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子宮頸癌の特徴
!"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 婦人科の病理と細胞診 子宮頸部:細胞診報告様式の変更 べセスダシステム(医会分類)の導入 最近の動向 川崎医科大学 病理学2・現代医学教育博物館 森谷 卓也 (右図は、川崎医大 メディカルミュージアムより) 子宮頸癌の前癌病変 子宮頸癌の特徴 異形成→上皮内癌 子宮頸部上皮内腫瘍 CIN (Cervical intraepitelal neoplasia ) • 前癌病変(異形成→上皮内癌)が明らか。 ほとんどの例がこの過程を経て癌化。 →検診による予防が期待できる癌。 CIN1 CIN 8SIL)!! • HPV感染(特にハイリスクHPV)との 因果関係が明らか。腺癌も関与。 → ワクチンの導入。 HPVテストとSIL HPV感染と子宮頸癌の自然史 本邦における研究成果 (今野 良先生による) 年齢 免疫力 HPV型 *Konno R et al., Vaccine 26: 2008 HPV陽性症例率 (いずれかの型) 正常 (n=17,361) 8.7% LSIL (n=377) 79.4% HSIL (n=641) 89.0% 持続HPV感染 約10% CIN 2/3 10-30% 性交渉 HPV遺伝子の 組み込み? 遺伝的要因? 子宮頸癌 正常上皮細胞 > 5年 1 HPV型+ウイルス量 年齢 免疫力 約10% HPV感染(一過性) SIL: Squamous intraepithelial neoplasia LSIL=CIN1相当、HSIL=CIN2-3相当 ,-.$/0!&'01!2345 CIN 3 高度異形成 軽度 中等度 異形成 異形成 上皮内癌 • 若年女性の発生例が増加傾向。 細胞診判定 CIN2 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 細胞診クラス分類 (日本母性保護産婦人科医会、1978年) 子宮頸部細胞診報告様式改定 クラス クラス Ⅰ クラス Ⅱ クラス Ⅲ Ⅲa 正常 異常細胞を認めるが良性 悪性を疑うが断定できない 悪性を少し疑う、軽度・中等度異形成を推定 このクラスから5%程度に癌が検出される Ⅲb 悪性をかなり疑う、高度異形成を推定 このクラスからは50%程度に癌が検出される クラス Ⅳ 極めて強く癌を疑う。上皮内癌を想定する クラス Ⅴ 悪性。浸潤癌(微小浸潤癌を含む)を想定する • 平成21年度から導入(クラス分類と併記) • 新名称:ベセスダシステム2001準拠 子宮頸部細胞新報告様式 • 通称:ベセスダシステム 医会分類 • 日本産婦人科医会→厚労省健康局総務課 1982年∼ 老人保健法における子宮がん検診の判定に利用 2004年∼ がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(厚労省) 「日母分類」改訂と ベセスダシステム導入の検討 • 「日母分類」改訂のためのワーキンググループ • 第一回会議:平成19年8月30日 • 日本産婦人科医会 がん部会・がん対策委員会 • 日本臨床細胞学会、日本産科婦人科学会、日本 婦人科腫瘍学会、日本病理学会の代表も参加 • オブザーバー: 厚労省健康局総務課がん対策推進室 (平井康夫 監訳 ベセスダシステム2001アトラス より) ベセスダシステムの骨子 「日母分類」改訂の必要性 • 標本の適否に関する評価 • 記述的判定(推定病変) 1)標本の適・不適を評価し、 不適正標本を減少させる 2)検診の精度管理のために推定病変を記載する 3)HPV検査との整合性をはかる 4)診断困難な異型細胞の評価基準を明確にする 5)欧米および他臓器癌との整合性をとる (「日母分類」改訂のためのワーキンググループ 資料を改変) 2 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 ベセスダシステム2001 ベセスダシステム2001 <不適正検体> <不適正 Unsatisfactory> • 原因 移行帯細胞の存在 (内頸部または化生扁平上皮が孤立性または集塊として10個以上) 細胞数(従来法では扁平上皮8000∼12000個、概算) 不明瞭(扁平上皮の75%超が強い炎症で見えない場合など) • 不合格検体 Rejected specimen 検体にラベルがない、スライド破損など →処理せず(理由を明記) • 不適正検体 検体を処理・検査したが、上皮の異常を評価 するには不適正 →理由を明記 ベセスダシステム2001 子宮頸癌および前癌病変(CIN)の好発部位: 移行帯(扁平円柱境界 SCJ) <不適正検体> • 注意事項(1) 異常細胞の存在 →少量でも不適正とならない場合がある 「不適正」とすべき検体でもASC-US, AGC以上の 細胞が含まれていれば「適正」となり評価される。 (検体適正性に疑問があれ ば、高度の異常を否定できな い、などと記載) ベセスダシステム2001 ベセスダシステム2001 (子宮頸部細胞診) <不適正検体> 注意事項(2) 40歳以上で内膜細胞出現など:検体不適正でも付記 • 子宮頸部細胞診は、診断に寄与する判断を提供 する、医学的コンサルテーションとして報告さ れる「スクリーニング検査」である ・月経周期との整合性を確認 ・腺上皮か、間質細胞かの鑑別はしばしば困難 ・多くは良性子宮内膜、ホルモン異常 (子宮内膜・子宮異常が存在することは稀) エクソダス • 「診断」!「判断」「結果」 • 患者の最終診断および管理計画は罹患歴、臨床 所見、組織診断のような他の検査結果と合わせ て判定される。細胞診は最終診断を部分的に反 映するが最終診断そのものではない。 (平井康夫 監訳 ベセスダシステム2001アトラス より) 内膜腺癌細胞 ! 3 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 ベセスダシステム2001 陰性 結果 従来のクラス分類との対比 略語など NILM 意義不明異型扁平上皮 ASC-US 高度病変を除外できな ASC-H い異型扁平上皮 軽度扁平上皮内病変 LSIL 高度扁平上皮内病変 HSIL 扁平上皮癌 SCC 上皮内腺癌 AIS 異型腺細胞 腺癌 その他の悪性腫瘍 AGC Adenocarcinoma Other トリコモナス膣炎 推定診断 陰性(上皮性腫瘍ではない/悪性ではない) I / II HSIL疑い III / IIIb LSIL疑い II / IIIa HPV感染 軽度異形成 IIIa 扁平上皮癌(微小浸潤含む) V 中等度異形成 高度異形成 上皮内癌 IIIa IIIb IV 腺異形成 腺系病変疑い III 上皮内腺癌 IV その他のがん V 腺癌 NILM (negative for intraepithelial lesion or malignancy) クラス 非腫瘍性病変 炎症 *微生物 膣トリコモナス 形態的にカンジダ属に一致する真菌 細菌性膣症を示唆する菌叢の転換 形態的に放線菌に一致する細菌 単純ヘルペスウイルスに一致する細胞変化 *その他の非腫瘍性所見 反応性細胞変化(炎症、放射線、IUD) 子宮全摘後の腺細胞 萎縮 V カンジダ感染症 子宮頸部前癌病変の分類 !"#$% &'()* 単純ヘルペス感染症! +,'()* 老人性膣炎 クラス分類 Ⅲa -'()* Ⅲb ./01 Ⅳ CIN SIL(TBS*) CIN 1 LSIL CIN 2 CIN 3 HSIL# !"#$!"%&'#&(%&)*+'$,)(&-'./0012"""" "$345')67+-87)'9:(;+&<9(%&=9+='=&)98:' >!#$%&'()*&+,-./01234,""""" 従来のクラスIIIa:問題点 HSIL(高度扁平上皮内病変) 従来の中等度異形成、高度異形成、上皮内癌 ・推定疾患:本来は軽度∼中等度異形成を推定 炎症性病変が混在している可能性 (トリコモナス、組織修復、濾胞性頸管炎など) ・不適正検体で判定が難しい細胞が含まれる可能性 ・臨床的取扱い:ただちにコルポスコピーを行い、生検する ことを推奨しているが、細胞診を反復している 実地医家も少なくない 4 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 ASC-US: 意義不明異型扁平上皮 ベセスダシステム2001 atypical squamous cells of undetermined significance 異型扁平上皮細胞ASC (atypical squamous cells) • 細胞像 *SILを示唆する細胞変化について、 明確な判断を行うには質的・量的に不十分 