...

京丹後市都市計画マスタープラン(案) 《概要版》

by user

on
Category: Documents
26

views

Report

Comments

Transcript

京丹後市都市計画マスタープラン(案) 《概要版》
資料 2
京丹後市都市計画マスタープラン(案)
~分析編~
《概要版》
平成 27年
京丹後市
月
Ⅰ
データ分析
ここでは、国勢調査や各種統計調査のデータからみた分野別の課題整理を行う。
1.人口
① 全市人口の減少
全市の人口は、減少傾向を続けており、平成 22 年国勢調査では、59,038 人となっている。昭
和 50 年以降の人口減少の速度が早まっている。一方、世帯数は増加傾向にある。
人口・世帯数の推移
80,000
74,494 72,966 71,548
70,000
世帯数
69,085 67,208
65,578
40,000
人口
62,723
35,000
59,038
60,000
30,000
50,000
人
40,000
口
(
人
) 30,000
25,000
20,968 20,690
19,919 20,495
18,623 19,023 19,256 19,486
世
帯
20,000 数
(
世
15,000 帯
)
20,000
10,000
10,000
5,000
0
0
昭和
50年
昭和
55年
昭和
60年
平成
2年
平成
7年
平成
12年
平成
17年
平成
22年
人口動態を見ると、平成 11 年頃から人口減の度合いが強まり、平成 17 年で最も減少し、そこから
-700 人前後で推移している。社会増減のほうが自然増減より人口減の度合いが強くなっていたが、
平成 20 年を機に自然増減のほうが強くなっている。
■人口動態
京丹後市 人口増減
H11※
人
口
増
減
0
-100
-200
-300
-400
-500
-600
-700
-800
-900
-1000
H11
-H12
-97 -73
-141
-240
-170
H12
-H13
H13
-H14
-116
-156
-161
-272
-381
-354
-515
H14
-H15
H15
-H16
H16
-H17
H17
-H18
H18
-H19
H19
-H20
H20
-H21
H21
-H22
H22
-H23
H23
-H24
H24
-H25
-136
-330
-258-267 -285
-376
-489
-466
-525
-314-295
-331
-335
-364-340
-373
-399
-303
-382
-427
-443
-333
-466
-540
-609
-734
-774
-704
-704
-916
自然増減
社会増減
-1-
-746
-809
増減計
-799
② 若年層の流出
人口減少の基本的な要因は、若年層の転出超過である。
進学や就職による 10 代後半から 20 台前半の若年層の転出超過が著しく、大学卒業後の帰郷者は
少ない。若年層が帰郷しない背景には、就業の場の不足(都市部での就職)
、居住の場の不足(親世
帯からの独立志向)
、娯楽・レクリエーションの場の不足等が考えられる。
③ 単身高齢者比率の上昇
世帯数は増加傾向にあるが、これは、単独世帯の増加や核家族化の進展の結果である。特に単独世
帯のうち、65 歳以上の高齢単独世帯が 50%を占めており、地域コミュニティの維持のうえで大き
な問題となってきている。
構成別
世帯数
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
平成 22 年
19,486
19,919
20,495
20,968
20,690
単独世帯数
2,534
2,935
3,417
4,031
4,302
高齢単独世帯数
1,125
1,352
1,660
2,018
2,338
単独世帯比率
13.0%
14.7%
16.7%
19.2%
20.8%
5.8%
6.8%
8.1%
9.6%
11.3%
44.4%
46.1%
48.6%
50.1%
54.3%
高齢単独世帯比率
単独世帯に占める高齢単独世帯比率
④ 小規模集落
中山間地域等の農山村集落では、過疎化・高齢化が進行し、生活道路の管理、冠婚葬祭など、共同
体としての機能が急速に衰え、やがては消滅に向かう可能性のあるものも見られる。
これらは、近年「限界集落」とも呼ばれているが、その定義は必ずしも定まっていない。そこで、
以下、幾つかの側面から、京丹後市内の農山村集落について見る。
ア.小規模集落(集落戸数 8 戸以下)
集落戸数 8 戸以下の集落について、平成 22 年国勢調査による小地域別データから該当地区を
抽出すると、9 集落となる。これらのうち、3 地区は高齢者比率が 50%以上、2 地区が 40%以
上であり、秘匿地域である2地区も含むが、いずれも高齢化が進んでいる。
イ.地域人口と高齢化率
いわゆる「限界集落」の概念は、65 歳以上の高齢者比率が 50%以上の集落と定義されている。
平成 22 年国勢調査による京丹後市の小地域別人口では、これにあてはまる地区が見られるが、人
口が少ない集落で明らかに高齢化が進んでいる。
⑤ 市南部での人口増加
地域別の人口動向を見ると、大宮町のみ平成 2 年~17 年の間に一時増加傾向を見せている。平成
17~22 年は微減に転じているが他町の減少傾向と比較すると、安定的に推移しているともいえる。
また、地区別人口では、次頁図に示すように、南部の大宮町善王寺・周枳、峰山町長岡・新町・荒
山など、市中央部の中郡平野で人口増加率が高くなっている。
-2-
このことは、本市の主要な幹線道路である国道 312 号沿道に商業施設が集積した結果、この地域
の生活利便性が高くなったこと、まとまった農業振興地域農用地の指定解除が行われ、一定の道路が
整っている地区において宅地開発が進んだこと等が背景となっている。
旧町別世帯数の推移
旧町別人口の推移
20,000
19,218
6,000
18,823
18,112
17,269
18,000
16,000
14,000
12,000
人
口 10,000
(
人
) 8,000
6,000
15,066 14,911 14,774
13,522
16,696
16,056
14,387
13,178 13,177 12,821
14,026
12,338
13,564
11,857
10,642 10,597 10,486
10,291 10,416
8,956
8,611
8,042
6,501
6,388
6,275
7,607
6,125
6,132
4,000
4,822
4,966
11,097
10,331
峰山町
世
帯
数
(
世 3,000
帯
)
6,545
5,705
丹後町
弥栄町
5,914
久美浜町
2,000
5,493
4,867
4,268
4,301
3,926 3,380
3,401
2,608
2,708
2,748
2,410
