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解答例+引用題PDF
2015 熊本大学(医系)前期日程 1 問題 解答解説のページへ △ ABC の 3 辺 の 長 さ を BC = a , AC = b , AB = c と し , 条 件 a + b + c = 1 , 9ab = 1 が成り立つとする。以下の問いに答えよ。 (1) a の値の範囲を求めよ。 (2) = C とするとき, cos の値の範囲を求めよ。 -1- 2015 熊本大学(医系)前期日程 2 問題 解答解説のページへ p, q, r を実数とする。空間内の 3 点 A (1, p, 0 ) , B( q, 1, 1) , C( -1, -1, r ) が一 直線上にあるとき, 以下の問いに答えよ。ただし, O を原点とする。 (1) p は 1 でも -1 でもないことを示せ。 (2) q, r を p を用いて表せ。 (3) p ¢, q ¢, r ¢ を 実 数 と し , 空 間 内 の 3 点 を A ¢ (1, p ¢, 0 ) , B¢ ( q ¢, 1, 1) , C¢ ( -1, -1, r ¢ ) とする。ベクトル OA ¢ , OB¢ , OC¢ がいずれもベクトル AB に垂直 であるとき, p ¢, q ¢, r ¢ を p を用いて表せ。 (4) (3)における 3 点 A ¢, B¢, C¢ は一直線上にないことを示せ。 -2- 2015 熊本大学(医系)前期日程 3 問題 解答解説のページへ a と b を正の実数とする。△ABC において, B と C は鋭角とする。点 A を通り 辺 BC に直交する直線を引き, 辺 BC との交点を X1 とし, 線分 AX1 の長さを 1 とする。 また, BX1 = a , CX1 = b とする。各 n = 1, 2, 3, に対して以下の操作を行う。 辺 BC 上の点 X n を通り辺 AC に平行な直線を引き, 辺 AB との交点を Yn とする。 また, 点 Yn を通り辺 BC に平行な直線を引き, 辺 AC との交点を Zn とする。点 Zn を通り辺 BC に直交する直線を引き, 辺 BC との交点を X n+1 とする。 線分 Zn X n+1 の長さを ln とするとき, 以下の問いに答えよ。 (1) l1 を a, b を用いて表せ。 (2) ln+1 を ln , a, b を用いて表せ。 (3) b = 8a の と き , ln > 1 と な る 最 小 の 奇 数 n を 求 め よ 。 必 要 な ら ば , 2 3.169 < log 2 9 < 3.17 を用いてよい。 -3- 2015 熊本大学(医系)前期日程 4 解答解説のページへ r を正の実数とする。数列 { an } を an = ò 0 n e-rx sin x dx ( n = 1, 2, 3, ) と定 めるとき, 以下の問いに答えよ。 (1) an+1 - an を求めよ。 (2) { an } の一般項を求めよ。 (3) 問題 lim an を r を用いて表せ。 n¥ (4) (3)で求めた r の式を f ( r ) とおく。 lim r f ( r ) を求めよ。 r +0 -4- 2015 熊本大学(医系)前期日程 1 解答解説 問題のページへ (1) △ABC の 3 辺の長さ a, b, c について, a > 0 , b > 0 , c > 0 ………① a < b + c , b < c + a , c < a + b ………② 条件より, a + b + c = 1 ……③, 9ab = 1 ……④ ③から c = 1 - a - b となり, ①に代入すると, 1 - a - b > 0 , a + b < 1 ………⑤ また, ②に代入すると, a < 1 - a , b < 1 - b , 1 - a - b < a + b となり, a < 1 , b < 1 , a + b > 1 ………⑥ b 2 2 2 よって, ①②③をまとめると, ⑤⑥から, 0 < a < 1 , 0 < b < 1 , 1 < a +b <1 2 2 2 これを ab 平面上に図示すると右図の網点部となる。 そして, ④から b = 1 となり, この領域内で a のとり 9a 得る範囲を調べると, 2 < a < 1 である。 9 2 1 1 2 2 9 O 2 9 1 2 (2) C = とおき, △ABC に余弦定理を適用すると, ③④から, 2 2 2 a 2 + b2 - (1 - a - b )2 = 9 ( -1 - 2ab + 2a + 2b ) cos = a + b - c = 1 2 2ab 2⋅ 9 = 9 ( -1 - 2 + 2a + 2 ) = 9a + 1 - 11 a 2 2 9 9a 1 11 ここで, f ( a ) = 9a + とおくと, cos = f ( a ) となり, a 2 2 2 1 f ¢( a ) = 9 - 12 = 9a 2-1 … … a 9 3 a a f ¢( a ) すると , 2 < a < 1 における f ( a ) の増減は - + 0 9 2 1 f (a) 1 右表のようになり, cos のとり得る範囲は, 2 1 a 1 2 1 1 ≦cos <1 2 [解 説] 三角形を題材とした図形の計量問題です。