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あっという間に 仲間ができる 「話し方」
プロローグ あっという間に 仲間ができる 「話し方」 放送作家 1 プロローグ ブックデザイン:井上新八 イラスト:鈴木けんしょう(プラトン企画) 本文DTP:山中 央 編集協力:株式会社ぷれす 編集:金子尚美(サンマーク出版) 3 2 プロローグ 5 4 プロローグ 冒険の はじまりだ! 7 6 プロローグ 序 章 第 Ⅰ章 プロローグ 冒険の心得 王様に学ぶ、仲間と友達の違いとは? 第一印象をよく見せる﹁スタイル﹂とは? ホニャララをもって雑談しなさい! ∼マナーにうるさい、ドSな女賢者の登場∼ 仲間を作る冒険の準備 1 第一印象をよく見せる﹁声の出し方﹂とは? 初対面の相手に見せてはダメなもの 思い通りの印象を与える方法 理想のキャラは作れる 初対面でも自然と会話を続ける方法 楽しく会話できる簡単なコツ 初対面でも盛り上がれる特効薬 話のネタが簡単に増えるコツ 話のネタが365個できる方法 初対面リハーサルのすすめ 会ってガッカリしない方法 初対面、直前対策講座 8 9 3 16 22 24 27 30 33 36 39 42 45 48 52 54 57 60 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 プロローグ 出会いのとき ∼相手の懐に入るのが秀逸な、年老いた賢者の登場∼ 仲間を作るのに﹁勇気﹂はいらない 22 21 20 19 18 17 16 91 89 85 83 80 77 74 71 68 66 聞く力が会話を作る ∼お笑い通の関西弁賢者が登場∼ 聞き上手 どうしても会話のきっかけがない場合 気まずい空気をふせぐ会話のきっかけ作り 相手の顔と名前を覚えるコツ 相手との距離をグッと縮める方法 感情を上手に表現する方法 自分がほめられたときの対処法 初対面の相手はここをほめろ! 間違った自己紹介をしていないか? 必ずポイントアップできるあいさつのコツ 23 33 32 31 30 29 28 27 26 124 120 118 115 113 110 107 104 101 98 96 自分が質問されたときのマナー 相手を気持ちよくさせる質問術 初対面で使える質問術 相手が話したいことを話させる方法 相づちを打ちたくないときは? 話が盛り上がる相づちの種類 雑談が生きるか死ぬかは〝これ〟次第 話を聞くときに大事なこと 話し下手な人と話のきっかけを作る聞き方 初対面における聞く時間、話す時間の黄金比 34 第 Ⅱ章 第 Ⅲ章 24 35 10 11 25 36 プロローグ 第 Ⅳ章 知らない話題への対処法① 50 49 48 47 46 45 44 43 42 41 40 39 38 37 170 167 165 161 159 155 153 150 147 144 141 138 135 132 130 126 雑談が盛り上がる話し方 ∼丁寧な言葉遣いながら、毒舌な賢者が登場∼ 話し上手 ひな壇芸人に学ぶ会話をずっと続かせる方法 雑談でやってはいけない意外なこと 他人の悪口を言ってきたときの対処法 相手の愚痴の受けとめ方 初対面で使える﹁たとえツッコミ﹂ 初対面で使える﹁ノリツッコミ﹂ 初対面で使える﹁否定型・説明型ツッコミ﹂ ﹁あること﹂をちょい足しすれば会話は盛り上がる! それでもプライベートを聞き出す秘策 聞いてもよいプライベートな質問 初対面で聞いてはいけないこと 相手から皮肉を言われたときの対処法 相手に共感できないときの対処法 相手が真剣に話し出す方法 知らない話題への対処法② 51 54 53 185 182 179 176 トークの引き出しを増やす方法 その話し方は、聞きたくない! どんな話をしたらよいか? 