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癌化学療法時の好中球活性酸素産生能の経日的変化

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癌化学療法時の好中球活性酸素産生能の経日的変化
30
癌化学療法時の好中球活性酸素産生能 の経 日的変化
1)都立 豊 島 病 院泌 尿 器科
2)現:東 京 大学 医学 部 泌尿 器 科
3)現:関 東 労 災病 院 泌 尿器 科
吉 田
Key
words:
雅 彦1)2)柳
cytotoxic
沢
良 三1)石
受 付)
(平 成4年10月13日
受 理)
chemotherapy,
superoxide
法3名)を
洋 一1)
production
neutropenia,
要
法6名,PEB療
仁 男1)3)岸
(平 成4年6月26日
chemotherapy-induced
癌 化 学 療 法(CAP療
田
host
by neutrophils,
defense
mechanism
旨
受 け た 泌 尿 器 科 悪 性 腫 瘍 患 者9名
お よ び そ の 活 性 酸 素 産 生 能 を 経 日的 に 検 討 した.活
に お い て,好
性 酸 素 産 生 能 はchemiluminescence(CL)法
中球 数
により
測 定 した.
末 梢 血 好 中球 数 は 化 学 療 法 開 始 後16.4日
認 め られ た.好
後14.0日
目 に280±100とnadir(最
低)と な る,一 過 性 の 好 中 球 減 少 が
中 球 活 性 酸 素 産 生 能 は 好 中 球 数 の 減 少 とほ ぼ 平 行 して 低 下 し(p<0.01),化
目 に 最 低 と な り,9例
は 回 復 す る事 が 認 め られ た.癌
中6例
は好 中 球 減 少 のnadirと
学療 法 開始
ほ ぼ 同 時 に 最 低 に な り,次 の 化 学 療 法 前 に
化 学 療 法 時 に は 好 中 球 減 少 とほ ぼ 平 行 して 好 中 球 活 性 酸 素 産 生 能 も 低 下
す る 事 が 認 め ら れ,好 中 球 数 お よ び そ の機 能 の 両 方 の 点 で,好 中 球 減 少 のnadir時
に感 染 防 御 能 が 最 も低
下 して い る事 が 示 唆 さ れ た.
序
文
材 料 と方 法
癌 化 学 療 法 の 副 作 用 と して の 骨 髄 抑 制 は 宿 主 の
感 染 防 御 能 低 下 を もた ら し,し ば し ば 日和 見 感 染
1.対
象(Table
1)
癌 化 学 療 法 を 初 め て受 け る 当科 に 入 院 した 泌 尿
に よ る重 症 感 染 症 を 併 発 す る.そ の原 因 と して は
器 科 悪 性 腫 瘍 患 者 で,尿
好 中 球 減 少 が最 も重 要 で あ るが1)∼4),好中 球 機 能
名,睾
低 下 も無 視 で き な い1)5).しか しそ の詳 細 に つ い て
齢59.3歳).対
は ま だ 不 明 な 点 が 多 く,癌 化 学 療 法 後 の好 中 球 減
し い 機 能 障 害 や 合 併 症 を 認 め ず,P.S.(perfor-
少 の 推 移 と好 中 球 個 々 の機 能 低 下 の推 移 との 時 間
mance
的 関 連 性 に つ い て は 十 分 に 検 討 さ れ て い な い.
法 な ど)に
我 々 はす で にCPA投
与 マ ウス の 検 討 に お い て,
好 中 球 減 少 とほ ぼ 平 行 して 好 中 球 機 能 も有 意 に低
丸 腫 瘍3名
2.化
m2,adriamycin
の 変 化 を経 日的 に検 討 した.
mg/m2)を
雅彦
去 の 治 療(放
射 線療
管 お よ び 膀 胱 腫 瘍 の6名
法(cyclophosphamide
400∼700mg/
25∼30mg/m2,cisplatin
施 行 し(以 下CAP投
丸 腫 瘍 の3名
吉田
の臓器 に著
よ る 血 液 学 的 影 響 が な い 症 例 と し た.
