...

2015/11/13「タイ:外国人事業法における名義借り」

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

2015/11/13「タイ:外国人事業法における名義借り」
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
November 13, 2015
Ⅰ.タイ:外国人事業法における名義借り
三宅・山崎法律事務所バンコクオフィス 小林
秀彦
Ⅱ.インド:非公開会社の適用除外
…
2
…
5
…
8
ドゥア法律事務所/コンサルティング
Ⅲ.各国トピックス
【ミャンマー】総選挙で野党 NLD が大勝
【インドネシア】輸入業者番号(API)規程を変更
【インドネシア】ジャカルタ特別州の 2016 年法定最低賃金、14.81%増の月額 310 万ルピア
【インドネシア】商品へのインドネシア語の商品ラベル表示義務拡大
【インド】ビハール州選挙で BJP 敗北
【インド】政府、アフリカに 100 億米ドルの融資を表明
【インド】ジャパンプラスに愛知県が相談窓口設置
【ベトナム】女性の労働規程を改正
…
Ⅳ.主要各国の経済指標
10
(インドネシア・マレーシア・フィリピン・タイ・ベトナム・インド)
・本資料は情報提供を唯一の目的としたものであり、金融商品の売買や投資などの勧誘を目的としたものではありません。
本資料の中に銀行取引や同取引に関連する記載がある場合、弊行がそれらの取引を応諾したこと、またそれらの取引の実
行を推奨することを意味するものではなく、それらの取引の妥当性や、適法性等について保証するものでもありません。
・本資料の記述は弊行内で作成したものを含め弊行の統一された考えを表明したものではありません。
・本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、その正確性、信頼性、完全性を保証するものではあ
りません。最終判断はご自身で行っていただきますようお願いいたします。本資料に基づく投資決定、経営上の判断、そ
の他全ての行為によって如何なる損害を受けた場合にも、弊行ならびに原資料提供者は一切の責任を負いません。実際の
適用につきましては、別途、公認会計士、税理士、弁護士にご確認いただきますようお願いいたします。
・本資料の知的財産権は全て原資料提供者または株式会社三菱東京 UFJ 銀行に帰属します。本資料の本文の一部または全部
について、第三者への開示および、複製、販売、その他如何なる方法においても、第三者への提供を禁じます。
・本資料の内容は予告なく変更される場合があります。
1
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
Ⅰ.タイ:外国人事業法における名義借り
1. はじめに
今回は外国人事業法が禁止している名義借りの問題(Nominee Issue)について説明します。
2. 外国人事業法の規制業種
日系企業(外国法人)がタイに進出する場合、まず検討するのが進出形態です。具体的には、駐在員事務
所、支店、財団、法人等の進出形態が考えられますが、最も一般的なものは、タイ国内に法人を設立する進
出形態です。現在、タイには 4,000 社を超える日系企業が進出していますが、その殆どが法人形態(特に、
リミテッドカンパニー)による進出です。
只、タイには国内経済や産業の保護を目的として、Foreign Business Act B.E. 2542(1999)(仏暦 2542 年
(西暦 1999 年)外国人事業法)(以下、「外国人事業法」と呼びます)が存在します。この法律は、外資規
制法であり、外国人(外国法人)の事業活動の禁止や規制を目的としており、その禁止・規制業種は、同法
の別表で 3 種類に分類されて列記されています。なお、外国人事業法は外資規制法であることから、タイ人
(タイ法人)には業種規制が適用されません。
そこで、日系企業がタイに進出するに際して、外国人事業法の業種規制を回避しようとした場合、タイ法
人の設立を検討することになります(タイ投資委員会(BOI)の奨励恩典を受けて法人を設立する場合には、
外国人事業法の業種規制を受けなくなりますが、紙幅の関係で、本稿では言及しません)。
なお、外国人事業法の別表に列記されている規制業種は、限定列挙であることから、列記以外の業種は、
特別法で規制されていない限り、外国法人も自由に行うことが可能です。例えば、別表に列記されていない
一般的な製造業や輸出業等です。
3. 外国人事業法における外国人の定義
