Comments
Description
Transcript
人にやさしい住宅用断熱材を 接着強度で支える
SANYO PRODUCT TOPICS SPT サンヨー プロダクト・トピックス グラスウール用バインダー 『グラスパール』 人にやさしい住宅用断熱材を 接着強度で支える 2015 初夏 No.490 09 外気温の影響を和らげる断熱 材。1 9 7 0 年 代 の オ イ ル ショック後、冷房や暖房の省エ ネ効果も期待できる材料とし て、住宅に使われるようになっ てきました。住宅用断熱材の素 材 は、ウ レ タ ン な ど の プ ラ ス チック系とグラスウールなどの 鉱物系に分かれ、ウレタンなど は主にマンションなどの集合住 宅に、グラスウールなどは主に 一戸建て住宅に使われていま す。今回ご紹介するのはグラス ウール用のノンホルマリン型バ インダー﹃グラスパール﹄です。 外壁材 ンダーが使われてきました。しかし、 フェノール樹脂からはホルムアルデ ヒド︵ホルマリン︶のガスが時間経 過 と と も に 自 然 に 発 生 す る た め、 シックハウス症候群の原因の一つに なるとされています。そこで、グラ スウール用バインダーのノンホルマ リン化をしたいという住宅メーカー や断熱材メーカーのニーズをくみ取 り、三洋化成が開発したのがアクリ ル系樹脂を素材とする水溶液型のグ ラ ス ウ ー ル 用 バ イ ン ダ ー﹃グ ラ ス パール﹄です。 綿 の よ う に 膨 ら み ま せ ん。そ こ で ぺ ち ゃ ん こ に な っ て し ま い、布 団 す。ただ、グラスウールだけでは、 じ込めた空気で断熱する仕組みで て、壁 や 天 井 に 埋 め 込 み、中 に 閉 強 度 の こ と。接 着 強 度 を 高 め る こ 維とガラス繊維を交点で接着する の は、グ ラ ス ウ ー ル 中 の ガ ラ ス 繊 い の が 特 徴 で す。接 着 強 度 と い う 他 社 製 品 に 比 べ て、接 着 強 度 が 強 三 洋 化 成 の﹃グ ラ ス パ ー ル﹄は 復元性を良くする 接着強度 繊維と繊維を交点で接着して三次 と に よ っ て、グ ラ ス ウ ー ル を 圧 縮 圧 縮 保 管 が 可 能 に な り ま す。そ の し た 際 の 復 元 力 が 高 く な る た め、 グラスウール断熱材には、以前か ダーが必要になってきます。 元構造のような形にするバイン に し た 素 材。こ れ を 梱 包 袋 に 入 れ 程 度︶、そ れ を ふ わ ふ わ し た 綿 状 た ガ ラ ス を 細 く 繊 維 化 し︵数μ m グラスウールとは高温で溶融し ホルムアルデヒドを 含まない バインダーの開発 構造材 た め、輸 送 や 保 管 に 必 要 な ス ペ ー 三洋化成ニュース 10 断熱材 らフェノール樹脂を主体としたバイ グラスウール断熱材 ■断熱材の使用イメージ 住宅の壁や天井に 埋 め 込 ん で 人にやさしい住宅用断熱材を SPT 接着強度で支える グラスウール用バインダー 『グラスパール』 SANYO PRODUCT TOPICS 人にやさしい住宅用断熱材を SPT 接着強度で支える グラスウール用バインダー 『グラスパール』 巻き取り、 裁 断 、製 品 化 バインダー 塗 布 上 部コンベヤー ス が 削 減 で き、グ ラ ス ウ ー ル に よ みです。 き る の も、三 洋 化 成 な ら で は の 強 ノンホルマリン型 バインダーへ 世界的に移行が進む る施工のコスト削減につながりま す。ま た、接 着 強 度 を 上 げ る こ と に よ っ て、グ ラ ス ウ ー ル に 吹 付 け るバインダーの量を少なくするこ と が で き ま す。接 着 強 度 を 強 く す る た め に は、接 着 力 の 強 い 樹 脂 組 ﹃グ ラ ス パ ー ル﹄は 3 年 前 に 発 ル用バインダーとしてフェノール 成 に す る こ と に 加 え て、ガ ラ ス 繊 が集まりやすくする必要がありま 系のバインダーから置き換わりつ 売 さ れ、人 に や さ し い グ ラ ス ウ ー す。そ の た め に、三 洋 化 成 が 長 年 つ あ り ま す。し か し 現 在、国 内 で 維とガラス繊維の交点に樹脂粒子 培ってきた高分子合成技術を活用 クリル系バインダーの割合はまだ 使用されているバインダーの内ア 知見をもつアクリル樹脂の組成 1割程度にとどまっています。 し、他 の 製 品 で 実 績 が あ り 豊 富 な と、そ の 水 溶 液 の 濃 度 や 粘 度 の 最 では、アクリル系のほか、砂糖を原 近年、環境問題や健康への意識の 必要とされる水溶液の粘度や濃 料とする天然系も使われています 適 化 を 行 い ま し た。こ の 技 術 に 度 は、お 客 様 の 設 備 や 機 械 に よ っ が、日本の住宅では見た目も重視さ 高まりから、世界的にホルマリンを て 変 わ り ま す。そ れ ぞ れ の お 客 様 れ、長期にわたり白くて清潔感のあ よ っ て、他 社 に な い 優 れ た 接 着 強 に 合 わ せ て、吹 付 け 性 と 復 元 性 を るアクリル系が好まれるとのこと。 含有しないグラスウール用バイン 考 慮 し な が ら、最 適 の 粘 度 や 濃 度 まさに﹃グラスパール﹄はそうした 度を持つバインダーの開発が可能 を 決 め て い き ま す。濃 度、粘 度、 ニーズに応えるバインダーであり、 96 97 着色なし 茶色に着色 黄色に着色 < 5%増加 < 5%増加 (低温保管必要) 性 能 貯蔵安定性 ダーへの移行が進んでいます。欧米 乾 燥 温 度 な ど、お 客 様 の 機 械 に 合 今後の普及が見込まれています。 97 硬化樹脂の着色 となりました。 わせてきめ細かくカスタマイズで 40 硬化性 ■ バインダ ー の 使 用 方 法 ガラス 原 料 ゲル化する 100 < 20% 180 吹付け性 40℃×6ヶ月粘度変化 使用 210℃×30分で 着色がないこと 未使用 95% 未使用 ホルムアルデヒド含有 210℃×30分での反応率 (フェノール系) < 300(mPa・s) 他社品② (シュガーエステル系) 未使用 他社品① (アクリル系) 製品粘度 『グラスパール』 目標値 項目 < SANYO PRODUCT TOPICS ガラス溶 融 炉 溶 融 ガラス スピナ ー( 遠 心 法 繊 維 化 機 ) 乾燥機 下 部 コンベ ヤ ー ■ 各 グラスウール 用 バインダ ー の 性 能 一 覧 11 2015 初夏 No.490