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- 24 - ③ パビリオンにおける国産材製品のデモンストレーション 出展中
③ パビリオンにおける国産材製品のデモンストレーション 出展中、各出展者とタイアップして、各出展者の展示コーナーにおいて来場者に対し国産 材製品について丁寧に説明したり、質問に答えたりした。さらに、在来軸組工法の軸組模型 の組み立てなどのデモンストレーション活動を行い、来場者に国産材の良さ、技術の高さを 体感してもらい、ジャパンパビリオンの出展効果を高めることに努めた。 軸組模型の組み立て APS 工法を用いた国産材躯体の組み立て 写真9.出展中のデモンストレーション ④ 出展ガードブックへの国産材製品に関するカラーページの掲載 「木造エコ住宅博覧会」の出展ガードブックに次のようなカラーページを掲載し、国産材 製品のアピールを行った。 図6.出展ガードブックに掲載したカラーページ - 24 - (3)事後広報活動 現地展示活動終了後、次の事後広報活動を引き続き行った。 ① 専門業界紙への体験記事の掲載 ジャパンパビリオンの展示、セミナー、商談活動に携わった現地のオピニオンリーダーの 協力を得て、作成してもらった体験記事(タイトル:「日本木材精彩演绎低碳生活」)を「建 築時報」 (2010 年 9 月 6 日付)などに掲載することにより、現地の多くの人々に国産材製品及 び木造住宅の良さを認知してもらい、国産材製品の認知度を高めることに努めた。 図7.掲載済みの体験記事 また、次に取り上げられた事例のように、この体験記事を転載した中国国内のウェブサイ トは多かった。 図8.体験記事を転載した「中華木構造」ウェブサイト - 25 - ② 出展・セミナー開催状況のインターネット配信 国際木文化学会の協力を得て、ジャパンパビリオンの出展状況及び日中木材・木造建築セ ミナーの開催の様子を取材、撮影し、 「木の情報発信地」として知名度が高いウェブサイトで ある「木の文化」ウェブサイト(cn.wood.info)を通してインターネット配信し、できるだけ 早く、できるだけ多くの現地の人々に国産材製品及び木造住宅の存在やその高品質性と高機 能性、快適性、健康性などを認知してもらうことに努めた。このネット配信の詳細内容は添 付 DVD をご覧ください。 図9.ジャパンパビリオンの出展及びセミナーの開催状況のネット配信 - 26 - ③ 商談会・意見交換会の開催に関する事後報道 上海木材協会は、 「中国木材」専門業界誌(2010 年第 4 号)の中で次のように商談会・意見 交換会の開催について事後報道してもらえた。 図9. 「中国木材」専門誌に掲載された商談会・意見交換会の開催状況に関する記事 5.アンケート調査の実施 (1)木材利用嗜好のアンケート調査 展示会の会期(8 月 17 日~20 日)において、ジャパンパビリオンの来場者に、次のよう なスギ、ヒノキのカットサンプルやツキ板等を見たり触ったりしてもらい、現地の人々の 木材利用・木造住宅の嗜好、国産材に対する評価や意見に関するアンケート調査を行った。 本調査は 394 の回答を得ることができ、結果は付属資料Ⅰのとおり。 図10.パビリオンで実施されたアンケート調査に供した国産材のサンプル - 27 - (2)セミナーに関するアンケート調査 8 月 17 日に開催された、日中木材・木造建築セミナーの参加者に対して、国産材製品に 対する認識や情報提供に関する要望、セミナーの内容に対する評価や意見に関するアンケ ート調査を行った。アンケート回答数が 40 名で高くないが、その結果は付属資料Ⅱのとお り。 6.フォローアップ活動の実施 展示・商談活動終了後、当会ならではの木材に関する専門の知見や輸出促進のノウハウ を生かし、現地の業界団体等の協力を得ながら、商談成立に向けた出展者や商談相手に対 する情報提供、相談、助言などのきめ細かなフォローアップを行った。 (1)現地バイヤー等に対するサポート 商談会の開催前に、前述の WEB 版パンフレットなどの資料を商談会参加予定の中国側企業 に提供した。 また、展示・商談活動終了後、電話、ファクシミリ、E メール、郵便などにより、現地バイ ヤーに対し商談成立に向けて一歩踏み込んだ情報の提供、相談、助言でフォローするととも に、ジャパンパビリオンの来場者、セミナーの参加者並びにインターネットや専門誌(紙) を通じて国産材の出展・商談関係情報を知った者の問い合わせ、要望に応じて適切なフォロ ーアップ活動を努めた。 図11.上海現地需用者からの商談要望に応じた情報提供、相談、助言の事例 (2)出展者等に対する商談支援 当会は、出展各社の出展、商談効果を高めるため、各社に対し中国市場に係る情報の提供 やバイヤー等からの問い合わせを伝達するとともに、必要に応じた適切な助言を行った。 ① 関連情報の事前提供 出展前に、当会作成の「中国の森林資源の現状と資源施策」、「中国の木材需要と木材産業 の現状」 、 「中国の木材貿易の現状と動向」、「中国の为要木材製品の価格動向」、「木材輸出統 計月報」等情報や商談会の開催に向けての「参加中国側企業のデータシート」を出展各社に 提供した。 - 28 - 図12.出展各社への関連情報の提供事例 ② 商談成約に向けたアフターケアの支援 展示・商談活動終了後に、出展各社の出展成果・評価(商談件数、成約件数など) 、全体所 感、問題点、要望、進捗状況に対する追跡調査により商談現状を把握した上、出展各社の自 助努力を促すとともに、出展各社並びに商談相手側のレベル・能力に応じた商談成約に向け た効果的なフォローを継続している。 図13.中国バイヤーとの商談について出展企業への助言 (3)輸出志向のある者に対する情報提供 当会は展示・商談活動終了後、出展者のほか、輸出に関心を有する者に対し、出展状況 や商談のノウハウを取りまとめた結果、展示・商談の成果を高めるための今後の対応策並 びにアンケート調査関係情報を提供し、国産材展示・商談事業の効果と質の向上に努めた。 - 29 - 7.結び 本事業は、国産材の輸出促進を目的とし、 「上海国際木造エコ住宅博覧会」に出展するとと もに、バイヤー等向けのセミナーの開催、商談会・意見交換会の開催、国産材出展及びイベ ント開催に関する告知広告や記事の掲載、実施状況のインターネット配信による国産材製品 の PR 活動、ジャパンパビリオンの来場者やセミナー等の参加者に対するアンケート調査、フ ォローアップ活動を行った。 その結果、展示・商談活動終了後から現時点(3 月 9 日)までは、以下の直接的な成果(成 約 57 件、輸出額 7,422 万円)を遂げた。今後、より実りのある事業成果が得られるよう、 商談成約等に向けた更なるフォローアップ活動を引き続き行い、国産材の輸出推進に努め ていきたい。 ・ 出展企業の D 社は、商談件数が 30 件、うち 2 件が成約できた。スギ浮造りプローリ ングの輸出が開始した。現時点までの輸出金額が 42 万円でまだ小さいが、本格的な 輸出はこれから期待される。 ・ 出展企業 H 社は、商談件数が 2 件、うち 1 件の成約ができた。ヒノキの角材 40m3(130 万円)の輸出ができた。 ・ 出展企業 I 社は、現在、上海大型リゾートマンション(10,000m2)の内装材 3,000 坪 (40 フィートコンテナ 5 個分) (約 200m3 、1,600 万円)を詰めており、近日中に契 約の予定。また、中国武漢に販売拠点の現地合弁会社を設立し、これらを拠点にさ らなる販路の拡大に努力している。 ・ 出展企業の K 社は、今回展示した中間所得層向けのユニット式スギ和室(約 4 畳) について約 30 件(1,200 万円)、従前からの高級和室(約 6 畳)について約 20 件(2,000 万円)の商談をまとめており、今後、更なる販路拡大に努力している。 ・ 出展企業の M 社は、雲南省のデベロッパーによる団地(木造戸建て住宅 300 棟)の 開発計画に参加しており、現在、日本式木造住宅の建設の請負業務に取り組んでい る。 ・ 出展企業 R 社は、内装用原木 180m3(450 万円)の輸出ができた。 ・ 出展企業 T 社は、商談件数が 6 件、うち 2 件の成約(軸組み木造住宅 4 棟、2,000 万 円相当)が見込まれている。 - 30 - 付属資料Ⅰ 木材利用嗜好のアンケート調査結果 2010 年 8 月 17 日から 20 日にかけて行なわれた上海国際木造エコ住宅博覧会のジャパン パビリオンの来場者に、スギ、ヒノキのカットサンプル等を見たり触ったりしてもらい、 アンケートを依頼した。394 の回答を得ることができ、結果は以下の通りである。 Q1.日本の木(スギ、ヒノキ、ヒバ、カラマツのツキ板、カットサンプル、展示品)をご覧 になったり、ご体感したりして、日本の木を使ってみたいと思いますか。(単一選択) Q1 の問いでは、日本の木を実際に「使ってみたい」という回答が 32%で、「利用を検討 する」という回答が最も多く 66%、 「使わない」は 2%のみに留まった。 Q2.今回の展示をご覧になって、日本の木材利用技術と製造技術について、どう思いますか。 (単一選択) Q2 の木材利用技術と製造技術については、「優れている」が 41%、「普通程度である」が 55%と半数以上を占め、 「わからない」が 4%であった。 Q.3 今回のジャパンパビリオンをご覧になって、どのように感じましたか。 ジャパンパビリオンについてどう感じたかについての問いでは、最も多かったものが「活 気が見られる」で 45%、続いて「見栄えがよい」の 25%、次に「出展内容が充実している」 12%、 「他のブースと見比べて斬新感がある」8%、「入りやすい」7%と続いた。「その他」 が1%、 「無回答」が2%あった。 - 31 - Q4.あなたが木造住宅に住むとしたら、次の写真で示す住宅のどれを好むか(単一選択) 写真1が大半を占め 74%、写真 4 が次に多く 10%、写真 3 が 8%、写真 2 が 6%、無回 答が 2%となった。 Q5 あなたが木製内装材料、又は木造住宅を購入するとき重視することを選んでください。 木製内装材料や木造住宅の購入時に重視することについての問いでは、 「価格」、 「安全性」 が最も多く、それぞれ 25%、22%、 「デザイン」が 17%、「耐久性」が 13%、 「快適性」が 12%、 「健康」が 10%と続き、 「その他」が 1%であった。 なお、回答者の性別は女性が男性より多く 50%を占め、男性 41%、無回答が 9%であっ た。年齢では、30 歳以下が最も多く 50%、次に 40 歳以上で 24%、31-40 歳が 22%であっ た。回答者の職業は、最も多かったのが「加工製造」で 73 名、次に「研究・教育」で 60 名、 「内装」が 48 名、 「貿易・販売」が 37 名、「行政機関」31 名、「不動産」25 名、「マス コミ」11 名、 「業界団体」5 名、 「その他」14 名という結果であった。「無回答」は 65 名で あった。 - 32 - 付属資料Ⅱ 日中木材・木造建築セミナーに関するアンケート調査結果 2010 年 8 月 17 日に開催された、日中木材・木造建築セミナーの参加者に対して、国産材 製品に対する認識や情報提供に関する要望、セミナーの内容に対する評価や意見などを調 べるために行なった。40 名の回答を得ることができた。 問 1 今回のセミナーは役に立つと思いますか。 今回のセミナーが役に立つかどうかの問いには、「役立つ」と答えた参加者が 53%、「大 いに役立つ」との回答が 47%で、 「役に立たない」との回答は皆無であった。 問2 セミナーの参加目的と満足度をお教えください。 セミナーの参加目的で最も多かったのは「日本産木材&木造技術を知りたい」で 56%、 「日本産木材・木造住宅の輸出取組みを知りたい」が 39%、「そのほかの目的」が 5%であ った。 ① 日本産木材&木造技術を知りたい(単一選択) セミナーの参加目的と満足度についての問いで、「日本産木材&木造技術を知りたい」目 的に対しては「満足」と「まあ満足」が半々で、「不満」はみられなかった。 ② 日本産木材・木造住宅の輸出取組を知りたい(単一選択) 「日本産木材・木造住宅の輸出取組を知りたい」については、 「まあ満足」が最も多く 60%、 次に「満足」で 36%、「不満」が 4%あった。 - 33 - 問3 今回のセミナーについて、どのように感じましたか。 ① 基調講演(単一選択) 「普通」 基調講演については、 「非常によい」が 50%で最も多く、次に「良い」で 40%、 で 10%と続いた。 ② 技術紹介(単一選択) 技術紹介については「良い」が最も多く 54%、 「非常によい」が 35%、 「普通」が 11%で あった。 問4 中国における日本産木材&木造技術の推進価値について、どう思いますか? ① 日本産木材(スギ、ヒノキ) (単一選択) 中国における日本木材&木造技術の推進価値について、日本産木材(スギ、ヒノキ)に 関しては推進価値が「あり」との「回答」は 81%と高く、「なし」が 5%、「わからない」が 14%であった。 ② 日本木造建築の軸組構造(単一選択) 日本木造建築の軸組構造に関しては推進価値「あり」との回答が 92%と最も多く、 「わか らない」5%、 「なし」3%と続いた。 ③ 日本木造建築の真壁工法(木の現し)(単一選択) 日本木造建築の真壁工法(木の現し)については、推進価値「あり」が 82%、 「なし」が 12%、 「わからない」が 6%であった。 ④ 日本木造建築のプレカット技術(単一選択) 日本木造建築のプレカット技術の推進価値については「あり」が最も多く 82%、 「なし」 が 15%、 「わからない」が 3%であった。 - 34 - なお、回答者性別は、男性が 75%と過半数をしめ、女性は 22%、無回答は 3%であった。 回答者の年齢に関しては、 「30 歳以下」が最も多く 47%、 「31-39 歳」が 28%、 「40 歳以上」 が 20%、 「無回答」が 5%であった。 職業では「研究・教育」が最も多く 19 名、「加工製造」が 9 名、続いて「貿易・販売」 が 4 名、 「行政機関」が 3 名、 「不動産」「内装」「業界団体」「マスコミ」「その他」がそれぞ れ 1 名であった。 職種については、 「研究」が最も多く 16 名、次に多かったのが「設計」10 名、続いて「技 術」7 名、 「教育」 「行政・管理」 「その他」が 3 名づつ、 「広報」が 2 名という結果であった。 - 36 - 問5 問4で「ある」と答えた理由をお教えください。 ① 日本産木材(スギ、ヒノキ) 日本産木材(スギ、ヒノキ)の推進価値が「あり」と答えた回答者に対し、理由を尋ね ると、 「品質が高い」が最も多く 68%、「コストパフォーマンスがよい」が 29%、 「その他」 が 3%となった。 ② 日本木造建築 日本木造建築の推進価値「あり」の回答者に理由を尋ねると、「先進した技術」が最も多 く 41%、 「施工が容易」が 25%、 「工期が短い」が 20%、「木の現し」が 14%であった。 問6 問4で「なし」と答えた理由をお教えください。 ① 日本産木材(スギ、ヒノキ) 日本産木材(スギ、ヒノキ)の推進価値が「ない」との回答者に理由を聞いた設問では、 「中国の基準に日本産木材がまだ認められていない」が最も多く 46%、 「コストパフォーマ ンスがよくない」との回答は 23%、 「品質が普通」が 16%、「その他」15%という結果とな った。 ② 日本木造建築 日本木造建築の推進価値が「ない」との回答者に理由を聞くと、 「国内に生産工場がまだ ない」という答えが 28%、 「日本木造住宅部材や技術に関する規格がまだ中国にない」「値 段が高い」がそれぞれ 27%、 「その他」が 18%であった。 - 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