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福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議報告書 [PDFファイル/1010KB]

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福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議報告書 [PDFファイル/1010KB]
福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議
報
告
書
平成27年4月
福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議
はじめに
「魂の殺人」と言われる強姦や強制わいせつといった性犯罪は、被害者の身
体だけでなくその心を深く傷つけ、長い間、立ち直れないような苦しみを与え
るものであり、決して許すことのできない凶悪で卑劣な犯罪であるとともに、
社会に著しい不安感を与えるものであります。
近年、福岡県では、この性犯罪の認知件数が毎年500件前後という高い水
準で推移しており、被害発生率(人口10万人当たりの認知件数)にあっては、
平成22年以降4年連続で全国ワースト2位という極めて深刻かつ憂慮すべき
事態が続いています。
刑法犯全体の認知件数については、平成14年の約16万8千件をピークに
平成25年は約6万6千件と大幅に減少に転じているにもかかわらず、性犯罪
は減少することなく高止まりの状況なのです。
また、性犯罪は、その犯罪の特性から被害者には何の非がないにもかかわら
ず、被害への羞恥心や自責の念などにより被害申告がなされずに認知件数とし
て表面化されていないのではないかという問題点も抱えています。
県民の誰もが、なかでも特に女性と子どもが、安全で安心して生活を送るた
めには、性犯罪を防止することが緊急で重大な課題となっています。
こうしたことから、本県における性犯罪の防止に向けた総合対策を検討する
ため、昨年8月に県内の学識経験者、法曹界、経済団体、住宅業界、防犯専門
家、医療機関、保護観察機関からなる有識者10名による「福岡県性犯罪防止
対策検討有識者会議」が立ち上げられました。
計4回にわたる会議においては、まず県内における性犯罪の現状を分析し、
次に、これまで県や県警察、県教育委員会等をはじめとする関係機関が行って
きた取組について、
「性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発」、
「性犯罪が
起きにくい環境の整備」、
「性犯罪の加害をなくす対策」の3点に分けて検討し、
その課題を浮かび上がらせて、最後に、今後性犯罪防止のために行っていく施
策の方向性について議論を行いました。
本報告書は、その議論の結果をとりまとめたものであり、今後「県民の誰も
が安全で安心して暮らせる性犯罪のない福岡県」を築いていくための一助とな
れば幸いであります。
平成27年4月
福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議
会
長
小泉
令三
目
次
1
性犯罪防止対策検討の背景
・・・
1
2
性犯罪の現状
・・・
3
(1)
(2)
性犯罪認知件数の推移
福岡県における性犯罪認知件数の現状(平成25年)
(3)
(4)
重大犯罪を犯した加害者の実態と再犯状況
被害者と被疑者の関係
(5)
犯罪被害実態(暗数)調査
3
これまでの取組内容
(1)
(2)
(3)
4
5
性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発
性犯罪が起きにくい環境の整備
性犯罪の加害をなくす対策
今後取り組むべき課題
(1)
(2)
(3)
・・・ 19
性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発の充実
被害実態に応じた性犯罪が起きにくい環境の整備
性犯罪の加害をなくす対策の強化
今後取り組むべき施策の方向性
(1)
(2)
・・・ 13
・・・ 23
基本的方向
具体的な施策の方向
(参考資料)
・(資料1)福岡県における性犯罪防止対策検討の経緯
・(資料2)福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議設置要綱
・(資料3)福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議委員名簿
・(資料4)福岡県性犯罪防止対策検討ワーキンググループ設置要綱
1
性犯罪防止対策検討の背景
本県の刑法犯の認知件数(※)は、平成14年の約16万8千件をピークに
減少に転じ、平成25年は約6万6千件となっている。
しかしながら、強姦、強制わいせつといった性犯罪の認知件数は、依然
として高い水準で推移しており、平成25年における福岡県の認知件数は
557件(強姦 90件、強制わいせつ 467件)で、全国ワースト5位、
被害発生率(人口10万人当たりの認知件数)では、平成22年から4年
連続で全国ワースト2位と極めて憂慮すべき状況にある。
また、性犯罪は、その犯罪の特性から、被害者には何の非もないにも関
わらず、被害への羞恥心や自責の念などにより被害申告がなされずに、認
知件数として表面化されない被害が多く発生していると推測される。
県民が安心して暮らせる社会づくりのためには、性犯罪をなくすことが
喫緊の課題であり、性犯罪の撲滅なくしては、安全で安心な福岡県をつく
ることができない。
このため、有識者会議では、性犯罪の撲滅に向けた取組をさらに推進す
るため、これまでの本県の取組状況に対する課題抽出や今後取り組むべき
施策の方向性等、性犯罪の防止に向けた総合的な対策を検討することとし
たものである。
※
「認知件数」とは、警察によって犯罪の発生が認知された件数をいう。
性犯罪とは・・・
一般的には、犯罪のうち、強姦・強制わいせつ(未遂・致傷を含む)をいう。
性犯罪は、その被害の多くが子どもや女性を対象とした犯罪であり、被害者の心
身に大きなダメージを与える非常に悪質な犯罪である。
有識者会議では、性犯罪及び性犯罪等の前兆とみられる、声かけ、つきまとい、
公然わいせつ、痴漢、盗撮、色情狙いの窃盗などの事案も含めた総合的な対策を
検討するものである。
1
2
2
性犯罪の現状
(1)性犯罪認知件数の推移
性犯罪の認知件数は、増加傾向にあり、平成25年の件数を見ると、全
国が9,063件、福岡県が557件といずれも過去5年で最も多くなっ
ている。福岡県は、毎年500件前後と高水準で推移しており、平成25
年の件数順位は全国5位、人口10万人当たりの件数では、平成22年か
ら4年連続で全国2位と極めて憂慮すべき状況にある。
■全国と本県の性犯罪認知件数の推移
【グラフ1:全国の推移】
【グラフ2:福岡県の推移】
■福岡県の認知件数順位
【表1:過去5年の順位】
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
7位
3位
3位
4位
5位
【表2:人口10万人当たりの順位】
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
3位
2位
2位
2位
2位
3
(2)福岡県における性犯罪認知件数の現状(平成25年)
