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東京都建設局概要 2016

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東京都建設局概要 2016
Bureau Of Construction Overview
根川(旧残堀川)ー川のフォトコンテスト 2015 優秀作品ー
東京都建設局概要 2016
平成 27 年度土木学会選奨土木遺産 東秋留橋
上野動物園のニホンザル
南浅川と鯉のぼりー川のフォトコンテスト 2015 応募作品ー
京浜急行電鉄本線及び同空港線
(京急蒲田駅付近)連続立体交差事業
印刷物規格表第一類 (27)94
(26)91
表紙写真 : 整備が進む環状第2号線(築地大橋)
と臨海部
道路
道路
◆ 首都高速中央環状線
道路の建設
首都高速中央環状線は、首都圏三環状道路のうち、最も都心
道路は、都民生活を支える最も基礎的な社会基盤として、重
要な役割を担っています。この役割とは、膨大な交通需要に対
応するとともに、災害時の避難・救援路として、また、電話・
ガス・上下水道などの施設を収容する空間としての機能です。
東京の最大の弱点である交通渋滞を解消し、国際競争力を高
めるとともに、快適で利便性が高く、環境負荷の少ない都市を
実現する上で、道路整備は非常に重要です。また、震災時の救
援物資輸送や迅速な復旧・復興活動を支え首都機能を守るとと
もに、延焼遮断帯を形成し、燃え広がらないまちを実現するなど、
東京を高度な防災性を備えた都市へ進化させるためにも道路整
備は不可欠です。このため、以下の方針に基づき、道路の整備
を進めています。
◆ 整備方針
1 首都圏の交通の円滑化を図り、日本全体の社会・経済活動
を支える三環状道路を整備する。
2 都市の骨格を形成するため、区部の環状・放射方向、多摩
の南北方向、区部と多摩を結ぶ東西方向の道路を重点的に整
備し、あわせて骨格幹線道路のつながっていない区間や橋梁
等を整備する。
3 都民の暮らしと安全を守るため、市街地では、住環境を向
上させ、地域の円滑な交通を確保する幹線道路を、山間や島
しょでは、地域住民の生活基盤を強化し、産業の振興を図る
状線を通過する交通の迂回・分散を図ることで、高速道路ネッ
トワークの利用効率が向上し、都心に集中する慢性的な交通渋
滞を緩和させます。さらに、円滑な交通の流れを確保すること
で沿道環境の改善を図ります。
● 中央環状品川線
品川区八潮から目黒区青葉台に至る延長約 9.4km の路線であ
り、高速湾岸線と高速 3 号渋谷線とを連絡します。東京都と首
都高速道路株式会社で共同で整備を進め、平成 27 年3月に開
通しました。これにより、中央環状線が全線開通となりました。
道路を整備する。
4 道路交通の円滑化や道路・鉄道双方の安全性の向上を図る
ため、交差点・交通安全施設の整備、鉄道の連続立体交差化
などを進める。
5 震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域
(整備地域)の防災性向上を図る都市計画道路(特定整備路線)
を整備する。
混雑時の平均旅行速度:他都市との比較
台/ 24h
1日の平均交通量
寄りに位置する総延長約 47km の環状道路であり、高速都心環
◆ 東京外かく環状道路(関越道〜東名高速間)
東京外かく環状道路(外環)は、都心から約 15km の圏域を
環状に連絡する延長約 85km の道路です。外環は、都心に流入
する通過交通を分散させることにより、首都圏の慢性的な渋滞
を解消します。交通の円滑化により、自動車の走行速度が向上
することで、排出ガスの大幅な削減が期待され、快適で利便性
の高い都市を実現します。
関越道から東名高速までの約 16km の区間については、沿線
首都圏三環状道路の最も外側にある首都圏中央連絡自動車道
地域の生活環境や自然環境への影響を最小限に抑えるため、大
(圏央道)は、都心から 40 ~ 60km の圏域を環状に連絡する延
深度地下を活用したトンネル構造が採用されています。平成
長約 300km の道路です。圏央道は、首都圏の業務核都市や物流
21 年 5 月に事業化され、国、NEXCO 東日本・中日本の 3 者
拠点などを、横浜港や成田空港等と連絡し、広域的な道路ネッ
で整備を進めています。
トワークを形成するなど、多摩地域や首都圏のさらなる発展に
東京都は、平成 22 年度より、大泉 JCT 地域において「建設
対して重要な役割を担います。
局外環大泉事務所」を開設し、国から受託した用地測量や用地
平成 26 年 6 月に高尾山 IC から相模原愛川 IC までが開通し、
取得事務等を行っています。
東京都内区間が全線開通するとともに、東名高速・中央道・関
越道が結ばれました。
全国平均
東京都
区部
「平成 22 年度 全国道路交通情勢調査」による
多摩
東京都 大阪市 川崎市 名古屋市 横浜市 千葉市 全国平均
(区部)
◆ 首都圏中央連絡自動車道
名高速から東北道まで結ばれました。
これらの開通により、都心経由から圏央道経由へ交通の転換
が図られるとともに、沿線の企業立地が促進されるなど、様々
「平成 22 年度 全国道路交通情勢調査」による
三環状道路の整備
さらに、平成 27 年 10 月には埼玉県内区間が全線開通し、東
な効果が発現されています。
外環(関越道~東名高速間)平面図
首都圏三環状道路とは、
首都高速中央環状線、
東京外かく環状道路、
首都圏中央連絡自動車道の総称です。交通渋滞の解消、
環境改善、
国際競争力の強化、地域の活性化に資するのみならず、災害時においては、首都機能を堅持し、物資輸送などの円滑な支援・復旧活
動を支え、日本の交通の東西分断を防ぐ要となるため、早期完成が不可欠です。
都市高速道路の整備
(JCT、IC は仮称。供用区間は除く。)
◆ 首都高速晴海線
江東区有明から中央区晴海に至る延長約 2.7km の路線であり、現在、都心環状線を利用している築地・月島地区、晴海地区等の交
通及び今後、臨海副都心地域等で発生する交通を高速湾岸線に直結させ、周辺の交通状況を改善するとともに、臨海副都心、豊洲地区、
晴海地区の開発を促進します。
有明〜豊洲間は平成 21 年 2 月に開通し、残る豊洲〜晴海間は平成29 年度の完成に向けて、首都高速道路株式会社が整備を進め
ています。
2
3
道路
道路
木密地域における都市計画道路の整備
区部の道路
木造住宅密集地域(木密地域)は、老朽化した木造住宅や狭あい
引き続き、平成 32 年度までの完成を目指し、特定整備路線の整備
区部の重要な道路は、放射・環状型の道路網です。しかし、
幹線道路です。
な道路が多いことなどから、防災上の課題を抱えており、「首都直下
に取り組みます。
依然として整備が必要な区間が残っており、交通渋滞が発生し
車道部は4車線と停車帯を整備するとともに、歩道部では全
地震等による東京の被害想定」(平成 24 年度東京都防災会議)にお
ています。
線でゆとりある自転車走行空間、歩行空間の確保や緑豊かな植
いても、地震火災など大きな被害が想定されています。
そこで、環状方向や区部と多摩を結ぶ幹線道路のうち、まだ
栽帯の整備など、沿道環境にも配慮した整備を行いました。
都では、震災時に特に甚大な被害が想定される木密地域(整備地域)
つながっていない区間を重点的に整備しています。主な整備路
環状第2号線は、江東区有明から千代田区神田佐久間町まで
約7千ヘクタールを、平成 32 年度までに、燃え広がらない・燃え
線は、放射第 5 号線、放射第 7 号線(目白通り)
、環状第 2 号
の延長約 14km の骨格幹線道路です。
ないまちにすることを目指し、
「木密地域不燃化 10 年プロジェクト」
線、環状第 6 号線(山手通り)などがあります。
に取り組んでいます。このプロジェクトは、市街地の不燃化を促進
環状第6号線(山手通り)は、品川区東品川二丁目から板橋
を進めており、平成 26 年3月に新橋から虎ノ門までの約 1.4km
するとともに、延焼遮断や避難、救援など防災性の向上に有効な都
区氷川町に至る延長約 20Km の骨格幹線道路です。
が開通しました。
施行の都市計画道路(特定整備路線)28 区間、約 25km の整備を
このうち、渋谷区松濤二丁目から豊島区要町一丁目までの約
本路線は、臨海部と都心部の連絡を強化し、地域交通の円滑
推進するものです。
8.8km の区間において、現道幅員 22m から 40m への拡幅事
化や避難経路の多重化による防災性の向上を図る上で重要な幹
