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第2回議事録 - 経済産業省

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第2回議事録 - 経済産業省
産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会(第 2 回) 議事録
開会
山本委員長
皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより第 2 回産業構造審議会割賦販売分
科会基本問題小委員会を開催させていただきます。
本日は、皆様、御多用中のところを御出席賜りまして、まことにありがとうございます。
配付資料確認
山本委員長
資料の確認からまいりたいと思います。船矢課長からよろしくお願いします。
船矢取引信用課長
まず、全体の議事次第、委員名簿、それから配付資料一覧といった 3 枚紙が入っております。
配付資料の中ですけれども、まず社団法人全国信販協会からの提出資料であります資料 1「業界に
おける自主的な取り組み」がございます。続いて、社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント
協会からの提出資料であります資料 2「相談事例から見たクレジットトラブルの問題点」という資料 (一
連の資料ということであります)が入っております。
続いて、資料 3。これは事務局から用意しているものですけれども、「消費者相談の状況」。同様に、
資料 4 として、「クレジット取引に係る消費者相談の実態」、資料 5「行政指導と業界の自主的取り組み」
が入っております。
最後に、参考資料として、昨日行われました産構審の消費経済部会特定商取引小委員会で配付さ
れた資料をつけさせていただいております。
あわせまして、委員の方々には、赤い NACS の「クレジット・ローンなんでも 110 番」という冊子を配付
しております。これは印刷部数の関係で、委員の方のみの配付になっております。
資料は以上でございますけれども、配付漏れはございませんでしょうか。もしございましたら、後で事
務局にお申しつけください。
山本委員長
どうもありがとうございました。
報告
山本委員長
本日は、議事次第に示しておりますように、まず社団法人全国信販協会会長の飯島委員より、業界
の自主的取り組み状況につきまして御報告をいただきたいと思います。続いて、社団法人日本消費生
活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事の唯根委員より、(2)に示しておりますように、消費者相
談事例について御説明をいただきます。そして、最後に(3)といたしまして、クレジット取引に係る消費
者相談の実態及び行政対応につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。三つの御説
明及び御報告をいただいた後、総括的に意見交換をしてまいりたいと思います。
(1)業界の自主的な取組状況について
山本委員長
まず、業界の自主的取り組み状況につきまして御報告をいただきたいと思います。飯島委員、よろし
くお願いいたします。
飯島委員
私の方から、業界における自主的な取り組みについて御説明をさせていただきます。
まず、昨年 6 月の基本問題小委員会におきまして、社団法人全国信販協会における個品割賦にお
ける取引の健全化に向けた対応について御説明をさせていただきましたけれども、本日は、これまで
の対策の状況及び現在実施しております新たな対策につきまして御説明をさせていただきます。
今まで公表いたしました協会ホームページ掲載文書を本日の参考資料として添付してありますので、
御参照いただければと思います。資料 1-1 が業界における自主的な取り組みを時系列的にポイント
だけ整理したものでありまして、1 次対策、2 次対策、3 次対策というホームページ掲載資料をつけてお
ります。
平成 17 年に社会問題化しました訪問販売住宅リフォーム問題を受けまして、当協会では信販業界
における訪問販売住宅リフォーム問題対策指針を策定いたしまして、会員各社において、リフォーム業
者に対する加盟店管理や高齢者与信に関する社内基準の策定や見直しを行うとともに、リフォーム加
盟店の総点検を行いまして、消費者トラブルの防止に努めてまいりました。その結果、住宅リフォーム
関連のトラブルは減少傾向にありまして、一定の成果が上げられたものと考えております。
さらに、信販協会といたしましては、その他の業種業態の加盟店による悪質な勧誘・販売行為などの
問題に対しましても、その排除に自主的に取り組んでいくことが必要であるという認識から、昨年 5 月
以降、個品割賦購入あっせん取引の健全化に向けて、数次にわたり具体的な対策を実施してまいりま
した。
第 1 次対策といたしまして、昨年 5 月に加盟店管理に関する協会指針と適正与信に関する協会指針
を策定いたしました。8 月までに会員各社の基準の見直しを要請いたしました。
あわせて、販売・勧誘行為に問題が多いとされる特定商取引法関連の訪問販売、電話勧誘・販売等
のうち、ある程度クレジットの取り扱いがある販売業者に対して、加盟店の正確な実態把握を目的とし
た総点検を実施いたしました。会員各社にて昨年 11 月末までに改善要請を行った結果、取引停止加
盟店数 103 社、改善要請加盟店数 202 社、改善済み加盟店数 40 社ということになっております。
特に呉服販売につきましては、次々販売・過量販売による消費者トラブルが多く生じておりますことか
ら、昨年 7 月よりクレジット申し込みにかかわる契約意思確認の対応として、お客様に契約するか否か
を冷静に判断いただく時間が必要であるとして、翌日以降の契約意思確認を原則とし、あわせて 10 月
には信販会社社員等の販売店展示会への派遣面談を廃止いたしました。お客様の契約意思の確実な
確認により、展示会販売におけるクレジット取引の改善を行ったところであります。こうした業界の自主
的な取り組みによりまして、呉服関係の取り扱いは減少傾向にあります。慎重な与信の取り扱いが徹
底されつつあると考えております。
さらに、昨年 12 月より第 2 次対策といたしまして、呉服だけではなくて、展示会販売による過剰な勧
誘・販売行為については、昨年 12 月に会員各社において貴金属や毛皮、ふとんなどの業種を中心に
実態調査を行い、特定の加盟店に対して、呉服と同様に翌日以降の契約意思の確認、派遣面談の廃
止、取引停止の対応等を行うこととし、順次、折衝を行って、その対応を徹底しているところであります。
また、特定商取引法加盟店及び呉服販売加盟店に対して、クレジット契約書の完全記入の徹底を実施
してまいりました。現在のところ、対象の加盟店における記入の徹底が図られてきている状況にありま
す。
なお、第 1 次対策の先ほど申し上げました加盟店総点検における 202 社の改善要請加盟店につい
ては引き続き改善結果を求め、本年 3 月末を目途に改善させるか、取引停止かの判断を行うよう会員
各社に対して指示をしております。
さらに、本年 3 月の第 3 次対策といたしまして、特定商取引法に規定する販売行為を対象に、消費者
相談の多い業種業態の特徴的な傾向を抽出いたしまして、自主規制ルールとして、個品割賦購入あっ
せん取引にかかわる特定商取引法に規定する販売業種にかかわる商品別取り扱いガイドラインを策
定いたしました。
本ガイドラインは加盟店審査時、クレジットの申し込み時、あるいは契約意思確認時における留意事
項を定め、各社基準と照らし適正な与信判断を行う指標とするものでありまして、いわゆる特定商取引
法に規定する販売行為を行う業種・商品を特定し、クレジット申し込みにかかわる取り扱いの留意事項
(これは表の上段であります)と、加盟店管理における留意事項(表の下段であります)を区分し、原則
的な取り扱い基準として整理し、会員各社に指示をいたしました。
なお、加盟店管理における留意事項は、新規提携審査時、途上審査時に営業関係資料やクレーム
内容を点検し、勧誘・販売方法についての問題の有無を確認する内容としております。
クレジットの申し込みにかかわる取り扱いの留意事項については、商品ごとの特性も勘案し、取り扱
いの上限件数や支払い回数などを指標とし、あるいは申し込み者への契約意思確認時の確認内容な
どを整理したものであります。
また、2 番目の高齢者に対する与信取り扱いの基本姿勢につきましては、高齢化社会を迎える我が
国において、高齢者の方々にとって、より安心して豊かな消費生活を送ることが望まれる中で、高齢者
に対する与信判断に際しては、特に配慮すべき対象であるとの認識をもって慎重な与信判断を行うこ
ととしております。
特に支払い額に見合う収入や資産がなく、生計を年金のみに依存している高齢者の方に対しては、
原則として特定商取引法に規定する販売・勧誘行為におけるクレジット契約の取り扱いは行わないこと
といたしました。
次に、自主的な取り組みが守られなかった場合の措置についてであります。会員各社において違反
する行為が見受けられた場合には、協会事務局へ連絡することといたします。協会事務局は対象とな
る会員会社へ違反事実を確認し、事実であれば改善を要請いたします。要請にもかかわらず改善が
見られない場合は、企画政策委員会にその事実を報告し、改めて委員会から要請することといたしま
す。
さらに、委員会からの要請にもかかわらず改善が図られない場合には、会員各社へ通知の上、つま
り業界内に公表いたしまして、会長が会員代表者に改善を指示することといたします。
以上、これまで業界が実施してきた、また現在取り組んでおります自主的な取り組みについて御説明
をさせていただきました。信販業界におきましては、会員各社がこれらのガイドラインを指標として活用
することにより、適正な与信体制を確立し、クレジット取引に伴う不適正な販売・勧誘行為の排除を図っ
てまいりたいと考えております。
最後に、今までお話してまいりましたような業界において自主規制ルールを議論してまいりましたけ
れども、我々業界の自主規制ルールの実効性を確保するためには、次のような制度の整備が必要で
はないかと考えます。
第 1 点は、個品割賦購入あっせん業者として新規参入しようする与信業者や協会未加入のアウトサ
イダーに対する対策として、まず個品割賦購入あっせん業者を登録制とし、事業者全体を把握できる
ようにするとともに、極力業界の自主規制機関への加入を促し、自主規制ルールが業界全体にわたっ
て徹底できるような仕組みが必要であると思われます。
そのためには、業界全体にわたりクレジット取引の健全化や、そのための自主規制ルールや指導な
どを実施する新たな自主規制機関の設置が必要ではないかと思います。
このような個品割賦業界の体制整備とあわせて、消費者トラブルの防止のためには、特商法対象加
盟店に対しても同様の登録制の導入や信頼できる健全な販売店が参加する販売店による自主規制機
