 さ れ て い る (1976,
前 記 )。 Shulmanら (1978, 前 記 )は Sp2/0-Agl4骨 髄 腫 株 を 開 発 し た 。 S194/5.XXO.Bu.1株 は T
rowbridge(J. Exp. Med. 148(1): 313-323, 1978)に よ り 報 告 さ れ た 。
【0076】
抗体産生脾臓細胞またはリンパ節細胞と骨髄腫細胞のハイブリッドを作製するための方
法 は 、 通 常 、 細 胞 膜 の 融 合 を 促 進 す る 1つ ま た は 複 数 の 作 用 因 子 (化 学 的 因 子 、 ウ イ ル ス 性
因 子 ま た は 電 気 因 子 )の 存 在 下 で 、 体 細 胞 と 骨 髄 腫 細 胞 を そ れ ぞ れ 10:1の 割 合 で 混 合 す る
段 階 を 含 む (こ の 割 合 は 約 20:1か ら 1:1ま で 変 動 し 得 る )。 融 合 法 は 既 に 記 載 さ れ て い る (Ko
hler and Milstein, 1975, 前 記 ; Kohler and Milstein, 1976, 前 記 ; Gefter et al., S
omatic Cell Genet. 3: 231-236, 1977; Volk et al., 1982, 前 記 )。 こ れ ら の 研 究 者 ら
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の 用 い た 融 合 促 進 剤 は セ ン ダ イ ウ イ ル ス お よ び ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル (PEG)で あ っ た 。
【0077】
融 合 手 法 か ら 生 存 可 能 な ハ イ ブ リ ッ ド が 作 製 さ れ る の は 非 常 に 低 い 頻 度 で あ る た め (例
5
え ば 脾 臓 を 体 細 胞 の 供 給 源 と し て 用 い る 場 合 、 お よ そ 1× 10 個 の 脾 臓 細 胞 に つ き 1個 の ハ
イ ブ リ ッ ド し か 得 ら れ な い )、 残 り の 融 合 し て い な い 細 胞 、 特 に 融 合 し て い な い 骨 髄 腫 細
胞から融合細胞ハイブリッドを選択する手段を有することが好ましい。生じた他の融合細
胞ハイブリッドの中から所望の抗体産生ハイブリドーマを検出する手段も必要である。一
般に、融合細胞ハイブリッドの選択は、細胞をハイブリドーマの増殖を後押しするが、通
常は無限に分裂を続けるであろう融合していない骨髄腫細胞の増殖を妨げる培地で培養す
ることにより達成される。融合に用いられる体細胞はインビトロ培養において長期の生存
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能を維持しないため、問題は起こらない。本発明の実施例では、ヒポキサンチンホスホリ
ボ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を 欠 く 骨 髄 腫 細 胞 (HPRT-陰 性 )を 用 い た 。 こ れ ら の 細 胞 に 対 す
る 選 択 は 、 脾 臓 細 胞 の HPRT陽 性 遺 伝 子 型 の た め 融 合 細 胞 ハ イ ブ リ ッ ド が 生 存 す る ヒ ポ キ サ
ン チ ン /ア ミ ノ プ テ リ ン /チ ミ ジ ン (HAT)培 地 で 行 わ れ る 。 遺 伝 子 型 の 上 で 適 格 性 の あ る ハ
イ ブ リ ッ ド の 増 殖 を 後 押 し す る 培 地 中 で 選 択 さ れ 得 る 異 な る 遺 伝 的 欠 損 (薬 物 感 受 性 な ど )
を備える骨髄腫細胞の使用も可能である。
【0078】
融合細胞ハイブリッドを選択的に培養するには数週間が必要である。その後にクローニ
ングし増殖させることのできるように、この期間の初期に、所望の抗体を産生するハイブ
リ ッ ド を 同 定 す る こ と が 必 要 で あ る 。 一 般 に 、 得 ら れ た ハ イ ブ リ ッ ド の 10% 前 後 が 所 望 の
20
抗 体 を 産 生 す る が 、 約 1∼ 約 30% の 範 囲 で あ る こ と も 珍 し く な い 。 抗 体 産 生 ハ イ ブ リ ッ ド
の 検 出 は 、 例 え ば 、 Kennetら (Monoclonal Antibodies and Hybridomas: A New Dimension
in Biological Analyses, pp 376-384, Plenum Press, New York, 1980)に 記 載 さ れ る 酵
素結合免疫測定法および放射免疫測定法技術をはじめとするいくつかの標準的なアッセイ
法 の う ち の い ず れ か 1つ に よ っ て 、 ま た FACS解 析 (O'Reilly et al., Biotechniques. 25:
824-830, 1998)に よ っ て 実 現 さ れ 得 る 。
【0079】
ひとたび所望の融合細胞ハイブリッドが選択され、個々の抗体産生細胞株へクローニン
グ さ れ た な ら ば 、 2つ の 標 準 的 な 方 法 の い ず れ か で 各 細 胞 株 を 増 殖 さ せ る こ と が で き る 。
ハイブリドーマ細胞の懸濁液を組織適合性動物へ注入することができる。次に、注射され
30
た動物は融合細胞ハイブリッドによって産生された特異的モノクローナル抗体を分泌する
腫瘍を生じることになる。この動物の体液、例えば血清または腹水を採取して高濃度のモ
ノクローナル抗体を得ることができる。または、個々の細胞株を実験用培養容器内でイン
ビトロにて増殖させてもよい。高濃度の単一の特異的モノクローナル抗体を含む培地はデ
カンテーション、濾過または遠心分離によって回収し、その後精製することができる。
【0080】
任 意 の 適 し た 免 疫 検 出 手 段 に よ り 、 関 心 対 象 の プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを
検出する特異性について細胞株を試験する。例えば、細胞株を多数のウェルに分注し、培
養 す る こ と が で き 、 各 ウ ェ ル か ら の 上 清 を 酵 素 結 合 免 疫 吸 着 測 定 法 (ELISA)、 間 接 蛍 光 抗
体 法 な ど に よ り 解 析 す る 。 標 的 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを 認 識 す る こ と は 可
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能であるが非標的エピトープは認識しないモノクローナル抗体を産生する細胞株を同定し
、次にインビトロで直接培養するか、または組織適合性動物へ注射して腫瘍を形成させ、
必要な抗体を産生させ、回収し、精製する。
【0081】
こ れ ら の 抗 体 は プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAg特 異 的 ま た は TLR特 異 的 で あ る 。 つ ま り 、 抗
体 が 特 定 の プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRと 他 の 分 子 を 区 別 で き る こ と を 意 味 す る
。正常細胞中の分子と交差反応しないならば、より広域性の抗体を用いてもよい。
【0082】
モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 を 、 例 え ば プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを 阻 害 す る た め の 治 療 薬 と し
て の 使 用 を 予 定 し て い る 場 合 、 抗 体 を 導 入 す る 宿 主 (例 え ば ヒ ト )に 関 し て こ れ を 非 免 疫 化
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する必要があるであろう。非免疫化プロセスは、本発明に従って調製されたモノクローナ
ル抗体と同一または類似の特異性を有するキメラ抗体の調製物をはじめとする多数の形態
のいずれかであってよい。キメラ抗体は、その軽鎖および重鎖遺伝子が、一般に遺伝子操
作によって、異なる種に属する免疫グロブリン可変領域および定常領域遺伝子に由来する
構築された抗体である。従って、本発明によれば、ひとたび所望のモノクローナル抗体を
産 生 す る ハ イ ブ リ ド ー マ が 得 ら れ る と 、 技 術 を 用 い て 1つ の 種 の 結 合 領 域 と 別 の 種 の 抗 体
の 非 結 合 領 域 と を 組 み 合 わ せ た 種 間 モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 を 作 製 す る (Liu et al., Proc. N
atl. Acad. Sci. USA. 84: 3439-3443, 1987)。 例 え ば 、 非 ヒ ト (例 え ば ネ ズ ミ )モ ノ ク ロ
ー ナ ル 抗 体 の 相 補 性 決 定 領 域 (CDR)を ヒ ト 抗 体 へ 移 植 し 、 そ れ に よ り 「 ヒ ト 化 」 ネ ズ ミ 抗
体 と す る こ と が で き る (欧 州 特 許 第 0 239 400号 ; Jones et al., Nature. 321: 522-525,
10
1986; Verhoeyen et al., Science. 239: 1534-1536, 1988; Richmann et al., Nature.
332: 323-327, 1988)。 こ の 場 合 、 非 免 疫 化 プ ロ セ ス は ヒ ト に 特 異 的 で あ る 。 よ り 詳 細 に
は 、 CDRを 、 ヒ ト 定 常 領 域 を 含 む ま た は 含 ま な い ヒ ト 抗 体 可 変 領 域 に 移 植 す る 。 CDRを 提 供
する非ヒト抗体を一般に「ドナー」と称し、フレームワークを提供するヒト抗体を一般に
「アクセプター」と称する。定常領域は存在する必要はないが、存在する場合はヒト免疫
グ ロ ブ リ ン 定 常 領 域 と 実 質 的 に 同 一 、 す な わ ち 少 な く と も 約 85∼ 90% 、 好 ま し く は 約 95%
またはそれ以上同一でなければならない。従って、ヒト化抗体の全ての部分は、おそらく
CDRを 除 い て 、 天 然 の ヒ ト 免 疫 グ ロ ブ リ ン 配 列 の 対 応 す る 部 分 と 実 質 的 に 同 一 で あ る 。 従
って、「ヒト化抗体」とは、ヒト化軽鎖およびヒト化重鎖免疫グロブリンを含む抗体であ
る。ドナー抗体は「ヒト化」のプロセスにより「ヒト化」したと言われるが、これは得ら
れ る ヒ ト 化 抗 体 が CDRを 提 供 す る ド ナ ー 抗 体 と 同 じ 抗 原 に 結 合 す る と 予 期 さ れ る た め で あ
る。本明細書における「ヒト化」への言及は、特定の宿主、この場合はヒト宿主に対して
非免疫化された抗体への言及を含む。
【0083】
非免疫化抗体が、抗原結合または他の免疫グロブリン機能に実質的に影響のない保存的
ア ミ ノ 酸 置 換 を さ ら に 有 す る 可 能 性 の あ る こ と は 当 然 理 解 さ れ る 。 表 1に 従 っ て 例 示 的 な
保存的置換を行うことができる。
【0084】
(表1)
20
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10
20
30
【0085】
本 発 明 の 非 免 疫 化 抗 体 を 作 製 す る た め に 用 い ら れ 得 る 例 示 的 方 法 は 、 例 え ば 、 Richmann
et al., 1988, 前 記 ; 欧 州 特 許 第 0 239 400号 ; 米 国 特 許 第 6,056,957号 、 米 国 特 許 第 6,1
80,370号 、 米 国 特 許 第 6,180,377号 に 記 載 さ れ て い る 。
【0086】
従 っ て 、 一 態 様 で は 、 本 発 明 は プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgに 対 す る モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体
により認識されるエピトープに対して特異性を有する非免疫化抗体分子を意図し、この際
、 該 非 免 疫 化 抗 体 の 可 変 ド メ イ ン の CDRの う ち の 少 な く と も 1つ は 該 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /H
BeAgに 対 す る 該 モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 に 由 来 し 、 非 免 疫 化 抗 体 分 子 の 残 り の 免 疫 グ ロ ブ リ ン
由来部分は抗体を非免疫化する宿主の免疫グロブリンまたはその類似体に由来する。
40
【0087】
本発明のこの局面は、非ヒト抗体のフレームワーク領域の操作を含む。
【0088】
本 発 明 は 、 依 然 と し て プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgに 対 す る 特 異 性 を 保 持 す る 、 本 抗 体 の
突然変異体および誘導体に及ぶ。
【0089】
用 語 「 突 然 変 異 体 」 ま た は 「 誘 導 体 」 は 、 1つ ま た は 複 数 の ア ミ ノ 酸 置 換 、 付 加 お よ び /
または欠失を含む。
【0090】
本 明 細 書 に お い て 用 い ら れ る 用 語 「 CDR」 に は 、 分 子 の 結 合 部 分 で β 鎖 を 架 橋 す る 、 抗
50
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体 フ レ ー ム ワ ー ク 領 域 の 可 変 部 分 に お け る 3本 の 軽 鎖 お よ び 3本 の 重 鎖 領 域 を 包 含 す る CDR
構 造 ル ー プ が 含 ま れ る 。 こ れ ら の ル ー プ は 特 徴 的 な 極 限 構 造 を 有 す る (Chothia et al., J
. M o l . B i o l . 1 9 6 : 9 0 1 , 1 9 8 7 ; C h o t h i a e t a l . , J . M o l . B i o l . 2 2 7 : 7 9 9 , 1 9 9 2 )。
【0091】
「 フ レ ー ム ワ ー ク 領 域 」 と は 、 CDRと も 呼 ば れ る 3つ の 超 可 変 領 域 に よ っ て 中 断 さ れ た 免
疫 グ ロ ブ リ ン 軽 鎖 ま た は 重 鎖 可 変 領 域 の 領 域 を 意 味 す る 。 フ レ ー ム ワ ー ク 領 域 お よ び CDR
の 範 囲 は 正 確 に 定 義 さ れ て い る (例 え ば 、 Kabat et al., 「 Sequences of Proteins of Im
munological Interest」 , U.S. Department of Health and Human Sciences, 1983参 照 )
。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は種の内部で比較的保存されている
。本明細書において用いられる「ヒトフレームワーク領域」とは、天然に存在するヒト免
10
疫 グ ロ ブ リ ン の フ レ ー ム ワ ー ク 領 域 と 実 質 的 に 同 一 な (約 85% 以 上 、 通 常 90∼ 95% 以 上 )フ
レームワーク領域である。抗体のフレームワーク領域、つまり、構成要素である軽鎖およ
び 重 鎖 の 複 合 フ レ ー ム ワ ー ク 領 域 は 、 CDRを 配 置 お よ び 整 列 さ せ る の に 役 立 つ 。 CDRは 、 主
に HBeAgの エ ピ ト ー プ と の 結 合 を 担 う 。
【0092】
本 明 細 書 に お い て 用 い ら れ る 用 語 「 重 鎖 可 変 領 域 」 と は 、 重 鎖 の ア ミ ノ 末 端 (N末 端 )ア
ミノ酸残基を発端として、そのアミノ酸配列が本発明のモノクローナル抗体の重鎖のアミ
ノ 酸 配 列 に 対 応 す る 、 約 110∼ 125ア ミ ノ 酸 残 基 長 の ポ リ ペ プ チ ド を 意 味 す る 。 同 様 に 、 用
語 「 軽 鎖 可 変 領 域 」 と は 、 軽 鎖 の N末 端 ア ミ ノ 酸 残 基 を 発 端 と し て 、 そ の ア ミ ノ 酸 配 列 が
本 発 明 の モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 軽 鎖 の ア ミ ノ 酸 配 列 に 対 応 す る 、 約 95∼ 130ア ミ ノ 酸 残 基
20
長 の ポ リ ペ プ チ ド を 意 味 す る 。 全 長 免 疫 グ ロ ブ リ ン 「 軽 鎖 」 (約 25Kdま た は 214ア ミ ノ 酸 )
は 、 NH2 末 端 (約 110ア ミ ノ 酸 )の 可 変 領 域 遺 伝 子 お よ び COOH末 端 の κ ま た は λ 定 常 領 域 遺 伝
子 に よ っ て コ ー ド さ れ る 。 全 長 免 疫 グ ロ ブ リ ン 「 重 鎖 」 (約 50Kdま た は 446ア ミ ノ 酸 )も 同
様 に 、 可 変 領 域 遺 伝 子 (約 116ア ミ ノ 酸 )お よ び 他 の 前 述 の 定 常 領 域 遺 伝 子 の う ち の 1つ 、 例
え ば γ (約 330ア ミ ノ 酸 を コ ー ド す る )に よ っ て コ ー ド さ れ る 。
【0093】
用語「免疫グロブリン」または「抗体」は、本明細書において免疫グロブリン遺伝子に
よ っ て 実 質 的 に コ ー ド さ れ る 1つ ま た は 複 数 の ポ リ ペ プ チ ド か ら な る タ ン パ ク 質 を 指 す た
め に 用 い ら れ る 。 認 識 さ れ て い る 免 疫 グ ロ ブ リ ン 遺 伝 子 と し て は 、 κ 、 λ 、 α 、 γ (IgG1
、 IgG2 、 IgG3 、 IgG4 )、 δ 、 ε 、 お よ び μ 定 常 領 域 遺 伝 子 、 な ら び に 無 数 の 免 疫 グ ロ ブ リ
