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農業機械の安全確保に向けて(PDF:2082KB)
資料2 (農業資材審議会農業機械化分科会資料) 農業機械の安全確保に向けて 生物系特定産業技術研究支援センター 平成27年8月 生研センターによる事故の詳細調査・分析の試み 生研センター 2011年度から実施 13道県から協力(全国の約3割) ・調査票を開発、従来より詳しく調査実施 ・分析手法も開発し、調査結果を分析 分析結果は・・・ ・協力道県での啓発活動に反映 ・機械の改良策に反映 詳しい事故情報と結果の還元があれば・・・ ・より確実な安全設計につながる(設計者による保護方策) ・より安全な作業体系につながる(使用者による保護方策) ・現場での危険情報が関係者に伝わる(使用者からの情報) 2 調査協力道県に対するフィードバック 生研センター 道県A:同じ県内でも地域により事故発生 機種と原因に差⇒地域別の対策を助言 例えば・・・ 分析結果は・・・ ・協力道県別にフィードバック ・協力道県別にフィードバック⇒ 各道県での啓発活動に活用 ・機械の改良策に反映 (例:後述歩トラ事故) 道県D:負傷事故の件数では ぶつけが最多だが、総入院 日数(=営農への影響度)は 機械からの転落が最多 ⇒重点項目選定方法を助言 道県B:乗トラ事故全体を見ると 小型機の転落転倒が多いが、 非高齢層に限ると 中大型機 での巻込まれが最多 ⇒年齢別の啓発を助言 道県C:乗トラ転落事故では 環境要因(道幅が狭い、 段差ぎりぎりまで作業)も 多く確認 ⇒危険性喚起を助言 3 調査協力道県における取組・分析結果の活用事例 生研センター 前述道県Cの例 啓発資料の改良 分析結果に基づく機種・内容の重点化 他に人材育成の取組み追加、普及機関への情報提供、 安全研修内容の改良、組織連携の改良等 4 「使用者からの情報」の課題 生研センター 農作業事故対面調査で多く見られた農家の意見 故障等に対してはメーカーにすぐクレームを入れるが、 危険箇所についてはクレームをつけない傾向 「そういうものだと思って使えば済むことだから」 「ヘタに安全とか言うと、余計なカバーが付いて 使いづらいし、値段が高くなるから」 反面、事故を起こすと自分だけの責任にしてしまう そのままでは事故情報は上がってこない ⇒メーカーに情報が伝わらない ⇒製品の安全性向上が進まない 5 「使用者が講じる保護方策」の課題 生研センター 農業(家族経営)は労働安全衛生法の適用外 安全確保義務がない 特に家族経営は従業員であり経営者 安全確保は自己責任(ヘルメットやカバーすら不徹底) 事故報告義務がない 国の調査は死亡事故のみ、死亡個票から集計 事故の詳細が不明、負傷事故の全国調査がない 安全確保意識が希薄、現場への的確な助言困難 現場に潜む危険を洗い出すなどの点検活動(リスクアセスメント)を行っている 事例は少ない 6 「設計者が講じる保護方策」の課題 生研センター 例:歩行用トラクタの安全装置 生研センターと13道県の事故調査分析(前述)から・・・ 分析事故件数73件で、挟まれ(20件)、巻き込まれ(20件)、機械の転倒 転落(18件)の順に事故が多い ・後進時に事故が多い(挟まれ20件すべて、巻き込まれ10件) ・安全装置がない機械での事故が多い(型式が推定できた30件中14件 が該当) ・安全装置があっても狙い通り作用せず事故になった事例も(型式が推定 できた30件中8件) 安全鑑定基準適合機械を使う必要 挟まれ防止装置 より確実な安全装置が必要 事故情報がないと わからない! 