関の設置を検討すべきではないかと考えます。
次に、消費者トラブルへの対応の問題であります。個品割賦あっせん業者による自主規制機関から
示された加盟店に関して、国や地方自治体の消費者相談センターから、その加盟店に関するトラブル
状況を教えていただくことによって、悪質加盟店を早期に排除できないかということであります。消費者
相談センターと自主規制機関が一緒に協力しながら、悪質加盟店の早期把握と排除に取り組むことに
よって、消費者保護が可能となるものと考えます。
また、個品割賦購入あっせん業者における自主規制ルールの履行状況についても、自主規制機関
に提供いただいた消費者相談センターからの情報によって自主規制ルールの徹底状況が把握できる
ようになり、その結果、個品割賦購入あっせん業者への的確な指導も可能となりますので、自主規制
ルールの実効性の確保が図れるのではないかと考えます。
信販協会といたしましては、これまでの対策にとどまらず、今後ともよりきめの細かい対策を実施して
まいりたいと考えておりますが、業界全体を網羅し、かつ自主規制ルールを実効性あるものにするた
めにも、新しい制度の整備が必要であると考えております。
以上で報告を終わります。
山本委員長
どうもありがとうございました。
(2)消費者相談事例について
山本委員長
引き続きまして、消費者相談事例につきまして御報告をいただきたいと思います。唯根委員、お願い
します。
唯根委員
お手元にある資料、申しわけございません、委員の方々には、私の言葉の足りない部分を、実際の
契約書ですとか、相談者からのお手紙とか、現実に私どもが扱っている内容を見ていただきたいと思
いまして、資料として事例の御紹介だけではなくて、出しております。これは、申しわけございませんが、
個人情報等の兼ね合いがございますので、委員限りということでお取り扱いの方、御注意いただきたい
と思います。
それで、発表させていただきます。相談現場ということで、全国の相談員の代弁をさせていただくとい
う、非常に緊張いたしております。
私ども日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会では、91 年より消費者相談窓口の閉庁をして
おります週末に、全国から電話相談を受け付けてまいりました。現在も現役の相談員もしくは過去に相
談員の経験を持つ方、50 数名で毎週、運営をさせていただいております。私どもの協会の相談室でも、
16 年度では 4587 件、昨年、17 年度では 2844 件の御相談を受け付けております。
また、昭和 63 年、88 年ですが、こちらから今回まで 19 回にわたりまして毎年、その年に話題になる
というか、テーマを選びまして、11 月に 100 番事業をさせていただいております。先ほど御紹介いただ
きました赤い表紙の冊子が昨年度、「クレジット・ローンなんでも 110 番」ということで実施させていただ
きました報告書になります。
こちらの方には、2 日間で 168 件の御相談が寄せられまして、きょう御紹介させていただきます 10 事
例のうち 1 番、2 番の事例に関しましては、こちらに寄せられた資料をおつけしております。
また、3 年前より民間 ADR という実証実験を重ねておりまして、こちらに寄せられました裁定調停事案
につきましても今回、事例の 7 番で御紹介をさせていただいております。ただ、きょうは時間の関係で
全部の事例を御紹介するのは無理でございますので、この中から四つほど少し御説明を加えさせてい
ただこうと思っております。
その前段といたしまして、私どもの消費生活センターに寄せられる消費者相談とはどういうものか、ま
ず委員の皆様にイメージを具体的にしていただきたいと思います。こちらに国民生活センターで全国の
消費生活相談の統計を取っていらっしゃいますので、そこから類推する現状を少し御紹介したいと思っ
ております。
レジュメの 1 枚目なんですけれども、17 年度、2005 年に寄せられました全国の消費生活相談件数
が 127 万 5000 件余りです。これが被害の総数ということではなくて、私どもセンターにわざわざお電
話をしたり、いらっしゃる方、相談をしてくる方は全体の 5%ではないか。この中には、昨年、大きな話
題になりました製品事故や何かの問題から、お買い物相談まで含めてはおりますけれども、年間に、ヒ
ヤリとかハッとしたとか、何か不安を持ったり、疑問を持つ消費者がどのぐらいいるんだろうというのを
類推いたしますと、2550 万人。国民の 5 人に 1 人が何かしら消費者センターに聞いてみたいと思われ
る方がいるのではないかというふうに思います。
次に、今回の割賦販売ということで、消費者信用の部分で見ていただきますと、こちらは、 PIO-
NET の情報ですと、13 万 6000 件余り。こちらは全体の 1 割程度の御相談になっております。
私ども消費生活相談の相談員が実際にあっせん解決というのでしょうか、解決のお手伝いができる
部分も、統計上なかなかデータがありませんので、私の方で PIO-NET、あっせん解決というので、
2005 年度の統計をとってみましたところ、4.5%。
私は、個人的には港区の消費生活センターに勤務いたしますので、自分のところのあっせん解決率
で 7%程度。ここから類推しまして、あっせん解決できる案件が 5%ではないかということで、全体の御
相談の中から考えますと、6 万 3000 件程度しか私どもはお手伝いができておりません。
今日、御紹介いたします 10 事例については、本当に氷山の一角というか、多数起きている事例の本
当に一部であるというふうに御理解をいただけたらいいと思います。
それでは、具体的な事例の御紹介をさせていただきます。資料の方は事例ごとに番号をつけさせて
いただいております。今回、大きく二つの柱で、過剰与信の部分と、悪質事業者さんと「さん」をつける
のはおかしいといつも言われるんですが、悪質事業者を助長しているのではないかと思われる事案と
いうことで、五つずつに分けさせていただきました。
この中で、まず過剰与信の 3 番の事例を少し御紹介させていただきたいと思います。高齢者とか障
害者、弱者だけではなくて、普通の生活をしている若者が、こういう被害に遭っているということを御理
解いただけないかと思って御紹介いたします。
この方は、もう既に 30 代ですが、相談センターには、900 万円以上の負債を抱える形で、自己破産
したいということで相談に見えております。ただし、資料の方をごらんいただきますと、レジュメの後に一
覧表をつけさせていただいておりますが、すべて御契約の内容がクレジットを御利用しての会員権から
始まります絵画ですとか宝石類、こういったものの契約がすべてということがわかりましたので、私ども
センターとしてあっせんをさせていただいた案件です。
こちらの問題点としましては、13 件のクレジットあっせん解決をさせていただく交渉をしたんですけれ
ども、もう 2 年半たっております。12 件は何とか話し合い解決をさせていただいたんですが、1 件残っ
ているクレジット契約につきまして、資料 7 番になりますけれども、こちらに関しましては、あっせん交渉
中に販売会社、取次店、両者とも連絡が取れなくなりました。ただし、クレジット会社からも情報提供を
いただいたり、連絡を取り合っているんですが、倒産というところまでに至らないということで、現在も契
約が継続中という案件になっております。
こういったものにつきましては、抗弁権の接続はあって、支払いの請求は、私どもセンターがあっせん
していることもありまして、現在もとまってはおりますが、過去の事例とか、ほかの案件なんかを見ます
と、センターがあっせん終了というか、未決でおりた途端にと言ったら申しわけないのですが、契約が
時効にかかるころになりますと、クレジット会社から請求が再開するということで、そのときには遅延利
息や何かもつけまして、残額が非常にふえてしまうような案件というふうに過去の経験がある事例でご
ざいます。
これは簡単にさせていただきたいんですが、クレジット契約書を見ていただくとわかるように、商品名
がパールネックレスとなっているんですが、売買契約書を見ても商品の特定ができない、どんな品質の
ものなのか、どんな長さのものなのか、真珠の粒がどういうものか、その辺の情報がわからないという
基本的な問題点も内在いたしております。
次に事例の 4 番をごらんいただきたいと思います。こちらは昨年来、呉服の過量販売で大分業界の
取り組みをなさっていらっしゃるようなんですが、こちらは全国展開の宝石店で、20 年来、入退院を繰
り返していらっしゃる統合失調症の女性が、お店に毎回行くという形で、19 件ものクレジット契約を結ん
で、全体で 33 点の宝石を買っていた案件です。
この方は生活保護で、ほとんどこの返済に充てているという状況で、病状が悪化いたしまして入院を
やむなくされまして、御相談はお姉様からまいりました。入院直前まで 1 日 100 円の食費で、1 日 1 回
ファーストフードを食べて暮らすという状況で、あとは返済に充てていたという実態がございます。
こちらが添付いたしました一覧表をごらんいただけるとわかるんですが、これは私どもの方で作成し
たのではなくて、宝石店、販売会社からつくっていただいたものです。この一覧で見ていただいてもわ
かるように、商品の特定ができないものが多ございます。また、商品名、品名のところにはダイヤとか
ペンダントと書かれているにもかかわらず、展示会のときにプレゼントにされた化粧品代 10 万 4000 円
が含まれていたりということもありますし、また商品名がサファイアとなっていたのが実際には商品を全
部チェックしたところダイヤだったりというようなことで、販売店の管理上の問題もあるんですが、店舗
販売ということで、クレジット会社の確認等がどこまで具体的になさっていたのか。
それから、勤務先についても、資料のクレジットの申込書、契約書を見ていただくとわかるんですけれ
ども、お勤め先が「工房」というのを残しているんですが、これが障害者の作業所になっております。お
勤めをしていたのではなく、月に数回訪れて、生活保護の状況も含めて行っていた場所ということで、
審査体制の中でもう少し情報を集めていただければ与信が通らなかったのではないかと思います。
続いて、悪質事業者を助長しているのではないかと思われる事例ということで、6 番の事例をごらん
いただけないでしょうか。こちらの事例は、一番直近で、まだ交渉中の事案でございます。
大学生のときにインターネットで情報を見つけて、こちらにもあるんですが、本屋さんで本を買います
と封筒の中にいろいろチラシとして入っている、その中にあるものなんですけれども、こういうもので自
己啓発というんでしょうか、興味を持って問い合わせをしたところ、電話勧誘があり、この方は 1 年後に
携帯電話に勧誘の電話があって今回、現金価格 253 万 9950 円分、クレジットで 340 万円以上の契