特定整備路線の整備に当たっては、関係権利者の生活再建に十分
業を、首都高速道路中央環状新宿線の整備と一体的に進め平成
線道路です。
配慮し、理解と協力を得ながら事業を進めていくことが重要です。
27 年3月に完成しました。
既に晴海、勝どき、新橋・虎ノ門地区などでは、新たなまち
このため、民間の専門事業者を活用した相談窓口を路線ごとに設置
本路線は、都心に流入する通過交通を分散し、交通の円滑化
づくりが進んでおり、これらの開発に伴い発生する交通需要に
し、移転先情報の提供、建物の建替えプランの提案、税金や権利関
が図られるとともに、防災性や安全性向上が期待される重要な
対応するためにも早期整備が必要です。
環状第6号線(山手通り) 富士見台歩道橋付近(豊島区)
環状第 2 号線(築地地区)
このうち、豊洲から虎ノ門までの約 4.8km の区間において整備
係の相談などきめ細やかな対応を図っています。あわせて、優遇金
利による移転資金の貸付、都営住宅や代替地のあっせんなど、関係
権利者の意向を踏まえた生活再建の支援を行っています。
震災時に特に甚大な被害が想定される木密地域
(整備地域 約7千ヘクタール)
資料提供 ( 国土交通省 )
東京の道路ネットワーク
多摩の道路
多摩地域では、主要な幹線道路が東西方向と南北方向の格子
状に配置された計画となっています。
現在、これまで整備が遅れていた調布保谷線や府中所沢・鎌
倉街道線(鎌倉街道)など南北方向の道路について整備を進め
るとともに、東八道路や新青梅街道など東西方向の道路の整備
も行っています。
調布保谷線(14.2km)は、稲城市矢野口から西東京市北町三
丁目に至る、多摩地域を南北方向に結ぶ幹線道路の一つで、交
通の円滑化、地域の自立性や都市間連携の強化、防災性の向上
に資する重要な路線です。平成 27 年8月に最後の未開通区間
(西
東京市内)を交通開放し、全線開通しました。
これにより、調布市内の甲州街道との交差点から埼玉県境ま
での所要時間が約 70 分から約 40 分に短縮するとともに、並行
する都道の交通量が減少するなど交通利便性が向上しました。
整備にあたっては、沿道の生活環境を保全するため、幅員 16
mの車道の両側に 10m ずつの環境施設帯を設置し、総幅員 36
mの道路としています。
環境施設帯には、緑豊かな植樹帯を整備するとともに、歩行
者と自転車の分離や無電柱化を進めており、安全で快適な都市
空間を創出し、良好な景観形成に配慮した道路としています。
4
調布保谷線(神代植物公園付近)
5
道路
道路
多摩山間・島しょ部の道路
高架化前
高架化後
(環状第4号線(明治通り)の踏切による最大渋滞長約 380m)
多摩山間・島しょ地域の交通は、人の移動や物資の輸送の多
くを道路が担っており、とりわけ、主要道路である都道は、日
常生活を支え、産業・経済・文化などの活動・振興に大変重要
な基盤施設となっています。
自然豊かで急峻な地形を持ったこの地域では、自然環境の保
全に努めながら、見通しの悪いカーブや大型車のすれ違いが困
難な道路の拡幅や線形改良、バイパス道路による集落の孤立化
防止や観光シーズンの渋滞解消、歩行者の安全確保など、地域
振興と防災性向上に資する道路整備を推進しています。
多摩山間部では、多摩川南岸道路や秋川南岸道路など、島しょ
部では、大島循環線や三宅循環線などで事業を実施しています。
このうち、奥多摩町の多摩川南岸道路は、平成 27 年度に城山
工区(約 2.8km)が開通し、計画延長約7km のうち、約 5.1km
が完成しました。残る計画区間の約 1.9km についても早期事業
多摩川南岸道路(城山工区)[ 平成 27 年度開通 ]
京成押上線(押上駅〜八広駅間)連続立体交差事業
化に向け検討を進めています。
橋梁の整備
道路と鉄道の立体交差事業
橋梁は、河川や鉄道などで隔てられた地域をつなぐとともに、
ひとたび、災害等により被害が生じると、交差する道路・河川・
鉄道等への二次的な災害による影響が考えられることから、安
全で快適な道路ネットワークを形成する上で重要な構造物です。
橋梁の架け替えや新設などの整備を行うことにより、耐震性・
耐荷力の向上や交通上のボトルネックを解消するとともに、災
害発生時における避難・輸送ルートの安全を確保できるなど、
道路ネットワークの強化が図られます。
現在、多摩川に架かる関戸橋や等々力大橋(仮称)
、天王洲南
運河に架かる若潮橋などで事業中のほか、東雲運河に架かる東
雲橋などの事業化に向け検討を進めています。
是政橋(主要地方道川崎府中線)[平成 24 年度開通]
道路の立体交差
道路と鉄道
都内には現在、約 1,050 箇所の踏切があります。踏切は、道路交通を阻害し、安全で効率的な都市活動の障害となっています。
東京都では、踏切による渋滞を解消し、都市の機能や利便性を向上させるため、道路と鉄道の立体交差化を進めています。
◆ 連続立体交差事業
◆ 単独立体交差事業
道路整備の一環として鉄道を連続的に高架化又は地下化し、
道路を単独で立体化、あるいは鉄道を比較的短い区間で立体
多くの踏切を一挙に除却する事業であり、踏切による交通渋滞
化する事業です。
の解消や、鉄道により分断されていた市街地の一体化、高架下
平成27 年3月には、西東京 3・2・6号調布保谷線と西武
空間の活用など周辺のまちづくりに寄与する極めて効果の大き
池袋線との交差部の「西東京下保谷トンネル」が完成し、これ
な事業です。
により交通の円滑化が図られました。現在、補助第74号線(高
これまでに東京都では 43 事業を実施し、395 箇所の踏切を除
田馬場)など12 箇所で事業中です。
道路と道路
交通量の多い交差点では、交通渋滞や、これによる排気ガス
の増大などの問題が生じています。このため、一方の道路を高
架もしくは地下にする、道路と道路の立体交差の整備を進めて
います。
新小岩陸橋では、交通量の多い蔵前橋通りを立体化すること
により、交通渋滞の解消や沿道環境の向上を図りました。
却しました。現在、京王京王線や西武新宿線など 6 路線 8 箇所
で事業を行っています。
平成 27 年度は、京成押上線(押上駅〜八広駅間)で全線高架
化が完了し、8箇所の踏切が除却されました。
引き続き、現在事業中箇所の立体化に向けて工事を進めると
ともに、新規事業化に向けて取り組んでいきます。
6
新小岩陸橋(たつみ橋交差点上空から)
7
道路
道路
● 道路照明の LED 化
◆ 橋梁の長寿命化
LED は、省エネランプ(セラミッ
橋梁の長寿命化事業は、隅田川に架かる清洲橋、永代橋、勝
クメタルハライドランプ・高圧ナ
鬨橋に代表される文化財的価値の高い著名橋、架替えに多額の
トリウムランプ)と比べ消費電力
費用と周辺への多大な影響が予測される長大橋、鉄道や道路を
が少なく、耐用年数も長いことか
跨ぐ橋梁、主要な幹線道路の橋梁について、最新の技術や材料
ら、管理の効率化を図るため、更
により、補修や補強を行うことで、より安全で耐久性に優れた
新時期を迎え転換可能な道路照明
橋梁に改良し、安全・安心を確保する事業です。これにより、
から LED 化に取り組んでいきます。
対策後 100 年以上の延命化を目指します。
積雪時
積雪時における道路交通の安全を確保するため、地元業者と
東京シャンゼリゼプロジェクト
除雪に関する協定を結ぶとともに、資機材や労力、作業分担、
通常、道路の占用は道路の敷地外に余地が無く、やむを得な
建設事務所の対応要員及び連絡系統等を整え、実施態勢を確保
い場合に許可できますが、都市再生特別措置法や国家戦略特別
しています。
区域法に基づく道路占用許可の特例により、まちのにぎわい創
平成 27 年2月には、都が保有する除雪車2台を走破性の高
出や道路利用者の利便増進に資する施設を設置することができ
い新型車両に更新し、除雪作業の効率化を図っています。
ます。
東京シャンゼリゼプロジェクトは、この道路占用許可の特例
を活用し、地域とともにまちの活性化を図っていく取組として、
平成 26 年3月から開始しています。
このプロジェクトを活用して、平成 26 年6月に環状第二号線
(新虎通り)で、地域の方々で構成されるエリアマネジメント団
体がオープンカフェを設置しました。
● 情報通信技術(ICT)を活用した道路管理
道路施設の効率的な維持管理の実現や、災害対応力の向上に
向けて、情報通信技術(ICT)の活用に取り組んでいます。
日常管理業務においては、新宿副都心 4 号線などにおいて、
IC タグを活用した道路施設点検を実施しています。
災害時(震災・水害・雪害など)においては、携帯電話(GPS
