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道路政策からみた都市内物流 - グリーン物流パートナーシップ

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道路政策からみた都市内物流 - グリーン物流パートナーシップ
道路政策からみた都市内物流
平成19年6月25日
国土交通省 道路局 企画課
道路経済調査室長 縄田 正
も く じ
Ⅰ.都市内物流対策の必要性と課題
Ⅱ.荷さばき駐車対策への取り組み
(ハード施策)
Ⅲ.貨物車交通マネジメント(ソフト施策)
Ⅰ.都市内物流対策の必要性と課題
1.都市内物流対策の必要性
・物流は、産業や経済を支える重要な役割を担っている。
・輸送機関分担率を見ると、戸口まで運べるという利便性から自動車輸送が増加。
・しかしながら、特に商業・業務機能が集中している都心部を中心に交通渋滞等が発生
路上荷さばきや都市中心部への貨物車の集中等による交通渋滞の解消が課題
輸送機関分担率(トンキロベース)
宅配便取扱個数の推移
(百万個)
3,000
2,800
2,655
2,574
利用運送
2,200
宅配便合計
2,540
50
1,833
1,800
1,434
1,328
1,400
1,189
1,000
1,101
1,029
911
1,509
1,245
1430
1,591
1,237
1,125 1,183
442
13.1
50.9
0.0
47.5
4.9
47.5
0.1
平成 元
51.7
4.9
43.3
0.1
5
51.5
4.7
43.6
0.2
54.5
4.2
41.2
0.2
316
27
319
31
310
34
29
29
31
31
16
9
25
15
21
14
15
13
10
12
8
11
6
15
57.1
4.0
38.7
0.2
16
57.5
3.9
38.4
0.2
60%
80%
100%
411
10
386 326
8
400
7
378
5
401
6
408
426
4
351
2
元
成
62
61
63
平
和
60
0
163
298
235
3
493
196
36.0
10
762
151
0.0
698
612
200
43.4
1,419
1,318
1,200
400
航空
1,806
1,616
600
30.5
60
1,530
1,600
800
26.1
内航海運
2,326
トラック
2,000
2,803 2,843 昭和 40
鉄道
2,626
2,357
郵便小包
2,400
自動車
(年度)
2,722
2,600
昭
2,874
2,751 2,834
(年度)
出典)数字でみる物流((社)日本物流団体連合会)
0%
20%
40%
出典)陸運統計要覧(国土交通省)
1
2.都市内物流の抱える課題
①貨物車交通が交通に与える影響
<交通混雑と路上駐車>
・道路のサービス水準を示す平均旅行速度は、道路の交通容量以上の交通量が流入
する場合(混雑度が1.0以上)だけでなく、路上駐車密度が高い場合にも低下。
2
2.都市内物流の抱える課題
②貨物車交通が安全等に及ぼす影響
<人及び一般車移動の円滑性、安全性の阻害>
・自動車のすれ違いもままならないような狭い道に貨物車が流入し、歩行者の交通安全
を阻害。
・貨物車の路上荷さばきが、円滑な公共交通の運行を低下。
・繁華街等への配送目的車両が、人通りの多い道を走行。
【通学路を走行する貨物車】
【バス停近くで荷さばきをする貨物車】
【繁華街への貨物車の進入】
3
3.違法駐車対策に係る新制度
改正道路交通法(平成18年6月1日)が施行され、幹線道路等の主要路線においては
交通の円滑化が図られる等の効果が見られる一方で、物流事業者は、短時間駐車に
よる駐車取締り等による課題が発生。
●改正道路交通法のポイント
1.放置車両違反取締り関係事務の民間委託
駐車取締りの実態
○駐車違反取締り又は警告を受けた件数
(集計期間:H18.6.1~H18.8.31)
