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フ ランス Institute de Biologie Moleculaire et

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フ ランス Institute de Biologie Moleculaire et
マイコースプログラム活動報告書
H22 年 10 月 13 日
H19 年入学医学部医学科 4 回生 畑森裕之
① 所属研究室、教授名
分子細胞情報学、岩田想教授
② 研修機関
Institute de Biologie Moleculaire et Cellulaire
UPR 9022 de Centre National de La Recherche Scientifique
15 rue Rene Descartes, Strasbourg, 67084, France
ホームページ
http://www-ibmc.u-strasbg.fr/ridi/index.php?cont_id=9&lang=en
③ 渡航期間
2010 年 8 月 31 日∼10 月 13 日
④ 指導教官
HIDEHIRO FUKUYAMA groupleader
⑤ 研修内容
今回僕がお世話になっていた研究チームはハエを使ってアルツハイマーと
免疫の関係についての研究を行っていました。その中で主に僕は 3 つのこと
を行いました。1 つ目は、activator や repressor を用いて任意の組織におけ
る遺伝子発現を制御できるシステムである既存の Gal4-UAS system に取っ
て代わる Q system を備えたハエを作ることです。具体的には、アルツハイ
マーの原因とされている amyloydbeta protein の DNA fragment を
QUAS-plasmid vector に制限酵素 cut と ligation を用いて組み込み、それを
electrophoresis と sequence check で確認した後、精製してそれをハエの卵
に injection する、といった感じでした。今回は短期間だったので、残念な
がらこのハエが産まれてくるのは見れませんでしたが、研究の基本的な手技
が確認出来て非常に有意義でした。二つ目は、amyloydbeta protein が蓄積
したアルツハイマーのモデルフライをすりつぶし、その lysate を用いてどれ
ほどの amyloydbeta protein が蓄積しているのかを ELISA で定量的に
detection する、ということをやりました。アルツハイマーに関わる
amyloydbeta protein には Abeta40 と Abeta42 の 2 種類が存在しそれぞれ
が solubleform,insolubleform を形成しているのですが、さまざまな条件の
もと、どのような条件で ELISA すれば Abeta40 と Abeta42 の 2 つの form
をきちんと detection 出来るか、というのを試行錯誤していました。三つ目
は、ランダムに Abeta40 と Abeta42 の fragment が挿入された transgenic
flies のうち興味深いデータが出た transgenic flies を用いて、それが一体遺
伝子のどこに挿入されているのか、というのを inverse PCR を用いて行いま
した。他にもハエの passage や産まれたばかりのハエの virgin female を取
って他の transgenic flies と mating をさせるなどもやりました。最後には今
回僕が行った上記 3 つの研究内容に関して、パワポを使った英語での発表を
させてもらう機会をいただけました。ただ本番では考えていることを細部ま
で上手く伝えられなかったり、現象に対する理解が甘かったりで福山先生に
大いに助けていただきましたが、非常にいい経験が出来たと思います。
⑥ ヨーロッパでの生活
まず宿舎に関してですが、ありがたいことに今回は IBMC の田中さんという
方に手続きなどをしていただき、さらに宿舎代も全て IBMC の方で負担して
いただきました。詳細を挙げておくと、
名前 AMITEL
住所 8 rue de Soleure 67085 STRASBOURG
ホームページ http://www.amitel-fjt.com/EN/Home.html
となります。朝食と夕食が宿舎代に組み込まれており、宿舎の食堂で出され
ます。部屋には、シャワー、トイレ、ベッド、机があり、申し出ればネット
も使えます。洗濯は宿舎にもランドリーあったのですが使い方がよくわから
なかったので近くのコインランドリーを使用していました。宿舎から大学ま
で歩いて 10 分くらいで繁華街もすぐ歩いていけるので立地はかなりいいと
思います。スーパーも至る所にあります。
フランスのアルザス地方にあるストラスブールは、そんなに大きい街ではな
いですが有名な観光地なだけあって、非常に綺麗で、かつ歴史的背景からド
イツともフランスともいえない雰囲気があります。人も多すぎず、TGV の駅
も近くにあり他の街に移動もしやすいので、滞在するには最適な場所でした。
福山先生には研究の面倒だけでなく何回かストラスブールにあるアルザス
料理やチーズを食べに連れて行ってもらうなど色々よくしてもらいました。
研究室では英語が話されていますが、街に出ると英語が全く通じないという
こともよくありました。
研究室に平日はだいたい 10 時∼18 時くらいまで通い、土日は休みでした。
なので土日には色んな場所に電車や飛行機を駆使して旅に出ていました。具
体的にはパリ、オランダのアムステルダム、ドイツのフランクフルトからの
ライン川下り、スペインのバルセロナ、ロンドン、南仏のカンヌ、ニース、
モナコといった感じです。今から思うと自分でもびっくりするくらいアクテ
ィブやったなと思います。ヨーロッパで休日に色んな場所に旅行をしたいと
思う人は日本でヨーロッパ鉄道のパスを買っていくと非常に便利だと思い
ます。飛行機は現地で簡単にネットで予約することが出来ます。
⑦ 最後に
こんなにきっちり研究室に通わせてもらったのが初めてだったので非常に
いい経験になりました。馴染みが薄い基礎研究を少し身近に感じられること
が出来てそれだけでも非常に大きな収穫だったと思います。また外国で研究
室に通うことで、英語の必要性や日本人と外国人の気質の違いや考え方の違
いを痛感しました。日本は外国と比べて、他の国に対してそれほど関心を持
っていない人が圧倒的に多いと思います。これらは実際海外で生活してみな
いとなかなかわからないことだと思います。
最後になりましたが、ストラスブールの研修先を紹介してくださった放射線
遺伝学の武田先生、岩田研で僕に実験の手技を教えていただいた中根さんを
初めとする岩田研のみなさん、そしてストラスブールで僕の面倒を見てくだ
さった福山先生と田中さん、本当にありがとうございました。
右:僕と同じ年のフランス人で同じ研究室に通っていた Jordane Taenya 君
左:ストラスブールで面倒を見てくださった福山先生
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