約をなさっているんです。販売方法の問題点は今回置きまして、クレジットの契約書を資料として 3 種
類、お付けいたしております。
X 社、Y 社、Z 社ということで見ていただくとわかるんですが、すべてクレジット会社、こちらの販売業者
専用のクレジットの印刷をして、商品名も、金額も、手数料も、毎月の支払い金額も、すべて事前に印
刷されたものを渡されております。これも御本人のお手紙をつけておりますので、後ほどお時間がござ
いましたらお読みいただくと詳細がわかります。
一度に、こちらの 3 種類のクレジット会社の契約書にサインをさせられております。どこか 1 社通った
ところということで、今回、X 社が与信を通して、この方の契約は成立して、支払い時期が始まる前に私
どもへ御相談が入りましたので、今、解約交渉をいたしております。
年収 200 万円台で、社会人 1 年生、上京されてアパート暮らしをなさっている方に与信が通ったのか
ということをクレジット会社に調査依頼かけましても、それから、商品が単品売りをしないということで、
全体のセットの 250 数万の代金、明細がございません。商品構成表というのがあるんですが、それが
何を示すものかもわかりません。この方は 5 箱の段ボールが届いたという状況で、御家族なりが発見さ
れて相談になったわけです。
こちらの販社なんですが、何度も行政指導の対象になっております。私ども一番恐いのは、自己啓発
や何かのこういったものでは、経済的な被害だけではなくて、相談者の性格異常というんでしょうか、精
神的な部分までの被害が出てしまって、御家族から「とにかくお金を払ってでも、ここと縁を切りたい」と
いう状況で御相談が入るケースが過去にも、この販社で何度も続いております。
複数のクレジット会社が、こういった形で専用のクレジット用紙をつくっているくらい、こちらの事業者
の問題性については、各事業者、御存じのはずではないかと思うんですが、なかなか改善がされない。
与信が通らなければ、こういった商品、セット売りが行われないのではないかと思って御紹介いたしま
した。
最後、8 番目の事例になります。こちらは絵画をクレジットで購入して、自分の所有物としてレンタルを
事業者にすればレンタル料が入るという、新しい手口のもうけ話というんでしょうか、詐欺商法の事案
です。
こちらに関しましても、御相談いただいた内容をここに書かせていただいたんですが、私ども相談者
から聞き取りをして、ここまで文章にして意味が通じるかどうかというのが非常に難しいぐらい、その仕
組みが。資料も皆様のところには契約書とかレンタル契約書、所有権登録書等、複数の書類をおつけ
して見ていただくことで御理解がいただけるかどうかを感じていただきたいと思うんですが、こういう詐
欺商法的なものが新手で出てきております。
これについても、センターとして解約交渉を。20 代の方に 150 万のクレジットを組んでいる形になりま
すので、問題性が高いということで、クレジット会社の協力も得たいと思うんですけれども、既に販社が
倒産してしまって連絡が取れない。こちらの案件に関しましては現在、弁護団が立ち上がりましたので、
この案件に関しましても、相談者がこちらに依頼する形で、センターとしてのあっせんは終了しておりま
す。
新手の詐欺商法というんでしょうか、次から次へと出てきまして、その仕組みも、お話を聞いただけ、
資料を見ただけでは理解がしにくい、よく読んでもよくわからない。それが詐欺商法と言われるゆえん
だと思うんですけれども、こういったものにもクレジットが利用されているということを御紹介させていた
だきたいと思って、おつけしました。
あとの六つに関しましては、それぞれ相談内容の御紹介と、私ども相談現場で感じております疑問点、
問題点を事例ごとに御案内させていただいておりますので、できれば、委員の先生方には、その辺を
資料と一緒にごらんいただければと思います。
最後に、私ども協会として、既にこちらの冊子の方で、110 番の最後の方に提言、要望ということで、
今回の割賦販売法改正についても、実効性を持っていただきたいということで御提案をさせていただい
ております。
こちらに関しまして、悪質業者の排除を信販協会、クレジット産業協会等へ要望書としても出させてい
ただいておりますので、今回の審議によりまして、自主基準では救済しようが無理というか、クレジット
会社が、考え方として、業界として取り組んでいただいているのはわかるんですが、末端の営業部署ま
で実際には対応していただけないケースが多々見受けられますので、法律できちんと規制をして、実
効性も確保していただきたいと思って報告させていただきました。
以上です。ありがとうございました。
山本委員長
どうもありがとうございました。
(3)クレジット取引に係る消費者相談の実態及び行政対応について
山本委員長
次に、事務局から御報告をお願いします。
船矢取引信用課長
まず、資料 3 の消費者相談の状況に基づきまして、消費者相談の全般的な状況を説明します。それ
に続いて、資料 4 で個別事例のうち特徴的なものを、ただいまの唯根委員からの説明とできるだけ重
複を避けながら、補足するような感じで御説明をしたいと思います。
最初に、クレジット取引に関する全体の相談件数の推移でございます。クレジット取引に関する相談
件数の約 8 割が個品割賦購入あっせん取引にかかわるものとなっております。資料 3、1 ページ目の
真ん中の相談件数の内訳と推移の表によりますと、2002 年度では全体に占める個品の割合が 14 万
1416 割るところの全体の 17 万 7360 という割り算をすると、約 80%ということになっております。
この数字は、直近の 2006 年度になりますと。2006 年度と言いましても、国民生活センターの PIO
-NET に、ことし 2 月 20 日時点で登録された数字でありますので、相談を受け付けてもすぐに登録を
されるわけではありませんので、実際の相談件数は、未登録分も含めると、さらにふえると思います。
わかっている数字で言いますと、約 7 割ですね。6 万 7039 を 9 万 5071 で割ると、約 7 割という数字
になっております。7、8 割ということだろうと思います。
ここで言う個品割賦といいますのは、割賦販売法で定義された支払い期間回数が 2 カ月以上、3 回
以上のものに限られているわけでございます。例えば、この下の欄のローン提携販売でありますとか、
さらにその下のボーナス等一括、さらにその下の他の販売信用 (これは主に金銭消費貸借契約に関
する相談であります)、これらの中にも個品割賦的な形態が含まれているわけであります。
ちなみに、総合割賦と個品割賦だけで計算をすると、個品割賦は相談件数の 9 割近くを占めている
わけでありますので、こういった点を考慮しますと、割販法で定義されている狭い意味での個品割賦だ
けでなくて、より広義の個品割賦的なものも含めると、相談件数の 8 割以上、9 割近くを個品割賦的な
ものが占めると考えられるかと思います。
続いて、2 ページ目の販売方法別相談件数と販売信用取引の関係を見てみます。一番上の表の一
番下の欄が販売信用以外も含めたあらゆる相談件数であるので、ここは無視していただいて結構であ
ります。下から 2 番目の販売信用合計というところの数字を見ていただきますと、その一番右側が
2005 年度の相談件数の全体、7 万 5550 件ということであります。このうち店舗販売に関するものが
一番左の欄の 9639 件でありまして、これは全体の約 13%であります。
それ以外の訪問販売でありますとか、通信販売、連鎖販売取引いわゆるマルチ商法、電話勧誘販売、
ネガティブオプションといった特定商取引法で対象としている取引、それから、右側のその他。その他と
いうのは、国民生活センターの分類でありますので、いろんなものが含まれます。例えば、この中には
業務提供誘引販売、いわゆる内職、モニター商法と呼ばれるものなど、特定商取引法の対象となる取
引も含まれております。こういったものも含めて合計すると、全体の 9 割弱が特定商取引法にかかわる
ものになるわけであります。
個品割賦に限って見ましても、個品割賦の一番右側が 6 万 2942 件のうち、店舗販売が 7056 件、
全体の 11%、残りが特商法関係ということでございます。とりわけ訪問販売が 4 万 133 件、全体の
65%くらいと突出しております。
この 4 万 133 件というのを、先ほどの販売信用全体での相談件数 7 万 5550 を分母として計算をい
たしますと、訪販に限っても全体の 53%、半分以上を占めますし、広い意味での特定商取引全体の数
字で見ますと、販売信用全体の約 75%を占めることになっております。
このページの下の表でございますけれども、これは参考のデータとして大手信販会社 7 社を対象に
調査をしました個品割賦購入あっせんに占める訪問販売の割合を示した数字でございます。割合は、
店舗数でいうと 5.5%、件数ベースでは 11.7%、金額ベースでは 15.5%となっております。
これは大手信販会社のデータでありますので、いわゆるクレジットカード会社全体では、個品割賦は
ほとんど取り扱っていないところが多いのが実情でありますし、販売信用全体に占める個品割賦の割
合は金額ベースで全体の 2 割くらいと言われておりますので、仮に 15.5%という数字を当てはめたと
しても、販売信用全体に占める、個品割賦であり、なおかつ訪問販売であるという組み合わせは、全体
のたかだか 3%ぐらいだろうと思います。
言いかえますと、金額ベース取り扱い金額で全体の 3%くらいの金額しか占めない販売形態が相談
件数全体の 5 割以上を占めるという、そういう突出ぶりがわかるかと思います。
なお、逆から見た数字といいますか、つまり訪問販売に占めるクレジット決済の割合につきましては、
昨日、特定商取引小委員会で配られた参考資料の中で一点、8 ページでございます。訪問販売の中で
支払い方法の内訳を見ますと、訪問販売協会の調べということになりますが、約 3 分の 2 が販売信用
によるものでありまして、そのうちの 9 割近くが個品割賦購入あっせんになっているというデータもござ
います。
先ほどの資料 3 に戻りまして、3 ページ目に移ります。
最初は、相談内容は、契約・解約、販売方法にかかわるものが大半だというものでございます。グラ
フを見ていただくと、2005 年度の数字が前年に比べてかなり減少していますけれども、このグラフは販
売信用以外も含めたすべての相談件数の推移でありまして、いわゆる架空請求に関する相談が 2004
年度に多かったものが、その後、激減したということを示しております。
ここで申し上げたいのは、そういうことではなくて、相談内容のうち価格や料金に関するものではなく
て、契約・解約、販売方法に関する相談が多いということであります。
続きまして、販売信用取引における年代別相談件数であります。60 歳代、70 歳以上の割合が最近
は上昇しております。1998 年度は、販売信用全体、あるいは下段の個品割賦、両方とも 5、6%台で
