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高齢医学教室専門研修プログラム(2015 年度)

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高齢医学教室専門研修プログラム(2015 年度)
高齢医学教室専門研修プログラム(2015 年度)
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
杏林大学高齢医学教室について
高齢診療科について
研修内容
代表的な疾患と取り組みについて
指導スタッフ
連絡先
1.杏林大学医学部高齢医学教室について
歴史
杏林大学医学部高齢医学教室は、1982 年に前身の成人保健センターが発足し、1989 年高齢医
学教室となりました。2000 年からは鳥羽研二教授、2010 年 10 月からは神﨑恒一教授のもと、老年
病の病態解明および有効な治療とケアの開発を目標に活動しています。
特徴
高齢医学教室は入院病床 35 床の高齢診療科を有しており、高齢者の内科系疾患は何でも診ると
いう姿勢で診療にあたっています。当科は救急外来を介した緊急入院の比率が高い点が特徴で
す。一方、術後合併症の管理やリハビリ、退院支援を目的とした院内転科が多いことも特徴で、総
合機能評価(認知機能、日常生活活動度、気分、意欲、社会的環境などをチームで評価)、老年
症候群(高齢者特有の疾患・症状)、嚥下機能評価、栄養評価・管理、介護・福祉との連携など高
齢者のトータルケアを目指している点で、他の内科と一線を画しています。
外来診療においては、“高齢診療科外来”と“もの忘れセンター”の2部門を有しています。後者
では総合機能評価、MRI、SPECT を用いた画像診断のほか、非薬物的治療法として音楽療法、
運動教室などを導入しています。また、病気の治療だけでなく、いきいきとした生活が送れるように、
患者さん本人と御家族に対して生活指導を行い、相談に乗っています(家族教室)。2012 年 4 月
からは東京都指定の認知症疾患医療センターとして機能しています。そのほか、フレイルの評価
(転倒リスク指標、バランス、歩行機能、筋肉量、筋力などの定量評価を実施)や、動脈硬化外来
(非侵襲的動脈硬化検査で個人の“動脈硬化度”を判定)、脂質異常症外来といった専門外来診
療も行っています。
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高齢医学教室専門研修プログラム
業績(平成 25 年度)
<口演>
1.長谷川浩:認知症を地域でみるとはどういうことか.小金井市認知症治療カンファレンス,小金井,
平成 25 年 4 月 25 日.
2.保田直美1,寺島直樹1,望月 豊1),中島久実子2,大荷満生3,秦 葭哉1(1紘友会三鷹病院,2山梨
学院大学健康栄養学部管理栄養学科, 3杏林大学医学部高齢医学:寝たきり状態より栄養・リハ
ビリ治療で自立を回復した糖尿病患者の一例.第12回多摩NST研究会,武蔵境市,平成25年4月
23日.
3.神﨑恒一:認知症と治療薬の効果.武蔵野市薬剤師会在宅勉強会,武蔵野,平成 25 年 4 月
25 日.
4.松井敏史:アルコールと認知機能障害 第 3 回認知症セミナー.杏林大学医学部付属病院,三鷹,
平成 25 年 5 月 9 日.
5.柴田茂貴,永井久美子,レヴィン ベンジャミン,神﨑 恒一:健常人での前負荷変化時の中心静脈圧と
肺動脈楔入圧の関係. 日本麻酔科学会第 60 回学術集会,札幌,平成 25 年 5 月 23-25 日.
6.大荷満生:シンポジウム7-医学における栄養学の最新研究「高齢者における body
compositional disorders とサルコペニア」.第 67 回日本食糧・栄養学会,名古屋,平成 25 年 5 月
25 日.
7.神﨑恒一:認知症と転倒.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年 6 月 4 日.
8 神﨑恒一:(教育講演)総合機能評価.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年 6
月 5 日.
9.田中政道,須藤紀子,長谷川浩,神﨑恒一:もの忘れセンター通院患者におけるサルコペニア
の実態調査と臨床測定値に関する検討.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年
6 月 5 日.
10 須藤紀子,永井久美子,神﨑恒一:急性期病院入院がん高齢患者の現状-治療法選択と総
合機能評価.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年 6 月 5 日.
11.小林義雄、名古屋恵美子、長谷川浩、神﨑恒一:杏林大学病院の認知症疾患医療センターと
しての役割.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年 6 月 5 日.
12.長谷川浩1,永井久美子1,井上慎一郎1,竹下実希1,長田正史1,里村元1,田中政道1,小原
聡将1,神﨑恒一1,鳥羽研二2(1杏林大学医学部高齢医学,2国立長寿医療研究センター):
中高年女性における背柱矯正・柔軟体操の経年的効果(10 年次報告).第 55 回日本老年医
学会学術集会,大阪,平成 25 年 6 月 5 日.
13.永井久美子、柴田茂貴、須藤紀子、小原聡将、秋下雅弘、鳥羽研二、神﨑恒一:高齢者にお
ける非侵襲的動脈硬化検査法の有用性:組み合わせ診断によるイベント予測能の向上.第 55
回日本老年医学会総会,大阪,2013 年 6 月 5 日.
14.木村紗矢香1,山田如子1,町田綾子1,神﨑恒一1,鳥羽研二2(1杏林大学医学部高齢医学,2
国立長寿医療研究センター):MCI 患者の予後予測のための COGNISTAT の有用性に関す
る検討.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年 6 月 6 日.
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高齢医学教室専門研修プログラム
15.井上慎一郎,佐藤道子,永井久美子,長谷川浩,須藤紀子,神﨑恒一:急性期病院へ入院し
た高齢者の入院時評価と転帰についての検討.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平
成 25 年 6 月 6 日.
