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実地指導及び監査において改善を求めた主な事項 (人員・運営・報酬
資料2 実地指導及び監査において改善を求めた主な事項 (人員・運営・報酬) ~ 目次 ~ ≪人員に関する事項≫ 人員配置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 ≪運営に関する事項≫ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 内容及び手続の説明及び同意・・・・・・・・・・・・・・・5 サービス計画の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 身体拘束・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 運営規程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 勤務体制の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 非常災害対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 掲示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 秘密保持等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 苦情処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 事故発生の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 ≪報酬に関する事項≫ 1 2 基本的な事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 介護報酬の減算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 平成 28 年9月 29 日 平成 28 年9月 30 日 いわき市保健福祉部保健福祉課法人指導係 1 資料2 【関係法令等】 ○ 介護保険法(平成9年 12 月 17 日法律第 123 号) ○ 介護保険法施行令(平成 10 年 12 月 24 日政令第 412 号) ○ 介護保険法施行規則(平成 11 年 3 月 31 日厚生省令第 36 号) 【条例及び規則】 ○ いわき市指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市条例第 70 号) ○ いわき市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市条例第 71 号) ○ いわき市指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市条例第 72 号) ○ いわき市介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市条例第 73 号) ○ いわき市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例 (平成 26 年 12 月 24 日いわき市条例第 45 号) ○ いわき市指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービスに係る介 護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市条例第 74 号) ○ いわき市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予 防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市条例第 75 号) ○ いわき市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のため の効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例 (平成 26 年 12 月 24 日いわき市条例第 46 号) ○ いわき市指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例施行規則 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市規則第 60 号) ○ いわき市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例施行規則 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市規則第 61 号) ○ いわき市指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例施行規則 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市規則第 62 号) ○ いわき市介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例施行規則 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市規則第 63 号) ○ いわき市指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービスに係る介 護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例施行規則 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市規則第 64 号) ○ いわき市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予 防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例施行規則 (平成 24 年 12 月 27 日いわき市規則第 65 号) ○ いわき市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例施行規則 (平成 26 年 12 月 24 日いわき市規則第 57 号) 2 資料2 ○ いわき市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のため の効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例施行規則 (平成 26 年 12 月 24 日いわき市規則第 58 号) 【解釈通知】 ○ 指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について (平成 11 年9月 17 日老企第 25 号厚生省老人保健福祉局企画課長通知) ○ 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について (平成 12 年3月 17 日老企第 44 号老人保健福祉局企画課長通知) ○ 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について (平成 11 年7月 21 日老企第 22 号老人保健福祉局企画課長通知) 【報酬告示関係】 ○ 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (平成 12 年2月 10 日厚生省告示第 19 号) ○ 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (平成 18 年3月 14 日厚生労働省告示第 126 号) ○ 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 (平成 12 年2月 10 日厚生労働省告示第 20 号) ○ 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準 (平成 12 年2月 10 日厚生労働省告示第 21 号) ○ 指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (平成 18 年3月 14 日厚生労働省告示第 127 号) ○ 指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (平成 18 年3月 14 日厚生労働省告示第 128 号) ○ 指定介護予防支援に要する費用の額の算定に関する基準 (平成 18 年3月 14 日厚生労働省告示第 129 号) 3 資料2 <人員に関する事項> 人員配置 【主な指摘】 ⑴ 管理者が長期間配置されていない事例が認められた。 ⑵ 必要な資格要件を証明する書類を保管していない。 【解説】 人員に関する基準は、事業者が最低限守らなければならない、従業者の員数等を定 めた基準です。提供するサービスの種類毎に基準が定められていますので、基準条例 等により必要な人員を確認の上、基準を下回ることのないよう注意してください。 なお、人員基準欠如となってしまった場合、そのサービス種別、職種等により介護 報酬が減算となることがあります。 ⑴ 管理者は、従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わ なければならない重要な職責を担う職員であり、事業所において当該業務が的確 に行われていないことは重大な問題であるため、確実に配置するようにしてくだ さい。 ⑵ 訪問介護事業における訪問介護員や介護保険施設における医師、生活相談員、 看護職員、栄養士など、一定の資格を必要とする場合は、資格証の写しなどの資 格を確認できる書類を保管してください。 【条例】 ※ 条例は訪問介護を例示 (管理者) 第7条 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置か なければならない。ただし、指定訪問介護事業所の管理上支障がないときは、当該指定訪問介護事業所 の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものと する。 【施行令】 (法第八条第二項の政令で定める者) 第3条 法第八条第二項の政令で定める者は、次の各号に掲げる研修の課程を修了し、それぞれ当該各号 に定める者から当該研修を修了した旨の証明書の交付を受けた者(以下この条において「養成研修修了 者」という。 )とする。 4 資料2 <運営に関する事項> 1 内容及び手続の説明及び同意 【主な指摘】 ⑵ ⑴ 従業者に対し、資質の向上のための研修の機会を確保していない。 重要事項説明書における職員の勤務体制において、実数表記されていない。 ⑵ 重要事項説明書において、苦情の公的機関申出先である市長寿介護課及び福島 県国民健康保険団体連合会の連絡先が記載されていない。 ⑶ 契約書や重要事項説明書において、記録の保存年限が市条例で定めている 5 年 間ではなく、2年間と記載されている。 【解説】 重要事項説明書に記載すべき主なものとして次の項目があります。 ① 事業者、事業所の概要(名称、住所、所在地、連絡先など) ② 運営規程の概要(運営規程の項目に順じて記載) ③ 従業者の勤務体制 ④ 事故発生時の対応(損害賠償の方法を含む) ⑤ 苦情解決の体制及び手順、苦情相談の窓口 ⑥ その他 ⑴ 重要事項説明書は、利用者又はその家族に対して、サービスの提供開始前に交付 して説明を行うものであり、利用者等にとっては、サービスのみならず事業所を選 択するうえで重要なものです。 したがって、利用者が、サービス提供を受ける前に、どのような職員体制でサー ビスを受けられるのかということを把握するためにも、運営規程における「○名以 上」という記載ではなく、実数表記とするようにしてください。 ⑵ 事業所の苦情相談窓口のみで、市長寿介護課及び福島県国民保険団体連合会の連 絡先が記載されていない例が散見されますので、利用者保護のためにも記載してく ださい。 * いわき市長寿介護課 0246-22-7467 * 福島県国民健康保険団体連合会 024-528-0040 (苦情相談窓口専用電話) ⑶ 市条例では、記録の保存年限は5年間と定められています。国の基準省令では2 年間となっていますが、市条例に基づき5年間と記載してください。 5 資料2 【条例】 ※ 条例・解釈通知は居宅介護支援を例示 (内容及び手続きの説明及び同意) 第7条 指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又 はその家族に対し、第 21 条に規定する運営規程の概要その他の利用申込者のサービスの選択に資すると 認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を 書面により得なければならない。 (記録の整備) 第 32 条 2 (略) 指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供に関する規則で定める記録を整 備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。 【規則】 (記録の整備) 第7条 条例第 32 条第2項の規則で定める記録は、次に掲げるものとする。 ⑴ 個々の利用者ごとに次に掲げる事項を記載した居宅介護支援台帳 ア 居宅サービス計画 イ アセスメントの結果の記録 ウ サービス担当者会議等の記録 エ モニタリングの結果の記録 ⑵ 第4条第 13 号に規定する指定居宅サービス事業者等との連絡調整に関する記録 ⑶ 条例第 19 条の規定による市町村への通知に係る記録 ⑷ 条例第 29 条第2項による苦情の内容等の記録 ⑸ 条例第 30 条第2項の規定による事項の状況及び事故に際して採った処置についての記録 【解釈通知】 内容及び手続きの説明及び同意 基準第4条は、基本理念としての高齢者自身によるサービス選択を具体化したものである。