化 学 療 法 の 内 容 は,尿
癌 化 学 療 法 時 に お い て,好 中 球 数 お よび そ の機 能
東 京大 学 病 院泌 尿 器 科
下 で,過
均 年
学療法
下 す る事 を報 告 した6).そ こで 今 回 我 々 は,ヒ トの
京 区本 郷7-3-1
胱 腫 瘍3
を 対 象 と し た(平
象 患 者 は15歳 以 上 で,他
status)3以
に はCAP療
別 刷 請 求先:(〒113)文
管 腫 瘍3名,膀
の 計9名
に はPEB療
50∼80
与 群 と し た),睾
法(cisplatin
m2,etoposide
500mg/m2,bleomycin
を 施 行 し た(以
下PEB投
100mg/
90mg/m2)
与 群 と し た).血
感 染症 学 雑 誌
第67巻
算,血
第1号
31
癌化学療法時の好 中球活性酸素産生能
Table
a);
bone, b);
1
Clinical findings
lymphnode,
in cancer
c); local invasion,
液 生 化 学 そ の 他 の 一 般 検 査 は 適 時 週2回
し,末
patients
d);
以上施行
梢 血 の 好 中 球 活 性 酸 素 産 生 能 の 測 定 は 週2
回 測 定 し た.
3.好
treated
by cytotoxic
chemotherapy
lung, e); skin, f); not detectable
ア ロ カ)を
用 い て 測 定 し,そ
4×105neutrophils,以
下CL値
素 産 生 能 の 指 標 と し た(辻
中球活 性酸素産生能 の測定
末 梢 血10m1(好
な お,予
中 球 減 少 時 に は20ml)に
同量 の
の ピ ー ク 値(kcpm/
と 略 す)を
ら の 方 法7)に よ る).
備 実 験 で 上 記 の測 定 条 件 下 で は 好 中 球
濃 度 とCL値
はr=0.9993で
比 重1.114のFicol1.Hypaque液(Monopoly
resolving
Laboratories,Inc.)
の 好 中 球 浮 遊 液 が 得 ら れ な か っ た 時 は,得
間 遠 心 し多 核 好 中 球
CL値
を 重 層 し,3,000rpmで30分
(Hanks'balanced
ogy
Inc.)で
lysing
salt solution;Life
遠 心 洗 浄 し た.10mlの0.87%NH4Cl
solutionを
加 え(4℃,5分
間)白
に 混 在 す る 赤 血 球 を 溶 血 しHBSSで
HBSSに
Technol-
中 球 数 を カ ウ ン ト し4×106/m1と
な る よ うに 希 釈
し て 再 浮 遊 さ せ た.
む)に,1μM/ml
Gel添
luminol(関
加HBSS450μ1を
中 球4×105個
を含
東 化 学)50μ1と0.1%
加 え,さ
らに 被 貧 食 物 質
と し て プ ー ル 血 清 で オ プ ソ ニ ン 化 し た12.5mg/
ml
opsonized
zymosan(東
加 え て 反 応 を 開 始 し た.発
京 化 成 工 業)50μ1を
生 す る 化 学 発 光
(chemiluminescence)をphotometer(BLR-201;
平 成5年1月20日
4.統
計学的検討
testに
成
1.好
CAP投
つ い て,paired-t
よ り有 意 差 を 検 定 し た.
遠 心 洗 浄 後,
球計 算盤で好
られ た
好 中 球 当 た り の 数 値 に 換 算 し た.