2,416
2,382
2,391
2,372
2,375
2,298
2,213
1,632
1,665
1,677
1,710
1,779
1,802
1,796
4,000
大宮町
4,998
4,759
3,410
12,699
10,805 10,757
10,368
7,164
4,768
4,719
4,639
14,233
13,258
網野町
9,345
6,701
5,000
15,361
1,630
4,442
3,353
4,551
4,602
3,353
3,366
2,855
3,111
4,788
4,804
3,730
3,744
峰山町
3,352
3,266
大宮町
網野町
3,407
丹後町
弥栄町
1,000
2,000
0
0
昭和 昭和 昭和 平成 平成 平成 平成 平成
50年 55年 60年 2年 7年 12年 17年 22年
昭和 昭和 昭和 平成 平成 平成 平成 平成
50年 55年 60年 2年 7年 12年 17年 22年
■地区別の人口増減と開発状況
―市中央部の中郡平野での人口の増加と開発の進行-
地区別人口(平成 22 年)と
地区別人口の伸び率(平成 12~22 年)
峰山町・大宮町・網野町の既存市街地
部分で、全市人口の半数以上を占める
人口増加の著しい地域
-3-
久美浜町
【人口の分析結果】
○人口は減少傾向が続いており、社会減も続けば、さらに減少が進むことが見込まれる。
○人口減少の主要な要因は若年層の流出であり、人口の安定化を図るには若年層の定着のための総合
的な対策が重要と考えられる。
○人口減少の中で、若年層の転出と裏腹に高齢単独世帯の増加が進んでおり、単身高齢者の生活条件
の確保が課題となっている。特に山間部の小規模集落では、高齢化率が 5 割を超える地区も見ら
れ、コミュニティの維持が課題ともなっている。
○一方、市南部の中郡平野では、農地における小規模な宅地開発が進んでおり、人口が増加する地区
も見られる。こうした地域では、秩序ある市街地形成が課題となっている。
○このような地区ごとの動向を踏まえた対策が必要である。
2.産業
① 製造業の減少傾向
市内の事業所数は減少傾向を続けているが、特に製造業の減少が進んでいる。これは、京丹後市の
地場産業である繊維産業(ちりめん)の低迷による事業所の減少がその大きな要因である。
事業所数の推移
10,000
合計
9,000
9,012
農林漁業
鉱業
8,054
8,000
建設業
7,000
製造業
6,000
5,000
電気・ ガス・ 熱供給・ 水道業
6,348
5,650
5,215
運 輸・通信業
卸 売・ 小売業, 飲食店
金 融・保険業
4,274
4,000
不動産業
サービ ス業
3,000
公 務(他に分類されないもの)
2,741
2,209
2,000
1,000
0
平成3年
平成8年
平成13年
平成18年
従業者数の推移
35,000
34,284
33,680
30,000
合計
29,926
農林漁業
28,621
鉱業
建設業
25,000
製造業
電気・ ガス・ 熱供給・ 水道業
運 輸・通信業
20,000
卸 売・ 小売業, 飲食店
15,000
金 融・保険業
15,611
不動産業
13,494
サービ ス業
10,000
9,699
公 務(他に分類されないもの)
8,349
5,000
0
平成3年
平成8年
平成13年
-4-
平成18年
②
繊維産業(ちりめん)の急速な縮小
「丹後ちりめん」を柱とする繊維産業は、着物需要の縮小や、製造機能の海外流出等により急速に
縮小し、生産数量は昭和 48 年ピーク時約 920 万反に対して、平成 26 年は約 4%の 40 万反に縮
小している。かつてはそれぞれの市街地で機業が集積していたが、近年ではそうした市街地の性格は
薄れており、機音もまばらである。大量生産型のマーケットの復活は望みにくいが、独自の技術力等
を活かしたブランド化の流れも見られる。
丹後ちりめん白生地生産数量
6,000,000
5,000,000
4,000,000
生
産
数 3,000,000
量
(
反
) 2,000,000
1,000,000
0
S57 S59 S61 S63 H2
H4
H6
H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22 H24 H26
③ 機械製造業の動向
機械製造業は、ちりめん産業と並んで本市を代表する産業である。はん用・生産用・業務用機械(一
般機械)
、輸送用機械等の事業所が多く、その製造品出荷額の合計は全体のほぼ半数を占める。事業
所数は横ばいか微減であり、製造品出荷額は減少傾向にある。また、市内に6ヵ所整備されている工
業団地の立地企業も機械製造業が多数を占めている。
主要業種の製造品出荷額の推移
繊維
はん用機械器具
4,000,000
生産用機械器具
電気機械器具
3,500,000
製
造
品
出
荷
額
(
万
円
)
輸送用機械器具
3,000,000
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
1,177,782
643,775
480,549
500,000
478,488
1,295,331
546,978
1,213,866
493,508
696,579
531,607
0
121,307
平成20年
53,967
46,401
41,093
36,817
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
-5-
④ 中心市街地の空洞化とロードサイド店の増加
小売商業については、事業所数及び年間販売額は減少傾向にあるが、売場面積は平成 16 年まで増
加傾向にあった。このことは、旧来の中心市街地等に立地する店舗の減少と、国道沿道をはじめとす
るロードサイド型の店舗の立地増加に対応しているものと考えられる。また、大規模小売店舗の立地
状況をみると、市内最大の大型店であるマイン等が立地する峰山町の国道沿道に多く見られるほか、
周辺市町にも多く立地していることから、現状では、自家用車での大規模小売店舗への買い物が多く
なっていることが考えられる。
一方、旧町の中心市街地においては、シャッターの下りた商店も見られ、商店街の商店数でみると、
峰山町での減少が最も大きく、どの町においても減少傾向にあるが、高齢化が進めば、車に頼る生活
は徐々に困難となるため、地域生活を支えるうえで、背後人口が集積している中心市街地の商業施設
の役割は今後高まる可能性がある。
そのため、中心市街地とロードサイドの商業機能のバランスをいかに取るかが今後の課題となる。
■商業の概況
事業所数及び年間販売額の推移
小売業
1,600
1,400
72,983
事業者数
年間販売額
75,404
68,881
67,975
80,000
65,668
70,000
61,356 61,457
1,200
事 1,000
業
800
所
数 600