【福岡県警察の広報資料「性犯罪の被害実態調査結果の概要について(平成 25 年・福岡
県)」を基に作成】
ア
被害月別
月別の状況では、年間を通じて多く発生しているが、特に5月から9月
までにかけて被害が増加する傾向がある。
イ
時間別
時間別では、夕方18時台から深夜午前1時台までは、306件(55%)
となっており、特に21時台~深夜午前0時台が199件(36%)と多
く発生している。
4
ウ
地域別
地域別では、福岡地域は345件で、全体の約62%(人口比52%)を
占める。次いで、北九州地域が125件で22%(人口比26%)となって
いる。各地域の人口比と認知件数比を見ると、福岡地域と筑豊地域が人口
比よりも認知件数比の割合が高くなっている。
(参考1:各地域の人口比と認知件数比)
人口比
認知件数比
○女性人口数
■ 福岡
52%
62%
■ 北九州
26%
22%
■ 筑豊
8%
10%
■ 筑後
14%
6%
・福岡県は他県に比して、20歳代の女性
人口の割合が高い。
○女性転入者数
・福岡県は他県に比して、女性転入者、特
人口比 < 認知件数比
に10歳代の割合が高い。
(参考2:福岡県の女性人口数と女性転入者数)
○女性人口数(全国比)
女性人口数(千人)
福岡県
福岡県全体
平成25年10月1日現在
都道府県平均
○他都道府県からの女性転入者数(全国比)
平成25年(平成25年1月1日~12月31日)
女性転入者数(千人)
全国順位
(福岡県)
福岡県
2,688
1,391
9位
~9歳
221
110
8位
福岡県全体
~9歳
10歳代
235
123
8位
20歳代
285
136
7位
30歳代
344
175
8位
40歳~
1,603
847
9位
出典:「人口推計」(総務省統計局)
都道府県平均
45
22
7位
6
2
6位
10歳代
4
2
5位
20歳代
16
8
7位
30歳代
10
5
7位
40歳~
9
5
7位
資料:「住民基本台帳人口移動報告」(総務省統計局)
5
全国順位
(福岡県)
エ
年齢別
年齢別では、10歳代が最多(245件、44%)、次いで20歳代(2
08件、37%)となっている。なお、16歳から23歳までの被害が、
全体の5割以上(298件、54%)を占めている。
また、13歳未満の被害は、62件となっている。
進学や就職などにより生活環境が変
化する年齢(16・18・22 歳)では、被害が
増加する傾向がある。
オ
学職別
カ 場所別
有職者が全体の41%で最も多く、
道路上が40%で最も多く、共同
次いで高校生の順に多くなっている。 住宅等(中高層住宅、その他の住宅)
学校在籍者が、全体の約半数を占める。 が21%を占める。
6
キ
屋外被害の状況
屋外被害は、427件で全体の約8割(77%)を占める。
◆ 年齢別
屋外被害の年齢別では、16歳から23歳までの被害は、249件(5
8%)となっている。
また、13歳未満の被害は、41件となっている。
◆ 時間別
屋外被害の時間別では、夕方18時台から深夜午前1時台までは、26
1件(61%)となっており、特に21時台~深夜午前0時台が172件
(41%)と多く発生している。
7
◆ 学職別多発時間帯
屋外被害の学職別多発時間帯は、年齢が上がるにつれて、夕方から深夜
へと遅くなっている。
時間
学職
13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時 21時 22時 23時
0時
1時
2時
小学生以下
中学生
高校生
大学・専門学生
有職者
無職者
※ 着色網掛け部分は、被害が多発している時間帯を表しています。
ケ
○ 小学生以下 ・・・ 14~18時台 (約7割)
○ 中学生
・・・ 15~19、22時台 (約6割)
○ 高校生
・・・ 19~22時台 (約5割)
○ 大学・専門学生
○ 有職者
・・・ 21~1時台 (約5割)
○ 無職者
・・・ 21~0時台 (約7割)
・・・ 23~0時台 (約3割)
屋内被害の状況
◆ 屋内・屋外別
屋内被害は、130件で全体の約23%を占める。 屋内被害
23%
屋外被害
77%
◆ 自宅内・自宅外別
屋内被害の約4割は自宅内で発生している。
自宅内
39%
自宅外
61%
◆ 自宅内被害時の状況
・ 自宅内被害は、就寝中が約6割を占める。
・ 在宅時被害のうち、無施錠の玄関、窓等から
の侵入による被害が約7割を占める。
在宅時
25%
就寝中
59%
帰宅時
12%
その他4%
◆ 就寝中被害の侵入方法
就寝中被害のうち、無施錠箇所からの
侵入による被害が約8割を占める。
無施錠
80%
不明
20%
◆ 無施錠箇所
侵入口となった無施錠箇所は、約6割が
玄関・勝手口である。
玄関・勝手口
62%
ベランダ窓
17%
その他の窓
17%
不明4%
8
(3)
重大犯罪を犯した加害者の実態と再犯状況
【平成22年版犯罪白書「重大事犯者の実態と処遇」より】
対象者:重大事犯(殺人,傷害致死,強盗,強姦及び放火の5罪名)で有罪判決を受け
て受刑し,平成12年上半期(1月から6月まで)に全国の刑事施設を出所した者である。
その総数は,1,021人である。なお,複数の重大事犯の罪名(殺人と強姦など)で受刑
していた調査対象者は,罪名ごとに特徴を見る際には,それぞれの罪名で重複的に該
当者として分析対象とした。
ア
犯行時の就労状況
調査対象者に占める無職者の比率は、強盗で59.9%であるが、放火
は49.3%、殺人は44.3%,傷害致死は39.2%であり、強姦は
29.9%と低い。
イ
犯行時の計画性(事前の計画)の有無
強姦については,計画的犯行の者の比率が、62.7%と高いが,計画
性のない犯行も少なくない。
9
ウ
再犯の状況
再犯率は,強姦及び強盗で高く,殺人は低い。また,同種重大再犯率は,
強姦,強盗及び放火で高く,強姦は,類似再犯(類似再犯及び異種重大再
犯のいずれにも該当する者2人を含む。)を含めると,約16%の者が性犯
の再犯に及んでいる。
10
(4)
被害者と被疑者の関係
被害者と被疑者との関係について、
「強姦の加害者(被疑者)はほとん
どが見知らぬ者である」
(「強姦神話」)とイメージを持つ者もいるが、以
下のデータでは、強姦は45.3%が面識のある被疑者からの被害とな
っている。
被害者と被疑者の関係
【平成26年版犯罪白書より】
~検挙件数の被害者と被疑者の関係別構成比(罪名別)~
下図は、主な罪名ごとに、平成25年における検挙件数(捜査の結果、犯罪が成
立しないこと又は訴訟条件を欠くことが確認された事件を除く。)を被害者と被疑
者との関係別構成比で見たものである。
強姦神話と二次的被害【内閣府「性犯罪被害者支援に関する調査研究」報告書】
性犯罪・性暴力の被害は潜在化し、その実態が正しく認識されにくい状況にあると
言え、性犯罪・性暴力被害については「被害に遭う方にも問題・原因がある」、「暗
いところをひとりで歩いていたから被害に遭ったのではないか」、「見知らぬ人から
いきなり襲われるものである」などのように、誤って認識されてしまうことがある。
しかし実際には、昼間であっても被害に遭うことはあり、また、内閣府の「男女間
における暴力に関する調査」によると、異性から無理矢理に性交された女性のうち、
4人に3人は加害者と面識があることが明らかになっている。
このように広く一般的に信じられている性犯罪・性暴力被害をめぐる思い込みは
「強姦神話」と呼ばれている。強姦神話により、被害者は加害者のみではなく、社会
からも「被害」を受けることがあり、このような被害のことを「二次的被害」という。
