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拡散に対する安全保障構想 (Proliferation Security Initiative: PSI)

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拡散に対する安全保障構想 (Proliferation Security Initiative: PSI)
拡散に対する安全保障構想
(Proliferation Security Initiative: PSI)
平成25年6月20日
不拡散・科学原子力課
1.PSIとは
● 国際社会の平和と安定に対する脅威である大量破壊兵器・ミサイル及びそれらの関
連物資の拡散を阻止するために、国際法・各国国内法の範囲内で、参加国が共同し
てとりうる移転(transfer)及び輸送(transport)の阻止のための措置を検討・実
践する取組。
● 従来は、各国が自国の領域内において、国内管理、輸出管理等の措置を実施してき
たが、PSIの下では、各国が、自国の領域内に限らず、自国の領域を越える範囲
でも他国と連携して大量破壊兵器等の拡散を阻止する。また、国内においても、法
執行機関、軍・防衛当局、情報機関等、関係機関の間の連携を重視する。
● こうした阻止活動の原則は、政治的文書である「阻止原則宣言」(Statement of
Interdiction Principles)にまとめられ、PSIにおける活動の指針として機能し
ている。
● 平成25年6月現在、日、米、英、伊、オランダ、豪、仏、独、スペイン、ポー
ランド、ポルトガル、シンガポール、カナダ、ノルウェー、ロシア、デンマーク、
トルコ、ギリシャ、ニュージーランド、アルゼンチン、韓国の21か国(注1)
をはじめとする102か国(注2)が、PSIの活動の基本原則や目的に対する
支持を表明し、実質的にPSIの活動に参加・協力している。
(注1)これら21か国は、オペレーション専門家会合(OEG:Operational Experts Group)
に参加している。なお、デンマーク、トルコ、ギリシャ、ニュージーランド、アルゼン
チン、韓国を除いた15か国は、PSI発足後の一定期間、「コア・グループ」として
PSIの発展に中心的な役割を果たした(2005年に廃止。)。
(注2)アジア地域のPSI参加国は、ブルネイ、カンボジア、日本、韓国、モンゴル、フィ
リピン、シンガポール、スリランカ、タイの9ヶ国。平成21年5月に韓国がPSIに
参加(平成22年11月の東京OEGからOEGに参加)、平成24年11月にはタイ
がPSIへの新規参加を表明。
2.PSI発足の経緯
● ブッシュ政権は、北朝鮮、イランをはじめとする、いわゆる拡散懸念国等の大量破
壊兵器・ミサイル開発を強く懸念。2002年12月の「大量破壊兵器と闘う国家
戦略」において、①拡散対抗、②不拡散、③大量破壊兵器使用の結果への対処の包
括的アプローチを提唱。
● 2003年5月31日、ブッシュ大統領は訪問先のポーランド(クラコフ)で、「拡
散に対する安全保障構想(PSI)」を発表。我が国を含む10か国(日、英、伊、
蘭、豪、仏、独、スペイン、ポーランド、ポルトガル)に参加を呼びかけ。
3.PSIの主な活動内容
(1)阻止訓練の精力的な実施
これまで、陸上・海上・航空等、様々な形態の阻止訓練を世界各地域において実施。
その結果、①各国の関係機関による大量破壊兵器等の拡散阻止に関する能力の向上、
1
②各国の法執行機関、軍・防衛当局、情報機関等による相互の連携の強化、③PSI
非参加国によるPSIへの理解の深化等の成果が上がっている。
(2)参加国・協力国の拡大に向けた努力(アウトリーチ活動)
参加各国による連携が鍵となるPSIにおいては、参加国・協力国の範囲を拡大し、
大量破壊兵器等の拡散阻止のための網の目を細かくすることが重要との認識の下、P
SI参加国は、非参加国に対する働きかけ(アウトリーチ活動)を精力的に展開。そ
の結果、現在では合計101カ国が、PSIに対する支持を表明している。
(3)各種会合を通じた活動内容の精査〔別紙2参照〕