上記のとおり、外国人事業法は外国人(外国法人)の事業活動の規制を目的としており、タイ人(タイ法
人)の事業活動は規制しないことから、外国人(外国法人)に該当するか否かの判定が非常に重要になって
きます。この点、外国人事業法第 4 条は、外国人(Foreigner)を次のように定義しています。
(1) タイ国籍を有しない自然人
(2) タイ国内で登記されていない法人
(3) 次の特徴を有するタイ国内で登記された法人
(a)上記(1)若しくは(2)に定める者が、資本を構成する株式の半数以上を保有する法人
又は上記(1)若しくは(2)に定める者が、当該法人の全資本の半数以上を投資している法人
(b)マネージングパートナー若しくはマネジャーが上記(1)に定める者であるリミテッド・パ
ートナーシップ若しくは登録された一般パートナーシップ
(2)若しくは(3)に定める者が資本を構成する株式の
(4) タイ国内で登記された法人で、上記(1)、
半数以上を保有する法人又は上記(1)、(2)若しくは(3)に定める者が、当該法人の全資本の半
数以上を投資している法人
(以下省略)
2
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
従って、日系企業が法人を設立し、その株式の半数以上を保有する場合、当該法人は外国法人(外資企業)
となります。逆に、法人の株式の過半数(50%+1 株以上)をタイ人(タイ法人)が保有する法人は、タイ
法人となり、外国人事業法の業種規制を受けないことになります。
こうした理由から、外国人事業法の規制を受けないようにするため、タイ法人の設立が検討されます(勿
論、商務省(Ministry of Commerce)から事業免許(ビジネス・ライセンス)を取得する方法もありますが、
取得は必ずしも容易ではありません)。しかしながら、タイ法人として設立するためには、タイ人(タイ法
人)の出資者(パートナー)を見つけることが必要になります。従来の取引関係等から、タイ人(タイ法人)
の出資者(パートナー)が簡単に見つかる場合もありますが、一般的には難しい場合が多いと考えられます。
とは言っても、合弁事業の場合、タイ側パートナーがいることから、合弁会社の経営を日本側の一方的な
判断で行うことは困難な場合が殆どです。そこで、タイ人(タイ法人)に名義だけを借りて株式の過半数を
保有してもらうケースが生じます。これが、所謂、名義借りの問題(Nominee Issue)です。
4. 外国人事業法における名義借りの規制
タイ人(タイ法人)に名義だけを借りて株式の過半数を保有してもらう場合でも、方法は一様ではありま
せん。典型例としては、出資金を全て日本側(外国人)が負担し、タイ人(タイ法人)は何ら出資を行わず、
単に株主リスト上で株式の過半数を保有する株主として登記し、議決権の行使や配当金を認めないような場
合が挙げられます。
これが可能であれば、外国人事業法の潜脱が容易になってしまうことから、外国人事業法には次のような
規定が置かれています。若干長い規定ですが、引用してみましょう。なお、下記は英語版からの再翻訳です
が、公式な英語翻訳がないことから、内容的にタイ語原文と多少異なる可能性があります。精査する場合に
は、タイ語原本を確認して下さい。
外国人事業法第 36 条:
「本法に定める外国人ではないタイ人若しくはタイ法人が、本法の別表に定める外国人の事業の運営を援
助、補助し若しくは事業に参加し、これにより当該外国人がライセンスを取得することなくその事業が行え
たり、その事業を完全に自分が所有する振りをして外国人の事業の運営に参加したり、又はパートナーシッ
プ、有限責任会社若しくは法人の株式を外国人のために保有することで、外国人が本法の規定を脱法若しく
は違反して事業を行うことを可能にした場合、本法で外国人ではないタイ国籍者や法人にかかる行為を許し
た外国人も含めて、そうした者は 3 年以下の禁固若しくは 10 万バーツ以上 100 万バーツ以下の罰金又はそ
の併科に処する。また、裁判所は、援助若しくは補助の打ち切り、合弁事業の解消、又は株式保有若しくは
パートナー地位の終了を命じるものとする。(以下省略)」
なお、上記の規定に反する行為に加担したり、防止措置を取らなかったりした取締役等も同様の処罰を受
けます(外国人事業法第 41 条)。
特に、日系企業にとっては、太字の部分が最も注意を要する個所です。これが名義借り禁止の部分です。
名義借りと判断された場合、裁判所は名義を貸したタイ人(タイ法人)が株主になっている法人での株式保
