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高原造林地の放牧利用年限

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高原造林地の放牧利用年限
13 高
原 造 林 地 の放牧利 用 年限
(畜試 ―外 出分 場 )
│
│
‐
高原圏 のアカマ ツ 、 カラマツ人 工造林地 に対 し、植林後 2∼ 3年
目よ り放牧 を経続 した ところ 14∼ 15年 生林 に至 り放牧可能 限界
│
に達 した。
(1)背 景 と特徴
山地 未利用資源活用 の手段 として、林地の畜産的利用 が注 目されているが、外山分場 では、 林木 の経
済的生長限界 に近 く、間冠 の うっ閉 が比較的遅 い高原 圏 のアカマ ツ、カラマ ツ人工造林地 に対 し、植林
後 2.3年
目よ り放牧 を行なぃ 、以後 11年 間に互 り調査を継続 して来 た。14.15年
生 林に 至 り、
通常の造林地管理肱 の下 ではほぼ放牧 可能限界 に達 したと思われるので報告 する。
(2)技 術 の内容
1)牧 養力 の推移 (2ヽ 10年 生林 ,既 紛
約 18044のアカ マ ッ、カ ラマッ造林 地を 1牧 区約 30あ に区 分 し、 50∼ 70頭 の 日本短 角種子付
雌牛 を 1群 とし、植林後 2.3年
目よ り放牧 を開始 し、植林後 11年 目まで は特別 な 手段を講ずるこ
とな く、約 120日/年 の放牧 が可能で ある。
2)牧 養 力の推移 (11∼
15年 生林 )
林令が 11年 以上 に達す ると、林床野 草 の生産 量は低下 し始 める とともに造林木 の下校 の伸 長によ
り、放牧牛 の行動 は制限 され、牧養力 は減少するが、他 に補助草 地等 を組合せ ることにより、15年
生林 まで利用可能 となる。
3)放 牧肉用牛 の生産性
造林地 における牛 の増体量 (D.G)は
675 KFとやや低 い年 も
453∼ 0。
769 KP、
♀ 9。
60.512∼ 0。
あったが、補助草地等 を使用 し、各 林令 に 見合 った適 度な放牧圧 を保 つな らば、放放期通算の D.G
を 60.7し 、 ♀0.6的 に保 つことも可能 で ある。
また、受胎率、疾病事故発生率 と も一 般牧野に比較 し良好で あることが確 認された。
4)造 林木 へ の影響
造林木 の被害率 は、 年々低下す る放牧実績 と林木 の成 長 にほぼ 見合 う形で減少 し、11年
目以後は
ほぼ皆無 とな った。
(3)指 導上 の留 意点
1)放 牧 に使用 した造林地 の概況 は以 下 の通 りである。
① 地 勢
標
高 720∼ 900兜 、傾斜 度 10、 20℃ 、年平均 気温 60℃ 、降水 量 1,400露/年 程度
- 347-
G 林
況
昭 和 41∼ 44年 植栽、アカマッ、カラマツ人工造林地
③ 林床植生 雑 草型、ササ型、短草型、湛木型、各 々の組合せタイプ、うち雑革主体 の組合せタイ
プが主で ある。
2)林 内で見通 しが悪 いため、放牧看視は困難であ り、経験 を要する。
D林
木によ り牛群 の行動が制約 される場合 もあるので、草生状況だけでな く、牛群 の状態 を見ながら
早y)の転枚 に心がける必要 がある。これは造林木の被害を軽激する上 でも必要 な事である。
4)林 令の進んだ見通 しの悪い牧区を使用する場合、必ず地形 を熟知 した経験牛を含む群編成を行なう
べきである。
(4〕残された問題点
造林地内 に設置 した放後 のための諸施設の有効利用を進めるため、放牧年限延長の必要性 について
1)除 間伐等 の林業施業に対 し、畜産側 からの積極的参加による造林地の畜産的油業法模索
2)造 林地の林床への牧草導入等 の積極的利用年限延長技術の確立
注 1, 15年 生以後の造林地 の利用技術 については、昭和 53年 よ り、 「山地における林畜複合利用技
術の確立Jに おいて検討 中である。
1
2.近 年カラマツ等 の人工造林 は、人的、経済的理由によ り、植栽密度を 2,000本/れ 以下に
低下さ
せた り、/11状
問伐を行なうなどの試み も行なわれてお り、畜産的利用の可能性は広が りつつある。
(引関 連課題名 肉 牛放牧による高原造林地放養力の年次推移 :昭 和 50∼ 55年
( 6 ) 参考 資 料
1)3∼
7年 生造林地への放牧 による下刈省力効果について
昭和 49年 度 普 及奨励事項 ア カマ ッ、 カラマッ造林地における肉用牛放牧 による下
刈省 力効果
と家畜生産性
昭和 50年 度 下 刈省力放牧実験報告書
2)8∼
11年 生造林地 の牧養力について
昭和 52年 度 参 考事項 高 原造林地の牧養カ
昭和 53年 度 肉 牛放牧 による高原造林地牧養力の推移 (昭和 5o∼ 52年 中間報告書)
- 348-
(7)主 要成果の具体的図表
表 1 造 林地牧養力 の年次推移
5 0
5 1
5 2
53
54
55
牛群 の年間放牧実績
C _ D
7,747
7,132
6,082
7,240
響 %
100
100
100
72.0
66.3
29,4
7,747
7,12
6,0能
5,213
4,616
2,105
42.8
39.4
33.6
28.8
植 栽年 度
植 栽
造林地 へ
の 入 牧
造 ポ 地
実 績
あ
りD
.
