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機器・制御部門(2007年3月期 アニュアルレポート-事業編)

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機器・制御部門(2007年3月期 アニュアルレポート-事業編)
機器・制御部門
機器・制御部門は中核事業会社の富士電機機器制御
(株)
をはじめと
する国内6社、海外9社の合計15社の連結子会社で構成されており、
富士電機グループの中で売上高の約20%を占めています。
当部門は、
「FA Component & System Technology for the Best」
を使命として掲げ、工場のFAラインやインテリジェントビルなどの
運転や安全を支える業界トップレベルのコンポーネント機器を取り
揃え、お客様に最適なシステム提案や製品カスタマイズからリ
ニューアルまで、充実したサービスサポートを提供し、社会に貢献
していきます。
富士電機機器制御株式会社
取締役社長
白倉 三l
売上高構成比率
事業セグメント責任者からのメッセージ
19.5%
2006年度の業績概況
07.3
テム商談の獲得に努めました。また海
当部門全体の売上高は、前年度比
外では、販売・サービス・製造体制の強
6.2%増の1,939億円、営業利益は同
化ならびにグローバル製品の拡販や
46.7%増の116億円となり、売上高
業種別展開の強化などにより大きく
営業利益率は前年から+1.7ポイント
伸長しました。営業利益については、
改善し6.0%となりました。
素材価格高騰による影響を受けたも
売上高は、国内では、当部門を取り
営業利益構成比率
25.5%
07.3
売上高/売上高営業利益率
のの、設計仕様・素材の変更、購買や
巻く市場が、旺盛な民間設備投資を背
販売面での対策施策を推進し、また、
景として前年度同様好調を持続する
ムダ取り、機種統廃合などのトータ
なか、工作機械メーカーや自動車関連
ルコストダウンを進め、さらに売上
などの好調業種への拡販に注力する
高増加の効果などにより大幅増益と
とともに、省エネ、環境分野でのシス
なりました。
設備投資額
研究開発費
(億円)
(%)
2,500
10
100
50
8
80
40
6
60
2,000
1,825
1,939
2,000
6.0
6.0
(億円)
(億円)
45
37
40
65
1,500
4
40
500
2
20
0
0
0
1,000
4.3
06.3
07.3
08.3
(見通し)
■ 売上高 ● 売上高営業利益率
30
53
40
30
20
10
06.3
07.3
08.3
(見通し)
0
06.3
07.3
08.3
(見通し)
2007年度の方針
2007 年度は国内の経済指標や民
間設備投資、海外諸国の成長率は総
じて拡大基調を持続するものの、伸
び率自体は鈍化するものと予測され
ています。また、不安要因として、輸
出の一服感や、IT関連の在庫調整、ア
メリカ・アジアの経済成長鈍化の懸
念、原材料価格の高止まりなどがあ
りますが、そのような状況変化にも
常に対応できるよう、以下のことに
取り組んでいきます。
国内では、新商品の計画通りの投
入と拡販、システム商談の強化、自動
車関連や工作機械などの好調業種へ
の営業活動の強化、業種別プロジェ
クトの展開、グループ会社との協業
の推進により、売上の拡大を図りま
す。海外ではグローバル対応新商品
の拡販、北米地区での当社独自の販
売体制の立上げ、中国での日系企業
へのアプローチ強化などを図り、一
層の売上拡大につなげていきます。
昨年度後半より、国内の営業体制を
顧客・業種別体制に変更するととも
に、生産拠点を海外に移管するお客
様へのサポート体制を整えるなど体
制面での変更を実施してきており、
これらの施策を拡販につなげていき
ます。
経営基盤強化については、機種統
廃 合 の 継 続 推 進 、Q C M( ク オ リ
ティ・チェイン・マネジメント)活動
の継続的な取り組みによるムダ取り
の推進、不良対策コスト撲滅、棚卸
資産の適正化、環境対策のさらなる
推進、などを積極的に進め高収益体
質の構築に努めます。また、2007年
3月に完了したインバータの開発生
産拠点の統合効果も確実に抽出して
いきます。
31
サブセグメント別概況
器具分野
電磁開閉器
2006 年度の事業環境と業績、
重点的な取り組み
電磁開閉器のリーディングカンパニーとして、国
内外に向けて各種規格を取得した多彩なライン
ナップを展開しています。
低圧遮断器(G-Twinシリーズ)
2007年度の方針
器具分野では、グローバル製品の
積極展開に注力します。国内は好調
器具分野は、国内では民間設備投
業種に対する重点拡販に加え、戦略
資が堅調に推移するなか、当社の主
機種であるAS-i機器の重点業種への
要顧客である工作機械メーカーを始
展開、エネルギー監視機器の省エネ
めとする好調業種に注力し、電磁開
