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インデックスを作成可能な動画管理システムの設計

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インデックスを作成可能な動画管理システムの設計
5P-4
情報処理学会第65回全国大会
インデックスを作成可能な動画管理システムの設計
久保田
一寿†
早川 栄一‡
拓殖大学大学院 工学研究科電子情報工学専攻†
拓殖大学 工学部情報工学科‡
1. 背景・目的
近年、掲示板を用いたコミュニケーションスペ
ースの利用が一般的になってきた。特にサッカー
など、スポーツのファンサイトでは、試合を TV
などで観戦しながら、試合やプレーに関しての情
報の共有を行っている。しかし、交換する情報は
文字や画像などであり、シーンなどの情報を、動
画から文字や画像に置き換えた形で行わざるを
えず、円滑なコミュニケーションが行われないと
いう問題がある。
このような問題に対して、動画像を中心とした
コミュニケーションシステムが必要となってき
ている。しかし、動画像には文字や画像と違い時
間の流れが存在するので、従来のデータ貼り付け
方や URL 型のモデルでは、シーンをうまく取り扱
うことができない。また動画を見返すような確認
作業をすることなくシーンを指定するためには、
各シーンに対して、そのシーンは、何が映し出さ
れているシーンなのかを説明するためのインデ
ックスを作成する必要がある。そこで、このよう
な動画像に対して、インデックスを作成し、動画
像内のシーンを容易に生成、共有できる枠組みが
必要となってきている。
本報告では、動画を配信するサイトを仮定し、
その動画を使用した、ユーザ同士のコミュニケー
ションの場を提供する。また、そのシーンを指定
するためのインデックス作成方法の提供につい
て述べる。研究の対象とする動画はサッカーの試
合とした。
想定しているサッカーで、「誰かが凄いシュート
をした」というのは、個人の価値観の問題で、自
動的に抽出されるものではない。そこで、ユーザ
が一人ずつ個人用のインデックスを作成できる
ようにする。また、インデックス作成で、ユーザ
に手間がかかってしまうと、インデックス作成自
体を行わなくなってしまうので、できるだけ手間
をかけないユーザインタフェースで行えるよう
にする。
(2)インデックスの共有
インデックス作成するのに、すべての動画を見
なければならないのでは、非常に面倒である。そ
こで、別ユーザのインデックスを利用することで、
その手間を省くことにする。
(3)コミュニケーションスペースを用意する
自分が作成したインデックスを利用し、動画の
シーンを指定しながら、掲示板のように意見交換
が行えるスペースを用意する。
(4)データを XML で作成
インデックスの再利用を考慮して、データの保
存形式を XML で記録する。汎用性の高い XML 形式
にすることで、様々な応用にも対処できるように
なる。
3. 設計
3. 1. 利用イメージ
次に、インデックスに対しての操作イメージを
図1に示す。
ゲームファイル
2. 設計方針
次のことを設計方針とする。
(1)簡単なインデックス作成方法の提供
自動的に動画の構成要素を分析する方法には
画像解析がある。しかし、これだけでは、視聴者
の意見が反映されない。
ユーザAインデックス
ユーザBインデックス
シーンインデックス1
シーンインデックス1
シーンインデックス2
シーンインデックス2
ユーザB
シーンインデックス3
ファイル
インデックス
ゲーム
ファイル
Design of an Indexable Movie Management System for
Communication Space
Kazuhisa Kubota†,Eiichi Hayakawa‡
Takushoku University
4−143
作成
修正
検索
コミュニケーション
スペース
貼り付け
ユーザA
図 1.
ユーザ A から見たデータ操作イメージ
行う。また、ユーザが作成したインデックスのや
り取りを行うことができる。
動画表示スペースでは、テキストスペースに貼
り付けられたインデックスからのリンクで、指定
されたシーンを再生する。再生中の画像には、ペ
イントソフトのように、自由に書き込みができる
ようにする。
3. 5.データ構成
動画に付加するデータの内容を説明する。
3.5.1.ファイルインデックス
ユーザ
各ユーザの意見が入らない、確実に1つに定ま
る情報を記録する。
動画再生
プログラム
サッカーのゲームの例では
動画
・対戦チーム
データ
・出場選手
作成した
ゲームファイル
インデックス作成
インデックス
・勝敗(スコア、得点者)
プログラム
ゲームデータ
となる。
インデックスデータ
検索キー
3.5.2.
シーンインデックス
データ管理
プログラム
動画の1シーンを表す情報を記録する。
シーン
インデックス
時間 + 選手 + プレー
コミュニケーションスペース
テキストや
を基本的なデータとする。
インデックス
インデックス
シーン再生
の交換
これで、例えば「レコバが 90 分にゴールした」
など、シーンに対して情報を記録できる。
図2.全体構成
このデータに
・ユーザのコメント
ユーザは動画再生プログラムでサッカーの試
・リンク
合を観戦しながら、インデックス作成プログラム
など、ユーザが個人的に付けたい情報を付加す
で、各シーンに対してのインデックスを作成する。
ることができる。
作成したインデックスを利用したコミュニケ
インデックスを作成するのに、すべてキーボー
ーションを行う際は、データ管理プログラムでゲ
ドで作成するのは面倒なので、シーンの種類と出
ームに付属したインデックスの中から、該当する
場する選手の一覧をユーザに提供することで、イ
シーンのインデックスを検索し、そのインデック
スをコミュニケーションスペースで交換したり、 ンデックスを作成するのに、キーボードを使用し
ないでも決定できるようにする。
そのシーンを再生して意見交換を行う。
3. 3.インデックス作成
4. おわりに
動画を見ながら、インデックスを作成する。
本報告では、インデックスを作成可能な動画管
インデックス作成の順序は次の順で行う。
理システムの設計についての報告をおこなった。
1. 動画内のタイミングの記録
今後は次の課題を含めた、設計、実装を行う。
2. 情報の記録
・別の種類の動画にも対応できるよう、シーンの
3. タイミングの修正
テンプレートを入れ替えられるようにする。
試合を観ながらインデックスを作成すること
・ファイルのインデックスデータや被検索率の高
を想定した場合、最も重要なことはシーンのタイ
いと想定されるシーンインデックスについて
ミングを残すことである。タイミングの記録をす
は、自動的に作成する。
るには、1 試合すべてを見直す必要がある。よっ
て、このような順に処理を行うことにした。
参考文献
また、時間を記録するため、動画再生プログラ
[1] 荻野達也、神原顕文、清水昇、豊内順一、細
ムと再生している時間の同期を取る必要がある。
見格、津田宏、白石展久、韋 慶傑:”セマンティ
3. 4.コミュニケーション
ック Web とは”、情報処理 2002 VOL43 NO.7
文字をやり取りするスペースと、動画を表示す
(2002)
るスペースを組み合わせる。
文字のやり取りは、チャットや掲示板のように
各ユーザは、ゲームの各シーンに対して、自由
にインデックスを作成する。ゲームのシーンを見
たい時には、自分のインデックスだけでなく、別
ユーザのインデックスを利用して、見たいシーン
を検索する。また、コミュニケーションスペース
では作成したインデックスを利用したコミュニ
ケーションを行う。
3. 2. 全体構成
本システムの構成を図2に示す。
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