16.小柴ひとみ,永井久美子,小林義雄,山田如子,木村紗矢香,須藤紀子,長谷川浩,神﨑恒
一:老年症候群の適切な把握のためのもの忘れ外来予診表の活用.第 55 回日本老年医学
会学術集会,大阪,平成 25 年 6 月 6 日.
17.輪千督高,田中政道,須藤紀子,長谷川浩,神﨑恒一:食思不振を症状に有し緊急入院した
高齢患者の背景因子に関する検討.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年 6
月 6 日.
18.望月諭1,藤井広子1,神﨑恒一2(1康明会ホームケアクリニック,2杏林大学医学部高齢医学):
在宅医療の阻害要因に関する検討.第 55 回日本老年医学会学術集会,大阪,平成 25 年 6
月 6 日.
19.秦葭哉1,中島久実子 2,大荷満生 3,望月豊1,保田直美1,寺島直樹1(1紘友会三鷹病院, 2 山梨学
院大学健康栄養学部管理栄養学科,3 杏林大学医学部高齢医学:自立障害高齢者における自
立度、ADL との関連よりみたサルコペニアの身体計測およびカットオフ値-筋肉喪失の指標と
しての上腕周囲と下腿最大周.第 55 回日本老年医学会総会,大阪,平成 25 年 6 月 6 日.
20.望月豊1,中島久実子2,保田直美1,寺島直樹1,大荷満生 3,秦葭哉1(1紘友会三鷹病院、2 山梨学
院大学健康栄養学部管理栄養学科,3 杏林大学医学部高齢医学:高齢者の自立度ならびに
日常生活度からみたサルコペニア.第 55 回日本老年医学会総会,大阪,平成 25 年 6 月 6 日.
21.松井敏史:アルコールと認知症断酒の効果について.藤沢断酒新生会研修会,藤沢.平成 25 年
6 月 20 日.
22.Toshifumi Matsui: Coexisting silent brain infarctions (and complications) in Alzheimer's disease.
NCGG セミナー/国立長寿医療センター,愛知,6 月 21 日.
23.松井敏史:認知症治療薬の使い方.認知症治療フォーラム in 多摩 2013,立川,平成 25 年 7 月
11 日.
24.松井敏史:高齢化社会とアルコール対策.教育講座・基礎コース②第 35 回アルコール関連問
題学会,岐阜,平成 25 年 7 月 18 日.
25.Shigeki Shibata1, Kumiko Nagai1, Hitomi Koshiba1, Benjamin D. Levine2, Koichi Kozaki1(1
Department of Geriatric Medicine, Kyorin University School of Medicine,2Institute for
Exercise and Environmental Medicine, Texas Health Presbyterian Hospital Dallas and the
University of Texas Southwestern Medical Center):Effects of Long-term Exercise Training on
Central Arterial Stiffness in the Elderly.第 45 回日本動脈硬化学会総会学術集会,東京,平成
25 年 7 月 19 日.
26.神﨑恒一:認知症と転倒.第 24 回認知症を語る会,名古屋,平成 25 年 7 月 25 日.
27.松井敏史:賢いお酒の飲み方講座.第 18 回認知神経科学会イブニングセミナー,東京,平成 25
年 7 月 27 日.
28.神﨑恒一:三鷹市・武蔵野市 認知症連携シートについて.多摩エリア認知症疾患医療センタ
ー連絡会,立川,平成 25 年 7 月 29 日.
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高齢医学教室専門研修プログラム
29.松井敏史:認知症の背景因子-生活習慣病との関連-.三鷹医師会学術講演会,三鷹,平成
25 年 7 月 31 日.
30.神﨑恒一:認知症の診断と治療-大島で認知症高齢者の方を支えるために-.離島医療圏
認知症講演会,大島,平成 25 年 8 月 21 日.
31.神﨑恒一,長谷川浩:三鷹武蔵野認知症連携の取り組み.北多摩南部地域各市医師会認知
症を地域で考える会,武蔵野,平成 25 年 9 月 6 日.
32.高附里江,輪千督高,長田正史,田中政道,長谷川浩,神﨑恒一:多重癌による傍腫瘍性神
経症候群が疑われた一例.第 58 回日本老年医学会関東甲信越地方会,東京,平成 25 年 9
月 14 日.
33.神﨑恒一,金信敬:高齢者の転倒予防ついて.三鷹市老人クラブ連合会講演,三鷹,平成 25
年 9 月 13 日.
34.船曳茜、小原聡将,井上慎一郎,長谷川浩,杉山小百合,宮城島慶,八反丸美喜子,里村元,
松井敏史,神﨑恒一:炎症性疾患に続発した高齢者偽痛風症例の検討.第 58 回日本老年
医学会関東甲信越地方会,東京,平成 25 年 9 月 14 日.
35.宮本孝英、田中政道,長谷川浩,長田正史,輪千督高,小原聡将,高附里江,松井敏史,神
﨑恒一:高齢女性での初発の潰瘍性大腸炎の一例.第 58 回日本老年医学会関東甲信越地
方会,東京,平成 25 年 9 月 14 日.
36.神﨑恒一:認知症診療の地域連携-三鷹市・武蔵野市の取り組み-.日野市認知症の地域
連携を語る会,日野,平成 25 年 9 月 19 日.
37.長谷川浩:小金井市認知症連携シート活用.小金井市認知症研修会,小金井,平成 25 年 9 月
24 日.
38.神﨑恒一:認知症と向き合う.杏林大学文化講演会,羽村,平成 25 年 9 月 21 日.
39.松井敏史:認知症とその対応について.ケアマネージャー向け研修,横浜,平成 25 年 9 月 26 日.
40.松井敏史:認知症医療における病診連携の取り組み.第 2 回仙台認知症セミナー,仙台,平成
25 年 9 月 26 日.
