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衛生管理マニュアル 衛生管理マニュアル 作成の手引き

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衛生管理マニュアル 衛生管理マニュアル 作成の手引き
衛生管理マニュアル
作成の手引き
-食 肉 販 売 業-
広
島
-1-
県
-食肉販売業-
目
次
食肉販売業の定義
第1章
個別基準
第2章
マニュアル作成のポイント及び記載例
1
-食肉販売業-
·················
1
··················
2
食品等の衛生的な取扱い
1-1
加工
················
4
1-2
表示
·················
6
1-3
保管・陳列・販売
·················
9
1-4
製品検査
················
11
-2-
【 食肉販売業の定義 】
食品衛生法第 52 条に基づく食肉処理業の許可施設(と殺放血場,生食用食肉加工
場及び生食用食肉調理場を除く)及び食肉販売業の許可施設(生食用食肉加工場
及び生食用食肉調理場を除く)
【 認証の対象】
・ 食肉
・ 調味をされた食肉
【 認証の対象とならないもの 】
・ そうざいに該当する食品
例)唐揚げ,焼き鳥
・ 食肉製品
例)ハム,ソーセージ,ベーコン
-1-
第1章
個 別 基 準 -食 肉 販 売 業 -
この個別基準は,食肉販売業で重点的に管理を必要とする項目ですので,共通基準の
項目に追加して管理する必要があります。
食肉販売施設で認証を受ける際には,共通基準,個別基準(食肉販売業)の両方を満
たしていることが必要になりますので,マニュアルの内容などに漏れがないように気を
つけてください。加工がない場合は,該当する項目のみ対象となります。
なお,この手引きでは,個別基準の内容だけを取り上げており,マニュアルを作成す
る記載方法となっていますが,実際には,共通基準と個別基準を合わせて1冊のマニュ
アルとして作成してもかまいません。
認証制度の個別基準は,3ページの一覧表を御覧ください。
食肉の標準的
食肉の標準的加工
の標準的加工工程
加工工程
原材料確認・受け入れ
冷凍保管
解凍・下処理
冷蔵保管
加工・
(調味)
冷蔵保管
包装
検品
保管・陳列・販売
これは,標準的な工程例であり,製品の種類によっては,必ずしも必要としない工程や,これ
ら以外の工程があります。
-2-
認証基準(個別基準 -食肉販売業 - )
項 目
- 3-
1
食
品
等
の
衛
生
的
な
取
扱
い
衛生管理の方法
頻度等
記録を要する事項
食肉の衛生管理方法が示されていること
異物混入防止手順が示されていること
1加工
特定原材料のコンタミネーション防止手順が示されて 加工毎に確認する旨の記載があること 不適の場合の対応について記
録方法の記載があること
いること
不適の場合の対応方法が示されていること
加工後,包装して販売する製品について関係法令及び製
品規格書で定められた事項の表示見本が示されている
2表示
こと
加工毎に確認する旨の記載があること 不適の場合の対応について記
録方法の記載があること
製品表示の確認手順が示されていること
不適の場合の対応方法が示されていること
温度の確認結果について記録
保管・陳列・販売の衛生管理方法が示されていること
冷蔵・冷凍設備の温度について,1日
する旨の記載があること。
3保管・陳列・販売 不適の場合の対応方法が示されていること
3回以上確認する旨の記載があること 不適の場合の対応について記
録する旨の記載があること。
色調等の官能検査の方法が示されていること
包装状態や異物混入等の外観検査の方法が示されてい 加工毎に確認する旨の記載があること 不適の場合の対応について記
4製品検査
ること
録方法の記載があること
不適の場合の対応方法が示されていること
-3-
第2章
マニュアル作成のポイント及び記載例
1 食品等の衛生的な取扱い
1-1 加工
★認証基準★
○衛生管理の方法
食肉の衛生管理方法が示されていること
異物混入防止手順が示されていること
特定原材料のコンタミネーション防止手順が示されていること
不適の場合の対応方法が示されていること
○頻度等
加工毎に確認する旨の記載があること
○記録を要する事項
不適の場合の対応について記録方法の記載があること
<目的> 加工時の有害微生物の増殖,異物
加工時の有害微生物の増殖,異物の
有害微生物の増殖,異物の混入及び特定原材料のコンタミネーション
混入及び特定原材料のコンタミネーション
防止
加工を確実かつ迅速に行うことにより低温管理につとめ,有害微生物の増殖を防ぐ
必要があります。
また,異物が混入するおそれがあるので,混入防止方法を定め,確認を行うことが
必要です。
さらに,特定原材料(アレルギー物質を含む食品等)を使用した製品と使用しない