都道府県トラック協会が駐車違反取締りに係る状
況を集計した結果は下表のとおり。
2.放置車両に係る使用者責任の拡充
●改正道路交通法の効果
全
1.違法放置駐車台数の減少
24.2台 → 9.8台 (△59.5%)
※全国405区間 1,694kmの1kmあたりの台数
(平成17年10月及び平成18年10月の比較)
○5分以内の路上駐車、至近距離(5m程度)での路
上駐車、集配先やその付近に駐車施設がないため路
上駐車していて集配中に取締りを受けるケースが報
告されている。
2.交通渋滞の減少
3分19秒 → 2分54秒 (△12.2%)
※全国105区間 564kmの1kmあたりの走行時間
(平成17年10月及び平成18年10月の比較)
運転手が離れていた時間
3.駐車車両に係る交通事故の減少
項
目
過去5年間(6月-12月)
の平均
H18.6月-12月
増減
駐車車両衝突事故件数
うち死亡事故
国
171
12
取締り
警告
駐車車両起因事故件数
うち死亡事故
1,521
56
3,960
21
1,169
△ 352
(△23%)
35
△ 21
(△38%)
3,254
△ 706
(△18%)
18
△3
(△14%)
出典)警察庁調べ
5分以内
10分以内
15分以内
20分以内
25分以内
それ以上
54
47
17
7
2
6
件
件
件
件
件
件
運転手が離れていた理由
集配中
昼食中
トイレ
その他
155
4
3
6
件
件
件
件
(社)全日本トラック協会事業者アンケート結果
4
4.トラック事業者への影響
駐車取締りの厳格化により、物流事業者は集配中の短時間駐車でも取締りあるいは
警告を受けている実態がある。
→集配中の短時間駐車での取締りは、業界として切実な問題。
事業者による駐車対策への取り組み
対策にかかる年間コスト(運送事業者92事業所の集計)
○運転手に助手をつける(ツーマン体制)
○駐車場に停めて台車で運搬
その他,
56,280
単位:千円
空き店舗・空き
地等の借上げ費用,
101,280
2マン体制による人件費,
291,540
総額 7億740万円
(月額 5,895万円)
○空き店舗、空き地の借り上げ
有料スペース
等利用による費用,
258,300
業界団体による駐車対策への取り組み
○「荷さばき駐車対策特別委員会」を設置
し、中心市街地における集配業務効率
化と適切な荷さばき駐車の解決策を導き
出すための検討を開始(H18.8設置)
東京路線トラック協議会
事業所を有する会員事業者(124事業所)を対象とし、92事業所から回答
を得た。(有効回収率:74.2%)
出典)東京路線トラック協議会アンケート結果
5
貨物自動車駐車スペースの確保に関する要望(参考)
(社)全日本トラック協会・都道府県トラック協会のパンフレット
6
5.荷さばき駐車施設の現状
・現状においては、民間による荷さばき駐車場はほとんどない。
・地方公共団体における貨物車の路上駐車に対する意識。
⇒問題意識はあるが、具体的な取組が進んでいない。
●商店街における貨物車等の現状
●地方公共団体の現状
都市における物流対策の位置づけ
貨物車の荷さばき
用スペースがある
11.5%
22.3
0%
20%
貨物車の荷さばき
用スペースがない
88.5%
31.8
40%
27.9
27.9
10.16.1
60%
80%
1.7
100%
貨物車の路上駐車について
2.3
31
0%
20%
44.2
40%
60%
14
80%
8.5
100%
横須賀中央駅周辺地区及び船橋駅
南口地区の合計(373店舗)
出典)東京都市圏交通計画協議会
調査対象:都道府県及び人口10万人以上の市区並びに東京23区(296)件
有効回答数179件/有効回答率60.5% (社)全日本トラック協会調べ
(平成15年3月)
⇒民間や地方公共団体における取り組みはまだ不十分であり、具体的な方策を
模索している段階。
7
課題解決の方策
(1)荷さばき駐車帯、荷さばき駐車場の適切な場所への配置や
適正な運用ルールの策定を促進。
