Comments
Description
Transcript
クロアチアのポルチェ。
クロアチアへの道 旅程編 皆様はクロアチアという国を知っているでしょう か? サッカーのワールドカップでは戦ったことがありま すし、名前は聞いたことがあると思います。旧ユーゴ スラビアですから東欧かなバルカン半島かなと言うと ころでしょうか。簡単に説明するとイタリアの右隣で す。 スロベニアとハンガリーとセルビアとボスニアヘル ツェゴビナとモンテネグロあたりと接しているようで す。面している海はアドリア海です。 そもそも、昨年の世界ベテラン選手権がクロアチア のポルチェで開催され今年もポルチェで開催されるの は、ジャスミン革命のせいで予定されていたモロッコ開催ができなくなったためです。 二年連続でクロアチアに行く一剣会の真田さんは、 「今年こそ予選突破と上位入賞!」ということで燃 えています。同じく菅君は「2 年連続全敗なので、今年こそ一勝。」を狙って参加します。フェンシング に燃えている二人です。 一方、今年初出場の山瀬に野望はありません。そもそも、今年の男子 50 代は谷底の年です。昨年ま での 50 代強豪の何人かが 60 代に移りました。そして、まだ現役で働いている 50 代にしてみれば、会社 を一週間以上休んで自費で二年連続同じ場所に行く気にはならないので、予選を突破しても行かない人 が多いのです。正に神助と天佑で転がり込んだ世界選手権出場なので、多くは望まない管理人山瀬です。 9 月 28 日(水)の女子 50 代フルーレ・60 代エペ、男子 70 代サーブルと夕方のオープニングセレモ ニーで始まります。真田さんと菅君の男子 50 代エペは 30 日(金)にあります。そして山瀬の男子 50 代フルーレは最終日の 10 月 2 日(日)にあり、その日の夕方のクロージングセレモニーで終了です。 「一 剣会は仲良くみんな揃って行こうね。 」という雰囲気になりました。そして三人の希望を取りこみ旅程の 検討が始まりました。 まず、東大出身の松島さんから「アエロフロートでモスクワ経由ザグレブへ。ザグレブからレンタカ ーでポルチェに入る。ポルチェではリゾートマンションを借りてユックリ安く過ごす。これで 20 万円以 下だがどうだい?」という御提案をいただきました。値段が大いに魅力であり、貧乏な山瀬はこれに心が グラリと動きました。色々詰めて行くと課題が出てきます。あまり長く休みは取れないのでどうしても 2 日前ぐらいに現地に入る日程になるのですが、試合の直前に長距離の運転を海外でするのは大変ではな いかという意見が真田さんから出されました。フェンシングに賭ける日本のエペの帝王としてはもっと もな御意見です。その上、菅のバカたれは 20 年以上運転なんかしたことがないということです。計画力 と行動力と決断力に欠けるのが魅力の我々では無理ではないかと言うことになり松島さんのプランはギ ブアップしました。 その後は、フェンシング業界に旅行代理店の方がおられるので、その方の提案を基にプランが検討さ れました。 意見を数多く持っているのは菅君です。 「ポルチェに入る前にミュンヘンでたっぷり観光したい。」 ・ 「去 年と同じアリタリアでローマ経由は嫌だ。 」 ・ 「その上、ローマもトランジットだけで観光もないのはもっ と嫌だ。 」 ・ 「試合の前日に練習場に行ければいい。 」という感じです。 一方、帝王真田さんは「長く休むのは無理。」 ・「エペの試合の 2 日前には練習場に行きたい。」・ 「途中 で降りての観光なんかなくていい。 」というものです。 正に物見遊山の人と勝負の人という状況です。両方とも会社の経営者ですのでどんな会社なのか興味 たっぷりです。 さすが経営者の菅は直ぐに妥協案を出します。 「日程を短くするには山瀬さんのフルーレを応援するの は止めて、エペが終わった翌日に帰りましょう。」真の経営者は無駄は切り捨てるようです。酷い後輩で す。しかし真田帝王はこれを一蹴します。さすが先輩です。 その後、紆余曲折を経て「アリタリアでローマトランジットのみ観光なし。即トリエステに飛んでバ スでポルチェへ。ポルチェに全部宿泊。宿は会場の傍」というシンプルそのものの案が決まりました。 真田さんは試合を優先し、山瀬は経費節減を優先し、菅は妥協を知っている経営者としての本分を発揮 した結果でしょうか。 旅程が決まったのでフェンシングに集中しましょうかねと思ったら、真田帝王が「金曜日に試合が終 わるし、土曜日にベニスに行こう。去年行ったけど今年も行きたいな。」と前向きな提案をします。「山 瀬、試合の前の日だけどいいだろう?」と暖かいお言葉をかけてくださいます。秘かに優勝を狙ってい る気配を海外の皆様に気取られないためには必要なカモフラージュと思われたので「いいですよ。 」と答 えました。誰もこの深慮遠望には気付かないでしょう。そして、試合が終わった後もこんな狙いがあっ たとは気付かないような結果に終わらせるのが真のカモフラージュでしょうか。 火曜日に出て火曜日に着く 8 日間コースです。このルートと宿そして朝晩の飯付きで二十数万円です。 現地で金がかからないことと、会場が近いのが特徴でしょうか。今日は$1=¥78 ぐらいの超円高ですし、 安いような気もします。それでも何だかんだで山ほど金がかかるので、次に行くのは 60 代の谷間の年で しょうか。たくさん参加するにはフェンシングだけじゃなくて小遣い稼ぎも必要ですね。 去年は真田さんも菅もローマ観光が組み込まれていたそうです。今年は何もない上に、去年既に見た ポルチェなのであまりウキウキしないようです。お二人は試合に賭けてくれればいいわけですから。し かし初体験の山瀬はウキウキドキドキです。 山瀬は初の世界の大会と言うだけで舞い上がっています。外人とファイティングしたのは、DFA でブ ランドンさんとフルーレをやったのが最初で、鎌倉でカチャちゃんとフルーレしたのが最後です。しか もその間はリー君とサーブルをしただけです。やや経験不足な感じもします。まあ、フェンシングは気 持ち 7 割ですので、上がらないで集中できれば少しは戦えるかなと思います。 クロアチアのポルチェを合間に観光したり、試合の前日にベニスに行ったりしながらも、やはり試合 に行くのですですから試合が気になります。日本代表ですので、ナデシコのように頑張りたいですね。 こんな形で選ばれて大会に行くのも高校以来ですので、ドキドキです。皆様もフェンシングをやると このような非日常の日本代表や世界選手権が体験できます。私自身は、死ぬ前にこんなことがあるのも いいと思っています。 試合で勝つために、特訓をします。 どうせなら精一杯やって参加したいと思います。 ローマからここに 飛んでバスに乗 り換え 会場のポルチェ 日本で言うと伊勢 と言う感じかな?