製品を同一作業場で加工する場合,意図しない特定原材料のコンタミネーションが生
じる場合があります。これらを防ぐために,使用原材料を把握し,管理方法を定め,
その実施結果を記録することが必要です。
<マニュアル作成のポイント>
加工時の衛生管理の方法を定めます。
ポイント1
食肉の加工に関する責任者名を明記します。
ポイント2
食肉の加工を管理する目的を明記します。
ポイント3
加工に関する衛生管理の方法を具体的に定めます。
不適の場合の対応方法を明記します。
ポイント4
不適の場合の対応について記録方法を明記します。
-4-
加工マニュアル記載例
加工マニュアル記載例
Ⅰ 責任者
ポイント1
責任者名
Ⅱ 目的
ポイント2
加工時の有害微生物の増殖,異物の混入及び特定原材料のコンタミネーション防止
Ⅲ 実施方法
1 加工時の衛生管理方法
ポイント3
管理項目
2
内容
低温管理
加工は迅速に行い,冷蔵庫に保存する等して低温管理を徹底する。
軍手の使用
原則として軍手は使用しない。手指の保護のためにやむを得ず使用する場
合は,軍手の上からゴム手袋をはめて作業を行う等の措置をする。
異物混入防止
目視により異物混入がないか確認する。また,食肉に骨片等の硬質異物が
残存している場合は取り除く
特定原材料のコンタミ
ネーション防止
特定原材料を使用する場合は,コンタミネーションを防ぐために器具を専
用にする。専用に出来ない場合は洗浄を徹底する。
解凍
冷蔵庫内で解凍を行う
不適の場合の対応
不適の内容を記録し,廃棄等の対応をとる。その他異常があった場合は責任者に報告
し,指示を仰ぐ
Ⅳ 記録方法
ポイント4
【加工時不適事項記録簿(作業用)記載例】
年
日
1
低温 軍手の 異物 コンタミネー
管理 使用 除去 ション防止
月分
時
○時
2
-5-
責任者名
解凍
点検者
冷凍品(豪州産牛肉こま切れ(解凍))を室
温にて解凍。放置時間が短く低温だったた
め冷蔵庫に移して解凍。
△△
1-2 表示
○
★認証基準★
衛生管理の方法
加工後,包装して販売する製品について関係法令及び製品規格書で定められた事項
の表示見本が示されていること
製品表示の確認手順が示されていること
不適の場合の対応方法が示されていること
○頻度等
加工毎に確認する旨の記載があること
○記録を要する事項
不適の場合の対応について記録方法の記載があること
<目的> 関係法令に基づく適正な表示を行う
食肉については,関係法令によって表示の基準が定められています。表示は,消費
者に製品の正確な情報を伝えるため,適正に行わなければなりません。
<マニュアル作成のポイント>
品目ごとに表示見本を作成し,適正な表示の確認手順を定めます。
ポイント1
表示に関する責任者名を明記します。
ポイント2
表示を管理する目的を明記します。
ポイント3
品目ごとに表示見本を作成します。
製品の表示内容が適正かどうか確認する方法を定めます。
不適正な表示が発見された場合の対応方法を明記します。
ポイント4
不適の場合の対応について記録方法を明記します。
-6-
Ⅰ 責任者
表示マニュアル記載例
責任者名
ポイント1
Ⅱ 目的
関係法令に基づく適正な表示を行う
ポイント2
Ⅲ 実施方法
1 表示見本の作成等
ポイント3
(1)商品を販売する場合には,関係法令で定められた事項に沿って,表示見本を作成
し,保存しておく。期限表示は商品毎に設定する。
(2)原材料などの変更時には,内容の見直しを行い,表示見本が適正であることを確認
する。
2 確認手順及び不適時の対応
(1) 責任者又は担当者は,加工ごとに,表示が製品内容と合致しているか,期限表示が
正しく記載されているかを確認する。
(2) 不適正な表示が発見された場合は責任者に報告後,表示を修正する。販売済みの品
であれば回収等の措置をとる。
(3) 修正前,修正後のラベルを保管する。
(4) 原因究明,再発防止に向けた措置を講じる。
-7-
Ⅳ 記録方法
【表示見本】
ポイント4
国産和牛(黒毛×褐毛)もも
(焼肉用)
個体識別番号 ○○○○○○○○○○
消費期限 ○年○月○日(4℃以下で保存)
175 558
304 お値段(円)
100g 当たり
(円)
正味量
(g)
広島県○○市○○町○○―○ ○○食肉株式会社
【不適時対応記録簿
年
月分
加工日
2
記載例】
責任者確認
品名 製造数
国産和牛
もも(200g)
確認結果
不適時対応
×(消費期限の誤表示)
30P
印字機の設定間違い
該当数 3
誤表示品は開封し,再包装を
実施した
該当数 3
※ 製品に貼付したラベルを,修正前と修正後それぞれ保管する。
-8-
点検者
××
1-3 保管・陳列・販売
★認証基準★
○衛生管理の方法
保管・陳列・販売の衛生管理方法が示されていること
不適の場合の対応方法が示されていること
○頻度等
冷蔵・冷凍設備の温度について 1 日3回以上確認する旨の記載があること
○記録を要する事項
温度の確認結果について記録する旨の記載があること。