PSI発足後、これまで総会(局長級)及び専門家会合(局次長級)を精力的に開
催し、その結果、①PSIが行う阻止活動の基本原則を定める「阻止原則宣言」の採
択(PSIが行う阻止活動が国際法・各国国内法の範囲内で行われることを確認)、
②阻止訓練の効率的な実施計画の策定、③PSIの実施に伴う法的問題の検討の進展
等の成果が上がっている。
4.我が国の取組
我が国は、大量破壊兵器・ミサイル及びそれらの関連物資の移転及び輸送を阻止す
ることは、我が国の安全保障の向上に資するとの考えの下、PSIの活動に積極的に
参加してきているほか、PSIへの理解促進のための取組を行っている。
(1)我が国におけるPSI阻止訓練の主催
2004年10月25-27日、相模湾沖合及び横須賀港内において、我が国とし
て1回目のPSI海上阻止訓練「チーム・サムライ04(Team Samurai 04)」を主
催。同訓練には、我が国のほか、艦船等を参加させた米、豪、仏を含め、21か国が
参加した。
2007年10月13-15日、2回目の我が国主催PSI海上阻止訓練「パシフ
ィック・シールド07(Pacific Shield 07)」を実施。同訓練への参加国は、艦船等
を参加させた米、豪、仏、英、シンガポール、ニュージーランドを含め、40か国と
「チーム・サムライ04」の2倍近くに増加した。訓練を通じ、関係機関の練度向上、
参加国との相互の連携強化、PSI未支持国のPSIへの理解促進に貢献した。
2012年7月3日-5日、我が国として初のPSI航空阻止訓練「パシフィッ
ク・シールド12(Pacific Shield 12)」を主催。同訓練には、我が国のほか、検査
訓練チームを参加させた豪、韓、シンガポールを含め、20ヵ国が参加した。
(2)我が国におけるOEGの主催
2010年11月1-2日、我が国が初めてOEGを主催。今後のPSIの活動の
在り方につき、幅広く議論を実施。韓国がOEGに初参加。
(3)各国主催PSI阻止訓練への積極的な参加〔別紙3参照〕
これまで行われている各国主催PSI阻止訓練のほぼ全てに参加。特に、2003
年の豪州主催海上阻止訓練、2005年のシンガポール主催海上阻止訓練、2006
年の豪主催航空阻止訓練、2008年9月のNZ主催海上阻止訓練、2009年10
月シンガポール主催海上阻止訓練、2010年10月及び2012年9月の韓国主催
海上阻止訓練には、我が国の警察、税関、海上保安庁及び防衛省・自衛隊から艦船、
航空機、検査チーム等の装備・人員を派遣し、訓練の成功に貢献している。
(4)アウトリーチ活動の積極的な展開〔別紙4参照〕
可能な限り多くのアジア諸国が大量破壊兵器等の拡散阻止活動に参加・協力するこ
2
とにより、我が国及びアジア地域全体の安全保障が向上するとの認識の下、アジア諸
国によるPSIへの理解の促進と支持の拡大を目指す働きかけ(アウトリーチ活動)
を積極的に実施。具体的には、アジア不拡散協議(ASTOP)の開催(2003年
11月、2005年2月、2006年2月、2007年1月、2008年4月、20
09年12月、2011年1月、2011年12月、2013年3月)、PSI阻止
訓練の主催(2004年10月及び2007年10月、2012年7月)等の取組。
また、我が国は、PSIのみならず、アジアにおける包括的な不拡散体制の強化を目
的とする種々のアウトリーチ活動を行ってきている。
〔別紙1〕これまでの活動実績(総会については文字囲。訓練については斜字・下線)
【2003年】
5月31日 ブッシュ米大統領がクラコフ(ポーランド)で提唱。
6月12日 第1回総会(於:マドリッド(スペイン))
7月9~10日 第2回総会(於:ブリスベン(豪州))
7月30日 オペレーション専門家会合(於:ヘンロー空軍基地(英国))
9月3~4日 第3回総会(於:パリ(フランス))
9月12~14日 豪主催海上阻止訓練(Pacific Protector)(於:豪州沖)
10月8~9日 英主催航空阻止指揮所訓練(於:ロンドン(英国))
10月9~10日 第4回総会(於:ロンドン(英国))
10月14~17日 スペイン主催海上阻止訓練(Sanso03)(於:地中海)