11
(5)
犯罪被害実態(暗数)調査
性犯罪は、その犯罪の特性から、被害者が被害に遭ったことを誰にも
相談できず、被害が潜在化することがあるといわれている。以下は、性
犯罪の被害実態に関する参考として、性犯罪を含む性的事件の74.1%
が捜査機関へ届出されていないという調査結果を紹介するものである。
犯罪被害実態(暗数)調査【平成25年版犯罪被害者白書より】
~第4回調査
被害態様別過去5年間の被害申告率~
法務省の研究機関である法務総合研究所が実施した「犯罪被害実態(暗数)調査」
から、被害態様別被害申告率についてのデータを下図のとおり掲載する。下図は、
被害態様別に、過去5年間の被害申告率(被害に遭った世帯又は個人のうち、被害
(同一の被害態様で複数回の被害がある場合は、直近のもの)を捜査機関に届け出
た率)を見たものである。
※性的事件…強姦(未遂を含む)、強制わいせつ、不快な行為(痴漢、セクハラなど)を指
し、日本の法律上必ずしも処罰の対象とはならない行為も一部含まれる。
12
3
これまでの取組内容
以下は、福岡県の知事部局、警察、教育委員会が主体となり実施してき
た取組(※)について、
「性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発」、
「性
犯罪が起きにくい環境の整備」、「性犯罪の加害をなくす対策」の3点に分
けて、その主な内容を記載したものである。
(※)これらの取組の一部については、企業や団体と連携して行う取組や国
及び政令市等の取組内容を含む
(1)
性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発【取組主体】
ア 県民全般に対する教育・広報・啓発
(ア)青少年に対するインターネットの危険性についての啓発【県】
コミュニティサイトや SNS などによる性犯罪の被害等から青少年
を守るため、地域や保護者等が参加する学習会等に青少年のネット
問題に詳しい講師を無料で派遣している。
また、インターネット上の個人情報の漏えいなど、被害に繋がる
恐れのある不適切な書き込みを早期に発見するため、教員や保護者
を対象としたネットパトロールの講習会を実施している。
(イ)市町村と連携した性犯罪撲滅街頭キャンペーンの実施【県・政令市】
福岡市、北九州市の繁華街地区において、年に数回、性犯罪撲滅
に向け広報チラシ等を配布している。
(ウ)「ふっけい安心メール」による性犯罪等発生情報の配信【県警】
福岡県警が運用するメール「ふっけい安心メール」の登録者に対
して、性犯罪等が発生した場合にその情報を配信している。
(エ)各種広報媒体による広報・啓発【県・県警】
県、県警のホームページをはじめとした各種の広報媒体を活用し、
性犯罪を防止するための広報・啓発を実施している。
(オ)子ども・女性安全安心ネットワーク福岡(コスモスネットワーク)
による広報・啓発【企業・団体・県・政令市・市町村・県警等】
企業、団体、県、県警等が官民協同で子どもと女性の犯罪被害防
止に向けて、被害防止DVD等を作成するなどして、広報・啓発を
行っている。
イ 小学生・中学生に対する教育・広報・啓発
(ア)防犯教室の開催【県教委・県警】
・市町村立小・中学校の学校安全担当者、PTA、地域ボランティ
13
アを対象に学校安全に関する研修会を実施している。
・わいせつ目的の連れ去り被害等の防止を図るため、警察官が小学
校に赴いて防犯教室を実施している。
(イ)中学生の保護者向け防犯リーフレットの配布【県】
新入学する県内の中学1年生の保護者に対して、性犯罪の被害防
止に関するリーフレットを配布している。
(ウ)保護者と学ぶ児童生徒の規範意識育成【県教委】
「性の逸脱行動防止」を含む5つの学習テーマを設定し、公立小・
中・高校・特別支援学校において、発達段階や校種に応じたテーマ
で学習会を実施している。そのうち年1回は、専門性を有する外部
講師を招聘し、保護者の規範意識や養育に関する責任感を高めると
ともに、学校と家庭との連携を図ることにより、児童生徒の規範意
識の育成を目的として、児童生徒と保護者が共に学ぶ学習会を実施
している。
ウ 高校生に対する教育・広報・啓発
(ア)SDE(セルフ・ディフェンス・エデュケーション~自己防衛教育)の推進【県警】
警察署と県内高校(161校)との協定に基づき、高校教諭が生
徒に防犯講話や護身術指導等を実施している。
(イ)交際相手からの暴力防止対策【県】
・高校生向けに交際相手からの暴力防止に関する啓発リーフレット
を作成し、配布している。
・高校教員向けに交際相手からの暴力相談対応の手引きを作成し、
配布している。
(ウ)保護者と学ぶ児童生徒の規範意識育成【県教委(再掲)】
(エ)非行防止学習【県教委】
県立高校及び中等教育学校が、
「性の逸脱行動防止(デートDV防
止含む)」を含む4つの学習テーマから、各学校・地域の実情、保護
者の要望等に応じてテーマを選択し、生徒の規範意識の向上を目的
とした学習会を実施している。
エ 大学生・専門学校生に対する教育・広報・啓発
(ア)性犯罪被害防止の啓発冊子の配布【県】
性犯罪被害に遭わないための防犯対策のポイントなどを載せた冊
子を大学・専門学校生に配布している。
(イ)防犯教室の開催【県警】
14
・大学側からの依頼に基づき、入学時におけるオリエンテーション
などの時間を利用して大学生に対して性犯罪の被害防止に向けた
防犯教室を実施している。
・専門学校からの依頼に基づき、看護学校などの専門学校生に対し
て性犯罪の被害防止に向けた防犯教室を実施している。
(ウ)防犯指導の実施【県警】
大学・専門学校生に対する住まいの防犯診断等を実施している。
(エ)北部九州キャンパス防犯ネットワーク会議の実施【県警】
県警察と大学職員等による防犯会議を開催し、大学職員に対する
意識啓発を行っている。
オ
有職者に対する教育・広報・啓発
(ア)事業者に対する防犯教室【県警】
事業者からの依頼に基づき、女性従業員等に対して性犯罪の被害
防止に向けた防犯教室を実施している。
(イ)企業による性犯罪防止活動の促進【県】
性犯罪防止のための県民運動に参加する企業「女性と子どもの安
全みまもり企業」を募集し、従業員教育のための情報提供や研修会
などを実施することにより、企業の性犯罪防止活動を支援・促進し
ている。
カ
共同住宅での性犯罪被害防止に係る啓発
共同住宅の管理者や新規入居者に対し、性犯罪被害に遭わないため
の防犯対策のポイントなどを掲載した啓発リーフレットを配布し、意
識啓発に努めている。【県】
(2)
ア
性犯罪が起きにくい環境の整備【取組主体】
防犯環境指針の策定・普及
多くの犯罪が発生している施設(※)に着目し、犯罪の防止のため
の具体的手法を示した「福岡県安全・安心まちづくり条例に基づく防
犯環境指針」を策定し、その普及に努めている。【県】
(※)学校・通学路、道路・公園・駐車(輪)場、住宅、商業施設
イ 道路、公園、駐車(輪)場等の公共の施設における対策
(ア)歩車分離道路の整備【県】
15
(イ)県営都市公園における植栽の剪定による見通しの確保【県】
ウ
住宅における対策
(ア)犯罪の防止に配慮した県営住宅の建替【県】
・周囲からの見通しに配慮した玄関、共用廊下等の配置計画
・共用廊下側住戸窓の面格子の設置、侵入の足場とならないような
塀等の設置、外灯の設置
(イ)セキュリティ・アパート認定制度の普及【県警】
NPOが運用するセキュリティ・アパート(防犯性の高い賃貸集
合住宅)認定制度の普及に努めている。