付)を利用して、迅速・確実な道路被害情報の収集、本庁と各
事務所間における効率的な情報共有の実現、道路の被害情報を
データベースで蓄積することを目的に、レスキュー・ナビゲー
ションシステムを運用しています。その他にも、山岳道路の一
床板取替
支承補強
地元業者による除雪作業
都が導入した新型除雪車
山間・島しょ部の道路は、地域の生活や経済活動等を支える
生命線ともいえる重要な社会基盤であり、これら道路の災害を
未然に防ぐ斜面の安全対策は極めて重要です。山岳道路斜面の
安全対策は、5 年に 1 回実施する定期点検調査などにより、斜
面の状況を的確に把握し、緊急性の高い箇所から計画的に対策
を実施しています。
6月には新宿副都心四号街路等でイベント施設を設置すること
ができるようになり、エリアマネジメント団体が周辺施設と一
道路災害復旧事業
道路災害防除事業
また、平成 27 年3月には東京駅丸の内口周辺の行幸通りで、
体となった様々なイベントを実施しています。
豪雨・地震・噴火災害など異常な天然現象に伴う災害で被
害を受けた道路施設を「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担
法」に基づいて復旧する事業です。
最近では、平成 25 年 10 月 16 日に台風 26 号の影響で都道
の路肩崩落が発生しました。これを受け、直ちに必要な応急仮
復旧を実施し、災害復旧事業として申請後、復旧工事に着手し
ました。
部にカメラや雨量計等を設置し、本庁と事務所で現地の状況を
また、都は、区市町村における災害復旧においても、国への
確認できるようにするなど、災害対応力の向上を図っています。
申請窓口としての業務や、必要な指導・支援を行っています。
環状第二号線(新橋・虎ノ門間)に設置されているオ-プンカフェの様子
斜面の点検状況
IC タグを活用した
レスキュー・ナビゲーション
道路施設点検状況
左:携帯電話 右:パソコン本体
※レスキュー・ナビゲーションは、平成 27 年 4 月現在、全建
設事務所と全管理工区及び全支庁に配備されており、日常管
法枠による斜面対策
一般都道大島循環線(208 号)
災害対応
地震時
理業務にも活用されています。
阪神・淡路大震災を契機に建設業団体等と資機材や労力の提
供等に関する具体的な項目を定めた協定を結び、約 500 社の地
元協力業者により、早期に都道の障害物除去作業を行う体制を
橋梁整備事業
全橋梁を対象に、5 年に 1 回実施する定期点検の結果により、
左:被災状況
右:応急仮復旧状況
沿道環境の整備
道路交通騒音の著しい幹線道路の沿道整備推進策として、住
宅の防音工事助成、緩衝建築物(道路交通騒音が背後に通り抜
けないような建物)の建築費等の一部負担などを行っています。
東京ふれあいロード・プログラム
道路利用のモラル向上や潤いのある道路空間の創出を目的と
して、道路の清掃や植栽の手入れなどの美化活動を地域住民団
体や企業などと東京都が協力して進めていく制度です。
参加対象は、自治会、商店会、学校、企業などの団体で、活
動区間は都道の歩道部分です。
参加受付けは、活動を希望する都道を所管する各建設事務所
管理課、支庁土木課で行っています。参加受付後は、活動場所・
整えています。
活動内容を確認のうえ、都と参加団体とで協定を結び活動を開
また、東京消防庁や警視庁と連携して総合防災訓練を実施し、
始していただきます。活動にあたっては、活動用具等の購入費
障害物除去作業を協力業者と合同で行うことで、習熟度を高め、
用の一部を支援する制度もあります。
災害対応力の向上を図っています。
補修の必要があると判断された場合は、損傷に応じた補修や補
強を適切に実施し、安全を確保しています。
橋梁の点検状況
10
コンクリート補修工
訓練状況(土砂撤去)
活動風景
11
道路
道路
都市景観をつくる
無電柱化
◆ 道路のバリアフリー化
◆ 道路標識の整備
高齢者や障害者等、誰もが安全で快適に通行できる歩行空間
すべての人が安心して円滑に移
を確保するために、都道の新設・拡幅・改修にあわせて道路の
動できるよう、わかりやすい道路
バリアフリー化に取り組んでいます。
標識の整備に取り組んでいます。 また、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の
また、東京 2020 オリンピック・
都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な
開催に向けて、観光地や競技会場周辺等の都道において、歩道
パラリンピック競技大会の開催に
都市景観の創出を図るため、電線共同溝等の整備により、道路
の段差解消、勾配の改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置な
向けて、外国人にもわかりやすい
上に張り巡らされた電線類を地下に収容する無電柱化を進めて
どのバリアフリー化を重点的に進めていきます。
道路案内のために、英語併記化や
います。
さらに、高齢者や障害者などを含む多くの人が、日常生活で
ピクトグラム、路線番号の活用な
都は、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の
利用する駅や公共施設、病院などを結ぶ都道のバリアフリー化
どを進めています。
開催までに、センター・コア・エリア内の都市計画幅員で完成
も引き続き進めていきます。
あわせて、観光情報とバリアフ
した都道の無電柱化を完了させるとともに、震災対策上、重要
イメージ図
な位置付けにある緊急輸送道路や利用者の多い主要駅などで無
電柱化を推進していきます。
リー情報を掲載した歩行者用の案
内標識(地図標識)の整備を産業
労働局と合同で進めています。
中央区銀座
渋滞対策
◆ 交差点すいすいプラン
多摩地域を中心に、道路幅員が狭い片側一車線の交差点にお
いて、右折待ち車両が支障となって発生している渋滞を緩和す
るため、交差点直近の比較的短い区間の土地を取得し、右折車
線の設置などに取り組んでいます。対策を実施した交差点では、
通過時間の短縮などが図られます。あわせて、交差点付近の歩
道も整備することで歩行者の安全も確保されます。
◆ 自転車走行空間の整備
川崎街道(日野市高幡)
(交差点通過時間:15 分)
(交差点通過時間:2分)
歩行者と自転車、自動車がともに安全で安心して通行できる
道路の景観整備
道路空間を実現するため、交通管理者と連携して、車道を活用
した自転車レーンなど、東京の道路事情に応じた整備手法によ
快適な道路環境や美しさや潤いのある道づくりを図るため、
り自転車走行空間の整備を進めています。
歩道舗装のカラー化や道路の緑化、街路灯の整備など一体的に
また、国道・都道・区市道等の自転車が走行しやすい空間を
景観整備を行っています。東京の「顔」となる代表的な道路 20
連続させ、安全性や回遊性を高める自転車推奨ルートの整備に
路線について整備を行う「シンボルロード整備事業」や、地域
も取り組んでいます。
の核となる商店街や駅前などで整備を行う「道路修景事業」
、皇
整備事例
居周辺の道路について整備を行う「行幸通り周辺の道路景観整
備事業」があります。
自転車レーン ( 普通自転車専用通行帯)
車道の左側を青色に着色し、自転車の通行部分を明示
秋川街道(上川橋交差点)
◆ 既存ストックの有効活用による渋滞対策
(ハイパースムーズ東京)
都内の慢性的な渋滞解消に向けて、道路ネットワークの整備
が不可欠ですが、即効性の観点から、既存の道路空間を活用し
シンボルロード・外堀通り(中央区銀座)
交通安全対策と渋滞の緩和
交通安全施設の整備
た渋滞対策を進めています。関係各局及び警視庁や国土交通省
とも連携して、右折レーンの延伸、区画線の変更による道路施
設の改善、荷さばき対策、ITS 技術(高度道路交通システム)
の活用など、現地の特性に適したハード・ソフト対策を組み合
整備前
わせて、交通流の円滑化を図っています。
交通事故の防止や歩行者等の安全確保のため、歩道の整備や
歩道のバリアフリー化、自転車走行空間の整備、道路標識の整
整備後
備などを行っています。
駐車場の運営
◆ 歩道の整備
歩道は、歩行者の安全確保や、植栽等による良好な都市景観
都は、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保するため、
の形成、ライフラインの収容空間の確保など、多様な機能を有
旧玉川水道道路(渋谷区幡ヶ谷)
する重要な施設です。このため、歩道が無い又は狭い箇所にお