41.長谷川浩:認知症について学ぼう.府中市地域包括にしふ公開講演会,府中,平成 25 年 9 月
26 日.
42.松井敏史:シンポジウム I 「アルコール関連脳障害と認知障害をめぐって」アルコール依存症
の脳画像所見について.アルコール・薬物依存関連学会,岡山,平成 25 年 10 月 3 日.
43.Koichi Kozaki:Gender Difference of Sarcopenia in Cognitive Declined Elderly.9th Congress of
the European Union Geriatric Medicine Society,Venice-Italy,Oct 3.2013.
44.保田直美1,望月 豊1,寺島直樹1,中島久実子2,大荷満生 3,秦 葭哉 1, (1紘友会三鷹病院, 2 山
梨学院大学健康栄養学部管理栄養学科,3 杏林大学医学部高齢医学:高齢者における肥満
サルコペニア Obese sarcopenia の一例.第 35 回日本臨床栄養学会総会,京都,平成 25 年 10
月 4 日.
45.松井敏史:脂質異常症診療から認知症を防ぐためにできること.日本人の認知症を考える 2013
年秋,武蔵野,平成 25 年 10 月 9 日.
46.長谷川浩:「認知症の理解と最近の治療の動向」.認知症見守り支援ヘルパー養成研修, 武
蔵野,平成 25 年 10 月 16 日
4
高齢医学教室専門研修プログラム
47.大荷満生:高脂血症(脂質異常症)の病態と治療.公益財団法人健康・体力づくり事業団指導
者養成部主催平成 25 年度健康運動指導士養成講習会,東京,平成 25 年 10 月 18 日.
48.大荷満生:高尿酸血症の病態と治療.公益財団法人健康・体力づくり事業団指導者養成部主
催平成 25 年度健康運動指導士養成講習会,東京,平成 25 年 10 月 18 日.
49.神﨑恒一:高齢者総合機能評価.日本在宅医学会生涯教育プログラム,東京,平成 25 年 10
月 26 日.
50.神﨑恒一:認知症医療連携~薬剤師に求めること~.西部薬剤師会講演会,東村山,平成 25
年 10 月 27 日.
51.Koichi Kozaki:Team approach for dementia care from the early symptoms to the end of life.4th
International Association of Gerontology and Geriatrics (IAGG)
Master Class on Ageing,Kyoto,Oct 31.2013.
52.長谷川浩:認知症地域連携オレンジプランの骨子、早期支援チームについて.調布市医師会
認知症勉強会,調布,平成 25 年 11 月 5 日.
53.松井敏史1,松下幸生2,木村充2,伊藤満2,神﨑恒一1,樋口進2(1杏林大学医学部高齢医学,
2
国立病院機構久里浜医療センター認知症疾患医療センター):アルコール依存症の脳萎縮
におけるアセトアルデヒド脱水素酵素遺伝子多型の関与.第 32 回日本認知症学会学術集会,
松本,平成 25 年 11 月 8 日.
54.中居龍平,長谷川浩,小林義雄,神﨑恒一:高齢認知症における移動準備動作および準備
量に対する動的脳血流分布の検討.第 32 回日本認知症学会学術集会,松本,平成 25 年 11
月 8 日.
55.名古屋恵美子,長谷川浩,小林義雄,松井敏史,神﨑恒一:杏林大学医学部付属病院認知
症疾患医療センターとしての役割.第 32 回日本認知症学会学術集会,松本,平成 25 年 11
月 8 日.
56.神﨑恒一:生活習慣病と認知症.第 32 回日本認知症学会学術集会,松本,平成 25 年 11 月
10 日.
57.神﨑恒一:総合病院における高齢者医療-老年科医の立場から-.第 4 回首都圏老年精神
医学懇話会,東京,平成 25 年 11 月 15 日.
58.Shigeki Shibata, Jeffrey L Hastings, Shuaib M Abdullah, Michael W Bungo, Steven Platts, Douglas R
Hamilton, Benjamin D Levine. Determinants of Cardiac Loading during Long Duration Spaceflight.
Presented at American Heart Association Meeting, Dallas, Texas, November 15-19, 2013
59.Shigeki Shibata, Naoki Fujimoto, Jeffrey L Hastings, Paul S Bhella, Graeme Carrick-Ranson, Tom
Sarma, Yoshiyuki Okada, Dean Palmer, Kara Boyd, Sheryl Livingston, Benjamin D Levine.
Advanced Glycation End-Product Inhibition with Alagebrium Slows Age-Related Large Vessel
Arterial Stiffening in Healthy Elderly Humans. Presented at American Heart Association Meeting,
Dallas, Texas, November 15-19, 2013
60.Hasegawa H, Cheng HJ, Morimoto A, Little WC, Cheng CP. : Vasopeptidase Inhibitor,
Omapatrilat Enhances Cardiac Positive Inotropic and Lusitropic Responses to Dobutamine
and Exercise in Heart Failure: Assessment by Pressure-Volume Analysis. American Heart
Association's Scientific Sessions 2013 Dallas, Nov 18 2013
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高齢医学教室専門研修プログラム
61.神﨑恒一:(ワークショップ)高齢者支援における総合病院の役割.第 26 回日本総合病院精神
医学会総会,京都,平成 25 年 11 月 30 日.
62.松井敏史:認知症患者の疾患理解とその治療.日精看認知症講義,東京,平成 25 年 12 月 11
日.
63.神﨑恒一:高齢アルコール依存症者の断酒による骨代謝マーカーの変動.第 14 回東京 骨・
カルシウム・ホルモン代謝研究会,東京,平成 25 年 12 月 14 日.
64.神﨑恒一:認知症と転倒・骨折.医療マネージメント講演会~認知症と骨折~,高山,平成 25
年 12 月 20 日.