11月24~28日 仏主催海上阻止訓練(Basilic03)(於:地中海)
12月16~17日 オペレーション専門家会合(於:ワシントン DC(米国))
【2004年】
1月11~17日
2月19日
3月4~5日
3月31日~4月1日
4月13~22日
4月16~17日
4月19~21日
5月31日~6月1日
6月23~24日
8月3~4日
8月5~6日
9月27日~10月1日
10月25~27日
11月8~18日
11月30日~12月2日
米主催海上阻止訓練(Sea Saber)(於:アラビア海)
伊主催航空阻止訓練(Air Brake)(於:シチリア(イタリア))
第5回総会(於:リスボン(ポルトガル))
独主催航空阻止訓練(Hawkeye)
(於:フランクフルト(ドイツ))
伊主催海上阻止訓練(Clever Sentinel)(於:地中海)
オペレーション専門家会合(於:オタワ(カナダ))
ポーランド主催陸上阻止訓練(Safe Borders)
(於:ポーランド)
1周年記念総会(於:クラコフ(ポーランド))
仏主催航空阻止指揮所訓練(ASPE04)(於:パリ(フランス))
コンテナ・セキュリティ・ワークショップ
(於:コペンハーゲン(デンマーク))
オペレーション専門家会合(於:オスロ(ノルウェー))
米主催海上阻止机上訓練(PSI Game)(於:米海軍大学(米国))
我が国主催海上阻止訓練(Team Samurai 04)
(於:相模湾沖合及び横須賀港内)
米主催海上阻止訓練(CHOKE POINT04)(於:キーウエスト(米国))
オペレーション専門家会合(於:シドニー(豪州))
【2005年】
3
3月21~22日
4月8~15日
5月31日~6月2日
6月7~8日
7月6~7日
8月15~19日
9月14~15日
10月3~7日
11月14~18日
11月24~26日
【2006年】
4月4~6日
4月4~5日
4月11~12日
5月24~26日
6月21~22日
6月23日
7月25~26日
9月13~15日
9月25~26日
10月25~31日
12月5日~7日
【2007年】
3月26~28日
4月26~27日
オペレーション専門家会合(於:オマハ(米国))
ポルトガル主催海上阻止訓練(NINFA2005)
(於:リスボン(ポルトガル)及びポルトガル沖合)
チェコ・ポーランド共催陸上阻止訓練
(BOHEMIAN GUARD)(於:オストラバ(チェコ))
スペイン主催航空阻止訓練(BLUE ACTION 05)
(於:西地中海地域及びサラゴサ空軍基地(スペイン))
オペレーション専門家会合
(於:コペンハーゲン(デンマーク))
シンガポール主催海上阻止訓練(DEEP SABRE 2005)
(於:シンガポール及び同周辺海域)
米主催航空貨物輸送に関するワークショップ
(於:ロサンゼルス(米国))
ノルウェー主催机上訓練(PSI Game 2005)
(於:ベルゲン(ノルウェー))
英主催海上阻止訓練(Exploring Themis 05)
(於:各国首都(指揮所訓練:14~16日)
インド洋(実動訓練:17~18日))
独主催欧州地域オペレーション専門家会合
(於:ハンブルク(ドイツ))
豪主催航空阻止訓練(Pacific Protector 06)
(於:ダーウィン(豪州)
オランダ主催海上阻止訓練(Top Port)
(於:ロッテルダム(オランダ))
オペレーション専門家会合(於:マイアミ(米国))
トルコ主催阻止訓練 (Anatolian Sun 2006)
(於:各国首都(指揮所訓練:24~26日)
:アンタリア(実動訓練:25~26日))
仏主催阻止訓練 (Hades 06)
(於:フランス国内)
ハイレベル政策会合(於:ワルシャワ(ポーランド))
オペレーション専門家会合(於:シンガポール)
ポーランド・ロシア・デンマーク共催海上阻止訓練
(Amber Sunrise) (於:バルト海沿岸)
英国主催海運業界ワークショップ(於:ロンドン(英国))
米国主催海上阻止訓練(Leading Edge)
(於:各国首都(指揮所訓練:25~27日)
ペルシャ湾(実動訓練:29~31日))
オペレーション専門家会合(於:モントリオール(カナダ))