ソリューションによるエンドユー
閉器、低圧遮断器などの主要製品を
ザー向け拡販に注力します。基幹機
中心に拡販に努めるとともに、エネ
種 で は 、低 圧 遮 断 器 、コ マ ン ド ス
ルギー監視ユニットなど、省エネを
イッチでのグローバル対応新商品の
切り口にしたシステム商談の展開を
展開を推進していきます。海外では、
図りました。海外では、CCC
(中国強
中国での代理店網、生産拠点の整備
制商品認証制度)認証取得品などグ
にも注力し、海外生産・海外販売を含
ローバル製品を充実させ、日系企業
めて売上拡大に繋げていきます。
への拡販強化、海外生産・海外販売の
また、引き続き、機種統廃合の推
拡大などに取り組みました。その結
進、トータルコストダウンの推進、
果、中国を中心に売上高は大きく伸
品質力強化による不良対策コスト削
長しました。
減などの体質強化に取り組んでいき
営業損益は、銀、銅などの素材価
ま す 。こ れ ら の 取 り 組 み に よ り 、
格高騰の影響を大きく受けました
2007 年度も売上の拡大を図るとと
が、機種統廃合やムダ取り活動など
もに、利益体質の強化を進めていき
によるトータルコストダウンの推
ます。
進、売上高の増加による効果などに
より前年度を上回りました。
大型投資としては、開発力の向上
をねらいとして、吹上地区で短絡試
一台で世界主要規格へ適合する小形で高性能な
125∼800アンペアフレームのブレーカ・漏電遮断
器です。
32
験装置の更新を行いました。また、
駆動制御分野
2006 年度の事業環境と業績、
重点的な取り組み
駆動制御分野は、国内では、自動
主力製品である国内シェアNo.1の電
車関連・工作機械メーカー向けなど
磁開閉器が、1954年の生産開始以来
当部門の主要顧客が好調に推移しま
50余年を経て累積生産台数2億5千万
した。海外では中国、欧州などでク
台を達成することができました。
レーン、搬送向けなどが好調に推移
しました。この様な環境の中、イン
中国での事業拡大を推進します。ま
バータでは高性能・多機能形イン
た、プログラマブル操作表示器につ
バータFRENIC-MEGAシリーズを発
いて、事業を連結子会社である発紘
売、サーボシステムでは、業界最高ク
電機
(石川県)
に集約し事業強化を図
ラスの制御性能を備えたALPHA5シ
るとともに、新商品投入による拡販
リーズを発売し、拡販を図りました。
に取り組みます。販売面では、国内
プログラマブルコントローラはサー
は、インバータとサーボシステムで
ボシステムなどを組み合せたシステ
ターゲット業種への強力展開、サー
ム商談を推進し、プログラマブル操
ボシステムとプログラマブルコント
作表示器も国内外での拡販に努めま
ローラとの組み合せによるモーショ
した。この結果、当分野の売上高、営
ンコントロールなどシステム商談の
業利益ともに前年度を大きく上回り
拡大を図ります。海外では、中国、ア
ました。
ジアを重点地域とし、インバータで
体制面では、9月に、中国大連地区
は空調、搬送、クレーン業界などを
における回転機生産拠点の損益改善
強化、サーボシステムでは工作機械
と事業基盤強化のため、富士電機馬
分野への拡販を推進するとともに、
達
(大連)
社と大連富士馬達社を合併
営業マンの技術力を強化し、システ
しました。また、インバータ事業に
ム商談の取り込みを推進します。
ついて、海外展開の一層の強化を図
駆動制御分野は、これらの施策を
るため、2007年3月にGE社との協業
展開することで、2007年度も売上、
を解消しました。また、国内の開発
利益の拡大ならびにシェアアップを
生産拠点について、開発力強化、生
図ります。
インバータ(FRENIC-MEGAシリーズ)
高性能・多機能形インバータ FRENIC-MEGA シ
リーズは、
「あらゆる設備への対応」を追及した業
界最高峰の機種です。
プログラマブルコントローラ
産性向上、業務効率改善を目的とし
て、国内2拠点体制を鈴鹿地区の1拠
点に集約し2007年3月に移転統合が
完了しました。
複雑・高度化する機械装置制御の要求に応える、高
2007年度の方針
速演算と多彩なネットワーク、PLCの枠を超えた
統合コントローラです。
駆動制御分野では、物量拡大と製
販の再構築に注力します。
インバータ事業では、GE 社との
協業解消に伴い、北米地区での販
売・生産面での整備を図るとともに、
33
研究開発
2006年度の代表製品の成果
研究開発方針
2006年度は、①海外規格対応のグ
強い事業体質の構築のためには、
継続した業界トップの製品開発とグ
ローバル製品、②省エネルギー関連
ローバル製品の拡充、このための研
機器およびシステム、③製品系列強
究・開発のスピードアップがますます
化を行いました。
器具分野では、新 JIS/IEC 、GB 、
重要となっています。この課題に効
率的に取り組むため、技術開発テー
UL の各規格認証を 1 台で取得した
マを
「製品の特長であり強みとするコ
