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第2学年1組 外国語活動学習指導案及び実践の考察
第2学年1組 外国語活動学習指導案及び実践の考察 平 成 2 0 年 11 月 2 0 日 指導者 1 単元名 2 単元の目標 教諭 第5校時 和田 哲哉 色と形であそぼう ○ ” W h a t d o y o u w a n t ? ” “ A ( c o l o r )( s h a p e ) , P l e a s e . ” と い う 表 現 を 使 っ て 相 手 に 欲 し い も の を 尋 ね た り ,欲 し い も の を 答 え た り し よ う と す る 。 ○ 色や形の英語の表現を用いることができる。 ○ 英語に興味を持ち,ゲームなどの活動を通してコミュニケーションが とれた喜びをもつ。 3 児童の実態(男子11名,女子11名,計22名) 好奇心旺盛で,新しい学習を楽しみにしている児童が多い。英語活動も多く の児童が楽しみにしている。英語活動についてアンケートを実施した。 質問項目 英語の授業は好きです とても好き 16 か。 英語の授業は楽しいで あまり好きで 3 とても楽しい 楽しい 13 6 たくさんある まあまあある すか。 話せるようになった英 好き 11 語がありますか。 8 もっと英語を話せるよ と て も な り た うになりたいですか。 い なりたい 14 8 はない 3 あまり楽しく 好きではな い 楽しくない 3 ない 少しある 0 ほとんどな 3 い あまりなりた くない 0 0 0 なりたくな い 0 この結果をみると,多くの児童が英語活動を好み,楽しんでいることが分か る。英語の音声や基本的な表現に関心をもっている児童がほとんどで,もっと できるようになりたいという意欲も高い。 自由記述の「知っている英語の言葉や文を書いてください」を見ると,色や 形 の 単 語 ,“I’m so-so.”な ど の 短 い 表 現 を 書 い て い た 。ほ と ん ど の 児 童 が 1 0 個 以上書いており,積極的に英語活動に取り組んでいることが分かる。 児童は休み時間には教室にある英語カードで問題を出し合って遊んだ り ,” H e r e y o u a r e . ” ” T h a n k y o u . ” と い う よ う な や り と り を 自 発 的 に 用 い た り し ている。英語の音声や基本的な表現に慣れ親しんでいる様子がうかがえる。 ま た ,休 み 時 間 に A LT と 関 わ っ た り 一 緒 に 給 食 を 食 べ た り す る こ と も と て も - 25 - 楽 し み に し て い る 。 A LT の J a s o n 先 生 と の 活 動 時 に は , 「 Jason の 口 に な ろ う 」 を合言葉に一生懸命英語の発音を真似している。 4 研修内容を受けて (1)児童が興味をもてるテーマや単語の設定(アー②) 低学年の英語活動の時間は限られている。学んだ英語表現に児童が慣れ親し むためには,取り上げる表現を焦点化していく必要がある。 その表現は児童が興味をもてるよう,簡単で,身近かつ日常的に使用できる ものがふさわしいと考える。そこで今年度は「もののやりとり」に関する表現 に絞る。そこでは日常よく目にする色や形,動物などを取り上げる。 (2)クラスルームイングリッシュの活用(イ―⑥) “How are you?” “I’m~ .”や “Are you ready?”な ど , こ れ ま で 授 業 中 に 使 っ た 表現を朝の会や帰りの会,授業中など様々な場面で取り上げている。 また,学校生活の中で日常的に簡単な英語のやりとりができそうなもの,例 え ば 配 布 物 の 受 け 渡 し の 際 の や り と り「 ど う ぞ 。」 「 あ り が と う 。」と い っ た も の を 授 業 で “ H e r e y o u a r e . ” “ T h a n k y o u . ” “ Yo u ’ r e w e l c o m e . ” と い う よ う に 取 り 上 げてきた。児童はそのような英語のやりとりを楽しみ,配布物の場面はもちろ ん,何かを手渡す場面でもそれを用いようとする姿が見られる。 (3)話したり聞いたりする必要感のある活動の設定(イ―①) 授 業 で 取 り 上 げ た 表 現 は ,そ れ を 用 い て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン す る 場 が な い と , 使おうとする意欲や態度の高まりが期待できない。本単元では,学習した表現 を使ったやりとりがゴールに到達するために必要となる活動を取り入れる。 様々な色や形を組み合わせて動物を完成させていくが,必要な形を入手する過 程に英語でのやり取りが必要な場を設定することで,児童は一生懸命覚えた表 現 を 話 し た り 聞 い た り す る と 考 え ら れ る 。動 物 を 作 る と い う ゴ ー ル が あ る た め , やりとりが上手くいき形を入手できた際の達成感は大きい。この繰り返しが英 語でコミュニケーションを図ろうとする態度を育て,今後の意欲にもつながる だろう。 5 単元の計画(全5時間 間) 時間 1 ALT と の 授 業 3 時 間 + H RT の み の 授 業 2 時 主 な Activity 主な使用表現・単語 ◎色 伝言ゲーム ○動物 2 ◎形 指導者 HRT ALT ○色 ○動物 ○ “Here you are.” “Thank you.” - 26 - リレーゲーム HRT カード取りゲーム ALT “ Yo u ’ r e w e l c o m e . ” 3 4 ○形 ○色 ◎色と形の組み合わせ Around the world ゲ ー ム HRT ○ “ W h a t ’s t h i s ? ” “ I t ’s a ~ . ” 絵 本 『 Color farm』 ALT ○形 ○色 ○色と形の組み合わせ Around the world ゲ ー ム HRT ◎ “What do you want?” 絵 本 『 Color farm』 絵 本 『 Color zoo』 “A yellow circle, please.” 5 本時 ○形 ○色 ○色と形の組み合わせ Around the world ゲ ー ム ◎ “What do you want?” 動物づくり 絵 本 『 Color zoo』 “A yellow circle, please.” 6 HRT 本時の授業について(全5時間/本時5時間目) (1)本時のねらい ○ 動 物 を 作 る 活 動 を 通 し て , “What do you want?” “A (color) (shape) , please.”の や り と り に よ り 形 の カ ー ド を 集 め , 積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョンを楽しむ。 (2)本時の構想 本 時 で は , 様 々 な 色 と 形 の カ ー ド を 集 め て , 絵 本 『 Color zoo』 と 同 じ 動 物 を作る活動を行う。動物を作る活動では,英語の表現を用いてやりとりをす る こ と を 条 件 に す る 。 児 童 は “What do you want?” “A (color) ( s h a p e ) , p l e a s e . ” の や り と り を 繰 り 返 し , 形 の カ ー ド を 集 め る 。児 童 は 自 分 が 英語を話すことで必要なカードを入手し,動物を完成させることができる。 話 し た 英 語 が 通 じ た 結 果 が 形 と し て も 残 る こ と で ,「 話 せ た ! 」「 通 じ た ! 」 と い う 喜 び を 強 く 実 感 で き る だ ろ う 。こ の 喜 び を 味 わ う こ と が ,さ ら に 積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を し よ う と い う 意 欲 に つ な が る と 考 え る 。英 語 を 話 し た 結 果 が 動 物 と し て 形 に 残 る こ と は ,教 師 に と っ て 児 童 の 学 習 の 成 果 を み とる手段にもなる。 ま た 本 時 の 歌 ,チ ャ ン ツ ,ゲ ー ム は 前 時 の 学 習 で も 取 り 上 げ て い る 。