あったものが、2005 年度になりますと、それぞれ 11%弱であるとか、18%台にふえております。
続きまして、4 ページ目に行きます。販売・勧誘方法とクレジット取引利用の関係であります。内容的
には、2 ページのところと重複をしますので説明は省略しますけれども、過去 5 年間を見ても、いわゆる
店舗外、特定商取引関係の相談が多いということを示しております。
続いて 5 ページ、商品別に見た相談件数であります。最初のふとん類を初めとしまして、上位の品目
は、自動車を除きまして、訪問販売など特定商取引に関係するものがずらっと並んでおります。和服は
店舗販売とされておりますけれども、いわゆる展示会商法と呼ばれる特商法の規制対象ないし、それ
に近い形態での販売が多いという特徴がありますので、これも広い意味では特商法絡みと呼んでも差
し支えないかと思います。以上が全体的な数字の紹介でございました。
続きまして、資料 4 で、クレジット取引に係る消費者相談の実態と題した個別相談事例をピックアップ
した資料の説明に移ります。各地の消費生活センターその他からいただいた個別事例のうち、特徴的
なものをピックアップしたものでありますけれども、時間の制約もありますし、唯根委員からも詳細な御
説明や資料の提供がありましたので、全部の説明はせずに、駆け足でいきたいと思います。
1.でいろいろあるのは店舗外、いわゆる訪問販売などに関する相談事例であります。ここでは狭い
意味での伝統的な訪問販売のほかに、キャッチセールスであるとか、アポイントメントセールスなどとい
った広い意味での訪問販売の事例も含まれております。
特徴としては、不意打ち的な勧誘とか強引な、あるいは執拗な勧誘によって契約を締結させられたケ
ース、あるいは不実の告知とか契約書面への虚偽の記載、特に収入欄への虚偽記載をお客様に業者
が指示をするといった手口が見受けられるところであります。それから、高齢者などの判断力に問題が
あるものがねらわれるというケースも目立っております。
これらに関する具体的事例は挙げると切りがないのですけれども、この資料では五つだけ挙げており
ます。個々の内容の説明は省略をいたします。
それから、3 ページ目であります。訪問販売以外の特定商取引に関するケースとしまして、業務提供
誘引販売、いわゆる内職商法とかモニター商法、それから連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法の例を
挙げております。
その次、4 ページ目であります。これは特定商取引法に規定する訪問販売に該当するかどうか微妙
なもの、この情報だけでは判断できないものでありますとか、特商法には該当しない店舗販売の例を
載せております。例えば事例 8 は、いわゆる展示会販売に関するものでございます。この例では、知人
と一緒に知合いの販売員に誘われて展示会場を訪れた折に、5、6 名の販売員が一斉に知人を取り囲
んで、半日かけて、おだてあげて、呉服や宝石などを購入させたというものでございます。
これが店舗なのか店舗外になるのかというのは、特商法の解釈として、この展示会が常設的なもの
なのか、一時的なものなのか、あるいは消費者が自由に商品を選択できるような陳列がされているか
とか、買う気がない人が自由に出られるような状態になっているかといったことによって判断をされるわ
けでございます。
また、仮に店舗であるとみなされた場合であっても、販売目的を秘匿して連れてこられた場合は訪問
販売ということになりますけれども、この情報だけでは販売目的をあらかじめ、どれだけ告げられてい
たかどうかよくわかりませんということで、該当するかどうか、直ちに判断できないのですが、いずれに
しても、これを見ると、半日かけてみんなで取り囲んで執拗に勧誘したというケースということで、悪質
なケースとして挙げております。
その他いろいろありますけれども、説明は省略させていただきます。
続きまして、6 ページ目に行きますと、これは割賦要件との関係で、一括払いあるいは 2 回払いのケ
ースを幾つか挙げております。いずれも支払い期間や回数が 2 カ月以上、3 回以上ではないというもの
であります。
そのことを除くと、支払い方法としては、いわゆる個品割賦に該当するものでありまして、販売の手口
も通常の訪問販売と見られる手口と同じでございます。事例 12、13、14、15 は、一括払いに関するケ
ースでございます。最後に、7 ページの下に事例 8 とあるのは、先ほど紹介した例を再度掲載している
ものであります。
下の方に書いてありますが、「販売員が『3 回以上の分割だと手数料がかかるので 2 回払いにしまし
ょう』と言った」ということであります。これは割賦販売法の適用を逃れるために潜脱をした、意図的に 2
回払いにさせたということが推測される例だと思います。
それから、8 ページ目であります。これは金銭消費貸借契約型の相談事例でございます。割賦販売
法では、立て替え払い型ではなくて、金銭消費貸借契約型であっても、そのローンと商品の販売に密
接な関係が、牽連関係があれば割賦購入あっせんに該当して、例えば抗弁権接続の対象になります
というふうに、従来からそう解釈をしてきましたし、平成 11 年の法改正で、その旨、法律上明記したわ
けであります。
ここにあるような例を見ますと、与信事業者がそういった牽連関係を否定して抗弁権を認めないとい
うケースがちらほら見られるということでございます。個々の内容の説明は省略しますが、16 から 19 ま
で、そのようなケースを載せております。
それから、10 ページ目に行きます。今まで、個品割賦あるいは、それに準ずる個品割賦的な相談事
例を紹介してきましたが、総合割賦購入あっせん、いわゆるクレジットカード関係の相談事例にはどん
なものがあるかというのを書いております。
相談で目立ちますのは、過剰与信防止という観点から言うと、全く逆の方向での苦情なんですけれど
も、クレジットカードを申し込んだのに審査ではねられてしまったと、あるいは今まで使えたのに使えなく
なったというのは納得できないという苦情が一番目立つところでございます。
これ以外に手数料とか遅延延滞金に関する相談でありますとか、不正利用に関する相談であります
とか、一方的にカードを更新された、あるいは窓口の応対態度が悪いといった内容の苦情が寄せられ
ております。
最近では、抱き合わせ販売的なものといいますか、例えばスポーツクラブの入会でありますとか、賃
貸マンション契約などで、カード申し込みがないとできませんといった苦情でありますとか、家電量販店
で単なるポイントカードだと思って申し込んだつもりが、ふたを開けたらクレジットカード機能つきのもの
だったと、そんなものは要らなかったのにといった苦情もございます。いずれにしましても、いわゆる個
品で言うような悪質商法に絡むような相談とは内容がかなり異なっているようでございます。
11 ページは指定商品に関する相談でございます。これは内容が細かいので一々説明しませんけれ
ども、各地の消費者相談員泣かせといいますか、個別の商品が指定商品に該当するかどうかというこ
とで頭を悩まされるケースがいろいろとございますということであります。
最後に、12 ページ。これは過剰与信に関する相談、いわゆる次々販売と呼ばれるものでございます。
一つの販売店がいろいろなものを次々と買わせるケースで、信販会社も 1 社というケースが事例 23 で
すけれども、24 以降は複数の販売店が複数の信販会社と組んでいるケースとか、一つの販売店と複
数の信販会社の組み合わせもありますけれども、いろんなパターンがございます。
こういう複数が絡むところになりますと、個人信用情報機関に過去の販売情報、販売履歴であります
とか、信用供与の情報が登録されていて、これが与信審査に活用されていれば、ある時点以降の与信
は防止できたであろうと思われるケースでございます。
資料 4 の説明は以上といたしまして、資料 5 に、行政指導と業界の自主的取り組みと題した資料があ
りますので、これも簡単にコメントをしておきます。
2 ページ目にありますように、これまで昭和 58 年以降、何度も業界に対して加盟店管理の指導を行
政指導ベースで要請してまいりました。直近のものとしては、平成 16 年 12 月に出しました加盟店管理
の強化徹底についての要請でありますとか、平成 17 年 7 月に住宅リフォーム関連の加盟店の総点検
などをお願いしたところでございます。
これを受けまして、信販業界で自主ルールや対策を策定いたしました。それが 3 ページ、4 ページに
載っております。これは、先ほど飯島委員からも説明がありましたので、省略をいたします。
5 ページ目に飛びます。平成 17 年に、つまり 2005 年 7 月に住宅リフォーム関連の総点検の要請を
いたしました。その要請を受けまして、信販協会でありますとか、クレジット産業協会が業界として悪質
加盟店との取引停止や改善指導に取り組んだ結果として、2006 年 3 月末時点で 711。05 年 9 月に
578、その後、133 を加えて 711 です。さらに、2006 年 9 月末時点で 103 加えて、合計 814 店舗と
の取引を停止したという報告を受けております。この数字は半年ごとに報告してくるということでありま
すので、直近のことしの 3 月末時点の数字はもう少し後で出てくることになります。
それで、総点検の効果ということであります。若干データは古くなりますが、06 年 3 月末時点で取引
を停止した 711 店舗につきまして、我々の方で PIO-NET に寄せられた相談件数を確認しましたとこ
ろ、この 711 店舗にまつわる相談は 2 万 3342 件寄せられております。このうち、06 年 4 月以降 6 月
まで新規に契約されたものに関する相談が 171 件ありまして、店舗数で言うと、67 店舗に関する相談
でございました。
このうち、信販会社を通じて、まだ営業を続けているかどうかというのを確認してもらったんですけれ
ども、確認できたところでは 35 店舗が引き続き営業を続けている。その他は所在が不明とか、営業し
ているか、やめたのか確認できなかったのであります。
いずれにしましても、こういうクレジット業界の団体に加盟をしていないアウトサイダーが存在するせ
いなのか、あるいは現金取引に特化したせいなのか、理由は推測するしかありませんけれども、悪質
業者が取引停止で完全に息の根がとまったというわけではなくて、若干は営業を継続していて、消費
者苦情も続いている業者がある程度残っているということでございます。
最後、6 ページ。これは特定商取引法違反に基づく処分状況と信販会社による取引事実の公表でご
ざいます。経産省と都道府県では、特商法に基づきまして、違法行為を行った訪販業者などに対して、
業務改善の指示でありますとか、特に悪質な場合は業務停止命令を発動することになっております。
表では、その発動の件数を載せております。
こうした行政処分が公表されますと、信販会社は処分を受けた訪販業者などと取引を停止するわけ