30
ン 可 変 領 域 遺 伝 子 が 挙 げ ら れ る 。 免 疫 グ ロ ブ リ ン の 1つ の 形 態 が 抗 体 の 基 本 構 造 単 位 を 構
成 す る 。 こ の 形 態 は 四 量 体 で 免 疫 グ ロ ブ リ ン 鎖 の 2つ の 同 一 の 対 か ら な り 、 そ れ ぞ れ の 対
が 1本 の 軽 鎖 お よ び 1本 の 重 鎖 を 有 す る 。 そ れ ぞ れ の 対 に お い て 、 軽 鎖 可 変 領 域 お よ び 重 鎖
可変領域はともに抗原との結合を担い、定常領域は抗体エフェクター機能を担う。抗体以
外 に 、 免 疫 グ ロ ブ リ ン は 、 例 え ば 、 Fv、 Fab、 Fab'お よ び (Fab')2 を は じ め と す る 種 々 の 他
の形態で存在し得る。
【0094】
ま た 、 本 発 明 は 、 例 え ば 、 Fv、 Fab、 Fab'お よ び F(ab')2 断 片 を は じ め と す る 、 本 発 明 の
方法により産生されたモノクローナル抗体の断片の使用および作製を意図する。このよう
な 断 片 は 、 例 え ば Coliganら (1991-1997, 前 記 )に 記 載 さ れ る 標 準 法 に よ っ て 調 製 す る こ と
40
ができる。
【0095】
また、本発明は、本発明のモノクローナル抗体と同一または類似の特異性を有する合成
または組換え型抗原結合分子を意図する。この種の抗原結合分子には、安定化された合成
Fv断 片 が 含 ま れ 得 る 。 こ の 種 の 例 示 的 な 断 片 と し て は 、 ペ プ チ ド リ ン カ ー を 用 い て VH ド メ
イ ン の N末 端 ま た は C末 端 を VL ド メ イ ン の そ れ ぞ れ C末 端 ま た は N末 端 と 架 橋 し た 一 本 鎖 Fv断
片 (sFv、 し ば し ば ScFvと 称 さ れ る )が 挙 げ ら れ る 。 ScFvは 全 抗 体 の 定 常 部 分 を 全 て 欠 い て
い る の で 、 補 体 を 活 性 化 す る こ と が で き な い 。 VH お よ び VL ド メ イ ン を 連 結 す る た め に 適 し
た ペ プ チ ド リ ン カ ー は 、 VH お よ び VL ド メ イ ン が 折 り 畳 ま れ て 、 Fv断 片 の 由 来 す る 全 抗 体 の
抗原結合部位に類似する三次元構造をもつ抗原結合部位を有する単一のポリペプチド鎖と
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な る こ と を 可 能 に す る リ ン カ ー で あ る 。 所 望 の 特 性 を 有 す る リ ン カ ー は 、 米 国 特 許 第 4,94
6,778号 に 開 示 さ れ る 方 法 に よ っ て 得 る こ と が で き る 。 し か し 、 場 合 に よ っ て 、 リ ン カ ー
の 存 在 し な い こ と が あ る 。 ScFvは 、 例 え ば 、 Krebber et al. J. Immunol. Methods.201(1
): 35-55, 1997に 概 説 さ れ る 方 法 に 従 っ て 調 製 す る こ と が で き る 。 ま た は 、 米 国 特 許 第 5,
091,513号 、 欧 州 特 許 第 239,400号 ま た は Winterお よ び Milsteinに よ る 論 文 (Nature. 349:
293, 1991)な ら び に Plueckthunら に よ る 論 文 (Antibody engineering: A practical appro
ach, 203-252, 1996中 )に 記 載 さ れ る 方 法 に よ っ て ScFvを 調 製 す る こ と も で き る 。
【0096】
ま た は 、 安 定 化 さ れ た 合 成 Fv断 片 は 、 シ ス テ イ ン 残 基 が VH お よ び VL ド メ イ ン に 導 入 さ れ
て 、 完 全 に 折 り 畳 ま れ た Fv分 子 に お い て 2つ の 残 基 間 に ジ ス ル フ ィ ド 結 合 が 形 成 さ れ る 、
10
ジ ス ル フ ィ ド 安 定 化 Fv(dsFv)を 含 む 。 適 し た dsFv作 製 の 方 法 は 、 例 え ば 、 (Glockshuber e
t al., Biochem. 29: 1363-1367, 1990; Reiter et al., J. Biol. Chem. 269: 18327-18
331, 1994; Reiter et al., Biochem. 33: 5451-5459, 1994; Reiter et al., Cancer Re
s. 54: 2714-2718, 1994; Webber et al., Mol. Immunol. 32: 249-258, 1995)に 記 載 さ
れている。
【0097】
ま た 、 合 成 ま た は 組 換 え 型 抗 原 結 合 分 子 と し て 意 図 さ れ る の は 、 例 え ば 、 (Ward et al.
, Nature. 341: 544-546, 1989; Hamers-Casterman et al., Nature. 363: 446-448, 199
3; Davies and Riechmann, FEBS Lett. 339: 285-290, 1994)に 開 示 さ れ る 、 単 一 の 可 変
領 域 ド メ イ ン (dAbsと 称 さ れ る )で あ る 。
20
【0098】
ま た は 、 合 成 ま た は 組 換 え 型 抗 原 結 合 分 子 に は 、 「 ミ ニ ボ デ ィ (minibody)」 が 含 ま れ 得
る。この点について、ミニボディは全抗体に必須の要素を一本鎖にコードする、全抗体の
小 型 版 で あ る 。 ミ ニ ボ デ ィ は 、 例 え ば 米 国 特 許 第 5,837,821号 に 開 示 さ れ る よ う に 、 免 疫
グ ロ ブ リ ン 分 子 の ヒ ン ジ 領 域 お よ び CH3ド メ イ ン と 融 合 し た 、 天 然 抗 体 の VH お よ び VL ド メ
インからなるのが適している。
【0099】
別の態様では、合成または組換え型抗原結合分子は、非免疫グロブリン由来のタンパク
質 フ レ ー ム ワ ー ク を 含 み 得 る 。 例 え ば 、 抗 原 結 合 の た め に 選 択 さ れ た 、 CDRを 作 り 出 す た
め に ラ ン ダ ム 化 さ れ た 2つ の ル ー プ を 有 す る 4-へ リ ッ ク ス バ ン ド ル タ ン パ ク 質 シ ト ク ロ ム b
30
562を 開 示 す る (Ku & Schutz, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 92: 6552-6556, 1995)が 参
照され得る。
【0100】
合 成 ま た は 組 換 え 型 抗 原 結 合 分 子 は 多 価 (す な わ ち 、 2つ 以 上 の 抗 原 結 合 部 位 を 有 す る )
で あ っ て よ い 。 こ の よ う な 多 価 分 子 は 、 1つ ま た は 複 数 の 抗 原 に 特 異 的 で あ り 得 る 。 こ の
種 の 多 価 分 子 は 、 例 え ば (Adams et al., Cancer Res. 53: 4026-4034, 1993; Cumber et
al., J Immunol. 149: 120-126, 1992)に よ り 開 示 さ れ る よ う に 、 シ ス テ イ ニ ル を 含 有 す
る ペ プ チ ド に よ る 2つ の 抗 体 フ ラ グ メ ン ト の 二 量 化 に よ り 調 製 す る こ と が で き る 。 ま た は
、二量化は、自然に二量体化する両親媒性のへリックスと抗体フラグメントの融合による
か (Pluenckthun, Biochem 31: 1579-1584, 1992)、 ま た は 優 先 的 に ヘ テ ロ 二 量 体 化 す る ド
40
メ イ ン (ロ イ シ ン ジ ッ パ ー の junお よ び fosな ど )の 使 用 に よ り (Kostelny et al., J. Immun
ol. 148: 1547-1553, 1992)促 進 し て も よ い 。 多 価 抗 体 は 、 例 え ば 、 TLR-2お よ び TLR-4な
ど の TLRの 異 な る 形 態 を 検 出 す る 際 に 有 用 で あ る 。
【0101】
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRの 活 性 も し く は レ ベ ル を 調 節 す る 際 に 有 用 な 化 合
物 の さ ら に 別 の 有 用 な 供 給 源 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRの 化 学 的 に 修 飾 さ
れたリガンドである。
【0102】
さ ら に 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgと TLRと の 間 の 相 互 作 用 を 遮 断 す る ま た は 拮 抗 す る
または作動させる化合物を選択できる。
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【0103】
本 明 細 書 に お い て 意 図 さ れ る タ ン パ ク 質 性 分 子 の 類 似 体 (例 え ば プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HB
eAgま た は TLRの リ ガ ン ド )と し て は 、 限 定 さ れ る も の で は な い が 、 側 鎖 の 修 飾 、 ペ プ チ ド
、 ポ リ ペ プ チ ド も し く は タ ン パ ク 質 合 成 の 間 の 非 天 然 ア ミ ノ 酸 お よ び /ま た は そ の 誘 導 体
の取り込み、ならびにタンパク質性分子もしくはその類似体へ高次構造上の制約を課す架
橋剤および他の方法の使用によるものが挙げられる。
【0104】
本 発 明 に よ り 意 図 さ れ る 側 鎖 修 飾 の 例 と し て は 、 ア ル デ ヒ ド と の 反 応 の 後 に NaBH4 で 還
元する還元的アルキル化によるなどのアミノ基の修飾;メチルアセトイミデートを用いる
アミジン化;無水酢酸を用いるアシル化;シアン酸塩を用いるアミノ基のカルバモイル化
10
; 2,4,6-ト リ ニ ト ロ ベ ン ゼ ン ス ル ホ ン 酸 (TNBS)を 用 い る ア ミ ノ 基 の ト リ ニ ト ロ ベ ン ジ ル 化
;無水コハク酸および無水テトラヒドロフタル酸を用いるアミノ基のアシル化;ならびに
ピ リ ド キ サ ー ル -5-リ ン 酸 を 用 い る リ シ ン の ピ リ ド キ シ ル 化 に 続 く NaBH4 を 用 い る 還 元 が 挙
げられる。
【0105】
ア ル ギ ニ ン 残 基 の グ ア ニ ジ ン 基 は 、 2,3-ブ タ ン ジ オ ン 、 フ ェ ニ ル グ リ オ キ サ ー ル お よ び
グリオキサールなどの試薬を用いた複素環縮合産物の形成により修飾してよい。
【0106】
カ ル ボ キ シ ル 基 は 、 O-ア シ ル イ ソ ウ レ ア の 形 成 を 介 し て カ ル ボ ジ イ ミ ド を 活 性 化 し 、 そ
の後、例えば対応するアミドへ誘導体化することにより修飾してよい。
20
【0107】
ス ル フ ィ ド リ ル (sulphydryl)基 は 、 ヨ ー ド 酢 酸 ま た は ヨ ー ド ア セ ト ア ミ ド を 用 い る カ ル
ボキシメチル化;システイン酸への過ギ酸酸化;他のチオール化合物を用いる混合ジスル
フ ィ ド の 形 成 ; マ レ イ ミ ド 、 無 水 マ レ イ ン 酸 ま た は 他 の 置 換 マ レ イ ミ ド と の 反 応 ; 4-ク ロ
ロ メ ル ク リ 安 息 香 酸 、 4-ク ロ ロ メ ル ク リ フ ェ ニ ル ス ル ホ ン 酸 、 塩 化 フ ェ ニ ル 水 銀 、 2-ク ロ
ロ メ ル ク リ -4-ニ ト ロ フ ェ ノ ー ル お よ び 他 の 水 銀 剤 を 用 い る 水 銀 誘 導 体 の 形 成 ; ア ル カ リ
性 pHで シ ア ン 酸 を 用 い る カ ル バ モ イ ル 化 な ど に よ り 修 飾 し て よ い 。
【0108】
ト リ プ ト フ ァ ン 残 基 は 、 例 え ば 、 N-ブ ロ モ ス ク シ ン イ ミ ド を 用 い る 酸 化 ま た は 2-ヒ ド ロ
キ シ -5-ニ ト ロ ベ ン ジ ル ブ ロ ミ ド も し く は ハ ロ ゲ ン 化 ス ル フ ェ ニ ル を 用 い る イ ン ド ー ル 環
30
のアルキル化により修飾してよい。一方、チロシン残基は、テトラニトロメタンを用いて
3-ニ ト ロ チ ロ シ ン 誘 導 体 を 形 成 す る ニ ト ロ 化 に よ っ て 変 化 さ せ て よ い 。
【0109】
ヒスチジン残基のイミダゾール環の修飾は、ヨード酢酸誘導体を用いるアルキル化また
は ジ エ チ ル ピ ロ カ ー ボ ネ ー ト を 用 い る N-カ ル ボ エ ト キ シ ル 化 (carbethoxylation)に よ り 達
成することができる。
【0110】
ペプチド合成中に非天然アミノ酸および誘導体を取り込む例としては、限定されるもの
で は な い が 、 ノ ル ロ イ シ ン 、 4-ア ミ ノ 酪 酸 、 4-ア ミ ノ -3-ヒ ド ロ キ シ -5-フ ェ ニ ル ペ ン タ ノ
ン 酸 、 6-ア ミ ノ ヘ キ サ ン 酸 、 t-ブ チ ル グ リ シ ン 、 ノ ル バ リ ン 、 フ ェ ニ ル グ リ シ ン 、 オ ル ニ
チ ン 、 サ ル コ シ ン 、 4-ア ミ ノ -3-ヒ ド ロ キ シ -6-メ チ ル ヘ プ タ ン 酸 、 2-チ エ ニ ル ア ラ ニ ン お
よ び /ま た は ア ミ ノ 酸 の D-異 性 体 の 使 用 が 挙 げ ら れ る 。 本 明 細 書 に お い て 意 図 さ れ る 非 天
然 ア ミ ノ 酸 の リ ス ト を 表 2に 示 す 。
【0111】
(表2)非従来型アミノ酸に対するコード
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【0112】
架 橋 剤 を 用 い て 、 例 え ば 、 (CH2 )n ス ペ ー サ ー 基 (n= 1か ら n= 6)を 有 す る 二 官 能 性 の イ ミ
ド エ ス テ ル 、 グ ル タ ル ア ル デ ヒ ド 、 N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド エ ス テ ル な ど の ホ モ 二 官
能 性 の 架 橋 剤 、 な ら び に 、 通 常 、 N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド な ど の ア ミ ノ 反 応 性 部 分 お
よ び マ レ イ ミ ド ま た は ジ チ オ 部 分 (SH)ま た は カ ル ボ ジ イ ミ ド (COOH)な ど の 別 の 基 に 特 異 的
な 反 応 性 部 分 を 含 む ヘ テ ロ 二 官 能 性 の 試 薬 を 用 い て 3D高 次 構 造 を 安 定 化 さ せ る こ と が で き
る 。 さ ら に 、 例 え ば 、 Cα お よ び Nα -メ チ ル ア ミ ノ 酸 の 取 り 込 み 、 ア ミ ノ 酸 の Cα 原 子 と C
β
原 子 と の 間 へ の 二 重 結 合 の 導 入 、 な ら び に 、 N末 端 と C末 端 間 、 2本 の 側 鎖 間 、 ま た は 1本
30
の 側 鎖 と N末 端 も し く は C末 端 と の 間 の ア ミ ド 結 合 の 形 成 な ど の 共 有 結 合 の 導 入 に よ る 環 状
ペプチドまたは類似体の形成により、ペプチドを高次構造的に制約することができる。
【0113】
従 っ て 、 本 発 明 の 一 局 面 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR-2も し く は TLR-4な ど
の TLR、 あ る い は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 と 結 合 す る か ま た は 相 互 作 用 し 、 そ の 結 果 プ
レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRの レ ベ ル ま た は 活 性 の 調 節 を も た ら す 任 意 の 化 合 物 を
意図する。
【0114】
別の有用な化合物群は模擬物である。用語「ペプチド模擬物」、「標的模擬物」または
「模擬物」は、標的に対して何らかの化学的類似性を有するが、標的を拮抗するかまたは
40
作動させるかまたは模倣する物質を指すことを意図する。この場合標的はプレコアタンパ
ク 質 /HBeAgの リ ガ ン ド ま た は TLRの リ ガ ン ド で あ り 得 る 。 ペ プ チ ド 模 擬 物 は 、 タ ン パ ク 質
二 次 構 造 の 要 素 を 模 倣 す る ペ プ チ ド 含 有 分 子 で あ っ て よ い (Johnson et al., 「 Peptide T
urn Mimetics」 in Biotechnology and Pharmacy, Pezzuto et al., Eds., Chapman and
Hall, New York, 1993)。 ペ プ チ ド 模 擬 物 の 使 用 の 背 後 に あ る 根 本 的 な 理 論 的 根 拠 は 、 タ
ンパク質のペプチド骨格は主に抗体と抗原、酵素と基質または足場タンパク質との相互作
用などの分子相互作用を促進するようにアミノ酸側鎖を配向させるために存在するという
ものである。ペプチド模擬物は、天然分子に類似する分子相互作用を可能にするよう設計
されている。ペプチドまたは非ペプチド模擬物は、例えば、競合的に阻害するため、ある
い は そ の 反 対 に プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgと 結 合 す る か ま た は TLRも し く は TLR経 路 を 活 性