44,399
1,266 1,191
1,104 1,071
400
980
940
870
612
200
0
60,000 年
間
50,000 販
売
40,000 額
(
30,000 百
万
20,000 円
)
10,000
0
平成
3年
平成
6年
平成
9年
平成
11年
平成
14年
平成
16年
平成
19年
平成
24年
【産業の分析結果】
○和装市場の低迷のなかで、繊維産業(ちりめん)が急速に縮小してきており、製造品出荷額も大き
く落ち込んでいる。地場産業の育成の視点から、ちりめんの活性化を図る必要がある。
○一方で、本市の今ひとつの製造業の柱である機械工業は、事業所数は横ばいもしくは微減であり、
製造品出荷額も減少傾向にある。本市の主要産業であるため、今後ますます衰退しないために対策
を考える必要がある。
○商業は、事業所数全体は減少しているが、売場面積は近年まで増加しており、主に国道沿道を中心
とするロードサイド型店舗の増加がその背景にあると見込まれる。
○市内最大の大型店であるマインの立地する峰山町等、国道沿道を中心に大規模小売店舗が多く立地
しており、各町の商店街は商店数、販売額ともに減少傾向にある。今後旧町の中心市街地とロード
サイド店舗のバランスをいかに図るかが重要と考えられる。
-6-
3.土地
① 豊かな山林
課税土地ベースの地目別面積では、市域の過半である 54%にあたる約 91km2が山林であり、農
地は田・畑合計で 33%、宅地は 7%となっており、山林が主な土地利用となっている。
■地目別土地面積(単位:千㎡)
(地目別)
計
(平成 25 年 1 月 1 日現在)
田
畑
宅地
池沼
山林
原野
雑種地
166,972
39,610
15,563
11,902
42
90,586
6,586
2,683
100.0%
23.7%
9.3%
7.1%
0.0%
54.3%
3.9%
1.6%
京丹後市
② 市域の水の循環
京丹後市は市域界と分水界がほぼ一致し、市内に降った雨は市内を還流して日本海に注いでおり、
半ば閉じた水循環の環境を有している。
したがって、市の優れた自然環境の保全を図るうえでは、河川の水質向上や水源涵養のための山林
保全等など、水環境の保全は、全市に共通する視点となる。
③
峰山町及び大宮町での宅地開発の進展
人口増加傾向と連動しているが、峰山町及び大宮町の平坦部では農地転用による宅地開発が盛んで
ある。特に、まとまった規模で農業振興地域農用地の解除が行われた地区では、ほ場整備による道路
を利用したミニ開発が進んでいる。
地区別農地転用(平成 16~25 年)の状況
農地転用の活発な地域
-7-
土地利用の現況
-8-
【土地の分析結果】
○課税ベースの地目では、市域の過半である 54%を山林が占め、農地は田・畑合計で 33%、宅地
は 7%となっており、山林が主な土地利用となっている。また、自然度の高いまとまった規模のブ
ナ林を含んだ国定公園が指定され、市域の調和ある土地利用を図るうえで山林の保全は重要とな
る。
○また、地形条件から半ば閉じた水循環を有しており、水環境の保全も重要な視点となる。
○一方、土地利用の変動については、中郡平野での農地転用と宅地開発が盛んであり、ミニ開発によ
る住宅建設も見られることから、秩序ある開発のコントロールが求められる。
4.建築物・住宅
① 増加しつつある新築件数
平成 21~26 年の 6 年間の市内新築建築物は 1,221 件あり、件数としては微増となっている。
(年)
総計
H21
H22
198
H23
195
H24
178
H25
222
H26
227
201
② 専用住宅を中心とする建築活動
平成 21~26 年の 6 年間の市内新築建築物
その他, 2.5%
倉庫・車庫・物
置, 19.7%
1,221 件のうち、住宅・専用住宅が 58%
を占め、付属家 8%、併用住宅 1%、共同
住宅・アパート 1%を含めると、住居系が
工場・倉庫(一
般用), 3.9%
68%となっており、建築物の半数以上は住
店舗, 3.9%
宅である。また、83%が木造で、1 階建が
事務所, 1.8%
共同住宅・ア
パート, 1.3%
併用住宅, 1.1%
43%、2 階建が 57%である。
住宅・専用住
宅, 58.1%
附属家, 7.7%
■建物用途別新築件数
用途別
住宅・専用住宅
附属家
併用住宅
共同住宅・アパート
事務所
店舗
工場・倉庫(一般用)
倉庫・車庫・物置
その他
総計
峰山町
182
16
6
8
9
14
11
51
3
300
(平成 21 年~平成 26 年の 6 年間)
大宮町
176
20
0
7
3
11
9
32
5
263
網野町
111
22
4
0
4
10
9
44
7
211
丹後町
35
3
1
0
0
3
6
25
3
76
-9-
弥栄町 久美浜町
49
157
10
23
1
1
1
0
3
3
2
8
3
10
24
64
0
12
93
278
総計
710
94
13
16
22
48
48
240
30
1,221
構成比
58.15%
7.70%
1.06%
1.31%
1.80%
3.93%
3.93%
19.66%
2.46%
100.00%
③ 住宅規模
都市計画区域内においては建築確認申請が必要であるため、建築物の規模データの把握が可能であ
る。平成 21~26 年度の 6 年間の新築専用住宅は 434 件で、100~150 ㎡が中心となっている。
延
床
面
積
(
㎡
)
峰山町 用途別新築件数
1000800-1000
700-800
600-700
500-600
400-500
350-400
300-350
250-300
200-250
150-200
100-150
0-100
専用住宅
共同住宅
住宅
アパート
0
延
床
面
積
(
㎡
)
40
60
80
100
120
大宮町 用途別新築件数
1000800-1000
700-800
600-700
500-600
400-500
350-400
300-350
250-300
200-250
150-200
100-150
0-100
専用住宅
共同住宅
住宅
アパート
0
延
床
面
積
(
㎡
)
20
20
40
60
80
100
120
網野町 用途別新築件数
1000800-1000
700-800
600-700
500-600
400-500
350-400
300-350
250-300
200-250
150-200
100-150
0-100
専用住宅
共同住宅
住宅
アパート
0
10
20
30
40
50
60
【建築物・住宅の分析結果】
○新築物件は、件数ベースでは大多数が住宅である。
○新築件数は全市では近年微増傾向にある。新築用途の大多数が住宅用であることを考えると、人口
減少の中で核家族化が進行していることが伺える。
○専用住宅の延床面積は京都府平均と比較してゆとりのあるものが多い。
- 10 -
5.交通
① 自動車交通量