でありますけれども、平成 17 年の 8 月以降は、過去のそういう業者との取引事実を公表することとし
ております。17 年 8 月以降に処分を受けた業者は 92 社あります。そのうち信販会社が取引を行って
いた業者は 59 社ありまして、信販会社の数でいうと延べ 173 社であったということでございます。
役所は、行政処分を発動するに当たって、当然ながら、最初に経産省の消費者相談室でありますと
か、各地の消費生活センターなどに寄せられた苦情情報を端緒としまして、報告聴取や立入検査によ
って事実関係の確認を行って、さらに事業者に対して弁明の機会を付与するなど、実際に処分が下さ
れるまでには、ある程度プロセスを経る必要がありますので、時間がかかるわけでございます。
もちろん、行政処分が下されたときは、その旨、公表いたしますけれども、それまでの間は、対外的に
は事業者名は秘密にして調査を進めているわけであります。その間に、信販会社自身も、ある程度、
自分のところに苦情情報が入ってきますので、そういう情報を自分でつかんでいるケースもあります。
そういう場合には、行政処分が発動された時点では、とっくに取引は停止していましたよというケースが
多いんですけれども、中には我々が行政処分を発動して初めて取引をやめるというケースもございま
す。
個々の結果を見ますと、信販会社の方でもう少し早目に取引を停止していれば被害の拡大が防止で
きたのではないかと思われるケースもございます。
ということで、ちょっと長くなりましたが、説明は以上でございます。
山本委員長
どうもありがとうございました。
自由討議
山本委員長
以上、三つの御報告ないしプレゼンテーションにつきまして、これから委員の皆様の御意見等をいた
だきたいと思います。御意見、御質問等ございましたら、挙手をして御発言をお願いしたいと思います。
いかがでしょうか。
池本委員、お願いします。
池本委員
池本でございます。
非常に多岐にわたる御報告をいただいたのですが、信販協会からの御報告に関連して、二、三質問
をさせていただきたいと思います。
資料 1-2 の 2 ページに、(1)の 4 行目ですか、「加盟店管理と与信に関する社内基準の設定や見
直しを行う」、各社で見直しを行うということが記載され、それから、少し下、2 番目の丸の黒ポツの 2 番
目ですか、「加盟店情報センター( MIC)規定を遵守し、その活用を徹底する」という記載があります。
これに関連して御質問したいのですが、各社の加盟店管理や与信に関する社内基準を設定し、それ
をどう徹底していくか、強化していくかということは、まさに被害防止のために必須だと思うのですが、
従前、私どもがクレジット被害の事案を検討していっても、どういう審査基準で、どうチェックをしている
のかということを質問しても回答していただけないことが多いわけです。
こういう問題は、営業ノウハウというよりは、まさに適正化のための基準をこうして、こうやって取引の
適正化を図っていくという、いわばコンプライアンスの根幹にわたるもので、どういうコンプライアンス体
制で、どういう基準をつくっているかということを社会に公表し、それを遵守していくということが必要で
はないかと思うのです。社内基準の設定や見直しというのは、公表あるいは検証ということを含むのか
どうか、その辺をお伺いしたい点が第 1 点です。
2 番目に、加盟店情報センターの規定を遵守しというところです。これも私たち外側から非常に見えに
くいところで、以前、お聞きしたところでは、違法な販売行為などが理由となって加盟店契約を解除した
ときには、それを加盟店情報センターに登録をする。そうすると、その後、他の信販会社がこの会社に
ついて取引をするかどうかを考えるとき、あるいは継続的なときに、ここを照会して加盟店契約を解除
する。そうやって、総体として不良加盟店を排除するという制度だというふうにお聞きしております。
ところが、大規模消費者被害が生じたクレジット被害の事件で見てみますと、この会社はどうも危ない
な、変だなということを信販会社の中である程度察知したときに、直ちに加盟店契約を解除しないで、
取引規模を縮小はするけれども、契約解除という行動は取らない。取らないと、加盟店情報センターに
登録をする必要もないということで、どの社も、それこそ破綻寸前になって、あるいは破綻してから登録
することはあるとしても、肝心な被害防止のための登録が余り実行されていないのではないかというふ
うに思えるわけです。
そこで、これに関して御質問したい点は、ここ数年間の加盟店情報センターへどういう事由があるとき
に、何件登録があるのかというデータを開示していただきたいということ。不良加盟店の排除をどういう
ふうにして自主的に実行されていたのかという事実を議論の対象にしていただきたいということ。
それから、加盟店契約を解除したということでは裁量が入ってしまう、遅いことになるので、時期を見
直すなり、これが本当に活用されているかどうかをどう検証していく、あるいは基準をどう立ていくのか、
そういったあたりの規定の遵守をもう一歩踏み越えて、規定の見直しということは考えておられるのか
どうかという点でございます。
それから、済みません、長くなりました。もう一点だけ申し上げます。資料 1-4 の後ろから 2 枚目で、
「自主的な取り組みに反する行為があった場合の措置」、自主規制の取り組みは、どう実効性がある
のかということがかぎになるかと思います。
ここに「会員各社において違反する行為が見受けられた場合には、協会事務局へ連絡する」、「協会
事務局は違反事実を確認し、改善を要請する」とあります。違反する行為が見受けられた場合には、だ
れが協会事務局へ連絡するのか。あるいは、どうやってそれを調査して改善を要請するのか。その辺
の執行体制なり通報体制、あるいは基準をどういうふうに検討しておられるのかというところです。
それに関連して補足的な質問が 4 番目になります。先ほど口頭での説明の中で、消費生活センター
などから悪質加盟店の情報を提供していただいて、それを悪質加盟店排除に生かしたいという御発言
が口頭であったかと思います。
それの意味なんですが、消費生活センターで苦情相談を受けて抗弁主張をすれば、こういう販売方
法だという理由を書いて抗弁主張するはずなんですね。だとすれば、それを手がかりにして、加盟店を
維持するのかどうか、どういう販売方法かを見るというのが従来からの本来のチェック体制ではないか
と思うのですが、それを強化徹底するという意味なのか、それとは別に、この会社が悪質ですよという
ことを別の制度で情報収集の体制が必要だとおっしゃる趣旨なのか。そこがわからなかったので、確認
したいという。
ちょっと多岐にわたって申しわけありません。以上です。
山本委員長
御質問でございますので、飯島委員からよろしくお願いいたします。
飯島委員
まず、第 1 点の加盟店管理と与信に関する社内基準の見直し、これとの関係であります。信販各社
の与信基準あるいは加盟店管理というのは、ビジネス上はいろいろノウハウを持っておりまして、これ
は各社それぞれ違う、それぞれの戦略に基づいた社内の与信基準あるいは加盟店管理の仕組みで
やっている。したがいまして、これを公表するということは従来もやっていませんし、する必要はないと
考えています。
ただし、先ほど御指摘がありましたコンプライアンス基準については、各社共通というか、業界として
取り組むべきであろうというふうに認識をしております。
今までの業界の自主規制というのは、やや抽象的な「コンプライアンスは守ってください。コンプライア
ンスを守られない加盟店とは取引はしません」と、こういったものでありました。それを踏まえまして、今
回の第 3 次というところで、特に消費者相談の多い特商法絡みの業種、商品につきまして、コンプライ
アンス上の基準を今回、制定したということであります。
それから、二つ目の MIC の件であります。第 1 点の御指摘の登録件数は、大変申しわけありません
けれども、具体的な資料を持っておりませんので、後ほど調査した上で報告したいと思います。
それから、この件についての二つ目。契約解除といった時点での登録では遅いという御指摘をいただ
きましたけれども、この辺については私どもも認識をしております。悪質加盟店排除のためには、 MIC
の活用の仕方はもう一工夫する必要があると認識をしております。
御指摘のとおり、どちらかといいますと、加盟店が破綻をするといったところでの登録が主流だったか
と思います。ただ、悪質加盟店という認識をどういう基準で判断をして、ここに登録するのか。この辺の
悪質加盟店に対する定義について、相当議論が必要だと思いますけれども、今後の加盟店管理ある
いは悪質加盟店の排除を具体的に取り組んでいくためには、御指摘のとおり、規定の見直しが必要だ
と認識しております。
それから、3 点目の会員各社において違反する行為が見受けられた場合にはだれがということであり
ます。私どもの信販協会の会員各社が、1 加盟店 1 信販というケースもありますけれども、大体何社か
取り引きしておりますので、事実を知った私どもの会員会社から協会へ連絡をいただくということになる
と思います。
それで、協会事務局で会員会社、どこの会社が、どこの地区、あるいはどこの支店で、営業担当者が
だれで、どういう事実があったということを協会できちんと把握するということになっているという考え方
であります。
最後の消費者相談センターからの情報提供の話ということです。これは抗弁主張に対しての強化と
いうことではなくて、悪質加盟店排除のためには、消費者相談センターに寄せられた情報を、我々の業
界も悪質加盟店排除のためにうまく利用させていただけないかという考え方であります。
個社でも、あるいは協会としても、消費者センターさんに悪質加盟店の情報を教えてほしいと、あるい
は消費者相談の多い加盟店問題について、私ども個社でも各地の消費者相談センターに情報提供の
お願いに行って、早く見つけて排除するという行動をしておりますけれども、消費者相談センターさんに
はかなりばらつきがありまして、非常に前向きに、積極的に我々にも情報提供をしていただけるところ
と、「これは守秘義務等あり一切公表はできない」という消費者センターもあります。各都道府県によっ
てもかなりばらつきがある。
ただし、情報の提供をいただければ、私どもの業界にとっても早く対応ができるということであります。
先ほど申し上げました自主規制機関が会員各社を指導するためにも、そういった情報がいただけるよ
うな仕組みができれば、より消費者保護につながるのではないかと、こういう趣旨であります。
山本委員長
池本委員、よろしいですか。
河村委員からお願いします。
河村委員
主婦連合会の河村です。
今、お答えいただいたものとも関連するのですが、消費生活センターで苦情相談を受けた件について、
唯根委員に質問したいと思います。苦情相談をする過程で、信販会社にも連絡を取って、販売店の問
題ある販売方法についても十分に御説明した上で、いろいろ交渉なさっていると思うのですが、交渉の