(2)貨物車をより望ましい経路や時間帯に誘導する方策につい
て、海外の事例を参考に、日本における導入を支援(例えば、
トラックルートの設定による貨物車の市街地への流入抑制等)
8
Ⅱ.荷さばき駐車対策への取り組み(ハード施策)
6.これまでの取り組み等
①社会実験(道路局の取り組み)
価値観やニーズの多様化、生活環境に対する意識の向上に伴い、地域住民等の幅広い
意見を採り入れながら施策の導入を考えていく必要性の高まり。
社会実験とは、地域が抱えている問題を解決するためみんなで新しい施策を考え、場所と期間を限定して
実際に体験することで、施策を実施するかどうかの判断をするもの。
地方自治体などの行政組織や、NPO、民間企業が主体の協議会が応募 (ただし、施策に関連する地方
自治体の関与が必要。)。
これまでの取り組み状況(H11-H18)
採択件数
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
計
6
9
14
14
20
29
32
41
165
テーマ
取組み例
①歩行者・自転車優先施策
くらしのみちゾーン、トランジットモール
地域数
46
②オープンカフェ等地域主体の道活用 オープンカフェ、イベント等道路空間の多目的利用
42
③公共交通機関の利用促進
パークアンドライド、自動車の共同利用
12
④観光地の交通円滑化
観光交通の流入制限、観光情報の総合的な提供
9
⑤自転車利用環境の向上
レンタルサイクルの導入、自転車走行空間の創出
13
⑥物流・駐車対策
路上・路外での荷さばき空間の創出
⑦通り名による道案内
通り名・位置番号方式による道案内システム
10
その他
路上工事規制、歩行者への情報提供
12
合
計
(注)地域数は、上の実験件数より複数年にまたがる地域の重複を減じたもの
7
151
9
6.これまでの取り組み等
①社会実験 東京都渋谷区の例(1)
・東京都渋谷区では、地区の道路混雑を改善するために、総合的な社会実験を実施(平成12年10月)
・貨物車の路上駐車対策として、車線幅の変更等によって路上に荷さばき駐車スペースを新設。
・道路交通に与える影響として走行速度の改善がみられ、貨物車の路上駐車を適正化。
10
6.これまでの取り組み等
①社会実験 広島県広島市の例(2)
・広島市中心部では、荷さばき駐車により、円滑な交通、歩行者の安全が阻害。
・路上や既存駐車場(民間・公共)を利用した共同荷さばき施設を設置し、荷さばき作業の削減効果及び歩行
者等への安全性について検証。
・物流事業者の約7割、ドライバーの約4割が、荷捌きスペース確保により効率化が期待できると回答。
<対象区域>
社会実験の効果
袋町NTTビル東側市道
立 町 の 民 間 駐 車 場
不明
17%
効果は
ない
17%
本通り商店街
非常に
有効
25%
20%
非常に
有効
16%
分から
ない
20%
ドライバー(N=25)
並木通り
広島市中心部
約4割、ただし
「分からない・
不明」を除くと
約7割
不明
有効
41%
物流事業者(N=12)
袋町公園
約7割、ただし
「不明」を除く
と約8割
有効
24%
効果は
ない
20%
今後の予定
市営小町第2駐車場
広島市中心部
荷さばきスペースの確保のため、
民間・公共駐車場の活用、路上ト
ラックベイ、タイムシェアなど様々
な方法について検討予定。
11
6.これまでの取り組み等
②地域における取り組み(ハード整備)
・荷さばき駐車スペースの確保に向けて、地域における独自の取り組みも行われつつある。
●荷さばき帯の設置事例 (福島県郡山市)
・車線数を縮小し、荷さばきスペースを設置。
・荷さばきスペースの利用調整・ルールも策定。
●ポケットローディング設置事例 (東京都練馬区)
・既存駐車場の一部や空地等を活用し、路外
荷さばきスペースを確保。
・予約システムの導入も可能。
●共同荷さばき帯の確保事例 (千葉県柏市)
共同荷さばき帯
・道路の路側表示を変更し、路上荷さばき
スペースを確保。
12
6.これまでの取り組み等