低 学 年 ゆ え ,4 5 分 で 一 つ の セ ン テ ン ス を 扱 っ た り 毎 回 新 し い 活 動 を 取 り 入 れ た り す る よ り も ,一 つ の セ ン テ ン ス や そ れ を 取 り 上 げ る 活 動 を 繰 り 返 し 行 っ た 方が児童はより学んだ英語表現に慣れ親しむと考える。 (3)本時の展開 過程 学習活動 ◇指導上の留意点 ◆評価の観点 Greeting (2分) ・HRTとあいさつをする。 ・準備 ◇HRTとあいさつをし T : Good afternoon. た 後 ,個 別 に 指 名 し H R C : Good afternoon. Tとあいさつをする。 - 27 - T : How are you? ◇ 大 き な 声 ,ジ ェ ス チ ャ ー C : I’m great/fine/so-so/sick. を褒める。 ・ペアであいさつをする。 C 1 : How are you? C 2 : I’m great/fine/so-so/sick. Wa r m - u p (5分) ・ C D に 合 わ せ て “ I s e e a s t a r. ” を 歌 ◇CDをかける う。 ・ C D “ I s e e a s t a r. ” T : L e t ’s s i n g “ I s e e a s t a r. ” ◇事前に教室各所に形の together! カードを貼っておく。 ・形のカード ・ 形 の カ ー ド を 指 さ し な が ら ,“I see a s t a r. ” を 歌 う 。 ◆歌詞にあった形を指さ して歌えているか。 T:P o i n t t o t h e s h a p e , a n d s i n g “ I s e e a s t a r. ” ◇CDの歌詞とは違う形 ・教師が見せるカードの形に歌詞を 変 え て “ I s e e a s t a r. ” を 歌 う 。 のカードを提示する。 ・ C D “ I s e e a s t a r. ” ( カ ラオケ) Review (5分) ・ 食 べ 物 の を 形 に 変 え て “What do you want?”チ ャ ン ツ を 行 う 。 ♪ What do you want? What do you want? What do you want? ♪ Heart. Heart. A red heart ◇様々な形と色のカード を示しながら行う。 ・色と形のカード ◆ 楽 し み な が ら ,大 き な 声 を出しているか。 please. Activity1 ( 10 分 ) ・ “Around the world”ゲ ー ム の 仕 方 を説明し,質問役を決める。 ”Around the world” ゲーム ◇前の活動で声が出てい た児童を質問役に選ぶ。 ・ い す ×6 ・ “ A r o u n d t h e w o r l d ” ゲ ー ム を 行 う 。 ・色 と 形 の カ ー ド( 掲 示 用 ) C 1 : What do you want? C 2 : A blue triangle, please! ・ 色 と 形 の カ ー ド( 配 布 用 人数分) C 1 & 2 : 1,2,3!( ジ ャ ン ケ ン ) ◇待つ児童が多くなって ( 勝 つ と 形 の カ ー ド が も ら え る 。) い る コ ー ナ ー へ 行 き ,教 C 1 : Here you are. C 2 : Thank you. 師も質問役となる。 ◇質問がうまくできない C 1 : Yo u ’ r e w e l c o m e . - 28 - 児童には支援を行う。 (6枚カードを集め,ゴールしたら 質 問 役 と 交 代 す る 。) ◆やりとりに慣れ楽しく 話したり聞いたりして いるか。 Activity2 ・ 絵 本 『 Color zoo』 を 見 な が ら , 色 ( 20 分 ) と形を言う。 動物づくり T : W h a t ’s t h i s ? C : I t ’s a p u r p l e c i r c l e . ・活動の説明を聞き,準備をする。 T「英語で欲しいものを聞いたり 欲しいものを伝えたりしなが ◇ 人 形 を 用 意 し ,対 話 形 式 で黒板上で例示しなが ら説明する。 ら, 『 C o l o r z o o 』に 出 て く る 動 〈配布〉 物 を 完 成 さ せ ま し ょ う 。」 ・動物の台紙 (HRTはペアの一方に形のマグ ・様々な形のマグネット ネットのセットを,もう一方に 〈児童が準備〉 動 物 の 台 紙 を 配 布 す る 。) ・マグネットボード ・ペアでやりとりをしながら,作り たい動物に必要な形を集める。 C 1 : What do you want? C 2 : A red triangle, please. ◇もらった後のお礼のや りとりを意識させる ◇一度にもらえる形は一 つに限定する。 C 1 : Here you are. C 2 : Thank you. ◆ や り と り を 理 解 し ,積 極 C 1 : Yo u ’ r e w e l c o m e . (これを繰り返し,形を集める) 的にコミュニケーショ ンしているか。 C 1 , 2 : Finished! ( 完 成 し た ら H R T に 見 せ る 。) T : W h a t ’s t h i s ? C : I t ’s a m o n k e y. ◇2枚目以降の台紙を教 (2枚目の台紙を取りに行き,ペア 卓に準備しておく。 内で役割を交代し同様に繰り返 す 。) End of Lesson (3分) ・今日の学習の感想を話す T「英語で,形のカードをうまく あつめることができました か 。」 - 29 - ◇2,3名を指名する。 7 考察 (1)児童が興味をもてるテーマや単語の設定(アー②) 【成果】 ○低学年の英語活動の時数は,年間15時間と限られたものである。その中 で 児 童 が 十 分 に 英 語 に 慣 れ 親 し む た め に ,取 り 上 げ る 単 語 を「 色 」 「形」 「動 物 」 に , 表 現 を “ W h a t ’s t h i s ? ” “ I t ’s a ~.” と “What do you want?”“A ( 色 ) ( 形 ), p l e a s e . ” に 絞 っ た 。ど ち ら も 簡 単で,身近かつ日常的に使用できるも の と 考 え ,取 り 上 げ た 。 「色」 「形」 「動 物」は前学年でも取り上げた単語であ り , What を 用 い た 2 つ の 表 現 も い く つかの活動の中で繰り返し用いたため, 十分に慣れ親しむことができた。 【課題】 ○同じ単語や表現を繰り返し取り上げた が,もう少し新しいものを取り入れること ができたとも考えられる。6年間を見通し た計画のもと,少しずつ語彙や表現を増や していけるよう指導計画を立てる必要があ る。 (2)クラスルームイングリッシュの活用(イ―⑥) 【成果】 ○ “How are you?” “I’m ~ .” や “Here you are.” “Thank you.” “ Yo u ’ r e w e l c o m e . ” な ど ,児 童 と 教師,または児童と児童のやり とりで用いるクラスルームイン グリッシュは,様々な場面で用 いられており,十分に慣れ親し んだ姿が見られた。 【課題】 ○上記以外に用いることができ たクラスルームイングリッシ ュ は ,ご く わ ず か で あ っ た 。簡 単 な 指 示 を し た り ほ め た り す る ク ラ ス ル ー ム イ ン グ リ ッ シ ュ を ,と っ さ に 口 に す る こ と が で き な い 。日 頃 か ら 意 図 的 に ク ラ ス ル ー ム イ ン グ リ ッ シ ュ を 学 び ,使 い ,教 師 が 十 分 に 慣 れ 親 しんでいくことが必要と感じた。 - 30 - (3)話したり聞いたりする必要感のある活動の設定(イ―①) 【成果】 ○ 絵 本 『 Color zoo』 を も と に し た 動 物づくりの活動では,英語を話すこ とで必要なカードを入手し,動物を 完成させた。絵本と同じ動物を作ろ うという意欲,作るためには英語で のやり取りをしなければならないと いう必要感から,どの児童も懸命に 考えながら,英語を話そうと努力す る姿が見られた。表現がスラスラと 出てくる児童よりも,懸命に考え,少しずつ絞り出すように話していた。 英語を話そうという意欲が十分に見られた。 【課題】 ○ 人 数 分 の 絵 本 ,カ ー ド 等 の 教 材 準 備 に 時 間 と 手 間 と 費 用 が か か っ て し ま った。準備が容易な活動の工夫が必要である。 - 31 -