得 ら れ た 各 平 均 値 ±S.E.に
血球層
浮 遊 さ せ,BUrker-TUrk血
こ の 好 中 球 浮 遊 液100μ1(好
中 球 減 少 時 で4×106/ml
を 相 関 グ ラ フ に あ て は め て4×106/ml(4×
105個)の
層 の み を マ イ ク ロ ピ ペ ッ ト で 採 取 し,HBSS
あ っ た の で,好
正 の 相 関 関 係(p<
0.001)に
medium(R);Flow
活性酸
績
中 球 数 の 変 化(Table
与 群 とPEB投
2)
与 群 の 両 投 与 群 間 で,白
血 球 数 お よ び 好 中 球 数 の 化 学 療 法 前 の 値(化
療 前
値)は
の後
有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た.ま
た,そ
の 白血 球 数 の 変 動 の 主 因 は 好 中球 数 の 変 動 で あ っ
た.
両 投 与 群 とも 同様 に 化 学 療 法 後 著 しい好 中 球 減
少 が 認 め ら れ,化
15.7日
目,PEB投
日 目 に),そ
学 療 法 開 始 後CAP投
与 群 で は18.0日
与群 で は
目 に(平 均16.4
れ ぞ れ350±130,120±50/mm3と
吉 田 雅彦 他
32
Table
2
Changes
of
WBC
and
neutrophil
counts
after
cytotoxic
chemotherapy
Mean•}S.E.
(/mm3)
**; p<0 .01 (vs. pre-CT)
a);
Fig. 1
Time
course
of
superoxide
production
by
neutrophils
in
Chemotherapy
relation
to
nadir
of
neutropenia
*;
the lowest
value of CL
nadirと な り,そ の後 徐 々 に 増 加 し次 回化 学 療 法
化 学 療 法 開 始 後CAP投
前 に は 回 復 す る こ とが 認 め られ た.
投 与 群 で は13.7日 目に(平 均14.0日 目に),CL値
2.好
Table
中 球 活 性 酸 素 産 生 能 の 変 化(Fig.1,
3)
は そ れ ぞ れ5.6±1.9,5.3±2.1と
最 低 値 と な り,
そ の 後 好 中 球 数 の 回 復 と共 に 活 性 酸 素 産 生 能 も 回
好 中球 活 性 酸 素 産 生 能 の化 療 前 値 は,両 投 与 群
を 比 較 す る とPEB投
与 群 で は14.2日 目,PEB
与 群 の 方 が 高 値 で あ る傾 向
で あ った が 有 意 差 は 認 め られ な か った.
両 投 与 群 と も 同様 に 化 学 療 法 後 の 好 中 球 減 少 と
ほ ぼ平 行 して 活 性 酸 素 産 生 能 の低 下 が 認 め られ,
復 す る こ とが認 め られ た.
活 性 酸 素 産 生 能 は 好 中 球 減 少 のnadirに
均 で み る と約2日
少 のnadir時
早 く最 低 に な った が,好
よ り平
中球減
との 時 間 的 関 連 を 各 症 例 毎 に詳 細 に
観 察 す る と,9例
中6例
が好 中 球 数 減 少 とほ ぼ 同
感 染 症学 雑 誌
第67巻
第1号
癌化学療法時の好中球活性酸素産生能
Table
3
Changes
neutrophils
of
after
superoxide
production
cytotoxic
Mean•}S.E.
(kcpm/4 •~105
時 に,2例
Clinical
superoxide
course
of neutrophil
production
counts
by neutrophils
and
in Case 5.
CAP(3/6∼3/10)
neutrophils)
*; p<0 .05, * *; p<0.01
a);
Fig. 2
by
chemotherapy
33
(vs. pre-CT)
Chemotherapy
が0.5週 間 早 期 に,1例 が1週
間早 期 に,
活 性 酸 素 産 生 能 が 最 低 に な る こ とが 認 め られ た.
典 型 的 な1例 をFig.2に
示 した.
3.感 染 の発 症
感 染 を疑 わ せ る38℃ 以 上 の熱 発 は,CAP投
のCase1お
よ び5の2例
で 各1回
も好 中球 減 少 のnadirの
与群
つ つ,両 症 例 と
時 点 で(し た が って 活 性
酸 素 産 生 能 も最 低 値 の 時 点 で)認
め られ た.両
症
酸 化 代 謝 過 程(respiratory
burst)で
生 じ る活 性
例 と も熱 発 のorigin,起 因 菌 は 不 明 で,抗 生 剤 点滴
酸 素(O2,H2O2,OH・,1O2な
投 与 で 下 熱 しsepsisに 移 行 す る よ う な 重 篤 な も
学 発 光(CL)と
の で は な か った.