京丹後市内の 12 時間自動車交通量についてみると、市内で交通量が多い主な道路は次の地点であ
る。これを見ると、概ね大宮~峰山~網野を結ぶ中央軸の交通量が多いことがわかる。
従って、トータルとしては大宮~峰山~網野の中央軸は京丹後市の主要動線となっている。
■平日 12 時間自動車交通量(国道・主要地方道)
(平成 22 年道路センサス)
順位
路線名
台数(台/12h)
H17 順位
H11 順位
H9 順位
H6 順位
1位
国道 312 号
⑦大宮町 河辺
観測地点
13,206
1
1
1
1
2位
国道 312 号
⑥大宮町 三重
11,206
2
2
2
2
3位
国道 482 号
⑭峰山町 荒山
9,723
3
4
-
-
4位
国道 178 号
②網野町 網野
7,275
4
3
3
3
5位
網野峰山線
⑰峰山町 赤坂
6,977
6
5
5
5
6位
国道 178 号
⑤(久美浜町)
6,824
5
6
4
4
7位
国道 312 号
⑩久美浜町 佐野
6,243
9
7
6
7
8位
国道 178 号
③網野町 木津
5,976
7
8
8
8
9位
国道 312 号
⑪久美浜町 坂井
5,715
8
11
9
11
10 位
国道 312 号
⑧峰山町 長岡
5,679
10
15
14
13
■自動車交通量図(12 時間)
- 11 -
② 自動車保有台数は市民1人当たりほぼ1台
市の人口は減少傾向にあるが、自動車保有台数は微増であり、まさに市民 1 人当たり1台に近い
普及状況となっている※。高齢化の進行に対応して、車の運転が困難な層も増加するため、公共交通
機関に利用ニーズも高まるものと考えられる。
■自動車保有台数
自動車保有台数
(種別)
総数
自家用自動車
事業用自動車
小型二輪車
軽自動車
平成 19 年
46,067
20,573
437
605
24,452
平成 20 年
45,737
20,121
415
591
24,610
平成 21 年
45,590
19,880
417
613
24,680
平成 22 年
45,580
19,801
414
626
24,739
平成 23 年
45,820
19,809
430
640
24,941
平成 24 年
45,856
19,664
407
673
25,112
平成 25 年
46,254
19,544
397
710
25,603
※市民 1 人当たり自動車普及率の試算
A
平成 22 年国勢調査による 18 歳以上人口
:48,950 人(総人口 59,038 人)
B
平成 22 年自動車保有台数(小型二輪車除く)
:44,954 台
C
18 歳以上市民 1 人当たり自動車保有台数
:B÷A=0.92 台/人
③ 減少する観光客
観光入り込み客数は平成 13 年をピークに減少傾向が続いている。
■観光入込客数の推移
観光入込客数
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
- 12 -
観光入込客数
④ 地域高規格道路計画の進展
《概要》
「鳥取豊岡宮津自動車道」
(鳥取市~宮津市、延長約 120km)は、本市にとっても大宮町・峰山
町・網野町・久美浜町を貫く、まさに背骨をなす道路となるため、その早急な整備が強く期待される
ところである。本道路及び京都縦貫自動車道路が完成した場合、大宮森本 IC~京都市間の時間距離
が現状の 180 分から 100 分へと短縮される見通しであり、広域交通条件の大幅な改善が見込まれ
る。
■鳥取豊岡宮津自動車道位置図
地域高規格道路の今後の課題
⇒事業着手区間の早期完成、未着手区間の早期着手、網野 IC 以西の未都市計画決定区間の
早期都市計画決定が必要である
⇒IC から市街地に至る取り付け道路(アクセス道路)計画の確定が必要である
⇒道路整備効果の有効活用が必要である(工業団地整備、観光施設整備等)
⑤ 幹線道路網
■幹線道路体系の概念図
京丹後市内の国・府道としては、3本の
伊根方面
国道、7 本の主要地方道、28 本の一般
府道がある。
地域高規格道路
豊岡方面
宮津方面
但東方面
- 13 -
■京丹後市内の国・府道
京丹後市
国道の体系は、市域の旧町の中心部を概ねループ状に結び、このループから本市と隣接市町を結ぶ
4 本のルートが東、南(2 本)
、西の三方に伸びた構成となっており、主要地方道及び一般府道がこ
の体系を補完している。
ただし、最も人口規模の大きい網野町と峰山町の中心部は国道では直接結ばれておらず、交通量に
比して現状ではやや機能が弱くなっている。特に冬季積雪時には観光シーズンとあいまって渋滞が引
き起こされることがある。
⑥
市街地道路網
市街地内の道路体系については、以下の路線が京丹後市都市計画道路として計画決定されている。
■市街地内の都市計画道路の指定状況
番
※
区分・規
決定権者
号
路線名
起 点
計画
計画
うち改良
幅員
延長
済延長
平成 27 年 3 月末データ
終 点
模・番号
未改良区間
新樋越川以北現道なし(橋梁なし)
1
京都府
3・5・1
小浜網野駅線
小浜
下岡
12m
2,910m
新樋越川以南未改良
2
京都府
3・6・2
御陵線
網野
網野
8m
670m
670m
3
京都府
3・4・3
浅茂川小浜線
浅茂川
小浜
16m
2,000m
1,370m
改良済
浅茂川以東改良済
浅茂川以西未改良
4
京都府
3・5・4
安丹波線
安
丹波
12m
2,280m
5
京都府
3・5・5
峰山本町通線
吉原
菅
12m
1,980m
6
京都府
3・6・6
桜内荒山線
丹波
荒山
11m
1,010m
1,010m
改良済
7
京都府
3・4・7
浅茂川網野駅線
浅茂川
下岡
16m
3,200m
3,200m
改良済
- 14 -
130m
ほぼ全区間現道あり
全区間現道あり
概ね現道あり
8
京丹後市
3・5・101
港福田線
浅茂川
網野
12m
1,000m
3・5・1 交差付近現道なし
3・4・7 以東改良済
9
京丹後市
3・5・102
下岡本町線
下岡
網野
12m
2,240m
460m
3・4・7 以西未改良
3・5・1 交差付近現道なし
国道 482 号以東改良済
10
京丹後市
3・5・103
朝日桃山線
浅茂川
網野
12m
1,180m
330m
国道 482 号以西未改良
11
京丹後市
3・5・104
新田朝日線
浅茂川
浅茂川
12m
680m
全区間現道なし
12
京丹後市
3・5・105
大昭北大路線
網野
網野
12m
900m
全区間現道あり
13
京丹後市
3・4・106
漁港線
浅茂川
浅茂川
16m
700m
現道なし
14
京丹後市
3・5・107
十王堂線
下岡
網野
12m
610m
全区間現道あり
15
京丹後市
3・5・108
峰山駅前通線
杉谷
荒山
12m
820m
駅以北改良済
290m
駅以南未改良
3・5・108 交差以西改良済
16
京丹後市
3・5・109
杉谷荒山線
杉谷
荒山
12m
1,150m
980m
3・5・108 交差以東未改良