65.神﨑恒一:認知症の地域連携.物忘れケア研究会学術講演会,京都,平成 26 年 1 月 11 日.
66.神﨑恒一:認知症を知る-認知症のことを正しく理解するために-.国立市市民公開講座,国
立,平成 26 年 2 月 8 日.
67.大荷満生:食事脂肪・脂肪酸組成と炎症プロセスによるメタボリック症候群の制御.第 23 回南大
阪臨床栄養研究会,大阪,平成 26 年 2 月 15 日.
68.長谷川浩:高齢者虐待の特徴と動向.高齢者虐待防止勉強会,三鷹,平成 26 年 2 月 21 日.
69.大荷満生:我が国の介護予防施策の現状と課題.公益財団法人日本スポーツクラブ主催第 10
回上級介護予防運動スペシャリスト養成講習会,東京,平成 25 年 2 月 23 日.
70.神﨑恒一:杏林大学における認知症診療と地域連携の実際.お茶の水老年医学セミナー,東
京,平成 26 年 2 月 25 日.
71.神﨑恒一:認知症に伴う運動器の障害.第 10 回浜松ロコモ研究会,浜松,平成 26 年 3
月
7 日.
72.神﨑恒一:認知症と転倒.第 12 回大阪アルツハイマー病研究会,大阪,平成 26 年 3 月 8 日.
73.長谷川浩:地域に根付く認知症連携.調布市医師会講演会,
調布,平成 26 年 3 月 10 日.
74.長谷川浩:認知症および関連する病態について.三鷹市医師会学術講演会,三鷹,平成 26 年 3
月 12 日.
75.里村元,杉山小百合,宮城島慶,田中政道,長谷川浩,神﨑恒一:意識障害を契機に発見さ
れた粘液水腫性昏睡の 1 例.第 59 回日本老年医学会関東甲信越地方会,千葉,平成 26 年
3 月 15 日.
76.八反丸美喜子,松井敏史,小原聡将,竹下実希,長谷川浩,神﨑恒一:肺 Pseudotumor を認
めた高齢透析患者の 1 例.第 59 回日本老年医学会関東甲信越地方会,千葉,平成 26 年 3
月 15 日.
77.神﨑恒一:認知症と転倒・骨折.広島市東区認知症講演会,広島,平成 26 年 3 月 18 日.
78.神﨑恒一:高齢者の栄養管理.NST 勉強会(講演会),島田,平成 26 年 3 月 24 日.
<論文>(平成 25 年度)
1. 神﨑恒一:サルコペニアと転倒-老年医学の立場から.Bone Joint Nerve 13:83-88,2013.
2. 木村紗矢香,神﨑恒一:1.非薬物療法と啓発運動 4)「もの忘れ教室」の実際とその効果.
Geriatric Medicine 51:31-34,2013.
3. 長谷川浩,神﨑恒一:三鷹市・武蔵野市の取り組み.日本老年医学会雑誌 50:194-196,
2013.
6
高齢医学教室専門研修プログラム
4. 木村紗矢香1),山田如子1),町田綾子1),杉浦彩子2),鳥羽研二2),神﨑恒一1)(1)杏林大学医
学部高齢医学,2)国立長寿医療研究センター):高齢者の耳掃除と高齢者総合的機能評価.
日本老年医学会雑誌 50:264-265,2013.
5. 神﨑恒一:虚弱と老年症候群.日本臨牀 71(6):974-979,2013.
6. Masahiro Akishita1, Shinya Ishii1, Taro Kojima1, Koichi Kozaki2,Masafumi Kuzuya3, Hidenori
Arai4, Hiroyuki Arai5, Masato Eto1,Ryutaro Takahashi6, Hidetoshi Endo7, Shigeo Horie
8
,Kazuhiko Ezawa9, Shuji Kawai9, Yozo Takehisa10, Hiroshi Mikami11,Shogo Takegawa12, Akira
Morita13, Minoru Kamata14, Yasuyoshi Ouchi1,Kenji Toba7(1Department of Geriatric Medicine,
Graduate School of Medicine, The University of Tokyo,2Department of Geriatric Medicine,
Kyorin University School of Medicine,3Department of Geriatric Medicine, Nagoya University
Graduate School of Medicine,4Department of Human Health Sciences, Kyoto University
Graduate School of Medicine,5Department of Geriatric Medicine, Tohoku University Graduate
School of Medicine,6Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology,7
National Center for Geriatrics and Gerontology, 8Department of Urology, Teikyo University
School of Medicine,9Japan Association of Geriatric Health Services Facilities, 10Japan
Association of Medical and Care Facilities, 11Japan Medical Association,12Graduate School of
Humanities and Sociology, The University of Tokyo,
13
Faculty of Law, Gakushuin University,14Institute of Gerontology, The University of Tokyo):
Priorities of Health Care Outcomes for the Elderly.JAMDA 14:479-484,2013.
7. 神﨑恒一:認知症と転倒.Geriatric Medicine Vol.51 No.8:833-838,2013.
8. Kumiko Nagai, Shigeki Shibata, Masahiro Akishita, Noriko Sudoh, Toshimasa Obara, Kenji Toba,
Koichi Kozaki. Efficacy of combined use of three non-invasive atherosclerosis tests to predict
vascular events in the elderly; carotid intima-media thickness, flow-mediated dilation of brachial
artery and pulse wave velocity. Atherosclerosis 231(2): 365-370,2013.
9. Tanaka M, Nagai K, Koshiba H, Sudo N, Obara T, Matsui T, Kozaki K. Weight loss and
homeostatic imbalance of leptin and ghrelin levels in lean geriatric patient. J Am Geriatric Soc
61: 2234-2236,2013.
10.神﨑恒一:サルコペニアの定義と診断法.日本医事新報 №4677:22-26,2013.