結果、解約できたような場合ですね、これまでの御経験からして、信販会社は、その販売業者との加盟
店取引を打ち切っているどうかということは、何か情報をお持ちでしょうか。
山本委員長
お願いします。
唯根委員
まず、相談が入りますと、相談者から販売会社とクレジット会社に抗弁書を出していただくというか、
事情を説明する書面を出していただく。きょうの事例の御紹介で、6 番の事例でお手紙をつけておりま
す。ああいう形で、御本人からの主張ということで出していただくようなことをしております。
その後、センターが介入しますから、事情については当事者のクレジット会社なり販売会社は詳細が
わかると思いますし、私どもも、それについてクレジット会社に協力依頼するんですが、多くは、クレジッ
ト会社へ連絡しますと販売会社と相談してください、販売会社の方は、クレジット契約になっていますか
らクレジット会社と協議してくださいという形で、意外と。センターがどこまで取り組めるかというところで
温度差はあるようですので、どこの事業者も協力していただけるということではありません。
また、あわせて言わせていただきますと、クレジット会社の消費者相談室によっても、大分温度差が
ございます。センターから連絡を入れますと、実際の営業担当の部署へ連絡を入れるだけ、抗弁書を
出しても、そちらに書類を渡すだけ、トラブルになったのがどう解決したかの集約をする程度の役目し
かしない消費者相談室もございます。逆に、消費生活センターと連携を取りたいというか、被害の実態
を知りたいという積極的なクレジット会社の相談室もございます。
ただ、加盟店指導等について、こちらが申し出をさせていただきますと、最後は営業とのバランスとい
うことで、なかなか即答していただけないというんでしょうか、それが即反映できない社内的なお立場が
あるようです。そういう部分では、自主基準を御存じなのは相談室どまり、営業のところまでいきますと、
相当温度差が大きいなというふうに感じております。
それでお答えになりますでしょうか。
山本委員長
よろしいですか。
河村委員
十分お答えをいただいたと思っているんですが、もう少し確認したいんですけれども、解約ができたよ
うなケースについて、そのことによって信販会社が加盟店を切っていることが確認できた例があるか。
つまり、確認できたか、できないか、切ってないということがわかったケースもあるかというような情報を
お持ちでしょうか。
唯根委員
切ったことがわかるかというのは、ほとんどセンターでは把握しようがないです。切ってないというの
は、きょう御紹介したような事例でおわかりいただくように、何十年という言い方は申しわけないんです
が、私ども相談の窓口から、この事業者は問題があると何度御指摘しても、クレジット会社が加盟店の
契約を解除しないケースというのは多々。逆のところだけは確認ができるという状況です。
山本委員長
続いて、原委員から。
原委員
質問ということでお願いをいたします。唯根さんに重ねての質問で大変恐縮なんですが、後で飯島さ
んにもお願いしたいと思っています。
大変たくさんの事例ですね、膨大なので、また読ませていただきたいと思いますけれども、印象的な
のが法定書面の不備というのが結構多いという感じがあって、法定書面が不備だと、これでは契約とも
言えないし、過剰与信の防止という意味では全くチェック機能が働かないという感じがするのですけれ
ども、先ほど行政もいろいろと指導してきたということで、平成 16 年 12 月に適正な書面の交付というこ
とも書かれているんですが、既に 3 年近くたっているわけです。こういった法定書面の不備というのは、
相談のトラブルの場面では大変多いものかどうかというのが 1 点です。
それから、それとも関連するんですけれども、後で詐欺的な商法とわかったような事例が大変多く寄
せられていますけれども、これじゃ、事業者と交渉したときに、これまでの事業者、団体側の御回答だと、
自主規制でやっていきたいということをよく発言なさるんですが、これまでも何度も通達が出され、その
都度、自主規制をやっていらっしゃるわけなんですけれども、自主規制が出ているけれども、それにの
っとってきちんとおやりになっていますか、どうですかということを強く発言すると、事業者側、特に販売
店だけでなくてクレジット会社ですね、どういう対応をなさるのか。
自主規制の限界というんでしょうか、自主規制でやっていけば何とかなると思っていらっしゃるのか。
それとも、限界のようなものを感じていらっしゃるのかということを重ねてお願いしたいと思います。
それから、飯島委員に質問が一つと意見ということになるんですけれども、ずっとこういった自主規制
をおやりになってきていらっしゃって、きょう行政から御説明していただいた資料を見ると、個品の特に
訪販にすごく問題がありそうだということがわかりますよね。そうすると、この人たちは、どんなふうに自
主規制をつくっても、言ったことが届くのかどうかというのが、最初にすごく疑問であるんですよね。
船矢さんから最後に御説明があって、新規で問題があった事例も、実際に販売会社がわからなくなっ
ている、行方不明になっていたり、消息がよくわからない状況になっているというのがあるという状況を
見ると、もともとこういった人たちに、どんな立派な自主規制をつくっても、それを届けるとか、守るという
ようなことでできるのかどうかということについて、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのかという
ことをお聞きしたいと思います。
もう一つ、資料の中で、今回、4 月から自主規制を強化するという中に、過剰与信防止の中で、特に
高齢者について配慮するということになっていて、年金で暮らしている人たちに特に配慮するということ
になっていて、資料 1-1 の最後、平成 19 年 3 月に出されたものの最後から 2 枚目に、高齢者に対
する与信取り扱いの基本姿勢が書かれているのですが、特に支払い額に見合う収入や資産がなくとい
うふうに書かれています。これはどういうふうに調査をやろうとなさっていらっしゃるのか。
お年寄りの事例を見ていると、年金のみに依存している場合って、これは非常に悪質になりますけれ
ども、ある程度資産を持っている人がかなりねらわれているという印象もあるので、資産の把握が非常
に大事だと思いますので、具体的にどう考えていらっしゃるかをお聞きしたいと思います。
それから、これは意見なんですけれども、池本委員の質問は、私もちょっと重なるところを質問しよう
と思っていたんですが、御回答があったんですが、私自身は、お聞きしていて、最初の審査基準とか、
そういうものは公開する必要がないというお話だったんですが、審査基準ですとか、そういったものに
ついての公開は、今の状況では当然のレベルではないかというふうに考えております。
それから、3 番目の回答のところで、協会の会員各社が、これはおかしいぞというふうに思ったところ
が通報してくれることを期待なさるという御発言だったんですが、こういう内部通報的なことに期待をな
さっているということなんですが、現状を見ると、次々販売に見られるように、ここでもうかりそうだと思う
と、すぐ乗っかってしまうというのが今の体質にあるように思われて、そこにこういった仕組みが機能す
るというふうには考えがたいところがありまして、なお一層、工夫をしていただきたいと思っております。
質問と意見がばらばらしましたけれども、よろしくお願いいたします。
山本委員長
質問の部分につきまして、唯根委員の方から回答いただきます。
唯根委員
最初の法定書面の不備というのが多いのかということに関しましては、契約の時点で販売会社のみ
ですので、クレジット会社が見ておりませんので、結構ございます。その辺をクレジット会社で審査の段
階で確認できないのかどうかというのが、私どもセンターからはいつも質問させていただいているところ
です。ですから、書面交付に関しましては、クレジット会社から直接出していただけるような制度の導入
を希望したいと思っております。
それから、詐欺商法に関してということは、総合割賦は登録制なのですが、個品割賦購入あっせんと
いうか、個品割賦に関しましてはだれでもいつでもできるものですから、販売会社が、クレジットという
のでしょうか、別会社を立ててというケースでしたりしてもいるものですから、アウトサイダーというんで
しょうか、そういう形で詐欺商法に参加しているケースは見受けられます。
ですから、私どもとしては、すべて登録制を導入していただくことで、その辺が防げる一助になるので
はないかと思います。
山本委員長
飯島委員向けにも御質問がありましたので、よろしくお願いします。
飯島委員
第 1 点目に御質問がありました、いわゆる訪問販売会社等に我々クレジット業界の自主規制が届く
のかと、要するに、信販協会の自主規制で訪問販売業者をきちんと指導できるのかという御質問でご
ざいます。
今回、これを具体的に検討していただくために、先ほど私の説明の中で、特商法対象加盟店にもきち
んとした自主規制機関が必要ではないだろうかという御提案を申し上げたところであります。
訪問販売協会に加盟している訪問販売業者はきちんとした健全な訪問販売業者であるといったよう
な、特に消費者被害の多い特商法加盟店の対象、具体的には、今おっしゃいました訪問販売協会のよ
うなところが我々と同じような自主規制をきちんとかけていただくことが必要ではないかなというふうに、
先ほど御提案をさせていただいたわけです。
二つ目、この自主規制だけで、いわゆるアウトサイダー等にまできちんと自主規制を守らせることが
できるのか、我々の自主規制だけではアウトサイダー等には影響が及ばない、そういったことをどう徹
底していくのかという、2 番目の御質問がありました。
これも先ほど申し上げましたように、個品割賦あっせん業者を登録制にして、だれがこの事業をやっ
ているかをきちんと把握できるような形にした上で、新たな自主規制機関を立ち上げて、そこにできる
だけ参加をさせて、自主規制ルールが業界全体に及ぶような仕組みづくりが必要ではないか。これも
先ほど御提案を申し上げたところであります。
それから、3 番目の高齢者の支払い額や収入に見合う資産の把握をどうするんだと、こういう御意見
だと思います。現状では一番資産を持っているのは高齢者だという時代であります。現実には、例えば
銀行の預金をたくさん持ちながらも、年金がきちんと入るので、これはクレジットにしたいと、預金の方
は何かあったときに、すぐ使えるようにおろすのは嫌だと、こういった方もいらっしゃるわけです。一概に
すべてだめだというわけにはいかないところもあるのではないか。そういったことをきちんと把握した上
で、高齢者に対しては慎重に対応することが必要だということを業界の自主規制として取り組んでいこ
うということであります。
4 番目の審査基準は、リスクの取り方、この審査基準については公開する必要はないのではないか
と申し上げたんです。これはあくまでもリスクベースド・プライシングというビジネスでありまして、各社に