オペレーション専門家会合(於:オークランド(NZ))
リトアニア主催(ポーランド、ラトビア及びエストニア共催)航空阻止訓練
(Smart Raven)(於:ビリニュス及びシャウレイ(リトアニア))
4
5 月27~29日
スロベニア主催海上阻止訓練(Adriatic Gate 2007)
(於:コペル港(スロベニア))
6月18~22日 米国主催机上訓練(PSI Game)(於:米海軍大学(米国))
10月2日~4日
オペレーション専門家会合(於:ロードス島(ギリシャ))
10月13~15日 我が国主催海上阻止訓練(Pacific Shield 07)
(於:伊豆大島東方海域、横須賀港、横浜港)
10月29日~31日 ウクライナ、ポーランド共催複合阻止訓練(Eastern Shield 07)
(於:オデッサ(ウクライナ))
【2008年】
2月4~6日
3月10~12日
5月12~14日
5月28~29日
9月12~19日
9月25~26日
オペレーション専門家会合(於:ロンドン(英国))
仏・ジブチ共催海上阻止訓練(GUISTIR)(於:ジブチ港(ジブチ))
クロアチア主催海上阻止訓練(Adriatic Shield 08)
(於:リエカ(クロアチア))
米国主催PSI5 周年記念会合(於:ワシントン(米国))
NZ主催海上阻止訓練(Maru)(於:オークランド(NZ))
オペレーション専門家会合(於:パリ(仏))
【2009年】
5月25~26日
オペレーション専門家会合(西半球地域オペレーション専門家会
合と同時開催)(於:マイアミ(米国))
6月22~24日 ポーランド主催地域オペレーション専門家会合(ROEG)
(於:ソポト(ポーランド))
9月15~17日 米豪共催PSIワークショップ(於:シドニー(豪州))
10月27~30日 シンガポール主催海上阻止訓練(DEEP SABRE II)(於:シン
ガポール及び同周辺海域)
【2010年】
1月25~28日
9月14~16日
10月14~15日
10月28~29日
11月1~2日
【2011年】
6月7~10日
11月8~9日
【2012年】
2月3日
3月7~8日
7月3~5日
米国及びUAE共催海上阻止訓練(Leading Edge 2010)(於:
アブダビ(UAE))
豪主催地域オペレーション専門家会合(ROEG)及び豪主催航空
阻止訓練(Pacific Protector 10)(於:ケアンズ(豪))
韓国主催海上阻止訓練(Eastern Endeavor 10)(於:プサン
(韓国))
韓国主催PSIワークショップ(於:プサン(韓国))
オペレーション専門家会合(於:東京)
米国主催PSI阻止活動に不可欠な能力(CCP)及び
地域オペレーション専門家会合(ROEG)(於:ホノルル(米))
ドイツ主催オペレーション専門家会合(於:ベルリン(独))
米国主催PSIワークショップ(於:バンコク(タイ))
ドイツ主催PSIワークショップ(於:エシュボーン(独))
我が国主催航空阻止訓練(Pacific Shield 12)
(於:北海道札幌市、千歳市(新千歳空港、航空自衛隊千歳基地))
5
7月11~12日 ポーランド主催阻止活動に不可欠な能力(CCP)ワークショッ
プ(於:ワルシャワ(ポーランド))
9月24~25日 韓国主催オペレーション専門家会合(OEG)(於:ソウル(韓国))
9月26~27日 韓国主催海上阻止訓練(Eastern Endeavor 12)(於:プサン(韓
国))
【2013年】
2月3~7日
5月28日
5月29日
米国及びUAE共催阻止訓練(Leading Edge 2013)(於:アブ
ダビ(UAE))
ポーランド主催PSI10 周年記念会合(ハイレベル政治会合)
(於:ワルシャワ(ポーランド))
ポーランド主催オペレーション専門家会合(於:ワルシャワ(ポ
ーランド)) ※10 周年記念会合の一環として実施
〔別紙2〕過去の総会における合意事項
(1)第1回マドリッド総会(2003年6月12日)
● 全参加国が、積極的に本イニシアティブを推進していくことを確認。
● PSIの総会(Plenary)の下に、オペレーション専門家会合及びインテリジェンス専
門家会合を設置。