55 12 13 52 56 プロローグ 終 章 初対面の相手の心を開く方法 70 69 68 67 66 65 64 63 62 61 60 59 58 57 234 231 228 225 223 219 217 213 210 207 205 201 199 196 193 190 188 失敗談を上手に利用して距離をグッと縮める トーク力も上がる話し方 会話を盛り上げたかったら﹁セリフ﹂を入れなさい 場をワー! と盛り上げる会話術 視覚に訴える会話術 会話にリアリティーをもたせるアイテム ﹁キャラの2段構え﹂で相手の心をつかむ 相手の心をつかむために〝あえて〟初対面でやること 相手を引きつける技術 答えたくない質問のかわし方 マイナスをカバーする話し方 絶妙な間の取り方 相手に断られにくい誘い方 雑談からスムーズに本題に入る方法 ﹁また会いたい﹂と思わせる雑談の終わらせ方 エピローグ ここからが、本当の冒険です! 王様から、ここまでたどり着いた﹁勇者=あなた﹂へ あとがき 240 コンプレックスを利用して相手との距離をグッと縮める 71 242 14 15 72 238 73 序章 冒険の心得 序章 冒険の心得 王様に学ぶ、仲間と友達の違いとは? 勇者には、友達がおるか? 学生の頃に知り合った親友が何人かおるのか? ほう。 ふむふむ、しかし社会人になったり、結婚したりしてから、疎遠になったと? なるほどのぉ~。それは、仕方のないことじゃ。 昔は、何の責任もなく、価値観も同じで、思いっきり付き合えたかもしれん。 しかし、社会に出て、立場が変わり、価値観や優先順位も違ってきた現在、昔と同 なるほど、 じように付き合うのは無理じゃ。それに人生は長い。今は疎遠でも、老後にまた同じ 価値観で、語り合えるようになるかもしれん。 それでは、勇者よ。勇者は、社会人になってからの友達はおるのか? 子どもの頃のように腹を割って話せる友達は、おらんのか……。ほう。 これから、魔王を倒し世界を救うため、仲間を集めてもらう。そう、仲間を作ると は、平たくいうと大人の友達を作ることじゃ。 そこで、仲間がいない、または少ない勇者のために、子ども時代の友達と仲間との 違い、すなわち仲間を作るメリットを発表してやろう! *ほどよく頼り合える関係になれる *様々な価値観を知ることができる *自分の新しい魅力を発見することができる *協力しながらお互いに成長できる *世代や業種を超えた交流で知識が増える *新しいビジネスチャンスが生まれる どうじゃ? 大人の友達作りには、こんなにたくさんのメリットがあるのじゃよ。 しかし、そんな仲間を手にするのは容易なことではない。そのためには、いくつか の難関を突破することが必要じゃ。 そして、最初の難関といえば、すばり﹁初対面﹂! 16 17 1 序章 冒険の心得 初対面で、相手の心をグッとつかむことができれば、次に繫がるし、ついにはずっ と付き合える仲間になれるじゃろう。 つが挙げられる。 勇者は、初対面は得意か? うむ。あまり得意ではないみたいじゃな。だが案ずる でない。勇者に限らず、初対面が苦手という者は結構おる。その理由として、大きく 次の *自分に自信がない *会話のきっかけがわからない *相手の話を引き出せない *相手に話すことがない つの悩みに対して、偉大な 賢者の教えにより、ちゃんと克服で どうじゃ? 勇者も、この理由のすべて、もしくはいずれかに当てはまっておらぬ か? 本書では、この きるようになっておる。さぁ、勇者よ。これら 賢者にそれぞれのテクニックを学ぶ 4 4 4 ことで、お主は、きっと生まれ変わることができるじゃろう。 1 18 19 4 今は でも、どんどんレベルアップし、成長してワシの前に現れるのを楽しみに しておるぞ。それでは、ゆくがよい。勇者よ! 逃げるでない! 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 第Ⅰ章 仲間を作る 冒険の準備 ∼マナーにうるさい、ドSな女賢者の登場∼ 勇者は「マナーにうるさい、 ドSな女賢者」に出会った。 