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過労死

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過労死
G3 出石・小谷・中桐
1
動機
 最近では、過労死という言葉が飛び交い、対象となる年
齢層は若者まで広がっているという。
 また長時間労働による自殺(過労自殺)が急増し、職場
環境が安定していないことが考えられる。
 なぜ、そのような職場環境が起こるのか研究してみたいと
思った。
2
目次
 過労死の原因と現状
 労災とは?
 実際の事例
 過労死の経済・社会的背景及び諸制度の問題点
 日本と他国の比較
 対策と提案
 まとめ
 参考URL
3
4
労災・過労死とは
 労働基準法
 原則 1日8時間 1週間40時間
 休憩 6時間越え45分以上 8時間越え1時間以上
 休日 毎週1日 4週間通じて4日以上
 長時間労働・休日なしの状況を強いられビジネスマンや若者
が過労死
5
労働基準法 背景
 1947年(昭和22年)制定
 日本国憲法第27条2項
 「賃金・就業時間・休息その他の勤労条件に関する基準は、
法律でこれを定める」に基づく
 最低限の基準
 ブラック企業=法として機能していない
 経営者と労働者の理解
6
過労死の歴史
 1978年(昭和53年)に生まれた新語
 1980年代後半に社会問題化
7
関西医科大学研修医過労死事件
 1998年に関西医科大学で当時26歳の研修医が過労死
 当時
 研修医は奨学金の支給のみ
 健康保険・労働保険なし 何の保障のない状態
 1998年事件後 研修医 父 労災認定申請
 2002年 認定 判決として大学側に8400万の支払い
8
過労死の判例
 日本を代表する企業トヨタ
 一例 内野健一さん
 月に144時間を越える残業
 トヨタ式「自主活動」
 変則勤務で夜間手当て節約
9
トヨタ方式
 様々な諸業務
 創意くふう提案活動
 QC(品質向上)サークル活動
 交通安全活動
 トヨタの判断
 自主活動
 自己研鑽
 効果
 日本で多くの企業が採用
 莫大な利益を生むが過労死を招く
 他企業などのトヨタ方式が招いた過労死者については明かされ
ていない。
10
勤務環境の実態
 8:00~17:00と17:00~5:00
 6:25~15:15と16:10~1:00
企業側
 これにより四時間の深夜手当て軽減
労働者側
 生活リズムの崩壊
 家族と過ごせる時間の激減
11
裁判
 被害者の主張
 残業時間…114時間を主張
 加害者の主張
 残業時間…45時間を主張
 残りの時間は「雑談」
 判決
 106時間45分
 雑談ではなく業務
 品質管理のクレーム対応は非常にストレス
 二交代勤務の深夜勤務は健康を害し、疾患にかかりやすい
12
13
過労死の前兆
 過労死の前兆として挙げられるもの
 全身の疲労感
 胸痛
 冷汗
 息切れ
 首や肩の凝り
 手足のしびれ
 頭痛
14
労災認定における過労死の基準
 過労死と認定されるためには過重労働を行っていたこと
を証明する必要あり。
 厚生労働省の通達で基準が定められている。
 その根拠は時間外労働と過重労働が判断材料になる。
15
過重労働:基準
 過重労働の基準は曖昧
 生産能力や環境などによって違う。
 ある人にとって大変な労働
 ある人にとってたいしたことがない労働
 基準値:正規就業時間 それ以外の時間が判断基準
16
 基準にされている疾病は


脳内出血・クモ膜下出血・脳梗塞
脳血管疾患
心筋梗塞・狭心症・心停止(心臓性突然死含む)
虚血性心疾患
の二分類に分けられる。
17
バブル世代
 若者の採用状況
 1960年代後半
 バブル景気の影響で容易に就職
 責任やノルマの増大
 不況における薄利多売
 都市と情報の24時間化
18
 参考URL 過労死とは。ストップ委員会
http://www.stopkaroshi.net/karoshi/karoshi.html
19
過労死 若者の増加
 「ゆとり世代」
 根性がない
 自主性がない
 常識がない
 効率が悪い
 物・奴隷としての扱い
20
過労死の認定
 脳・心臓疾患を労災認定する上での基本的な考え方
対象疾病、認定要件を示したもの
業務による明ら
かな過重負荷
を受けたことに
より発症した脳・
心臓疾患は、業
務上の疾病とし
て取り扱われる。
異常な
出来事
発症直前から前日までの間において、発
生状態を時間的及び場所的なに明確に
し得る異常な出来事に遭遇したこと
短期間の
加重義務
発症に近接した時期において
特に過重な業務に就労したこと
長期間の
加重義務
発症前の長期間にわたって、著しい疲労
の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労
したこと
 参考URL 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/
21
業務による明らかな過重負荷
 発症原因:仕事によるもの
 医療経験則:血管病変等の著しい憎悪
 客観的に認められる負荷
22
認定要件(1)
 「異常な出来事」 精神的負荷
身体的負荷
作業環境の変化