2
グローバル MCCB * 1 /ELCB *「
G-
ア技術」
および
「コア技術のベースと
Twin シリーズ」、従来品と互換性が
なる技術(テクノロジープラット
あり IEC 規格対応の ELCB などを開
フォーム)
」
の2面から捉え、それぞれ
発しました。
駆動制御分野では、グローバル製
について強化・推進していきます。
コア技術としては、
「グローバル製
品として必須なEMC(電磁両立性)
品開発のための規格対応技術」
「電力
フィルタおよび高調波抑制リアクト
遮断・開閉の高性能化、高精度化技
ルを内蔵した高性能・多機能イン
術」
「モータ駆動を最適化する電力変
バータ「FRENIC-MEGA シリーズ」、
換・制御の高速化、高性能化技術」
「シ
タクトタイムの短縮、高速かつ高精
ステムへの柔軟な適用を可能とする
度な位置決めが可能なグローバル対
C言語、冗長化、多軸モーションコン
応サーボシステム「ALPHA5 シリー
トロール技術」
などに取り組みます。
ズ」
などを開発しました。
ま た 、テ ク ノ ロ ジ ー プ ラ ッ ト
またコントローラ分野では、多軸
フォームとしては、
「ノイズ抑制、熱
機械の高速同期モーション制御が可
冷却、小型化技術」
「寿命診断、遠隔メ
能なCPUモジュール「SPH300EX」、
ンテナンス技術」
「高速CPUやプログ
冗長化機能を付加したCPUモジュー
ラミング言語技術」
「Ethernetをはじ
を開発しました。
ル
「SPH2000」
めとしたネットワーク対応技術」
「シ
ステム統合支援技術」などの整備を
*1 MCCB:配線用遮断器
*2 E L C B:漏電遮断器
進めます。
代表製品の技術開発ロードマップ
操作表示機器
2006
2007
2008
2009
2010
新型Global低圧遮断器G-Twin
新型大容量遮断器
新型Global電磁開閉器、直流操作電磁開閉器
新型大容量電磁開閉器
新型φ16押釦スイッチ
新型φ22、φ30押釦スイッチ
電力監視機器/器具ネットワーク
電力監視機器のネットワーク対応
受配電・制御機器の盤システム化対応
インバータ
FRENIC-MX FRENIC-VGX
FRENIC-MEGA
ALPHA5、中容量ALPHA5
新型FRENIC-Mini
400V入力ALPHA5
小型・中慣性モータ
超低慣性モータ
C言語対応CPU
高速CPU、高速バスシステム
高速モーションシステム、計装システム
多軸モーションコントローラ
表示器一体型コントローラ
高速モーションコントローラ
低圧受配電機器
開閉制御機器
サーボシステム
コントローラ
34
新型FRENIC-Multi
大容量ALPHA5
インバータ事業の強化・拡大施策
インバータ事業の市場動向
国内生産拠点の集約
インバータ市場
(容量:0.1∼75kW)
神戸及び鈴鹿に分散していた開
は、国内700億円強(JEMA統計)、世
発・生産・品質保証機能を10億円の投
界では約 5,000 億円( ARC 調査)と
資を行い鈴鹿に集約しました。この
なっており、市場はBRICsなどの新
目的は、分散していた技術者を集約
興国を主体に、年率8%成長と見られ
することで業務の効率化、新製品開
ています。
発力および品質のさらなる向上を図
るとともに、国内外への技術支援も
インバータ事業の戦略
強化していくことにあります。2007
富士電機機器制御は、1996年より
年度は、昨年発売をした高性能汎用
続いていたGE(米ゼネラル・エレク
インバータFRENIC‐MEGA および
トリック)との生産提携を2007 年3
Multi、Eco、Lift、Miniなどの拡販体制
月に解消しました。この解消の狙い
を強化していきます。さらに、日本
は、新興国の経済成長と省エネニー
の工場(鈴鹿)をマザー工場とし、海
ズによるインバータ需要の急増に対
外拠点との連携を強化するととも
し、自社単独で機動的に対応できる
に、各地区の販売拠点との連携によ
体制を作ることにあります。これに
り、製販一体の世界規模でのビフォ
より現在約8% の世界シェアを短期
ア・アフターサービース網を構築し
的には10% に引き上げ, 将来的には
ていきます。
北米および欧州で生産拠点を設立
し、現状の鈴鹿工場(日本)、無錫工
海外での事業拡大に向けた施策
場(中国)と合わせ 4 拠点で開発・生
中国市場は、政府のインフラ整備、
産・品質保証まで一貫した顧客サ
省エネ推進なども加わり今後も大き
ポートを実現し、世界シェア15%を
な伸張が期待できる市場であり、無
狙い、スイスのABBやドイツのシー
錫工場では2007 年度に生産能力を
メンスと同等の世界No.1グループの
拡大し、現在の8,000台から15,000
インバータメーカーを目指します。
台体制とする計画です。
インバータ鈴鹿地区:新試験棟(2006年10月完成)
無錫工場(中国)
35
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