1)扁平上皮への分化 2)核/細胞質比の増大 3)わずかな核濃染、クロマチン凝集、形状不整、 スマッジ核(泥状核質)、多核 *鑑別細胞:萎縮性変化、修復細胞、異型腺細胞 *ASC-US 意義不明な異型扁平上皮細胞 *ASC-H HSILを除外できない異型扁平上皮細胞 • 全報告の5%以下であることが期待される • ハイリスクHPVが約50%で検出 • 約10-20%は中等度∼高度異形成、CISと最終診断される コイロサイトーシス Koilocytotic atypia = mild dysplasia = CIN1 = LSIL • • • • HPV感染と細胞診 生物学的特性が共通している 関与するHPV亜型が共通している 臨床的取扱い方法が共通である 組織学的な診断ポイントに重複がある • 細胞診でLSIL(コイロサイトーシスを含む)と診断され るHPV感染所見は,一過性のもので、癌化のリスクは 小さい. *生物学的な差異 • LSILは、HPVの、一過性感染の細胞変化 • HSILは、HPV持続感染 → 腫瘍性細胞変化の始まり *顕微鏡での診断再現性・・限界がある *判定結果・・治療の適応区分ではない。 扁平コンジローム 核周囲明庭 (9:!;<=>) halo ベセスダシステム2001 結果 略語 など クラ ス NILM I / II 意義不明異型扁平上皮 ASCUS 高度病変を除外できな い異型扁平上皮 ASCH II /IIIa 要精密検査 ①HPV検査による判定が望ましい 陰性:1年後に細胞診、HPV併用検査 陽性:コルポ、生検 ②HPVテスト非施行 6か月以内細胞診検査 高度扁平上皮内病変 HSIL 扁平上皮癌 SCC LSIL III / IIIb IIIa atypical squamous cells, cannot exclude HSIL 運用 陰性 軽度扁平上皮内病変 ASC-H: HSILを除外できない異型扁平上皮 判定結果と推奨される運用 ・細胞像 異常なし:定期検査 要精密検査 コルポ、生検 IIIa IIIb IV 異形成 (LSIL?/HSIL?) ・全ASCの10%以下であることが期待される V 5 ,-.$/0!&'01!2345 萎縮? 異形成? CIS? !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 ベセスダシステム2001 結果 扁平上皮系病変-ASCの意義 略語など 推定診断 LSIL疑い II / IIIa 軽度扁平上皮内病変 LSIL IIIa 高度扁平上皮内病変 HSIL HPV感染 軽度異形成 高度病変を除外できな ASC-H い異型扁平上皮 HSIL疑い 中等度異形成 高度異形成 上皮内癌 宮城県(対がん協会)における工夫 • ???@!(!???A • ???B8CD クラス 意義不明異型扁平上皮 ASC-US III / IIIb IIIa IIIb IV 従来のクラスIII (IIIa / IIIb)に含まれた病変 に対する評価の再編 萎縮・再生・炎症性疾患 真の異形成 上皮内癌(および微小浸潤癌) 異型腺細胞 AGC (Atypical glandular cells) 異型腺細胞:鑑別対象 頸管腺上皮由来 反応性異型 修復性変化 放射線変化 卵管上皮化生 頸管ポリープ 微小腺過形成 Arias-Stella変化 腺異形成 上皮内腺癌 HSIL 内膜腺上皮由来 内膜ポリープ 内膜炎 IUDによる反応 子宮内膜増殖症 子宮内膜癌 AGC-NOS (特定不能な異型腺細胞) ・核重積を示す平面的集塊 または小細胞集塊 ・正常頸管腺細胞の 3∼5倍程度の核腫大 ・軽度の核大小不同と核形不整 ・軽度の核クロマチン増量 ・核小体出現 ・核分裂像は稀 ・細胞質は豊富であるが 核細胞質が増大 ・細胞境界不明瞭化 ベセスダシステム2001 異型腺細胞 AGC (Atypical glandular cells) 判定結果と推奨される運用 <腺系病変> AGC-favor neoplastic (腫瘍性を示唆する異型腺細胞) 結果 ・ロゼット形成 ・羽毛状配列 ・核分裂像 6 クラス 運用 AGC III 上皮内腺癌 AIS IV 要精密検査: コルポ、生検、頸管および内 膜細胞診または組織診 V 要精密検査:病変検索 その他の悪性腫瘍 最終的にVGA 略語など 異型腺細胞 腺癌 を認め、腫瘍性変化であるが、 腺癌の判定に至らないもの ,-.$/0!