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化 さ せ る た め に 有 用 で あ り 得 る 。 こ の 場 合 、 好 ま し い TLRは TLR-2お よ び TLR-4で あ る 。
【0115】
さらに、本発明の化合物は、単独で標的と相互作用するよう選択してもよいし、または
単一もしくは複数の化合物を用いて複数の標的に影響を与えることもできる。例えば、複
数 の 標 的 に は プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgお よ び 病 原 体 自 体 が 含 ま れ 得 る 。 例 え ば 、 1種 類
の 有 用 な 治 療 用 の 組 合 せ は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgの 拮 抗 剤 と ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 お
よ び /ま た は 抗 ウ イ ル ス 性 サ イ ト カ イ ン で あ ろ う 。
【0116】
スクリーニングアッセイで使用した標的または断片は、溶液中に遊離しているか、固相
支持体に取り付けられているか、または細胞表面上にあるかのいずれかであり得る。薬物
10
ス ク リ ー ニ ン グ の 一 方 法 は 、 好 ま し く は 競 合 的 結 合 実 験 に お い て 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /H
BeAgま た は TLRま た は 断 片 を 発 現 し て い る 組 換 え 型 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド で 安 定 に 形 質 転 換 さ
れた真核生物または原核生物宿主細胞を利用する。このような細胞は、生存に適した形で
あっても固定された形であっても、標準の結合実験に使うことができる。例えば、プレコ
ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRま た は 断 片 と 試 験 さ れ る 薬 剤 と の 間 の 複 合 体 形 成 を 測 定 す
る か 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRま た は 断 片 と リ ガ ン ド と の 間 の 複 合 体 の 形 成
を試験される薬剤が助けるかまたは妨げる程度を調べてもよい。
【0117】
標的機能もしくは遺伝子活性の調節因子と同定される物質は、本質的にペプチドまたは
非ペプチドであり得る。非ペプチド「小分子」は、多くのインビボ製薬用途に好ましい場
20
合 が 多 い 。 従 っ て 、 物 質 (特 に ペ プ チ ド で あ る 場 合 )の 模 擬 物 ま た は 模 倣 物 を 製 薬 用 途 の た
めに設計してよい。
【0118】
薬学的に活性のある化合物に対する模擬物の設計は、「リード」化合物に基づく医薬の
開発に対する公知のアプローチである。このアプローチは、活性化合物の合成が困難また
は費用のかかる場合、または特定の投与方法に不適当な場合、例えばペプチドが消化管で
プロテアーゼにより即座に分解される傾向があるため経口組成物の活性物質に適さない場
合 に 望 ま し い で あ ろ う 。 模 擬 物 の 設 計 、 合 成 お よ び 試 験 は 、 一 般 に 1つ の 標 的 特 性 に つ い
て多数の分子を無作為にスクリーニングすることを避けるために用いられる。
【0119】
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所定の標的特性を有する化合物からの模擬物の設計には通常いくつかの段階を要する。
最 初 に 、 標 的 特 性 の 決 定 に 決 定 的 か つ /ま た は 重 要 な 化 合 物 の 特 定 の 部 分 を 決 定 す る 。 ペ
プチドの場合、これはペプチド中のアミノ酸残基を体系的に変えることによって、例えば
それぞれの残基を順に置換することによってなされ得る。ペプチドのアラニンスキャンは
、一般にこのようなペプチドモチーフを絞り込むために用いられる。化合物の活性領域を
構成するこれらの部分または残基は、その「ファーマコフォア」として公知である。
【0120】
ひ と た び フ ァ ー マ コ フ ォ ア が 見 出 さ れ る と 、 一 連 の 情 報 源 、 例 え ば 分 光 学 的 技 法 、 x線
回 折 デ ー タ お よ び NMRか ら の デ ー タ を 用 い て 、 そ の 物 理 的 特 性 、 例 え ば 立 体 化 学 、 結 合 、
サ イ ズ 、 お よ び /ま た は 電 荷 に 従 っ て そ の 構 造 を モ デ ル 化 す る 。 コ ン ピ ュ ー タ 解 析 、 類 似
40
性 マ ッ ピ ン グ (原 子 間 結 合 で は な く フ ァ ー マ コ フ ォ ア の 電 荷 お よ び /ま た は 体 積 を モ デ ル と
す る )な ら び に 他 の 技 術 を こ の モ デ ル 化 プ ロ セ ス に 用 い る こ と が で き る 。
【0121】
こ の ア プ ロ ー チ の 変 法 で は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRお よ び そ れ ら の リ
ガ ン ド の 三 次 元 構 造 を モ デ ル 化 す る 。 こ れ は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRお
よ び /ま た は そ れ ら の リ ガ ン ド が 結 合 で 高 次 構 造 を 変 え る 場 合 に 、 模 擬 物 の 設 計 の 際 に モ
デルに三次元構造を考慮に入れることを可能とするので、特に有用であり得る。モデル化
を用いて直鎖状の配列または三次元の立体配置と相互作用する阻害剤を作成することがで
きる。
【0122】
50
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次に、ファーマコフォアを模倣する化学基をその上に接ぎ合わせることのできる鋳型分
子を選択する。鋳型分子およびその上に接ぎ合わせる化学基は、リード化合物の生物活性
は保持しながらも、模擬物が合成しやすく、薬理学的に許容される可能性が高く、インビ
ボで分解されないように便宜に選択することができる。または、模擬物がペプチドに基づ
く場合、ペプチドを環化させてその強固さを増大させることによりさらなる安定性を達成
できる。このアプローチにより見出された模擬物を、次に、それらが標的特性を有してい
るか否か、またはそれをどの程度提示しているかを調べるためにスクリーニングできる。
次 に 、 さ ら な る 最 適 化 ま た は 修 飾 を 行 っ て 、 イ ン ビ ボ 試 験 ま た は 臨 床 試 験 の た め の 1つ ま
たは複数の最終模擬物に到達できる。
【0123】
10
合理的薬物設計の目的は、例えば、ポリペプチドのより活性のある形態または安定な形
態、あるいは、例えばインビボでポリペプチドの機能を増強するかまたは妨げる薬物を作
り 出 す た め に 、 関 心 対 象 の 生 物 活 性 ポ リ ペ プ チ ド ま た は そ れ ら と 相 互 作 用 す る 小 分 子 (例
え ば ア ゴ ニ ス ト 、 ア ン タ ゴ ニ ス ト 、 阻 害 剤 ま た は エ ン ハ ン サ ー )の 構 造 類 似 体 を 作 製 す る
こ と で あ る 。 例 え ば 、 Hodgson(Bio/Technology. 9: 19-21, 1991)参 照 。 1つ の ア プ ロ ー チ
で は 、 最 初 に 、 x線 結 晶 学 に よ る か 、 コ ン ピ ュ ー タ モ デ ル 化 に よ る か 、 ま た は 最 も 一 般 に
、 ア プ ロ ー チ の 組 合 せ に よ り 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRリ ガ ン ド の 三 次 元
構 造 を 決 定 す る 。 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRリ ガ ン ド の 構 造 に 関 す る 有 用 な 情
報も、相同タンパク質の構造に基づいたモデル化によって得られることがある。合理的薬
物 設 計 の 例 は 、 HIVプ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 の 開 発 で あ る (Erickson et al., Science. 249: 5
20
27-533, 1990)。 さ ら に 、 標 的 分 子 を ア ラ ニ ン ス キ ャ ン に よ り 解 析 し て も よ い (Wells, Met
hods Enzymol. 202: 2699-2705, 1991)。 こ の 技 法 で は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 を Alaに 置 き 換 え て
そのペプチドの活性への効果を判定する。ペプチドのそれぞれのアミノ酸残基をこの方法
で解析してペプチドの重要な領域を決定する。
【0124】
ま た 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAg特 異 的 抗 体 ま た は TLR特 異 的 抗 体 を 単 離 し (例 え ば 上 記
の 方 法 な ど に よ る )、 そ の 後 そ の 結 晶 構 造 を 解 く こ と も 可 能 で あ る 。 基 本 的 に 、 こ の ア プ
ローチによってその後の薬物設計の基礎となり得るファーマコフォアが得られる。薬理学
的 に 活 性 の あ る 機 能 抗 体 に 対 す る 抗 イ デ ィ オ タ イ プ 抗 体 (抗 id)を 作 製 す る こ と に よ り タ ン
パ ク 質 結 晶 学 を 完 全 に 迂 回 す る こ と が 可 能 で あ る 。 鏡 像 の 鏡 像 と い う こ と で 、 抗 idの 結 合
30
部 位 は 元 の 受 容 体 の 類 似 体 で あ る こ と が 予 想 さ れ る 。 次 に 、 抗 idを 用 い て 化 学 的 ま た は 生
物学的に作製されたペプチドのバンクからペプチドを同定し、単離することができると考
えられる。次に、選択されたペプチドをファーマコフォアとして機能すると考えられる。
【0125】
本 発 明 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR-2も し く は TLR-4な ど の TLRを コ ー ド す
る遺伝子の発現を上方制御または下方制御する遺伝的アプローチに及ぶ。一般に、遺伝的
手段を用いて転写前または転写後の遺伝子サイレンシングなどの遺伝子サイレンシングを
誘 導 す る こ と が よ り 便 宜 で あ り 、 従 っ て HBVの プ レ コ ア 遺 伝 子 ま た は 別 の 病 原 体 に お け る
その同等物をサイレンシングすることがより適当または便宜である。しかし、一般的技法
は、遺伝子のコピー数を増加させることまたは遺伝子発現の阻害因子を拮抗することなど
40
による発現の上方制御に使用できる。
【0126】
用語「核酸」、「ヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、センス鎖およびアン
チ セ ン ス 鎖 双 方 の RNA、 cDNA、 ゲ ノ ム DNA、 合 成 形 お よ び 混 合 ポ リ マ ー が 含 ま れ 、 さ ら に 当
業者に容易に理解されるように、化学的にまたは生化学的に修飾されていてもよく、ある
いは非天然または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含んでいてもよい。このような修飾
と し て は 、 例 え ば 、 標 識 、 メ チ ル 化 、 1つ ま た は 複 数 の 天 然 に 存 在 す る ヌ ク レ オ チ ド の 類
似 体 (モ ル ホ リ ン 環 な ど )で の 置 換 、 ヌ ク レ オ チ ド 間 修 飾 、 例 え ば 非 荷 電 結 合 (例 え ば メ チ
ル ホ ス ホ ネ ー ト 、 ホ ス ホ ト リ エ ス テ ル 、 ホ ス ホ ア ミ デ ー ト 、 カ ル バ メ ー ト な ど )、 荷 電 結
合 (例 え ば ホ ス ホ ロ チ オ エ ー ト 、 ホ ス ホ ロ ジ チ オ エ ー ト な ど )ペ ン ダ ン ト 部 分 (例 え ば ポ リ
50
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ペ プ チ ド )、 イ ン タ ー カ レ ー タ ー (例 え ば ア ク リ ジ ン 、 ソ ラ レ ン な ど )、 キ レ ー ト 剤 、 ア ル
キ ル 化 剤 お よ び 修 飾 さ れ た 結 合 (例 え ば α -ア ノ マ ー の 核 酸 な ど )が 挙 げ ら れ る 。 ま た 、 水
素結合および他の化学的相互作用を介して指定された配列と結合するポリヌクレオチドの
能力においてポリヌクレオチドを模倣する合成分子も挙げられる。このような分子は当技
術分野において公知であり、例えば、分子の骨格中のリン酸結合をペプチド結合が置換し
ている分子が挙げられる。
【0127】
例 え ば 、 ア ン チ セ ン ス ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを コ ー ド す
るプレコア遺伝子の転写物のサイレンシングに有用である。このような細胞内でのアンチ
セ ン ス 構 築 物 の 発 現 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAg遺 伝 子 の 転 写 お よ び /ま た は 翻 訳 を 妨
10
げ る 。 さ ら に 、 共 抑 制 お よ び 、 短 鎖 干 渉 RNA(siRNA)ま た は ONAに 由 来 す る RNAi(ddRNAi)を
用 い る RNAiを 誘 導 す る 機 構 を 使 用 し て も よ い 。 従 っ て 、 ア ン チ セ ン ス 分 子 ま た は セ ン ス 分
子を直接投与してもよい。この最後の態様では、アンチセンス分子またはセンス分子を組
成物中に処方して、その後任意の数の手段により標的細胞へ投与するか、または発現構築
物を介して投与することができる。
【0128】
アンチセンス分子およびセンス分子の変化形には、モルホリンヌクレオチド誘導体およ
びホスホロジアミデート結合で構成されるオリゴヌクレオチドである、モルホリノの使用
が 含 ま れ る (例 え ば 、 Summerton and Weller, Antisense and Nucleic Acid Drug Develop
ment. 7: 187-195, 1997)。 こ の よ う な 化 合 物 を 胚 へ 注 入 し 、 mRNAに よ る 干 渉 の 効 果 を 観
20
察する。
【0129】
一 態 様 で は 、 本 発 明 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを コ ー ド す る 分 子 な ど の 核 酸 分 子 の
機能または効果を調節する際に使用するための、オリゴヌクレオチドおよび類似の種など
の化合物を使用する。言い換えば、このオリゴヌクレオチドが転写前または転写後の遺伝
子 サ イ レ ン シ ン グ を 誘 導 す る 。 こ れ は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを コ ー ド す る 核 酸 分 子
と 特 異 的 に ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る か 、 ま た は プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを コ ー ド す る 核 酸 分
子を補完するオリゴヌクレオチドを提供することによって達成される。オリゴヌクレオチ
ドは直接細胞へ提供してもよいし、また細胞内で作製してもよい。本明細書において用い
ら れ る 用 語 「 標 的 核 酸 」 お よ び 「 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAg遺 伝 子 転 写 物 を コ ー ド す る 核
30
酸 分 子 」 は 、 便 宜 上 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgを コ ー ド す る DNA、 そ の よ う な DNAか ら 転
写 さ れ た RNA(プ レ mRNAお よ び mRNAま た は そ の 部 分 を 含 む )、 お よ び そ の よ う な RNAに 由 来 す
る cDNAを も 包 含 す る た め に 用 い ら れ て い る 。 本 発 明 の 化 合 物 の そ の 標 的 核 酸 と の ハ イ ブ リ
ダ イ ゼ ー シ ョ ン は 、 一 般 に 「 ア ン チ セ ン ス 」 と 称 さ れ 、 ま た は RISCな ど の ダ イ サ ー を 含 む
複合体の一部であり得る。
【0130】
本発明の文脈において、「ハイブリダイゼーション」とは、オリゴマー化合物の相補鎖
の対形成を意味する。本発明において、好ましい対形成の機構としては、オリゴマー化合
物 の 鎖 の 相 補 的 な ヌ ク レ オ シ ド ま た は ヌ ク レ オ チ ド 塩 基 (核 酸 塩 基 )間 の 、 ワ ト ソ ン -ク リ
ック型水素結合、フーグスティーン型水素結合、または逆フーグスティーン型水素結合で
40
あってよい、水素結合が挙げられる。例えば、アデニンおよびチミンは水素結合の形成に
よって対形成される相補的な核酸塩基である。ハイブリダイゼーションは様々な環境下で
起こり得る。
【0131】
ア ン チ セ ン ス ま た は RNAi化 合 物 は 、 化 合 物 と 標 的 核 酸 と の 結 合 が 標 的 核 酸 の 正 常 機 能 を
妨げて活性の損失をもたらす場合、かつ特異的結合が所望される条件下で、すなわちイン
ビボアッセイまたは治療上の処置の場合には生理的条件下で、およびインビトロアッセイ
の場合にはアッセイを行う条件下で、アンチセンス化合物と非標的核酸配列の非特異的結
合を回避するために十分な程度の相補性がある場合、特異的にハイブリダイズ可能である