有の終了を命じることになり、その結果、タイ法人の条件(「法人の株式の過半数(50%+1 株以上)をタイ
人(タイ法人)が保有する法人」)を満たさなくなります。即ち、当該法人は、外国法人と見做され、外国
人事業法の業種規制を受けることになります。
3
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
ちなみに、日系企業の中には、持ち株会社(Holding Company)が事業会社(Operation Company)の
株式の過半数を保有する形態を採用することがあります(以下、
「持ち株会社スキーム」と呼びます)。この
持ち株会社スキームでは、小規模な(資本金の小さい)持ち株会社をタイ法人として設立して、その持ち株
会社に規模の大きい(資本金の大きい)事業会社の株式の過半数を保有させるものです。
持ち株会社スキームは違法ではありませんが、このスキームは潜在的に名義借りの問題(Nominee Issue)
を内包していることから、持ち株会社スキームを採用する場合には、専門家に名義借りの問題が生じないか
を慎重に検討して貰う必要があるでしょう。安易に持ち株会社スキームを使うべきではありません。危険で
す。
なお、近時、商務省は、名義借りの摘発を強化する旨を表明しており、今後、名義借りをした株主がいる
法人が摘発される事例が出てくる可能性があります。
よって、日系企業がタイ国内に法人を設立する場合、名義借りの危険性を十分に認識した上で、出資構成
を慎重に検討する必要性があります。また、名義借りを疑われる危険性のある株主がいる法人については、
資本構成等の再検討が必要になると考えられます。
しかしながら、名義借りでの法人設立の危険性に関して、意外にも認識が薄いのが現実だと思われます。
これはかなり困った状況と言えるでしょう。
記事提供:Miyake & Yamazaki Co., Ltd.(三宅・山崎法律事務所バンコクオフィス)
Managing Director(日本国弁護士)小林
秀彦
(2015 年 9 月 10 日作成)
4
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
Ⅱ.インド:非公開会社の適用除外
概要
インド企業省は、2013 年会社法(Companies Act, 2013、以下「新会社法」)462 条に基づき、2015 年 6
月 5 日付通達(以下「適用除外通達」)により、物議をかもしている新会社法のさまざまな条項について、
非公開会社への適用を除外した。本稿では、適用除外通達により適用が除外された幾つかの事項についての
影響と、非公開会社の形態でインドで事業を立ち上げる利点を考察する。
インド企業省は、2013 年会社法(Companies Act, 2013、以下「新会社法」)462 条に基づき、2015 年 6 月
5 日付通達(以下「適用除外通達」)で、新会社法のさまざまな条項について、非公開会社への適用を除外し
た。適用除外通達の目的は、公開会社などの他の法人形態と比較して、非公開会社に便益を与えることにあ
る。
株主資本の構成
1956 年会社法(Companies Act, 1956、以下「旧会社法」)の下では、公開会社は (i)資本株式(議決権
または他の権利を有する)、(ii)優先株式、という 2 種類の株式のみという発行制限があったが、非公開会
社にはそのような制限はなかった。このため非公開会社は、会社に最も適した種類の株式を選択し、発行す
ることができた。しかし、新会社法 43 条において、非公開会社も公開会社と同様、上記 2 種類以外の株式
は発行できないとされ、適用除外通達が発行されるまでは実務上大きな問題となっていた。すなわち、新会
社法下では、43 条(b)の優先株式について 43 条(a)と同様の一般的な議決権を付与するなど、上記二つ
のカテゴリーに含まれない種類の株式を新たに発行することはできないこととなった他、旧会社法下で発行
されたこの種類の株式をどう取り扱うべきかについて大きな混乱が生じていた。
また、旧会社法下では、非公開会社は議決権の行使方法について自由に決定することができるとされてい
たが、議決権およびその行使方法を定めた新会社法 47 条では非公開会社を適用除外とせず、公開会社と同
様の制限を課していた。このため、例えば旧会社法下で、少数派株主に対する特定事項の拒否権が付与され
た株式を発行していたとしても、新会社法下では 47 条に拒否権の行使方法の規定がないため、拒否権の行
使ができないという不都合が生じていた。