いて、車いすがすれ違うことのできる、幅員2m以上の歩道の
設置を行っています。
12
八重洲・昭和通りの地下駐車場など6ヶ所(1,245 台)の都営駐
車場を運営し、路上駐車対策に寄与しています。
また、6ケ所全ての駐車場に指定管理者制度を導入するなど、
吉野街道(青梅市友田町)
利用者サービスの向上等の工夫を図っています。
13
河川
河川
河川の事業
調節池・分水路の整備
中小河川の整備
川沿いにビルや住宅が立ち並ぶなど、川幅を広げるなどの河道
河川事業は、洪水・高潮等による水害や土砂災害等の危険から都民の生命と暮らしを守るとともに、うるおいのある水辺の形成や、
人口や資産が集積する都市部などにおいて、台風や集中豪雨
整備に長期間を要する箇所においては、洪水の一部を貯留する調
河川利用の推進などを通じて良好な河川環境と都市環境を創出します。河川事業の基本である「中小河川の洪水対策」
、
「低地河川の
による水害から都民の命と暮らしを守るため、1時間あたり
節池や、洪水の一部を別のルートに分けて流す分水路を整備し、
高潮・地震対策」
、
「多摩・島しょ地域の土砂災害対策」をさらに推進するとともに、水辺の緑とにぎわいを取り戻し、川が人々の心
50 ミリの降雨により生じる洪水に対して安全を確保すること
水害に対する安全性を早期に向上できるように努めてきました。
を豊かにする「魅力的な水辺空間」となるような整備に取り組んでいきます。
を目標として中小河川の整備を進めてきました。
平成 26 年度末までに 11 河川 25 箇所(一部供用を含む)で合
しかし、近年はこれまでの目標整備水準を超える集中豪雨な
計約 200 万 m3 の調節池と、5河川8箇所で総延長約 12km の分
どが増加し、それに伴う水害が発生しています。
水路が完成しました。
このため、神田川や石神井川など区部の台地を流れる河川は
また、現在、白子川や黒目川など 5 河川 5 箇所で調節池の整
時間 75 ミリ、野川など多摩部を流れる河川は時間 65 ミリ(い
備を進めています。
河川の管理と活用
東京都の河川はその地勢から、概ね西部に源を発して東京湾に注いでいます。そのうち、国土交通大臣が指定する一級河川としての多摩川水
系、荒川水系、利根川水系、鶴見川水系の 92 河川、都知事が指定する二級河川としての 15 河川があり、合計すると、都内の河川は 107 河川、約
857km になります。
このうち、荒川や利根川など、国土交通省が管理する河川を除く 105 河川、約 710km を東京都が管理しています。
また、
東京都管理河川のうち、
区部の 46 河川については、
「特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例」により区が管理を行っています。
このほか、区市町村が指定・管理する準用河川が 20 河川、約 33km あります。
ずれも年超過確率 1/20 のレベルに相当)に目標整備水準を引
き上げ、優先度を考慮しながら水害対策の強化を図っています。
時間 50 ミリまでは河道整備により洪水を安全に流すことを
基本とし、それに調節池などを組み合わせて、地域の状況に応
じた効果的な対策を実施しています。
河道整備
神田川・環状七号線
区部の神田川や石神井川、白子川、多摩部の空堀川、鶴見川、
谷地川など都内 46 河川、324km において、川幅を広げたり(河
道拡幅)
、河床を掘り下げる(河床掘削)などの河道整備を進
めています。
整備にあたっては、治水面の安全性の向上とあわせて、管理
用通路を緑豊かな遊歩道として整備し、川沿いにスペースがあ
る箇所では、緩やかな傾斜の護岸を整備するなど、人々が水辺
に近づける工夫をするとともに、動植物の生息・生育環境など
にも配慮した川づくりに努めています。
地下調節池(杉並区)
今後は、時間 50 ミリを超える降雨によって生じる洪水について
は調節池により対応することを基本とし、新たな目標整備水準の
達成に向けた調節池の整備を神田川や野川など優先度が高い 9 流
域から順次進めていきます。
現在、石神井川や境川など 5 流域において、
「城北中央公園調節
池」や「境川金森調節池」など 5 つの調節池について、平成 28 年
度の工事着手を目指し調査・設計を進めています。このうち、神
田川、石神井川及び白子川流域では、
「神田川・環状七号線地下調
節池」と「白子川地下調節池」を連結し、各流域間で調節池の容
量を相互に活用できる「環状七号線地下広域調節池」の整備を進
めていきます。
また、平成 37 年度までに、現在実施中のものを含め調節池等
13 施設を完成させ都内全域の調節池貯留量を約 1.7 倍に拡大する
などして、浸水被害を軽減させていきます。
河道整備
東京都河川分布図
係留保管施設の整備
防災船着場の整備と有効活用
都内の河川では、船舶等が無秩序に係留されて河川管理上支
大規模災害時に河川を物資輸送経路等として活用するため、防災船着場
障となっています。その適正化を図るため、平成 15 年 1 月に
を整備しています。平常時には、
(公財)東京都公園協会の「東京水辺ライン」
施行した「東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例」に基
として活用している防災用船舶の発着場として利用するとともに、隅田川
づいて不法係留船対策に取り組むとともに、その受け皿として
の越中島、明石町、桜橋及び両国の各船着場では、屋形船等に一般開放を
係留保管施設を整備しています。
行っており、観光舟運の新たなルートの拠点となっています。
(白子川 練馬区)
親水性に配慮した
川づくり
(空堀川 東大和市)
主な中小河川の整備状況図
係留保管施設(海老取川 大田区)
14
水上バス「東京水辺ライン」と桜橋防災船着場(隅田川 台東区今戸)
26
27
(50 ミリ規模)
15
河川
河川
河川環境の整備
低地河川の整備
東部低地帯の河川整備では、これまで高潮や洪水による多くの災害を受けてきたことから高潮対策等の堤防整備や耐震・耐水対策
に取り組んでいます。整備に際しては、テラスの連続化など人々が集い、にぎわいが生まれる水辺空間の創出に努めています。
河川施設の地震・津波対策
東部低地帯における地震・津波対策については、平成 23 年3月の
東日本大震災を踏まえ、
「想定される最大級の地震が発生した場合に
水辺の環境づくり
水質・水量の改善
うるおいのある水辺空間を創出するために、河川敷や護岸な
水質の汚濁や平常時水量の減少が問題となっている河川では、
どの緑化、管理用通路を利用した遊歩道の整備、旧河川敷など
堆積泥土のしゅんせつ等による水質の改善、地下鉄等からの湧
を活かした水際へのアクセス空間の整備など、地域の特性を活
水や他の河川からの導水などによる水量の確保・水質の改善に
かした親しめる川づくりを行っています。
努めています。
おいても、各施設の機能を保持し、津波等による浸水を防止する」と
いう目標達成に向けた「整備計画」を平成 24 年 12 月に策定しました。
平成 33 年度までに堤防約 86km と水門・排水機場等全 22 施設の
耐震・耐水対策を実施し、このうち、特に緊急性の高い水門外側の堤
防とすべての水門・排水機場等については、2020 年(平成 31 年度)
までに完了させることとしています。現在は、隅田川、大島川水門等
で整備を進めています。
川で遊ぶ子供たち(野川 三鷹市)
堤防の耐震対策イメージ図
河川緑化(中川 江戸川区)
堤防の耐震対策の様子
(隅田川)
ソフト対策の推進
低地帯の地盤高
江東内部河川の整備
水門の耐震対策イメージ図
高潮防御施設の整備
水門の耐震対策の様子
( 大島川水門)
大雨、洪水、高潮等による水害や土砂災害の危険から、都民の命と暮らしを守るため、治水施設の整備などのハード対策を着実に
荒川と隅田川に囲まれた特に地盤の低い江東三角地帯を大地
震による護岸損壊に伴う水害から守るため、江東内部河川のう
ち、西側の河川では耐震護岸の整備を進め、平常水位を低下さ
主に隅田川以東に広がる東部低地帯を伊勢湾台風級の高潮か
ら守るため、堤防の整備を進めています。隅田川等の主要河川
せている東側の河川では、河川環境にも配慮した河道整備を進
めています。
進めるとともに、雨量や河川水位の情報提供、河川に関する普及・啓発などのソフト対策も合わせて実施しています。
河川情報等の提供
◆ インターネット等による情報の提供
東京都水防災総合情報システムにより、雨量・河川水位情報、
河川監視映像、洪水予報など水防に関する情報を提供しています。
についてはほぼ完成しており、現在は、妙見島等の未整備箇所
