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A 生物とその環境

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A 生物とその環境
A−3(1)
モ ンシロ チョウの飼育
①モン シロチョウの卵の飼育方法につ いて教えてください。
・卵はキャベツやダイコン,コマツナ等,アブラナ科の植物に産み付けられていますので,卵の付い
た葉を採集します。
・卵は乾燥しすぎるとふ化しないので,ふ化するまではポリエチレン製密閉容器のような飼育ケース
に入れておきます。
②モン シロチョウの幼虫を飼育す るときの留意点を教えてください。
・野外から採取した幼虫は,コマユバチやヤドリバエに寄生されている場合が多いので,卵の段階か
ら育てた方がうまく飼育できます。
・飼育ケースは直射日光の当たらない涼しい場所に置き,個体群密度は1つのケース当たり数匹程度
の割合で飼うようにします。
・飼育ケースとふたの間には,寄生バチの侵入を防ぐために,ガーゼか網のようなものを挟みます。
・飼育ケースの中にはティッシュペーパーを敷き,常に清潔にしておきます。
・エサは新鮮なものをあげ,幼虫は筆にのせてそっと移すようにします。
③モ ンシ ロチョウのさなぎの飼育方法につい て教えてく ださい。ま た,羽化の観察す るためのポイントを
教えてください。
・飼育ケースのまわりにティッシュペーパーを挟んでさなぎを入れておきます。羽化までの日数は,
生育環境(エサの量,温度,個体群密度等)に影響されるので,あ
くまで目安ですが,ふ化後23日前後になります。
・羽化を観察するポイントですが,いよいよ最終脱皮の時期が近
付いたら冷蔵庫に入れておき,観察の20分くらい前に蛍光灯で
温めてやると,羽化の様子を見ることができます。
A−5(1)
植物の発芽と成長
①種を植えてもその時期(教科書の挿絵)に発芽しなかったり,成長の進み具合が悪い年があったりし
て, きち んと育つ か不安になることがあります。
・種を植えてもすべてをうまく発芽させることは困難です。水分・温度・酸素・光等の環境要因とも
かかわり,さらにたとえ条件が整っている場合でも発芽しない種もあるからです。
・東京書籍の内容は,主に関東地方に合わせていますので,宮城県で学
習する場合,時期が合わないことに注意しなければなりません。
・教科書の挿絵はあくまでたくさん撮影した中のベストショットと言え
るものですから,すべてが教科書通りに育つとは限りません。
・植物を育てる場合には,それぞれの環境に応じた手だてを講じておく
と同時に,児童がうまく育たなかったときのフォローをしっかりとっ
ておく必要があります。
A−5(2) メダカの飼育
①メダカの飼育方法を教えてください。
・水深が10cm以上ある容器(水槽)に砂利や石を2∼3cm程度敷き,1日以上くみ置きしておいた水を
入れます。これに水草を入れて水槽内の環境を整えます。
・水が汚れてきたら,全部の水を入れ替えないようにし,半分程度入れ替えるようにします。
・エサは,1日2回程度,5分以内ですぐ食べ尽くしてしまうくらいの量を与えます。エサの与え過
ぎは水質の悪化を招きますので,食べ残したエサは網ですくっておきます。
・他の魚とは一緒に飼育しないようにします。
・水温を18℃∼25℃に保ち,直射日光が当たらない場所に置きます。
②メダカの殖やし方を 教えてください。
・産卵後は卵の付いた水草を別の容器に移して飼育します。
・冬場に産卵させる場合には,水槽内にヒーターとサーモス
タットを入れ,水温を23℃前後にします。また,蛍光灯を
用いて昼の時間を13時間ぐらいにすると冬でも産卵させる
ことができます。
・産卵が近いというサインである「追尾行動」が見られるよ
うになったら,1日程度雄と雌を分けて飼い,その後一緒
の水槽に入れると20∼30分後に産卵するので,産卵の様子
を児童に観察させることができます。
A−5(3)
ヨウ素デンプン反応
①ヨウ素液でデン プン反応を見るときに青紫色ではなく ,黒っぽく 反応してしま います。
・ヨウ素液の濃度が大きすぎると,青紫色に見えず,黒っぽくなってしまいます。逆に濃度が小さす
ぎると反応に時間がかかったり,反応が見られなかったりすることもありますので,予備実験で確
かめておくようにします。
・ヨウ素液は光の影響を受けやすいので,褐色のビンに保存します。あまりにも古いヨウ素液は反応
しなくなっている可能性がありますので,事前の確認が必要になります。
②葉をエタノールで抽出し,デンプ ン反応を見る実験で,うま く色素を抽出できないときがあります。
・エタノールで抽出する方法では,材料として葉が厚いものを使用すると,色素が出にくいことがあ
ります。ですから,例えばヒメジオンやハルジオン,ハーブ,アサガオ等,比較的やわらかい葉を
選ぶようにするとよいでしょう。
・採取してきた葉をお湯に入れて少し緑色になるまで煮ます。その後,葉をエタノールの入ったビー
カーに入れて湯せんすると色素が落ちやすくなります。このとき,葉はパリパリにかたくなってい
ますので,取り出すときに形がくずれないように注意します。
A−全(1)
顕微鏡の使い方
①顕微鏡の使い方でどんな点に留意すればよいでしょうか?