評価期間 ・・ 発症直前から前日
過重負荷の有無の判断
1.
通常の業務遂行過程においては遭遇することがまれな
事故又は災害等で、その程度が甚大であったか
2.
気温の上昇又は低下等の作業環境の変化が急激で著し
いものであったか
23
認定要件(2)
 「短期間の加重義務」
 評価期間 発症前おおむね一週間
 過重負荷の有無の判断
 業務と発症との時間的関連性を考慮して、
1.
2.


発症直前~前日間 業務の過重性
発症直前~前日間
発症前おおむね一週間以内の過重業務の継続
業務と発症との関連性あり
24
認定要件(3)
 「長期間の加重義務」
 恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用
した場合には、「疲労の蓄積」が生じて、脳・心臓疾患を
発症させることがある。
 発症との関連性において業務の過重性を評価するにあ
たっては、発症期間の就労状態を考察し、発症時におけ
る疲労の蓄積がどの程度であったのかという観点から判
断する。
25
 評価期間 おおむね6ヶ月間
 過重負荷の有無の判断
1.
2.
3.
4.
5.
6.
不規則な勤務
拘束時間の長い勤務
出張の多い勤務
交替制勤務・深夜勤務
作業環境(温度環境・騒音・時差)
精神的緊張を伴う業務
26
労働時間の評価の目安
 疲労の蓄積が大きいほど加重性が増すと考えられる。
1.
1ヶ月あたりおおむね45時間を越える場合(弱い)
2.
おおむね45時間を越えて時間外労働時間が長い(徐々
に強まる)
1ヶ月あたりおおむね80時間を越える時間外労働(強い)
3.

以上のように判断される。
27
過労死労災認定件数推移
年度
1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994
過労死 申請数 676 777 597 555 458 380 405
認定数 29 30 33 34 18 31 32
精神疾患 申請数 8 2 3 2 2 7 13
認定数 0 1 1 0 2 0 0
うち自殺数
1995
558
76
13
1
1996
578
78
18
1
1
1997
594
73
41
0
2
 申請数:過労死・精神疾患と
もに増加傾向
 認定数:増加←問題への社
会的認知の高まり
1998
521
90
42
1
3
1999
568
81
155
3
11
2000
685
85
212
17
19
2001
690
143
265
39
31
2002
819
317
341
57
43
2003
742
314
447
108
40
2004
816
294
524
130
45
2005
869
330
656
127
42
2006
938
355
819
205
66
2007
931
392
952
268
81
2008
889
377
927
269
66
2009
767
293
1136
234
63
2010
802
285
1181
308
65
過労死 自死相談センター
http://www.karoushi.jp/nintei.html
社会保険サポートオフィス
http://www.legal‐
consult.jp/rousai/rousai01.html
28
申請数の背景
 労災認定
 行政の壁
 企業の壁
 障害保障・遺族補償なし
 審査制度の不安
29
都道府県別 申請数
 考察(平成21年度集計)
 首都である東京が圧倒
的に多い
 宮城県は震災による影響
か
 過労死労災補償状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520
000006kgm‐
img/2r98520000006ki4.pdf#search
1 東京
2 大阪
3 神奈川
4 兵庫
5 愛知
6 京都
7 埼玉
8 北海道
9 千葉
10 宮城
申請数 うち死亡
130
34
84
23
72
19
35
7
34
14
32
6
31
16
29
8
29
7
24
5
30
31
日本
 労働基準法(1947年制定)
 1週間に40時間以上の労働禁止
 また、1日8時間以上の労働禁止
 週に少なくとも1日休日を与える
 36協定(この範囲で)時間外労働が可能
 しかし、守られていないのが現状
32
過労死発生の経済社会的背景
 日本人特有の責任、他人への配慮、自発性
 経済不況による経費削減でリストラ
 一人の仕事量が増加
 労働時間の増加
33
日本的労使関係
 企業別組合、終身雇用慣行、年功的諸慣行
 労働者は少しでも対等な関係に迫るが使用者があくまで
も優位
 サービス残業、休日出勤は当たり前
 それでも言えないのが現状
34
現在の法制度の問題点
 現在の労働環境関係関連の法制度
 「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」1992年

