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沖縄総合事務局管内におけるヒアリング結果概要 沖縄地域の地域活性化に関するヒアリング結果(第2回) 平成18年2月28日 沖 縄 総 合 事 務 局 1.地域産業の発展支援 (1)域外市場産業 ◇ 観光関連産業 美しい海と豊かな自然、沖縄独自の歴史、文化等魅力ある地域特性を生かし た、国際的な海洋性リゾート地の形成や国民の総合的な健康保養の場の形成、 エコツーリズム、グリーンツーリズム等の体験・滞在型観光の推進、さらには コンベンション拠点の形成など、多様なニーズに対応した通年・滞在型の質の 高い観光・リゾート地の形成を図る必要がある。 ① これからの観光のキーワードは「少子化」「高齢化」「国際化」の三点であ る。観光地として今ある資産を活かしてどう商品化(ブランド化)していくか、 観光拠点とものづくりをどうコラボレートしていくかが課題である。 ② 観光産業も安売り合戦では生き残れず、一次産業や二次産業との連携は必須。 ③ 地域にこだわりを持つ事が大切である。自然は存在するだけでは何も生まな い。エコツーリズムやグリーンツーリズムの発想は、そこから生まれた。 ④ 今後は2007年問題(団塊の世代の引退)を、どうビジネスチャンスにできるか ということが課題となる。 ⑤ 民家への宿泊要望が多くよせられており、今後のグリーンツーリズムの受け皿 として有望である。しかし、管理という面や法律に抵触しないかどうかという面 も含めて行政側(県も市町村も)に対応する窓口が必要である。 ⑥ ターゲットを60歳∼65歳の年齢層に絞り医療と介護をテーマとした定住型のリ ゾートを計画している(フロリダのサンシティがモデル)。介護の世話になる前 段階の人々のアンチエイジングが狙いである。 ⑦ リタイヤメント組は質の高い商品なら買ってくれるし、知恵も持ってくるため 地域の産業への派生効果も大きい。 ⑧ 観光サービス業では、従業員のホスピタリティのレベルが重要な要素であり、 就労者の定着率の向上と人材育成が最大の関心事である。 ⑨ 1千万の観光客を誘客するには、今の施設、サービス内容では不足。ホテルや エンターティメント、ゲーミングも含めたメニューの準備が必要である。 ◇ 食品関連産業 亜熱帯性気候等の優位性を生かした活力ある産地を形成し、健康長寿や観 光・リゾート地にふさわしい高品質で安心できる商品を安定的に供給するた めには、技術の高度化、地域ブランドの確立による商品の高付加価値化など を図る必要がある。一方で、県産品素材原料の不足が生じるなどが課題とな っているため、農業との連携等が重要となってくる。 36 沖縄総合事務局管内におけるヒアリング結果概要 ① 県外で認知される商品になるために、地域のニーズを把握し地域内の産物との 組み合わせによって「ここにしかないもの」という商品開発が求められる。 ② レンタカーの普及により、観光客は「それを売っているところへ行く」行動を 取る傾向にある。質の高いものづくりをして地域の人々に評判を得られれば、お のずと観光客の足はそこへ向かう。 ③ ブランド化には、顧客が理解できる「トレサビリティー」「ストーリー」が求 められる。また、「こだわり」を持ち、意識して出口を見て努力すること。 ④ 飲食料品を調達するホテルやレストランの立場からは、安定的に供給され、安 全性が確保され、市場が感動する商品が欲しい。 ⑤ 東村では新たな産業の展開が民間ベースで活発に起こっている。一つの例とし て村内で事業を営んでいる「ハーブ園」がある。当初はハーブそのものの生産・ 販売であったが、最近では、ハーブの化粧品や石鹸なども製造・販売している。 ◇ 情報通信産業 沖縄県における情報通信産業の持続的な発展のためには、コールセンターを はじめとする情報サービス産業の拡大・高度化・コンテンツ産業、ソフトウェ ア産業の一層の集積が必要である。 ① コールセンター、コンテンツ、ソフト系については確実に伸びる。