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<各位> 平成 26 年 2 月 17 日 ナノキャリア株式会社 代表取締役社長
<各位> 平成 26 年 2 月 17 日 ナノキャリア株式会社 代表取締役社長 中冨一郎 ナノキャリアは、研究や臨床開発の分野を含めグローバルな視点でその活動を推進していくため、昨年よりグ ローバル化実現のための様々な活動を続けております。 その一環として、昨年10月には国内バイオベンチャーとしては初めてグローバルオファリングを実施し、20 社を超える国内外の機関投資家から当社事業の内容や将来像にご理解を得ることを通して90億円を超える資 金を調達致しました。これにより、主要パイプラインの自社開発をグローバルで推進することが可能となり、 企業価値向上に向けた取組みを開始しております。 また、年初には毎年サンフランシスコで開催されるJP Morgan Healthcare Conferenceで、国内上場バイオベ ンチャーとして初めて発表する機会を得、世界各国から集まったヘルスケアに精通する機関投資家向けに事業 活動を説明し、当社への理解度の向上やさらなる知名度の向上を実現する格好の機会となりました。また、グ ローバル製薬・バイオ企業のトップクラスの多くが世界から集まる会合であることを利用し、Conference期間 中は連日、製薬・バイオ企業との面談も行ない、お互いが開発中の製品や技術について、コラボレーションを 含め様々なアイディアを話し合って参りました。当社のミセル化ナノ粒子化技術には強い関心及び期待が寄せ られていることをあらためて感じました。本Conferenceでの成果を今後の研究開発につなげ、より進化したミ セル化ナノ粒子の創出と新しいパイプラインの拡充に生かすとともに、国内外での事業提携にも反映させてい きたいと考えております。 こ の Conference で 特 に 関 心 が 高 か っ た の が 、 当 社 の 次 世 代 医 薬 品 開 発 技 術 の 中 核 の 一 つ で あ る Antibody/Drug-Conjugated Micelles(ADCM)です。抗体などをミセル表面に結合させることで、薬物(抗がん 剤)をがん細胞まで特異的に送り届けることができ、さらにがん細胞内への取り込みを促し、薬剤を細胞内の ターゲット部位へ確実に送り届け、がん細胞を効果的に死滅させることができる次世代技術です。当社では、 世界で開発が進められている抗体医薬の有効性を高め、さらに使いやすくできる革新的な技術になると考え、 研究に注力しています。 以上のように、ナノキャリアは、技術や製品を進化させるため研究開発活動を拡充しております。その活動の 一環としてADCMや新規パイプライン拡充に向けた研究開発を進めるため、がん領域を中心に経験を積まれた、 チャレンジ精神が旺盛な優秀な人材の確保を強化しております。この1年だけをみても、内外の最大手の製薬 企業などから部長、マネジャー及び主席研究員クラスが入社しており、今後も引き続き入社予定です。また、 この要員の増加と相まって、将来の新薬承認の申請に向け、研究と開発の有機的な連携を進めるべく、研究及 び開発機能の拡充・強化を図ることと致しました。2月13日に発表した、柏市内の新拠点への研究及び本社機 能の集約はその大きな第一歩です。川崎市臨海部で計画されているナノテクノロジーを活用したバイオ医薬品 開発拠点での活動(脳内への新規ターゲティング医薬品へのチャレンジ)にも関与して参ります。 ご案内の通り、ミセル化ナノ粒子技術は医薬品の分野でもがん領域に限定されず、核酸やsiRNA、高分子タン パクなどへの応用が可能ですが、化粧品やヘルスケア製品など医薬以外の分野への幅広い応用が可能です。当 社とアルビオン社の技術の研究成果が詰まった新美容液「エクラフチュール」は、その顕著な成功例であり、 アルビオン社での販売本数が新製品としては過去最高となるなど、全国で数多くの方にご愛用頂いております。 既に発表しましたとおり、アルビオン社とは化粧品以外の分野でも事業化を目指した共同開発を進めておりま す。ナノキャリアは、引き続き当社技術の特徴を生かし、ヘルスケア製品など医薬品以外の分野でも新しい商 品作りを進めて参ります。 今後とも、当社及び当社事業の将来に向けての展開につき、株主及び投資家の皆様のご理解とご支援を賜りま すよう、宜しくお願い申し上げます。