エ
防犯カメラの普及などによる防犯環境整備の促進
(ア)自治体の防犯カメラ設置にあたり防犯診断等を実施【県警】
(イ)防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインの普及【県】
設置者が、防犯カメラを適切かつ効果的に活用できるよう、設置
及び運用に関するガイドラインを策定し、その普及に努めている。
オ 地域における防犯活動団体の活性化支援
(ア)地域防犯活動団体への支援【県】
地域の防犯活動団体として、新たに活動を開始する際に必要な資
機材経費に対して助成している。
(イ)防犯リーダーの養成【県】
地域の防犯活動を牽引するリーダーを育成するための養成講座を
実施している。
(ウ)防犯アドバイザーの派遣【県】
地域における防犯活動の活性化に向け、先駆的に防犯活動に取り
組む地域防犯活動団体のリーダーや防犯専門家等をアドバイザーと
して委嘱し、地域からの要請により派遣している。
(エ)学生防犯ボランティア団体への支援【県警】
大学と連携し、学生防犯ボランティアに活動ノウハウの提供等の
援助を行うほか、
「学生防犯ボランティアサミット」を開催するなど、
若者世代の参加促進や活動の活性化のための支援を行っている。
(オ)青色防犯パトロールの活動支援【県警】
青色防犯パトロール(青色回転灯を装備した防犯パトロール車両
による防犯パトロール)活動を希望する団体を認定のうえ、講習会
の実施、マニュアルの配布、情報提供等を行い、青パト活動の普及
16
促進に努めている。【県警】
カ
事件・事故に係る連絡体制の整備
学校内や登下校中に不審者からの声かけ事案やわいせつ事件等が発
生した際、学校から警察に通報するとともに、市町村教育委員会を通
じて、所管する全学校へ連絡している。【県教委】
キ
福岡県青少年健全育成条例に基づく有害環境の浄化等
条例により、青少年が使用する携帯電話等に出会い系サイト等への
アクセスを制限するフィルタリング措置の徹底や、有益なフィルタリ
ングソフトの推奨を行っている。
また、青少年への不健全な誘惑や被害から守るため、保護者に対し、
深夜(午後11時から翌日の午前4時まで)においては、青少年を外
出させないよう努力することを求めるとともに、一部を除き第三者が
青少年を連れ出すことを禁止する規定を設けている。【県】
(3) 性犯罪の加害をなくす対策【取組主体】
ア 性犯罪に対する厳正な対処
(ア)性犯罪被疑者の検挙【県警】
性犯罪被疑者の検挙に向け、事件発生時の早期現場臨場や現場鑑
識活動を徹底して行っている。
※平成25年性犯罪検挙件数(人数):300件(140人)
(イ)声かけやつきまとい等の性犯罪に発展するおそれがある行為者に
対する事件化、警告等【県警】
イ 性犯罪の加害者を生まない対策
(ア)保護者と学ぶ児童生徒の規範意識育成【県教委(再掲)】
(イ)非行防止学習【県教委(再掲)】
ウ 再犯防止対策
(ア)性犯罪者処遇プログラムの実施【国(法務省)】
法務省矯正局と保護局が共同で立ち上げた性犯罪者処遇プログラ
ム研究会の提言を受けて策定された認知行動療法を理論的基盤とす
るプログラムであり、刑事施設及び保護観察所において、性犯罪等
を犯した受刑者や仮釈放者、保護観察付執行猶予者に対し、自己の
問題点を理解させ、再犯に至らないための具体的な方法を習得させ
17
ること等により、再犯を防止することを目的として実施している。
(イ)子ども対象暴力的性犯罪の出所者に係る再犯防止措置制度【県警】
子ども対象・暴力的性犯罪(被害者が13歳未満の強姦、強制わ
いせつ、わいせつ目的略取・誘拐等)の出所者については、法務省
からの出所情報に基づき、住所地を管轄する警察が、再犯防止措置
として、一定期間の間、継続的な所在確認や面談などを行っている。
(ウ)加害者専用相談ダイヤルの運営【関係機関・団体、有識者】
医師、弁護士、臨床心理士、社会福祉士等からなる運営委員会が、
性犯罪を止めようとしている加害者や加害者の家族などが相談でき
る窓口を運営し、再犯防止に係るサポートを行っている。
18
4
今後取り組むべき課題
県では、これまで、性犯罪防止に向けて、県知事部局、警察、教育委員会
の各主体が、
「3これまでの取組内容」でまとめたような様々な取組を行って
きているが、残念ながら、県内での性犯罪について、顕著な減少は見られず、
全国的にも高い水準で発生しており、極めて憂慮すべき状況である。
性犯罪をなくすためには、性犯罪を着実に減らしていくという強い決意を
もって、県、県警察や県教育委員会が、市町村、団体、関係機関に加え、企
業、大学等と幅広く連携を図りながら、本県の発生状況を踏まえた、実効性
のある総合的な対策に取り組む必要がある。そのための今後取り組むべき課
題として、次の3項目を提示する。
(1) 性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発の充実
性犯罪は、被害者に何の落ち度もないにもかかわらず、
「被害者に落ち
度があったのではないか」等の誤った認識を周囲が持ちがちであり、被
害者自身も罪悪感や自責の念に悩まされることがある。
被害防止に向けた啓発を行うにあたっては、まず、
「性犯罪を許さない」、
「あなた(被害者)は悪くない」というメッセージをしっかり伝えていく
ことが大切である。
今後、被害を着実に減らしていくためには、被害の発生情報、防犯情
報が、被害に遭いやすい層に確実に届くような取組が必要であり、さら
に、これが実際の防犯行動につながっていかなければならない。
また、被害者層の多くを占める有職の女性に対しては、企業と連携し
た啓発も欠かせない。
さらには、不幸にして性犯罪被害に遭った方が、安心して相談でき、
必要な支援を受けられる仕組みが必要である。
福岡県においては、平成25年7月に、県内唯一の性暴力被害者支援
のためのワンストップセンターとして「性暴力被害者支援センター・ふ
くおか」が設置されている。
このセンターについて、引き続き広く県民への周知を図っていくとと
もに、より一層、被害者にとって寄り添った支援となるよう、性犯罪被
害の発生状況を踏まえた、支援体制の充実を図っていくことが重要であ
る。
19
(2) 被害実態に応じた性犯罪が起きにくい環
被害実態に応じた性犯罪が起きにくい環境の整備
境の整備
県は、平成20年に、道路、学校、公園、商業施設といった場所ごと
の防犯環境指針を策定し、その普及により、犯罪の防止に配慮した環境
の整備を推進することで、車上ねらい等の街頭犯罪の防止に効果を上げ
てきたところであるが、今後は、より実際の性犯罪発生状況を踏まえた、
性犯罪を起きにくくする環境整備が必要となる。
ハード面では、被害が発生しやすい場所の傾向に着目し、効果的な防
犯対策を講じる必要がある。
また、性犯罪を防止する効果があり、被疑者の検挙にも活用できる防
犯カメラについての普及促進を図ることも求められる。
さらに、道路や住宅などにおいて性犯罪被害を防止するための防犯設
備・機材・用品が設置されるよう普及促進を図っていく必要がある。
これらハード面に加えて、ソフト面から見た性犯罪を起きにくくする
環境整備として、地域防犯活動団体、学校、PTA、自治会、企業とい
った各主体が相互に連携しながら、性犯罪が多発する場所で地域防犯活
動に取り組むなどして、地域ぐるみの防犯活動を活性化させていくこと
が求められる。
(3) 性犯罪の加害をなくす対策の強化
性犯罪をなくしていくためには、被害に遭わないための被害者層に向