3・6・112 以東改良済
17
京丹後市
3・6・110
安峰山停車場線
安
杉谷
8m
1,670m
910m
3・6・112 以西未改良
市役所付近現道なし、西部現道あり
丹後中央病院付近現道あり
18
京丹後市
3・6・111
吉原杉谷線
吉原
杉谷
8m
900m
北側は現道なし
19
京丹後市
3・6・112
井祢ノ尻樋田線
杉谷
杉谷
8m
250m
20
京丹後市
3・6・113
網野インター線
小浜
公庄
8m
2,250m
250m
改良済
現道なし
※「現道あり」現状として道路が存在しているが未改良である路線
「現道なし」現状が民地等であり、道路の形状を成していない路線
⑦ 鉄道
■鉄道路線図
鉄道は、平成 27 年 4 月に運行会社が変わ
り、北近畿タンゴ鉄道宮津線から生まれ変
わった京都丹後鉄道宮豊線が市内をほぼ縦
貫している。市内には、京丹後大宮、峰山、
網野、夕日ヶ浦木津温泉、小天橋、かぶと
山、久美浜の 7 駅があり、乗車数は平成 1
4 年以降は微減傾向にあったが、峰山、網
野、夕日ヶ浦木津温泉は近年増加傾向が見
られる。運行会社も変わり、生まれ変わっ
た京都丹後鉄道が今後地域の活性化に役立
つことが期待されている。
- 15 -
■京都丹後鉄道宮豊線 鉄道乗車人員の推移
(年度)
京丹後大宮
峰山
網野
夕日ヶ浦木津温泉
小天橋
かぶと山
久美浜
(参考)宮津
(参考)天橋立
H13
51
105
112
49
38
69
52
388
69
H14
59
150
151
55
39
68
48
199
187
H15
56
149
141
53
36
63
45
191
182
(単位:千人)
H16
48
146
149
48
36
73
47
194
174
H17
47
140
139
46
48
60
45
201
182
H18
42
135
130
45
32
54
45
194
181
H19
55
120
106
39
40
50
47
204
180
H20
48
92
95
45
25
57
42
167
109
H21
53
89
93
45
26
51
42
179
101
H22
54
105
105
56
17
48
39
190
129
H23
47
113
94
55
23
36
40
161
127
H24
56
114
98
51
20
38
44
204
150
H25
52
109
99
43
24
39
42
216
151
⑧ バス
(市営バス)
京丹後市では、市営バス弥栄延利線(弥栄延利線)
、市営バス久美浜路線(湊線、田村線、川上線、
佐濃南線、佐濃北線、二区環状線)
、市営バス豊栄竹野・宇川線(豊栄竹野線、宇川線)を運行して
いる。
(いずれも運賃は 200 円)
(全但バス)
全但バスは、平成 21 年 5 月をもって、京丹後市内の路線を休止した。
(丹海バス)
平成 18 年 10 月から丹後海陸交通株式会社(丹海バス)との協働により、上限 200 円バスの実
証運行に取り組んだ。その結果、利用者、運行収入ともに右肩上がりの状況となり、平成 22 年 10
月から本運行へと移行した。
■「上限 200 円バス」の運行(丹海バス)
■市営バス、全但バス、丹海バス
の乗客数の推移
90,000
450,000
390,295
80,000
70,000
市
営
バ
ス
、
全
但
バ
ス
(
人
)
333,170
365,288
328,486
303,207
367,403
393,109 383,432
350,000
60,000
50,000
40,000
300,000
54,731 52,639
50,946 51,580 50,191 50,606 50,036 45,244
市営バス
17,442 15,853
全但バス
13,528
丹海バス
5,636
平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成
18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年
- 16 -
バ
200,000 ス
150,000 )
20,000
0
丹
250,000 海
(
人
30,000
10,000
400,000
100,000
50,000
0
【交通の分析結果】
○京丹後市では、旧町をループ状に結び、市外と連結する国道及び府道が骨格的な交通軸となってい
るが、特に大宮~峰山~網野を結ぶルートは交通量が多く、本市の中央軸と呼べる。
○中央軸のうち、最も交通量が多いのは国道 312 号(大宮町域)で、12 時間交通量は 13,206 台
であり、シーズンには観光交通が集中し、渋滞も見られる。
○また、網野~峰山間の主要地方道網野峰山線については冬期積雪により観光シーズンには渋滞も見
られ、改善が必要とされている。
○市内の自家用保有車台数は微増で推移している。人口減少にも関わらず世帯数が増加していること
や、家族の移動ニーズの個別化を反映しているものと考えられる。自動車普及率は、18 歳以上市
民 1 人当たり 0.92 台に至っており、
「1人 1 台」も間近な状況にあり、自動車が最も重要な市民
の足となっていることがわかる。
○地域高規格道路(鳥取豊岡宮津自動車道)が、2回目の都市計画の変更がなされ、宮津天橋立 IC
~与謝天橋立 IC は開通済、与謝天橋立 IC~(仮)大宮森本 IC までの区間が着工されている。都
市構造的には中央軸の強化に寄与する骨格的な道路となるものであり、市街地内の道路体系との接
続のあり方が今後の課題となる。
○主要な幹線道路については、集落内を通過する狭あい区間のバイパス化の検討及び事業化が逐次進
められており、地域間交通の改善に寄与している。しかしなお、狭あい区間が残されており、一層
の推進が求められている。
○京丹後都市計画区域に指定されている既定の都市計画道路については、網野町域の浅茂川網野駅線
など、既成市街地内を通過しない路線は一定整備が進んでいる。一方、都市計画決定により現道の
拡幅が必要となる路線については、沿道に建物が建ち並んでいることにより整備が進んでいない現
状であるため、市街地の特性に応じて整備の優先順位の設定や計画の見直し等が求められている。
○鉄道については、乗者数が全体として微減傾向にある。現在、市内の移動の多くは自動車が利用さ
れているものの、鉄道は学生や高齢者などの移動にとっては欠かせぬ足であり、また広域観光の重
要な移動手段となっている。そのため、鉄道の存続を図る上でも、利便性の向上を通じて利用の増
進を図る必要がある。
○バスについては、平成 18 年からの実証運行を受け、平成 22 年から「上限 200 円バス」を全市
域で導入した。今後も、鉄道との乗り継ぎ利便性の向上や、観光利用 PR 等を通じて、乗客数を確
保し、安定的な運行を継続する必要がある。
- 17 -
6.公園緑地及びレクリエーション
① 都市公園
ア.公園に対する市民ニーズ