③貨物車駐車施設の整備等による交通円滑化支援制度(道路局の取り組み)について
(平成19年度~)
①背景及び施策の目的
大都市を中心に都市内においては、荷さばき目的の路上駐車による円滑な交通や歩行者の安全な通行等の阻
害が社会的な課題。
平成18年6月の改正道路交通法による違法駐車取締りの強化・厳格な適用とあわせて、不足している荷さばきの
ための駐車施設の設置の促進等を図ることにより、道路交通の円滑化に寄与。
②対象となる地区
1)各警察署において定められている取締りガイドラインで指定され
ている最重点路線、重点路線、最重点地域、重点地域
2)駐車場整備地区
(都市計画法第8条第1項、駐車場法第3条第1項)
3)中心市街地等、荷さばき目的の路上駐車による円滑な交通や
歩行者の安全な通行等の阻害が課題となっている地区
4)荷さばき目的の路上駐車需要が大量に発生すると予想される
開発地区など
③支援内容
貨物車駐車施設の整備等を行う者に対し、貨物車駐車施設の整
備等に必要な機器等の設置にかかる費用を支援。但し、土地購入
費(賃借を含む)や荷おろし等を行うための装置は含まない。
④支援対象
1)地方公共団体(一部事務組合、広域連合を含む)
2)商工会議所、商店街等の団体
3)まちづくり協議会などの公的な任意団体
4)トラック協会等の団体・物流事業者や駐車場事業者等(ただし、
複数の事業者の利用が可能な公共性の認められる事業に限る)
⑤支援スキーム
民間事業者等へ公募
~6月下旬まで
国土交通省による選考
6月下旬~8月下旬
(学識経験者等による検討会)
モデル事業の実施
(応募者)
連携
地方公共団体
(申請者が地方公共団体の場合)
貨物車駐車施設の整備等に必要な機器等の設置に要する費用の
1/2以内。ただし、支援額は、概ね2,000万円を限度。
(申請者が民間事業者の場合)
貨物車駐車施設の整備等に必要な機器等の設置に要する費用の
1/2以内。ただし、支援額は、概ね2,000万円を限度。加えて、地方公共
団体が支援する費用は、国の支援する額の1/2。
申請者において、この支援制度の枠外で施設整備の財源を独自に確
保することは妨げない。
詳細は国土交通省ホームページを参照 http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/tyusyasisetsu/index.html
13
6.これまでの取り組み等
③貨物車駐車施設の整備等による交通円滑化支援制度(道路局の取り組み)について
支援対象となる例
予約システム機器の新設・変更
(例:ICカードリーダー)
予約システム機器の新設・変更
保冷用充電器
あ
荷さばき・荷役
スペースの新設
荷さばき用
フラップ
車番認識システム機器
DSRC駐車場システム機器
駐車マス
通信制御装置
精算機の新設・
変更
駐車場ゲートの変更
荷さばき通路
(スロープ)の新設
予約システム機器の新設・変更
荷さばき駐車施設の
案内板
支援対象となる機器及びシステム
支援対象とならない機器及びシステム
○ 荷さばき駐車施設の案内板
● 貨物車が通行可能な通路の確保
○ 荷さばき用駐車フラップ・駐車場ゲートの ● 荷役機器の設置
新設・変更
○ 精算機の新設・変更
○ 予約システム機器の新設・変更
○ 保冷用充電機器の新設・変更
○ 車番認識システム機器
○ 非接触ICカード対応駐車場システム機器
○ DSRC(ETC使用)駐車場システム機器
○ 契約車管理システム機器
○ 通信制御装置
○ 荷さばき・荷役スペースの新設
○ 荷さばき通路(スロープ)の新設
○ 駐車マスの新設・拡大
14
Ⅲ.貨物車交通マネジメント(ソフト施策)
7.都市内交通の現状(外国との比較)
・商業・業務機能が集中している都心部の交通渋滞を解消するためには、荷さばき駐車
施設等のハード整備のみならず、貨物車の混入率を引き下げるようなソフト的な取り組
みについても取り組む必要がある。
●日本・イギリスでの走行速度の比較
●都市内の貨物車混入率
ー
ピ 120
ク
時 100
