...

full-Text

by user

on
Category: Documents
23

views

Report

Comments

Description

Transcript

full-Text
I C-5 I
宮崎医科大学総合医療情報システム( PHOENIX)
における薬剤処方システムの概要
0吉原博幸、荒木賢二、古費保範、田下潤\瀬尾墨付、鶴両道雄“
宮崎医科大学外科学第二講座、*庶務課情報処理係、“薬剤部
[はじめに 1
宮崎医科大学では、病院医療システムの情報化を積極的に推進してきた。 1989年 1月
の新規ハードウェアの稼働に伴い、まず竪事システムの移行を完了し、続いて 7月に、
病棟側からの初めてのオーダリングシステムである患者移動を、 9月に給食オーダーを
スタートした。このとき、ユーザーから寄せられた様々な要望を参考にして、本格的な
オーダーシステムである検査、薬剤処方のオーダリングシステムを開発し、 1989年 12
月から本番稼働を行う予定である。本稿では、薬剤処方システムについて概要を述べる
とともに、将来改善すべき問題点について考察する。
{ハードウェア]
ホストには富士通M-760(主記憶初期 B)を用い、光しANを通じて約 270台の端末( FMR60/70)に接続している。端末機の 55%にあたる 150台が病棟、外来に配置されている。
薬剤処方オーダーは病棟では入院用、外来では入院、外来のいずれの処方も行うことが.
出来るようになっている。
{ソフトウェア}
ブ口グラム開発に当たって以下の点に注意した。
(
1)オーダー癌面の展開を、慣れ親しんだ紙の伝票での運用概念と類似させる。
(
2)電子オーダー簿(以下オーダー簿)を導入する。
(
3)薬品名検索を容易にする。
(
4)医薬品?警報をリアルタイムで参照可能にする。
(
5)縫量、投与日数チェックなどオンラインチェック機能を取り入れる。
(
6)ユーザーは、定期処方自を意識せずいつでも入院処方を行える様にすると向時に、
濫用されていた臨時処方議の発行枚数を少なくするような仕組みを考える。
(7)Do処方、前回処方を可能とする。
以下詳細を述べる。
(番号は上記項目番号に対応)
(
1)図 1に従来の処方議運用と電子オーダーの比較を示した。処方議(伝票)記入ー〉
チェックー〉送付、と流れる従来の運用に対して、電子オーダーでは、薬剤処方入力…〉
クリップボード…〉章子オーダー簿、の顕に情報が伝達される。クリップボードはその
とき入力されたオーダ…(カレントオーダー)をホスト転送前に一時的にまとめておく
もので、まさにクリップボード的な役割をする。オーダー簿はすでにオーダー済みの
処方を自付鰻に表示する。両者拡処方、検査オーダーで共通使用し、処方内容と検査指
示を混在して表示する。
(
2)オーダー簿とは、宮崎産科大学独特の呼び方であるかも知れないが、要するに患者
別のドクターオーダーの集積であり、処方、検査、処置、指示、看護サイドへの連絡、
-125-
などが書かれており、震師、看護持関の重要なコミュニケーションの道真となってい
i
l
震に整理されて
る。しかし、これまでの紙での運用では、書かれた内容が必ずしも日付 J
いるわけではなく、悪筆の震師の書いたものは読みづらいなど、欠点も多く指摘されて
いた。我々は、当院の電算化計画当初からオーダー簿の重要性に注自し、その電子化の
可能性を模索してきた(文献 1-4)。オーダー簿を監療データベースの中心に位置ず
け、そこに全ての情報を集中させ、将来的には竜子カルテに発展することも可能とな
る。当初、 AppleMacintoshを用いて披念設計を行い、その成果をフィードパックすべ
トリプル・
くプ口グラム作製に入ったが、 MSDOS及び、フロントエンドプ口セッサ f
アイ jの様々な制限事項のため、初版はフリーコメント入力は見送り、オーダー歴の表
示のみにとどめた。
(
3)薬品名の検索は、読み(ローマ字入力カナ変換、頭から一部でも可)を処方議に入
力し、該当する薬品名をウインドウに表示し、その中からボックスカーソルで選択する
方式を採用した(図的。この際、候捕薬品名が 3件以内の場合、ウインドウは表示さ
れず、変換キーでサイクリックに変換されることとした(いわゆるインライン変換)。
(
4)医薬品構報については、薬品候補ウインドウが表示されている状態でカーソルを希
望の薬品に合わせ、 PFキーを押すと、用量用法、副作用、禁怠情報がウインドウに表
示される。
(
5)オンラインでのチェック機能は、薬剤マスターの中に、一日揮量を設定することに
よって、薬剤の数量入力時にリア jレタイムでチェックをかけることとした。ただし、意
国的に極量を越えて処方することもあるので、警告を出すに留めている。撞量のほか、
処方自数、服用回数などもチェックし、違反処方、矛届処方は物理的にオーダーできな
。
い織にしている(図3)
(
6)当院では従来、臨時/定期の 2種類の処方議を用いて運用していた。臨時処方議は
定期処方自までのつなぎが本来の自的であるが\実際は臨時処方護が乱発され、薬剤部
の大きな負担となっていた。そこで、ユーザー、薬剤部両方の負担が軽くなるように、
以下のような運用を考案した(関心。
a
.ユーザー倶J
Iから見た定期処方自は廃止する。但し、薬剤部では従来どうり定期処方自
に該当の病棟に薬剤を配布する。
b