。
50
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【0132】
本 明 細 書 に お い て 用 い ら れ る 「 相 補 的 」 と は 、 オ リ ゴ マ ー 化 合 物 の 2つ の 核 酸 塩 基 間 の
正 確 な 対 形 成 の た め の 能 力 を 指 す 。 例 え ば 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド (オ リ ゴ マ ー 化 合 物 )の 特
定 の 位 置 の 核 酸 塩 基 が 、 標 的 核 酸 の 特 定 の 位 置 の 核 酸 塩 基 と 水 素 結 合 可 能 で あ る 場 合 (該
標 的 核 酸 は DNA、 RNA、 ま た は オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 で あ る )、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド と 標
的核酸との間の水素結合の位置は相補的な位置であると考えられる。オリゴヌクレオチド
お よ び さ ら に DNA、 RNA、 ま た は オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 は 、 そ れ ぞ れ の 分 子 に お け る 十 分
な数の相補的な位置が互いに水素結合できる核酸塩基に占有されている場合、互いに相補
的である。従って、「特異的にハイブリダイズ可能」および「相補的」とは、安定かつ特
異的な結合がオリゴヌクレオチドと標的核酸との間に生じるような、十分な数の核酸塩基
10
にわたる十分な程度の正確な対形成または相補性を指すために用いられる用語である。
【0133】
本発明の文脈において、用語「オリゴマー化合物」とは、複数のモノマー単位を含むポ
リマーまたはオリゴマーを指す。本発明の文脈において、用語「オリゴヌクレオチド」と
は 、 リ ボ 核 酸 (RNA)ま た は デ オ キ シ リ ボ 核 酸 (DNA)ま た は そ の 模 擬 物 、 キ メ ラ 、 類 似 体 お よ
びホモログのオリゴマーまたはポリマーを指す。この用語には、天然に存在する核酸塩基
、 糖 お よ び ヌ ク レ オ シ ド (骨 格 )間 共 有 結 合 で 構 成 さ れ る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 、 な ら び に 同
様に機能する非天然に存在する部分を有するオリゴヌクレオチドが含まれる。このような
修飾オリゴヌクレオチドまたは置換オリゴヌクレオチドは、所望の特性、例えば、強化さ
れた細胞取り込み、強化された標的核酸に対する親和性およびヌクレアーゼの存在下での
20
強化された安定性などのために、天然型よりも好ましい場合が多い。
【0134】
オリゴヌクレオチドは本発明の化合物の好ましい形態であるが、本発明は、限定される
ものではないが、本明細書において記載されるものなどのオリゴヌクレオチド類似体およ
び模擬物をはじめとする、他の化合物ファミリーも同様に包含する。
【0135】
翻訳開始コドンと翻訳終止コドンとの間の領域を指すとして当技術分野において公知の
オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム (ORF)ま た は 「 コ ー ド 領 域 」 は 、 効 果 的 に 標 的 化 さ れ 得 る
領 域 で あ る 。 本 発 明 の 文 脈 で 、 1つ の 領 域 は 、 遺 伝 子 の オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム (OR
F)の 翻 訳 開 始 コ ド ン ま た は 翻 訳 終 止 コ ド ン を 包 含 す る 遺 伝 子 内 の 領 域 で あ る 。
30
【0136】
他 の 標 的 領 域 に は 、 翻 訳 開 始 コ ド ン か ら 5'方 向 の mRNAの 部 分 を さ し 、 従 っ て mRNAの 5'キ
ャ ッ プ 部 位 と 翻 訳 開 始 コ ド ン と の 間 の ヌ ク レ オ チ ド (ま た は 遺 伝 子 上 の 対 応 す る ヌ ク レ オ
チ ド )を 含 む こ と が 当 技 術 分 野 に お い て 公 知 の 5'非 翻 訳 領 域 (5'UTR)、 お よ び 翻 訳 終 止 コ ド
ン か ら 3'方 向 の mRNAの 部 分 を さ し 、 従 っ て mRNAの 翻 訳 終 止 コ ド ン と 3'末 端 の 間 の ヌ ク レ オ
チ ド (ま た は 遺 伝 子 上 の 対 応 す る ヌ ク レ オ チ ド )を 指 す と し て 当 技 術 分 野 に お い て 公 知 の 3'
非 翻 訳 領 域 (3'UTR)が 含 ま れ る 。 mRNAの 5'キ ャ ッ プ 部 位 は 、 5'-5'三 リ ン 酸 結 合 を 介 し て mR
NAの 最 も 5'側 の 残 基 と 結 合 し た N7-メ チ ル 化 グ ア ノ シ ン 残 基 を 含 む 。 mRNAの 5'キ ャ ッ プ 領
域 は 、 5'キ ャ ッ プ 構 造 自 体 な ら び に キ ャ ッ プ 部 位 に 隣 接 す る 最 初 の 50ヌ ク レ オ チ ド を 含 む
と 考 え ら れ て い る 。 5'キ ャ ッ プ 領 域 を 化 す る こ と も ま た 好 ま し い 。
40
【0137】
当 技 術 分 野 に お い て 公 知 の よ う に 、 ヌ ク レ オ シ ド は 塩 基 -糖 の 組 合 せ で あ る 。 ヌ ク レ オ
シドの塩基部分は、通常複素環塩基である。このような複素環塩基の中で最も一般的な2
つのクラスはプリンおよびピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分と
共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌク
レ オ シ ド に 関 し て 、 リ ン 酸 基 が 糖 の 2'、 3'ま た は 5'ヒ ド ロ キ シ ル 部 分 の い ず れ か と 結 合 で
きる。オリゴヌクレオチドの形成において、リン酸基が隣接するヌクレオシドと互いに共
有結合して直鎖状のポリマー化合物を形成する。順に、この直鎖状のポリマー化合物それ
ぞれの末端がさらに結合して環状の化合物を形成することもできるが、直鎖状の化合物が
一般に好ましい。さらに、直鎖状の化合物は内部に核酸塩基相補性を有する可能性があり
50
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、従って、完全にまたは部分的に二本鎖化合物が作製されるように折り畳まれる可能性が
ある。オリゴヌクレオチド内部で、リン酸基は、一般にオリゴヌクレオチドのヌクレオシ
ド 間 の 骨 格 を 形 成 す る と さ れ る 。 RNAお よ び DNAの 通 常 の 結 合 ま た は 骨 格 は 、 3'-5'の ホ ス
ホジエステル結合である。
【0138】
本 発 明 に お い て 有 用 な 好 ま し い ア ン チ セ ン ス 化 合 物 ま た は RNAi化 合 物 の 特 定 の 例 と し て
は、修飾された骨格または非天然ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドが挙げら
れる。本明細書において定義されるように、修飾された骨格を有するオリゴヌクレオチド
には、骨格中にリン原子を保持するオリゴヌクレオチドおよび骨格中にリン原子を持たな
いオリゴヌクレオチドが含まれる。本明細書の目的において、また当技術分野において時
10
折言及されるように、ヌクレオシド間骨格中にリン原子を持たない修飾オリゴヌクレオチ
ドもオリゴヌクレオシドであるとみなされ得る。
【0139】
リ ン 原 子 を 含 む 好 ま し い 修 飾 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 骨 格 と し て は 、 例 え ば 、 正 常 な 3'-5'
結合を有する、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート
、 ホ ス ホ ト リ エ ス テ ル 、 ア ミ ノ ア ル キ ル ホ ス ホ ト リ エ ス テ ル 、 3'-ア ル キ レ ン ホ ス ホ ネ ー
ト 、 5'-ア ル キ レ ン ホ ス ホ ネ ー ト お よ び キ ラ ル ホ ス ホ ネ ー ト を は じ め と す る メ チ ル お よ び
他 の ア ル キ ル ホ ス ホ ネ ー ト 、 ホ ス フ ィ ネ ー ト 、 3'-ア ミ ノ ホ ス ホ ル ア ミ デ ー ト お よ び ア ミ
ノアルキルホスホルアミデートをはじめとするホスホルアミデート、チオノホスホルアミ
デート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホス
20
フ ェ ー ト お よ び ボ ラ ノ ホ ス フ ェ ー ト 、 こ れ ら の 2'-5'結 合 類 似 体 、 な ら び に 1つ ま た は 複 数
の ヌ ク レ オ チ ド 間 結 合 が 3'-3'、 5'-5'ま た は 2'-2'の 結 合 で あ る 、 逆 向 き の 極 性 を 有 す る
オリゴヌクレオチド骨格が挙げられる。逆向きの極性を有する好ましいオリゴヌクレオチ
ド は 、 最 も 3'側 の ヌ ク レ オ チ ド 間 結 合 に お い て 単 一 の 3'-3'結 合 を 含 む 、 す な わ ち 脱 塩 基 (
核 酸 塩 基 が 欠 失 し て い る か ま た は そ の 場 所 に ヒ ド ロ キ シ ル 基 を 有 す る )で あ り 得 る 単 一 の
逆向きのヌクレオシド残基を含む。種々の塩、混合塩および遊離酸形態も含まれる。
【0140】
ア ン チ セ ン ス オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド ま た は RNAiオ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド は 、 吸 入 、 局 所 的 手 段
または全身性の手段をはじめとする任意の便宜な手段により投与してよい。
【0141】
30
別 の 態 様 で は 、 DNAワ ク チ ン を 含 む 遺 伝 子 構 築 物 を 用 い て イ ン ビ ボ に て ア ン チ セ ン ス 分
子 ま た は ddRNAi分 子 を 生 成 す る こ と が で き る 。
【0142】
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgと 相 互 作 用 す る か ま た は TLRも し く は TLR経 路 を 調 節 す る 薬 剤
の同定の後に、これを調製物、すなわち製造物もしくは処方物、または医薬品、薬学的組
成 物 ま た は 薬 物 な ど の 組 成 物 中 に 製 造 お よ び /ま た は 使 用 す る こ と が で き る 。 こ れ ら は 感
染の治療または予防の方法において個体へ投与してよい。または、パッチまたは徐放性の
カプセル剤またはインプラントへ組み込んでもよい。
【0143】
従 っ て 、 本 発 明 は 、 そ れ 従 っ て 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRの 活 性 も し く
40
は 遺 伝 子 発 現 ま た は TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 成 分 の 活 性 も し く は 遺 伝 子 発 現 の 調 節 因 子 を
含む薬学的組成物、医薬品、薬物またはパッチもしくは徐放性製剤をはじめとする他の組
成物に及ぶ。
【0144】
本発明の別の局面は、このような組成物を例えば感染または他の疾患状態の治療または
予防のために被験体へ投与する段階を含む方法を意図する。さらに、本発明は、本発明の
化合物と薬学的に許容される賦形剤、媒体または担体、および所望により他の成分とを混
合する段階を含む、薬学的組成物を作出する方法を意図する。複数の組成物が提供される
場合、このような組成物を同時にまたは連続して与えてよい。連続投与には、数ナノ秒、
数秒、数分、数時間または数日以内の投与が含まれる。好ましくは、連続投与は数秒また
50
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は数分以内である。
【0145】
ま た 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAg活 性 ま た は レ ベ ル と 相 互 作 用 し 、 TLR-2も し く は TLR-4
な ど の TLRを 共 に 調 節 す る 成 分 な ど 複 数 の 成 分 を 含 む 、 2部 分 を 含 む 複 数 部 分 の 薬 学 的 組 成
物またはパックも意図される。さらにヌクレオシド類似体などの抗病原体剤も含まれ得る
。このような複数部分の薬学的組成物またはパックは、異なる薬剤または薬剤群を別々に
維持する。これらは別々に投薬されるか、または投薬の前に混合される。
【0146】
従って、本発明の別の局面は、被検体における感染または他の疾患状態の治療または予
防のための方法を意図し、該方法は該被験体へ有効量の本明細書において記載される化合
10
物またはそれを含む組成物を投与する段階を含む。
【0147】
好ましくは、被験体は哺乳類、例えばヒトあるいは動物モデル系、例えばマウス、ラッ
ト、ウサギ、モルモット、ハムスター、ゼブラフィッシュまたは両生類もしくはアヒルな
どの鳥類である。
【0148】
また、この方法は細胞へ野生型または突然変異標的遺伝子機能を提供する段階を含む。
これは動物モデルを作成する場合に特に有用である。または、これは遺伝子療法アプロー
チの一部となり得る。標的遺伝子または遺伝子の一部は、遺伝子が染色体外に残るように
ベクター中の細胞内へ導入することができる。このような状況では、遺伝子は染色体外の
20
位置から細胞により発現されることになる。突然変異標的対立遺伝子を保有する細胞へ遺
伝子部分を導入して発現させる場合、遺伝子部分は標的タンパク質の一部をコードしてい
るべきである。組換えのためおよび染色体外維持のための遺伝子の導入用ベクターは当技
術分野において公知であり、任意の適したベクターを用いてよい。エレクトロポレーショ
ン 、 リ ン 酸 カ ル シ ウ ム 共 沈 法 お よ び ウ イ ル ス の 形 質 導 入 な ど の DNAを 細 胞 へ 導 入 す る た め
の 方 法 は 当 技 術 分 野 に お い て 公 知 で あ る 。 本 発 明 の こ の 局 面 は 、 ddRNAiを コ ー ド す る 構 築
物に及ぶ。
【0149】
当技術分野において公知の遺伝子導入系は、遺伝子操作の実践に有用であり得る。これ
ら に は ウ イ ル ス 性 お よ び 非 ウ イ ル ス 性 導 入 法 が 含 ま れ る 。 パ ポ バ ウ イ ル ス (例 え ば SV40,
30
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0; Fink et al., Ann. Rev. Neurosci. 19: 265-287, 1996)、 レ ン チ ウ イ ル ス (Naldini e
t al., Science 272: 263-267, 1996)、 シ ン ド ビ ス ウ イ ル ス お よ び セ ム リ キ 森 林 熱 ウ イ ル
ス (Berglund et al., Biotechnology 11: 916-920, 1993)な ら び に 鳥 類 起 源 の レ ト ロ ウ イ
ル ス (Bandyopadhyay and Temin, Mol. Cell. Biol. 4: 749-754, 1984; Petropoulos et
al., J. Virol. 66: 3391-3397, 1992)、 ネ ズ ミ 起 源 の レ ト ロ ウ イ ル ス [Miller, Curr. To
p. Microbiol. Immunol. 158: 1-24, 1992; Miller et al., Mol. Cell. Biol. 5: 431-4
50
(31)
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37, 1985; Sorge et al., Mol. Cell. Biol. 4: 1730-1737, 1984; and Baltimore, J. V
irol. 54: 401-407, 1985; Miller et al., J. Virol. 62: 4337-4345, 1988]お よ び ヒ ト
起 源 の レ ト ロ ウ イ ル ス [Shimada et al., J. Clin. Invest. 88: 1043-1047, 1991; Helse
th et al., J. Virol. 64: 2416-2420, 1990; Page et al., J. Virol. 64: 5270-5276,
1990; Buchschacher and Panganiban, J. Virol. 66: 2731-2739, 1982]を 含 む 多 数 の ウ
イルスが遺伝子導入ベクターとして、または遺伝子導入ベクターを調製するための基礎と
して用いられている。
【0150】
非ウイルス性遺伝子導入法、例えばリン酸カルシウム共沈殿をはじめとする化学的技法
、機構による技法、例えば、マイクロインジェクション、リポソームを介する膜融合に媒
10
介 さ れ る 導 入 お よ び DNAの 直 接 取 り 込 み な ら び に 受 容 体 に 媒 介 さ れ る DNA導 入 な ど は 、 当 技
術分野において公知である。ウイルスに媒介される遺伝子導入は、リポソーム送達を用い
る直接のインビボ遺伝子導入法と組み合わせることができ、ウイルスベクターを特定の細
胞へ導くことが可能となる。または、レトロウイルスベクター産生細胞株を特定の組織へ
注入することができる。産生細胞の注入は、その後、ベクター粒子の継続的な供給源をも
たらす。
【0151】
生物学的遺伝子導入法と物理的遺伝子導入法を組み合わせるアプローチでは、任意のサ
イ ズ の プ ラ ス ミ ド DNAを ア デ ノ ウ イ ル ス ヘ キ ソ ン タ ン パ ク 質 に 特 異 的 な ポ リ リ ジ ン 結 合 抗