よってそれぞれの営業戦略等で、どこまでリスクを取るのかという審査基準は各社、いろんな営業戦略、
経営戦略に基づいてやっておりますので、それがまさに我々業界各社のノウハウというところもありま
すので、これを全部公開する必要はないのではないか。こういう趣旨で申し上げたところであります。
それから、協会各社の牽制機能といいますか、次々販売が行われている中で、協会の会員会社同士
で牽制機能が果たしてうまく機能するのかという御意見が最後にございました。
ここ一、二年で業界の認識はかなり変わってきている、業界の体質改善はかなり進んできていると考
えております。いわゆる「消費者の敵」といった位置づけをされるビジネスが成り立たなくなってきてい
るという認識は業界各社にかなり浸透してきている。いわゆる消費者保護という姿勢でビジネスをしな
ければ、これからはやっていけないという認識に急速に変わりつつあると考えております。
おっしゃるとおり、会員同士で本当に牽制機能がうまく回るのかと、これはそういう面もあると思いま
すけれども、今まで実効性確保のためにペナルティがないのかという御指摘をいただいてきましたけれ
ども、こういう社団法人の性格といたしましては、290 社ぐらい個品割賦を扱っておりますけれども、私
どもの信販協会には 45 社しか加盟しておりませんので、私どもの協会でペナルティあるいは除名とい
ったことは、なかなかやりにくい団体であります。とりあえずは、実効性確保のために、こういった自浄
作用が働くような仕組みをつくってスタートさせたいと、これが趣旨でございます。
山本委員長
ほかに御発言ございますか。
花房委員、お願いいたします。
花房委員
基本姿勢についての意見として、申し上げたいと思います。
これからの経済が消費者主導で家計からお金が回ることが望ましいということについては、だれもが
認識していることだと思うんです。したがって、そのために消費者保護と安全性の確保が常に根本命題
になるということに何ら異論はありません。そこで私は 3 点ばかり簡潔に申し上げたいと思います。
第 1 点は、消費者保護の考え方でございます。消費者の権利を尊重して、選択の自由と事業者の適
正な競争関係の確立ということが真の意味で消費者保護につながるということの認識を共有したいと
思います。従って、前回の小委員会の報告書ではベストミックス論が掲げられまして、それをさらに具
体化しようということになって今日つながっていると思います。
そこで、このベストミックスをいかに実現するかということについて、再認識の上、今日御報告いただ
いたような面で、特にいろいろな悪質事例を踏まえて、例えば、これから極めて重要なチェックシステム
としては、内部統制制度がございますが、この内部統制制度に折り込んで具体的にチェックしていくこ
との必要性を考えたらどうかというのが第 1 点でございます。
2 点目は、自主規制についての姿勢といいますか、考え方です。自主規制の存在そのものを否定す
るのではなくて、(否定してはいけない、)自主規制はむしろ事業者の責務であるという自覚と前提に立
ち、なすべきことは実効性の確保だと思います。
それには自主規制団体の透明性とか、特に指導性という点が重要だと思っております。特にきょう報
告をされたようなルール違反に対しては、厳しい処置で対処することが必要だと思います。そういう考
え方から、報告の中にあった認定団体化するということについての意義は私も賛成です。これが第 2 点
です。
最後に、3 点目は割販法についての意見です。歴史的な価値については、しばしば主張して参ったと
おりでございますが、要は信用販売の基本法として、これを整備し直して、位置づけることが望ましい
のではないかということです。
我が国の現状からいきますと、他国の例を参考にするということは大事なことでありますけれども、今
の環境下で、販売と金融を包括した法の整備を考えるよりも、信用販売の根本法規として割販法を位
置づけることが一番適当ではないかと、考えております。
要は、それによって、悪質事例といいますか、業者といいますか、そういうものの徹底排除するため
にも、割販法をむしろ機能させることに注力すべきではないでしょうか。そして関連諸法による複数の
軸で、重畳的な運営をすることが実践的であり、真の消費者保護に資するのではないかと考えている
次第です。
山本委員長
ありがとうございました。
ほかの委員の方。まず藤原委員から御発言いただいて、次に信原委員にお願いいたします。
藤原委員
一つは意見で、一つは質問をさせていただきます。
1 点は、花房委員も言われたんですけれども、J-SOX 法のもとで新たな内部統制の構築が各企業、
迫られているわけですけれども、基準の公開といったときには、ノウハウにかかわる部分もありますし、
そうではなくて、内部統制の中に消費者保護、顧客保護をどのように組み込んでいるかという、そのプ
ロセスの透明化の問題も含まれていて、その両者、つまりノウハウ的な部分とそうではなくて消費者保
護の部分ですね、その両者を分けて議論すべき必要があるのかなという感じがしました。それは内部
統制に関することです。
もう一つは質問なんですけれども、きょう飯島委員、唯根委員の御議論の中で、消費生活センター等
との情報の交換ということがございました。御指摘の中で、双方の御意見とも、相手方当事者のガード
がかたいとおっしゃっておられるように聞こえたんですけれども、その場合、消費生活センター等がな
かなか情報をくれないというのは、最初から守秘義務の問題だということなのか、あるいは企業の競争
上の利益を損なうおそれがあるというような、国あるいは独法あるいは自治体の情報公開制度の問題
で言っておられるのか、それとも、聞き方が、どういう情報、どういう項目を取ろうとして断られるのか、
それとも、そもそも相手にしてもらえないのかという、そのようなところの実態を御存じであれば教えて
いただきたいということ。
逆に唯根委員には、営業の現場と苦情の担当窓口でうまく情報のやり取りができていないんじゃない
かという御指摘があったんですけれども、苦情を受ける側としては、情報の提供を求められたら、原則
は情報を提供するということなんでしょうか。それとも、相手方が聞いてくる項目はそもそも提供できな
いようなことを聞いてくるんだという御認識なのか。それとも、それはそれぞれのセンターごとに違うとい
うお話なのか。そのあたりの実態を少し教えていただければと思います。
以上です。
山本委員長
それでは、御質問でございますので、お答えいただきたいと思います。なるべく多くの委員に御発言
いただきたいので、できれば端的にお答え願いたいと思います。よろしくお願いします。
飯島委員
消費者相談センターに聞きに行く我々の業界も、消費者センターの方も、一言で言うと、属人ベース
です。教えてくれる人もいる、くれない人もいる。聞きに行く方も、具体的に的を絞って聞きに行く、答え
やすいようなことを聞きに行く人もいますし、ただ表敬だけで行って何も教えてくれない。属人ベースに
なっていますので、これを何とか消費者保護のために制度化できないか、悪質加盟店の情報を共有で
きないかと、こういう意見を申し上げたところであります。
山本委員長
唯根委員からもお願いします。
唯根委員
立場的には、行政の窓口として、「うちの相談は入っていますか」という端的な御質問や何かで来られ
た場合には、答えられない。それは守秘義務の問題。
ただし、業界団体とか当事者、案件、案件で一つずつの場合には当然、事情を言いますから、具体
的なことは、相手の事業者なり、信販協会にも御協力いただくときには、全部実名も挙げております、
基本的な姿勢としては。
あとは連絡会というんでしょうか、情報交換会のようなものは業界団体とも設けておりますから、事業
者名、ストレートではありませんが、被害の実態ですとか、具体例については御紹介もしておりますし、
そういう情報交換の部分では、今までも連携は取っているので、ある程度、業界の方が実態を御存じ
だというふうに認識しております。
山本委員長
信原委員、いかがでしょうか。
信原委員
きょう御両者から説明を受けまして、我々、クレジットスキームというか、クレジットシステムを提供して
いる事業者として、当然のことながら、健全なクレジット産業の発展を願っておりますし、その指向をし
ているわけです。
そういう段階で、先ほどありましたように、消費者保護が大変重要なことになっております。きょうの取
引被害実態をお聞きするに、消費者自身も自己規制が必要な時代ということを逆に考えます。つまり
は、大多数の消費者が大多数の健全な加盟店でお使いいただいているという利便性と安心性というか、
そういったものが大前提にありますけれども、こういう実態があると。
したがって、我々事業者としても、消費者の啓蒙活動は続けていかなければならないと思いますけれ
ども、消費者自身も、今回お聞きさせていただいた事例を見るに、私自身も常識を超えた御利用をされ
ているなという感じいたします。
逆に言えば、自己規制があっても強引な訪販等でそういう事態が起こっていることも一方で事実とし
てあるわけで、クレジット産業の発展のためには、一部のアウトサイダーとはいえ、こういう悪質行為は
断固として排除しなければならないというふうに思います。
先ほど信販協会の自主ルール、新しくおやりになるというお話を聞いたわけですけれども、クレジット
業界全体も自主ルールの改訂、改訂、改訂と、時代の要請あるいは社会的要請でそういう状況になっ
てきて、その改善を引き続き今後ともやっていくわけであります。
お話のあった個品割賦で 80%が御相談のシェアであるということで、今回、信販協会の方で苦情の
多い品目に限定して具体的な自主ルールをおつくりになって実行に移されると。その一環として、我々
の自主ルールも常に見直さなければならないという思いであります。
ただし、話がありましたとおり、この自主ルールを本当に実効性あらしめるためにどうすればいいかと
いうのは、先ほどもありましたけれども、自主ルールだけではなかなか難しい局面になっているという。
こういう取引被害実態を見れば容易に想像できるわけなので、そういう意味では、どう防止しても自主
ルールではカバーできないところ、脱法行為の一部のアウトサイダーに対しては法的な規制は講じる
必要ありというふうに私自身も思います。
あわせて、お話がありました我々の自主ルールが業界的に、あるいは業界に関連しない広い分野に
どんどん広がっているということから言って、我々がつくっている自主ルールが広範囲にわたる事業者
がかかわってきておりますので、そういった全体を本当に我が自主ルールがうまく運営されているかど
うか、運用されているどうかという、先ほどありましたように、新しい自主規制機関といいますか、そうい
ったものをつくる必要があるのかなと。
要は、法的な制度と我々の自主ルールのベストミックスが細かいところまで法的な位置づけにします
と、それこそ大きな網をかけるという、健全なクレジット産業の発展に阻害する懸念も非常にありますの