的 な 測 定 法 で あ るが10),殺 菌 作 用 の 本 質 で あ る活
考
hostで,低
る血 清 の オ プ ソニ ン活 性 の低 下,年
定 量 す る間 接
性 酸 素 産 生 能 と よ く相 関 す る11).
察
担 癌 患 者 はす で に 基 礎 疾 患 に よ り感 染 防 御 能 が
低 下 して い るcompromised
ど)の 作 用 を,化
してphotometerで
栄 養に よ
齢,局 所 の 炎
今 回 の 検 討 の 結 果,癌 化 学 療 法 後 の好 中 球 活 性
酸 素 産 生 能 は,好 中 球 数 の 減 少 とほ ぼ 平 行 し て減
少 し,好 中球 数 のnadirと
ほ ぼ 同 時 に最 低 と な り
症,腫 瘍 か ら の免 疫 抑 制 物 質 の産 生 な どが そ の 原
(p<0.01),好
因 と され て い る8).特 に抗 癌 化 学 療 法 を 受 け る と
能 も回 復 す る 事 が 示 さ れ た.す
感 染 防 御 能 が さ らに 低 下 し,主 と し て生 体 内 に 内
法 時 に は好 中 球 機 能 低 下 の 点 か ら も感 染 防 御 能 が
在 す る腸 管 内 細 菌 を 起 因 菌 と した 敗 血 症 な どを し
低 下 し,し か もそ の時 期 は 好 中 球 減 少 とほ ぼ 同 時
ぼ しぼ 惹 起 し4)5),死因 の半 数 以 上 は感 染 症 で あ る
で あ る こ とが 示 され た わ け で あ る.
と報 告 され て い る9).そ の 原 因 と して は,癌 化 学 療
中 球 数 の 回復 と共 に 活 性 酸 素 産 生
なわ ち,癌 化 学 療
これ ま で に も,肺 癌 患 者 の 化 学 療 法 後 の好 中 球
法 後 の 一 過 性 の好 中 球 減 少 が 最 も大 き な要 因 と さ
の02産 生 能 は 好 中 球 数 がnadirに
れ て い るが2),好 中 球 の 質 的 異 常(機 能 低 下)も 関
に 最 低 とな り4週 間 後 に 前 値 に 回復 す る と した 報
な る2週
間後
与 す る事 が 示 唆 され て い る1)5).そ こで 我 々 は,担
告12)13)などが な され て い るが,好
中 球 機 能 を測 定
癌 患 者 の 化 学 療 法 後 の好 中球 機 能 低 下 の 経 日的 変
した の は3時 点 か4時 点 で,好
化 を 明 らか に す る 目的 で,今 回 の検 討 を 行 った.
