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次第4 児童相談所における児童虐待対応
児童相談所における児童虐待対応 24.8.22 こども家庭センター総合支援課 添島節子 Ⅰ 児童虐待の援助に関する基本事項(「子ども虐待対応の手引き」より) 1 児童虐待について (1) 沿革 昭和8年 児童虐待防止法制定 昭和22年 児童福祉法制定、児童虐待防止法廃止 平成元年 国連総会で「児童の権利に関する条約」採択 平成8年 厚生省が「子ども虐待防止の手引き」作成 平成12年 「児童虐待の防止等に関する法律」施行 (2) 児童虐待の定義 身体的虐待 性的虐待 ネグレクト 心理的虐待 2 援助に際しての留意事項 (1) 迅速な対応 (2) 組織的な対応 (3) 機関連携による援助 (4) 子どもの安全確保の優先 (5) 家族の構造的問題としての把握 (6) 保護者への介入と援助 (7) 親権の制限と権限の行使 3 子どもに対する支援の基本 (1) 子どもの権利擁護 (2) 子どもの発達支援、自立支援 (3) パーマネンシーへの配慮 4 守秘義務と情報提供について (1) 児童相談所職員及び市町村職員の守秘義務について (2) 関係機関及び関係者の守秘義務と情報提供について (3) 要保護児童対策地域協議会の構成員の守秘義務と情報提供について Ⅱ児童相談所の相談支援のながれ 1 相談・通告受理 2 初期調査 3 安全確認 出頭要求 ↓ 立ち入り調査 ↓ 再出頭要求 ↓ 臨検・捜索 4 安全確保 5 在宅による支援 6 里親・施設等措置よる支援 7 家族への援助と調整 Ⅲ具体的な対応 【ケース1】 1 近隣住民より通告・・子どもの泣き声と大人の怒鳴り声が聞こえると連絡が入る。 2 保健福祉センター事前調査・・健診状況、家族状況等確認 3 緊急受理会議・・関係機関調査。児童の所属がなければ家庭訪問による安全確認を行 うことを決定。 4 安全確認と初期調査・・家庭訪問を行い児童の安全を確認。家庭の状況、家族が抱え る課題、児童の状況などを確認する。 区役所等関係機関に調査を行い家族全体の課題を把握し、リスクを判断する。 ≪安全確認ができない場合≫ *出頭要求 *立ち入り調査 *再出頭要求 *臨検・捜索 5 継続指導・・地区担当児童福祉司による継続指導を決定し、家庭訪問や児童相談所へ の通所により面接を行い、また他機関と連携し家族が抱える課題の解決を支援する。 6 要保護児童対策地域協議会個別支援会議開催・・支援を行う関係機関が参加し定期的 に会議を開催し、情報を共有し重症度と役割分担を確認する。 7 要保護児童対策地域協議会実務者会議・・定期的に会議を開催しケースの進行管理を 行う。 8 継続指導解除、ケース閉止・・養育状況が安定し虐待のリスクが軽減したため関わり を終了する。 【ケース2】 1 学校より通告・・児童の顔と体にアザと傷があると通告が入る。 2 緊急受理会議開催・・一時保護を視野に入れて調査。学校訪問し安全確認を行うこと を決定。 3 初期調査と安全確認・・学校訪問により安全を確認。関係機関調査等を行い学校によ る支援と見守りを決定。 4 要保護児童対策地域協議会個別支援会議開催・・支援を行う関係機関が参加し定期的 に会議を開催し、情報を共有し重症度と役割分担を確認する。 5 要保護児童対策地域協議会実務者会議・・定期的に会議を開催しケースの進行管理を 行う。 6 再度学校より通告・・顔にアザを作って登校してきた。本児は実母に叩かれたという。 7 安全確認・・アザが酷く、リスクが高いと判断して一時保護を決定。 8 一時保護・・両親との面接や関係機関への調査、また本児の行動観察や各種判定を行 う。 9 施設入所措置・・虐待リスク改善しないため、児童養護施設入所措置とする。 10 家族支援・・保護者との定期的な面接を行い、家庭環境の改善に関する支援、親子関 係調整等を行う。 11 要保護児童対策地域協議会個別支援会議・・家庭引取り後の支援にむけて、関係機関 の情報共有と役割分担を行う。 12 施設入所措置解除、継続指導・・定期的な保護者と児童の通所、学校における児童の 見守りと支援、定期的な個別支援会議の開催。 13 継続指導解除、ケース閉止・・養育状況が安定しているため、学校に見守りを依頼し 関わりを終了する。