いちご情報13号[PDFファイル／345KB]

石巻地域いちご情報
No.１３
平成２２
平成２２年
２２年１１月
１１月４日
石巻農業改良普及センター
石巻農業改良普及センター
０２２５－
０２２５－９５－
９５－７６１２
大至急！
大至急！ヨトウムシ類
ヨトウムシ類の防除
10月中旬から下旬にかけて，管内のいちごのマルチ被覆の進捗状況を確認したところ，第２花
房（腋花房）が分化すると思われる，10月20日以降に作業が集中してたようでした。これは例
年より10日ほど遅いことになります。マルチ被覆のタイミングが良ければ，第１花房（頂花房）
に続き，第２花房も休みなく上がってくるはずです。
ところで，猛暑の年は，様々な虫の発生が多い傾向があるようです。いちご栽培施設内におい
ても，ヨトウムシ類（ヨトウムシ，ハスモンヨトウ，シロイチモジヨトウなど）が，かなり目立
っています。土耕栽培だけでなく，高設栽培のものにも発生しています。
少なくなったとはいえ，外には成虫がまだ飛んでいます（気温が１２℃あれば飛び交います）。
晴れた日はハウスの換気のために開放しますので，しばらくはヨトウムシ類の飛び込みの危険に
されされていることを念頭に置きましょう。
葉や葉柄，特に新芽の部分に新しい食害の痕があれば，必ず株元に潜んでいます。
この程度の大きさであれば，農薬をきちんと散布す
れば絶滅できますが，長さ４cm太さ５mm程度の老齢
老齢
幼虫になると
幼虫になると効果
になると効果は
効果は低くなる傾向
くなる傾向がある
傾向があるので，今のう
がある
ちに徹底的に防除しましょう！
漢字で書くと，「夜盗虫」
夜盗虫」。夜行性であることから，
この性質を利用し，夜間に生長点付近の葉を食べに来
たところを捕殺するのも，結構効果的です。
高設栽培のいちごの
高設栽培のいちごの株元
のいちごの株元に
株元に潜んでいた幼虫
んでいた幼虫（
幼虫（10/
10/21）
21）
防除については，JAいしのまきの「いちご」殺虫剤使用日誌を参考にして下さい。
（ ）内がみつばちへの影響日数
①みつばちを導入済みまたは近々導入予定のほ場
トルネードフロアブル（１日）
または プレオフロアブル（０日）
トルネードフロアブル
プレオフロアブル
②ハダニの発生が見られ，みつばち導入まで一定期間開けるほ場
コテツフロアブル（10日）
または アファーム乳剤
コテツフロアブル
アファーム乳剤（２日）
乳剤
③みつばちを導入済みでハダニも発生しているほ場
カスケード乳剤
カスケード乳剤（１日）
乳剤
上記の農薬は，いずれもタフパールとの混用が可能です。
農薬については農林水産消費安全技術センター農薬登録情報（20１０.11.４登録反映）を基に作成
来春実施しましょう
来春実施しましょう フェロモンを
フェロモンを利用した
利用したラクラク
したラクラク防除法
ラクラク防除法
「フェロモン」・・・・あまりいちご栽培とは縁がない言葉ですが，ご存じでしょうか？別のも
のと勘違いしないでくださいね・・・♡。身近なフェロモン剤としては，ゴキブリを誘引捕殺する
害虫駆除剤などがあります。
農業でフェロモン剤を利用した害虫対策は，下記のとおり大きく２つに分類されます。
（１）交信かく乱製剤
特
徴：成虫どおしの交信をかく乱させ，交尾の機会を失わせることで産卵でき
なくなり，結果的に害虫の密度が減る。
メ リ ッ ト ：１剤で複数の害虫の防除が可能（特定害虫対象の製剤もある）。
デメリット：単位面積あたりの使用量が多い（例：150～200枚または本／10a）。
（２）大量誘殺製剤
特
徴：トラップ（捕虫わな）にフェロモン剤を仕組んで，害虫を誘殺する。
メ リ ッ ト ：設置が容易で，捕殺されたものが確認できるため，効果が実感できる。
デメリット：特定の害虫しか誘引しない。
前説はこれくらいにして，いちごの生産ほ場におすすめしたいのは，大量誘殺製剤タイプです。
具体的には，ファネル型トラップという捕虫器にフェロモン剤（フェロディンＳＬ）をセット
したものです。対象害虫は「ハスモンヨトウ」のみに限られますが，河南地区で設置された生産
者の方は，「費用以上に効果がある」とのことでした。
トラップ下部（白い部分）には，恐ろし
いほどのハスモンヨトウの成虫が入ってい
ました。
トラップにフェロモン剤を１粒セットす
るだけで，ハスモンヨトウのオス成虫だけ
を誘引し，トラップ下部に落下して脱出で
きなくなるものです。ハウスの外に設置し，
手入れは死んだ害虫を時々捨てるだけ。
価 格（
格（税別）
税別）
ファネル型
ファネル型トラップ：￥
トラップ：￥４
：￥４，６２０
フェロモン剤
フェロモン剤(２錠) ：￥５
：￥５，０００
２
なんと１km に２～４セットでＯＫ。
１錠で約２ヶ月効果が持続する。
河南地区で
トラップ」
」
(渡辺採種場石巻店で取り扱いあり)
河南地区で設置されていた
設置されていた「
されていた「ファネル型
ファネル型トラップ
管内でも，転作大豆においてハスモンヨトウによる大きな被害を受けました。当然，越冬成虫
や蛹の頭数は多いと予想されます。
重要：
重要：発生初期から
発生初期からトラップ
からトラップを
トラップを設置することで
設置することで，
することで，地域全体で
地域全体でハスモンヨトウの
ハスモンヨトウの密度を
密度を下げる。
げる。
トラップを
トラップを設置する
設置する時期
する時期は
時期は，成虫が
成虫が飛び始める５
める５月頃および
月頃および生息数
および生息数の
生息数の多くなる９
くなる９月頃
が望ましい。
ましい。