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2015 5月号 - 緑を守り育てる宮城県連絡会議

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2015 5月号 - 緑を守り育てる宮城県連絡会議
2015.05.01
緑を守り育てる宮城県連絡会議
NO.235
事務局連絡先 :仙台市青葉区一番町四丁目 1-3
仙台市市民活動サポートセンター内 (レターケース 45 番)
URL :http://www.midori-miyagi.com/
携帯 :080-1832-0956 会費:郵便振込番号:02260-0-7839
第 16 期森の案内人養成講座
開講式&第 1 回講座「森林生態とは・・・」
4 月 19 日(日)午前 10 時から仙台市市民活動サポートセンターに於いて開講式が行われました。
司会進行役は桜井事務局次長です。15 名の受講生に樋口理事長が「今年も森の案内人養成講座が開
かれることを嬉しく思います。頑張ってください」と挨拶
をし、次に佐藤事務局長が講座のオリエンテーションを行
いました。「今年の講座は海岸から里山・奥山そして高山
までを学びます」とカリキュラムの説明や山に入る服装、
持ち物、参考書の種類とメモは必ず取って復習する事など
内容は多岐に亘りました。
第 1 回の講座は東北学院大学教授の平吹先生の森林生態
学の講義です。「森に親しみ、森に学ぶ」をテーマに自然
と人との関わり、一つの個体から地球全体に及ぶ内容で話されました。アクティブラーニングと言
う受講生と応答しながら講義を進めて行く手法は緊張感で一杯でした。「46 億年の地球の歴史から
地球の環境は変わり易く予測がつかないことが起こる。4 年前の東日本大震災による破壊で海岸は
すっかり変わってしまったが、砂浜の植物は再生し始めて
いる。倒されたクロマツの下に実生の幼木が沢山育だって
いる。多くの事柄を記録して将来の災害に役立てようと調
査している。環境が乱れると人の生活は成り立たない。森
はどんな所かを知るために、まず五感を使って森を楽しむ
事から始めてください」との言葉で講義は終了しました。
平吹先生有難うございました。
昼食休憩の後は受講生と事務局スタッフの懇親会「アイ
スブレーキング」です。司会は大塚事務局スタッフです。
「アイスブレーキング」とは氷を溶かすように何でも話し
ましょうと言う事で全員の自己紹介と受講生の講座に期待
する事や森林とどう付き合ってきたか等が話され懇親を深
めました。「植物の名前を学びたい」に事務局長が「聞い
た事は忘れる。見たことは思い出す」と当会の座右の銘を
紹介し和やかに第 1 回講座を終了しました。皆さんお疲れ様でした。(写真左上は樋口理事長の挨拶.
右上は受講生の皆さん.右下は平吹先生の講義光景)
(文:事務局スタッフ
大沼(光),写真:太田)
(昆虫の世界 No.132)
オオウスバカゲロウ!!
お寺や神社の床下に潜り込んで、砂のように乾いた土に造られたすり鉢型のアリジゴクの幼虫の
巣に、子どもの頃の思い出をもつ人も多いと思う。この幼虫がやがて繭を作り、トンボに似た姿に
変身して、夏の頃、灯火に飛んでくるウスバカゲロウである。
さて今回取り上げたオオウスバカゲロウは、やはりウスバカゲロウと同じ仲間であるが、こちら
はすり鉢型の巣は造らないし、生息場所も違っている。
オオウスバカゲロウは海岸の砂浜や河川の中下流部の砂の河原で、植物がまばらに生育している
ような環境に生息し、幼虫はウスバカゲロウと同じような姿形をしているが、巣は造らず砂に潜っ
て生活している。潜っている砂地の近くを通る昆虫類の気配を感じると、飛び出して捕獲し、砂地
に引きずり込んで食べると言う、そんな生活をしているウスバカゲロウである。
かつて海岸の砂浜で何度か昆虫類の調査を行っている際、このオオウスバカゲロウの幼虫を採集
したことがあった。捕まえた幼虫はいつもかなり大きく、蛹化間近な幼虫であった。写真のように
砂浜に生息する他の昆虫たちと同じように砂の色に溶け込むような保護色なのである。オオウスバ
カゲロウの幼虫の場合は、自分の身を守るだけでなく、捕食対象の昆虫類を襲うためにも役立つ保
護色なのである。
オオウスバカゲロウは日本に生息するウスバカゲロウの中では最大で、開帳は、100~130mm で
ある。県内の砂浜海岸や河川の砂の堆積した河原にも生息しているが、2011 年 3 月 11 日の大津波
で、県内の砂浜海岸は全て被害を受け、オオウスバカゲロウの幼虫も壊滅的な被害を受けたものと
考えられている。この大津波の被害を受けた 3 月の頃は、幼虫がまだ砂地の中で冬眠していたと思
われ、ほとんどが津波に流されてしまったものと思われる。
震災後 4 回目の夏が過ぎているが、2011 年や 2012 年から始まった国土交通省や県、そして研究
者による調査によっても、県内の砂浜海岸でのオオウスバカゲロウの生息は未だ確認されていない。
オオウスバカゲロウは移動能力があるので、河川の河原に生息している個体が近い将来仙台湾岸
の砂浜にも移動し、生息地にしてくれることを望むばかりである。
オオウスバカゲロウの幼虫
成
虫
(宮城昆虫地理研究会・高橋雄一)
「お知らせコーナー」
春の山を見る会 参加者募集
素敵な里山歩きがこんなに気軽にできるなんて!
