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バイオマス再資源化装置の概要について

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バイオマス再資源化装置の概要について
バイオマス再資源化装置の概要について
1 開発の経緯及び概要
ユズ・ブンタン・スダチなど四国は柑橘類の有名な産地である。柑橘類は通常青果
で流通していたが、近年果汁の利用が多くなるとともに搾汁残渣は産業廃棄物として
ほとんどが廃棄処分されている。
このような状況下で、兼松エンジニアリング(株)と高知県工業技術センターが開発
した「マイクロ波精油抽出装置」を用いて、農協や搾汁業者が残渣から高品質な精油
を抽出し、香料や食品メーカーに販売を行っている。現状の装置でも高品質な精油が
抽出できるため好評を得ているが、精油市場からの大量需要に対して生産が追いつか
ない状況も出てきた。
現在、製品化されている装置は連続的に抽出ができないバッチ式であったが、連続
処理化による精油の大量生産が可能な装置の開発が望まれるようになった。抽出後の
果皮等の残渣についても産業廃棄物としての処理費用が高額であるため、抽出業者の
負担となっており、果皮等をバイオマスとして再資源化するニーズも上がっていた。
この解決法としては、装置に果皮等を乾燥できる機構を付加し、家畜飼料等への有効
利用が考えられた。
そこで、兼松エンジニアリング(株)、高知県工業技術センター、高知県畜産試験場
は、これらの市場ニーズに応えるため再資源化装置の共同開発に着手したが、本事業
は、平成 24 年度「地域研究成果事業化支援事業」(こうち産業振興基金事業)に採択
され、2 年間の開発事業を実施した。研究内容としては、マイクロ波減圧蒸留法によ
る精油連続抽出と果皮等の乾燥が同時に行える再資源化装置を、実機を想定して両立
できるよう技術面とコスト面から検討した結果、共同開発に成功し、装置の実機化に
目途をつけることができた。
事業化に関しては、1年目(平成 24 年度)は試作機を製作し、2年目(平成 25 年
度)は試作機の改良・改善を施した結果、事業化への目標仕様を満足する装置として
完成した。兼松エンジニアリング(株)としては、実機化に向けての対応を施し、来年
度より装置の販売を実施する。当面は四国内の農協や食品加工業者等への販売展開を
強化していく。
2 装置の仕組み及び仕様
【バイオマス再資源化装置の概要資料参照】
3 共同研究者より
(1)高知県工業技術センター
工業技術センターは、平成 14 年度からマイクロ波加熱機構の共同研究を行ってき
た。その結果、高知県と兼松エンジニアリング(株)では、濃縮装置や抽出装置など
特許3件をすでに権利化し、今回の装置についても共同研究の成果は特許出願して
いる。
また、試作機で抽出した精油の成分分析も行い、従来のバッチ式抽出装置で抽出
した高品質な精油と比べても、含まれる成分に遜色がないことを確認している。
(2)高知県 畜産試験場
乾燥果皮の機能性成分を分析・評価するとともに飼料に添加したところ、養鶏・
養豚への飼料化が期待される効果であった。
【研究開発の成果(畜産試験場)資料参照】
1
バイオマス再資源化装置の試作機
バイオマス再資源化装置試作機(兼松エンジニアリング株式会社 本社研究棟)
バイオマス
(柚子果皮など)
冷却凝縮器
有用成分を含んだ水蒸気
処理タンク
排気
トラップ
精油(上層)
蒸留水(下層)
精油取出
モーター 蒸留水タンク
予備室
スクリューコンベア
導波管
柚子搾汁残渣(粉砕したもの)
マイクロ波発生装置
トラップ
バイオマス(乾燥後)
柚子乾燥果皮(配合飼料用)
マイクロ波を利用したバイオマス再資源化装置の概要
2
真空ポンプ
柚子精油と
芳香蒸留水
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