21 20 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 ホニャララをもって雑談しなさい! 勇者は、初対面の相手と雑談をするとき、何を考えているの? うまく話したいとか、盛り上げたいとか? もしくは、何も考えずに思いついたこ とをしゃべっている? どちらにしろ、それでは失敗するのは目に見えているわね。 今、勇者は私となぜ話しているの? 自分に自信をつけるテクニックを学ぶためで しょう。 そう。雑談をするとき、必ず何か目的があるはずよ。 つまり、自分が今何のためにその人と話をするのか意識することが大事なの。 友達になりたい、恋人になりたい、仕事をうまく進めたいなど、相手によって目的 は違うでしょう。その目的によって、雑談の仕方は変わっていくのよ。 私に対しては、テクニックを学びたいんでしょ? それなのに、私を口説くような話をしていては、目的が変わってくるわよね。 ただし、初対面の相手に対して、いきなり友達になりたい、恋人にしたい、仕事を うまく進めたいという目的がかなえられるかといったら、そうではないの。 今出会ったばかりの女性に、 ﹁付き合ってください!﹂と言っても、たいてい断ら れるでしょう。 でも、目的をきちんともって雑談をしていれば、その目的のための雑談ができるの よ。 恋人にしたいと思っている相手であれば、恋愛対象として自分が好かれるように話 を進めていくでしょうし、仕事の相手であれば、自分が仕事のできる男として見られ るように、話をしていくわけよ。 雑談が苦手な人は、雑談の目的があいまいであったり、目的がなかったりすること が多いの。そうなると、自分でも望まない話をしてしまったり、相手にも変な質問を してしまったりするのよ。 最悪、相手との関係を壊してしまい、もう二度と会えなくなってしまうかもしれな いわね。 自分は何のために、この人と雑談をするのか? きちんと目的をもって雑談をする 22 23 2 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 人こそ、お互いを高め合い、盛り上がる雑談ができるのよ。 ◆勇者はレベルが上がった! ﹁相手とどうなりたいのか﹂という目的をもって雑談をすることを覚えた。 人 か ら 同 時 に 話 し か け ら れ た 場 合、 ど ち ら と 話 を す 第一印象をよく見せる﹁スタイル﹂とは? 問 題 よ! も し 勇 者 が 次 の る? ①見た目がよい人 ②見た目が悪い人 え? ﹁僕は人を見かけで判断しません!﹂ですって? それは素晴らしい心がけよ。でも、そうはいっても、人間誰しも無意識のうちに見 かけで判断しているの。 特に初対面の第一印象は大事。勇者も、汚い人、臭い人と積極的に話をしたい、仲 間になりたいとは思わないでしょ? 口が臭い 服が汚い 相手の目を見ない 表情が暗い 猫背 etc ためしに、勇者が逃げ出したくなるような相手の特徴をここで挙げてみて。 髪がぼさぼさ 目やに、鼻くそ 体が臭い フケや汚れが目立つ 髪や顔を清潔に 洋服はきれいでオシャレ 変な臭いをさせない ということは、第一印象をよく見せるには、その逆を心がけておけばいいのよ。 要は、不健康そうな人、不潔な人、不愉快な人は、第一印象が悪くなるってこと。 まぁでも、そういうことよ。 何よ、さっき偉そうなことを言っておきながら、どんどん出るじゃないの! . 24 25 2 3 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 相手の目をきちんと見る 明るい表情 ◆勇者はレベルが上がった! 正しい姿勢 etc そして﹁ニコッ﹂と爽やかな笑顔。何かうまくいきそうな気がするでしょ 健康的で清潔感のある身なりをした勇者が、初対面の相手と会う。 から。想像してみて。 今の時点でできていないなら、すぐに変わるべきね。そんなに難しいことではない いうことよ。 