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要旨 - 国土交通省
高梁市発表資料要旨 高梁市の歴史的風致は伝統行事が歴史的町並みに溶け込んで醸し出ており、そうした伝 統的な行事や歴史を学ぶソフト事業を絡めながら、歴まち計画を進めています。 ○高梁のキーワードは、天守が現存する全国 12 城のうち唯一山城である備中松山城です。 そして、伝統的行事である備中神楽、県下三大踊りである備中松山踊り、渡り拍子、銅と ベンガラにより栄えた吹屋の町並み、また特産品としてピオーネ、ゆべし、鮎料理、これ らを高梁のキーワードとして、まちづくりに取り組んでいます。 ○高梁市は合併し、面積が 547 平方キロと県下 4 番目の市域を有しており、県の真ん中に 位置する中山間地域です。人口は現在、34,000 人を切ったところであり、人口の減少に悩 んでいます。また、四年制の吉備国際大学は一時期 4,000 人の学生がおりましたが、今は 2,500 人であり、学生のまちとしても、歴史のまちとしても、まちづくりを考えていかなけ ればなりません。 ○備中松山城は、国の重文であり、標高 430 メートルに位置しております。備中神楽は国 の重要無形文化財に指定されています。渡り拍子は 1,000 年頃から行われていたと言われ ており、今もなお受け継がれています。盆踊りの備中松山踊りは、1,600 年代、城主の水谷 (みずのや)公が庶民に踊りをということで、始まったと伝えられています。武士の踊り と町人の踊りの 2 種類の踊りがあり、誰もが気楽に踊れ、366 年続いています。 ○高梁市は伝統的な建物ではなく、人々の伝統的な活動が歴史的な町並みに溶け込んで醸 し出す風情ということで、歴まち計画の認定を受けています。 ○歴まち計画では、備中松山城の城下町である市街地、昭和 52 年に重伝建の指定を受けた 吹屋地区の 2 地区を重点地区としています。ハード事業としては、市街地については、城 下町の風情を今の歴史に溶け込ませつつ、残していこうと住民の皆さんとお話をし、でき ることから取り組むよう進めております。吹屋地区については、昨年の 3 月に閉校しまし たが、明治 33 年に建てられ、111 年間使用された旧吹屋小学校の保存修理等の事業を考え ています。 ○これまでの成果ですが、市街地において一定の条件に沿って、町並み保存に協力いただ ける方に最大75%の補助をしているところです。これにより県最古の基督教会の修復等 の事業を行っています。 ○最後の城主であった板倉家の別邸として建てられ、また、越後長岡藩から河井継之助が、 山田方谷に教えを請いに訪れた際に宿泊した旧備中松山藩御茶屋を復元いたしました。現 在は一般の方に開放し、当時を偲んでいただいているところです。 ○吹屋地区では道路の景観整備を進めております。これは元々県道でありましたが、伝建 地区を外し、バイパスを整備いたしましたので、県の事業として景観整備を進めていただ いていますが、引き続き、市も 1,500 メートルの整備を進めているところです。 ○高梁の歴史を知っていただくため、高梁歴史いろは塾を開催しております。歴史的な町 並みを散策したり、講座を開いたりしています。吹屋の町並みを散策したり、高梁基督教 会堂を 2 度訪れた新島襄の手紙を読み解くといった講座を開催しています。 ○吹屋地区は、平成 24 年度に国土交通省の都市景観大賞「都市空間部門」大賞をいただき ました。地域の皆さんがハード、ソフトを含め歴史的風致を守ってきている。このことが 評価されての受賞であり、たいへん栄誉なことでございます。 ○景観計画策定に向け、ワークショップ等を開催しております。もちろん、そのなかには 子ども達にもしっかり参加していただいております。子どもの時から歴史というものを知 らなければならない。また、まちづくりというのはこうして進めていく、皆で一緒につく っていくものであると教えなければなりません。 ○高梁市でも他の都市と同様に、空き地、空き家が増加しています。この空き地、空き家 をどのようにしていくか。歴史的町並みにコンクリートの家屋が建てられたり、また駐車 場となり、町並みの連続性が失われています。景観法とあわせながら住民の皆さんにご理 解いただきながら修復をしていく、また町並みを整えていく事業を行っていきたいと考え ています。