また、水防に関する情報は Twitter でも提供しています。
の整備を進めています。
河川に関する普及・啓発
都民の河川への関心や水害・土砂災害・水難事故への認識を
深めてもらうことを目的として、河川に関する様々な普及・啓
発を実施しています。
毎年 7 月の河川愛護月間には、川を歩こう、施設見学会、河
川の清掃活動、パネル展示、フォトコンテスト、シンポジウム
など、様々な行事を実施しています。
スーパー堤防・緩傾斜型堤防の整備
隅田川等の主要河川については、大地震に対する安全性と水辺
環境の向上を図るため、スーパー堤防や緩傾斜型堤防の整備を進
めています。整備にあたっては、沿川の再開発事業等のまちづく
りと一体的に事業を行うとともに、先行してテラスを整備し、ジョ
耐震護岸整備
(大横川)
環境に配慮した整備
(旧中川)
ギングや水辺の散策など、広く都民の方に親しまれています。
水辺空間のにぎわい創出
人々が集い、にぎわいが生まれる魅力的な水辺空間を創出す
るため、隅田川を軸として、橋梁から川沿いへのアクセス向上、
テラスの連続化、夜間照明の整備など東京湾・ベイエリアと都
スーパー堤防整備前
(隅田川 大川端地区)
スーパー堤防整備後
(隅田川 大川端地区)
東京都水防災総合情報システム
パソコン http://www.kasen-suibo.metro.tokyo.jp
携帯電話 http://www.kasen-suibo.metro.tokyo.jp/k/
施設見学会「首都東京にパナマ運河発見!?」
(小名木川 扇橋閘門)
東京都水防 Twitter
http://twitter.com/tokyo_suibo
心を結ぶ水辺の動線を強化するとともに、両国・築地などのエ
◆ 洪水予報等の提供
リアで重点的な施策を展開していきます。
神田川や石神井川などの河川では、川が溢れる恐れのある場
合に、
「氾濫危険情報」を発表します。
◆ 浸水予想区域図の公表
地元自治体や都民が浸水に対して事前に備えることができる
よう、浸水予想区域図を作成・公表しています。
河川敷地を活用した隅田公園
オープンカフェ
(隅田川 台東区花川戸)
16
テラス照明整備
(隅田川 台東区蔵前)
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/suigai_taisaku
/index/menu02.htm
浸水予想区域図(石神井川及び白子川流域)
17
河川
道路
公園
土砂災害対策
土砂災害対策施設の整備
東京都の公園
土砂災害警戒区域等の指定
東京都の公園
都市公園の整備
多摩の中山間地域や伊豆・小笠原諸島などにおける土砂災害
土砂災害の恐れのある箇所の周知や速やかな避難体制の整備、土砂
公園が提供するゆたかな「緑」
、
広々とした「広場」
、
そして「青
の危険性のある箇所では、豪雨による土石流やがけ崩れ、火山
災害の恐れのある土地での開発行為の制限などを実施するため、土砂
空」はレクリエーションの場としてかけがえのないものであり、
噴火に伴う溶岩流などによる災害を未然に防止するために、砂
災害防止法(※1)に基づく土砂災害警戒区域等の指定を進めています。
景観にうるおいを与えるものです。
防堰堤や法枠工、導流堤などのハード対策施設の整備を進めて
また、土砂災害警戒区域等の指定に先立って実施する基礎調査の結
さらに、公園を構成する植物は大気を浄化する役目を果たし、
います。
果を、調査を終えた地域から、直ちに区市町村に通知するとともに、
広場は災害時の避難場所として機能します。また公園は、すぐ
都のホームページなどで公表することにより、危険な区域を周知し、
れた自然の景観を保護する役割も果たしています。
ハザードマップの作成を促進するなど、警戒避難体制の早期整備を図っ
公園には都市公園法に基づく「都市公園」とそれに準ずる都
ていきます。
市公園以外の公園のほか、自然公園法に基づく「自然公園」が
※ 1:土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律
あります。
土砂災害から重要施設を守る砂防
堰堤(八丈町 小骨ヶ洞)
積は 5.76m です。
2
このうち建設局で管理する都市公園(都立公園)は、上野恩
賜公園や井の頭恩賜公園のほか、文化財庭園や動物園、植物園
など81 箇所、約 2,007ha あります。
報告書に基づき、応急対策として平成 26 年5月までに、既設
堆積工の嵩上げ、仮設導流堤の整備が完了しました。
現在は短期対策として、大金沢左支川の山腹工や導流堤の整
備等を順次進めています。
土砂災害警戒区域等の指定位置図(平成27 年6月末日現在)
土砂災害警戒情報の提供
土砂災害警戒情報とは、大雨警報が発表され、更に避難行動が必
要な土砂災害発生の危険性が高まった場合に、都と気象庁が共同で
発表する防災情報で、報道機関を通じて住民に提供しています。
平成 26 年度は、大戸緑地、野山北・六道山公園、東伏見公
園など 8 公園の公園整備を実施し、平成 27 年 6 月 1 日に都立
公園は新たに 6.5ha を追加開園したことにより、開園面積は約
2013ha となりました。平成 27 年度は、
開園面積の拡大に向けて、
担っています。新規整備を進めると同時に、既存の公園の防災
・区市町村立公園(7,948 箇所、約 3,624ha)
防事業における施設整備等について検討を行いました。
◆ 整備状況
救助の活動拠点とされるなど、震災対策において重要な役割を
・都立公園(81 箇所、約 2,007ha)
検討委員会」を設置し、災害発生メカニズムの分析や今後の砂
「長期ビジョン」に示した目標の実現に向け、都立公園の拡張
一方、都立公園は地域防災計画において、避難場所や救出・
・国営公園(2箇所、約 176ha)
この災害を踏まえ、有識者を交えた「伊豆大島土砂災害対策
を打ち出しています。この中で、2024 年までの 10 年間で都立
公園を 170ha 開園するという目標を掲げました。
した。
●都市公園 8,031 箇所 約 5,807ha
しました。
の中心として、
「水と緑に囲まれ、環境と調和した都市の実現」
中藤公園や大戸緑地、滝山公園などで公園整備を着実に進めま
伊豆大島では、平成 25 年台風 26 号の襲来に伴う観測史上最
土石流が流域界を越えて流下するなど、甚大な土砂災害が発生
という緑施策を柱とするとともに、それを支えるプロジェクト
的文化遺産を次世代に継承する事業を推進しています。
積は合計約 7,732ha で、都民一人当たりの都市公園等の公園面
大の豪雨
(24 時間降水量 824mm)
により斜面が広範囲で崩壊し、
かな環境や充実したインフラを次世代に引き継ぐ都市の実現」
機能強化、文化財庭園における復元や修復などを推進し、歴史
平成27 年 4 月 1 日現在、都市公園と都市公園以外の公園面
伊豆大島における土砂災害対策の推進
都は「東京都長期ビジョン(平成 26 年 12 月)
」において「豊
整備を着実に推進するほか、防災上位置付けのある都立公園の
公園の現状
がけ崩れから人家を守る
法枠工の整備
(八王子市初沢地区)
◆ 事業方針
機能を向上させる整備や、老朽化施設の改修、建築物の耐震化
●都市公園以外の公園 3,440 箇所 約 1,925ha
等の事業を進めています。平成 27 年度は、横網町公園において、
・区市町村が設置する児童遊園等
慰霊堂耐震補強工事が完了しました。
・国が設置する国民公園等
また、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会では、
・東京都港湾局が設置する海上公園
夢の島公園など都立公園も競技会場や練習会場となります。世
・公社・公団等が設置する住宅地内の公園
界中から多くの人々が訪れることから、各会場となる都立公園
・東京都環境局が設置する自然ふれあい公園
では、多言語対応のサイン整備や園路のバリアフリー化を進め、
大会成功に向けて取り組んでいきます。
●自然公園
・国立公園(3箇所、約 69,426ha)
指定管理者制度の活用
・国定公園(1箇所、約 770ha)
・都立自然公園(6箇所、約 9,686ha)
※数字は平成 27 年4月1日現在
建設局で管理する都市公園や霊園等の施設では、利用者の多
様なニーズに応え、質の高いサービスの提供を図り、効果的・
効率的な管理運営を行うことを目指していくため、指定管理者
制度の活用を図っています。指定管理者の管理運営については、
大金沢における土砂災害対策
海岸保全施設の整備