C
当
l
力
地
林養
造牧
CAD
7,151
6,962
11.6
25.5
表 2 放 牧造林地 の林況
林
面
班
59.04れ
1
種
樹
積
ァ
カ
マ
ツ
カ
ラ
マ
ツ
ァ
ヵ
マ
ッ
41.42
t
ツ
4
マ
92.3
2
カ ラ
マ
正方形植 4,000本/あ
備
考
放牧 せず
アカ マ ツ 4,000本/あ
カラマ ツ 2,500井/れ
4 3
鶴 .7
3
万 ↓ 力
カ
4
ア
.形 成 ;
放牧利用
5列 列状混植
ツ
表 3 野 車の 生産量 ① 樹種別林床 植佳 (降/10a)
林令
離
ァ
カ
マ
マ
カ ラ
ツ
ツ
7
8
9
10
565。1
707.8
856.5
704.1
995.0
722.3
663.8
461。4
15
12
13
14
521.4
360,7
弱6.5
387.7
346.7
390.9
460。3
295。0
276。5
281.3
表 4 野 車の生産量 ② 植生 タイプ別 (KP/10a)
短草 一雑草
雑草 一短草
雑 草 ―萌芽
ササ ー 雑草
萌芽 … 雑 革
705.2
4宏〕
.7
791.0
1,040。1
828.1
713.6
730.7
1,o31.1
646.8
527.8
827.2
842.0
489.0
311.0
569.0
372.0
444.8
310。3
454.7
248.5
315 0
384.6
345,4
323.4
401.8
5 0
747.3
5 1
745.7
52
633.8
5 3
424.0
54
5 5
994.4
-349-
表 5 子 牛の増体成績の年次推移 (ゆ ):D.C
性 別
年
50
放牧 日数
123日
118日
121日
113日
55
54
53
52
51
う ち
造 林 地
う ち
造 林 地
120日
77召
77日
頭
13頭
数
増 体 量
6
D.G
頭
増 体 量
♀
13
18
95。0
85.0
76.0
58.0
0。742
0,720
0.626
0.514
14
14
80.0
66.0
58.8
43.1
0.675
0。548
0.521
0.560
21頭
数
76.0
0.640
D.G
う
25
39日
13
17
39.4
0.512
ち
距お 日 造 林 地
94.5
59.2
105.5
22.6
0,788
0。769
0。鶴8
0.580
泌
15
24
72.2
45.7
88.5
17.7
0.601
0.594
0.702
0 。4 5 3
表 6 ま き牛 によ る受胎率
年
5 0
%
90.1
5 1
52
5 3
5 4
5 5
91.5
94.7
87.1
92.2
93.8
91.6
5 2
5 3
5 4
5 5
平 均
表 7 疾 病事故発生状況 I KrHA療
牛 %)
年
区
5 0
5 1
発 生 率
15.9
27.9
30.6
44:0
68.4
70 7
死 廃 率
0
0
0
0
2.6
2.4
19.0
12.1
9,2
9.6
2.2
0
0
1.5
分
子 牛
発 生 春
成
8.コ
牛
死 廃 率
0
0
0
表 8 造 林木 の被害 (%)
林
令
入牧(C.D/44)
6 年
7
8
9
10
47.2
42.3
42.6
36.4
28.6
12
30.3
22.0
ア
カ
マ
ッ
28
3.4
2.0
0,6
0.3
0
0
カ
ラ
マ
ッ
2.2
2.0
0.6
0.1
0 。1
0
0
- 350-
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