適用除外通達はこれらの不都合を解消するため、非公開会社は定款の定めにより、新会社法 43 条と 47 条
の適用を排除できることとした。このように、適用除外通達以降、非公開会社が、同法 43、47 条とは異な
る株式の種類、議決権の行使方法を基本定款または付属定款で定めていた場合には定款の規定が適用される
こととなった。これにより旧会社法下で上記 2 種類以外の株式を発行していたり、定款で新会社法 47 条と
は異なる議決権行使方法を定めていた非公開会社は旧会社法当時と同様の運用ができることになった。
5
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
非居住者マネジング・ディレクター任命の承認は不要
新会社法 196 条 4 項によれば、取締役会が同法 197 条および同法の別紙 5 の規定に従って、マネジング・
ディレクター(以下「MD」)、常勤取締役、マネジャー(以下まとめて「常勤 MD」)を選任し、選任条件や
支払われるべき報酬を決定し、次の株主総会決議でこれらの事項は承認される。そして、同条項は別紙 5 に
記載された適格要件を満たさない者を選任する場合や別紙 5 に記載された規制を超えた報酬を支払う場合に
は、インド中央政府の承認が必要であると規定している。
適用除外通達により、非公開会社に新会社法 196 条 4 項が適用されないこととなったため、非公開会社は、
適格要件や報酬規制の制限を受けずに常勤 MD を選任し、報酬額を自由に決定できることとなった。
適用除外通達が実務上とりわけ重要となるのは、インド非居住者を常勤 MD に選任する場合である。別紙
5 によれば常勤 MD の適格要件の一つとしてインドに居住 1 していることが挙げられているため、これまで
インド非居住者を選任する場合には、インド中央政府の承認が必要であった。
この適用除外通達により、非公開会社は新会社法 196 条 4 項および別紙 5 の適用を免れ、インド非居住者
の常勤 MD 選任につき、インド中央政府の承認を得る必要がなくなった。非公開会社は、インドに居住して
いない業務管理責任者を出張ベースでインドへ送る場合、業務管理責任者を MD や常勤取締役に選任するこ
とが多い。そのような場合、この適用除外通達以降、インド中央政府の承認が不要となり、迅速にインド非
居住者を常勤 MD に選任することができるようになった。
関連当事者による議決権行使
新会社法 188 条 1 項第 1 ただし書きは、会社とその関連当事者との契約が規則所定額 2 を超える場合、事
前の株主総会普通決議 3 による承認が必要と規定し、同条項第 2 ただし書きは、関連当事者は利害を有する
当該株主総会普通決議において議決権を行使できないと規定している。問題は、非公開会社で株主が 2 人だ
けしかいない場合である。非公開会社とその株主との間で契約を締結する場合、合弁会社の株主は関連当事
者として議決権を行使し得ないこととなり、関連当事者との間で会社にとって必要な契約の締結ができずに
円滑な業務執行に支障を来していた。
このような問題を受けて、適用除外通達は、利害関係がある決議に関連当事者が参加することを規制して
いる新会社法 188 条 1 項第 2 ただし書きの規定は非公開会社には適用しないこととした。
結論
他の多くの適用除外と同様、上記の適用除外は、企業が非公開会社の形態でインドにおいて事業を立ち上
げ、業務管理していくことを容易にするものである。また、この適用除外通達は、かつて旧会社法下で非公
開会社が利用可能であった制度を再度利用可能にしたものであり、非公開会社としての事業展開を奨励する
ものである。
6
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
***********************************************
1
インド居住者とは、選任の日の直前まで継続して 12 カ月間インドに滞在している者(新会社法別紙 5(e)I)
2
規則所定額とは関連当事者との間の取引における上限額であり、Companies(Meetings of Board and its Powers)Rules,
2014 の 15 条 3 項に規定されている。例えば、商品または原材料の販売、購入または提供については、売り上げの 10%ま
たは 10 億ルピーのうちいずれか低い方である。
3
Companies(Amendment)Act, 2015 により、特別決議から普通決議へ改正
記事提供:ドゥア法律事務所/コンサルティング