(2)第2回ブリスベン総会(2003年7月9~10日)
● 参加国が、現行の法的枠組みの範囲内での拡散阻止のための措置を実施することに
つき原則一致。
● 全参加国が、阻止訓練の概念及び訓練をできる限り早期に行うことにつき原則一致。
(3)第3回パリ総会(2003年9月3~4日)
● 阻止原則宣言
P S I の 目 的 や 阻 止 の た め の 原 則 を 述 べ た 「 阻 止 原 則 宣 言 ( Statement of
Interdiction Principles)」を採択。各参加国が大量破壊兵器等の拡散懸念国家及び
非国家主体への拡散を阻止するための努力を個別または共同で行うことにつき一致。
● 議長サマリー要旨
不拡散の懸念を共有する全ての国がPSIを支持することを期待し、アウトリーチ
活動を行う。
PSI参加国は情報共有を含む実際的行動につき検討し、能力向上とPSI実施の
条件を試行することを目的とする、海、空及び陸における阻止訓練の実施について
了解。
(4)第4回ロンドン総会(2003年10月9~10日)
● 既に50か国以上の国が阻止原則宣言への支持を表明していることが確認された。
● アウトリーチに関する地域的取組が奨励され、日本と豪のアジア諸国に対するアウ
トリーチ活動が歓迎された。
● PSIはグローバルな取組であることが再度確認され、「組織」ではなく「活動」
であることが強調された。
● 阻止原則宣言を支持し、かつ効果的な貢献を行うことのできる国・国際機関には、
PSIへの参加が開かれているべきである旨合意。
6
● PSIの活動は、全ての拡散懸念国及び非国家主体が対象であることを確認。
(5)第5回リスボン総会(2004年3月4―5日)
● 新たにシンガポール、ノルウェー、カナダが参加。
● ブッシュ米大統領によるPSI強化の提案(2月11日、米国防大学における演説)
を支持。法執行を含む活動の強化により、拡散阻止のための協力を強化することに
合意。
● アウトリーチ活動の進展を高く評価。日本がアジアにおいて、ポーランドが東欧な
どにおいて行っている「地域別アウトリーチ」や、米が行っている便宜置籍国との
乗船協定締結などの「機能別アウトリーチ」の継続が奨励された。
● 今後、阻止訓練が多くの参加国によって主催されることを奨励。
● 阻止原則宣言に沿って阻止活動を行うにあたって必要となる法制の整備を参加国が
行うことを奨励。
● 次回はポーランドのクラコフで、PSIを支持する全ての国が出席して1周年記念
総会が催されることにつき了解。
(6)クラコフ一周年記念総会(2004年5月31―6月1日)
● ポーランドがPSI発足1周年を記念して、従来のPSIメンバー国(コアグルー
プ国)以外でPSIを支持する国も招待した記念総会を開催したもの。
● ロシアが新たに参加することが決定。
● 総会には計61か国(欧州41か国、中東アフリカ8か国、アジア太平洋5か国、
南米5か国、北米2か国)及び2国際機関(EU及びNATO)が参加。
● 我が国からは田中大臣政務官(当時)を団長とする代表団が参加し、同大臣政務官
より演説を行い、参加各国等から高い評価を受けた。
● 議長国ポーランドより、1周年を迎えたPSIの更なる強化、国内法・国際法との
整合性確保、安保理決議1540への言及、及びアウトリーチ努力の継続等につい
て方向性を明らかにする議長声明が発出された。
(7)ワルシャワ・ハイレベル政策会合(2006年6月23日)
● ポーランドが、PSI発足3周年を機に、PSI支持国全てを招待して開催した全体
会合。PSI支持国のうち65か国より、外務副大臣、次官、局長、大使等ハイレベ
ルが参加。
● 我が国よりは、中根軍縮不拡散・科学部長を首席代表に、外務省・防衛庁・海上保安
庁の3省庁が参加。
● これまで精力的に実施してきた阻止訓練から得られた教訓や、
支持国拡大のためのア
ウトリーチ活動の成果等について議論が行われ、
参加国間で共通の認識が共有される
とともに、今後ともかかる努力を継続していく意思が確認された。
● 議長(ポーランド)が、同会合での議論を総括した議長声明を発出。
(8)米国主催PSI5周年記念会合(2008年5月28-29日)
