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第4節 通関手続
第2章 関税法 第4節 通関手続 Ⅰ.輸出通関手続の概要 輸出とは、内国貨物を外国へ向けて送り出すことである 《関法第 2 条 1 項第 2 号》 。 ① 本邦にある貨物で外国貨物でない 内 もの 国 ② 本邦の船舶により公海 (本邦の排 他的経済水域の海域及び外国の排他 貨 的経済水域の海域を含む。 ) で採捕さ 物 れた水産物 内国貨物を外国へ向けて送り 出すこと 外 輸 出 国 貨物を輸出しようとする者は、当該貨物の品名並びに数量及び価格その他必要な事項を 税関長に申告 (輸出申告)し、貨物につき必要な検査を経て、その許可(輸出の許可)を受け なければならない《関法第 67 条》。 この一連の手続を輸出通関手続といい、これには次の二つの手続がある。 輸 出 通 関 手 続 72 輸出通関手続 (すべての輸出者が行うことができる原則どおりの輸出通関手続) ① 輸出しようとする貨物を保税地域(他所蔵置場所を含む。以下同じ。)に搬入した後、 (輸出者 の工場又は倉庫等に置いたまま) ② 当該保税地域等のある場所を所轄する税関長に対して、輸出申告をして、 (原則として、仕 入書の提出が必要) ③ 当該貨物について必要な検査を経て、 ④ 輸出の許可を受ける。 ※ 輸出の許可を受けた貨物を外国貿易船等まで運送する場合には、保税運送の承認の承認 が必要。 輸出申告の特例 (一定の要件を満たす輸出者が行うことができる輸出通関手続) 特定輸出申告制度 特定委託輸出申告制度 特定製造貨物輸出申告制度 特定輸出者が行う輸出通関手 特定委託輸出者が認定通関業 特定製造貨物輸出者が認定製 続 者に委託して行う輸出通関手 造者が製造した貨物を取得し 続 て行う輸出通関手続 特定輸出者 特定委託輸出者 特定製造貨物輸出者 特定輸出申告ができる者とし 輸出貨物の通関手続を認定通 認定製造者が製造した特定製 て、あらかじめいずれかの税 関業者に委託し、かつ、貨物 造貨物を取得して、当該認定 関長の承認を受けた者 の運送を特定保税運送者に委 製造者の管理の下に輸出する 託した者 者 ① 輸出しようとする貨物を保税地域に搬入することなく、 ② 当該貨物が置かれている場所又は当該貨物を積み込もうとする開港、税関空港若しくは不 開港の所在地を所轄する税関長に対して、 特定輸出申告 特定委託輸出申告 特定製造貨物輸出申告 (原則、仕入書の提出不要) (原則、仕入書の提出が必要) ③ 税関による申告内容の審査 ④ 税関による貨物検査 基本的に省略 必要に応じて行われる ⑤ 輸出の許可 原則、直ちに許可 審査及び検査の終了後、許可 ⑥ 輸出の許可を受けた貨物の保税運送 特定輸出貨物を外国貿易船 特定区間であって外国貨物 保税運送の承認が必要 等までの運送につき保税運送 の 管 理 が 電 子 情 報 処 理 組 織 の承認が不要 (NACCS)によって行われてい る保税地域相互間については、 保税運送の承認が不要 第4節 通関手続 貨物を輸出しようとする者は、当該貨物の品名並びに数量及び価格その他必要な事項を 税関長に申告(輸出申告)し、貨物につき必要な検査を経て、輸出の許可を受けなければな らない《関法第 67 条》。 税 【輸出通関手続(原則どおりの輸出通関手続)】 外国為替及び 法 関 税 定 率 法 関税暫定措置法 関税関係特例法 外 国 貿 易 法 通 保 税 地 域 物 税 輸 出 申 告 関 書類審査 書類審査 現物検査 輸出の許可 貨 搬 入 手 続 他 法 令 の 手 続 の 終 了 船 積 搬 出 運送 ・ 搭 手 載 続 手 続 他の法令の手続終了 「他の法令の輸出規制」の解除の証明 関税法 第70条 第1項 関税法 第70条 第2項 通関士試験の手引 関 Ⅱ.輸出通関手続 他の法令(主要なもの) ☆外国為替及び外国貿易法、輸出貿易管理令 ☆文化財保護法 ☆大麻取締法 ☆覚せい剤取締法 ☆植物防疫法 等 ☆麻薬及び向精神薬取締法 ☆道路運送車両法 等 関 業 [1]輸出申告の時期 関 実 務 73 法 通 輸出申告をすることができる時期には、制限が加えられている 《関法第 67 条の 2》 。 輸出する貨物(内国貨物)は、あらかじめ税関長から「本船扱い」 「ふ中扱い」又は「搬入前 申告扱い」の承認を受けた場合を除き、保税地域等に搬入した後でなければ、税関長に対 して輸出申告をすることができない《関法第 67 条の 2 第 1 項本文》 。 このように、輸出申告をすることができる時期に制限が加えられているのは、輸出する 貨物については、税関が必要に応じて検査することになっており《関法第 67 条》、この 検査を行うためには、貨物が一定の場所すなわち保税地域等に搬入・蔵置されている必要 があること、また、輸出の許可を受けた貨物は外国貨物となり 《関法第 2 条第 1 項第 3 号》 、