平成17年度に実施した「都市計画マスタープラン策定に向けたアンケート」をみると、「身近な
憩いの場としての公園や広場」に対する満足感が低いとともに、「今後重点的に取り組むべきこと」
について、若い世代ほど、
「身近な公園や広場の充実」を求める割合が高く、憩いや子育ての場に対
するニーズが高いことが伺える。
生活環境に対する満足感
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(1) 高齢者や障害者の方が快適に暮らすことのできる
環境
(2) お祭などの身近な地域の行事や歴史資源
(3) 身近な緑や自然の豊かさ
(4) 近所づきあい
(5) 身近な道路の歩きやすさや交通安全
(6) まちなみや景観
(7) 買い物などの日常生活の利便性
(8) まちの活気を生み出す地域の取組み
(9) 防犯などへの備え
(10) 身近な憩いの場としての公園や広場
(11) 下水や雨水の排水
満足
やや満足
どちらでもない
やや不満
不満
不明
イ.都市計画公園の現況
上記のうち、都市計画決定された公園は次の 3 箇所である。またこれらは「京丹後市都市公園条
例」において都市公園に位置づけられ、管理や使用に関する規定が定められている。
■都市計画公園
番号
5・.5・1
名称
峰山総合公園
(総合公園)
計画面積
21.3ha
主要施設
野球場、サブグラウンド、テニス
コート、遊歩道、展望台、
4・4・1
途中ヶ丘公園
(地区公園)
7.6ha
5・4・2
八丁浜シーサイドパ
ーク(総合公園)
9.8ha
グラウンド(陸上、サッカー兼
用)、ジョッギングロード、大型
複合遊具
多目的芝生広場(サッカー、グラ
ウンドゴルフ)、多目的広場、大
型複合遊具
- 18 -
備考
面積には周囲の緑地を
含む
浅茂川海岸コースタル
コミュニティー・ゾーン
整備計画(国土交通省認
定)の中核施設
②
各種公園
ア.既存の各種公園の有効活用
その他、旧町ごとに次のような多様な公園が整備されている。合併を踏まえたこれらの公園施設の
広域的な有効活用が求められる。
■各種公園
名称
位置
概要
大宮自然運動公園
口大野
野球場、子供の広場、テニスコート
小町公園
五十河
「小町の舎」
離湖公園
小浜
離山展望台、湖岸散策路
網野体育センター
網野
多目的ひろば、テニスコート、武道館
城嶋公園
間人
城嶋全体を公園化
間人港公園
間人
間人港大橋の整備とあわせた海岸公園整備
弥栄総合運動公園
木橋
グラウンド、アドベンチャーロード、弥栄社会体育館
水辺公園やさか野
溝谷
桜並木の遊歩道
森林公園スイス村
野中
キャンプ場
丹後王国「食のみやこ」
鳥取
久美浜中央運動公園
永留
グラウンド、ゲートボールコート、テニスコート
かぶと山公園
久美浜一区
かぶと山展望台、キャンプ場
アメニティ久美浜公園
久美浜一区
久美浜湾及びその周辺の優れた環境を生かした海洋性レクリ
他
三嶋神社水天宮
道の駅
エーションの場
久美浜奥山自然体験公園
二俣
あじさいの郷公園
尉ヶ畑
イ.銚子山古墳周辺
網野銚子山古墳(国史跡指定)は、4 世紀後半に造られた全長 198mの日本海最大の前方後円墳
で、福田川河口の「潟湖」にあった港を見下ろす位置にあり、
「丹後王国」の権力の象徴といえる古
墳である。平成 18 年4月に地元から古墳用地約 1 万㎡の寄付を受けており、
「京丹後市文化財マス
タープラン」
(平成 18 年 9 月)において、発掘等各種調査を踏まえた保存整備等の方針が位置づけ
られている。今後、史跡としての保存を基本としつつ、アクセス道路や関連施設の整備など、市民や
来訪者が訪れやすい環境形成が求められる。
【公園の分析結果】
○峰山総合公園、途中ヶ丘公園、八丁浜シーサイドパークが都市計画公園として位置づけられ、整備
されている。また、市内には多様な公園施設が整備されている。これらの公園施設の有効活用やネ
ットワーク化が求められる。
○また、網野銚子山古墳については、史跡としての保存を基本としつつ、アクセス道路や関連施設の
整備など、市民や来訪者が訪れやすい環境形成が求められる。
- 19 -
7.上下水道
① 上水道
ア.上水道の現況
上水道については、平成 17 年度に京丹後市水道事業が創設された。平成 26 年 3 月策定「京丹
後市水道事業基本計画」によると、計画給水人口は 27,605 人(計画平成 35 年度)である。
イ.簡易水道の現況
簡易水道については、平成 24 年末で 25 の簡易水道事業と 8 の小規模水道事業(平成 26 年 3
月策定「京丹後市水道事業基本計画」より)を行っている。
ウ.上水道・簡易水道の課題
給水人口の減少、経営の安定化を背景に、平成 28 年度末までに上下水道と簡易水道の経営統合を
行うこととしている。統合のメリットを活用し、給水区域のブロック化を図り、今後の水需要の減少
に合わせて、余裕水量を他のブロックへ供給し、施設の休廃止を行う方針としており、水道施設の効
率化を図ることができる。
水道事業の歴史が古いことから、多くの老朽化施設や耐震性を有しない施設が存在しており、今後
の安定給水に向けた全体的な施設への老朽化に対応した必要な更新及び改良等、適切な維持管理が必
要である。
- 20 -
② 下水道
ア.下水道の現況
京丹後市水洗化計画では、市内の水洗化の推進について、公共下水道・特定環境保全公共下水
道・農業集落排水事業・漁業集落排水事業及び市設置型浄化槽により整備が進められている。
■京丹後市水洗化計画
町別
公共下水道
峰山町
大宮町
峰山・大宮処理区
網野町
丹後町
弥栄町
網野処理区
特定環境保全
公共下水道
農業集落排水
峰山・大宮処理区
久美浜
町
三重処理区
森本処理区
橘処理区
丹後処理区
成願寺処理区
和田野処理区
黒部処理区
溝谷・吉野処理区
佐濃南処理区
川上南部処理区
久美浜処理区
凡例
○○整備完了
○○一部整備済
漁業集落排水
○○事業認可済区域
砂方処理区
○○一部事業認可済区域
(上記処理区以外については市設置型浄化槽により対応)
■公共下水道
下水道の名称
排 都市計画決定
水
区
域
公共下水道
全体計画区域
下水管渠
処 名称
理
敷地面積
施
処理方式
設 名称
敷地面積
京丹後市公共下水道
汚水(分流式)
汚水(分流式)
峰山・大宮処理区
網野処理区
約 443ha(うち処理区域約 443ha) 約 259ha(うち処理区域約 259ha)
約 756ha
約 300ha
吐口
峰山・大宮浄化センター
約 31,600 ㎡
オキシデーション・ディッチ方式
峰山・大宮第 1 汚水中継ポンプ場
約 300 ㎡
峰山・大宮第 2 汚水中継ポンプ場
約 500 ㎡
峰山・大宮第 3 汚水中継ポンプ場
約 600 ㎡
放流管渠
網野浄化センター
■都市下水路から公共下水道へと移行した下水路
処理区名(雨水)
延長(m)
内ヶ森排水区
870m
小栓川排水区
1,401m
- 21 -
イ.都市下水路
市街地内の浸水を防除するため、次の都市下水路が都市計画に定められている。
■都市下水路(都市計画施設)