● 5年間のPSIの成果の総括、今後の発展に向けた政治的コミットメントの確認、
さらなる支持の拡大等を目的に開催。
● PSI参加国の数が90か国を突破。88か国の代表が会合に出席。我が国からは、
佐々江外務審議官を首席代表とし、外務省・防衛省が参加。
● 安保理決議1540や北朝鮮、イランに関する累次の安保理決議の着実な実施、S
UA条約2005年議定書の批准促進、アウトリーチの推進等を含む各国の政治的
コミットメントをまとめたものとして「ワシントン宣言」を発出。
● アウトリーチ会合には、中国、韓国、インド、パキスタン、メキシコを含む21の
7
PSI未支持国が参加。
(9)ポーランド主催PSI10周年記念会合(2013年5月28日-29日)
● 10年間のPSIの成果を総括し、今後更にPSIの活動を発展させていくための
足掛かりとするための強い政治的コミットメントを得ること等を目的に開催。
● 全102ヵ国のPSI参加国のうち、72ヵ国の代表が会合に出席。我が国からは、
廣瀨軍縮不拡散・科学部審議官を首席代表に、外務省・防衛省・海上保安庁の3省
庁が参加。
● 多くの国が、PSI関連イベントの活発な開催の重要性につき強調し、具体的な行
動をとることを約束。また、PSIの自発的かつ柔軟な性質を強調し、各参加国が
PSIへの貢献を継続し、各国ごとの状況に応じ阻止活動をとるべきであると指摘。
更に、大量破壊兵器拡散に懸念を有する全ての国がPSI阻止原則宣言を支持すべ
きであるとの認識を共有。
〔別紙3〕各国主催PSI阻止訓練への我が国の参加態様
実働訓練への装備・人員派遣
(1)2003年9月 豪主催海上阻止訓練(Pacific Protector)
海上保安庁巡視船
(2)2005年8月 シンガポール主催海上阻止訓練(DEEP SABRE 2005)
海上保安庁巡視船、海上自衛隊護衛艦・航空機
(3)2006年4月 豪主催航空阻止訓練(Pacific Protector 06)
警察庁・警視庁及び税関職員特別チーム
(4)2008年9月 NZ 主催海上阻止訓練(Maru)
警察・税関貨物検査チーム、海上自衛隊航空機
(5)2009年10月 シンガポール主催海上阻止訓練(Deep Sabre II)
警察・税関貨物検査チーム、海上自衛隊護衛艦・航空機
(6)2010年10月 韓国主催海上阻止訓練(Eastern Endeavor 10)
海上自衛隊護衛艦(搭載ヘリ含む)
(7)2012年9月 韓国主催海上阻止訓練(Eastern Endeavor 12)
海上自衛隊護衛艦(搭載ヘリ含む)・航空機
机上・指揮所訓練への参加
2004年9月 米主催海上阻止机上訓練(PSI Game)
2005年10月 ノルウェー主催机上訓練(PSI Game 05)
2005年11月 英主催海上阻止訓練(Exploring Themis 05)指揮所訓練
2006年10月 米主催海上阻止訓練(Leading Edge)指揮所訓練
2007年6月 米主催机上訓練(PSI Game)
2010年1月 米及びUAE共催海上阻止訓練(Leading Edge 2010)机上訓練
2012年9月 韓国主催海上阻止訓練(Eastern Endeavor 12)机上訓練
そのほか、ほぼすべての訓練にオブザーバーを派遣。
〔別紙4〕アジア諸国に対する不拡散アウトリーチ活動の例
アジア不拡散協議(Asian Senior-level Talks on Non-Proliferation: ASTOP)
8
ASEAN10カ国、中、韓、そしてアジア地域の安全保障に共通の利益を持つ米、豪の局
長級の不拡散政策担当者が一堂に会し、アジアにおける不拡散体制の強化に関する諸問題につ
いて議論を行う協議。
アジア輸出管理セミナー(Asian Export Control Seminar)
1993年より、外務省と経済産業省の委託事業として、(財)安全保障貿易情報セン
ター(CISTEC)の主催で、アジア諸国・地域における輸出管理の重要性についての
共通理解を深めることを主要な目的として毎年東京で開催。
(了)
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