第三者の視点を含めた評価を実施し、結果を公表しています。
土砂災害警戒情報の都民への情報伝達経路
東京湾や島しょ地域の海岸延長約 765km のうち、建設局は台
風や季節風などによる波浪から、国土を保全し、人家、公的施
設等の安全性を確保するとともに海岸環境を保全するため、波
浪被害の恐れが高い地域や、海岸の侵食が著しい 26 海岸、約
46km を海岸保全区域に指定し、護岸や人工リーフなどの海岸
保全施設を整備しています。
人工リーフ(海面下に設置する離岸堤)の整備(神津島 長浜海岸)
18
日比谷公園
井の頭恩賜公園
上野恩賜公園
19
公園
公園
井の頭自然文化園
動物園・水族園
明治 15 年に日本で最初に開園した恩賜上野動物園や、世界に
先駆けてサファリ形式を導入した多摩動物公園、日本一の長寿ゾ
ウがいる井の頭自然文化園、大型水族館ブームのきっかけとなっ
た葛西臨海水族園など、都立動物園・水族園は日本の動物園・水
族館をリードしてきました。
平成 23 年9月、都立動物園・水族園を取り巻く状況の変化に
適切に対応し、より一層都民の期待に応えていくため、都立動物
園・水族園が目指す姿とそれを実現するための取組の方向を示す
「都立動物園マスタープラン」を公表しました。今後はこのプラ
ンに基づき、野生動物の保全に貢献するため新ズーストック計画
(都立動物園で飼育している動物の繁殖計画)を策定するととも
に、各園の立地環境や特色等に応じた整備を行い、魅力あふれる
新たな動物園・水族園をつくり出していきます。
昭和 17 年に開園した井の頭自然文化園は、武蔵野の緑豊かな
多摩動物公園
井の頭恩賜公園内の落ち着いた雰囲気の中にあり、今年 69 歳を
昭和 33 年に開園した多摩動物公園は、豊かな自然環境を生か
した野生動物の繁殖に取り組んでおり、オランウータンやユキ
ヒョウ、チーターなど広い敷地が必要な動物たちの繁殖に成功
し、国際的にも高い評価を受けています。
平成 18 年には野生生物保全センターを多摩動物公園に設置し
ました。ここでは動物園内で行われる希少動物の繁殖に限らず、
生息地と連携した活動を積極的に行うことにより、動物園に求
められる保全の役割を果たしています。例えば、国や関係機関
と連携しトキの保護増殖に取り組み、平成 20 年以降、多摩動物
公園生まれのトキが佐渡の空を舞うという大きな成果を生んで
います。
また、平成 25 年3月にはスリランカ民主社会主義共和国と日
本との国交樹立 60 周年を記念して、同国よりスリランカゾウ2
迎えた国内最高齢のアジアゾウ「はな子」をシンボルに、親し
みやすい動物園として多くのリピーターに支えられています。
絶滅危惧種であるツシマヤマネコの保全について生息地であ
る対馬と連携し、飼育繁殖だけでなく生息状況や保全活動の普
及啓発に努めています。また、日本の淡水域に棲む生物を展示
している水生物館は、身近でありながら絶滅の危機に瀕してい
るメダカやカエルなどの繁殖と保全に取り組み、これら日本産
動物の保全に成果を挙げています。
平成 23 年 10 月に整備・公開した「いきもの広場」では、カ
アジアゾウ「はな子」
ツシマヤマネコ
エルや昆虫など身近な生き物の観察や採集を通じて生物との出
会いを楽しむための活動を行っています。
園内には、文化園の名のとおり動物園のほか植物園、彫刻館
などがあり、様々な楽しみ方ができます。
頭、平成 25 年4月には野生動物の保全を共に進めることを目指
恩賜上野動物園
し、モンゴル国よりモウコノウマ3頭の寄贈を受けました。
さらに平成 25 年4月にはタイリクオオカミ、モウコノウマな
恩賜上野動物園は都立動物園であると同時に、日本を代表する
どアジアの草原で暮らす動物を展示する「アジアの平原」がオー
動物園として国際親善などに貢献してきました。昭和 47 年には
プンし、本来の生息地に近い環境で暮らす姿が見られるように
日中国交正常化を記念して1ペアのジャイアントパンダが中国政
なりました。平成 27 年6月には、モウコノウマに待望の子馬が
府から贈られ、日本で初めて飼育を開始しました。その後、2頭
生まれました。
植物園
の子を成育させることに成功し、これまで 10 頭を飼育してきま
した。現在は「リーリー」
(オス)
、
「シンシン」
(メス)の2頭を
飼育し、繁殖に向けた取組を行っています。
植物園では、楽しみながら植物に関する知識や、植物と人間の生活・文化との関わりを学ぶことができるよう工夫をしています。
ジャイアントパンダのほか、ニシローランドゴリラやオカピ、
神代植物公園
スマトラトラなど、絶滅が危惧される希少動物の保全に積極的に
取り組んでいます。
ホッキョクグマやアシカ、アザラシの生き生きとした姿が見ら
れる「ホッキョクグマとアザラシの海」
、恩賜上野動物園ならで
はのツキノワグマの冬眠展示が見られる「クマたちの丘」
、マダ
ガスカル固有種を展示する「アイアイのすむ森」など、工夫をこ
らした多様な動物展示を行っています。
スリランカゾウ
モウコノウマ
葛西臨海水族園
平成元年に開園した葛西臨海水族園は、大型水族館の先駆け
として日本の水族館をリードする展示と教育活動、調査研究を
行ってきました。
マグロ類の群泳展示や東京湾から小笠原までの広大な東京の
夢の島熱帯植物館
平成 23 年に開園 50 周年を迎えた神代植物公園では、うめ園、
清掃工場の余熱を利用している夢の島熱帯植物館では、熱帯の
さくら園、ツツジの大群植、珍しい熱帯植物を集めた大温室、
水辺・人里の景観や、東京の亜熱帯である小笠原諸島の植物の展
世界バラ会連合優秀庭園賞を受賞したばら園などの展示のほか、
示などをしています。
季節に応じたキクやスミレ、古典園芸植物、盆栽の展示会など
館内にはおおよそ 1,000 種類の熱帯・亜熱帯植物があり、一年
を行っています。
を通して、色とりどりの花や果物など特有の景観を楽しむことが
平成 24 年4月には、都内の絶滅危惧植物等の保護・増殖、情
できます。
報収集・発信、植物多様性に関する普及啓発を行う施設として、
また、季節限定で行われるナイトツアーやスコール体験などの
植物多様性センターを開設しました。
イベントでは、臨場感のある自然を味わうことができます。
また、平成 28 年のリニューアルオープンに向けて、大温室を
改修しました。
海に暮らす生物の展示、また国内最大級のペンギンの群れ展示、
東京湾で減少したトビハゼの繁殖などに取り組み、このほかに
も、日本あるいは世界の中でも葛西臨海水族園でしか見ること
のできない生物を数多く展示しています。
ジャイアントパンダ
また、移動水族館車を平成 27 年3月に導入しました。病気
などのために来園することが難しい方々のいる施設などを訪問
し、生き物や自然環境の大切さを伝えています。また、より多
くの方に興味を持っていただき、来園のきっかけ作りとしても
活用しています。
神代植物公園「ばら園」
神代植物公園植物多様性センター
夢の島熱帯植物館「ガラスドーム」
学習園「奥多摩ゾーン」
アイアイ
20
フンボルトペンギン
移動水族館車
21
公園
公園
道路の緑化
庭園
街路樹の充実(質の向上)
道路の緑には、人にうるおいや安らぎを与えるほか、都市環境の
都立公園には江戸から続く歴史と文化が蓄積した貴重な遺産で、国
行っており、平成 22 年に「松の御茶屋」、平成27 年には「燕の御茶屋」
及び東京都の文化財指定を受けている庭園が9箇所あります。いずれ
の復元が完了しました。引き続き、他の茶屋等の復元も進めていき
も我が国を代表する名園です。
ます。
庭園技術の継承を図りながら維持管理を行うとともに、庭園の魅力
また、庭園内の見所を音声や映像で分かりやすく提供する、5ヶ
を高め、より多くの方々に楽しんでいただけるよう、正月開園や春や
国語6言語対応の利用者汎用端末ガイドサービス(スマートフォン
夏の開園時間の延長、桜や紅葉時期のライトアップ、紅葉めぐりスタ
等)を行っています。
ンプラリーなどを実施しています。
小石川後楽園では、戦災後の修復以来となる庭園全域を対象とし
の木~」についても多くの都民や企業の協力を得て無事に事業を終
国の特別名勝と特別史跡に指定されている浜離宮恩賜庭園と小石川
た復元事業に着手しており、琵琶湖を模し、庭の中心的な景色を造
了することができました。
後楽園では、江戸時代の大名庭園の復元を進めています。
り出している「大泉水」の修復を行っています。また、平成 24 年度「円
これまでに整備した街路樹について、植物の生育段階に合わせた
浜離宮恩賜庭園では、江戸時代の大名庭園の姿をよみがえらせ、江
月橋」、平成 25 年度「得仁堂」「九八屋」「丸屋」、平成 26 年度には、