都市下水路名
延長(m)
風呂川都市下水路
2,460m
風呂川水系カイセ川都市下水路
2,544m
北大路都市下水路
693m
浜河口都市下水路
600m
勝山都市下水路
590m
ウ.下水道整備の課題
市内の水洗化については、地域の実状及び整備効果を勘案して、公共下水道、特定環境公共下
水道、農業集落排水、漁業集落排水、市設置浄化槽により整備することとされており、これに即
した整備を進めることが必要である。
【上下水道の分析結果】
○本市では、計画給水人口 27,605 人(計画年度平成 35 年度)とする上水道事業と、25 の簡
易水道事業と 8 の小規模水道により、上水の供給を行っている。上水道と簡易水道の経営統合
を予定しており、そのメリットを活用した効率化や老朽化に対応した更新・改良など適切な維
持管理が求められる。
○本市では、公共下水道、特定環境保全公共下水道のほか、農業集落排水、漁業集落排水、市設
置浄化槽など、地域事情と整備効果に応じた水洗化を進めることとしている。
- 22 -
8.その他の都市施設等
① 工業団地
市内には現在以下の6つの工業団地がある。
今後、地域の雇用の受け皿として工場誘致は重要であり、また、地域高規格道路の整備により
本市の立地条件が大きく高まるため、今後、インターチェンジ周辺等において、新たな工業団地
の増強についても検討する必要がある。
■京丹後市内の工業団地の概要
団地名
赤坂工業団地
所在地
峰山町赤坂
面積(㎡) 134,654
完成年度 平成4年度(第1
期)
平成14年度(第2
期)
立地企業 7社
数
主な業種 車輌部品加工・工
等
作機械製造
板金・塗装
精密機械部品加
工・ユニット組
立
プラスチック成型
加工
精密熱間鍛造、金
型設計製作
金属部品表面処理
加工
金属皮膜(メッキ)
加工業
地域指定 ・農村地域工業等
等
導入促進法によ
る導入地区
・ものづくり産業
集積促進地域
・工場立地法によ
る工場適地
都市計画 都市計画区域
清水工業団地
森本工業団地
大山工業団地
永留工業団地
谷工業団地
大宮町谷内
44,831
昭和62年度
大宮町森本
151,827
平成22年度
丹後町大山
49,667
昭和57年度
久美浜町永留
41,545
昭和61年度
1社
9社
1社
久美浜町谷
82,644
昭和61年度(第1
期)
平成15年度(第2
期)
4社
精密熱間鍛造、金
型設計製作
工作ユニット組立
鉄骨構築物加工
高圧継手
一般機械部品加工
半導体製品装置
繊維製品
絹・人絹織物
プラスチック製品
金属表面処理
電子部品製造
電子部品製造
ステンレス研磨加
工
金属加工
食品製造加工
・農村地域工業等
導入促進法によ
る導入地区
・ものづくり産業
集積促進地域
・農村地域工業等
導入促進法によ
る導入地区
・ものづくり産業
集積促進地域
・農村地域工業等
導入促進法によ
る導入地区
・ものづくり産業
集積促進地域
・ものづくり産業
集積促進地域
・伝統と文化のも
のづくり産業集
積促進地域
-
-
-
-
-
■工業団地位置図
- 23 -
② 処理施設、火葬場
処理施設、火葬場については、都市計画区域内で新築又は増築する場合、都市計画決定が必要
である。市内には下表の処理施設・火葬場が立地しており、火葬場については市内の火葬場が統
廃合され、平成 24 年 7 月に新たに都市計画決定され、平成 27 年より稼働する火葬場が1箇所
設置されており、合併時からの懸案事項が解消された。また、峰山クリーンセンターについても、
将来的な建て替え増築等を行う場合には都市計画決定が必要である。
種類
名称
廃棄物(可燃) 峰山クリーンセンター
廃棄物(不燃) 峰山最終処分場
大宮最終処分場
網野最終処分場
久美浜最終処分場
し尿処理
網野衛生センター
竹野川衛生センター
久美浜衛生センター
火葬場
京丹後市営火葬場
位置
京丹後市峰山町内記 908
京丹後市峰山町内記 492
京丹後市大宮町三坂 5-1
京丹後市網野町三津 378-1
京丹後市久美浜町 98-1
京丹後市網野町高橋 524
京丹後市弥栄町和田野 38-1
京丹後市久美浜町湊町 468-252
京丹後市峰山町赤坂小字麦ヶ谷 2-1
都市計画区域
都市計画区域
都市計画区域
-
-
-
都市計画区域
-
-
都市計画区域
③ 情報通信網の整備
「京丹後市地域情報化計画」
(平成 18 年 3 月作成)において、本市の情報化の方向付けがな
されている。本市の情報通信基盤の整備に関して、①都市部や他地域と本市との格差、②本市内
での地域間の格差、③行政施設と家庭・事業所の格差という 3 つの格差があることが指摘されて
おり、
その改善のため、
各家庭が多様な情報を容易に受発信できる FTTH(Fiber To The Home)
の実現をめざし、平成 21 年度に光ファイバーによるブロードバンド網の整備を完了した。
またこのことにより、今後、より一層の市民相互の交流や市と市民の連携を推進し、全市一体
性の向上に寄与することが期待される。
【その他の都市施設等の分析結果】
○本市には、現在、6箇所の工業団地が立地している。市内事業所のアンケートでは、拡張ニー
ズのある企業が見られるほか、地域高規格道路の整備に伴い、新たな企業進出が期待される中
で、新たな工業団地の整備についても検討を進めていく必要がある。
○市内の火葬場は統廃合され、平成 27 年度に新たに1箇所の火葬場が設置されており、合併時
からの懸案事項が解消された。
○高度情報化社会が進展する中で、市内の家庭や事業所を結ぶブロードバンドネットワークの形
成が求められている。平成 21 年度には光ファイバーによるブロードバンド網の整備を完了さ
せ、より一層の市民相互の交流や市と市民の連携を推進し、全市一体性の向上に寄与すること
が期待される。
- 24 -
9.災害対策
① 震災対策
1927 年(昭和 2 年)に起きた丹後半島の頚部を震源とするマグニチュ-ド 7.3 の北丹後地震
は、京丹後市に大きな被害をもたらした。家屋被害は焼失 2,166 棟、全壊 3,778 棟、半壊 3,236
棟、人的被害は、死亡(行方不明を含む)2,259 人、重傷 953 人、軽傷 1,240 人であった。
峰山町及び網野町の被害が大きく、特に市街地部での被害が大きい災害であったことが分かる。
地域防災計画によれば、京丹後市付近の想定震源としては、上林川断層地震と若狭湾内断層地
震があげられており、京丹後市の想定震度は、いずれの地震においても、大部分の地域で震度5
弱、一部の地域で震度5強と、報告されている。地震の原因となる断層としては、山田断層帯主
部と郷村断層帯があり、それぞれマグニチュード 7.4 程度の地震が想定されている。前者につい
ては平均活動間隔が不明のため将来の地震発生可能性も不明であるが、後者については北丹後地
震が最新活動時期であり、今後 30 年、50 年、100 年、300 年以内の地震発生確率はほぼ 0%
とされている。