去年、一昨 年の実績である30∼40%増より多少は鈍化するであろうが成長する。 ② システム開発のスキルをもった人材は少ないが、沖縄のレベルも上がりつつあ る。最終的には、ITの知識だけではなく生産管理、業務管理の知識も必要。 ③ 県内にIT関連企業を誘致しているが、金融、証券等の高度な知識やノウハウ のあるコールセンターを増やすことが課題である。 ④ 株式会社CSKの業務内容は、開発、コールセンター、教育事業であり、IT 系、金融系の顧客データシステムの開発等を行っている。コールセンターの現場 から顧客データシステムのニーズがあり、ソフトを開発した経緯もあり、コール センター系とシステム系を連携していきたい。 ⑤ ソフト開発では、中国、インド、アメリカは仕様書どおりの業務しか行わない が、日本人は仕様書の不備な部分を自主的に補って機能を増やす等の細かい配慮 をする。海外ではこのような仕事は契約の追加になり最終的に価格が変わらなく なるため沖縄での開発が見直されてきている。 ⑥ メンテナンスが伴うような長く携われる業務をしていきたい。また、プログラ ミングだけではなくシステム開発にも展開し、守備範囲を広げる。 ◇ その他域外市場産業 首都圏及び東南アジアの中間に位置する地理的優位性を活かし、特別自由貿 易地域制度などを活用した加工交易型の産業振興を図る必要がある。 (事例:石材加工業) 37 沖縄総合事務局管内におけるヒアリング結果概要 ① 中国で一番品質のいい御影石が産出する福建省に、石材加工工場を立地した。 福建省は沖縄に近く、県内企業が開設した航路(福建省∼沖縄、本土)を活用し て生産コストと物流コストの低減を図っている。 ② 墓石の石組工法で特許を取得。倒壊しない実績が競争力強化に直結している。 ③ 海外事業展開における、人材確保、人材教育、品質管理体制確立等のリソース をコーディネートする機能の活用により、安心して、短期で、スムーズに事業展 開が図れる場合もあるものと思われる。部分的にはジェトロの情報提供、専門家 派遣等などあるかもしれないが、トータル的なスキームとして必要である。 (事例:建築・土木資材等製造・販売業) ① 取扱商品が建築・土木資材であるが、本土大手では扱わない少量注文の定形外 製品、いわゆるニッチの分野で強みを発揮し、本土での好評である。さらに、自 社開発製品も好評である。 ② 中国の工場ではロットの小さい人手の係る商品を中心に製造し、県内含め、本 土へ販売している。一方、ロットの大きい製品は県内で大量生産をしている。 (事例:琉球ガラス製造業) ① 沖縄産の琉球ガラスと区別をするために、ベトナム産については「南蛮ビード ロ」の品名で販売。陶器に比べてガラスは普遍性があり、沖縄の手作り工芸をア ジアに供給するためにベトナムに進出した。 ② 沖縄県内の生産体制は小規模で、ロットの多い生産要望に応えられなかった が、ベトナムで生産するようになって対応できるようになり、沖縄における事業 規模が大きくなった。 ③ ヨーロッパの企業と業務提携によるアジア戦略を考えたい。県内の泡盛業界と 連携して泡盛のビンを作っている実績がある。 (2)域内市場産業 既成市街地における都市機能の更新、空洞化しつつある中心市街地を駐留軍 用地跡地利用と一体的に開発を行い、土地の有効高度利用、ハード、ソフト施 策の連携による交通渋滞の緩和、電線類地中化、バリヤフリーの推進による歩 行者空間の整備など良好な住環境整備に努め、中心市街地の活性化を図る。 ① まちづくり3法改正後、小売業各社は戦略をかえてくる。これからは3万から 4万㎡の広さの大型店舗はできないので、1万㎡未満の近隣型食料品スーパーを 展開する。この規模の店舗の展開場所はたくさんあると考えている。 ② 過去に返還された那覇市の新都心や北谷町の駐留軍用地跡地は消費経済地域と して発展している。浦添市の西側の展開は、港湾の背後地にあたることから、生 産手段のもてる地域にしたい。 38