けた取組が重要であるが、加害者を生まないという視点での取組も欠か
せない。
まずは、警察による性犯罪被疑者への取締りのより一層の強化が求め
られるところであるが、そもそも、性犯罪の加害者を生まないようにす
るためには、子どもの頃からの、
「人を思いやる」心を育む教育が何より
必要である。
また、強姦、強制わいせつなどの性的犯罪は、反復性が高く、一人の
加害者によって多数の被害者を生む状況もあることから、性犯罪の加害
をなくしていくためには、再犯を防ぐ取組が不可欠である。
再犯防止の取組については、国において、刑事収容施設法、更生保護
法に基づき、性犯罪等を犯した受刑者や仮釈放者、保護観察付執行猶予
者に対する指導等が実施されている。
これら法的枠組みに基づく取組のほか、NPO、医療機関、関係機関
が協働し、加害者専用の相談ダイヤル「ストップ!『性犯罪』電話相談」
20
を開設しているが、一般的にはまだ十分に知られておらず、その周知が
課題である。
こうした再犯防止対策をはじめとした加害をなくす対策については、
被害防止に向けた取組に比べ、必ずしも広がりを持った取組となってい
るとは言い難く、今後、性犯罪をなくすための実効性のある取組に向け
て、関係機関が連携して対策等の検討を重ねていくべきである。
21
22
5
今後取り組むべき施策の方向性
(1)基本的方向
前記4で述べた3つの課題である
・「性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発の充実」
・「被害実態に応じた性犯罪が起きにくい環境の整備」
・「性犯罪の加害をなくす対策の強化」
について、次の9項目を今後福岡県の性犯罪防止に係る施策を遂行する
上での基本的な方向として提案する。
今後福岡県が取り組むべき施策の基本的方向性
性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発の充実
ア
「性犯罪を許さない」「あなた(被害者)は悪くない」という
強いメッセージの発信
イ
被害者層及び被害実態に応じたきめ細かな教育・啓発の充実
ウ
防犯行動の実践につなげる防犯ネットワークの整備
エ
被害者を支援・救済する取組の推進
被害実態に応じた性犯罪が起きにくい環境の整備
オ
ハード面から見た性犯罪を起きにくくする環境整備
カ
ソフト面から見た性犯罪を起きにくくする環境整備
性犯罪の加害をなくす対策の強化
キ
性犯罪への厳正な対処
ク
加害者を生まないための子どもの頃からの教育・啓発の充実
ケ
再犯防止に向けた取組の推進
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(2)具体的な施策の方向
前記(1)で述べた基本的方向性の9つの項目を今後の施策に活かすた
めに、具体的な方向性を次のとおり示す。
性犯罪の被害防止に向けた教育・広報・啓発の充実
ア
「性犯罪を許さない」「あなた(
「あなた(被害者)
被害者)は悪くない」という強いメッセ
ージの発信
性犯罪は、「魂の殺人」と言われるように、被害者の尊厳を踏みにじ
る極めて悪質な犯罪である。
もちろん、悪いのは加害者であり、被害者はまったく悪くないにもか
かわらず、依然として、
「被害者にも非があるのではないか」といった、
いわゆる「強姦神話」に基づいた、家族、友人等周りの人の発言に被害
者が傷つき、二次的被害にさらされることも少なくない。
そして、そのため、周りの人への相談をためらったり、警察への被害
申告を思い止まることとなり、被害の潜在化につながっているとも考え
られる。
性犯罪をなくすための今後の取組では、社会全体に対し、「性犯罪を
許さない」というメッセージとともに、被害者への啓発にあたっては、
「あなたは悪くない。悪いのは加害者である。」というメッセージを、
強く発信していくことが重要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 各種広報媒体を活用した性犯罪撲滅キャンペーン
○ 「性犯罪を許さない」という気運を高めるための啓発イベントの開催
イ 被害者層及び被害実態に応じたきめ細かな教育・啓発の充実
(ア)若年者に対する重点的な教育・啓発の推進
性犯罪の発生状況(年齢別)における性犯罪被害の傾向を見ると、
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進学、就職と新生活を迎え、生活環境や交友関係が変わる、節目の年
齢(16歳:高校入学、18歳:高校卒業、就職、大学等入学、22歳:
大学卒業、就職)において、被害が急増する傾向がある。
性犯罪被害の防止に向けては、このような被害に遭いやすい年齢層
に着目した、被害実態に応じた教育・啓発が必要となり、被害者層で
あるこれら若年者の各年代の一人一人に着実に届く、きめ細かな教
育・啓発を行うべきである。
また、被害防止のためには、自分を大切にすることや危険な場面を
察知する力を早い段階から育むことで、若年者が実際に自主的な防犯
行動を選択できるよう、各人の自己防衛能力を向上させることが求め
られる。
これらの教育・啓発にあたっては、被害者の心情に配慮し、性犯罪
被害に対する正しい理解を持つことができるよう努めることも必要で
ある。
さらに、一方通行で教育や啓発を行うのみではなく、若年者と共に
考える機会を設けることにより、より一層の浸透が見込まれる。
例えば、性犯罪防止に関するアンケートなどの手法を用いて、自己
意識の向上を促すなどの工夫も必要である。
福岡県には、他県からの若年女性の転入者が多いという特色があり、
これら転入者に対する啓発を、大学や事業者等と連携し、重点的に行
うなどの取組も必要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 被害者層に着目した性犯罪被害防止啓発
・中学生への、性犯罪の防犯ポイントを記載したマンガ冊子の作成・配付
・高校生、大学生への、性犯罪防止簡易テストの実施による啓発
・大学・専門学校生への、大学等防犯ネットワークを通じた啓発
・新生活を始める女性等への、防犯機器・用品の普及、購入の促進
○ 児童や生徒の保護者に対する性犯罪被害防止及び二次的被害防止啓発
○ 事業者と連携した共同住宅新規入居者に対する性犯罪被害防止啓発
○ ネットによる被害を防止するための啓発の充実
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(イ)企業等と連携した女性に対する啓発の推進
県では、平成22年から、性犯罪被害防止に向け県や地域と連携し
女性従業員や顧客への防犯教育や地域での見守り等に取り組む、
「女性
と子どもの安全みまもり企業」運動を推進しているが、依然として有
職者の被害が多く発生している。
特に、福岡県は、他県から転入してくる若年女性が多いことから、
就職のため福岡県に転入してきた女性に対しては、企業と連携した啓
発が有効であり、必要である。
今後、より多くの企業がみまもり企業運動に参加するよう、県が働
きかけを行うとともに、これら企業における取組をより一層活性化し
ていくことが必要である。
例えば、有職の女性は、21時から1時台に多く被害に遭っている
ことから、企業に対し、夜間・深夜に帰宅する女性従業員への防犯啓
発を呼び掛けたり、女性従業員の安全確保に配慮するよう促す等の取
組も必要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 「女性と子どもの安全みまもり企業」の登録数増加に向けた取組