の
平
80
均
旅
行 60
速
度
40
イギリス
日本
95.4
84.9
81.1
72.4
47.6
47.6
(
40.6
21.3
20
)
k
m
/
h
0
市街地
市街地外
市街地
市街地外
高速道路
一般道路
注)一般道路の定義
日 本:一般国道
イギリス:A Roads
出典)日本:平成11年度道路交通センサス一般交通量調査の混雑度旅行速度から算出
イギリス:Transport speeds on English Trunk road
●貨物車の道路種別の分担率
高速道路
日本
21%
イギリス
幹線道路
41%
40%
0%
非幹線道路
20%
38%
46%
40%
注1)全国の混入率は全車種走行台キロに対する貨物車走行台キロの割合。都市圏の混入
率は全車種断面通過台数に対する貨物車の台数の割合。
注2)環状七号、インナーロンドンは半径約10km、パリ境界は半径約7km。
出典)日本:道路交通センサス起終点調査 1994、道路交通センサス一般交通量調査 1997
イギリス:Transport Statistics Great Britain 2001、Cordon and Screenline 調査 1996
フランス:Les Transports en 2001、Statistiques De Trafic Sur Le Reseau Sirius En 1998
60%
14%
80%
100%
出典)日本:平成11年度道路交通センサス
イギリス:Transport Statistics Great Britain 2004
15
8.貨物車交通マネジメント(外国の事例①)
・外国では、貨物車用ルート設定、流入抑制等の貨物車交通マネジメントを実施するこ
とにより、円滑な都市内交通を確保する取り組みも実施されている。
トラックルートを設定・推奨している事例
イギリスのFQP(Freight Quality Partnership)
FQPとは、物流交通問題に対する理解を深め、物流の効率化を進めるとともに地域の環境や社会への懸念を
解決するために、運送事業者、荷主、警察、自治体、地域住民など幅広い利害関係者がパートナーシップの精神
で調整、協力していく仕組み。
【ダービーシャー州のトラック推奨ルートマップ
●イギリス・ダービーシャー州におけるFQPの事例
(赤および緑が推奨ルート)】
イギリスのダービー&ダービーシャー州FQPでは、
トラック推奨ルートマップを作成し、地域内を走行
する大型貨物車に対して、最適な走行ルートを推
奨している。
・容易な目的地へのアクセス、迷走による渋滞悪
化の防止や燃料消費削減が目的
・警察やFQPメンバー(自治体、運輸事業者、環
境団体等)による協議で決定
・工業・商業地域までの走行ルートとして最適な
ルートの設定
・規制および罰則等は設定されていない
出典)Derby and Derbyshire FQP資料
16
8.貨物車交通マネジメント(外国の事例②)
トラックルートを設定・推奨している事例
●ウエストロンドン FQPの事例
ウエストロンドン(グレータ-ロンドンの西側地域)では、West London FQP(WLFQP)の一環として、
地域内を走行する大型貨物車に対して最適ルートを案内している。
・West London Freight Activity Mapを配布することによる、最適走行ルートの提供。
・Park Royal(ビジネスエリア)における配送用標識の改善による視認性の向上。
【West London Freight Activity Map】(一部分を拡大)
出典)West London FQP資料
【 Park Royalにおける配送用標識】
※表示されているルートは全て推奨ルート。
※このうち、夜や週末に規制されるルートもある。
17
8.貨物車交通マネジメント(外国の事例③)
市街地への流入を抑制している事例
●ニューヨークのトラックルートの事例
ニューヨーク市では、大型トラックが通行可
能なルート(通過トラックルート、ローカルト