とはいえ、地震への対応として、防災道路の確保や建物の耐震性の向上等に十分に配慮する必
要がある。
② 風水害対策
京丹後市では、過去からたびたび台風・集中豪雨による被害が発生している。近年では、平成
20、21 年の全市域にわたる大雨や平成 21 年の台風 18 号による大水害は本市に大きな被害を
もたらしたものとして記憶に新しい。
従って、河川改修等の治水対策や市街地における土砂災害の防止等は引き続き重要な課題であ
る。
■台風・集中豪雨被害
年度
20 年
名称
21 年
21 年
台風 18 号
災害の種類
大雨
月日
7 月 28 日
罹災地
市内全域
大雨
8月9日
市内全域
水害
10 月 8 日
網野町
- 25 -
災害内容
ビニールハウス等1箇所、ブロック塀等2
箇所、河川 94 箇所、崖崩れ 32 箇所、橋
梁4箇所、畦畔崩壊 58 箇所、砂防2箇所、
地すべり4箇所、鉄道不通2箇所、土石流
1箇所、道路 (その他)57 箇所、道路冠水
65 箇所、道路崩壊 39 箇所、農道 51 箇
所、農林水産業施設 49 箇所、文化財関係
1箇所、文教施設1箇所、林地崩壊 15 箇
所、林道 5 箇所、その他 116 箇所
ブロック塀等1箇所、河川 19 箇所、崖崩
れ 17 箇所、畦畔崩壊7箇所、地すべり2
箇所、道路(その他)8箇所、道路冠水9箇
所、道路崩壊7箇所、農道4箇所、農林水
産業2箇所、農林水産業施設3箇所、文教
施設1箇所、林地崩壊2箇所、林道5箇所、
その他 13 箇所
府道と市道の交差点付近冠水(5㎝程度、車
の通行に支障はない程度)
③ 雪害対策
京丹後市は豪雪地帯の指定を受けており、昔から雪害に悩まされてきた。昭和 2 年以降の京丹
後市での主な雪害の概要を以下に示す。
近年の地球温暖化の影響により、大きな被害をもたらす豪雪は減少したようにもみえるが、平
成 19 年には雪害による床下浸水やがけ崩れも発生している。また、冬季積雪による交通渋滞等
の問題は引き続き発生しており、対応が必要である。
■京丹後市の雪害
年度
昭和 2 年
名称
洪水
災害の種類
融雪による
洪水
雪害
雪害
雪害
月日
3月8日
罹災地
久美浜町
災害内容
各河川増水による低地での浸水
1 月 23 日
1 月~2 月
1月
網野町
久美浜町
大宮町
全壊 7 棟、半壊 4 棟、損壊 33 棟
家屋、果樹園等に被害、人命被害無
住宅被害 16 戸、損壊 119 戸、非住宅 86
棟
路肩崩壊
小屋、物置全壊
農林・土木等被害 3ha
住宅一部損壊 12 件、工場一部損壊 3 件、
道路被害 5 箇所、山林被害 74ha 他
37 年
38 年
38 年
大雪
豪雪
大雪
44 年
50 年
50 年
51 年
大雪
大雪
大雪
51 年末
~52 年
にかかる
大雪
大雪
大雪
雪害
雪害
雪害
雪害
1月3日
1 月 10 日
1 月 13 日
S51.12..26
~S52.3.5
網野町
大宮町
網野町
網野町
雪害
雪害
1 月 20 日
1 月~3 月
網野町
弥栄町
平成 19 年
大雪
雪害
大宮町
19 年
大雪
雪害
丹後町
56 年
56 年
住宅一部損壊 24 戸、道路・水路損壊他
住宅全壊 1 戸、一部損壊 46 棟、倉庫全壊・
一部損壊 103 棟
急激に大量の水量で土管が機能せず、道路
に流出し床下浸水
崖崩れ
【災害対策の分析結果】
○本市では、1927 年(昭和 2 年)の北丹後地震において甚大な被害を被っており、その教訓を
後世に伝えるため、震災記念館が設置されている。この教訓を活かし、防災道路の確保や建物
の耐震性向上など、地震に対する十分な配慮が必要である。
○平成 20、21 年に、全市域において大雨による道路冠水や崩壊等が発生しており、本市では、
これまで台風や集中豪雨による被害が発生している。そのため、河川改修等の治水対策や、市
街地における土砂災害の防止に向けた取組みが重要な課題となっている。
○本市は、日本海型の気候区に位置し、豪雪地帯の指定も受けている。近年は、地球温暖化など
の影響から、積雪量が減少しているが、積雪時における交通渋滞などが、市民生活や観光業な
どへの影響も与えておりその対応が求められている。
- 26 -
10.その他
峰山地域の《まちづくり広場における提案・指摘等》
○まちの歴史資産の活用に関して
・金刀比羅神社周辺に残る歴史的な建物を活用したい
・震災記念館を活用するためにも、常時、人が訪れることができる場にすることが重要
・格子窓等町並みを保存する
○まちの賑わいに関して
・新しいお店も進出してきており、御旅市場の活気を取り戻したい
・マイン周辺は行政による都市計画のゾーン化が必要
・地元の人や観光客にも分かりやすいまちの情報発信、サイン整備等が必要
・やる気のある若い人が出店にチャレンジできる仕組みが必要
○まちの道路・交通に関して
・御旅市場周辺の通過交通の抑制
・KTR の利用促進を図ることが必要
・安心して歩ける道がない
○まちの自然資源の活用に関して
・小西川の浸水対策、道路、橋等の改修を進め、水に親しめるようにすることが必要
・風呂川の水質を向上させたい
・小西川、風呂川ともにゴミが多いので、きれいにしたい
大宮地域の《まちづくり広場における提案・指摘等》
○まちの歴史資産の活用に関して
・五十河に活用されないままに残る古民家を活かしたい
・旧道沿いの歴史的な町並みを保全する
・郷土文化を活かし、都市・農村交流を促進させることが重要
○まちなかの開発行為に関して
・善王寺周辺で戸建て住宅の乱開発が起こっており、規制が必要
・開発と保全の両立、調和が必要
○まちの道路・交通に関して
・高速道路ができると、大宮は通過するだけのまちになる
・バイパス沿道の街路樹や歩道の整備が不十分
・バイパスで朝・晩の交通集中が激しい
・インターを活かした工場及び研究施設等の誘致
○農の恵みの活用に関して
・
「京のみやごぜん」等農産品のブランド化が必要
・高齢化に伴い水路や田んぼ等の日常管理を役割分担していくことが必要
・有害鳥獣による被害を防ぐことが必要
○まちの自然資源の活用に関して
・竹野川の水質を改善し、地域住民の憩いの場にしたい
網野地域の《まちづくり広場における提案・指摘等》
○まちの歴史資産の活用に関して
・浅茂川周辺で景観の変化が大きく、色彩等を規制することで守っていくことが重要
・銚子山古墳へのアクセスを改善してほしい
・銚子山、離湖、琴引浜を結ぶルートが出来ないか
○まちの賑わいに関して
・まちなかを散策できるような整備が必要
・天気の良い日にはランチが出来るような場所がほしい
・まちなかの空き地が増えているのが心配
○まちの道路・交通に関して
・まちなかの道が複雑で分かりにくい
・駅から中心部まで遠い
・駐車場がない
○まちの自然資源の活用に関して
・天然記念物にも指定された琴引浜周辺の観光施設の充実
・海辺を楽しむために、琴引浜から市内 12 ヶ所ある鳴き砂浜へ誘導していく工夫が必要
・離湖を市民の憩いの場とするためにも、離湖の水をきれいにしたい
- 27 -
Fly UP