11.大荷満生:高トリグリセライド血症の治療-食事療法・運動療法-.日本臨牀 71(9):1630-1635,
2013
12.Masutani S, Cheng HJ, Morimoto A, Hasegawa H, Han QH, Little WC, Cheng CP.
β3-Adrenergic receptor antagonist improves exercise performance in pacing-induced heart
failure. Am J Physiol Heart Circ Physiol.;305:H923-30 2013.
13.Yokoyama A, Yokoyama T, Matsui T, Mizukami T, Kimura M, Matsushita S, et al:Trends in
gastrectomy and ADH1B and ALDH2 genotypes in japanese alcoholic men and their
gene-gastrectomy, gene-gene and gene-age interactions for risk of alcoholism. Alcohol
Alcohol 48: 146-52, 2013.
7
高齢医学教室専門研修プログラム
14.Yokoyama A, Yokoyama T, Matsui T, Mizukami T, Matsushita S, Higuchi S, et al: Alcohol
dehydrogenase-1B genotype (rs1229984) is a strong determinant of the relationship between
body weight and alcohol intake in Japanese alcoholic men. Alcohol Clin Exp Res 37:1123-32,
2013.
15.Yokoyama A, Mizukami T, Matsui T, Yokoyama T, Kimura M, Matsushita S, et al. Genetic
Polymorphisms of Alcohol Dehydrogenase-1B and Aldehyde Dehydrogenase-2 and Liver
Cirrhosis, Chronic Calcific Pancreatitis, Diabetes Mellitus, and Hypertension Among Japanese
Alcoholic Men. Alcohol Clin Exp Res 37: 1391-401, 2013.
16.Yoshimura A, Kimura M, Nakayama H, Matsui T, Okudaira F, Akazawa S, et al. Efficacy of
Disulfiram for the Treatment of Alcohol Dependence Assessed with a Multicenter Randomized
Controlled Trial. Alcohol Clin Exp Res 38: 572-8, 2013.
17.Okada Y, Galbreath MM, Shibata S, Jarvis SS, Bivens TB, Vongpatanasin W, Levine BD, Fu Q.
Morning blood pressure surge is associated with arterial stiffness and sympathetic baroreflex
sensitivity in hypertensive seniors. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2013
Sep;305(6):H793-802
18.Sarma S, Carrick-Ranson G, Fujimoto N, Adams-Huet B, Bhella PS, Hastings JL, Shafer KM,
Shibata S, Boyd K, Palmer D, Szczepaniak EW, Szczepaniak LS, Levine BD. The Effects of
Age and Aerobic Fitness on Myocardial Lipid Content. Circ Cardiovasc Imaging. 2013
Nov;6(6):1048-55
19.Fujimoto N, Okada Y, Shibata S, Best SA, Bivens TB, Levine BD, Fu Q. Effects of sex and
hypertension subtype on haemodynamics and left ventricular diastolic function in older
patients with stage 1 hypertension. J Hypertens. 2013 Nov;31(11):2282-9
20.Fujimoto N, Hastings JL, Carrick-Ranson G, Shafer KM, Shibata S, Bhella PS, Abdullah SM,
Barkley KW, Adams-Huet B, Boyd KN, Livingston SA, Palmer D, Levine BD. Cardiovascular
effects of 1 year of alagebrium and endurance exercise training in healthy older individuals.
Circ Heart Fail. 2013 Nov;6(6):1155-64
21.Nagai K, Shibata S, Akishita M, Sudoh N, Obara T, Toba K, Kozaki K. Efficacy of
combined use of three non-invasive atherosclerosis tests to predict vascular events in the
elderly; carotid intima-media thickness, flow-mediated dilation of brachial artery and pulse
wave velocity. Atherosclerosis. 2013 Dec;231(2):365-70
22.Koji Shibasaki1, Sumito Ogawa1, Shizuru Yamada2, Katsuya Iijima1,Masato Eto1,Koichi Kozaki
2
,Kenji Toba3, Masahiro Akishita1 and Yasuyoshi Ouchi1(1Department of Geriatric Medicine,
Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, 2Department of Geriatric Medicine,
KyorinUniversity School of Medicine, Tokyo, and 3National Center for Geriatrics and
Gerontology, Obu, Japan):Association of decreased sympathetic nervous activity with
mortality of older adults in long-term care.Geriatr Gerontol Int 14.: 159-166, 2014.
23.Jarvis SS, Shibata S, Okada Y, Levine BD, Fu Q. Neural-humoral responses during head-up tilt
in healthy young white and black women. Front Physiol. 2014 Mar 4;5:86
8
高齢医学教室専門研修プログラム
24.Yokoyama A, Yokoyama T, Mizukami T, Matsui T, Kimura M, Matsushita S, et al: Blood
ethanol levels of nonabstinent Japanese alcoholic men in the morning after drinking and their
ADH1B and ALDH2 genotypes. Alcohol Alcohol 49: 31-7, 2014.
25.Yokoyama A, Yokoyama T, Brooks PJ, Mizukami T, Matsui T, Kimura M, et al: Macrocytosis,
Macrocytic Anemia, and Genetic Polymorphisms of Alcohol Dehydrogenase-1B and Aldehyde
Dehydrogenase-2 in Japanese Alcoholic Men. Alcohol Clin Exp Res, Mar 3.,2014.
26. Jarvis SS, Shibata S, Okada Y, Levine BD, Fu Q. Neural-humoral responses during head-up
tilt in healthy young white and black women. Front Physiol. 2014 Mar 4;5:86
27.松井敏史,井上慎一郎,竹下実希,柴田茂貴,小林義雄,長谷川浩,神﨑恒一:高齢者にお
ける誤嚥性肺炎の特徴.日本歯科総論 74(3):111-124,2014.