つまり、第一印象をよく見せるには、健康的で清潔感、そして笑顔が必要不可欠と . 第一印象をよく見せる﹁声の出し方﹂とは? 第一印象をよくするために、健康的、清潔感、そして笑顔が必要不可欠と覚えた。 !? 自分の ‘ 声〟を聞いたことある? 子どもの頃に、録音した自分の声を初めて聞いたときの違和感はすごかったわね。 ﹁私の声はこんな声なの!﹂と、ショックを受けたものよ。 26 27 印象の違い 4 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 さて、 では視覚から相手に与える好印象の話をしたけど、ここでは聴覚の話よ。 じつは、話の内容以上に﹁声のトーン﹂は大事なの。 たとえば、勇者が誰かと話をしているとするでしょ。 その相手がもし、高い声で早口だった場合、相手が緊張していたり、焦っていたり するという印象を受けるはず。また、相手が低い声で途切れ途切れで話してきた場合、 あまり話したくないのかなという印象を受けるでしょう。 ここで重要なのは、本人がどう思っているかに関係なく、声のトーンによって、相 手がそう感じてしまうということよ。 もし、勇者が私からご飯に誘われた際、本当は行きたいのに声のトーンで﹁行きた くない﹂というふうに勘違いされてしまったら、どう? その結果、無人島に島流しで一生を終えることになるかもしれないわよ。怖いでし それは、自分の見た目や性格、立場などで変わ ょ? だから、声のトーンは大事なのよ。 では、どんな声で話せばいいか? ってくるわ。 たとえば、王様という立場だと、低めの声でゆっくりしゃべるのが似合っているで しょ? 王様が高い声で早口だったらと想像してみて。違和感ありまくりよ。 もし現在、勇者が新人だったら、高くハキハキした声がいいだろうし、ある程度の 地位であれば、低めの落ち着いた声の方がいいわね。 ただし、 ﹁一般的に好感度が高まる話し方﹂というのはあるのよ。 まず、自分を冷静に見せたいときや、相手に安心感を与えたいなら、少しゆっくり と話すことよ。声のトーンもやや抑えめでね。 続いて、相手を説得したいときや、自分の自信を示したいときは、声を少し高めに してハキハキと話すことよ。 これらを参考に、一度自分の声を録音してみるといいわね。 視覚と一緒に見直すために、声だけでなく、録画して表情や姿勢も一緒にチェック するとなおいいわ。 まず大事なことは、声のトーンだということを忘れないようにするのよ。 28 29 3 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 ◆勇者はレベルが上がった! 相手に安心感を与えたいときは、 ﹁声のトーンはやや抑えめで少しゆっくり﹂と話す。 相手を説得したいときは、 ﹁声を少し高めにしてハキハキ﹂と話すことを覚えた。 初対面の相手に見せてはダメなもの 問題よ。初対面の相手に素の自分をさらけ出すことができる? ①できます ②がんばります ③できません ③の﹁できません﹂ですって? ……正解よ! 何をキョトンとしてるの? 自分で選んでおいて不安になったの? それ うん? では、③が正解の理由を今から説明してあげるわ。 たとえば、勇者の素が人見知りだとするでしょ。 それを初対面の相手にさらけ出し、目も合わせず、小さな声でしゃべっていたら、 相手はどう思う? または相手が、長年の友達にや る よ う に 初 対 面 の 勇 者 に ボ ケ ま く っ て き た ら、 ど う? これはツライわよぉ~。初対面で不快な気持ちを与えてしまっては、仲良くなるこ とは難しいでしょうね。 最初から素の自分をさらけ出すのは、自分はラクだけど、相手には結構な負担にな るわ。 1 もし勇者が相手に素を見せたいなら、次の段階を踏まなければならないわね。 