ドゥア法律事務所/コンサルティングは、デリー、グルガオン、チェンナイ、
ムンバイ、プーネ、バンガロールに事務所を構える弁護士事務所。
(2015 年 8 月 28 日作成)
7
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
Ⅲ.各国トピックス
【ミャンマー】総選挙で野党 NLD が大勝
11 月 8 日に実施されたミャンマー総選挙において、スー・チー氏率いる野党国民民主連盟(NLD)が大
勝。国会の第 1 党となる見込み。NDL の独自集計では、獲得議席は改選議席の 8 割程度に達している。民
政移管後に政治・経済改革を牽引してきた現与党、連邦団結発展党(USDP)は苦戦した。政権交代後も、
経済政策が大きく変更される可能性は低いと見られている。来年 2 月に新たな議会が発足し、3 月に新大
統領、新政権が発足する見込み。
【インドネシア】輸入業者番号(API)規程を変更
インドネシア政府は、9 月 28 日の商業大臣規程(70/M-DAG/PER/9/2015)において、
輸入業者番号(API)
の規程変更を発表した。本件、2016 年 1 月 1 日に施行される。輸入業者番号は、一般 API(API-U)、製造
業 API(API-P)の両方について、2016 年 6 月 30 日までに再申請が必要となる。
(詳細、AREA Report 411「インドネシア:輸入業者番号(API)規程の変更」ご参照)
http://www.bk.mufg.jp/report/insasean/AW201511092.pdf
【インドネシア】ジャカルタ特別州の 2016 年法定最低賃金、14.81%増の月額 310 万ルピア
10 月 30 日、ジャカルタ特別州知事は、2016 年の法定最低賃金を前年比 14.81%増の 310 万ルピアに決定
したことを発表した。決定した金額は政労使で構成される賃金審議会の提案に基づいており、労働者に配
慮し、インドネシア政府が先に発表していた最低賃金算定式で算出した水準である 303 万ルピアより若干
高くなっている。
【インドネシア】商品へのインドネシア語の商品ラベル表示義務拡大
政府は、商品へのインドネシア語の商品ラベル表示義務を拡大する新規程(貿易相令 2015 年 73 号)を
発布した。対象となる商品に、繊維製品、エアコン、炊飯器などが追加されている。
【インド】ビハール州選挙で BJP 敗北
注目されたインド東部ビハール州の州議会選挙が 11 月 8 日に開票され、現与党連合(地域政党のジャナ
タ・ダル(統一派)など)が議席の 7 割を確保する勝利を収めた。
インド人民党(BJP)を中心とする野党連合が敗れたことで、モディ政権が目指す国会の上院における過
半数確保の道が遠のいた。このため、各種改革法案の成立には時間を要する見込みとなっている。今後に
ついては、2017 年に行われる北部ウッタルプラデシュ州の週選挙で BJP が勝利できるかが注目されている。
8
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
【インド】政府、アフリカに 100 億米ドルの融資を表明
インド政府は、10 月 26~29 日にデリーで開催されたインド・アフリカ首脳会議において、今後 5 年間
にアフリカに対して新たに 100 億米ドルの長期低利融資と 6 億米ドルの無償資金協力を行うことを表明し
た。同会議は、2008 年から開催されており、今回が 3 回目。アフリカ 50 カ国以上の首脳が参加した。国
営のインド石油ガス公社(ONGC)の海外子会社がインドへの投資拡大を発表するなど、企業ベースでの
アフリカの取り組みも強化される見込み。インド政府がアフリカへの取り組みを強化している背景には、
この分野で中国が先行していることがある。
【インド】ジャパンプラスに愛知県が相談窓口設置
10 月 26 日、愛知県は、日本政府がインド政府の商工省内に設置している日本企業投資誘致相談窓口「ジ
ャパンプラス」の中に、愛知県内企業の相談窓口となる「愛知デスク」を設置することを公表した。イン
ドで事業を展開する愛知県企業及びインド進出に関心を持つ愛知県企業への情報提供、法務・労務・税務・
会計相談対応などの各種サポートを行う。
【ベトナム】女性の労働規程を改正
ベトナム政府は 11 月 15 日に、19 年ぶりに女性従業員の労働規程を変更する。これにより、女性の労働
環境は改善し、企業は就業規則の改定を行う必要がある。女性のためのスペースの設置、トイレの増設、
託児所設置や、授乳室設置を奨励する。また、1 日当り 30 分の有給での生理休憩の取得も可能になる。新