○ 「女性と子どもの安全みまもり企業」と連携した性犯罪撲滅キャンペーン
○ 女性と子どもの安全をテーマとした防犯動画の制作・広報への活用
○ 企業と連携した深夜に帰宅する女性従業員への防犯啓発
ウ 防犯行動の実践につなげる防犯ネットワークの整備
(ア)防犯意識・自己防衛能力向上のための効果的な教育・啓発の手法
性犯罪の危険性や被害防止の啓発などについて、社会全体に確実に
浸透させ、誰もが性犯罪に遭遇する可能性があることを認識していく
必要がある。さらに、意識付けだけではなく、防犯行動の実践につな
げる、体験型の教育・啓発の手法を取り入れるべきである。
26
今後考えられる具体的な取組内容
○ 「女性と子どもの安全みまもり企業」の登録数増加に向けた取組 (再掲)
○ 「女性と子どもの安全みまもり企業」と連携した性犯罪撲滅キャンペーン(再掲)
○ 高校生への、SDE(セルフ・ディフェンス・エデュケーション~自己防衛教育)の更なる推進
○ 高校生、大学生への、性犯罪防止簡易テストの実施による啓発
(再掲)
○ 被害者層に応じた防犯力向上のための防犯教育拡大
○ 市町村窓口への性犯罪被害者防止リーフレット配架による転入者への啓発
(イ)防犯ネットワークを活用した防犯情報の提供
性犯罪の被害を減らすためには、実際の性犯罪がどのような場所、
時間帯において発生しているのかといった地域の性犯罪発生情報を、
必要とする人に適時的確に届けることが必要である。
その結果、誰もが性犯罪被害に遭遇する可能性があることの認識や
防犯意識を持ってもらうことが重要である。
また、これらの性犯罪発生情報をはじめとする防犯情報を、受け手
側が手軽に入手できるような仕組みを作っていくことが重要である。
このようなことから、ふっけい安心メール等の情報発信ツールにつ
いては、必要とする人が、登録手続きをしなくても、簡単に、これら
防犯情報を入手できるようにするなど努める必要がある。
今後考えられる具体的な取組内容
○ フェイスブック等のソーシャルメディアを活用した防犯情報の提供
○ スマートフォンアプリなどを活用した防犯情報の提供
○ ふっけい安心メールのさらなる普及
○ 大学・専門学校生への、大学等防犯ネットワークを通じた啓発(再掲)
エ 被害者を支援・救済する取組の推進
性犯罪は、その犯罪の特性から、被害者が誰にも相談することがで
きず、ひとりで抱え込まざるを得ない状況に陥ることがある。
27
その結果、被害申告がなされずに、犯罪として認知されないことで、
多くの被害が潜在化していると推測される。
また、
「加害者のほとんどが見知らぬ人である」といった誤解がある
が、実際は面識のある加害者からの被害も少なからず発生しており、
このような被害はより被害を申告しづらい状況を生んでいる。
結果として、さらなる被害の潜在化を生み、被害者の救済の妨げと
なるだけでなく、加害行為が繰り返されることも懸念される。
このような状況を打ち破っていくためには、被害者が、一人で悩み
を抱え込まずに安心して相談できる支援体制を整え、声を上げやすい
環境を整えることが必要である。
平成25年7月に、福岡県では、性暴力被害者支援のためのワンス
トップセンターとして、
「性暴力被害者支援センター・ふくおか」が設
置された。
今後とも、被害者が安心して相談できるワンストップの相談窓口と
してのセンターの存在を、さらに、しっかり、県民に周知を図って行
くように努めるべきである。
加えて、21時以降、深夜にかけて性犯罪が発生している実態も踏
まえ、現在の相談時間(9時から24時まで。年末年始を除く。)の拡
大や協力医療機関の拡充、関係機関との連携等を含む、相談体制の一
層の充実が求められるところである。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 性暴力被害者支援センター・ふくおかの県民への周知徹底
○ 性暴力被害者支援センター・ふくおかの相談体制の充実
○ 学校の養護教諭やスクールカウンセラーに対する被害者支援に関する専門的な
研修
○ 市町村職員に対する性犯罪の二次的被害防止のための研修
○ 児童や生徒の保護者に対する性犯罪被害防止及び二次被害防止啓発(再掲)
○ 犯罪被害者相談電話「ミズ・リリーフ・ライン」の継続実施
28
被害実態に応じた性犯罪が起きにくい環境の整備
オ ハード面から見た性犯罪を起きにくくする環境整備
(ア)被害多発場所における防犯対策の強化
性犯罪が多発する道路・公園・駐車場・駐輪場といった公共の施設
及び住宅において、
「監視性(見えやすさ)」と「領域性(入りにくさ)」
を向上させることにより、
「性犯罪が起きやすい場所」や「犯罪者が性
犯罪を起こす機会」を減らしていくことが重要である。
とりわけ、
「性犯罪はどこで起きているか」に着目し、多くの性犯罪
が発生する場所の重点的な対策を講じるべきである。
新たに建設、或いは改修しようとする公共の施設や住宅には、その
構造・設備・配置などについて、必ず防犯の視点を取り入れるように
していくべきである。
また、性犯罪の発生状況を見ると、道路に次いで、住宅での被害が
多く発生しており、特に、その多くを共同住宅での被害が占めている。
共同住宅については、
「高層階への侵入は難しい」、
「玄関がオートロ
ックなので安心である」との誤った認識を持つ場合もあるが、実際は、
無施錠の非常階段から入るなどして一旦上に上がった後に、住居に侵
入するという犯行手口もある。
このような犯罪に対しては施錠で対抗するほかないため、高層階や
玄関がオートロックの場合においても、窓、玄関の施錠が必要である
ことを啓発していくべきである。
共同住宅に関しては、共同住宅の管理者に対し、共用部分での防犯
対策のポイントを提示し、建設・改築の際は防犯に配慮した構造・設
備に整備するよう、絶えず働きかけることも必要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 学識経験者による犯罪予防研究の実施及び結果の活用
○ セキュリティ・アパート認定制度の普及促進
○ 事業者と連携した共同住宅管理者に対する性犯罪被害防止啓発
○ 防犯性の高い建物物品の普及(CPマーク※)
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CPマークとは・・・
防犯:Crime Prevention の頭文字をシンボル化したもので、警察庁設置の「防
犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が、「防犯性能の高
い建物部品」の普及を促進するため、
「共通呼称(防犯建物部品)」と「共通標章
(CPマーク)」を制定した。
この「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載・公表された建物部品のみを「防
犯建物部品」と呼び、「CPマーク」の使用が認められている。
(イ)性犯罪防止・被疑者検挙のための防犯カメラの普及促進
防犯カメラについては、犯罪の防止に有効であり、被疑者の検挙に
つながることが期待できることから、設置の促進が必要であると考え
る。
性犯罪の被害者層である、児童、学生への性犯罪を防止するために
は、児童、学生が集まる学校周辺、通学に利用する駅周辺などに重点
的に防犯カメラを設置する等の取組により、性犯罪の発生を防止し、
帰宅時の安全確保を図ることも有効である。
なお、性犯罪が発生した後、防犯カメラの映像確認において、解像