・鏡筒内にゴミが入らないように,はじめに接眼レンズを鏡筒にはめ
込みます。
・対物レンズの装着が緩んでいると,高倍率にしたときにプレパラー
トにぶつかってしまうので,対物レンズの緩みがないようにしっか
り締めます。
・回転しぼりのある顕微鏡の場合,はじめに大きな穴のところでカチ
ッと止めるようにします。しぼりの穴が正しい位置になっていない
と真っ暗で何も見えなくなります。
・最初は低倍率で観察し,目的とする像を探します。このとき,反射
鏡は平面鏡にしておきます。
・ピントを合わせるときは,両手で調節ネジを回すようにします。片
手で回すと調節ネジが緩んでしまうことがあるからです。
②顕微鏡観察で高倍率にピントを合わせるコ ツを教えてく ださ い。
高倍率にするときには,対象物を視野の中央に置き,低倍率でピントを合わせた状態で,レボルバ
ーを回すだけです。微調整は必要ですが ,児童でも簡単に高倍率にピントを合わせることができます 。
③顕微鏡観察でのトラブ ル解消法を教えてください。
ア)ピントが合わない場合
・鏡筒が衝突防止装置(ギミック)につかえて作動距離(対物レンズの先端から試料までの距離)
まで達していない場合があります。ギミックとは対物レンズとプレパラートが安易に衝突するの
を避けるためのストッパーの役目を果たすものです。ギミックのネジをドライバーで調節し,作
動距離を短くできるようにします。
・レンズが汚れていることがありますので,アルコールを湿らせたガーゼで拭き取ります。
イ)最初はピントが合っていたのにだんだん合わなくなる場合
・調節ネジが緩んでいるのが原因として考えられます。調節ネジのゆるみは,両手で調節ネジを逆
方向にねじって締め付けると改善されます。
ウ)視野が真っ暗で見えない場合
・回転しぼりの場合,しぼりの位置が正しい位置になっていないことが考えられます。しぼりを回
転させて一番大きな穴のところでカチッと止めます。
・レボルバーが途中で止まっていることもありますので,正しい位置になるようにレボルバーを回
してカチッと止めます。
・反射鏡がずれているかもしれません。反射鏡の角度を変えて光を取り入れます。
④レンズの汚れの落とし方はどうす ればよいのでしょうか?
ゴム球で風を送り,ゴミを払い落とします。ゴミがとれないときは,レンズ専用のガーゼかレンズ
ペーパーに蒸留水をしみ込ませ ,軽く拭き取ります 。その後 ,乾いたガーゼで水気を取っておきます 。
それでも落ちないときには,レンズが乾燥していることを確かめてから,エーテルとエタノールの混
合液(7:3)をガーゼに浸して拭き,すぐに乾いたガーゼでしっかり拭き取ります。
A−全(2)
生物の観察記録
①生物の観察記録をさせる際の留意点は何でしょうか?
観察記録は文章だけでなく,イラストや表,グラフを多く取り入れてまとめ,正確で分かりやすい
ものがよいでしょう。児童には具体的な観察項目を意識させながら観察させる等,事前に観察のポイ
ントをはっきりと示した上で活動に入ることが大切です。
② 顕 微鏡 を使った観察 記録 でス ケッチするこ との 利点 は何 でし ょうか?
顕微鏡写真は焦点深度から一平面を写したものにすぎませんが,スケッチはピントを移動させて観
察した印象を一つの図にまとめ合わせて表現することができるという利点があります。近くを描いて
から遠くにピントを合わせて描き足していくようにします。
③海の生き物に ついて,写真を使ってマップに まとめ たいのです が,陸上の生き物のようにきれいに撮
影するのは難しいようです。撮影のコツがあれば教えてください。
海の生き物は海中から出すと,形態や色等が変化してしまい,長時間観察することはできません。
写真に記録する場合には,海水が入った小さめの水槽に入れて,水槽のガラス越し,または上から撮
影するとよいでしょう。
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