28.永井久美子,小柴ひとみ,小林義雄,山田如子,須藤紀子,長谷川浩,松井敏史,神﨑恒一:
老年症候群の適切な把握のためのもの忘れセンター予診票の作成に関する検討-予診票の
妥当性と信頼性および回答者による回答率の差異についての検証-.日本老年医学会雑誌
51(2): 161-169,2014.
<著書>(平成 25 年度)
1.神﨑恒一:3 章高齢者の診かたと高齢者総合機能評価 6 認知機能の評価.老年医学系統講
義テキスト.日本老年医学会 編集.東京.西村書店,2013.77-80.
2.神﨑恒一:3 章高齢者の診かたと高齢者総合機能評価 7 うつ傾向の評価.老年医学系統講義
テキスト.日本老年医学会 編集.東京.西村書店,2013.81-83.
3.神﨑恒一:3 章高齢者の診かたと高齢者総合機能評価 8 意欲の評価.老年医学系統講義テキ
スト.日本老年医学会 編集.東京.西村書店,2013.84-86.
4.神﨑恒一:薬剤により歩行障害を来した症例.症例から学ぶ高齢者の安全な薬物療法.秋下雅
弘、葛谷雅文 監修.東京.ライフサイエンス,2013.106-110.
5.宮城島慶,神﨑恒一:超高齢者の高血圧.高血圧診療のすべて.島田和幸,磯部光章 監修,
苅尾七臣,斎藤能彦,長谷部直幸,弓倉整 編集.東京,日本医師会,2013.274-277.
6.松井敏史, 遠山朋海, 美濃部るり子, 櫻井秀樹, 木村充, 松下幸生:アルコールに関連する健
康障害の知見 最近の進歩と今後の展望 認知症. Progress in Medicine 33: 847-55, 2013.
7.松井敏史. 認知症の背景因子-生活習慣病との関連-. 三鷹醫人往来 35:13-9, 2013.
8.松井敏史. 軽度認知機能障害. 横須賀医師会 すこやか通信 10:2013.
9.松井敏史. 飲酒と認知症、神経の病気. In: 樋口 進, editor. お酒による健康・社会問題〜飲
みすぎは健康と人間関係を壊します〜. 2. 東京: 厚生労働研究 わが国における飲酒の実態
把握およびアルコールに関連する生活習慣病とその対策に関する総合的研究; 24-5,2013.
10.神﨑恒一:第 1 章 2 総合機能評価.高齢者総合診療ノート.大庭健三 編集.東京,日本医事
新報社,2014.9-16.
11.望月諭,神﨑恒一:在宅生活を支える医療と介護の連携(家族教育から救急まで).在宅の高
齢者を支える.愛知,公益財団法人長寿科学振興財団,2014.91-96.
12.長谷川浩:入院患者のうつ病・認知症 入院患者の認知症:認知症を疑ったら 所見の取り方と
鑑別の進め方.レジデントノート Vol 15 2411-2417 2013.
9
高齢医学教室専門研修プログラム
13.長谷川浩:認知症診療に対するチーム医療 病診連携 月刊糖尿病 Vol 6 68-72 2014.
14.長谷川浩:第3章高齢者に多い疾患 1神経疾患 2血管性認知症 高齢者総合診療ノート.大
場健三編 日本医事新報社 189-197,2014.
<報告書>平成 25 年度
1. 神﨑恒一:大脳皮質下病変に関連する認知障害および機能障害とアミノ酸トランスポーターの
関与.科学研究費補助金(基盤研究(C))実績報告書.
2. 神﨑恒一:病・診・介護の連携による認知症ケアネットワーク構築に関する研究事業.
厚生労働科学研究費補助金(認知症対策総合研究事業)総括研究報告書.
3. 神﨑恒一:被災地の再生を考慮した在宅医療の構築に関する研究.厚生労働科学研究費補
助金(地域医療基盤開発推進研究事業)分担研究報告書.
4. 神﨑恒一:高齢者在宅医療に関する多職種協働の阻害要因を克服する教育システムの構築
に関する研究.厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業)分担研究報告書.
5. 神﨑恒一:認知症非薬物療法の普及促進による介護負担の軽減を目指した地域包括的ケア
研究.厚生労働科学研究費補助金(認知症対策総合研究事業)分担研究報告書.
6. 神﨑恒一:加齢による運動器への影響に関する研究-サルコペニアに関する包括的検討-.
厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業)分担研究報告書.
7. 神﨑恒一:高齢者の薬物治療の安全性に関する研究.厚生労働科学研究費補助金(長寿科
学総合研究事業)分担研究報告書.
8. 神﨑恒一:日本人における大脳白質病変の老年症候群に及ぼす作用と危険因子の解明に関
する研究.長寿医療研究開発費 分担研究報告書.
9. 神﨑恒一:虚弱の進行に関わる要因に関する研究.長寿医療研究開発費 分担研究報告書.
10.神﨑恒一:在宅医療支援病棟を中心とした地域在宅医療活性化についての検討及び多職種
協働による在宅医療患者への介入の有効性評価について.長寿医療研究開発費 分担研
究報告書.
11.長谷川浩:高齢者の認知機能低下に対する、心機能の向上を介した新規治療概念の構築(副
題:PDEⅢ阻害薬であるプレタールのもつ心拍数増加と強心作用に着目した、高齢者の認
知機能低下に対する新規予防法・治療法の開発).長寿医療研究開発費 分担研究報告
書.
12.長谷川浩:近赤外線スペクトロスコピーを用いた認知症周辺症状の臨床評価.科学研究費補
助金(基盤研究(C))実績報告書
13. 松井敏史:アルコール依存症者の脳画像解析、サントリー委託研究共同研究報告書
東京、
平成 26 年 1 月.
