...

RUBeC 演習に参加して

by user

on
Category: Documents
42

views

Report

Comments

Transcript

RUBeC 演習に参加して
特集
学生の研究活動報告−国内学会大会・国際会議参加記 19
それぞれの講義は,生徒が先生の話を一方的に聞
RUBeC 演習に参加して
くのではなく,生徒が先生に質問や意見を積極的に
宇
野
弘
誓
Kousei UNO
物質化学専攻修士課程
1年
投げかける学生参加型の形式で行われました.アメ
リカでは,このような学生と先生が会話をするよう
な形で授業が行われることが一般的で,一方的に話
を聞く日本型の講義に慣れていたこともあり,少し
1.はじめに
戸惑いを感じることもありましたが,先生方の大変
私は,2013 年 8 月 17 日から 9 月 2 日にかけ,ア
メリカ合衆国カリフォルニア州バークレーにある龍
谷大学北米拠 点 RUBeC( Ryukoku University Ber-
丁寧な講義によりすぐになじむことができました.
3.企業・大学見学
keley Center)にて開講された RUBeC 演習Ⅰという
企業見学には「Agilent Technologies」に行かせてい
プログラムに参加し,英語によるテクニカルライテ
ただきました.この会社は測定機器や分析機器を作
ィングとプレゼンテーションの学習,および現地の
製している会社で世界中に拠点をもつグローバル企
企業や大学の見学を行いました.
業です.企業の方に会社の中を案内していただき,
間近で作業や研究を行っている様子を見ることがで
2.講義内容
きました.そこでは,様々な国の方々が互いに英語
授業は平日の 9 時から 15 時までで,午前中に
で会話しあってコミュニケーションをとっておら
「テクニカルライティング」,午後に「プレゼンテー
れ,英語の大切さをよりいっそう理解することがで
ション演習」の講義が行われ,その後,宿題の時間
を含む自習時間が 17 時まで設けられていました.
きました.
大学訪問ではカリフォルニア大学 UC Berkeley お
授業は 2 人のネイティブの先生方による英語の講義
よび UC Davis に行かせていただいきました.いず
でした.テクニカルライティングでは,英語の文章
れも広大な敷地を持ち,その中には学生寮,食堂,
作成スキルの向上を目的とし,事前に作成した研究
スポーツ施設,図書館など学生たちが生活するうえ
成果の英語要旨を修正しながら講義が行われまし
で不自由が無いように施設が完備されていたことに
た.また,プレゼンテーション演習では,英語の発
驚きました.また,大学の紹介や独自のカリキュラ
音など発声に重点を置き,英語で研究成果を報告す
ムの説明をしていただき,大学が非常に地域に密着
るスキルを身に付けることを目的として,スライド
した体制をとっていること,学生が卒業後の就職先
作成から発表まで指導していただきました.最終日
もしくは起業のイメージを持っていることを知り,
には RUBeC 演習参加学生によるプレゼンテーショ
日本との違いを実感しました.
ン大会が開かれ,講義で学んだ成果を披露しまし
た.これらの講義を受けて最も勉強になったこと
4.現地での生活
は,単語の使い回し方と発音です.表面上の意味で
プログラムの期間中はホームステイを行い,そこ
はほとんど同じでも,細かなところで意味が違う単
から徒歩や電車に乗って RUBeC へ通学し,電車の
語や熟語を用いることで,より正しい文章構成にな
乗り方などはすべてホストファミリーの方が英語で
ることを,講義の中で学びました.また,英語の発
説明してくださりました.ホストファミリーの方々
音ではプレゼンテーションを行うにあたって,重要
とは,日本に住んでいる場所や文化について会話し
な単語の強調等を行うことによってよりはっきりと
ましたが,日本語では簡単に伝えられる内容でも英
相手に意図が伝わることを教えていただきました.
語になると大変難しく,短い文章や身振り手振りで
― 35 ―
意思を伝えていました.特に英語の聞き取りは苦手
て道行く人を盛り上げている人がいました.そんな
なために相手の話している内容が分からないという
人達を現地の人は変な目で見たりすることもなく,
ことがよくありました.しかし,2 週間という短い
個性や社会の一つとして受け入れているようでし
時間でも英語の聞き取りができるようになったこと
た.枠からはみ出た人を嫌う傾向にある日本では考
に驚き,自信を持てるようになりました.
えられない光景でありました.
休日にはサンフランシスコの街へ観光に出かけま
した.途中で道に迷うこともあり,現地の人に英語
5.おわりに
で道を聞いたりしながら目的地にたどり着きまし
約 2 週間のプログラムを通して,英語での文章作
た.そこには,アメリカ人以外にもアジア系の人欧
成やプレゼンテーションスキルの向上はもちろん,
州系の人々など様々な国の方々がたくさんおられ,
アメリカの文化に触れ,多くのものを学ぶことがで
アメリカが人種のルツボ」と比喩されるような様子
きました.今回の経験で,現代社会をより国際的な
をうかがうことができました.
観点で見据えるようになり,今後の学業や就職活動
アメリカで生活する中で感じたことは,日本に比
等に生かし,将来設計や今後の生活に活かしていこ
べとても自由であるということです.街を見渡せば
うと思います.RUBeC 演習を行うに当たり,お世
日本では想像もできないほどに変わった人で溢れて
話になったネイティブの先生方,同行してくださっ
いるし,駅や道端で音楽を奏でたり,人が集まる場
た大学関係者の方々にこの場を借りて感謝の意を捧
所では必ずと言っていいほどパフォーマンスを行っ
げます.
― 36 ―
Fly UP