しい規程には罰則は定められていないが、外資系企業が従うことが期待されている。
(各国トピックスの出所)各国政府・業界団体発表、各種報道
9
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
Ⅳ.主要各国の経済指標
インドネ シ ア
単位
2013
2014
2015/1Q 2015/2Q 2015/3Q
実質GDP成長率
%
5.6
5.0
4.7
4.7
4.7
インフレ率
%
6.4
6.4
6.5
7.1
7.1
貿易収支
百万米ドル
-4,077
-1,886
2,321
2,082
2,729
経常収支
百万米ドル
-29,109
-27,485
-4,097
-4,477
政策金利
%
7.50
7.75
7.50
7.50
7.50
外国為替相場
対米ドル
10,438
11,881
12,805
13,127
13,863
(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、インドネシア中央銀行など)
Au g- 1 5
マ レ ーシ ア
単位
2013
2014
2015/1Q 2015/2Q 2015/3Q
実質GDP成長率
%
4.7
6.0
5.6
4.9
インフレ率
%
2.1
3.1
0.7
2.2
3.0
貿易収支
百万米ドル
22,437
25,078
5,892
5,553
5,373
経常収支
百万米ドル
11,205
14,473
2,754
2,072
市場金利
%
3.32
3.86
3.73
3.69
3.74
外国為替相場
対米ドル
3,151
3.273
3.620
3.659
4.058
(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、マレーシア中銀など)
Au g- 1 5
フィリ ピ ン
単位
2013
2014
2015/1Q 2015/2Q 2015/3Q
実質GDP成長率
%
7.1
6.1
5.0
5.6
インフレ率
%
2.9
4.2
2.4
1.7
0.6
貿易収支
百万米ドル
-5,713
-3,296
-1,453
-384
経常収支
百万米ドル
11,384
10,917
1,889
2,806
市場金利
%
0.00
1.42
1.40
2.14
1.51
外国為替相場
対米ドル
42.45
44.40
44.42
44.67
46.05
(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、IMFなど)
Au g- 1 5
タイ
単位
2013
2014
2015/1Q 2015/2Q 2015/3Q
実質GDP成長率
%
2.8
0.9
3.0
2.8
インフレ率
%
2.2
1.9
-0.5
-1.1
-1.1
貿易収支
百万米ドル
6,661
24,583
7,425
7,847
9,616
経常収支
百万米ドル
-5,169
15,418
8,377
6,157
政策金利
%
2.25
2.00
1.75
1.50
1.50
外国為替相場
対米ドル
30.72
32.48
32.65
33.25
33.25
(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、タイ中央銀行、国家経済社会開発委員会など)
Au g- 1 5
ベ トナム
単位
2013
2014
2015/1Q 2015/2Q 2015/3Q
実質GDP成長率
%
5.4
6.0
6.1
6.5
6.8
インフレ率
%
6.6
4.1
0.7
1.0
0.5
貿易収支
百万米ドル
0
2,368
-2,719
-1,230
-361
経常収支
百万米ドル
7,745
9,508
-1,022
1,267
金利
%
7.00
6.50
6.50
6.50
6.50
外国為替相場
対米ドル
21,030
21,199
21,383
21,713
22,150
(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、ベトナム統計局、中央銀行、IMFなど)
Au g- 1 5
イン ド
単位
2013
2014
2015/1Q 2015/2Q 2015/3Q
実質GDP成長率*
%
6.9
7.3
7.5
7.0
インフレ率
%
6.0
2.0
-1.8
-2.3
-4.5
貿易収支
百万米ドル -135,798 -137,142
-25,968
-32,194
-35,769
経常収支
