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ポロネーズは - WordPress.com
ポロネーズは、マズルカ同様、ショパンの作曲したピアノ曲によって、広く親しまれている。ショ パンがポーランド出身の作曲家だったことからもあきらかなように、ポロネーズもマズルカもポーラ ンドの舞曲である。ただ、同じポーランドの舞曲であっても、ショパンの残した作品に即していえば、 マズルカにはひなびた、寂しげな気配のある音楽によっているものが多く、ポロネーズは、もともと が結婚式や歓迎式典で荘重に踊られていた宮廷舞曲だったこともあって、堂々とした、華やかな音楽 によっているものが多い。ショパンの作曲した、あの「英雄ポロネーズ」などは、その意味でポロネ ーズという舞曲の性格を端的に示している。 そういったこともあって、ポロネーズといわれると、真っ先にショパンの作品を思い起こしてしま う。しかし、今回のプログラムできいていただくのはショパンのポロネーズではなく、チャイコフス キーの作曲したポロネーズである。しかも、このチャイコフスキーのポロネーズは独立した作品では なくて、オペラ「エフゲニー・オネーギン」の中で、オーケストラによって演奏されるポロネーズで ある。 ポロネーズがもともと、結婚式や歓迎式典等で荘重に踊られていた宮廷舞曲だったということがあ らかじめわかっていると、たとえ「エフゲニー・オネーギン」というオペラの内容を知らなくとも、 この音楽がどのような情景で演奏されるのかを想像できる。事実、このチャイコフスキーのポロネー ズは、さる貴族の館で催されている舞踏会の場面で演奏される。華やかな音楽が、そのことを如実に ものがたっている。 *WINDS