2.高齢診療科について
高齢診療科もしくは老年科、老年病科、老年内科といった高齢者を総合的にみる診療科は全国
の大学病院に 20 ヵ所以上あります。また、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)や東京都
10
高齢医学教室専門研修プログラム
健康長寿医療センター(東京都板橋区)は私たちと同じ機能を有する病院で、高齢者の総合診療
にあたっています。
我々は老年医学と言われる分野を専門とし、高齢者に多くみられる疾患の診断・治療を行い,
高血圧、脂質異常症、動脈硬化といった中高年から高齢者にかけて頻度の高い疾患や認知症、
誤嚥性肺炎といった高齢者特有の疾患の管理を行っています。また、高齢者のプライマリケアや
包括的医療など幅広く行っています。
診療実績(平成 24 年度)
<外来診療>
高齢診療科 年間延べ患者数 7,226 名,
もの忘れセンター 年間新患者数 639 名 年間延べ患者数 4,856 名,
脂質異常症専門外来 年間延べ患者数 1,371 名, 高齢者栄養障害専門外来 年間延べ患者数
48 名, 骨粗鬆症外来 年間延べ患者数 88 名, 胃瘻外来 年間延べ患者数 18 名, 転倒予防外
来 年間延べ患者数 668 名
<入院診療>
新規入院患者数 延べ 342 名
主要疾患患者数(延べ人数)
神経精神疾患 231 名, 呼吸器系疾患 267 名, 循環器系疾患 364 名, 消化器系疾患 199 名,
腎泌尿器系疾患 236 名, 筋骨格系疾患 73 名, 血液系疾患 39 名, 内分泌/代謝系疾患 129
名, その他疾患 188 名, 悪性腫瘍全体 46 名
3.研修内容
研修目標
多病で日常生活能力が低下している高齢者の診療は、臓器専門内科とは異なる視点が必要です。
特に地域で実地診療を行う上で、高齢者医療の実践的技術を身につけることは大切です。また、
大学病院や急性期病院では高齢救急患者の数は増加の途にあるため、急性期医療にも対応で
きなければいけません。そのほか社会的ニーズから、在宅医療や介護や福祉制度、終末期医療
にも精通する必要があるため、我々高齢診療科の医師は“高齢者を診るスペシャリスト”でなけれ
ばなりません。このような視点から、研修目標を箇条書きにすると、
・ 高齢者を総合的に診ることができる。
・ 救急、多臓器疾患に対応できる。
・ 高齢者の精神・神経症状に対処できる。
11
高齢医学教室専門研修プログラム
・ 在宅医療を鑑み、最小限のソースで最大限のアウトカムを提供する技術を身につける(診断学
の重要性)。
・ 高齢社会のニーズに答えられるよう、社会サービス、地域資源の利用など生活に立脚した医
療、福祉を提供するための道筋を示すことができる。
・ 臨床・研究等を通じて、よりよい高齢者診療の形を社会の示すことを目指す。
後期研修への流れ
1) 初期研修を終了した後、3 年目から後期研修を開始します。後期研修 1 年目は主として高齢
診療科で指導医とチームを組んで入院症例を受け持ちます。この間、一般内科的技術の他に、
総合機能評価や退院支援のノウハウを習得するとともに、ケースカンファランス、セミナーなど
を通じて幅広く高齢医学の知識・技能を習得します。また、一人の患者さんを丁寧に診ること
で、患者さんを多角的に診る能力を身に付けます。
2) 1 年間の院内研修終了後は、関連病院でさらに 1 年間程度研修を行います(前期出張)。ここ
では杏林大学病院では学ぶことができない様々な実践的技術を身に付けます。
3) 帰局後、病棟診療スタッフとして医療チームに加わります(杏林大学病院後期臨床プログラム
のホームページ< http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/user/medicine/geriatrics/resident02.html >を
参照)。その際、心不全、肺炎、嚥下障害、敗血症、認知症など高齢者に特に多い疾患につ
いて専門医レベルの診断と治療が出来るように技能を向上させます。また、指導医との間で興
味のある分野について話し合い、認定医・専門医(内科学会、老年医学会、認知症学会、消
化器病学会、循環器学会、動脈硬化学会、リハビリテーション学会、プライマリケア学会、未病
学会等)の取得準備、臨床研究または基礎研究を行い、学位が取得できるよう指導を受けま
す。
4) この後、希望者はさらなる専門研修のため後期出張研修を受けることができます。
5) 学位取得後、希望者には海外留学を推薦します。
学位取得者
平成 17 年
・認知症高齢者に対する嚥下障害のスクリーニング方法の検討:
簡易嚥下誘発試験と反復唾液嚥下テストの比較
・痴呆に対するデイ・ケアの効果及び
任意選択性作業療法の比較検討
平成 18 年
・脳皮質下虚血病変と認知機能、老年症候群に関する研究
-頭部 MRI を用いた検討-
平成 19 年
・患者、家族および医療従事者に対する「高齢者の終末期医療」についての意識調査
平成 20 年
12
高齢医学教室専門研修プログラム
・軽度認知機能障害患者におけるストレス反応性昇圧と N および L 型カルシウム拮抗薬シルニジ
ピンの効果
・もの忘れセンター通院患者における転倒リスクの評価
・認知症に対する個人回想法の効果―心理テストおよび脳機能画像による判定―
研修要項
業務
l 上級医の指導の下に、地域医療および高齢医学の臨床研修を行う。
l 診療行為は自らの責任において行うものであるが、独断的行為は慎む。
l 患者および家族との円満な人間関係の下に、理想的な医療ができるよう努める。
l 患者または家族への病状の説明は、原則として上級医または当直医と一緒に行う。