不適の場合の対応について記録する旨の記載があること。
<目的> 保管・陳列・販売時の有害微生物増殖防止
食肉は冷蔵・冷凍設備の適正な使用に基づいた保管・陳列・販売を実施しないと,
有害微生物の増殖のおそれがあります。
そこで,保管温度や販売期間等の管理を行うことが必要です。
<マニュアル作成のポイント>
食品衛生法に定める保存基準や表示された保存方法及び期限表示を踏まえた衛生管
理方法を定めます。
ポイント1
保管・陳列・販売の管理に関する責任者名を明記します。
ポイント2
保管・陳列・販売を管理する目的を明記します。
ポイント3
保管・陳列・販売について,管理基準を記載します。
温度の確認の頻度を記載します。
不適の場合の対応方法を明記します。
ポイント4
温度の確認結果について,記録方法を記載します。また,不適の場合の対
応についても,記録方法を記載します。
-9-
保管・陳列・販売の管理マニュアル記載例
保管・陳列・販売の管理マニュアル記載例
Ⅰ 責任者
責任者名
Ⅱ 目的
保管・陳列・販売時の有害微生物増殖防止
ポイント2
Ⅲ 実施方法
1 温度については1日3回((例)10 時,15 時,20 時)確認す
る。
製品の種類
場所
食肉(牛) 冷蔵庫(右下棚)
食肉(豚) 冷凍庫(右下棚)
冷凍庫(右上棚)
食肉(牛) 冷蔵ショーケース
(左棚)
食肉(豚) 冷蔵ショーケース
(右棚)
2
管理温度:冷蔵庫
ポイント1
10℃以下,冷凍庫
ポイント3
-15℃以下
確認事項
・適切な場所に陳列する
・ショーケースのロードラインより上に製品を積まない
・温度を確認し,適切な温度管理をする
・容器等の破損の有無を確認する
・期限表示を確認し,期限切れの商品がないか確認する
・仕入品の製品表示を確認する
・在庫管理及び先入れ先出しを徹底し,販売する
・外観に異常がないか確認する
不適の場合の対応
・製品の期限が切れていた場合は,破棄する。
・冷蔵・冷凍庫の温度が管理温度よりも高い場合は 15 分後に再度温度を測り管理温度と
なっていることを確認する。温度が下がらない場合には責任者に報告し,販売中止等の
措置をとる。
- 10 -
Ⅳ 記録方法
【冷蔵・冷凍庫温度記録簿 記載例】
販売場所;冷蔵ショーケース(刺身)
日
1
2
3
4
ポイント4
平成○年△月分
5
6
7
責任者名
点
点
点検 温 点
点
点
点
温
温
温
温
温
温
検
検
検
検
検
時 度 者 度 者 度 者 度 者 度 者 度 者 度 検
者
10
2
◎
15
3
◎
20
2
▽
【不適時対応記録簿 記載例】
年
月分
責任者名
日
時
品名
加工数
1
10時
豚小間切れ
20P
確認結果・不適時対応 点検者
消費期限切れのため1P廃
棄
- 11 -
△△
1-4 製品検査
★認証基準★
○衛生管理の方法
色調等の官能検査の方法が示されていること
包装状態や異物混入等の外観検査の方法が示されていること
不適の場合の対応方法が示されていること
○頻度等
加工毎に確認する旨の記載があること
○記録を要する事項
不適の場合の対応について記録方法の記載があること
<目的>
<目的> 製品の安全を確認する
製品について作業が衛生的に実施されているか加工ごとに確認します。
<マニュアル作成のポイント>
加工毎に実施する色調等の官能検査及び異物混入等の外観検査の方法を定めます。
ポイント1
食肉の製品検査に関する責任者名を明記します。
ポイント2
食肉の製品検査の目的を明記します。
ポイント3
ポイント4
食肉の製品の検査手順を定め,また,検査結果に異常があった場合の対応
を明記します。
不適の場合の対応について記録方法を明記します。
- 12 -
製品検査マニュアル記載例
Ⅰ 責任者
ポイント1
責任者名
Ⅱ 目的
製品の安全を確認する
ポイント2
Ⅲ 実施方法
ポイント3
1 検査担当者は,全ての製品について,次の手順に従って検査を実施する。
【検査手順
記載例】
検査頻度
検査項目
臭い・色調
包装状態
異物
加工毎
2
検査者
方法
検査担当者
官能検査
判定基準
異常がない
こと
不適時対応
廃棄等
検査結果が不適の場合,不適内容を記録する。原因及び不適品の範囲等を調査し,そ
の結果によっては,廃棄,回収等適切な対応を実施する。
Ⅳ 記録方法
ポイント4
【検査不適時対応記録簿
年
記載例】
月分
検査
実施日
15
責任者名
判定結果
色調等
×黒く変色していた
ため 1P 廃棄
(牛カルビ(国産)
○g)
包装
異物
不適時対応
実施
者
・同ロット品は,異常
がないことを確認 〇〇
した上で,陳列
- 13 -
広島県食品自主衛生管理認証制度
衛生管理マニュアル作成の手引き -食肉販売業-
-食肉販売業-
平成 26(2014)年 3 月 発行
編集・発行 広島県健康福祉局食品生活衛生課
〒730‐8511 広島市中区基町 10‐52
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