ラックルート)を設定している。
項目
概要
2軸・6車輪、3軸以上の任意のトラック及び
対象車両 貨 物 を輸 送す るた めに 設計 され たコ ンビ ネー
ション・トレーラー
①通過トラックルート
ニューヨーク市内の5地区に発着点を持たない
トラックのための指定通過ルートであり、大部
トラック 分がInterstate Highwayに指定されている。
ルートの ②ローカルトラックルート
種類
ニ ュ ーヨ ーク 市内 の5 地区 に発 着地 を持 つト
ラックのための当該地区内の指定走行ルートで
あり、地区内の主要道路が指定されている。
走行規制がなされている地域を走行した者には
以下のような罰金が科される。
罰金
1回目:100~500ドル
2回目以降:300~2,000ドル
※トラックルートに設定されていない道路および貨物車進入禁
止地区では警察官に呼び止められたときに配送伝票を見せて
集配目的で走行している事を証明できなければ違反となる。
18
8.貨物車交通マネジメント(外国の事例④)
市街地への流入を抑制している事例
●ロンドンのLorry Control Schemeの事例
グレーターロンドン全域において平日の夜
間・早朝と週末に、大型貨物車のロンドン市
内の走行が禁止されているとともに、許可なく
通行が可能なルートが指定されている。
項目
規制内容
概要
定められた時間帯に指定道路以外の道路を走行
する場合は許可が必要
・平日の21時から翌朝7時まで
・土曜日の13時から月曜7時まで
対象地域
概ねグレーターロンドン内
規制車両
総重量18トン以上の貨物車
必要性 「走行の必要性」の合理的な理由
目的地付近までは指定道路を利用し、それから
許可する
許可条件
目的地までは沿道地区への影響の少ないルート
走行ルー (沿道が工場、商業施設、オープンスペース)
ト
を特定して許可
規制時間帯
反則金
許可状況
・違反の状況によって、50~1,000ポンドの反則
金が課せられる。
・パトロールと監視カメラを併用。
・1999年には55,000台の許可を発行
・同、13%の申請を拒否
・規制対象エリアは、橙色部分
・許可なく通行が可能な道路は青色および緑色の道路
19
8.貨物車交通マネジメント
国内の事例(大阪府東大阪市)
<東大阪FQPの目的>
・大型貨物車の駐車休憩施設が不足しており、荷待ち等の貨物車が路上で長時間駐車待機している状況。
・交通安全や地域の環境にも深刻な悪影響を与えている。
・貨物車交通に伴う課題の改善に向けアクションプランを立案・実行。
パートナーシップによる取り組みイメージ
慢性的な路上駐車(地区内道路)
貨物車の路上駐車が慢性化し深刻な状況である等地域の課題改善
と地区のイメージ向上に向け、関係者のパートナーシップによる取り
組み方針をまとめたアクションプランを平成19年3月にとりまとめ。
東大阪アクションプランのポイント
啓発活動の様子
出典)東大阪FQP協議会のHPより
○トラックの路上駐車解消
・駐車取締り強化
・道路構成の見直し
(車線数縮小の社会実験)
○走行ルートマネジメント
・事業所単位での指導による自主規
制(生活道路への流入削減)
・時間帯規制等による大型車両の
通行制限(中長期に検討)
○マイカーの路上駐車削減
20
○地区の環境改善
まとめ
(1)物流は経済・産業を支える重要な役割。
(2)荷さばき対策や貨物車交通の円滑化に向けて、地域及び物流
事業者が、互いにWinWinな関係を構築するためには、地域全
体で一体となった取り組みが不可欠。
(3)しかしながら、取り組みは始まったばかりで、具体的な方策を
模索している段階。
より望ましい都市内物流を目指して
(1)社会実験等を通じて得た知見をもとに、地域の必要に応じた
恒久的な荷さばき駐車施設の適正な配置や運用ルールの策
定による荷さばきの円滑化が重要。
(2)荷さばき駐車施設の整備等、ハード施策による解決方策のみ
ならず、貨物車をより望ましい経路や時間帯に誘導する等の
ソフト施策についての検討も必要。
21
Fly UP