きめ細やかな維持管理を行うとともに、さらなる街路樹の健全な育
戸文化を実感できるよう、戦災等で焼失した「茶屋」群などの復元を
改善、美しい都市景観の創出、安全で円滑な交通への寄与、災害時
平成 20 年度より進めてきました「街路樹の充実事業(都内街路
の火災などから都民を守る防災機能など、様々な役割があります。
樹 100 万本計画)
」は平成 27 年度末をもって目標本数を達成し、四
東京都が管理する道路全長約 2,232㎞ ( 平成 27 年4月1日現在 )
季の花が咲き実のなる季節感あふれる道づくりによって緑の回廊を
のうち、街路樹の植栽延長は約 1,359㎞、中央分離帯や交通島など
充実させてきました。
の道路緑地は約 230ha あります。
またこの事業に合わせて進めてきました「マイ・ツリー~わたし
成と道路緑化の推進を目指し、成熟した都市にふさわしい潤いのあ
「石橋」「赤門」の修復が完了するなど建築物等の修復工事を継続し
る道路環境の整備・管理に取り組んでいます。
て行っています。
絵画館前 イチョウ
迎賓館前 ユリノキ
街路樹の充実事業事例
街路樹の防災機能強化〜大径木再生大作戦〜
平成 24 年度から平成 32 年度までの期間で、防災上重要な路
線において、災害時に緊急車両や物資輸送車両及び避難者の通
行を街路樹が妨げることの無いよう、幹周り 90cm 以上に大径
木化した街路樹に対し街路樹防災診断を実施し、元気の無い街
浜離宮恩賜庭園「燕の御茶屋」
小石川後楽園「石橋」
旧古河庭園「春バラと洋館のライトアップ」
一般都道 132 号
路樹や倒れる恐れのある街路樹の樹勢回復や更新を実施してい
ます。
外堀通り
街路樹診断の促進
街路樹診断は、都道全線(街路樹植栽路線)における幹周り
霊園
60cm 以上の高木を対象として活力が衰えるなどして倒木・幹
折れ・枝折れなどの危険性がある樹木を早期に発見して、適切
都立霊園は 8 箇所あり、使用者数は約28 万人で、約 130 万体
が埋葬されています。(平成27 年4月現在)。
新たな墓所の供給
な処置を施すことにより、樹木の健全な育成を図ったり、樹木
による事故を防止することを目的としています。
都立霊園の人気は高く、応募倍率は依然高い状況にあるため、
平成 20 年2月の東京都公園審議会答申「都立霊園における新
無縁墓所の整理促進や小区画化した墓地、集合墓地の供給により
たな墓所の供給と管理について」では、都立霊園における今後の
供給数の確保を図っています。また、時代や都民意識の変化に伴う、
墓所供給の取組として、遺骨を土中に埋蔵することにより、死後
様々な墓地需要に応え、新型式墓地の供給に努めています。
は安らかに自然に還りたいという思いに応える「樹林墓地」や「樹
区部の青山、雑司ヶ谷、染井、谷中の 4 霊園は、いずれも明治
木墓地」、一墓所の区画は小さいが周辺墓所の景観と調和し修景的
7年開設という長い歴史を有しています。区部霊園については、
にまとまりのある空間を形成する「小区画修景墓地」などが提言
より広く都民が利用できる「霊園」と「公園」が共存する空間と
されました。こうした提言を踏まえて平成 24 年度から樹林墓地、
なるよう、再生事業を実施しており、墓所移転により、新たな立
平成 26 年度から樹木墓地と「小区画修景墓地」として小型芝生
体式墓地や広場の整備などに取り組んでいます。現在、青山霊園
墓地の供給を行っています。
と谷中霊園で事業を進めています。
また、平成 25 年度には、八柱霊園において都立霊園で4基目
郊外にある多磨、小平、八王子、八柱の 4 霊園は、公園墓地と
となる合葬式墓地の供給を開始し、墓所需要に応えるとともに、
いう良好な環境を維持しつつ新しい墓所の形を提供するなど、ス
今後も都市における良好な緑や景観の形成、環境保全に努めてい
ペースの有効利用を図りながら、墓所の供給を行っています。
きます。
台風により倒れ、
道路をふさぐ街路樹
事業実施にあたっては、
「街路樹診断マニュアル」を作成して
災害に強く、美しい街路樹
これに基いて進めているほか、都内国道事務所や区市町村にも
配布のうえ相談及び指導も行っています。
立川昭島線
新宿副都心4号線
新小金井街道
五日市
立川
三鷹
環
8
環
7
上野
新宿
府中
新小岩
東京
八王子
品川
多摩ニュータウン通り
小平霊園 樹木墓地
檜原街道
蔵前橋通り
谷中霊園立体式墓地
小平霊園合葬式墓地
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八柱霊園 合葬式墓地
主なグリーンロード・ネットワーク
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土木技術支援・人材育成センター
土木技術支援・人材育成センター
大都市東京は、人口や高度な都市機能が大規模に集積しており、道路や橋梁など様々な公共施設の建設・維持管理にあたっては、
安全、環境、コスト等に対し高い水準が求められています。当センターは、今まで培ってきた技術と様々な知見を活用して、①建設
局内外で現場から発生する様々な困難課題に対する技術支援 ②技術支援に必要な調査・開発の実施 ③様々な技術情報の蓄積と提
供、などの業務を担っています。
また、ベテラン職員が減少する一方で、新規職員が大量採用され、技術力の維持・継承が懸念される中、技術職員の人材育成と技
術力の維持向上を計画的に図っています。従来から実施している基礎的・継続的な技術研修をはじめとし、より現場実務の習得を重
視した研修等を当センターにおいて企画・実施しています。さらに、ベテラン職員の優れた技術力を建設局全体で共有し継承するた
めの建設局建設技術マイスター制度を導入し、活用しています。
支援に必要な調査・開発(主な事例)
建設局の各事業部の政策実現のための課題解決を目的として、各事業部と調整を図りながら、計画的・継続的に調査・開発に取り組
んでいます。調査・開発の成果から得られた高度で専門的な知識や経験は、建設局ならびに都庁全体への技術支援に活かされています。
ICT を活用した施設管理等の高度化に関する調査・開発
大震災時等の道路の被災状況を携帯電話やスマートホンから
インターネットを介して収集する「レス・ナビ」の機能を拡張
技術支援(主な事例)
して、河川・公園の施設等の被害情報も収集し全体で共有でき
るよう進めています。また地震以外の自然災害等でも施設の損
技術支援にあたっては、事業計画から設計、施工、維持管理
傷などの情報共有もできるよう道路管理部・河川部・公園緑地
までの各段階において直面する課題等を解決し、建設局内はも
部と調整し開発を進めています。
とより都庁全体の事業推進に資するよう支援を行っています。
環境保全に貢献する舗装の調査・開発
道路交通に伴う振動や騒音の調査
都市の過密化に伴い発生したヒートアイランド現象や、騒音・
振動による沿道環境の悪化などの対策のため、遮熱性舗装、低
道路交通に伴う振動や騒音が発生することがあります。実際
騒音舗装などの調査・開発と技術の向上を進めています。
にどの程度の振動や騒音が発生しているのか、調査器具を使用
して測定し、改善に向けた技術的な支援を行っています。
技術情報の蓄積・提供(主な事例)
振動測定状況
施工監理委員会等への技術支援
「レス・ナビ」概念図
(道路の例)
液状化予測図の見直しと公開
トンネル予防保全計画検討委員会や小田急下北沢地区線増連
続立体交差事業技術委員会などに参画し、施工上の諸問題等に
平成 23 年3月に発生した東日本大震災に際して、都内の一
対して技術的助言を行っています。
部地域でも液状化が発生したことを踏まえ、従来の「東京の液
状化予測図」について、精度を高めるため、新たに実施した地
質調査などの成果を用い、また地盤の専門家などの意見も聞き
振動ピックアップ(センサー部)
技術職員に係る人材育成
ながら、平成 23 ~ 24 年度に見直しを行いました。
平成 25 年 3 月から当センターのホームページで公開してい
ます。
建設局では、技術職員の人材育成について、組織的・計画的な技術継承や技術研修の取組を進めています。
技術継承
技術力の継承、維持向上の施策として建設局建設技術マイスター制度を平成 21 年度から導入しています。この制度により認定さ
れた職員(平成 28 年 3 月末現在建設局在籍 195 名)を指導技術者として建設局全体で相談業務・研修講師等に活用し、OJT を横
断的に行う環境を構築し、組織として技術力の継承、人材育成を図っています。
地盤情報システムの整備と活用
公開している液状化予測図