今回は創立 30 周年記念行事の第一弾としまして、仙台市近郊の自然豊かな丘陵歩きを満喫して
頂きたくご案内を致します。場所は仙台駅から車で 15 分、八木
山南団地に隣り合う金剛沢治山の森です。ここは温暖な気候から
数多くの植物が観察できる豊かな自然が形成されております。
当日は仙台森林管理署のはからいで地滑りを防ぐ水抜き治山ト
ンネルの内部を見学する事ができます。めったにないチャンスで
すよ!
カッコウが訪れる季節でもあり足元にヒメシャガが満開となっ
ている頃と思います。又、樹木は新緑から色が少しずつ濃くなり
生き生きとして迎えてくれる事でしょう。目に優しい広葉樹はも
ちろんのこと清々しいモミの林をゆっくりと贅沢な森林浴を楽し
みませんか。
養成講座でお馴染みのコースでもあり、研修のフォローアップを兼ねる事や、30 年の節目として
原点に立ち返り植物に触れ合ってはいかがでしょうか。是非多くの方の参加をお待ちしております。
記
1.日
時
5 月 26 日(火)
2.場
所
仙台市太白区鈎取
3.集 合 場 所
八木山南一丁目
午前 9 時 30 分
金剛沢治山の森
Aコープ駐車場
その後、治山の森現地駐車場に案内します。
4.募 集 人 員
20 名
5.申込締切日
5 月 21 日(木)まで受付
*定員になり次第締め切ります。
6.会
7.コ
ー
般
1000 円
(会
員
500 円)
費
一
ス
駐車場 10 時 00 分~サクラ線~治山の森北口~青葉台口~
自然研究路~ヤマガラ線~モミ線~駐車場 15 時 00 分頃到着予定
8.申込および
①090-9037-2373(事務局スタッフ・森谷
問合わせ先
*時間帯……18 時頃から 21 時頃まで
②080-1832-0956(事務局長・佐藤
清一)
修)
*時間帯……日中でも構いません
※当日は、仙台森林管理署の職員の方々に、地すべり防止の「水抜きトンネル」
を案内していただきます。持ち物は昼食、飲み物等の他に懐中電灯か、ヘッドラ
ンプを持参してください。
2015 年
新緑祭に参加して
朝から晴天に恵まれた 4 月 25 日(土)に仙台市勾当台市民広場に於いて午前 10 時から午後 3 時
まで、仙台市新緑祭が開催されました。「新緑祭」とは緑を愛する心を育み、緑豊かな街づくりを
目的に開かれています。昨年はソチオリンピック金メダリストの羽生選手の凱旋パレードもあり新
緑祭も大いに盛り上がりました。今年も当会は仙台市緑
の活動認定団体の会員として出店しました。佐藤事務局
長、菅原クラフト部会長始め 8 名が参加して汗を流しま
した。今年は当会の創立 30 周年に当たり、色々なイベ
ント時に会の活動を PR しようと、記録写真をパネル 8
枚分を作成した。今回、そのパネルを展示。お客様に大
いに PR できたと思います。今年は参加団体紹介タイム
で菅原部会長と山本スタッフによるステージでのトーク
は大いに盛り上がりました。又昨年同様に大変貴重な
植物のタネの標本を展示し皆さんは大変な関心を集め
ていました。
クラフト部員による桜の小枝で作る木笛作りコーナ
ーは子供たちやご年配の皆さんに大いに喜んで貰いま
した。子供たちはピーピーと音色を響かせて楽しんで
いました。来年も樹木や森にもっと関心を持って頂く