度が悪いため被疑者を特定できないといった事態にならないよう、設
置に際しては、専門家の意見を取り入れながら、解像度等の一定の基
準を満たした機器の設置を推奨することにより、実効性を保つことが
求められる。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 防犯カメラアドバイザー制度(仮称)の設立
○ 児童・学生が集まる学校周辺や通学に利用する駅周辺への防犯カメラ設置の働
きかけ
○ 防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインの普及促進
(ウ)性犯罪防止に配慮した設備・機材・用品等の普及促進
道路、公園等の公共空間においては、防犯灯、街路灯等により、施
設の照度を確保する設備等の設置が必要である。
30
また、住宅等の居住空間における補助鍵、ドア・ガラスセンサーと
いった防犯機材の設置等が被害防止に有効であることから、事業者の
協力を仰ぎ、新生活用品を買い求める時期、機会をとらえ、防犯機材・
用品の実物を紹介するなどして、より一層の普及促進を図る必要があ
る。
ただし、防犯設備・機材・用品等の設置後は、安堵感からか施錠が
おろそかになる傾向もあることから、引き続き、施錠の必要性も説い
ていく必要がある。
また、マンションの高層階の住民や玄関がオートロックのマンショ
ンの住民は、玄関や窓を無施錠にしてしまう傾向もあるため、加害者
が上から侵入してくる事例があることについても啓発していく必要が
ある。
これら防犯設備・機材・用品等については、設置後、放置してしま
い、いつのまにか電池切れとなる事例も見受けられるため、アラーム
等が作動するかを定期的に点検するといった、設置後の維持管理の必
要性も併せて周知することが重要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 防犯用品等を活用したセキュリティー・システムの利用促進
○ 新生活を始める女性等への、防犯機器、用品の普及、購入の促進 (再掲)
○ 防犯ブザーの常時携行と有効活用に向けた普及啓発
カ ソフト面から見た性犯罪を起きにくくする環境整備
地域の連携強化による地域防犯活動の促進
性犯罪を起きにくくするためには、
「地域の安全は、地域で守る」と
いう意識を高め、地域コミュニティにおける防犯活動を活性化してい
くことも重要である。
地域防犯活動を活性化するためには、防犯活動団体が、その地域の
学校やPTA、自治会、企業などと相互に連携し、地域内での交流を
図りながら、防犯活動を実施していくことが重要であり、このことに
31
より活動の地域への浸透が期待できる。
特に、性犯罪が多発する場所での重点的なパトロールや子どもの見
守り活動など地域全体で性犯罪を防いでいく取組が効果的である。
地域防犯活動団体は、防犯活動を実施する上で、次世代の活動を担
う人材の不足等の課題を抱えていることから、大学、専門学校の学生
の防犯活動への参加促進や、地域防犯活動団体と大学等の学生防犯ボ
ランティアとのつながりの強化により、若い世代を地域に取り込むと
いった課題解決のための対策が必要であると考える。
また、現在活動している団体の活動を活発にするための支援、新た
に活動を始めようとする団体の立上げ支援といった、地域防犯活動団
体への育成支援も重要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 地域の防犯活動を牽引するリーダーの育成
○ 大学・専門学校の防犯ネットワークを通じた学生防犯ボランティアへの参加促進
○ 学校と地域の防犯活動団体との間の連携推進
32
性犯罪の加害をなくす対策の強化
キ 性犯罪への厳正な対処
性犯罪等に対する取締りの強化
依然として高水準で推移している性犯罪の現状を踏まえ、性犯罪に
加えて、痴漢や公然わいせつ等の性犯罪に発展するおそれがある事案
に対する取締りをより一層強化する必要がある。
また、被害が拡大することを防止するためにも、可能な限り早い段
階で性犯罪の被疑者を検挙することが重要である。
さらに、検挙率を向上させることで、性犯罪は被害者が警察に届け
出れば必ず捕まるリスクの高い犯罪であると、加害を企てる者に認識
させなければならない。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 性犯罪に対する専従捜査体制の強化
○ 徹底検挙に向けた各種捜査資機材の拡充・整備
ク 加害者を生まないための子どもの頃からの教育・啓発の充実
若年者に対する重点的な教育の推進
性犯罪を確実に減らしていくためには、被害者を作らないという視
点に加え、加害者を生まないという視点も必要である。
性犯罪、特に強姦罪においては、他の重大犯罪に比して、有職の加
害者の割合が高く、犯行が計画的に行われているといった実態があり、
性犯罪の根深さを表している。
性犯罪が行われる背景には、加害者が被害者との関係性において、
未熟さや偏った認識を持っていることが原因となっている場合もあり、
子どもの頃から「人を思いやる」や「命の大切さ」といった心を育む
教育を行い、人との関わり方などを早い段階から育んでいくことが重
要である。
33
また、性犯罪の加害者を生まないための教育を行う場合は、被害者
の心情に配慮し、性犯罪被害に対する正しい理解を持たせるようにす
ることが必要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 小・中学生、高校生が保護者と学び、規範意識を育成する学習会の実施
○ 中学生、高校生を対象とした、犯罪被害者・遺族の講演等による「命の大切さを学ぶ
教室」の実施
○ 「福岡県豊かな人間性育成プラン」に基づく「命の教育」の推進
ケ 再犯防止に向けた取組の推進
(ア)性犯罪加害者等立ち直りのための専用相談ダイヤルの周知
加害者等を対象とした再犯防止に向けた取組として、加害行為を止
めようとしている加害者自ら、また加害者の家族等の立ち直りに向け
た相談を受けるため、
「ストップ!『性犯罪』電話相談」が、平成25
年11月からNPOと国、医療機関、関係機関の協働で設置されてい
る。
今後は、加害者、その家族等に、この相談窓口や医療機関の情報に
ついての周知に努めることが必要である。
今後考えられる具体的な取組内容
○ 加害者や家族に対する、加害者専用相談窓口、医療機関についての情報提供
(イ)関係機関のネットワークを活用した再犯防止対策の検討
加害をなくす対策については、性犯罪の被害者の心情への配慮や、
一方で、加害者の更生や社会復帰の妨げとならないよう考慮を要する
等の課題もあり、被害防止に向けた取組と比して十分に進展している
とは言い難いところである。
今後は、加害を生まない取組も不可欠であり、県や国、関係機関、
医療機関、NPOや自助グループが、広く連携し、ネットワークを活
用しながら、実効性のある対策に向けて、さらに検討を重ねて進めて
いく必要がある。
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今後考えられる具体的な取組内容
○ 性犯罪者処遇に係るネットワークを活用した再犯防止対策の更なる検討、検討結
果の周知
○ 子ども対象・暴力的性犯罪の出所者に係る再犯防止措置制度の適切な実施
○ 再犯防止に向けた、加害少年の立ち直り支援
「ストップ!『性犯罪』電話相談」とは・・・
福岡県で始まった全国初の性犯罪防止のための加害者専用相談ダイヤル。