中 球 減 少 の 時 間 的 関 連 性 を 詳 細 に 検 討 した報 告 は
好 中 球 機 能 と して は,比 較 的 再 現 性 が 良 い とされ
これ ま で な か った.好
るchemiluminescence(CL)法7)に
よ る活 性 酸 素
時 に最 低 値 とな る好 中 球 機 能 の低 下 は,抗 癌 剤 に
の方 法 は,貧 食 殺 菌 に伴 う
よ る骨 髄 内 の 好 中球 系 前 駆 細 胞 に 対 す る影 響 と思
産 生 能 を 測 定 した.こ
平 成5年1月20日
中 球 機 能 低 下 と好
中 球 減 少 のnadirと
ほぼ同
吉田 雅彦 他
34
わ れ る.分 化 成 熟 中 に あ る好 中球 系 前 駆 細 胞 は,
with acute
-340
そ れ ぞ れ 抗 癌 剤 に対 す る感 受 性 が 異 な る14).殺 細
4)
胞 作 用 を 最 も強 く受 け た 段 階 の前 駆 細 胞 は大 部 分
死 滅 し約2週
るが,一
間 後 に 末 梢 血 好 中球 数 はnadirと
はCAP投
な わ ち,両 群
間 で 背 景 に若 干 の相 違 が あ り,PEB投
年 齢 が 若 く(32歳 対73歳)全
た か らで あ る.さ
身 状 態 も良 好 で あ っ
られ(同 様 に,抗 癌 剤 投 与 時 や 術 直 後 に も活 性 酸
症 に 際 し て生 体 側 よ りの サ イ トカ イ ンに よ り好 中
球 が プ ラ イ ミン グ され 活 性 酸 素 産 生 能 が 充 進 さ れ
た と示 唆 さ れ た.こ れ らの 詳 細 につ い て は,今 後
の症 例 の 蓄 積 が 必 要 で あ る と考 え られ た.
以上 よ り,癌 化 学 療 法 時 に は 好 中 球 減 少 とほ ぼ
平 行 して 好 中球 活 性 酸 素 産 生 能 も低 下 す る事 が 認
中球 数 お よ び そ の機 能 の両 方 の 点 で,
好 中球 減 少 のnadir時
に感 染 防 御 能 が 最 も低 下 し
て い る事 が 示 唆 され た.
なお,本 論文の要 旨は平成元年5月,第37回
Chemotherapy,
朝 野 和 典:
吉 田 雅 彦:
7) 辻
芳 郎,
8)
中越
日本化学療
文
献
1) 亀 岡陽 子: Compromised
hostに お け るmuramyl dipeptideの感染防御効果 に関す る研究. 四
国医誌, 40: 440-452, 1984.
2) Singer, C., Kaplan, M. H. & Armstrong, D.:
Bacteremia and fungemia complicating neoplastic disease. Am. J. Med., 62: 731-742, 1977.
3) Bodey, G.P., Buckley, M., Sathe, Y.S. & Freireich, E.J.: Quantative relationships between
circulating leukocytes and infection in patients
亨:
oxideの
37:
838-847,
1989.
BMRに
よる緑 膿 菌 性 内 因性
cyclophosphamide投
与 マ ウ スの 好 中
林
克 敏,
前 田 秀 典,
日 本 臨 床,
42:
楊 井 正 紀:
1375-1380,
好中
1984.
消 化 器 担 癌 患 者 に お け る 好 中 球super-
産 生 能 に 関 す る 研 究, と く に, 低 栄 養 患 者
で の 検 討.
日外 会 誌,
87:
375-386,
1986.
9) Ketchel, S. J. & Rodriguez, V.: Acute infections in cancer patients. Semin. Oncol., 5: 167
-179
, 1978.
10) Allen, R. C.: The role of pH in the
chemiluminescence
response
of the
myeloperoxidase-Halide-HOOH
antimicrobial
system. Biophys. Res. Comm., 63: 684-691,
1975.
11) Horan, T. D., English, D. & McPerson, T. A.:
Association of neutrophil CL with microbicidal
activity. Clin. Immunol. Immunopathol., 22:
259-269. 1982
12)
朝 長 昭 光:
産 生 能,
い て.
法学会総会において発表 した.
癌化
免疫 不 全 状態 に発 症 す る敗 血 症 の発 症
球 機 能 検 査 法.
らに,経 過 中 の2回 の 熱 発 の発
素 産 生 能 が上 昇 す る傾 向 が 認 め られ た),感 染 や 炎
広 瀬 崇 興:
球 機 能 に 対 す る 遺 伝 子 組 換 え 型 ヒ ト顆 粒 球 コ ロ
ニ ー 刺 激 因 子 のin vivo効 果 . 日泌 尿 会 誌, 83: 518
-527
, 1992.