体 と 結 合 さ せ 、 生 じ た 複 合 体 を ア デ ノ ウ イ ル ス ベ ク タ ー と 結 合 さ せ る 。 次 に 、 こ の 3分 子
20
複 合 体 を 用 い て 細 胞 を 感 染 さ せ る 。 ア デ ノ ウ イ ル ス ベ ク タ ー は 、 連 結 さ れ た DNAが 損 傷 す
る前に効果的な結合、内部移行およびエンドソームの分解を可能にする。アデノウイルス
に 基 づ く ベ ク タ ー の 送 達 に 関 す る 他 の 技 法 に つ い て は 、 米 国 特 許 第 5,691,198号 を 参 照 。
【0152】
リ ポ ソ ー ム /DNA複 合 体 は 、 直 接 イ ン ビ ボ 遺 伝 子 導 入 を 媒 介 す る 能 力 が あ る と い う こ と が
示されている。標準的なリポソーム調製物において遺伝子導入プロセスは非特異的である
が、例えば、直接インサイチュー投与後に局在的なインビボ取り込みおよび発現が腫瘍沈
着物において報告されている。
【0153】
ポリヌクレオチドがセンスもしくはアンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイムも
30
し く は DNAzymeを コ ー ド す る 場 合 、 発 現 す る と セ ン ス も し く は ア ン チ セ ン ス ポ リ ヌ ク レ オ
チ ド ま た は リ ボ ザ イ ム も し く は DNAzymeを 産 生 す る 。 従 っ て 、 こ の 状 況 に お い て 、 発 現 に
はタンパク質産物が合成されることを必要としない。発現ベクターへクローニングされた
ポリヌクレオチドに加えて、発現ベクターはまた、真核細胞において機能するプロモータ
ーも含む。クローニングされたポリヌクレオチド配列はこのプロモーターの制御下にある
。適した真核生物プロモーターとしては、上記のものが挙げられる。また、発現ベクター
は本明細書において記載される選択マーカーおよび他の配列などの配列も含み得る。
【0154】
突 然 変 異 標 的 遺 伝 子 (例 え ば プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR-2も し く は TLR-4)を 保
有する細胞は、感染または他の疾患状態の効果を調べるためのモデル系として用いること
40
ができる。
【0155】
本発明の化合物、薬剤、医薬品、核酸分子および他の標的アンタゴニストもしくはアゴ
ニストは、従来の薬学的配合技術に従って調製される薬学的組成物中に処方することがで
き る 。 例 え ば 、 Remington's Pharmaceutical Sciences, 18
t h
Ed.(1990, Mack Publishin
g, Company, Easton, PA, U.S.A.)参 照 。 組 成 物 は 、 活 性 物 質 ま た は 活 性 物 質 の 薬 学 的 に
許 容 さ れ る 塩 を 含 み 得 る 。 こ れ ら の 組 成 物 は 、 活 性 物 質 の う ち の 1種 類 に 加 え て 、 薬 学 的
に許容される賦形剤、担体、バッファー、安定剤または当技術分野において周知の他の材
料を含み得る。このような材料は無毒であるべきであり、有効成分の効力を妨げるべきで
ない。担体は、投与、例えば局所、静脈内、経口、くも膜下腔内、神経鞘または非経口投
50
(32)
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与に望ましい調製物の形態に応じて多種多様の形態をとり得る。
【0156】
経口投与を目的として、化合物を、カプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、粉剤、懸濁
液またはエマルジョンなどの固体または液体調製物へ処方することができる。組成物を経
口 投 与 形 に 調 製 す る 際 に は 、 例 え ば 、 経 口 液 体 調 製 物 (例 え ば 、 懸 濁 液 、 エ リ キ シ ル 剤 お
よ び 溶 液 な ど )の 場 合 の 水 、 グ リ コ ー ル 、 油 、 ア ル コ ー ル 、 香 味 剤 、 防 腐 剤 、 着 色 剤 、 お
よ び 沈 殿 防 止 剤 な ど ; ま た は 経 口 固 体 調 製 物 (例 え ば 、 粉 剤 、 カ プ セ ル 剤 お よ び 錠 剤 な ど )
の場合の担体、例えばデンプン、糖、希釈液、造粒剤、滑沢剤、結合剤、および崩壊剤な
ど、任意の通常の薬学的媒体を用いてよい。投与における容易さのために、錠剤およびカ
プセル剤が最も有利な経口投与単位形態を表すが、この場合は当然固体の薬学的担体が用
10
いられる。所望であれば、標準的な技術により錠剤に糖衣をかけるかまたは腸溶コーティ
ングしてもよい。活性物質をカプセルに封入して消化管を安定して通過させると同時に血
液 脳 関 門 の 通 過 も 可 能 に す る こ と が で き る 。 例 え ば 、 国 際 公 開 公 報 第 96/11698号 参 照 。
【0157】
非経口投与を目的として、化合物を薬学的担体に溶解し、溶液または懸濁液のいずれか
として投与することができる。適した担体の例は水、生理食塩水、デキストロース溶液、
フルクトース溶液、エタノール、または動物、植物または合成起源の油である。また、担
体に他の成分、例えば、防腐剤、沈殿防止剤、可溶化剤、バッファーなどを含めてもよい
。化合物をくも膜下腔内に投与する場合、化合物を脳脊髄液中に溶解してもよい。
【0158】
20
活性物質は、好ましくは治療上有効な量で投与する。実際の投与量ならびに投与の速度
および時間経過は、治療される状態の性質および重篤度に依存することになる。治療の処
方、例えば投与量、タイミングなどの決定は、一般開業医または専門医の責任の範囲内に
あり、一般に、治療される障害、個々の患者の状態、送達部位、投与方法および開業医に
公 知 の 他 の 因 子 を 考 慮 に 入 れ る 。 技 法 お よ び プ ロ ト コ ー ル の 例 は 前 記 Remington's Pharma
ceutical Sciencesに 見 出 す こ と が で き る 。
【0159】
または、ターゲティング療法を用いて、抗体もしくは細胞特異的リガンドまたは特異的
核酸分子などのターゲティング系の使用により、活性物質をより特異的に特定の種類の細
胞へ送達してもよい。ターゲティングは種々の理由から望ましい場合があり、例えば薬剤
30
が許容されないほど有毒である場合、またはさもなければ非常に高い投与量を必要とする
場合、またはさもなければ標的細胞に進入することができない場合である。
【0160】
これらの物質を直接投与する代わりに、物質を標的細胞内に、例えば上記のようなウイ
ル ス ベ ク タ ー 内 に 、 ま た は 米 国 特 許 第 5,550,050号 お よ び 国 際 公 開 公 報 第 92/19195号 、 同
第 94/25503号 、 同 第 95/01203号 、 同 第 95/05452号 、 同 第 96/02286号 、 同 第 96/02646号 、 同
第 96/40871号 、 同 第 96/40959号 お よ び 同 第 97/12635号 に 記 載 の も の な ど の 細 胞 に 基 づ く 送
達系において産生させることができる。ベクターは標的細胞に対して標的化され得る。細
胞に基づく送達系は、患者の身体内の所望の標的部位に移植されるよう設計され、標的物
質のコード配列を含む。または、物質を、治療する細胞内で産生されるか、または治療す
40
る細胞を標的化する活性化剤により活性型へ変換される前駆体の形態で投与することもで
き る 。 例 え ば 、 欧 州 特 許 出 願 第 0 425 731A号 お よ び 国 際 公 開 公 報 第 90/07936号 を 参 照 。
【0161】
本発明はさらに、感染または他の疾患状態の存在または非存在、感染が慢性となってい
る か ど う か 、 感 染 お よ び /ま た は 治 療 プ ロ ト コ ー ル の 有 効 性 に 対 す る 被 験 体 の 感 受 性 を 判
定するためなどの診断プロトコールを意図する。
【0162】
免 疫 学 に 基 づ く プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR検 出 プ ロ ト コ ー ル は 、 種 々 の 形 態
を と り 得 る 。 例 え ば 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRま た は プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /
HBeAgま た は TLRを 含 む 単 球 も し く は 肝 細 胞 に 対 し て そ れ ぞ れ が 異 な る 特 異 性 を 有 す る 複 数
50
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の抗体をアレイ内に固定化してもよい。次に、生検細胞を抗体アレイと接触させ、細胞上
ま た は 細 胞 内 で 上 昇 し た か ま た は 下 方 制 御 さ れ た プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRの
レベルおよび種類に関して診断を行うことができる。
【0163】
ELISA、 ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ ト 解 析 、 免 疫 沈 降 解 析 、 免 疫 蛍 光 解 析 、 免 疫 化 学 解 析 ま た は F
ACS解 析 に よ る な ど 他 の よ り 常 套 的 な ア ッ セ イ を 行 っ て も よ い 。
【0164】
従って、本発明は、試料と抗体またはその断片もしくは誘導体を接触させる段階および
、 該 抗 体 お よ び HBeAgも し く は TLRま た は そ の 断 片 、 変 異 体 も し く は 誘 導 体 を 含 む 複 合 体 の
レ ベ ル を 正 常 対 照 と 比 較 し て 検 出 す る 段 階 を 含 み 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR
10
のレベルの変化が、感染または他の疾患状態の存在または非存在の指標となる、プレコア
タ ン パ ク 質 /HBeAgも し く は TLRま た は そ れ を 含 む 細 胞 ま た は そ の 断 片 、 変 異 体 も し く は 誘
導体を検出する方法を提供する。
【0165】
好 ま し く は 、 TLRは TLR-2お よ び /ま た は TLR-4で あ る 。
【0166】
上記に考察したように、複合体の形成を判定するために適した任意の技術を用いてよい
。例えば、本発明の抗体は、それと会合しているレポーター分子を有するが、免疫測定法
に利用することができる。このような免疫測定法としては、限定されるものではないが、
当 業 者 に 周 知 の 放 射 免 疫 測 定 法 (RIA)、 酵 素 結 合 免 疫 吸 着 測 定 法 (ELISA)お よ び 免 疫 ク ロ マ
20
ト グ ラ フ ィ ー 法 (ICT)、 ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ が 挙 げ ら れ る 。 例 え ば 、 本 発 明 に 従 っ
て 用 い る こ と の で き る 種 々 の 免 疫 測 定 法 を 開 示 し て い る Coligan et al., 1991-1997, 前
記を参照することもできる。免疫測定法には、競合アッセイ法が含まれ得る。本発明が定
性的および定量的な免疫測定法を包含することは当然理解されるであろう。
【0167】
適 し た 免 疫 測 定 法 は 、 例 え ば 、 米 国 特 許 第 4,016,043号 、 同 第 4,424,279号 お よ び 同 第 4,
018,653号 に 記 載 さ れ て い る 。 こ れ ら に は 、 非 競 合 型 の 一 部 位 ア ッ セ イ 法 お よ び 二 部 位 ア
ッセイ法の双方、ならびに従来の競合結合アッセイ法が含まれる。また、これらのアッセ
イ 法 に は 、 標 識 抗 原 結 合 分 子 と 標 的 抗 原 と の 直 接 結 合 も 含 ま れ る 。 こ の 場 合 の 抗 原 は TLR
またはその断片である。
30
【0168】
二部位アッセイ法は、本発明における使用に特に好ましい。これらのアッセイ法には多
数の変法が存在し、それは全て本発明に包含されるものとする。要するに、典型的な順方
向アッセイでは、非標識抗体などの非標識抗原結合分子を固体基板上に固定化し、試験す
る試料を結合している分子と接触させる。抗体抗原複合体の形成を可能にするために十分
な期間である、適したインキュベーション期間の後、検知可能なシグナルを生じることの
できるレポーター分子で標識した別の抗原結合分子、適当にはこの抗原に特異的な二次抗
体 を 、 そ の 後 添 加 し て イ ン キ ュ ベ ー ト し 、 抗 体 -抗 原 -標 識 抗 体 か ら な る 別 の 複 合 体 の 形 成
に十分な時間置く。未反応材料を洗浄除去し、レポーター分子により生じたシグナルを観
察して抗原の存在を判定する。結果は可視シグナルの簡単な観察による定性的なものであ
40
ってもよいし、または既知量の抗原を含む対照試料との比較により定量化してもよい。順
方向アッセイの変法としては、試料と標識抗体の双方を同時に結合抗体へ添加する同時ア
ッセイが挙げられる。容易に理解されるであろうわずかな変形を含め、これらの技法は当
業者に周知である。
【0169】
典型的な順方向アッセイでは、抗原またはその抗原性部分に対する特異性を有する一次
抗体を固体表面と共有結合させるかまたは受動的に結合させる。固体表面は一般に、ガラ
スまたはポリマーであり、最も慣用されるポリマーはセルロース、ポリアクリルアミド、
ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである。固相支持体は、
チューブ、ビーズ、マイクロプレートのディスク、または免疫測定法の実施に適した任意
50
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の他の表面の形態であってよい。結合プロセスは当技術分野において周知であり、一般に
架 橋 共 有 結 合 ま た は 物 理 的 吸 着 か ら な り 、 ポ リ マ ー -抗 体 複 合 体 を 試 験 試 料 の 調 製 の 際 に
洗浄する。次に試験する試料のアリコートを固相複合体に添加し、十分な時間および適し
た条件下でインキュベートして存在する抗原と抗体とを結合させる。インキュベーション
期 間 の 後 、 抗 原 -抗 体 複 合 体 を 洗 浄 し 、 乾 燥 さ せ 、 抗 原 の 一 部 分 に 特 異 的 な 二 次 抗 体 で イ
ンキュベートする。二次抗体は一般に、二次抗体と会合しているレポーター分子を有し、
レポーター分子は二次抗体と抗原との結合を示すために用いられる。会合しているレポー
ター分子によって判定される、結合する標識抗体の量は、固定化された一次抗体と結合し
た抗原の量に比例する。
【0170】
10
別の方法には、抗原を生物試料中で固定化することと、その後固定化された抗原をレポ
ーター分子で標識していてもしなくてもよい特異的抗体へ曝露することとが含まれる。標
的の量およびレポーター分子シグナルの強度にもよるが、結合した抗原は抗体で直接標識
することにより検出可能となり得る。または、一次抗体に特異的な標識二次抗体を標的一 次 抗 体 複 合 体 に 曝 露 し て 標 的 -一 次 抗 体 -二 次 抗 体 の 三 次 複 合 体 を 形 成 す る 。 こ の 複 合 体
はレポーター分子の発するシグナルにより検出される。
【0171】
前記から、抗原結合分子と会合したレポーター分子には以下のものが含まれ得ることが
当然理解される:
(a)レ ポ ー タ ー 分 子 と 抗 体 と の 直 接 結 合 ;
20
(b)レ ポ ー タ ー 分 子 と 抗 体 と の 間 接 結 合 ; す な わ ち 、 レ ポ ー タ ー 分 子 と 、 そ の 後 に 抗 体 と
結合する別のアッセイ試薬との結合;および
(c)抗 体 の そ の 後 の 反 応 生 成 物 と の 結 合 。
【0172】
レポーター分子は、色素原、触媒、酵素、蛍光色素、化学発光分子、常磁性イオン、ユ
ウ ロ ピ ウ ム (Eu
3 4
)な ど の ラ ン タ ニ ド イ オ ン 、 他 の 核 標 識 タ グ お よ び 直 接 可 視 化 す る 標 識 を
はじめとする放射性同位元素を含む群から選択され得る。
【0173】
直接可視化する標識の場合、コロイド金属粒子または非金属粒子、色素粒子、酵素もし
くは基質、有機ポリマー、ラテックス粒子、リポソーム、またはシグナル生成物質などを
30
含む他の小胞を用いることができる。
【0174】
レ ポ ー タ ー 分 子 と し て の 使 用 に 適 し た 多 数 の 酵 素 が 、 米 国 特 許 第 4,366,241号 、 同 第 4,8
43,000号 、 お よ び 同 第 4,849,338号 に 開 示 さ れ て い る 。 本 発 明 に お い て 有 用 な 適 し た 酵 素
としては、アルカリ性ホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、
β -ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ 、 グ ル コ ー ス オ キ シ ダ ー ゼ 、 リ ゾ チ ー ム 、 リ ン ゴ 酸 デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー
ゼなどが挙げられる。酵素は単独で用いても溶液中の二次酵素と組み合わせて用いてもよ
い。
【0175】
適した蛍光色素としては、限定されるものではないが、フルオレセインイソチオシアネ
40
ー ト (FITC)、 テ ト ラ メ チ ル ロ ー ダ ミ ン イ ソ チ オ シ ア ネ ー ト (TRITC)、 R-フ ィ コ エ リ ト リ ン (
RPE)、 お よ び テ キ サ ス レ ッ ド が 挙 げ ら れ る 。 他 の 例 示 的 な 蛍 光 色 素 と し て は 、 国 際 公 開 公
報 第 93/06121号 に 考 察 さ れ る も の が 挙 げ ら れ る 。 米 国 特 許 第 5,573,909号 お よ び 同 第 5,326
,692号 に 記 載 さ れ る 蛍 光 色 素 を 参 照 し て も よ い 。 ま た は 、 米 国 特 許 第 5,227,487号 、 同 第 5