で、そういう意味では、法的規制と自主ルールのベストミックスの中に、新しい自主規制機関といいま
すか、そういったものが議論あるいは検討すべき状況ではなかろうかというふうに思います。
ただ、前提としては、本当にこれだけの規模になっているクレジットカード産業、クレジット産業の健全
な育成を阻害するようなことは避けるべきだと思いますので、このベストミックスのやり方については、
この場でいろいろ議論させていただきたいなというふうに思っております。
以上です。
山本委員長
ほかに御意見ございますか。
まだ発言のない委員ということで、神作委員。
神作委員
神作でございます。
自主規制のいろいろな限界については、多くの委員から、アウトサイダーが存在するとか、あるいは、
その実効性について問題があるとの指摘がございましたが、いずれも重要な問題だと思います。
私はちょっと観点を変えまして、自主規制のメリットといいますか、有効性の観点から若干のコメントを
させていただきたいと思います。
自主規制が必要かつ重要な理由としては、いろんなことが考えられるかと思います。一般に指摘され
ているのは、現場主義に基づいて非常にきめの細かい機動的かつ柔軟な、また専門的な知識を生か
した、そういったルールが策定できること。これは国家制定法を中心とする法の世界ではなかなか難し
いということがあろうかと思います。
確かに、自主規制の背後に消費者保護という哲学が必要であるというのは大変立派なことで、望まし
いことだと思いますけれども、自主規制である以上は、例えば協会がつくる自主規制であれば、協会の
利益になるということも当然なければならないのであって、本日議論になったテーマでいえば、悪質業
者の排除というのも、恐らく業界にとっても大変大事な問題であり、まさに業界の利益のためにもそれ
が必要なのではないかと思うわけです。
そういう観点から、先ほどの専門性ですとか、柔軟性、機動性、現場主義、こういうものを生かした自
主規制の内容、これがルールの内容として提示されてくると、非常に望ましいと思うのです。
きょう第 3 次対策として挙げていただいているルールの中では、例えば寝具ですと同居家族人数まで
の数量を限度とするという、わりかしシンプルといいますか、先ほどの自主規制ならではのきめの細か
さ、専門的な知識、それから実際にどう取引が行われているのか、そのような現場主義に基づいた本
当にいいルールというのは、まだまだ考えていただく必要もあるし、当事者以外ではなかなかできない
部分があるのではないか。
そういう意味では、自主規制のいい面にも着目をして、ルールの内容自体の精度を上げていただく。
もちろん、実効性の確保やアウトサイダーの問題はあるのですけれども、そういった観点について一言
コメントさせていただきました。
それから、時間のないところ恐縮ですが、御質問させていただいてよろしいでしょうか。
全国信販協会に御質問したいのですけれども、先ほど与信の基準というのは公表できないと説明さ
れ、私もそうだろうという感じはいたしますけれども、信販業者が加盟店契約をだれとの間で結んでい
るかということについては、信販協会の方では把握されるのか、あるいは把握することができるのか。
その点について、教えていただくことができますでしょうか。各会員が加盟店契約をだれと結んでいる
のかということについては、情報を把握できるのかどうかという点です。
もう一点、先ほど消費者保護団体との情報のやり取りの問題が出ましたけれども、全国信販協会の
方で直接消費者から何かクレームを受け付けたり、苦情相談をしたり、みずから情報を集めるというこ
とも考えられるかと思うのですけれども、その点についてはされておられるのか。
この 2 点について質問させていただければと思います。
山本委員長
飯島委員、よろしくお願いします。なるべく手短にお答えいただけると、大変ありがたいと思います。
飯島委員
会員各社がどこの加盟店と契約を結んでいるか、これは協会では把握しておりません。会員各社そ
れぞれの判断で加盟店契約しておりますので、それを協会が把握しているということは現状ではありま
せん。
それから、信販協会で苦情を受け付けているか。私どもの協会も消費者相談室を設けておりまして、
例えば平成 17 年度では総件数 1424 件、個品割賦でそのうち 701 件、訪販で 89 件、こういったよう
な。私どもの協会の中にも消費者の苦情を受け付ける相談室を設けておりまして、苦情を受け付けて
おります。
以上です。
山本委員長
先ほど何人かの方からお手が挙がっておりましたので、きょうこの段階でどうしても発言しておきたい
という方がおられましたら、なるべく手短に御発言をお願いしたいと思います。
原委員、お願いします。
原委員
追加資料のお願いです。たくさんの人数の中で時間を取りまして、済みません。
追加資料のお願いをしたいんですが、先ほど河村委員の発言で唯根さんが答えられたことで、トラブ
ルがあった場合に、その加盟店を切ったことがわかるかどうかというのがよくわからないというお話が
あって、ただ、何度もその後、登場してくるので、切ってないなってわかるというお話がありました。
それから、連絡をすると所在不明になっていらっしゃる販売店も多いのであろうなというのは予測つく
のですが、実際に消費者センターからトラブルとして寄せられたもので、加盟店を切った総数というんで
しょうか、言ってきているけれども、切っていない、言ってきたから切ったというのが、これは協会では難
しいと思うんですけれども、どこかの会社でも、どこかお願いしたいと思いますけれども、実態がもうちょ
っとその辺の資料があればお願いしたいということ。
もう一つは、きょう行政の方でたくさん資料を用意していただきまして、全体像はよくわかったのです
が、トラブルになっていて、消費者側が支払いを拒絶している件数と契約金額ですね、これの全体像が
わかると、きょうは悪質者のところに焦点が当たっておりますけれども、それがどれぐらいのボリューム
感があるかなというのがわかると思います。
その二つ、両方とも難しいような感じもしておりますけれども、もうちょっと実態を把握するためにお願
いできたらと思います。
山本委員長
この点につきましては、可能な範囲で事務局等に調べていただくということで、ほかはよろしいです
か。
河村委員、お願いします。
河村委員
先ほど飯島委員のお話の中で、加盟店管理の社内基準は会社ごとのノウハウといいますか、経営戦
略上のものであるからというふうにおっしゃいました。
飯島委員
与信はリスクをどう取るかという。
河村委員
加盟店管理の基準はどのようになっているんでしょうか。
飯島委員
それも各社それぞれ。
河村委員
そのことに関しまして、クレジットの世界、信販の世界を消費者にとって信頼度を高めるためには、審
査の精度を高めるために基準を交流して、みんなで精度を高め合うというようにすることが、業界にと
ってもよろしいのではないかと思います。そのリスクをどう取るかは自由であるというところが、まさにリ
スクの取り方によって、ある人の生活が破壊されるリスクと隣り合わせなわけです。今のところ、そこに
信販会社が与信したことによって罰則のようなものがないわけですから、先ほどどなたかも消費者の
選択の自由と事業者の競争とおっしゃいましたけれども、信販会社を自由に選択することは、個品の
場合できませんし、選択の自由と競争が必要だとしても、そのバランスをフェアなものにすることが大切
だと思います。おかしな販売業者を指導できるかと飯島委員、おっしゃいましたけれども、おかしな販売
業者と取引をする信販会社をどうするかということが問題だと、この場合は思っております。そこのとこ
ろが、フェアになるためにもルールが必要だと思っております。
山本委員長
これは御意見ということでテイクノートさせていただきます。
ほかの委員の皆様で、まだ御発言希望の方がおられるかもしれませんが、時間が来てしまいました
ので、次回以降、またよろしくお願いいたします。
本日は、委員の皆様から数々の貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。
前回及び今回の議論、それから昨年の 1 年間の議論等を総括いたしますと、法的ルールと自主ルー
ルのベストミックスを目指す中で、1 番目といたしまして、不適正与信排除につきましては、トラブル実
態及びその性質にかんがみ、特に個品割賦購入あっせんについての規制強化が求められること、さら
に特定商取引と結びついた個品割賦購入あっせんへの対策が特に重要であることということの御指摘
があったかと思います。
また、事務局からは、特定商取引の範囲につきましても、特に展示会商法でありますとか、店舗内の
大挙妨害型勧誘等を例示されまして、特定商取引の範囲についても拡大を検討する必要があるという
御報告をいただいたところであります。
2 番目といたしまして、過剰与信防止につきましては、次々販売防止のために与信事業者による消費
者の過去の購入履歴、クレジット履歴の把握が必要であると、このような御指摘を事務局からいただい
たところであります。
3 番目に、規制対象範囲につきましては、これも事務局の整理にございましたところですが、割賦要
件については、トラブル実態にかんがみますと、いわゆるボーナス一括払いのような形態への対応が
必要であると、このような御指摘がありました。
その他、これは委員の中から、書面交付、登録制導入の必要性がさらに強調されましたし、きょうは
たまたま出ませんでしたけれども、これまでの議論の中では民事ルールのあり方についても検討が必
要だという御意見をいただいているところであります。
5 番目といたしまして、自主ルール。業界団体による自主規制の取り組み強化は歓迎すべき動きで
あると。ただし、その実行状況を見守る必要があること、実効性を確保するための方策について、さら
なる検討が必要であると、このような御指摘をいただきました。
また、飯島委員からは、訪問販売等においても、訪問販売業界による自主的取り組みが必要である
と、このような視点が強調されたところであります。
これらの御意見を踏まえまして、事務局に整理をお願いすることといたしまして、次回以降は個別論
点ごとに御議論いただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
その他
山本委員長
最後に、次回の日程につきまして、事務局からお願いをいたします。
船矢取引信用課長
次回は 4 月 10 日火曜日、14 時から約 2 時間を予定しております。テーマは「不適正与信の排除に
ついて」ということでありますけれども、あわせて池本委員から訴訟事例を踏まえた実態の御紹介もお
願いしたいと思います。
閉会
山本委員長
きょうは時間を超過して御熱心な御審議をいただきまして、まことにありがとうございました。これをも
ちまして、第 2 回基本問題小委員会を閉じさせていただきます。
最終更新日:2007 年 4 月 17 日
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