与 群 は平 均
症 直 後 に は活 性 酸 素 産 生 能 が 上 昇 す る傾 向 が 認 め
め られ,好
6)
の原 因 と して 上 述 の癌 の 種 類,年
養 状 態 な ど が考 え られ た.す
塚 本 泰 司,
Med.. 64: 328
敗 血 症 の 予 防 と発 症 機 序 検 討. 感 染 症 誌, 63: 557
-564
, 1989.
与 群 の そ れ に 比 較 し て 高 値 で あ る傾 向
が 認 め られ,そ
齢,栄
熊 本 悦 明,
機 序 と予 防. 第2報.
た.
与群 の活性酸素産生 能の化療前値
山 崎 清 仁,
療.
5)
的 に は最 も 高 度 に 障 害 を 受 け て い る と理 解 さ れ
今 回,PEB投
Ann. Intern.
学療法 による白血球減少時発熱 に対す る予防治
な
部 の 好 中球 は 生 き残 って 成 熟 す る が機 能
leukemia.
, 1966.
肺 癌 患 者 に お け る 好 中 球Superoxide
と く に 化 学 療 法,
肺 癌,
26:
245-258,
放 射 線療 法 の影 響 に つ
1986.
13) Ichinose, Y., Hara, N., Motohiro, A., Noge, S.,
Ohta, M. & Yagawa, K.: Influence of chemotherapy on superoxide anion-generating activity of polymorphonuclear
leukocytes
in
patients with cancer. Cancer, 58: 1663-1667,
1986.
14) Kotelnikov, V.M., Pogorelov, V. M., Berger, J.
& Kozinets, G.I.: Cyclophosphamide induced
generationof
giant
hypersegmented
granulocytes in rat bone marrow; cell cycle
distribution and silver nucleolar staining. Folia
Haematol., 115: 737-745, 1988.
感染 症 学 雑誌
第67巻
第1号
癌化学療法時の好中球活性酸素産生能
Influence
35
of Cytotoxic
Chemotherapy
on Superoxide
Neutrophils
in Cancer Patients
Production
by
Masahiko
YOSHIDA1)2), Ryozo YANAGISAWA1), Yoshio ISHIDA1)3) &
Hiroichi KISHI1)
Department of Urology, Tokyo Metropolitan
1)
Toshima General Hospital
Department of Urology, Faculty of Medicine, The University of2)Tokyo
(Director: Prof. Yoshio ASO)
3)Department of Urology , Kanto Rosai Hospital
The
was
influence
studied
urothelium
the
of
in
time
treated
other
The
The
9 cases,
the
The
cancer
same
days
after
function
at the
same
patients
time.
平 成5年1月20日
shows
not
only
(PNC)
as
inducing
PEB,
PNC,
by
reached
peripheral
combination
the
of
neutrophils
cell
carcinoma
and
cisplatin,
superoxide
of
cisplatin,
and
etoposide
and
production,
measuring
a photometer.
(p<0.01)
and
the
to the
minimum
appears
but
decreased
recovered
(p<0.01)
returned
chemotherapy
neutropenia
of
transitional
adriamycin
by
significantly
and
function
with
the
significantly
chemotherapy
in 6 cases
cytotoxic
in
suspension
and
cyclophosphamide,
evaluated
declined
time
function
that
with
was
cytotoxic
number
6 patients
of
treated
count
the
patients;
combination
neutrophil
neutrophil
neutrophil
study
the
on
cancer
function
neutrophil
almost
9
tumor
of the
16.4
minimum
CAP,
testicular
peripheral
280•}100/mm2
course.
in
neutrophil
chemiluminescence
The
chemotherapy
sequence
with
3 with
bleomycin.
cytotoxic
also
to
as
normal
on
with
the
PNC
level
the
to impair
in deteriorating
nadir
level
decreased,
by
same
the
the
normal
the
day
host
as
neutrophil
count
the
course.
that
of
next
reached
next
defense
by
the
Of the
of PNC.
mechanism
function
in
at
the
Fly UP