百万米ドル
-32,358
-27,528
-1,286
-6,177
政策金利
%
8.00
7.50
7.50
7.25
6.75
外国為替相場
対米ドル
58.60
61.03
62.25
63.46
64.98
*『実質GDP成長率』は新(2011年)基準且つ、市場価格ベース。
(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、RBI、中央統計局など)
Au g- 1 5
10
S e p- 1 5
7.2
328
6.8
1,017
7.50
13,793
7.50
14,416
S e p- 1 5
3.1
2,501
2.6
2,250
3.73
4.064
3.74
4.307
S e p- 1 5
0.6
-954
0.4
2.00
46.14
1.51
46.75
-1.2
2,907
2,650
1.50
35.42
S e p- 1 5
-1.1
4,001
1,557
1.50
36.03
S e p- 1 5
0.6
346
0.0
-221
6.50
22,167
6.50
22,483
S e p- 1 5
-4.9
-12,478
-4.5
-10,479
7.25
65.08
6.75
66.20
Oc t - 1 5
備考
前年(同期)比
6.2 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比
7.50 BI金利、期末値
13,775 期中平均
Oc t - 1 5
備考
前年(同期)比
消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比
3.74 銀行間(3カ月物)、期末値
4.255 期中平均
Oc t - 1 5
備考
前年(同期)比
0.4 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比
1.49 TB、期末値
46.36 期中平均
Oc t - 1 5
備考
前年(同期)比
-0.8 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比
1.50 翌日物レポ金利、期末値
35.69 期中平均
Oc t - 1 5
備考
前年(同期)比
0.0 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比
-100
6.50 リファイナンスレート、期末値
22,351 期中平均
Oc t - 1 5
備考
前年(同期)比
卸売物価指数(WPI)、前年(同期)比
6.75 レポレート、期末値
65.04 期中平均
(作成日:2015年11月11日)
BTMU Global Business Insight
Asia & Oceania
(編集・発行) 三菱東京 UFJ 銀行 国際業務部
(照会先)橋本 昌太郎 北村 広明
(e-mail): [email protected]
・本資料は情報提供を唯一の目的としたものであり、金融商品の売買や投資などの勧誘を目的としたものではありません。
本資料の中に銀行取引や同取引に関連する記載がある場合、弊行がそれらの取引を応諾したこと、またそれらの取引の実
行を推奨することを意味するものではなく、それらの取引の妥当性や、適法性等について保証するものでもありません。
・本資料の記述は弊行内で作成したものを含め弊行の統一された考えを表明したものではありません。
・本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、その正確性、信頼性、完全性を保証するものではあ
りません。最終判断はご自身で行っていただきますようお願いいたします。本資料に基づく投資決定、経営上の判断、そ
の他全ての行為によって如何なる損害を受けた場合にも、弊行ならびに原資料提供者は一切の責任を負いません。実際の
適用につきましては、別途、公認会計士、税理士、弁護士にご確認いただきますようお願いいたします。
・本資料の知的財産権は全て原資料提供者または株式会社三菱東京 UFJ 銀行に帰属します。本資料の本文の一部または全部
について、第三者への開示および、複製、販売、その他如何なる方法においても、第三者への提供を禁じます。
・本資料の内容は予告なく変更される場合があります。
~アンケート実施中~
(回答時間:10 秒。回答期限:2015 年 12 月 13 日)
https://s.bk.mufg.jp/cgi-bin/5/5.pl?uri=PG26FV
11
Fly UP