&'01!2345 修復細胞??! Adenocarcinoma Other V !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 ベセスダ分類:まとめ ベセスダ分類:その他の課題 1)乳腺・甲状腺細胞診ではクラス分類を廃し 新報告様式に移行し、概ね成功を収めている • 総括区分(任意) 記載の必要性 2)本邦でも、ベセスダシステムが導入される 陰性(上皮内病変ではない、悪性ではない) その他(>40歳の子宮内膜細胞、など) 上皮細胞異常(扁平上皮系か腺系かを明示) 3)標本の適・不適の評価、推定病変の記載、 HPV検査との整合性、など優れた点を 有する報告様式である • 肛門・直腸細胞診 • LBC、自動判定、補助的検査、など 4)従来のクラス分類では使われていなかった 判定区分や用語の問題などを含め、導入に 際しては事前の十分な啓蒙が望まれる 子宮体癌 細胞診の有用性と最近の概念 !8EFGHI%JKLMN0O2009D!!! 検診発見群と外来発見群の生存曲線(全組織型) !1008PD 累 積 生 存 率 <子宮内膜細胞診> 診断の標準化を妨げる要素 (東北大 岡村智佳子ら) • 採取方法や検体処理法の違いによる細胞集塊 出現様式や判定方法の差 • 細胞診を行う上での標本の見方や用語に関す る標準化がなされていない • 内膜増殖症、異型増殖症を想定する細胞像が 得られた場合の診断報告様式が不統一 • 細胞像と対比する対象となるべき病理組織診 断自体に診断者間の差が少なくない QR検診群(n=126) SR外来群(n=1069) p=0.041 観察期間(月) 7 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 39歳、女性:検討会では陰性・疑陽性・陽性の意見 扁平上皮は化生変化? 子宮内膜細胞診における良悪性判定と 疾患推定:組織像との乖離の原因 1.サンプリングによる診断不一致 *採取部位の差 *微小な病変 *組織細胞像が多彩な病変 TURVWXYXZ[\ 子宮内膜異型増殖症を背景とした類内膜腺癌G1 !! 子宮内膜異型増殖症を背景とした類内膜腺癌G1!! ]^R_`abcdeG1Cf ]^qrRVWXZ[\ !!st<oYXcde!! 78ghijRZ[\k! !lmnkk!oYX8pD! 8 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 病理診断の再現性:子宮内膜生検の例 子宮内膜細胞診における良悪性判定と 疾患推定:組織像との乖離の原因 (森谷・名方・石倉:日本婦人科腫瘍学会誌 1999) ・19生検例、同一標本回覧、11名の一般認定病理医 ・癌、異型増殖症、増殖症、その他の4カテゴリー ・病理医間の一致率:平均 66.1%( 45.5 - 100% ) κ値:0.41 (0.13 - 0.84) 2.病理診断の普遍性に関する問題 *病理診断の診断者間誤差・ 同一診断者による再現性 ↑ 質的に再現性が得られにくい病変の存在 ・評価を難しくしている要因 ①腺管の癒合(篩状構造)の判定 ②細胞異型(核異型)の判定 ③化生変化の評価 ④年齢の評価 子宮内膜病変:病理組織分類の骨子 分類 ・子宮内膜増殖症 単純型 複雑型 ・子宮内膜異型増殖症 単純型 複雑型 ・類内膜腺癌 子宮内膜増殖症と高分化型腺癌の 病理組織学的鑑別点 核異型 間質浸潤 なし なし • 間質への浸潤を認めるとき:腺癌 (子宮体癌取扱い規約改訂2版,1996) あり なし • 概念的に考えられる上皮内腺癌は 子宮内膜異型増殖症に含まれる. あり あり 注:内膜固有間質内に浸潤するが内膜にとどまり 筋層浸潤の見られない癌もある 類内膜腺癌G1の例 子宮内膜細胞診における良悪性判定と 疾患推定:組織像との乖離の原因 3.細胞診断の診断様式・用語の問題 *疑陽性やクラスIIIとされる病変の種類 (増殖症・異型増殖症・その他の病変) *細胞診断の手順 (組織構築と細胞像をふまえた疾患推定) →細胞診と組織診の対比による精度管理 異型核:異型増殖症とG1腺癌の間に本質的な差はない! むしろ 異型増殖症>G1のことさえある 9 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 単純型子宮内膜増殖症 子宮内膜病変と細胞診判定 病 変 スイスチーズ 様 細胞診 陰性 非癌・非増殖症性変化 生理的変化 炎症 薬剤など治療による変化 ホルモン異常による変化 ポリープなど器質的変化 等 疑陽性 子宮内膜増殖症・異型増殖症 陽性 子宮内膜癌 規則的な腺管配列の不明瞭化、腺管面積が優位 *びまん性の変化を呈する ! 