l 原則 AM8:30~PM5:00 を勤務時間とするが、採血/処置など必要がある場合には早く出勤あ
るいは遅くまで勤務する。
l その他基本的事項は院内研修規定に従う。
病歴
l 院内電子カルテの高齢診療科専用テンプレート内にある、「新入院患者サマリー(word ファイ
ル)」を用いて作成し、サマリーシステムに貼りつける。木曜日の入院症例プレゼンテーション
までに提出する。前日及び当日の急患など間に合わない場合は翌週へ持ち越しとする。
l 退院サマリーは上記で作成したサマリーに加筆修正し完成させる。
退院 5 日以内で主治医に提出し、必ずチェックを受け、修正して期限内に提出する。
行事
l 月曜日 PM7:00 : もの忘れ画像カンファレンス(外来棟 6 階もの忘れセンター)
l 月曜日・水曜日 PM5:00 : 准教授との症例カンファレンス(3-8 病棟カンファレンスルーム)
l 木曜日 PM2:30 : 入院症例プレゼンテーション(3-8 病棟カンファレンスルーム)、終了後教
授回診
l 木曜日 PM6:00 : 抄読会(講義棟 4 階医局)
l 金曜日 AM : 上部内視鏡検査
l その他適宜 : 学会予演会、薬物療法勉強会等
研修病院&留学先
研修病院
東京都健康長寿医療センター、自治医大大宮医療センター、北里大学病院、関東中央病院、国
立国際医療センター、公立昭和病院、三楽病院、国立長寿医療研究センターなど
13
高齢医学教室専門研修プログラム
海外留学先
ハーバード大学老年医学、フリンダース大学(オーストラリア)老年医学、ハワイ大学臨床研究所な
ど
4.代表的な疾患と取り組みについて
代表的な疾患
認知症
65 歳以上人口の約 15%、全国で 462 万人以上の認知症患者がいると推計されています。認知症
になると日常生活をおくることに障害が起こるため、本人および家族を支援する必要があります。
アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体病などが代表的な疾患です。
転倒・骨粗鬆症
1 年間に高齢者の 4 人に 1 人が転倒すると言われています。また、転倒した方の 2~3%は骨折を
起こし、特に大腿骨近位部骨折は寝たきりの原因になります。骨折の原因として骨粗鬆症は重要
であり、大腿骨近位部や脊椎などに骨折を起こし、痛みや歩行障害のため QOL、ADL が低下し、
要介護につながっていきます。
嚥下性肺炎
肺炎は高齢者の友、という言葉があるくらい、高齢者に頻度高く認められます。肺炎は高齢者の
救急疾患のなかでは最も頻度が高く、しばしば致命的になることもあります。市中肺炎、誤嚥性肺
炎、医療・介護関連肺炎(NHCAP)など、いくつかのタイプに分類され、治療法が異なります。
検査及び治療方法
認知症の総合的機能評価と治療
もの忘れセンターでは認知機能、BPSD、日常生活動作(基本的 ADL、手段的 ADL)、うつ、意欲
や介護負担などをルーチンに評価し、MRI や SPECT 等の画像検査と併せて、診断・治療・管理
方針を決めます。アルツハイマー病に対してドネペジル(アリセプト®)、ガランタミン(レミニール®)、
リバスチグミン(リバスタッチ®など)、メマンチン(メマリー®)などを使用するほか、漢方薬や抗血小
板薬、脳循環改善薬なども使います。
転倒評価
杏林大学で開発した「転倒リスク指標」を用いてスクリ-ニングするとともに、歩行・バランス機能を
みるために Up&Go テスト、開眼片足立ち試験、継ぎ足歩行検査、手伸ばし試験、握力、四肢筋
量測定、重心動揺検査などを実施しています。「転倒予防手帳」を用いた生活指導や太極拳など
の運動療法による転倒予防効果の検証などを行っています。
14
高齢医学教室専門研修プログラム
総合動脈硬化検査
従来の脂質異常症や高血圧、糖尿病の評価に加えて動脈硬化の総合診療を行っています。
l 非侵襲的生理検査(頸動脈エコー、脈波伝搬速度、脳 MRI)による動脈硬化の総合診断
嚥下機能評価
脳血管障害や変性疾患、その他の原因により嚥下機能が低下し、誤嚥性肺炎や低栄養に至る患
者さんに対し、最適な栄養摂取方法を検討するため嚥下機能評価を行っています。具体的には
ベッドサイドで行う低侵襲な反復唾液嚥下テスト、改定水飲みテストのほか、食形態別に造影剤を
嚥下する嚥下造影検査(video fluorography)、内視鏡を用いて嚥下の状態を直視下で観察する
video endoscopy などを耳鼻科に依頼して行っています。
5.指導スタッフ
教授 神﨑 恒一(こうざき こういち)
専門分野:老年医学、認知症、動脈硬化
准教授 大荷 満生(おおに みつお)
専門分野:高脂血症を中心とした脂質代謝異常、臨床栄養学、老年医学
准教授 長谷川 浩(はせがわ ひろし)
専門分野:老年医学、老年循環器学、認知症、高齢者救急
准教授 松井 敏史(まつい としふみ)
専門分野:老年医学、認知症、老年症候群、高齢者アルコール依存症
助教 柴田 茂貴(しばた しげき)
専門分野:動脈硬化、循環生理学
助教(病棟医長) 竹下 実希(たけした みき)
専門分野:老年医学
助教(医局長) 井上 慎一郎(いのうえ しんいちろう)
専門分野:老年医学
連絡先
住所:〒181-8611 東京都三鷹市新川 6-20-2 杏林大学医学部付属病院 講義棟 4 階 高齢医学
医局
電話:0422-47-5511 内線 3640
E-mail:[email protected]
担当者:井上慎一郎
15
高齢医学教室専門研修プログラム
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