ステップ 相手に対して失礼のないように会話をする 相手に好かれ、自分も相手に好感をもつ ステップ 2 好感からの信頼関係ができたとき、初めてお互いの素を出す ステップ 3 30 31 5 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 どのくらいの素が出せるかは、相手との信頼関係の進み具合次第よ。でも、自分の 素がわからないという人もいるでしょう。 そこで、まずは自分の素を理解することよ。 そして、自分がもっているマイナスな部分︵わがまま、毒舌、人見知りなど︶がわ かったら、それは絶対に初対面の相手には見せてはいけないわ。 それは相手を傷つけてしまう可能性があるからよ。 とはいえ、自分を隠して、当たり障りのない会話をしていても、つまらないわね。 次に、自分のアピールしたい部分をさりげなく見せる方法を教えるわ。 ◆勇者はレベルが上がった! 初対面の相手には、素の自分をさらけ出さない方がよいことを覚えた。 思い通りの印象を与える方法 勇者は、初対面の相手との何気ない会話から、﹁この人、マジメだな~﹂とか、﹁こ の人、チャラいな~﹂とか、相手のキャラクターについて何かしら感じたことがある でしょう。 32 33 グイグイくる 6 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 そのとき、もちろん相手も勇者に対して、﹁この人、○○だな~﹂と、何らかの印 象をもつのよ。 もしそこで、自分が勘違いされた印象をもたれたらどう? 本当はマジメなのに、遊んでいる印象をもたれたり、たまたま静かにしていただけ なのに、暗いと思われたり。 自分で﹁僕、どんな印象?﹂と聞きにくい中で、勝手にマイナスの印象をもたれて しまっては、かなわないわね。 を考えて、そのキャラに見合った言動を取る そこで! こちらで事前に自分のキャラを決めておくのよ。 事前に自分のキャラを考えておくと、相手に勝手なマイナス印象を抱かせないよう にできるわ。 そして、自分がどう見られたいか? のよ。 たとえば、明るく楽しいキャラに見られたいなら、笑顔で元気に話をする。 また、仕事ができる人と思われたいなら、それを意識した話し方や内容にすればい いのよ。 大げさに言うと、今の自分のキャラと思われたい自分が、同じでなくてもいいの。 新しく自分のキャラを作ってしまってもいいのよ。 ただ、あまり無理をしてキャラを演じると、後々苦しくなってしまうわ。あくまで も自分のやれる範囲でキャラを作っていくことが必要よ。 なかには、自分の今のキャラが気に入らない、わからないという勇者もいるでしょ う。そのときは、もう一度自分を見つめ直し、キャラを考えてみるといいわね。 もう一度言うけど、気に入らない場合は、新しく作ってもいいのよ。キャラの作り 方は、次で教えるわ。 ◆勇者はレベルが上がった! 事前に自分の目指すキャラを決めておくことが大事だと覚えた。 34 35 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 理想のキャラは作れる ここでは、自分のキャラを作るコツを教えるわ。 まず、自分の外見や内面を分析してみなさい。それが元々の自分のキャラよ。 そして、そこに自分がなりたい﹁理想﹂を足してみなさい。 たとえば、自分がおしゃべり好きだとしたら、そこに﹁面白さ﹂を足したり、背が 高くてスタイルがいいなら、 ﹁オシャレ﹂を足したりするのよ。 大事なことは、あくまで元々のキャラに、見合った﹁理想﹂を足すということよ。 正反対の理想などは、よほどがんばらないと、やっていて苦しくなるわ。 ﹁理想﹂のキャラは、誰かそのモデルとなる人や目標となる人がいると、参考にしや すいわね。 勇者は自分の元々のキャラに沿った、﹁理想﹂の人物はいるの? たとえば、オシャレになりたいなら、私とか。面白くなりたいなら、これも私ね。 クールでカッコよくなりたいのも、私よ。……ちょっと、勇者、どこへ行くのよ! まぁ、ともかく、自分が﹁理想﹂とするキャラの見本になる人を見つけて、その人 の言動をまずは真似ることが大事よ。 