例:挟まれ防止 装置が効かない 部位で挟まれ 7 機械の安全設計の考え方(ISO 12100) 生研センター 使用者からの情報:クレームや事故情報 農業の現状・・・各段階に課題 使用者が講じ る保護方策 を保作安 講護業全 じ具手な て着順使 使用を用 用や遵方 訓守法 練しや 等、 設計者が講じる保護方策 使を③ 使装(② ( ① 本 イ 用標安 用置ンガ 危 質 者識全 者なター 険 的 にやな をどード 源 安 伝取使 や 保) を ロ で 全 え扱用 護危ッ各 な 設 る説上 す険ク保 く 計 明の す る源や護 方 検装 書情 か出置 策 報 で ら ) 使用者が受け入れ可能な リスクレベルであること リ ス ク ア セ ス メ ン ト リス ク 8 農業機械・農作業の一層の安全確保に向けて 生研センター ①分析に堪えうる農作業事故情報の収集・共有体制および 啓発活動の実施体制の確立 使用者からの情報:クレームや事故情報 ②事故情報のメーカーとの共有化と指導の促進 モニタリング(方策の評価) 使用者が講じ る保護方策 ⑤現場で役立 つリスク管理 情報の提供 (農作業安 全情報セン ター等) 設計者が講じる保護方策 向残 け留 たリ 手ス 順ク のの 明回 示避 に ③メーカーへの型式検査受検・ 安全鑑定受験の促進 ④必要に応じ、事故実態に即 した安全基準への見直し リ ス ク ア セ ス メ ン ト 9 生研センターの型式検査、安全鑑定について 生研センター 型式検査 安全鑑定 農業機械化促進法 農研機構規程 対象機種 トラクタ等10機種 ほとんどの農業機械 対象機械 通常生産品(新品) 通常生産品(新品) 評価試験 根 拠 申 請 任意 任意 内 容 機械の性能試験 (安全性/取扱性を含む) 機械の安全性確認 試験方法基準 あり あり 試験結果 合格機として公表 適合機として公表 合格(適合)機へ の証票貼付 任意 任意 10 参考:型式検査・安全鑑定の取組状況 型式検査 生研センター 安全鑑定 安全フレーム 可動部防護カバー 手がかり ステップ 乗用型トラクタ用安全キャブフレームの 型式検査-強度試験 乗用型トラクタの安全鑑定-確認対象例 11 農耕作業用自動車等機能確認 (小型特殊自動車型式認定) 根 拠 対象機種 型式認定の申請 生研センター 道路運送車両法/農研機構の規程 主にトラクタ、コンバイン、 スピードスプレヤー 任 意 認定審査の内容 保安基準適合検討書や生研センター機能確 認の結果等の提出書面により書類審査 (国土交通省) 機能確認の内容 寸法・仕様確認 ブレーキや傾斜安定度等の機能計測 排出ガス規制適合の確認 試験方法基準 道路運送車両の保安基準 12 型式検査・安全鑑定等の受検台数の推移 型式検査 ・機能確認 生研センター (型式数) 80 70 型式検査 60 機能確認 50 40 30 20 10 0 平17 安全鑑定 平18 平19 平20 平21 平22 平23 平24 平25 平26 (年) (型式数) 250 200 150 安全鑑定 計 100 乗用型トラクター 乾燥機 50 自脱型コンバイン 0 平17 平18 平19 平20 平21 平22 平23 平24 平25 平26 (年) 13 参考:その他の公式試験 生研センター ○ 総合鑑定:型式検査の対象でない機械の総合的な 性能試験。試験成績は原則公表。 ○ 任意鑑定:対象機種は定めず、依頼者と試験内容を 協議して希望する試験を実施。試験結果は 公表/非公表選択可。 ○ OECDテスト:OECDテストコードによる、乗用型トラ クターまたは安全キャブ・フレームの国際的 テスト。試験結果は公表。 ○ 排出ガス測定試験:農用車両のディーゼルエンジンの 排出ガス規制に対応した試験 ○ 省エネ性能試験:乗用型トラクターと乾燥機、自脱型 コンバインの省エネ性能を試験 14 農業機械の安全確保に係る今後の課題 生研センター 検査・鑑定 ①安全装備等の充実に向けた検査・鑑 定の受検の促進 ②事故実態に即した安全基準の見直し 安全、軽労、快適性 に関わる研究 ①安全装置の性能向上・普及 ②アシストスーツ等人間工学に基づく 農業機械開発・改良の推進 安全に関わる情報収 集・提供 ①事故調査内容の拡大・充実 ②農作業安全情報センターの活動の充実 農業機械の自動化・ 無人化 ①自動化・無人化された農業機械の安全 評価の検討 ②使用環境によるリスク低減の検討 15 参考:ウェブサイト「農作業安全情報センター」 生研センター 2015.3~ よりつかいやすく リニューアル ・見やすい ・探しやすい 16 参考:ウェブサイト「農作業安全情報センター」 生研センター 2015.3~ よりつかいやすく リニューアル ・見やすい ・探しやすい 17 ご清聴ありがとうございました。 今後とも、生研センターの取組について、 ご理解・ご支援よろしくお願いします!!