企画で参加したいと思います。
(写真左は事務局長のタネの説明と右は紹介タイムのステージの光景)
(文:写真・事務局スタッフ
太田)
里山の風景
大東岳の雪形に、二匹のヘビが山頂を目指す姿を
見せる頃、秋保の里には田植えの季節を迎えます。
雪形や草木の咲き具合を農作業の目安にする習わし
は古くから日本各地に伝わってきました。
栗駒山の雪形は駒の姿になることで有名です。そ
の姿から山の名前が付いたそうです。秋保ではヤマ
ブキの花が咲くころに新しい味噌の仕込みをする目
安としてきました。30 年ほど前までは多くの家で自
家製の味噌を作っていましたが、現在はほとんど見
ることはありません。ニュースが皆さんの手元に届
くころは田植えの最盛期ですね。
(写真:代掻き作業風景、奥に見える山が大東岳)
(文・写真
佐藤事務局長)
畑の雑草 No46
カキドオシ(シソ科)
坪沼の小作人
菅原
博志
畑や土手,道わきなど至る所に生える。茎は四角で直立し花が咲いた後、地表につるのように伸び
て垣根を通して広がることでこの名が有る。葉は対生で鈍い鋸歯があり、花は葉の腋に 1~3 個付
き、唇形で下唇の中裂片は大きく紫色の斑点がある。秋に生えた物は春先まで放置して置くと芯が
長く伸び大きく広がる厄介者です。別名はカントリソウ(癇取り草)。子供の癇を取る薬に利用さ
れていたと言われている。
カキドオシ
花後つるのように伸びた茎
花
茎の伸び初
5月の事務局の動き
5 月 7 日(木)
創立 30 周年記念最終打ち合わせ
ハーネル仙台
8 日(金)
秋保市民センター下見
二口自然遊歩道
9 日(土)
創立 30 周年記念器材搬入
ハーネル仙台
第 30 回定期総会
ハーネル仙台
10 日(日)
創立 30 周年記念式典・講演会
〃
創立 30 周年記念レセプション
〃
12 日(火)
ニュースの発行
広瀬市民センター
13 日(水)
秋保市民センタートレッキング
二口自然遊歩道
16 日(土)
第 15 期ステップアップコース
二口学習の森
17 日(日)
第 16 期森の案内人養成講座
岩沼市市民会館外
21 日(木)
仙台市緑の活動団体春の交流会
仙台市役所
事務局会議
広瀬市民センター
23 日(土)
三方倉山登山道整備
二口学習の森
24 日(日)
森林まるごと教室(会員用)
三方倉山
26 日(火)
春の山を見る会本番
鈎取・治山の森
28 日(木)
秋保遊々くらぶ下見
二口自然遊歩道
30 日(土)
秋保ゆきんこ祭り反省会
野尻集会場
31 日(日)
五葉山自然倶楽部
三方倉山登山外
しぜんノート
様々な自然の営みを綴ります
№197
スミレの花の仕組み
春の野山でスミレの花はその特徴的な姿で良く目立ちます。
しかし、花のつくりはかなり変わ
った形をしています。
スミレの花を見ると,雌しべは目立つが雄し
べがみえない。そこで花を縦に切断したのが下
の写真です。
雌しべの付け根に見えるのが付属体で,雄し
べはその中にある。花の蜜は雄しべの距(きょ)
から出て距に溜まる。
蜜を求めてハチが飛んできて花に止まると,
まず雌しべに触れ、蜜をなめるために距に潜り
込む際に今度は雄しべに触れ、花粉を付けて他
の花に運ぶ仕組みのようです。
2015.4.22 大友良三
名前が出てこない!!これ何だったけ?
