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第1節 確実な理解が求められる FP2 級試験
第1節 確実な理解が求められる FP2 級試験 FP2 級で学習する 6 課目は FP3 級と同じですが、当然ながら内容が深くなるため、 あいまいな知識では合格できません。 例えば、20 歳になると加入義務のある「国民年金」という制度がありますが、こ の分野に関する 3 級試験と 2 級試験のそれぞれの問題文を見てみましょう。 【3 級の問題・2014 年 9 月本試験第 3 問】 「国民年金の第1号被保険者によって生計を維持している配偶者で 20 歳以上 60 歳未満の者は、国民年金の第3号被保険者となる。」 【2 級の問題・2014 年 5 月本試験第 4 問】 「国民年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.第3号被保険者が60歳に達したときは、その日に第3号被保険者として の資格を喪失する。 2.第1号被保険者が納付すべき保険料について、その者の配偶者やその者が 属する世帯の世帯主は、当該保険料を被保険者本人と連帯して納付する義 務を負う。 3.保険料免除期間に係る保険料のうち、追納することができる保険料は、追 納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間の ものとされている。 4.日本国籍を有する者であっても、日本国内に住所を有しない者は、国民年 金に加入することができない。 3 級の問題文と、2 級の問題文の選択肢 1 は、ともに「国民年金の第 3 号被保険者」 に関する問題ですが、3 級では「第 3 号被保険者とは何か?」がわかっていれば 正解できるのに対し、2 級の問題では一歩踏み込んだ知識が要求されています。 なお、3 級試験は単純な正誤問題 30 問と 3 肢択一 30 問で構成されますが、択一 問題においても「基礎知識」によって回答が導き出せるものがほとんどです。 このように、2 級の試験問題には、知識の単純な暗記だけでは対応できないもの が多いので、その背景を知ることや仕組みを理解することが欠かせません。 ただし、ベースとなる知識は 3 級で学習した内容ですから、3 級合格後、あまり 時間を空けずに 2 級の試験にチャレンジすることが望ましいでしょう。 第2節 合格のために必要な試験対策 1 過去問の徹底 資格試験の学習においては、なるべく早いうちから過去の本試験問題(=過去問) を解き始めることが大切です。特に FP2 級では、習得した知識がどのような形で 問われるかによって、 「 知っていても正解できなかった」という問題が出てきます。 例えば、金融資産運用の課目における「債券」に関して、次のような本試験問題 があります。 「債券の格付けは、発行体が同一の債券であれば、発行時期や利率にかかわらず、 常に同一の格付けが付される。」(2014 年 5 月学科試験・問題 24 の選択肢 2) この問題は、 「債券の格付け」に関する知識を問うものですが、実際には「債券の 格付けの意味を知っている」だけではダメで、 「債券の格付けとは、どのようなも のか」という理解が無ければ自信をもって正解することはできないでしょう。 ちなみに、発行体が同一の債券であっても、発行時期や利率、発行体の信用力に よって、格付けが異なることがあるため、この選択肢は「不適切」です。 知識を取り入れる「インプット」だけを続けていると、実際に理解できているか どうかがあいまいになりがちですが、問題を解く「アウトプット」によって、 「問 題を解けるレベルまで理解できているかどうか」を知ることができます。 合格レベルの知識を身に付けるためにも、本試験前までには「過去 3 回分の問題 を 3 回ずつ」行うことは必須といえるでしょう。試験ですから「絶対」というこ とはありませんが、これらについて 80%以上の正解がコンスタントに取れていれ ば、知識的には間違いなく合格ラインに達しています。 2 日頃のニュースを見ておく FP の試験は、時代の流れを映した「時事問題」が出題されることがあります。FP で学ぶ知識は日常生活に関連することが多いことから、時事問題もニュースで取 り上げられるものが多くなります。そしてその際には、一般の人にもわかりやす いように、制度に対する解説がつけられるので、この解説によって試験に必要な 知識が身に付くことも多いのです。 そもそも FP 試験に向けた学習には、日常生活に関係のあることが多いので、学習 を進めるとともに日々のニュースに関心を持つケースも多くなりますが、これら の教養は、試験対策だけにとどまらず、卒業後の仕事や生活にも役立ちます。