類内膜腺癌に出現しやすい細胞所見 単純型子宮内膜増殖症でしばしば出現する 異常集塊(腺管の拡張を反映している) 集塊内に多数の管腔(篩状) 内膜細胞診疑陽性例の内訳 (構造異型の評価による診断精度の変化) 間質と偽重積性上皮(直交) 病理組織診断からみた子宮内膜細胞診 まとめ (倉敷中央病院・済生会野江病院・宮城県医師会健康センター) 組織診断 則松B 良性 28.3% 増殖症 65.5% 癌 6.2% 症例数 113 1.細胞像と、同一症例の組織像との対比を 励行する(特に、内膜表層に注目) 清水A 清水B 45.1% 33.3% 41.2% 63.7% 13.7% 3.0% 51 34 三浦A 三浦B 63.8% 27.3% 33.8% 72.7% 2.5% 0% 80 33 2.細胞診判定と病理診断名のみの比較でな く、具体的な細胞所見 vs. 組織所見 を重視す る 3.細胞診判定基準・報告様式の統一化が 強く望まれる(研究班の成果などに期待) A: 個々の細胞所見のみによって判定した結果 B:構造異型+細胞像を加味して判定した結果 10 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 EIN Endometrial intraepithelial neoplasia 日本臨床細胞学会研究班 ベセスダ2001に準拠した 記述式子宮内膜細胞診報告様式 Dr. George.L. Mutter 研究班長 矢納研二 (JA三重厚生連鈴鹿中央総合病院婦人科) 報告内容の骨子 1)標本の種類 2)標本の適否 3)記述式細胞診結果報告 (例:単純型増殖症は陰性に分類) http://www.endometrium.org 漿液性腺癌 ・閉経後(高齢者)に多い(2型の癌) ・初診時から進行した例が多く予後不良 ・c-myc, c-erbB-2, p53などの異常 <発生の形態>…進行すると区別が難しい 1.類内膜腺癌(少数例は明細胞腺癌)と混在移行 2.子宮内膜ポリープを背景として生じる 3.萎縮内膜を基盤として上皮内癌の形態で発症 (EIC: endometrial intraepithelial carcinoma) →頸部、卵管、卵巣、腹膜表面など多中心性に 認められたり、内膜には浸潤がなくても 腹腔内に播種巣が多数存在することがある 萎縮内膜+ポリープ内の漿液性腺癌 EIC (endometriual intraepithelial carcinoma) ・萎縮内膜を背景に起こる ・漿液性腺癌の前癌病変∼上皮内癌と考えられている 内膜細胞診: 出血性背景に集塊状の 異型上皮塊が散見される ・子宮内膜漿液性腺癌併存例 / 周囲臓器含め多中心発生例 11 ,-.$/0!&'01!2345 !"#$%&'()*+ 2010-3-4!67 "#$%$&'(! 卵巣腫瘍の病理に関する 最近の話題 卵管采における早期漿液性腺癌 TNM第7版、2009年 変更点 (TIC: tubal intraepithelial carcinoma ) 総則:分類には二種類 1.臨床分類(治療前臨床分類) TNM 2.病理学的分類 pTNM 遠隔転移 pM pMx 遠隔転移の顕微鏡評価が不可能 pM0 顕微鏡的に遠隔転移なし pM1 顕微鏡的に遠隔転移の存在を確認 Kindelberger et al: AJSP 2007 前癌病変(早期癌)? 健常とみられる上皮にもp53陽性 家族性卵巣癌(BRCA1/2変異)例で高頻度 注:pMxとpM0は 意味のあるカテゴリーではない Jarboe et al. IJGP 2009 TNM第7版(2009) 婦人科領域の主な変更点 謝辞 ・子宮肉腫 が独立した 岡山県西部地区 産婦人科研究会 ・子宮頸癌:T2a を亜分類 T2a1:臨床的腫留、4cm以下(IIA1) T2a2:臨床的腫留、4cm超 (IIA2) 下屋浩一郎先生 中村隆文先生 久光製薬株式会社 uvwMfRxytCx%z{%|}~Stsge I )*+•jR&€~•‚ƒ„<…† !!!!!!! ‡ˆ‰Š‹Œ•>%zŽT4(••‘ !!!z’•Ž“”•–– 12 ,-.$/0!&'01!2345