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プロサッカーリーグにおける イングランドと日本での選手人件費の比較
プロサッカーリーグにおける イングランドと日本での選手人件費の比較 学籍番号 第1章 06110531 本論文の目的 氏名 田村 学 指導教員 涌田龍治 ¥23,000,000 となった。比例値ではイングラン 本論文の目的は、プロサッカーにおいて、 ドの選手賃金の合計を日本の合計にも当ては イングランドの選手が日本の選手よりも平均 め、各クラブの選手賃金の合計も比例させ、 賃金が高いのはなぜかを明らかにすることで 選手人数で割り選手 1 人当たりの賃金を出し ある。この問いに対して私は、たとえイング 数値を算出した。その結果、日本のクラブ間 ランドの選手も日本の選手も同じ程度だけ努 の差は、¥105,000,000 であった。このことか 力をしたとしても、イングランドの方が日本 らにイングランドの方が日本よりクラブ間の よりクラブ同士の格差が大きく、それゆえ努 差があることが分かった。 力への報酬の上限が高いために、平均賃金が グ ラ フ .実 測 値 と比 例 値 高くなると結論を示した。 第2章 観察方法と結果 本当に、プロサッカーにおいて、イングラ ンドの方が日本より選手 1 人当たりの賃金が 高いかどうかを確認するために、イングラン ドと日本のプロサッカーのリーグ全体のデー タばかりでなく比較的有名でない選手が所属 する収入の小さなクラブの実態も分かる、ク ラブ別のデータも揃っている 1999 年を対象 とした。選手人数や、チーム人件費から 1 人 当たりの選手人件費を算出し、イングランド と日本を比較した。その結果、日本の選手 1 人当たりの人件費は¥20,509,015 で、イングラ ンドでは¥75,925,299 と約 4 倍近くの差がある ことがわかった。 第3章 仮説と検証 なぜプロサッカーにおいてはイングランド の方が日本より選手の平均賃金が高いのかを 明らかにする。その答えは、イングランドの 方が日本よりも選手の努力に対する報酬の上 限が高いために、クラブ同士の格差が大きく、 第4章 結論 本論文の結論は、たとえイングランドの選 それゆえ平均賃金が上がるという仮説である。 手も日本の選手も同じ程度だけ努力をしたと この仮説を 2 つの視点から検証する。第 1 の しても、イングランドの方が日本よりクラブ 視点は、実測値から見た分析である。第 2 の 同士の格差が大きく、それゆえ努力への報酬 視点は比例から見た分析である。どちらの視 の上限が高いために、平均賃金が高くなる、 点からもクラブ同士の格差が大きいことが確 ということであった。このことは、プロサッ 認される。 カーの選手の賃金の差を単純に収入の差から この結果、実測値では 1 人当たり選手人件 費が高いクラブと 1 番低いクラブの差はイン グランドでは¥140,000,000 程度で、日本は約 生じるとみてはいけないことを意味した。