連休の一日、近くの山に山菜(シドケ・和名モミジガサ)採りに出かけ
ました。例年より 1 週間から 10 日近く成長が早いようです。そんな中に
写真の植物を見つけました。中々名前が出て来ません。家に帰ってから植
物図鑑と睨めっこすること 1 時間余り、『あ!!これだ!!』。それは「タ
チガシワ・ガガイモ科」でした。ほっとするやら情けないやらでした。
シドケを肴に美味しく晩酌をいただきました。一晩寝れば忘れる・・・そう
ならないようにしっかりメモはしました。
(文・写真:佐藤事務局長)
「お知らせコーナー」
二口渓谷の名峰・三方倉山の頂上を目指して
創立30周年記念・会員講座の参加者募集
創立 30 周年記念企画の第 2 弾として二口渓谷周辺の名峰三方倉山をご案内いたします。
二口渓谷や三方倉山には色とりどりの花が咲き出しました。今回は三方倉山の頂上を目指し、登
山道周りの春植物から初夏にかけて咲きだすエイザンスミレ、オオタチツボスミレ、シラネアオイ、
タニギキョウ等の草本や、ウワミズザクラ、エゴノキ、シロヤシオ、ハナイカダ、トチノキ等の木
本の花々を探しましょう。新緑の中、心地よい汗をかきながらの山行です。
記
1.日
時
平成 27 年 5 月 24 日(日曜日)
9 時 30 分から 15 時頃
2.場
所
三方倉山(仙台市太白区秋保町)
3.対
象
会員
4.募集人員
先着 20 名まで
5.参 加 費
500 円、家族での参加は 1000 円(保険料・資料代込)
6.集合場所
二口遊歩道入り口駐車場(キャンプ場下のトイレのある駐車場)
7.申 込 み
緑を守り育てる宮城県連絡会議事務局
問合わせ
携帯電話
080-1832-0956(佐藤事務局長が携帯しています)
日中の時間帯でも大丈夫です
シラネアオイ
ホオノキ
新緑の三方倉山
トチノキ
シロヤシオ
トウゴクミツバツツジ
森林まるごと教室‐2
(一般公開講座)
早春の花を見に行こう.二口渓谷遊歩道
4 月 26 日(日、)9 時 30 分、快晴の秋保ビジターセンター手前の駐車場に一般参加者、会員、事
しば
務局スタッフ計 18 名が集合しました。周りの山々の新緑の鮮やかさに暫し目を奪われている参加
者に伊藤学習の森副部会長の司会で公開講座が始まり
ました。ウグイスもホーホケキョと参加。佐藤事務局
長の挨拶で当会の活動と本日のスケジュールの説明が
あり「本年で創立 30 周年を迎えます」の所で参加者
から「ホォ―」という驚きの反応あり。ストレッチ体
操の後、1 班は佐藤事務局長、2 班は森谷事務局スタ
ッフの案内で出発。駐車場の北側に樹木全体が黄緑色
に輝いて見えるのはイタヤカエデの花、山の中腹に咲
くピンクの花はオオヤマザクラ、木の花がこんなにき
れいだなんて!と感嘆の声が上がりました。二口街道
の由来が示された案内板では山形の交流の大動脈の解
説文に「この道幅で大動脈?昔はもっと狭かっただろ
うに・・・」の疑問。馬車でなく馬の背に荷物を積んで運
んだことで納得。少し前の時代でも、誰にもわかる説
明は難しいです。名取川から遊歩道に登る石段の脇に
ブナの大木が伐採され山積み状態。下見の時はブナの
さえぎ
つか
倒木に 遮 られ石段が通れず迂回、木の根っこに掴まって崖を登り、やっとの事で遊歩道に出たもの
でした。今日は「冒険より安全第一」で樹下一面に咲くカタクリやキクザキイチゲ、エンレイソウ、
め
ミヤマカタバミ、スミレサイシン等の早春の花を愛
でながら歩きました。時々「秋保二口は日本海型気
候で雪が多いのでハイイヌガヤ、ヒメアオキ等背丈
の低い植物が多い」と観察タイムです。急坂の山道
を登り、ブナの若葉の中、磐司岩を眺めながらの昼
食は目にもご馳走のひと時でした。
午後も色々な樹木、野草の観察が続き、普段あま
り目に付かないブナの花、オヒョウの葉を見、ミズ
ナラの倒木の直径1m近い太さに驚き、ミズメの樹
皮の匂いを嗅いで色々と脳が刺激されっぱなし。
「素
晴らしい春の山、可憐な草花を十分に楽しめました」
と参加者の感想を頂き好天のもと無事終了しました。
皆さんお疲れ様でした。
(写真左上は駐車場を出発、
下は遊歩道の両脇に群生するカタクリの花。右上は
事務局長の説明光景、下はブナの巨木の前で記念撮
影・ハイポーズ)
(文:事務局スタッフ
大沼(光)、写真:事務局スタッフ
伊藤)
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