.病棟では従来の臨時・定期処方議を廃止し、新たに f
入院処方護 1、 f
緊急処方護j
の区別を設ける。薬剤部では、入院処方議を従来の臨時・定期処方袋に分割し運用す
る
。
c
.入院処方議は、服用開始日が翌日以降であればイ壬意の日付で発行できる。但し、入力
定期継続jの付帯情報を入力する。図に示したように、
の際『欽み切り中止Jまたは f
f
飲み切り中止j の場合、システムは服用開始自から定期処方日前日までを臨時とみな
定期継
し、それ以後を定期処方とみなし、薬剤部に対して処方議を複数枚発行する。 I
続jの場合、同様に、システムは服用開始日から定期処方前日までを臨時とみなし、そ
れ以後を定期処方とみなすが、次の定期処方日に合わせて自動的に処方自数を変更する
(当然、医師の同意を求める)。これらの付帯情報は、処方切れのチェックなどに活用
出来る。
d
.緊急処方護は最長 3日の処方が‘可能で、自動的に定期継続にはしない。あくまでも、
入院処方議では間に合わない、当日ないしは翌自の朝から昼までの処方を埋める形で運
用する。
この運用方式をとることによって、病棟では定期処方自を意識せず自由に処方出来、薬
剤部では、いままで発行枚数の多かった臨時処方築が大幅に減少するものと期待され
る
。
(
7)病棟での入力作業軽減のため、患者ごとに処方のパターンを登録できる『 DO処
前回処方j 、科別にパターン化した処方
方j 、前回と同じ投薬をワンタッチで出来る f
科別処方j などを提供している。これらの機能を使って処方議上に呼び
を登録できる f
だした内容は、編集機能を使って追加・削除・コピーなどが行えるので柔軟な運用が可
岨
p
o
つω
能である。医師別の処方パターンを登録できる棋にしてほしいとの要望もあったが、今
回は実現していない。
{ユーザーからの反応}
本稿執筆時点ではユーザー教育の最中であり、実襟運用してみてなければ.わからない
点も多々あると思われるが、ユーザーの反応、はおおむね良好である。ホスト転送前に表
示されるクリップボードという耳鳴れない概念を、あらかじめ説明しておくことが肝
要と思われるが、領れると使いやすい。検査と併せて処方することが多いが、転送部に
確認が出来るのでユーザーには好評である。寄せられる不満の多くは、処方システムの
デザインについてではなく、システムの機能に原関することが多い。すなわち、
(
1)一酒面に表示できる文字数をもっと多くしてほしい。
(
2)処理速度が遅い。 (パソコン内部処理、パソコン・ホスト通信)
(
3)ウインドウを増やせばもっと分かりやすくなる場面が多い。 (現システムではウイ
ンドウは一枚のみ)
この他、前述した底師別のセット処方などの要望があるが、パージョンアップの際取
り入れて行きたいと考えている。
{おわりに 1
1989年 12月に稼髄予定の薬剤処方システムについて、その概要を述べた。診療シス
ままだその途上にあり、メディアとしての紙との共存状態は当分の間続
テムの電子化 i
く。このことが診療の現場に新たな混乱を引き起こしているのも事実である。その象徴
的なものが、カルテとオーダーの控えをめぐる混乱である。出来るだけ混乱を回避する
ような現実的運用をせざるを得ないが、根本的な解決は電子カルテの登場に待つしかな
し
'o
{参考文献 1
1)吉原博幸,北村信,吉賀保範,香月武人:高度 Manmachinei
n
t
e
r
f
a
c
eの実現を自指した
o
r
d
e
r
i
n
gsystemの構想,昭和62年度国立大学附属病院医療構報処理部門シンポジウム抄
司
録集(千葉), 139-142,1988
2)吉!京博幸,北村信,古賀保範,香丹武人::オーダー簿を中核としたオーダリングデータ
ベースシステムの概念設計,第8回日本産療情報学連合大会論文集, 475-478,1988
3)吉原博幸,荒木賢二,北村信,香月武人,古賀保範:デスクトップコンピュータを使った
オーダーエントリーシステムのシミュレーション,昭和63年度国立大学的麗病院医療情
報処理部門シンポジウム抄録集(大阪), 53-56,1989
4)荒木賢二,吉原薄幸,北村信,下小野田イチ子,香月武人,古賀保範:電子熱型表の概念設
計,昭和 63年度国立大学的属病院窓療情報処理部門シンポジウム抄録集(大阪), 147
劫
1501989
門
/
臼
つ
従尖方式
付
斜寝/修正/湾利用
ホスト受録済みデータの
I
=江田オーダー簿=
Ii
.
a生化学
i宮 119血 没 学
I.
1
1
,
4鐙 尭 荷 民 館
1
8
9
.
1
1
.
6血沼企
1
8
9
.
1
1
.
5~主化学
Ii~ !:]~~;~
国
国
可
『
"
"
"
−
.
.
.
.
、唖』
電算イヒ後
=1
I
I
I
I
r
r
=
“一寸
オーダー入力 I
I
I
I
↓
,.....幽幽幽園田園ヰ守
I
入力オーダ−
l
i
i認/修正
宝忍宙すi]
ω
8
9
.竹 .
9:
:
:
漣
学
8
9
.
1
1
.
B生化学
8
9
.
1
1
.
7ア チン 3T
アずラート 2T
ねトへ転
図 1:処方議取扱の変化
60mg
【薬品名】
ノノイミン
{極盤]
一日極毘超過です。
次の指示を選択してください。
図3 薬剤処方チェック機能
高棟
薬剤部
病棟
薬剤部
図2 薬品名検索
図 4:入院処方の処理
出コ
る
可
可
電
す定期処方自
小
。
。3
Fly UP