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島根県のみなさま こんにちは。 2011 年 3 月よりカンボジアで活動して
島根県のみなさま こんにちは。 2011 年 3 月よりカンボジアで活動している上田美和と申します。配属先は、首都プノン ペンから北東380Km のクラチェという小さな町の、教育青年スポーツ局(日本で言う教 育委員会)の計画課です。 カンボジアに到着し 5 ヶ月、クラチェ州で活動を始め 4 ヶ月が経ちました。クラチェはメ コン川沿いにある、川イルカで有名な町です。 配属先での任務は、教育に関する地方分権化と業務分散化を進めていくための助言、とう いうとても大きなテーマです。2 年間で自分にできることを見つけ、少しでもこの地域の役 に立ちたいと日々励んでいます。 具体的に行っている日々の活動は、①州内の学校教育に関する統計データの取りまとめと 分析②教育戦略計画および教育分野支援プログラムに関する州内の指針作成への助言、中間 評価③州レベルでの年次予算計画作成への助言④学校モニタリングへの同行、評価方法に対 する助言⑤他ドナー(NGO など)との連携強化支援、中央との連携強化支援などです。 先日、州内の学校の統計データを郡ごとに作成し終わったところで、そのデータの分析結 果を元に、9 月中旬に各郡の計画課職員に対してプレゼンテーションを行う予定です。今は その準備に奮闘中です。今回の発表が、各郡の学校の先生たちが客観的に各自の学校の問題 点、改善点を見つめ、解決へのきっかけになれば嬉しく思います。 カンボジアの学校は 10 月に新学期が始まるので、10 月からは州内の学校へあちこちでか けて行き、実際の学校現場を見ることで改善点を発見いこうと思っています。 また、個人的な活動として、毎週土曜日と日曜日にオルセー孤児院という近所の孤児院で、 英語のボランティア講師をしています。孤児院で生活する子供のほか、近所に住む塾に通え ない子供たちも通ってきています。子供と言っても、15 歳から 20 歳までの高校生で、みな 将来のより良い就職のため、真剣に英語を勉強しに来ています。中には、日本語を勉強した い子供もいて、時々英語レッスンの後に、日本語も教えています。カンボジアの子供たちは みな素直でとてもかわいく、純粋な目をしています。 カンボジア人の印象は、町の人誰もがフレンドリーで、気さくに話しかけてくれます。初 対面でも皆日本の地震、津波を心配して「家族は大丈夫?」と聞いてくれます。職場の人間 関係もとてもよく、毎日冗談を言い合ったり、頻繁に一緒に食事に行ったり、楽しく仕事し ています。 長く続いた内戦、近隣諸国との争いなど辛い歴史を抱えた国ですが、そんな過去を微塵も 感じさせないほどカンボジア人は明るいです。おそらく、苦しい時代が長かったからこそ、 彼らは精神的に強く、前向きなのだと思います。彼らからは、辛い過去を振り返るよりも前 を向き、明るい未来をみんなで作り上げていこうという意思の強さを感じます。 生活面では、日本で買えるものは何でもそろい、首都プノンペンでは日本食なども手に入り ます。クラチェでも、インターネット、携帯電話も普及しており、日用品も何でもそろうの で生活に不便を感じることはありません。想像していた以上に快適に生活できています。 ポルポト政権時代に多くの知識人、教師、医師、官僚たちが犠牲になったため、教育や医 療分野など様々な面で遅れていると言われています。でも、私は逆にポルポト政権崩壊後わ ずか 30 年で今のレベルまで復興したカンボジアは素晴らしいと思います。 人々の生活レベルは、平均給料が日本の 10 分の1程度ですが、その分物価が安く、野菜 を中心に食べ物がとても安く豊富に手に入ります。人々はせかせかすることなく、のんびり と日々の暮らしを楽しみ、家族との時間を何よりも大切にしています。 そんなカンボジアでの生活を毎日とても楽しんでいます。残り1年7ヶ月、自分にできる 活動を精一杯行い、カンボジアの友達をたくさん作って帰ろうと思います。 以上 22年度4次隊 JOCV カンボジアクラチェ州教育青年スポーツ局計画課 上田 美和 職場での会議の様子 孤児院の生徒さんたちと(中央上田さん) 孤児院での英語レッスンの様子 配属先の教育局