医師、弁護士、臨床心理士、社会福祉士等からなる運営委員会が、性犯罪をやめ
ようとしている加害者や加害者の家族などが相談できる窓口を運営し、再犯防止に
係るサポートを行っている。
【受付時間】
【電話番号】
火曜日から土曜日の13時から17時
070-6984-9335
※電話相談は無料で、匿名での相談が可能
35
36
おわりに
平成26年中の県内における性犯罪の認知件数は499件となり、この有識
者会議のなかで検討した平成25年中の認知件数557件に比べて減少しまし
た。
しかしながら、この件数は、決して安心できるものではなく、県内では、依
然として、少なくとも毎日1人以上の方が、何の非がないにも関わらず性犯罪
の被害を受け、心身ともに深いダメージを受けているということを県民一人一
人は重く受け止めなければなりません。
さらに、その他にも警察に被害の届出をすることなく、一人で悩み苦しんで
いる被害者がいるということも忘れてはいけません。
本報告書では、このような被害者を一人でも減らすための処方箋ともいうべ
き施策の方向性を盛り込んだつもりです。
性犯罪を防止するための取組については、一朝一夕に効果が現れるものでは
ないかもしれませんが、今後、この報告書が契機となって、県、県警察等をは
じめとする関係機関がこれまで以上に連携し、性犯罪を防止するという気持ち
を一つにして各種施策に全力で取り組み、
「県民の誰もが安全で安心して暮らせ
る性犯罪のない福岡県」が実現することを願ってやみません。
福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議委員一同
参
考
資
料
(資料1)
福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議の開催経緯
第1回
平成26年8月29日(金曜日)
(議題)
1 福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議について
2
第2回
性犯罪防止対策について
平成26年10月16日(木曜日)
(議題)
1 性犯罪防止対策の検討状況について
2 福岡県の性犯罪発生状況について(補足)
3 性犯罪防止対策について
第3回
平成26年12月25日(木曜日)
(議題)
1 性犯罪防止対策の検討状況について
2 性犯罪防止対策について
3 今後のスケジュールについて
第4回
平成27年2月4日(水曜日)
(議題)
1 報告書案について
41
(資料2)
福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議設置要綱
(目的)
第1条 福岡県における性犯罪防止に向けた総合的施策の検討を行うため、
「福
岡県性犯罪防止対策検討有識者会議」(以下「有識者会議」という。)を設置
する。
(所掌事務)
第2条 有識者会議は、性犯罪の防止対策に係る基本的な事項について、参考
となる意見を述べる。
(組織)
第3条 有識者会議は、次に掲げる者で構成し、12名以内をもって組織する。
(1) 学識経験者
(2) 各種団体関係者
(3) 前各号に掲げる者のほか、福岡県が必要と認める者
(任期)
第4条 委員の任期は、就任の日から平成27年3月31日までとする。ただ
し、福岡県が必要と認めるときは、委員の任期を延長することができる。
(役員)
第5条 有識者会議に会長及び副会長を置くものとし、委員の互選により選出
する。
2 会長は、会務を総理し、有識者会議を代表する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は欠けたときは、そ
の職務を代理する。
(会議)
第6条 有識者会議は、会長が招集する。
2 会長は、必要に応じて、委員以外の者に出席を求め、意見を聴くことがで
きる。
3 会議の議長は、会長が務める。
4 会議で決定が必要な議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数の
ときは、会長の決するところによる。
(事務局)
第7条 有識者会議の事務局は、福岡県新社会推進部生活安全課に置く。
42
(補則)
第8条 この要綱に定めるもののほか、有識者会議の運営に関し必要な事項は、
その都度定める。
附 則
この要綱は、平成26年
8月
7日から施行する。
43
(資料3)
福岡県性犯罪防止対策検討有識者会議委員名簿
※平成26年8月7日現在
(敬称略、順不同)
所
属
等
氏
名
備
考
長
福岡教育大学大学院教授
小泉
令三
会
九州国際大学法学部教授
山本
啓一
副会長
九州大学大学院人間環境学研究院准教授
有馬
隆文
九州産業大学国際文化学部准教授
森川
友子
弁護士
世良
洋子
福岡県商工会女性部連合会会長
上島
公益社団法人福岡県宅地建物取引業協会
常務理事 総務委員長
特定非営利活動法人福岡県防犯設備士協会
理事長
三好
吉村
登美子
孝一
洋
医療法人コミュノテ風と虹 のぞえ総合心療病院
副理事長・副院長
堀川
百合子
福岡保護観察所所長
西岡
総一郎
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(資料4)
福岡県性犯罪防止対策検討ワーキンググループ設置要綱
(目的)
第1条 福岡県における性犯罪の防止に向け、県庁内の関係課が連携・協力を図
ることにより、その防止施策の検討を行うため、「福岡県性犯罪防止対策検討
ワーキンググループ」(以下「ワーキンググループ」という。)を設置する。
(協議事項)
第2条 ワーキンググループは、次に掲げる事項を協議する。
(1)性犯罪の実態把握に関すること
(2)性犯罪防止対策に関すること
(3)性犯罪防止対策に関する連携及び調整
(4)その他性犯罪の防止に関して必要な事項
(構成)
第3条 ワーキンググループは、委員長及び委員をもって組織する。
2 委員長は、福岡県新社会推進部生活安全課長をもって充てる。
3 委員は、別紙に掲げる所属の職員の中から当該所属の長が指名した者により
構成する。
4 委員長が必要と認めるときは、委員以外の者に会議への出席を求めることが
できる。
(会議)
第4条 会議は、必要に応じ委員長が招集する。
2 委員長は会議の議長となり、議事を運営する。
(作業部会等)
第5条 委員長は、必要と認めるときは、作業部会等を置くことができる。
2 前項の作業部会等に関し必要な事項は、委員長が定める。
(庶務)
第6条 会議、作業部会等の庶務は、福岡県新社会推進部生活安全課において処
理する。
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(雑則)
第7条 この要綱に定めるもののほか、この会議に関し必要な事項は、委員長が
別に定める。
附 則
この要綱は、平成26年7月8日から施行する。
別 表
所
属
部(局)
総務部私学学事振興局
課(室)
私学振興課
青少年課
新社会推進部
男女共同参画推進課
生活安全課
保健医療介護部
福祉労働部
医療指導課
子育て支援課
児童家庭課
福祉労働部労働局
労働政策課
県土整備部
企画課
建築都市部
建築都市総務課
教育庁教育企画部
企画調整課
高校教育課
教育庁教育振興部
義務教育課
体育スポーツ健康課
警察本部総務部
警察本部生活安全部
警察本部刑事部
被害者支援・相談課
生活安全総務課
少年課
捜査第一課
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