,274,113号 、 同 第 5,405,975号 、 同 第 5,433,896号 、 同 第 5,442,045号 、 同 第 5,451,663号 、
同 第 5,453,517号 、 同 第 5,459,276号 、 同 第 5,516,864号 、 同 第 5,648,270号 お よ び 同 第 5,72
3,218号 に 記 載 さ れ る 蛍 光 色 素 を 参 照 し て も よ い 。
【0176】
酵素免疫測定法の場合には、一般にグルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸によって、酵
素を二次抗体と結合させる。しかし、容易に認識されるように、当業者に容易に達成可能
50
(35)
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な多種多様の異なる結合法が存在する。特定の酵素と用いられる基質は、一般に、対応す
る酵素による加水分解の際に、検出可能な色の変化を生じる目的で選択される。適した酵
素の例としては、前記に記載されるものが挙げられる。また、上記の発色基質ではなく蛍
光生成物を生じる蛍光発生基質を使用することも可能である。全ての場合において、酵素
標 識 抗 体 を 一 次 抗 体 -抗 原 複 合 体 に 添 加 し 、 結 合 さ せ 、 そ の 後 過 剰 な 試 薬 を 洗 浄 除 去 す る
。 そ の 後 、 適 切 な 基 質 を 含 む 溶 液 を 抗 体 -抗 原 -抗 体 の 複 合 体 へ 添 加 す る 。 こ の 基 質 は 二 次
抗体と連結した酵素と反応して、定性的な視覚シグナルを生じるが、これを、通常は分光
測定により、さらに定量化して試料中に存在していた抗原の量の指標を得ることができる
。
【0177】
10
交 互 に 、 フ ル オ レ セ イ ン 、 ロ ー ダ ミ ン お よ び ラ ン タ ニ ド 、 ユ ウ ロ ピ ウ ム (EU)な ど の 蛍 光
化合物を、化学的に抗体とそれらの結合能を変えることなく結合させてもよい。特定の波
長の光での照射により活性化されると、蛍光色素標識抗体は光エネルギーを吸収し、分子
の励起状態を誘発し、その後、光学顕微鏡で視覚により検出可能な特徴的な色の光を発す
る 。 蛍 光 標 識 抗 体 は 、 一 次 抗 体 -抗 原 複 合 体 と 結 合 さ せ て お く 。 結 合 し て い な い 試 薬 を 洗
浄除去した後、次に残存する三次複合体を適当な波長の光に曝露する。観察される蛍光は
、 関 心 対 象 の 抗 原 の 存 在 を 示 す 。 免 疫 蛍 光 ア ッ セ イ 法 (IFMA)は 当 技 術 分 野 に お い て 十 分 確
立されており、本方法に特に有用である。しかし、他のレポーター分子、例えば放射性同
位元素、化学発光分子または生物発光分子などを用いてもよい。
【0178】
20
ま た 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRに 対 す る モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 を ELISAに よ る
TLRの 検 出 に 用 い て も よ い 。 こ れ は 、 抗 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は 抗 TLR抗 体 を 固 相
支持体へ固定化し、これらを肝細胞と接触させるなど多くの手段で行われ得る。次に、標
識 し た 抗 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は 抗 TLR抗 体 を 用 い て 固 定 化 さ れ た プ レ コ ア タ ン
パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを 検 出 す る 。 ま た は 、 他 の 肝 臓 細 胞 表 面 マ ー カ ー に 対 す る 抗 体 を
用いる。このアッセイ法は多様に変化する可能性があり、全ての変法は本発明に包含され
る 。 こ の ア プ ロ ー チ に よ り 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRレ ベ ル の 迅 速 な 検 出 お
よび定量化が可能となる。
【0179】
また、本抗体は生検物質などのインサイチューハイブリダイゼーション解析にも有用で
30
あ る 。 こ の よ う な 解 析 に よ り 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR-2お よ び TLR-4な ど の
TLRの レ ベ ル の 迅 速 な 診 断 が 可 能 と な る 。
【0180】
好 ま し く は 、 診 断 ア ッ セ イ は 、 FACSま た は ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ ト 手 法 に 基 づ く 。
【0181】
別 の 態 様 で は 、 検 出 の た め の 方 法 は 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを コ ー ド す
るポリヌクレオチドの細胞内発現のレベルを検出する段階を含む。このようなポリヌクレ
オチドの発現は、任意の適した技術を用いて判定することができる。例えば、プレコアタ
ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを コ ー ド す る 標 識 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド を 細 胞 か ら 得 た RNA抽 出 物 の
ノ ー ザ ン ブ ロ ッ ト で の プ ロ ー ブ と し て 用 い る こ と が で き る 。 好 ま し く は 、 RT PCRな ど の 核
40
酸増幅反応において動物の核酸抽出物を、キナーゼをコードするポリヌクレオチド、また
はその隣接配列のセンス配列およびアンチセンス配列に相当するオリゴヌクレオチドプラ
イ マ ー と 共 に 利 用 す る 。 種 々 の 自 動 固 相 検 出 技 術 も 適 し て い る 。 例 え ば 、 例 え ば Fodorら (
Science. 251: 767-777, 1991)お よ び Kazalら (Nature Medicine. 2: 753-759, 1996)に 記
載 さ れ る よ う に 、 非 常 に 大 規 模 な 固 定 化 プ ラ イ マ ー ア レ イ (VLSIPS(商 標 ))が 核 酸 の 検 出 に
用いられる。上記の遺伝子技術は当業者に周知である。
【0182】
例 え ば 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを コ ー ド す る RNA転 写 物 に 関 し て 、 RNAを
プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR RNAを 含 む と 思 わ れ る 細 胞 試 料 か ら 単 離 す る 。 RNAは
、 当 技 術 分 野 に お い て 公 知 の 方 法 に よ り 、 例 え ば TRIZOL(商 標 )試 薬 (GIBCO-BRL/Life Tech
50
(36)
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nologies, Gaithersburg, Md.)を 用 い て 単 離 で き る 。 オ リ ゴ -dT、 ま た は ラ ン ダ ム 配 列 オ
リゴヌクレオチド、ならびに配列特異的オリゴヌクレオチドを、逆転写酵素反応において
プ ラ イ マ ー と し て 使 用 し 、 単 離 RNAか ら 第 1鎖 cDNAを 調 製 で き る 。 次 に 、 生 じ た 第 1鎖 cDNA
を PCR反 応 に お い て 配 列 特 異 的 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド で 増 幅 し て 増 幅 産 物 を 得 る 。
【0183】
「 ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 」 ま た は 「 PCR」 と は 、 核 酸 、 RNAお よ び /ま た は DNAの 予 め 選 択
し さ れ た 断 片 の 量 を 、 米 国 特 許 第 4,683,195号 に 記 載 さ れ る よ う に 増 幅 す る 手 法 ま た は 技
術 を 指 す 。 「 PCR」 へ の 言 及 は 、 多 重 PCR法 を 含 む 。
【0184】
一般に、関心対象の領域の末端またはその向こうの配列情報を用いてオリゴヌクレオチ
10
ドプライマーを設計する。これらのプライマーは、増幅させる鋳型の逆鎖と同一であるか
ま た は 類 似 の 配 列 と な る 。 PCRを 用 い て 特 定 の RNA配 列 お よ び 全 細 胞 RNAか ら 転 写 さ れ た cDN
Aを 増 幅 で き る 。 一 般 に 、 Mullisら (Quant. Biol. 51: 263, 1987; Erlich, eds., PCR Te
chnology, Stockton Press, NY, 1989)を 参 照 。 従 っ て 、 PCRに よ る 特 定 の 核 酸 配 列 の 増 幅
は 、 関 連 遺 伝 子 ま た は タ ン パ ク 質 配 列 の ア ラ イ ン メ ン ト 、 例 え ば 哺 乳 類 TLR遺 伝 子 の 配 列
比較から推定される、保存された核酸配列を有するオリゴヌクレオチドまたは「プライマ
ー 」 に 依 存 す る 。 例 え ば 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRを コ ー ド す る cDNA分 子 の
アンチセンス鎖とアニーリングすると予測される一方のプライマーを調製し、センス鎖と
アニーリングすると予測されるもう一方のプライマーを調製する。
【0185】
20
増幅産物を検出するため、反応混合物を一般にアガロースゲル電気泳動または他の便宜
な 分 離 技 術 に 付 し 、 増 幅 さ れ た プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR特 異 的 DNAの 相 対 的 存
在 を 検 出 す る 。 例 え ば 、 増 幅 さ れ た プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLRの DNAを 、 特 異 的
オリゴヌクレオチドプローブでのサザンハイブリダイゼーションを用いて検出することが
で き る 。 ま た は 既 知 分 子 量 の DNA標 準 物 質 を 用 い る 電 気 泳 動 移 動 度 で 比 較 す る こ と が で き
る 。 増 幅 さ れ た プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR DNAの 単 離 、 精 製 お よ び 特 徴 付 け は
、 ゲ ル か ら 断 片 を 切 除 す る か 溶 出 さ せ (例 え ば 、 参 照 文 献 Lawn et al., Nucleic Acids Re
s. 2: 6103, 1981; Goeddel et al., Nucleic cids Res. 8: 4057-1980参 照 )、 増 幅 産 物
を pCRIIベ ク タ ー (Invitrogen)な ど の 適 し た ベ ク タ ー の ク ロ ー ニ ン グ 部 位 へ ク ロ ー ニ ン グ
し 、 ク ロ ー ニ ン グ さ れ た 挿 入 物 を シ ー ク エ ン シ ン グ し 、 DNA配 列 を プ レ コ ア タ ン パ ク 質 /HB
30
eAgま た は TLRの 既 知 配 列 を 比 較 す る こ と に よ り 、 達 成 す る こ と が で き る 。 次 に 、 プ レ コ ア
タ ン パ ク 質 /HBeAgま た は TLR mRNAお よ び cDNAの 相 対 量 が 決 定 さ れ 得 る 。
【0186】
リ ア ル タ イ ム PCRは 、 PCR遺 伝 子 の 転 写 レ ベ ル の 判 定 の 際 に 特 に 有 用 で あ る 。 転 写 活 性 の
判 定 に は 、 得 ら れ る mRNA転 写 物 に 基 づ く 潜 在 的 翻 訳 活 性 の 測 定 も 含 ま れ る 。 リ ア ル タ イ ム
PCRな ら び に 他 の PCR手 法 に は 、 PCR産 物 の 検 出 の た め に 、 DNA結 合 フ ル オ ロ フ ォ ア の 結 合 、
5'エ ン ド ヌ ク レ ア ー ゼ 、 隣 接 す る 線 状 プ ロ ー ブ お よ び ヘ ア ピ ン 型 オ リ ゴ プ ロ ー ブ な ら び に
自己蛍光型アンプリコンをはじめとする多数の化学が用いられる。これらの化学およびリ
ア ル タ イ ム PCRは 、 概 し て 、 例 え ば 、 Mackay et al., Nucleic Acids Res. 30(6): 1292-1
305, 2002; Walker, J. Biochem. Mol. Toxicology. 15(3): 121-127, 2001; Lewis et a
40
l., J. Pathol. 195: 66-71, 2001に お い て 考 察 さ れ て い る 。
【0187】
本 発 明 は 、 さ ら に mRNA転 写 物 の 上 方 制 御 ま た は 下 方 制 御 に つ い て ス ク リ ー ニ ン グ す る た
め の 遺 伝 子 ア レ イ お よ び /ま た は 遺 伝 子 チ ッ プ お よ び /ま た は リ ボ ヌ ク レ ア ー ゼ 保 護 を 提 供
す る 。 本 発 明 の こ の 局 面 は 、 HBeAg転 写 物 の 下 方 制 御 ま た は TLR遺 伝 子 転 写 物 の 調 節 を も た
らす状態の同定に特に有用である。
【0188】
さ ら な る 方 法 で は 、 TLRシ グ ナ ル 伝 達 の 直 接 的 ま た は 間 接 的 な 結 果 と し て 産 生 さ れ た か
または阻害された細胞外サイトカインをスクリーニングしてもよい。適したサイトカイン
の 例 と し て は 、 TNF-α 、 IFN-α 、 IFN-β お よ び IFN-γ が 挙 げ ら れ る 。 便 宜 に は 、 3種 類 の
50
(37)
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サイトカインを血清、全血、尿または他の体液においてスクリーニングする。細胞外また
は 細 胞 内 の HBeAgの レ ベ ル ま で も 測 定 す る こ と が で き る 。
【0189】
以下の限定されない実施例により本発明をさらに説明する。
【0190】
実施例1
TLR2お よ び TLR4レ ベ ル の 測 定
方法
HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス 感 染 HepG2
HepG2細 胞 を HBV1:3野 生 型 、 HBV1:3プ レ コ ア 突 然 変 異 株 ま た は 偽 感 染 バ キ ュ ロ ウ イ ル ス
10
で 感 染 さ せ 、 7日 間 培 養 し た 後 回 収 し 、 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー の た め に 染 色 し た 。 RNeasy
ミ ニ キ ッ ト (Qiagen)を 製 造 業 者 の 仕 様 書 に 従 っ て 用 い て 全 RNA抽 出 の た め に い く つ か の 細
胞を保存した。
【0191】
フローサイトメトリー
TLR2-FITC(TL2.1; eBioscience)お よ び TLR4-PE(HTA125; eBioscience)抗 体 を 用 い て Hep
G2細 胞 の 細 胞 表 面 染 色 を 行 っ た 。 適 当 な ア イ ソ タ イ プ 対 照 (isotype control)を 用 い た 。
死 細 胞 を 散 乱 特 性 に 基 づ い て ゲ ー ト か ら 排 出 し た 。 FACSCaliburフ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー (BD
)で 実 験 を 行 っ た 。 各 試 料 に つ き 合 計 10000個 の 細 胞 を 得 た 。 FlowJoソ フ ト ウ ェ ア (Tree St
ar Inc.)を 用 い て デ ー タ を 解 析 し た 。 偽 感 染 細 胞 の 幾 何 平 均 蛍 光 強 度 を 野 生 型 ま た は プ レ
20
コア突然変異株感染細胞の幾何平均蛍光強度から引くことにより相対蛍光強度を決定した
。
【0192】
QPCR
cDNAの リ ア ル タ イ ム PCR解 析 の 前 に ラ ン ダ ム ヘ キ サ マ ー を 用 い て 全 RNAを 逆 転 写 し た 。 Ta
qMan Universal PCR Master Mixな ら び に Assays-On-Demand Gene Expression Assayプ ロ
ー ブ お よ び プ ラ イ マ ー (Applied Biosystems)を 用 い て 最 終 容 量 10μ lで PCRを 3通 り 行 っ た
。 以 下 の 通 り に プ ロ グ ラ ム さ れ た ABI Prism 7700配 列 検 出 シ ス テ ム に よ っ て シ グ ナ ル 検 出
を 行 っ た : 50℃ ,2分 間 ; 95℃ ,10分 間 ; 40サ イ ク ル の 95℃ ,15秒 間 ; 60℃ ,1分 間 。 各 遺 伝 子
の サ イ ク ル 閾 値 (CT )、 を 18Sの CT 値 (Δ CT )と 比 較 し 、 相 対 発 現 単 位 (REU)を 各 試 料 に つ い て
計 算 し た 。 従 っ て 、 REU= 2^CT (関 心 対 象 遺 伝 子 )− Ct (18S)= 2^Δ Ct で あ る 。
【0193】
結果
結 果 を 図 1お よ び 2な ら び に 表 3に 示 す 。 TLR2お よ び TLR4の レ ベ ル を HBV野 生 型 と プ レ コ ア
突 然 変 異 HBV株 の 感 染 細 胞 に お い て 比 較 す る 。
【0194】
(表3)
30