年間総実労働を一律1800時間を目標

 「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」2006
年
 一律ではなく職場によって各自で設定
 短縮したがサービス残業など入ってないので実際は増加
35
被害者への保障制度
 認定された場合→労災補償制度
 (例)生前 月給30万円 26歳
労災年金 約15万
 厚生年金 約12万
 妻(再婚を除いて)は終身、子は18歳になるまで支給
 ほかに一時金、葬祭料もある

36
37
アメリカ
 金銭的報酬に見合わない労働を行うという滅私奉公は
存在しない。
 解雇が容易なので従業員の数を調整することができる
 労働契約に違反した企業に対する損害賠償が、世界に
類を見ない高額?
 過労死が社会現象と認識されていない。
38
 ホワイトカラーエグゼンプション
 目的:時間を有効活用
 自己責任で労働時間を決める
 休日出勤、時間外労働が補償されない
39
EU諸国
 EU諸国では、労働基準法によって制限されているので、
過酷な労働時間で働くということはほとんどない
 無報酬で残業を行うという考え自体が一般的ではない
 EUの職場環境は過労死とはつながらない。
40
フランス
 「週35時間労働」2002年
 目的:総仕事数をよりよく分配
 生産性の拡大
 個々の生活等の重視
 これが過重労働対策になる
 成果:短期での雇用増加
 長期的に政治財政、経済の悪化
41
他国と日本の違い
 他国
 制度が守られているように見えるだけ。
 自己責任で管理
 日本
 労使関係に問題
 国民性
42
先進国について
 なぜ日本以外の先進国では過労死が少ないのか?
 他の先進国
 仕事と休暇のメリハリ
 過労死という言葉がないから日本で過労死という症状と
なっても
 つまり、労働時間など日本とほとんど変わらない
43
44
経済・社会的な原因に対する対策
 残業しなくても、なんともおもわれない職場づくり
 会社も大事にすべきだが、家庭など他のものも大事にす
べき
45
労使関係の改善
 雇用の増加
 仕事を専門的にする
 労働時間の短縮につながる
46
法制度の改善
 諸外国の制度の応用可能性
 フランス「週35時間労働」
 過重労働を抑え、過労死対策につながる
 専門家達の提案の紹介
 精神的改善(ストレスの専門家:大美賀直子)
 アウトプット・バスタイム・インプットの3つをバランスよくとる
47
その他:職場での具体的な施策
 企業側

健康関連
 管理職の方が部下の治療状況、健康状況の確認をする
 高血圧や心臓病といった突然死を引き起こす可能性のある病気
のある人は、就業上の処置をとる
 家族,主治医と連携して体に無理のない仕事、治療できる勤務シ
フトを組むといった配慮

働き方の工夫
 社員の勝手な残業は許さず許可制
48
その他:職場での具体的な施策
 健康管理
 原則は自己管理
 企業は「産業医」「健康診断」等の制度の活用
 働き方
 助け合いと協調性に富んだチームワーク精神
49
50
まとめ
 労災認定の重要性
 過労死における社会認知度の向上
 自己管理・健康管理
 企業内のチームワーク精神
 他国との比較 日本の就業状態は劣悪
51
課題
 ブラック企業の明確性がない
 過労死は減少しているのか
 労災認定の基準ラインの見直し
52
53
参考URL
 トヨタ過労死・内野事件






http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20080211.html
過労死とは。ストップ委員会
http://www.stopkaroshi.net/karoshi/karoshi.html
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E5%8A%B4%E6%AD%
BB
過労死 自死相談センター http://www.karoushi.jp/nintei.html
社会保険サポートオフィス http://www.legal‐
consult.jp/rousai/rousai01.html
過労死 労災補償状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006kgm‐
img/2r98520000006ki4.pdf#search
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