その人をよく観察して、 ﹁こういう場面では、この人だったらどう返すだろう?﹂ などと考えてみることね。 ただそのとき、一気に目標の人になろうと思わないで。なれるものでもないからね。 段階を踏んで、理想に近づいていくのよ。 それに、まねをしたとしても、 %その人になれるわけではないの。 その人になりきっても、やっているのが違う人なら、自分オリジナルのキャラがで き上がっていくのよ。 ヒゲを生やしたり、上品なファッションに身を包んだりして、むしろ無口がプラス うとしたけど、できなかった。そういう場合は、無口が似合うキャラになるのよ。 たとえば、自分の元々のキャラが、無口で、がんばっておしゃべりなキャラになろ 理なら、うまくマイナスをプラスのキャラにしてしまうのもオススメよ。 こういう場合、プラスになる努力をするのはもちろんだけど、それがどうしても無 次に、自分のマイナスな外見や内面をうまく扱う方法を教えるわ。 1 0 0 36 37 7 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 になる雰囲気を作っていくの。 そうやってマイナスな部分を、プラスの個性に変えてアピールしていくのよ。 ◆勇者はレベルが上がった! 元々のキャラに見合った﹁理想﹂を足すことを覚えた。 理想のキャラの見本を見つけて、その人の言動を真似ることを覚えた。 初対面でも自然と会話を続ける方法 問題よ。初対面でも自然と会話を続ける方法は、何だと思う? ①相手を飽きさせないように話しつづける ②相手の話をしっかり聞いて広げる さて、一見どちらも正解のように思えるけど、答えは②よ。 まず①の﹁相手を飽きさせないように話しつづける﹂だけど、これができれば、あ なたは勇者からお笑い芸人に転職可能ね。 もちろんトークの達人の話は、ずっと聞いていたいものだけど、やっぱり人は誰で も自分の話を聞いてもらいたいものなのよ。 いくら面白い話でも、ずっと聞かされているだけでは、満足できないの。 そこで②の﹁相手の話をしっかり聞いて広げる﹂ことが大事なのよ。 38 39 なりたいキャラ 8 第Ⅰ章 仲間を作る冒険の準備 正直、相手の話はつまらないかもしれない。自慢などもあるでしょう。そういう話 をちゃんと聞いてあげて、相手を満足させてあげる。 そうすると、相手は気持ちよくなって、もっと話したいと思うのよ。 一流の営業マンなんかは、ベラベラ話さないそうよ。 むしろ聞き上手となって、相手にいろいろ話してもらうの。そうすることで、相手 のことがわかり、営業もしやすくなるのね。 さて! ここで軽く実践といくわよ。 今から私が話を切り出すわ。それを広げてみなさい。 ﹁じつは私、のど仏フェチなの﹂ ﹁……﹂ おい、何黙っているのよ! え? 賢者の私の口からそんな言葉が出るとは思わなかったですって? な、何を 言っているの。あなたのレベルに合わせただけよ! それに今は話の内容は二の次よ! さぁ、これにどう答えるのよ? え? ﹁僕は、おっぱいフェチです﹂だって? バカ! それでは、あなたの話に なっているでしょ! こういう場合は、相手の話を広げるのよ。ふぅ、まだ の勇者には重荷だったか もしれないわね。 こういうとき、たとえば﹁どんなのど仏が好きなんですか?﹂とか、﹁のど仏フェ チになったきっかけは?﹂とか、あるでしょ。 ここは、大事なところだから、第Ⅲ章の﹁聞き上手﹂の賢者がくわしく教えてくれ るはずよ。 ◆勇者はレベルが上がった! 相手の話をしっかり聞いて広げることが大事だと覚えた。 40 41 8 一章分まるごと読める﹁サキ読み﹂ ﹁立ち読み﹂のサービスをご利用いただき、 ありがとうございました。 お読みいただきました書籍の タイトル・本文は、本サービス掲載時のものです。 実際の刊行書籍とは、一部異なる場合がございます。 あらかじめご了承ください。 株式会社 サンマーク出版 / p j . o c . k r a m n u s . w w w / / : p t t h