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10
【0195】
実施例2
慢 性 HBV感 染 に お け る TLR発 現 の 低 下
患者
肝生検
20
シ ン グ ル パ ス 肝 生 検 を 5名 の CHB患 者 に 行 っ た 。 こ れ ら は 大 学 病 院 の 肝 臓 専 門 外 来 に 通 院
する臨床的に安定な患者であった。患者らのトランスアミナーゼは正常または軽度に上昇
し て い た (平 均 ALT 87.8 U/L(N< 45); 平 均 AST 32.2 U/L(N< 45)。 Ishak改 変 組 織 活 動 性 指
標 の ス コ ア は 1/6∼ 3/6の 間 の 病 期 で 1/18∼ 7/18ま で 変 化 し た 。 5名 の 患 者 の う ち の 4名 は HB
8
eAg陽 性 で ウ イ ル ス 複 製 が 進 行 し て い た (HBV DNA 200∼ 1.1× 10 コ ピ ー 数 /ml中 央 値 1500コ
ピ ー /ml)。 生 検 試 料 を 、 実 験 室 へ 輸 送 す る た め に RPMI-1640(Gibco-BRL)に 入 れ 、 そ こ で 単
4
細 胞 浮 遊 液 を 調 製 し た 。 半 分 の 生 検 (1.5× 8mm)を 、 他 の 細 胞 と 混 ざ り 合 っ た 約 6× 10 個 の
肝細胞を分離するため、緩いピストルの付いた、ワイヤーメッシュまたはガラスホモジナ
イザーのいずれかに供した。受容体の損傷を防ぐため、このプロセスにはコラゲナーゼも
デオキシリボヌクレアーゼも用いなかった。次に、この単細胞浮遊液を適当な抗体で染色
30
し 、 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー に よ り 解 析 し た (下 記 参 照 )。
【0196】
B型 肝 炎 ウ イ ル ス 試 薬 お よ び イ ン ビ ト ロ モ デ ル 細 胞 培 養 系
細胞培養
ヒ ト 肝 芽 腫 細 胞 株 HepG2を 、 ペ ニ シ リ ン お よ び ス ト レ プ ト マ イ シ ン 、 L-グ ル タ ミ ン お よ
び 10% v/v熱 不 活 性 化 ウ シ 胎 児 血 清 (FCS)(Invitrogen)を 補 充 し た Minimum Essential Medi
um(MEM; Invitrogen/Gibco)で 維 持 し た 。 全 て の 細 胞 株 を 週 毎 に 継 代 し 、 3日 毎 に 培 地 を 交
換 し て 5% v/v C02 中 、 37℃ に て 維 持 し た 。
【0197】
ヒ ト 肝 癌 (Huh-7)細 胞 を 、 10% 熱 不 活 性 化 FCS、 100U/mlペ ニ シ リ ン Gお よ び 100U/mlス ト
40
レ プ ト マ イ シ ン (Gibco-BRL)を 補 充 し た ダ ル ベ ッ コ 改 変 イ ー グ ル 培 地 (Gibco-BRL, Grand I
sland, NY)中 で 維 持 し た 。
【0198】
ヒ ト 肝 癌 細 胞 株 PLC/PRF/5は 、 時 に 微 細 線 維 と と も に 、 HBsAgを 主 に 22nm粒 子 の 形 態 で 細
胞 培 養 上 清 へ 放 出 す る (Alexander et al, S. Afr Med J 54(23):973-974, 1978)。 こ れ ら
の 細 胞 は 10% FCSを 含 む MEM中 で 培 養 さ れ 、 維 持 さ れ る が 、 HBVを 産 生 し な い 。 こ の 細 胞 株
は American Type Culture Collection(ATCC: CTL-8024)か ら 入 手 し た (マ イ コ プ ラ ズ マ は
含 ま な い )。 PLC/PRF/5細 胞 か ら の 細 胞 培 養 上 清 を 播 種 か ら 5日 後 に 回 収 し 、 酵 素 免 疫 測 定
法 に よ り 高 レ ベ ル の HBsAg(> 1ug/ml)を 含 む こ と が 実 証 さ れ た (IMX: Abbott Laboratories
, North Chicago, ILL)。
50
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【0199】
一 時 的 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン に よ る B型 肝 炎 ウ イ ル ス 産 生
HepG2細 胞 に Fugene 6試 薬 (Roche, IN)を 用 い て HBVの 感 染 性 cDNAク ロ ー ン を ト ラ ン ス フ
ェ ク ト し て 組 換 え 型 HBVを 作 製 し (Chen et al, Hepatology 27(1):27-35, 2003)、 5日 後 、
細胞培養上清を回収した。分泌されたウイルスを含有する上清を回収し、プールし、遠心
分 離 し て ペ レ ッ ト 状 の 細 胞 片 を 得 た 。 次 に 、 SW28ロ ー タ ー (Beckman)を 用 い て 、 20% ス ク
ロ ー ス ク ッ シ ョ ン (20% w/vス ク ロ ー ス 、 1mM EDTA、 30mM Tris pH7.4、 150mM NaCl)に よ
る 、 12℃ で 25,000rpmに て 16時 間 の 上 清 の 超 遠 心 分 離 に よ り HBVを 濃 縮 し た 。
【0200】
ペ レ ッ ト 状 の 材 料 中 の ウ イ ル ス を 定 量 す る た め 、 MagNA Pure(商 標 )抽 出 系 を 製 造 業 者 の
10
説 明 書 に 従 っ て 用 い て 濃 縮 HBVの ア リ コ ー ト 20μ lを DNAの た め に 抽 出 し た 。 次 に HBV DNAを
、 Light-Cycler(Roche)に お い て 、 ARTUSリ ア ル タ イ ム PCRキ ッ ト を ウ イ ル ス ゲ ノ ム の コ ピ
ー 数 /mlで 表 さ れ る 力 価 で 製 造 業 者 の 仕 様 書 に 従 っ て 用 い て 定 量 化 し た 。 ま た 、 標 準 的 な
酵 素 免 疫 測 定 法 (IMX: Abbott Laboratories, North Chicago, ILL)に よ り 、 試 料 を HBsAg
お よ び HBeAgに つ い て 試 験 し た 。
【0201】
HBVプ レ コ ア タ ン パ ク 質 お よ び コ ア タ ン パ ク 質 産 生 細 胞 株
HBVプ レ コ ア お よ び コ ア タ ン パ ク 質 の 緊 密 な 誘 導 発 現 を も つ Huh-7細 胞 を 、 遺 伝 子 型 Dの c
DNA(Chen 2003前 記 )か ら の HBVコ ア 遺 伝 子 ま た は プ レ コ ア 遺 伝 子 を テ ト ラ サ イ ク リ ン 応 答
性 発 現 系 (pTRE-2; Clontech, Palo Alto, CA)へ ク ロ ー ニ ン グ す る こ と に よ り 作 製 し た 。
20
こ れ ら の 3種 類 の 細 胞 株 PC47(プ レ コ ア 産 生 細 胞 株 )、 C4B(コ ア 産 生 細 胞 株 )お よ び 親 株 (対
照 細 胞 株 )の 樹 立 お よ び 特 徴 付 け は 、 詳 細 に 公 開 さ れ て い る (Locarnini et al., J Clin V
irol. 32:113-21, 2005)。 テ ト ラ サ イ ク リ ン の 存 在 下 (タ ン パ ク 質 発 現 抑 止 )ま た は 非 存 在
下 (タ ン パ ク 質 発 現 誘 導 )で の 10日 間 の 培 養 の 後 、 細 胞 培 養 上 清 を 回 収 し た 。
【0202】
組 換 え 型 HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス 形 質 導 入 細 胞
既 に 記 載 し た よ う に (Chen 2003 前 記 )、 1.3ゲ ノ ム 長 の 野 生 型 (WT)HBV鋳 型 (遺 伝 子 型 D、
サ ブ タ イ プ ayw)(Invitrogen, Stratagene, CA)を 用 い る 位 置 指 定 突 然 変 異 誘 発 お よ び 同 時
ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン に よ り 組 換 え 型 HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス 構 築 物 を 作 製 し た 。 次 に 、 Hep
G2細 胞 に 、 対 照 、 WTお よ び プ レ コ ア 突 然 変 異 組 換 え 型 HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス を 50プ ラ ー ク
30
形 成 単 位 (PFU)/細 胞 の 感 染 多 重 度 (MOI)で 平 行 し て 形 質 導 入 し た (22、 23)。 細 胞 培 養 の 培
地 を 形 質 導 入 後 1、 3、 お よ び 5日 目 に 交 換 し 、 7日 目 に 回 収 し た 。
【0203】
全 血 培 養 の イ ン ビ ト ロ HBV刺 激
500μ lの リ チ ウ ム -ヘ パ リ ン 全 血 を 、 抗 生 物 質 お よ び 5% v/v熱 不 活 性 化 ウ シ 胎 児 血 清 を
補 充 し た 500μ lの RPMI-1640に 希 釈 し 、 し っ か り と 蓋 を し た 5mlポ リ ス チ レ ン 管 (Becton Di
ckinson, San Jose, CA)中 で 緩 や か に 回 転 さ せ な が ら 37℃ で イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 細 胞 を
6
、 濃 度 1、 10、 お よ び 50× 10 ウ イ ル ス ゲ ノ ム コ ピ ー /mlの HBV野 生 型 1.5(遺 伝 子 型 A)、 1μ g
/mlラ ミ ブ ジ ン 、 PLC/PRF/5細 胞 の 細 胞 上 清 (HBsAg)ま た は HBVプ レ コ ア の 上 清 (pC47: HBeAg
陽 性 )ま た は コ ア タ ン パ ク 質 (C4B)産 生 細 胞 株 な ら び に 適 当 な 対 照 細 胞 株 で 刺 激 し た 。 20時
40
間 後 、 培 養 上 清 を 回 収 し 、 サ イ ト カ イ ン 解 析 ま で -20℃ で 保 存 し た 。 残 り の 細 胞 を フ ロ ー
サイトメトリー用に染色した。
【0204】
TNF-α ELISA
TNF-α を 、 OptEIAセ ッ ト (Becton Dickinson, San Jose, CA)を 製 造 業 者 の 仕 様 書 に 従 っ
て 用 い て 捕 捉 ELISAに よ り 測 定 し た 。 ELISAの 感 受 性 は 8pg/mlで あ っ た 。
【0205】
フローサイトメトリー
肝細胞懸濁液
患 者 の 肝 生 検 か ら 得 た 肝 細 胞 懸 濁 液 の 細 胞 表 面 染 色 を 、 CD14-PerCP(Mφ P9; Becton Dic
50
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kinson, San Jose, CA)、 TLR2-FITC(TL2.1; eBioscience, San Diego, CA)お よ び TLR4-PE
(HTA125; eBioscience, San Diego, CA)を 用 い て 行 っ た 。 適 当 な ア イ ソ タ イ プ 対 照 を 用 い
た 。 細 胞 を CD14表 面 発 現 の 量 ; CD14が 高 度 で あ る か ま た は CD14が 低 度 で あ る か 、 に 応 じ て
ゲ ー ト し た 。 こ れ は そ の 散 乱 特 性 と 相 互 に 関 連 し た 。 CD14の 高 い 細 胞 (肝 細 胞 )は 、 CD14の
低 い 細 胞 (ク ッ パ ー 細 胞 )よ り も さ ら に 大 き く 、 よ り 粒 状 で あ っ た 。
【0206】
患者血
新 鮮 な リ チ ウ ム -ヘ パ リ ン 血 の 細 胞 表 面 染 色 を 、 既 に 記 載 し た よ う に (Riordan et al.,
Hepatology 37:1154-64, 2003)、 CD14-PerCP(Mφ P9; Becton Dickinson, San Jose, CA)
、 TLR2-FITC(TL2.1; eBioscience, San Diego, CA)お よ び TLR4-PE(HTA125; eBioscience,
10
San Diego, CA)を 用 い て 行 っ た 。 適 当 な ア イ ソ タ イ プ 対 照 を 用 い た 。 そ れ ら の 散 乱 特 性
に 基 づ い て 、 FACSCaliburフ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー (Becton Dickinson, San Jose, CA)で 単
球 を ゲ ー ト し て リ ン パ 球 の 尾 部 を 捕 捉 し た 。 合 計 8000個 の CD14+単 球 を 各 試 料 か ら 得 た 。 F
lowJoソ フ ト ウ ェ ア (Tree Star Inc., Ashland, OR)を 用 い て デ ー タ を 解 析 し た 。 相 対 蛍 光
強度を、そのアイソタイプの合致する対照を越える、試料の幾何平均蛍光強度の比として
決 定 し た 。 結 果 は TLRの 変 化 率 (% )と し て 表 し た 。
【0207】
全血培養
患 者 の 培 養 全 血 の 細 胞 表 面 染 色 を 、 CD14-PerCP(Mφ P9; Becton Dickinson, San Jose,
CA)、 TLR2-FITC(TL2.1; eBioscience, San Diego, CA)お よ び TLR4-PE(HTA125; eBioscien
20
ce, San Diego, CA)を 用 い て 行 っ た 。 適 当 な ア イ ソ タ イ プ 対 照 を 用 い た 。 そ れ ら の 散 乱 特
性 に 基 づ い て 、 FACSCaliburフ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー (Becton Dickinson, San Jose, CA)で
単 球 を ゲ ー ト し て リ ン パ 球 の 尾 部 を 捕 捉 し た 。 合 計 8000個 の CD14+単 球 を 各 試 料 か ら 得 た
。 FlowJoソ フ ト ウ ェ ア (Tree Star Inc., Ashland, OR)を 用 い て デ ー タ を 解 析 し た 。 相 対
蛍光強度を、非刺激または親刺激対照と比較して、そのアイソタイプの合致する対照を越
え る 試 料 の 幾 何 平 均 蛍 光 強 度 の 比 と し て 決 定 し た 。 結 果 は TLRの 変 化 率 (% )で 表 し た 。
【0208】
ヒト肝癌細胞株
その後のフローサイトメトリーのために細胞の状態および受容体の完全性を最適化する
た め 、 全 て の ヒ ト 肝 臓 細 胞 株 単 層 を ハ ン ク ス 平 衡 塩 類 溶 液 (カ ル シ ウ ム 、 マ グ ネ シ ウ ム を
30
含 ま な い )中 で 5回 洗 浄 し て か ら 、 Versene溶 液 (ハ ン ク ス 平 衡 塩 類 溶 液 と 1:1で 混 合 し た 0.0
2% w/v EDTA.4Na)中 で 培 養 し て 細 胞 単 層 を 剥 離 し た 。 次 に 無 血 清 の MEMを 用 い て 単 細 胞 浮
遊液を作製してからフローサイトメトリーのために染色した。次に、細胞を室温にて回収
し た 後 、 直 ち に 細 胞 を TLR2-FITC(TL2.1; eBioscience, San Diego, CA)お よ び TLR4-APC(H
TA125; eBioscience, San Diego, CA)で 染 色 し た 。 細 胞 を 1% v/vホ ル マ リ ン を 加 え た PBS
で固定し、染色後直ちに行った。
【0209】
定 量 的 PCR
RNAを 、 RNeasy MiniKit(Qiagen)を 製 造 業 者 の 仕 様 書 に 従 っ て 用 い て 細 胞 株 か ら 単 離 し
た 。 RNAを カ ラ ム か ら 溶 出 し て ヌ ク レ ア ー ゼ を 含 ま な い 水 50ulに 入 れ 、 -70℃ で 保 存 し た 。
40
OD 260nmで の 分 光 測 定 に よ り RNAの 濃 度 を 推 定 し た 。
【0210】
ラ ン ダ ム ヘ キ サ マ ー を 用 い て 、 1ugの RNAか ら cDNAを 合 成 し た 。 こ の cDNA試 料 を -70℃ で
保存した。
【0211】
Assays-On-Demand Gene Expression Products(Applied Biosystems)お よ び ABI Prism 7
900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)を 用 い て 384ウ ェ ル プ レ ー ト で Ta
qManリ ア ル タ イ ム PCR(QPCR)を 行 っ た 。 標 的 DNAの 量 を 18sリ ボ ソ ー ム RNAに 標 準 化 し 、 偽 cD
NAと 比 較 す る 比 較 Ct法 を 用 い て PCR産 物 の 相 対 量 を 決 定 し た (2
【0212】
- Δ Δ C T
)。
50
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結果
末 梢 血 お よ び 肝 細 胞 の 示 す 類 似 し た TLR2の 下 方 制 御
4名 の HBeAg陽 性 CH-B患 者 、 3名 の HBeAg陰 性 CH-B患 者 お よ び 脂 肪 肝 対 照 の 5つ の 肝 生 検 試
料からの末梢血および肝細胞を調べた。これらの肝生検試料の肝細胞を、方法セクション
に 記 載 さ れ る よ う に 単 細 胞 浮 遊 液 へ 分 離 し 、 図 3に 示 す よ う に フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー に よ
り 2つ の 別 個 の CD14+ve細 胞 集 団 を ゲ ー ト し た 。 こ れ ら の 2つ の 集 団 、 (1つ は 肝 細 胞 に 代 表
