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レーザー光による光学材料の破壊
3 6巻 6号 ( 1 9 84. 6) 特 集 生 産 研 究 2 5 5 UDC 5 3 5 . 3 7 4:6 2 1 . 3 7 5 . 8 2 6 ):5 3 9. 4 2 6 6 6. 2 2:6 6 9. 01 8, 6 5 レーザー光 による光学材料の破壊 La s e r I nduc e dDamagei nOpt i c alMat e r i al s 伊 藤 雅 英*・小 倉 磐 夫* Mas ahi deI TOH andl waoOGURA レーザー光による光学材料の損傷は,現在,大出カレーザーシステムに おいて重要な問題 となっている.ここでは, まずレーザー用光学材料を 挙げ,その損傷について現時点まででわかっていることを概説する.ま た損傷 しきい値の予測法としての吸収係数の測定について述べる. 1. は じ め 傷 は確率的 な現象であ り,統計的な取 り扱いが不可欠で に ある.いわゆる巨視的な破壊 をお こす損傷 しきい値 は材 近年, レーザー光化学,医用,加工,核融合,エネル 料 固有の値 としては決 まらず,後述 の様々な実験条件 に ギー伝送,通信,計測等の分野 において,高平均出力, 依存 す る.損傷 しきい値 を材料固有 の値 として とらえる 高 ピー ク値 を持つ t /-ザ-の需要が高 まって きた. それ には,損傷 の要因 としての微視的不可逆変化 をそのメカ らのシステムにおいて最終的 な出力の限界 は, レーザー ニズム と対応 させ る必要がある. しか しその要因の解析 光 による,反射鏡,窓, レンズ等の光学素子の破壊 によ や, 巨視的破壊 との関連 についての研究 はい まだ緒 に就 って決 まる. したが って損傷 の原因 を解明 し,損傷 しき いたばか りである. い値の高い素子 の開発 が必要 となっている. これ までに 本論文で は主 に赤外用 レーザー として広 く用い られ て 損傷 のメカニズムを論 じた多 くの報告があるが,データ いる炭酸 ガスレーザー ( 波長 -1 0. 6f J m)用の透過光学材 は個々のケース ごとに まち まちであ り, これ らを包括す 料 を中心 として,その表面,内部損傷 しきい値 の測定 お る理論が確立 され るまでには至 っていない. 一般 に表面損傷 しきい値 は内部のそれ より低 く表面 に は損傷 の核 がで きやすい と思われ る.いずれ にして も損 よび そのメカニズムについて述べ る.最後 に損傷 しきい 値 の非破壊検査法の一つ として我々が開発 した レーザー 干渉 カロ リメ トリー法 について述べ る. 表1 p ar ame t e r si nr e l at i ont oda maget hr e s hol dofopt i calma t e r i al s . Pr o p e r t i e s Op t i c a l Me c h a n i c a 一 1 The r ma l Co ns t a n t s The r m00 pt i cCo e f f i c i e n t Ⅰ A n b d s e o Xo r p t fR i o nC e f r o a e c f t f i i o c n i e n t s S t r e s s O p t i cC o e f f i c i e n t Mar ks ( Di me ns i o n ) KCl n a γ , ′ P ( 1 0 ( c ソ m K LI ) )a 一 1 2 / p ) -3 . 48 1 . 45 5 5 2 ZnSe 6 .1 2 . 4 0 3 6 3 5 0. 3 2 7 9 9 5 .1 6 Re f . a ら Po i s s o n ' sRd a t i os Y u n g ' sMo u l u Kn Y i e o l dS o pN t r u e m s b s e r Y( 1 07 9 . P pa 年 ) 0 . 3 9 5 1 9 5 2 . 2 7 b C De ns i t y He atCa p a 一 C i t y p( g / c m3 ) C( ∫ / g. 冗) 1 . 9 9 0. 6 91 5 . 6 50 . 1 2 7 a d Ther ma lCo n d u c t i it v y k( ∫ / c m. S. K) 0 . 0 6 6 0. 1 3 a a T e r m a l E X p a n i o nC e f f i c i e n t α( 1 0. ソl K ) 3 7 . 1 7 . 34 )A. Fe l d ma ne th a l . , : ( N B S Ts N 1 9 9 3o , Wa s h n i g t o n, 1 9 7 9 )C )A . T G as s ma n,I .NBS Sp e c . P u b 1 . , 6 2 0( 1 9 8 1 )1 4 b)cI A・ Kl e i n,:NBS Sp e c ・ Pub1 . , 6 2 0( 1 9 81 )1 1 7 書東京大学生産技術研究所 d) T. J . Mor avac and E.Be r mal ,G. , :Appl .Opt "1 7 ( 1 9 7 8) 1 9 3 8 第 1部 1 5