公共基準点及び水準点の観測データ整備と提供
地盤情報システムは、建設事務所等で実施された地質調査結
都内全域の公共基準点(一級)575 地点と水準点(一級)の整備・
果をデータベース化したもので、建設、防災、環境行政等に広
維持管理を行い、公共測量の基本データとして、情報の蓄積・
く活用されています。
提供を行っています。
また、平成 19 年度から柱状図をホームページでも公開し、
また、成果の一部はホームページでも公開しており、平成 27
特に東日本大震災以降は都民の関心の高まりとともに、平成 26
年一年間のアクセス件数は、8,000 件を超えました。
年にシステムの GIS(地理空間情報システム)化を図り、公開
なお、平成 26 年度には、配点図を GIS(地理空間情報システ
柱状図の本数を倍増したことで、平成 27 年一年間のアクセス
ム)化し、ホームページに公開しました。
件数が 90,000 件を超えました。
土木学会・大学等との連携
センターでは土木学会や地盤工学会、首都大学東京等との連
携を図り、学会や大学で有する最新の技術的知見と現場を持つ
建設局建設技術マイスター制度の運用
東京都が有する専門的な技術情報を相互に共有することによ
技術研修
互に技術力の向上に努めています。
土木学会の各種委員会に参画し、専門的かつ新たな知見を習
しっかりと自分の中に知識を根づかせるため、当センターの実
得すると共に、センターの有する技術を提供しています。また
物大構造物モデルや他機関の施設を活用して、実際に身をもっ
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同研究や首都大学東京のセンター発表会への参画等により、相
土木学会との連携
磋琢磨できる職員を育成するため技術研修を実施しています。
あわせた計画的な研修プログラムを展開しています。
首都大学東京と、東京における地下水位の変動特性などの共
り、技術力の向上に努めています。
「現場第一主義」の視点に立ち、技術を伝承し、プロとして切
て感じる「体感型」研修の充実を図るほか、職員のキャリアに
首都大学東京との連携
土木の日に開催される土木コレクションにも参加し、土木技術
発想・企画力養成科
(設計 VE)
構造物維持管理科
のPRを行っています。
「土木の日」土木コレクション
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事業用地取得
事業用地取得
事業用地の取得
補償のあらまし
道路や河川、公園の整備を効果的に進めていくためには、将来を見据え計画的、重点的に事業用地を確保していく必要があります。
このため東京都は、公正公平な基準に基づく補償により関係権利者の理解と協力を得て、道路ネットワークとして重要な区部の環状
土地売買代金
道路、多摩の南北道路、区部と多摩を結ぶ東西方向の道路、並びに防災や生活環境の向上の観点から重要性・緊急性の高い河川・公
土地の価格は、地価公示法に基づく公示価格、近隣の取引価格、及び不動産鑑定士による鑑定価格等を参考にして決定します。こ
園などの事業用地の取得に取り組んでいます。
の価格は、毎年見直しを行います。
また、取得する土地に借地権がある場合には、土地所有者と借地人の方との間で、各々の借地配分を契約前に決めていただきます。
物件移転補償金
用地の取得の流れ
土地の取得に伴って、その土地に建物・工作物等が存する場合は、その土地以外の場所へ移転していただきます。その際の建物等
◆ 1 事業説明会・測量
◆ 4 契約のための協議
事業計画の概要、事業の工程、
土地の取得価格や物件の補償額
補償項目及び概要は、次のとおりです。
測量、用地取得の日程等の説明を
について説明した上で、権利者の
したのち、土地の境界を確認し、
方にそれぞれ個別に金額を提示し
◆ 1 建物移転補償
◆ 7 営業補償
取得する土地の区域や面積を確定
ます。
取得する土地に建物がある場合
店舗や工場等が移転するため一時休業する必要が認められる
には、これらの移転等に要する費
ときは、休業を必要とする期間中の収益減、固定的経費及び従
用を補償します。
業員に対する休業手当相当額を補償します。
するため、測量を行います。
◆ 5 契約の締結・支払い
◆ 2 用地説明会
協議が整ったら、権利者の方と
事業区域内の土地・建物所有者、
それぞれ個別に契約を締結し、契
借地人及び借家人(以下「権利者」
約に基づき土地売買代金と補償金
といいます。
)の方々に用地取得の
を支払います。
手順や補償内容及び生活再建制度
なお、権利者の方が複数の場合
等について説明します。
には、原則として同時点で契約を
します。
◆ 3 土地価格の評価・物件補償額の算定
取得する土地の価格を評価しま
◆ 6 土地の引渡し
す。また建物や工作物等について、
取得した土地は、都で分筆・所
構造や数量、権利関係を調査し、
有権移転登記をします。また、建
「東京都の事業の施行に伴う損失
物等は権利者の方に移転していた
補償基準」に基づき移転費用等の
だき、都がその完了の確認をして、
補償額を算定します。
土地を引き渡していただきます。
の移転費用等を「通常生じる損失」として補償します。
また、営業再開後一時的に得意先が減ると認められるときは、
◆ 2 工作物移転補償
取得する土地に門、塀、庭石類
そのために生じる損失額を補償します。
等がある場合には、これらの移転
◆ 8 家賃減収補償
等に要する費用を補償します。
移転の対象となっている建物を賃貸している場合で、移転期
間中、家賃が入らないことになる場合は、家賃収入相当額から
◆ 3 立木補償
取得する土地に庭木等がある場合、その立木を移転等する
ために要する費用を補償します。
管理費相当額を控除した額を補償します。
◆ 9 移転雑費補償
建物等の移転又は立ちのきに際
◆ 4 動産移転補償
家財道具、店頭商品、事務用備品等の移転に要する費用を
補償します。
し、移転又は立ちのき先を選ぶた
めの費用、法令上の手続きのため
の費用等を補償します。
◆ 5 仮住居補償
建物の居住者が、建物の移転等に伴い仮住居が必要と認め
られるときは、借入れに要する費用を補償します。
◆ 6 借家人に対する補償
建物が移転することにより家主
と借家契約を続けることが難しい
と認められるときは、従来と同程
度の建物を借りるために新たに要
する費用を補償します。
生活再建の支援
代替地のあっせん、移転資金の貸付など、権利者の方々の状況に応じた生活再建支援策を提供し、きめ細かな折衝を行っています。
話合いによって用地取得ができない場合
都の用地取得は、話合いによって任意に土地をお譲りいただくことを原則としています。しかし、土地建物等について争いがある
八王子あきる野線
(新滝山街道)
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など、話合いが整わないときや、補償金等に合意が得られないなど、ご理解いただけない場合には、既にご協力いただいた多くの方々
との公平性の確保の観点や、事業の状況等を考えあわせて、土地収用法の定める手続によって、土地を取得させていただく場合もあ
ります。
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事業用地取得
本庁各部の所掌事務
用地取得の主な事業箇所
道路・街路事業
平成 28 年度取得予定面積:約 24.8 万 m2
道路は、都市の骨格を形成し、都民の日常生活及び都市活動を支える重要な都市基盤です。用地の取得にあたっては、事業の重要度、
緊急度等、事業効果を十分に考慮して推進しています。
(区 部)
(多 摩)
府中所沢鎌倉街道線(町田市本町田)
事務所の所在地及び連絡先
調布保谷線(武蔵境通り)「神代植物公園交差点付近」
これらの他に、第3次交差点すいすいプランにおいては、右折待ち車両による交通渋滞を緩和するため、早期の効果発現を目指し、
76 箇所の交差点で用地の取得を進めていきます。
河川事業
平成 28 年度取得予定面積:約 26.5 万 m2
河川事業は、洪水による水害の危険から都民の生命財産を守るとともに、生活環境の向上に寄与するために必要な用地を取得して
います。
公園事業
平成 28 年度取得予定面積:約 17.9 万 m2
公園や緑地の整備は、良好な自然環境を保全するだけでなく、都民のレクリエーションの場を提供するとともに、災害に強いまち
づくりを実現するために必要な用地を取得しています。
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