さ れ 、 1つ は ク ッ パ ー 細 胞 に 代 表 さ れ る )に お い て 、 TLR2お よ び TLR4を 測 定 し た (図 4お よ び
5)。 TLR2も 肝 細 胞 上 に 検 出 さ れ 、 さ ら に 、 そ の 発 現 レ ベ ル が 、 HBeAg陰 性 CHBお よ び 脂 肪 肝
患 者 の 幹 細 胞 と 比 較 し て HBeAg陽 性 CHBの 肝 細 胞 で 下 方 制 御 さ れ た (図 5)。 こ の TLR2の 下 方
制 御 は 、 末 梢 血 で の 以 前 の 実 証 が HBV感 染 患 者 の 肝 細 胞 と ク ッ パ ー 細 胞 の 双 方 で も 明 白 で
10
あ る こ と を 確 信 さ せ る (図 5)(Visvanathan et al, GUT 52:130, 2003)。 TLR4発 現 の レ ベ ル
は 3つ の 集 団 間 で 有 意 に 異 な る こ と は な か っ た 。
【0213】
HepG2細 胞 に お け る バ キ ュ ロ ウ イ ル ス 構 築 物
臨 床 的 に 観 察 し た プ レ コ ア タ ン パ ク 質 と TLR経 路 の 相 互 作 用 を さ ら に 調 査 す る た め 、 Hep
G2細 胞 の 組 換 え 型 HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス 形 質 導 入 系 を イ ン ビ ト ロ で 用 い た 。 HepG2細 胞 に 、
対 照 、 野 生 型 ま た は プ レ コ ア 突 然 変 異 組 換 え 型 HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス を 平 行 し て 形 質 導 入
し 、 7日 後 に 処 理 し 、 既 に 概 説 し た よ う に フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー に よ る TLR2お よ び TLR4の
発 現 の た め に 染 色 し た (図 4)。
【0214】
20
形 質 導 入 細 胞 も ま た 、 リ ア ル タ イ ム PCRに よ り TLR2、 TLR3、 TLR4(2つ の 転 写 変 異 体 )、 TL
R9お よ び TNF-α の mRNAの レ ベ ル を 定 量 化 す る た め RNA抽 出 の た め に 処 理 し た (図 6)。 TLR2お
よ び TLR4の 幾 何 平 均 蛍 光 を 、 ア イ ソ タ イ プ 対 照 抗 体 の 幾 何 平 均 蛍 光 と の 比 と し て 表 し 、 デ
ー タ を TLRの 変 化 率 (% )と し て 表 し た 。
【0215】
こ れ ら の フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー 実 験 の 結 果 か ら 、 プ レ コ ア 突 然 変 異 ウ イ ル ス (HBeAg陰 性
)形 質 導 入 HepG2細 胞 は 、 野 生 型 ウ イ ル ス (HBeAg陽 性 )形 質 導 入 HepG2細 胞 と 比 較 し て 、 TLR2
の レ ベ ル が 有 意 に 増 加 し た こ と が 証 明 さ れ た 。 TLR4発 現 の レ ベ ル は 3つ の 集 団 間 で 有 意 に
変化しなかった。これらの結果は度重なる実験で確認された。
【0216】
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PCR産 物 の 相 対 量 を 各 転 写 物 に つ い て 図 6(下 の パ ネ ル )に 示 し 、 方 法 セ ク シ ョ ン に 概 説 し
た よ う に 、 標 的 DNAの 量 を 18S rRNAに 標 準 化 し 、 偽 CDNAと 比 較 す る 、 比 較 CT 法 を 用 い て 決
定 し た 。 こ の デ ー タ は 、 3つ の 別 個 の 実 験 の 平 均 値 お よ び 標 準 誤 差 を 表 す 。 顕 著 な 特 色 は
、 野 生 型 HBeAg陽 性 形 質 導 入 細 胞 に お け る 転 写 物 の 意 味 深 い 下 方 制 御 と 比 較 し た 、 プ レ コ
ア 突 然 変 異 (HBeAg陰 性 )形 質 導 入 細 胞 で の TLR2 mRNAの 上 方 制 御 で あ る (双 方 と も 対 照 細 胞
に 対 す る )。 組 換 え 型 HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス 形 質 導 入 細 胞 も 、 HBeAgの 状 態 に 関 係 な く 、 TLR
3、 TLR4、 お よ び TLR9の 下 方 制 御 を も た ら す 結 果 と な っ た (図 6)。 最 も 重 要 な こ と に 、 メ ッ
セ ー ジ (図 6)と タ ン パ ク 質 レ ベ ル の 双 方 で の 対 応 す る TNF-α の 産 生 減 弱 は TLR2の 減 少 と 機
能的な相互関係がある。
【0217】
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HBVお よ び そ の 成 分 に よ る 全 血 の 刺 激
発 明 者 ら は 次 に 、 HBVの 種 々 の 希 釈 液 お よ び そ の 個 々 の 抗 原 成 分 に よ る 全 血 の イ ン ビ ト
ロ 刺 激 を 調 べ た 。 培 養 の 20時 間 後 、 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー に よ り CD14陽 性 単 球 で の TLR2お
よ び TLR4の 発 現 に つ い て 血 液 を 解 析 し た (図 5)。 さ ら に こ れ ら の 刺 激 か ら 上 清 を 回 収 し 、 T
NF-α を ELISAに よ り 測 定 し た (図 6)。 CD14+細 胞 を HBVに 曝 露 し た 結 果 、 TLR2の 抑 制 が 顕 著
と な っ た が 、 TLR4で は そ う で は な く 、 慢 性 HBeAg陽 性 HBV感 染 患 者 に お い て 得 ら れ た 臨 床 デ
ー タ が さ ら に 確 か め ら れ た 。 TNF-α 抑 制 は TLR2の 減 少 と 平 行 し 、 こ れ ら の 刺 激 実 験 に お い
て TLRの 減 少 と 機 能 的 な 相 関 が あ っ た こ と を 示 す 。 ま た 、 プ レ コ ア タ ン パ ク 質 刺 激 も 、 野
生 型 ウ イ ル ス で 示 さ れ た 同 様 の TNF-α の 平 行 抑 制 を 実 証 し 、 CHBに お い て TLR2を 下 方 制 御
する因子である可能性を示している。
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【0218】
本明細書に記載される本発明が、具体的に記載したもの以外の変形および修正を受けや
すいことは、当業者であれば理解されるであろう。本発明がこのようなあらゆる変形およ
び修正を含むことは当然理解される。また、本発明は、本明細書において言及または指摘
した全ての段階、特徴、組成物および化合物を個別にまたは集合的に含み、さらに該段階
ま た は 特 徴 の 任 意 の 2つ 以 上 の す べ て の 組 合 せ を 含 む 。
【0219】
参考文献
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【図面の簡単な説明】
【0220】
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【 図 1 】 プ レ コ ア 突 然 変 異 HBV感 染 細 胞 と 比 較 し た 、 HBV野 生 型 感 染 細 胞 に お け る TLR-2お
よ び TLR-4の レ ベ ル を 示 す グ ラ フ で あ る 。 バ キ ュ ロ ウ イ ル ス 系 を 用 い た 。
【 図 2 】 プ レ コ ア 突 然 変 異 HBV感 染 細 胞 と 比 較 し た 、 HBV野 生 型 感 染 細 胞 に お け る TLR-2お
よ び TLR-4の レ ベ ル を 示 す グ ラ フ で あ る 。 100moiの バ キ ュ ロ ウ イ ル ス 系 を 用 い た 。
【 図 3 】 肝 細 胞 で の TLR2の レ ベ ル を 示 す グ ラ フ で あ る 。 一 番 上 の パ ネ ル : 例 と な る 脂 肪 肝
患 者 (破 線 )、 慢 性 HBV患 者 (斜 線 )お よ び ア イ ソ タ イ プ 対 照 (点 線 )の 肝 生 検 の 肝 細 胞 の TLR2
お よ び TLR4の 単 細 胞 浮 遊 液 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー の ヒ ス ト グ ラ ム 。 こ の グ ラ フ は 、 正 常 な
肝 生 検 を も つ 個 体 と 比 較 し て 、 慢 性 HBV患 者 に お け る 肝 細 胞 の 表 面 の TLR2の 下 方 制 御 を 証
明 す る 。 下 の パ ネ ル : 3名 の HBeAg陽 性 HBV感 染 患 者 、 5名 の HBeAg陰 性 HBV感 染 患 者 お よ び 5
名 の 脂 肪 肝 対 照 (C)の 末 梢 血 お よ び 肝 生 検 を 調 べ た 。 末 梢 血 (血 液 )を CD14陽 性 単 球 で の TLR
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2お よ び TLR4に つ い て 解 析 し た 。 肝 生 検 組 織 を 単 細 胞 浮 遊 液 へ 分 離 し 、 フ ロ ー サ イ ト メ ー
タ ー に か け た 。 次 に 、 ク ッ パ ー 細 胞 お よ び 肝 細 胞 を ゲ ー ト し 、 TLR2お よ び TLR4を 測 定 し た
。幾何平均蛍光を、アイソタイプ対照抗体の幾何平均蛍光との比として表した。データは
TLRに お け る 変 化 率 (% )と し て 表 す 。 個 別 の 実 験 か ら 得 た 平 均 値 お よ び 標 準 偏 差 を 示 す 。
ア ス タ リ ス ク は 対 照 と 比 較 し た p値 < 0.05を 示 す 。
【 図 4 】 TLR2、 TLR4、 お よ び TNF-α レ ベ ル に お け る 変 化 を 示 す グ ラ フ で あ る 。 ヘ パ リ ン 添
加 全 血 を 、 HBVウ イ ル ス の 投 与 量 を 変 化 さ せ て 20時 間 刺 激 し 、 CD14陽 性 単 球 で の TLR2レ ベ
ル (B)お よ び TLR4(A)を 測 定 し た 。 幾 何 平 均 蛍 光 を 、 ア イ ソ タ イ プ 対 照 抗 体 の 幾 何 平 均 蛍 光
と の 比 と し て 表 し た 。 デ ー タ は TLRに お け る 変 化 率 (% )と し て 表 す 。 パ ネ ル (C)は 、 ELISA
に よ り 測 定 し た 上 清 中 の TNF-α を 表 す 。 異 な る ド ナ ー か ら の 5回 の 個 別 の 実 験 か ら 得 た 平
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均 値 お よ び 標 準 偏 差 を 示 す 。 TLR2に 関 す る の 結 果 は p< 0.02で 有 意 で あ り 、 同 様 に TNFの 結
果 も p< 0.02で 有 意 で あ っ た 。
【 図 5 】 TLRレ ベ ル お よ び TNF-α レ ベ ル の 変 化 を 示 す グ ラ フ で あ る 。 ヘ パ リ ン 添 加 全 血 を
7
、 培 地 (C)、 HBVの 野 生 型 1× 10 ウ イ ル ス 粒 子 (WT)、 B型 肝 炎 表 面 抗 原 (sAg)、 HBVプ レ コ ア
タ ン パ ク 質 (PC)お よ び HBVコ ア タ ン パ ク 質 (Co)を 用 い て 20時 間 刺 激 し た 。 CD14陽 性 単 球 で
の TLR2お よ び TLR4レ ベ ル を 測 定 し た (上 の パ ネ ル )。 幾 何 平 均 蛍 光 を 、 ア イ ソ タ イ プ 対 照 抗
体 の 幾 何 平 均 蛍 光 と の 比 と し て 表 し た 。 下 の パ ネ ル は 、 上 記 に 示 す 刺 激 に つ い て ELISAに
よ り 測 定 し た 上 清 中 の TNF-α を 表 す 。 さ ら に 、 HBVの 異 な る 2つ の 遺 伝 子 型 (Aお よ び D)を 示
す 。 デ ー タ を TLRに お け る 変 化 率 (% )と し て 表 す 。 異 な る ド ナ ー か ら の 5回 の 個 別 の 実 験 か
ら 得 た 平 均 値 お よ び 標 準 偏 差 を 示 す 。 ア ス タ リ ス ク は 対 照 と 比 較 し た p値 < 0.05を 示 す 。
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【 図 6 】 TLRお よ び TNFレ ベ ル に お け る 変 化 を 示 す グ ラ フ で あ る 。 HepG2細 胞 中 の 偽 感 染 (M)
、 プ レ コ ア (PC)お よ び コ ア (C)バ キ ュ ロ ウ イ ル ス 構 築 物 を 、 フ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー に か け
、 TLR2お よ び TLR4を 測 定 し た 。 幾 何 平 均 蛍 光 を 、 ア イ ソ タ イ プ 対 照 抗 体 の 幾 何 平 均 蛍 光 と
の 比 と し て 表 し た (一 番 上 の パ ネ ル )。 デ ー タ を TLRに お け る 変 化 率 (% )と し て 表 す 。 下 の
パ ネ ル は 、 TaqMan Real time PCR(QPCR)に 供 さ れ た 同 じ 細 胞 を 表 す 。 こ れ は 384ウ ェ ル プ
レ ー ト に お い て Assays-On-Demand Gene Expression Products(Applied Biosystems)お よ
び ABI Prism 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)を 用 い て 行 わ れ た
。 標 的 DNAの 量 を 18sに 標 準 化 し 、 偽 cDNAに 対 す る 比 較 Ct法 を 用 い て PCR産 物 の 相 対 量 を 決
定 し た (2
- Δ Δ C T
)。 組 換 え 型 HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス 構 築 物 を 、 既 に 記 載 し た 1.3ゲ ノ ム 長 の
野 生 型 (WT)HBV鋳 型 (遺 伝 子 型 D、 サ ブ タ イ プ ayw)(Invitrogen, Stratagene, CA)を 用 い て
、 位 置 指 定 突 然 変 異 誘 発 お よ び 同 時 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン に よ っ て 作 出 し た 。 次 に 、 HepG
2細 胞 に 、 WT、 PC、 BCP、 お よ び PC/BCP組 換 え HBVバ キ ュ ロ ウ イ ル ス を 50プ ラ ー ク 形 成 単 位 (
PFU)/細 胞 の 感 染 多 重 度 (MOI)で 平 行 し て 形 質 導 入 し た 。 次 に 、 ウ シ 胎 児 血 清 を 含 ま な い ME
Mを 用 い て 単 細 胞 浮 遊 液 を 作 成 し て か ら フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー の た め に 染 色 し た 。 デ ー タ
は 、 3回 の 実 験 の 平 均 値 お よ び 標 準 偏 差 を 表 す 。 ア ス タ リ ス ク は 、 ノ ン パ ラ メ ト リ ッ ク な M
ann Whitneyの U検 定 に よ り 決 定 し た 、 対 照 と 比 較 し た p値 < 0.05を 示 す 。
【 図 7 】 TLRシ グ ナ ル 伝 達 経 路 を 表 す 図 で あ る 。
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【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
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【図6】
【図7】
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【国際調査報告】
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フロントページの続き
(81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),
EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,
CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,
CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L
T,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN
,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW
(74)代理人 100128048
弁理士 新見 浩一
(72)発明者 ロカルニーニ ステファン
オーストラリア国 ビクトリア州 セント キルダ イースト カーライル アベニュー 13
(72)発明者 ビスバナサン クマール
オーストラリア国 ビクトリア州 フィッツロイ ネーピア ストリート 264
Fターム(参考) 4B024 AA11 CA02 CA04 CA09 CA12 HA12
4B063 QA19 QQ53 QR62 QS25 QS32 QX02
4C085 AA03 BA89 DD61 EE01 EE03
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