そこに, 微分と増減の内容が加えられて います。(1)は不等式の処理ですが, 式変形だけではややこしそうだったので, 図を用 いています。 -1- © 電送数学舎 2015 2015 熊本大学(医系)前期日程 2 (1) 解答解説 問題のページへ A (1, p, 0 ) , B( q, 1, 1) , C( -1, -1, r ) に対して, AB = ( q -1, 1 - p, 1) , AC = ( - 2, -1 - p, r ) A, B, C が一直線上にあることより, k を 0 でない実数として, AC = k AB -2 = k ( q -1) ………①, -1 - p = k (1 - p ) ………②, r = k ………③ p = 1 のとき, ②は 0 ⋅ k = -2 となり実数 k は存在しない。また, p = -1 のとき, ②は 2k = 0 となり k ¹ 0 に反する。よって, p ¹ 1 である。 p +1 p +1 (2) ②より, k = となり, ③から, r = p -1 p -1 -2( p -1) - p + 3 p +1 = ( q -1) となり, q = 1 + また, ①から -2 = ………④ p +1 p +1 p -1 -2( p -1) (3) (2)より, AB = ( , 1 - p, 1 ) = 1 ( - 2 p + 2, - p2 + 1, p + 1) p +1 p +1 ここで, A ¢ (1, p ¢, 0 ) に対して, OA ¢ が AB に垂直なので, OA ¢ ⋅ AB = 0 から, -2 p + 2 - ( p2 -1) p¢ = 0 , -2 - ( p + 1) p¢ = 0 , p ¢ = -2 ………⑤ p +1 また, B¢ ( q ¢, 1, 1) に対して, OB¢ が AB に垂直なので, OB¢ ⋅ AB = 0 から, ( - 2 p + 2 ) q ¢ - ( p2 -1) + p + 1 = 0 , -2( p -1) q ¢ - ( p2 - p - 2 ) = 0 ( p + 1)( p - 2 ) p2 - p - 2 ………⑥ =2( p -1) -2( p -1) さらに, C¢ ( -1, -1, r ¢ ) に対して, OC¢ が AB に垂直なので, OC¢ ⋅ AB = 0 から, よって, q ¢ = 2 p - 2 + p2 -1 + ( p + 1) r ¢ = 0 , ( p + 1) r ¢ + ( p2 + 2 p - 3 ) = 0 よって, r ¢ = (4) ( p -1)( p + 3 ) p2 + 2 p - 3 =p +1 p +1 A ¢, B¢, C¢ が一直線上と仮定すると, ④より q ¢ = - p¢ + 3 となり, ⑤⑥から, p¢ + 1 2 +3 ( p + 1)( p - 2 ) ( p + 1)( p - 2 ) 3 p + 5 p +1 = , = -2 + 1 2( p -1) p -1 2( p -1) p +1 まとめると, -( p + 1)( p - 2 ) = 2( 3 p + 5 ) から, p2 + 5 p + 8 = 0 ………⑦ すると, ⑦の判別式 D = 52 - 4 ⋅ 8 < 0 から実数 p は存在しない。 よって, A ¢, B¢, C¢ は一直線上にない。 [解 説] 空間ベクトルの成分に関する問題ですが, 図形的な意味を考えず, 数式の計算だけ で押し通した解答例です。 -2- © 電送数学舎 2015 2015 熊本大学(医系)前期日程 3 解答解説 問題のページへ A (1) 条件より, AX1 = 1 , BX1 = a , CX1 = b そして, X1 Y1 // AC , Y1Z1 // BC より, CZ1 : Z1 A = BY1 : Y1 A = BX1 : X1C = a : b よって, l1 = Z1 X 2 = a AX1 = a a +b a +b (2) Zn X n+1 = ln , Zn+1 X n+2 = ln+1 について , (1)と同様 Z1 Y1 X1 B X2 A に考えると, Yn+1 CZn+1 : Zn+1 A = BYn+1 : Yn+1 A = BX n+1 : Xn+1C ………① Zn+1 ln+1 ここで, CX n+1 : CX1 = ln : 1 より, ln B CXn+1 = bln C Zn Xn+1 X1 Xn+2 C すると , BXn+1 : X n+1C = ( a + b - bln ) : bln ……… ② ①②より, CZn+1 : Zn+1 A = ( a + b - bln ) : bln となり, a + b - bln a + b - bln = - b ln + 1 AX1 = ln+1 = a +b ( a + b - bln ) + bln a +b (3) b = 8a のとき, (1)(2)より, l1 = 1 , ln+1 = - 8 ln + 1 となり, 9 9 ln+1 - 9 = - 8 ( ln - 9 ) 17 9 17 n-1 n-1 n すると, ln - 9 = ( l1 - 9 )( - 8 ) = - 64 ( - 8 ) = 8 ( - 8 ) となり, 17 17 9 17 ⋅ 9 9 17 9 n ln = 8 ( - 8 ) + 9 17 9 17 条件より, 奇数 n は k を自然数として, n = 2k -1 とおくと, ln > 1 から, 2 8 - 8 2k-1 + 9 > 1 , 8 - 9 - 8 2k > - 1 , 8 2k < 1 ( 9) ( 8 )( 9 ) ( 9 ) 18 17 17 2 17 2 ⋅17 両辺に底 2 で対数をとると, 2k ( log 2 23 - log 2 32 ) < - log 2 2 ⋅ 32 となり, 1 + log 2 9 4 =1+ 2 2( log 2 9 - 3 ) 2( log 2 9 - 3 ) 4 ここで, 3.169 < log 2 9 < 3.17 から, 12.2 < 1 + < 12.4 2 2( log 2 9 - 3 ) 2k ( 2log 2 3 - 3 ) > 1 + 2log 2 3 , k > よって, k≧13 となり, 求める最小の奇数 n は, 2 ⋅13 -1 = 25 となる。 [解 説] 漸化式の図形への応用です。平行線を利用した頻出の内容になっていますが, 最後 の詰めの計算は面倒です。 -3- © 電送数学舎 2015 2015 熊本大学(医系)前期日程 4 解答解説 問題のページへ (1) an = ò n 0 e-rx sin x dx に対し, n ≦x ≦( n + 1) で sin x の符号は不変なので, an+1 - an = = ò ( n+1 ) 0 ( n+1 ) ò n e-rx sin x dx - ò e-rx sin x dx = n e-rx sin x dx 0 ( n +1 ) ò n e-rx sin x dx ここで, ( e-rx sin x )¢ = -re-rx sin x + e-rx cos x ………① ( e-rx cos x )¢ = -re-rx cos x - e-rx sin x ………② ①×r+②より, -( r 2 + 1) e-rx sin x = { e-rx ( r sin x + cos x ) }¢ となり, 1 é e-rx ( r sin x + cos x ) ù ( n+1 ) ê úû n r +1 ë = 21 e- ( n+1 ) r cos( n + 1) - e- n r cos n r +1 = 21 e- n r e- r ( -1)n+1 - e- n r ( -1)n r +1 - r e- n r ( -1)n = - e- r -1 = e 2 + 1 e- n r 2 r +1 r +1 an+1 - an = - 2 - r e-rx sin x dx = e 2 + 1 となり, n≧2 で, 0 r +1 n-1 - r - r e- r (1 - e- ( n-1 ) r ) an = a1 + e 2 + 1 å e- k r = e 2 + 1 { 1 + } r + 1 k=1 r +1 1 - e- r (2) (1)より, a1 = = ò (1 + e- r )(1 - e-n r ) ( r 2 + 1)(1 - e- r ) なお, この式は n = 1 のときも成立している。 (3) r > 0 から, n ¥ のとき e-n r 0 より, lim an = n¥ (4) f (r) = 1 + e- r ( r 2 + 1)(1 - e- r ) 1 + e- r 1 + e- r ⋅ r r r より , f = ( ) r 2 + 1 1 - e- r ( r 2 + 1)(1 - e- r ) ここで, g ( r ) = e- r とおくと, g ¢( r ) = - e- r となり, - r g(r )- g(0) = - lim = - g ¢( 0 ) = lim 1 - e r +0 r +0 r r よって, lim r f ( r ) = 1 + 1 ⋅ 1 = 2 である。 r +0 1 [解 説] 定積分と数列を融合した超頻出の有名問題です。このタイプの部分積分は計算ミス を犯しやすいので, いつも①②のような式を先に立式しています。 -4- © 電送数学舎 2015