利用者は 指定居宅サービスのみならず、指定居宅介護支援事業者についても自由に選択できることが基本であり、 指定居宅介護支援事業者は、利用申込があった場合には、あらかじめ、当該利用申込者又はその家族に 対し、当該利用申込者又はその家族に対し、当該指定居宅介護支援事業所の運営規程の概要、介護支援 専門員の勤務の体制、秘密の保持、事故発生時の対応、苦情処理体制等の利用申込者がサービスを選択 するために必要な重要事項を説明書やパンフレット等の文書を交付して説明を行い、当該指定居宅介護 支援事業所から居宅介護支援を受けることにつき同意を得なければならないこととしたものである。 6 資料2 2 サービス計画 介護保険事業者の提供するサービスは、利用者の要介護度状態の軽減又は悪化の防止 に資するよう、目標を設定し、計画的に行われなければなりません。つまり、サービス 計画は、利用者の生活の質に直接影響する重要なものです。一連の計画作成プロセスを 踏んで作成してください。 なお、居宅介護支援事業所において、一連の計画作成プロセスが不適当である場合、 減算規定がありますので該当要件を確認の上、ご留意ください。 1 主に計画作成系サービス、施設系サービスが作成する介護サービス計画 【主な指摘】 ⑴ アセスメントで把握している内容(例:皮膚トラブルがある等)が介護サービス計 画に反映されていない。 ⑵ サービス担当者会議に欠席したサービス担当者から照会等により意見をもとめ ていない。 ⑶ 介護サービス計画作成後の計画実施状況の把握(モニタリング)の結果記録がな い、あるいは、バイタル状況の把握ばかりでモニタリングとしては不適当である。 ⑷ 介護支援専門員が居宅サービス計画に位置付けている担当事業所から個別サー ビス計画の提出を求め、居宅サービス計画と個別サービス計画の連動性や整合性の 確認を行っていない。 【解説】 ⑴ 介護サービス計画を作成するにあたっては、利用者の有する日常生活上の能力や 取り巻く環境等の生活全般についての状況を十分把握することが重要であり、その 中で、生活の質の維持・向上させていく上で生じる解決すべき課題を正確に把握す ること(アセスメント)が必要です。 そのアセスメントの結果(ADL、認知、褥瘡・皮膚の問題、コミュニケーショ ン能力、食事摂取、介護者の有無等)及び利用者の希望等に基づき、介護サービス 計画を作成してください。 ⑵ 介護サービス計画を作成するにあたっては、原則としてサービス担当者会議の開 催により、サービス担当者から専門的な見地からの意見を求める必要があります。 なお、やむを得ない理由により、参加の得られなかったサービス担当者からは照 会等により意見を求める必要がありますが、照会及び意見の記録がなされていない 事例がありましたので、照会等により意見を求めた場合には、記録として残すよう にしてください。 ⑶ 介護サービス計画作成後は、モニタリングを実施し、必要に応じて介護サービス 計画の変更を実施しなければならないため、モニタリングの結果については記録す る必要があります。 また、モニタリングは、継続的なアセスメントも含みますが、主として確認すべ き事項は計画の実施状況です。バイタルの状況確認のみであればモニタリングとな りませんので、適切に計画に対する実施状況の評価をしてください。 7 資料2 ⑷ 居宅介護支援事業所及び介護予防支援事業所においては、平成 27 年4月から、 作成した居宅(介護予防)サービス計画に位置付けている担当事業所からその利用 者の個別サービス計画の提出を求めることとなっています。そして、自らが作成し た居宅(介護予防)サービス計画と個別サービス計画の連動性や整合性の確認を行 い、利用者に対し一体的なサービスができるよう居宅(介護予防)サービス計画作成 者と担当事業所の意識共有を図ってください。 2 主に訪問系サービス、通所系サービスが作成する個別サービス計画 【主な指摘】 ⑴ 個別サービス計画が居宅サービス計画に沿った内容となっていない。 ⑵ 個別サービス計画が、居宅サービス計画を転記しただけで、提供する具体的なサ ービス内容の記載がない事例である。 【解説】 ⑴ 訪問介護事業者や通所介護事業者等の居宅サービス事業者等が作成する個別サ ービス計画については、居宅介護支援事業者が作成する居宅サービス計画が作成さ れている場合、居宅サービス計画に沿って作成する必要があります。 居宅介護支援事業者からの計画が送付されないなどの理由により、居宅サービス 計画を入手しておらず、結果として居宅サービスに沿った内容の個別サービス計画 となっていない事例が確認されました。 サービス担当者会議等を通じ、事業者間の連携を密にしたうえで、居宅サービス 計画に沿って個別サービス計画を作成するようにしてください。 ⑵ 個別サービス計画は⑴のとおり、居宅サービス計画に沿って作成される必要があ りますが、居宅サービス計画内の担当部分を個別サービス計画に丸々転記しただけ で提供する具体的なサービスの記載がない事例が確認されました。 個別サービス計画には目標を達成するための具体的なサービス内容を記載する 必要がありますので、その利用者に合った、その利用者ごとの個別サービス計画を 具体的に作成してください。 【条例】 ※ 条例は居宅介護支援を例示 (指定居宅介護支援の具体的取扱方針) 第 16 条 指定居宅介護支援の方針は、第3条に定める基本方針及び前条に定める基本取扱方針に基づき、 規則で定める。 【規則】 (具体的取扱方針) 第4条 条例第 16 条の指定居宅介護支援の方針は、次のとおりとする。 (略) (6) 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、利用者につ いて、その有する能力、既に提供を受けている指定居宅サービス等のその置かれている環境等の 評価を通じて利用者が現に抱える問題点を明らかにし、利用者が自立した日常生活を営むことが できるように支援する上で解決すべき課題を把握すること。 (7) 介護支援専門員は、前号に規定する解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。 ) 8 資料2 に当たっては、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行うこと。この場合にお いて、介護支援専門員は、面接の趣旨を利用者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得る こと。 (8) 介護支援専門員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果に基づき、利用 者の家族の希望及び当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案して、当該ア セスメントにより把握された解決すべき課題に対応するための最も適切なサービスの組合せにつ いて検討し、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決す べき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並び にサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成すること。 (9) 介護支援専門員は、サービス担当者会議の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当 者(居宅サービス計画の原案に位置付けられた指定居宅サービス等の担当者をいう。以下この条 において同じ。 )と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、 専門的な見地からの意見を求めること。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当 者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。 (略) (12) 介護支援専門員は、居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス事業者等に対して、訪 問介護計画(いわき市指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める 条例(平成 24 年いわき市条例第 70 号)第 25 条第1項に規定する訪問介護計画をいう。 )等同条 例において位置付けられている計画の提出を求めること。 (13) 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(利用 者についての継続的なアセスメントを含む。 )を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指 定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行うこと。 (14) 介護支援専門員は、前号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。 )に当た っては、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、特 段の事情のない限り、次に定めるところにより行うこと。 ア 少なくとも1月に1回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること。 イ 少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録すること。 (以下略) 【条例】 ※ 条例は通所介護を例示 (通所介護計画の作成) 第 106 条 指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏ま えて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計 画を作成しなければならない。 2 通所介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されているときは、当該居宅サービス計画の内容に沿 って作成しなければならない。 9 資料2 3 身体拘束 【主な指摘】 ⑴ やむを得ず身体拘束を行う場合、必要な事項を記録していない。 ⑵ 身体拘束実施者について、身体拘束廃止委員会等で身体拘束廃止についての検討 がされていない。 【解説】 サービスの提供に当たっては、利用者の身体拘束又は他の利用者の行動を制限する ことは、原則行ってはいけません。身体拘束の具体的な例としては次のものが挙げら れます。 ① 徘徊しないように、車いす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 ② 転落しないように体幹や四肢をひも等で縛る。 ③ 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。 ④ 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。 ⑤ 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないよ うに、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。 ⑥ 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯 や腰ベルト、車いすテーブルをつける。 ⑦ 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。 ⑧ 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。 ⑨ 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。 ⑩ 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。 ⑪ 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。 身体拘束は、利用者本人に対し、身体機能の低下や精神的苦痛、認知症の進行等を もたらすだけでなく、家族を精神的に傷つけたり、社会福祉施設に対する社会的不 信・偏見を生み出す等、様々な危険性を内包しています。 しかし、身体拘束は、次の3つの要件をすべて満たす場合、利用者又はその他の利 用者の生命又は身体を保護するため「緊急やむを得ない」ものとして認められること があります。 切 迫 性 利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高 い 非 代 替 性 他に代替する介護、看護、支援方法がない 一 行動制限が一時的なものである 時 性 やむを得ず身体拘束を行う時の流れは、まず、身体拘束を実施するにあたって、身 体拘束廃止会議等において組織として慎重に検討・決定する必要があります。 その後、身体拘束の内容、目的、理由等を利用者本人又は家族に詳細に説明し、十 分な理解を得るよう努めてください。 10 資料2 実際に身体拘束を行った場合は、 ⑴ 身体拘束に関する記録は義務づけられています。その態様及び時間、その際の 利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録して 下さい。 なお、施設サービスにおいては、これらの記録がされていない場合に減算規定 がありますのでご留意下さい。 ⑵ 「緊急やむを得ない場合」に該当するかを常に観察し、身体拘束廃止委員会等 で定期的に再検討し、要件に該当しなくなった場合はただちに解除しなければな りません。 なお、従業者に対しては、身体拘束廃止への啓発・普及するための研修等を実施し、 身体拘束についての知識・理解を高めてください。 (参考:「身体拘束ゼロへの手引き」(厚生労働省 【条例】 平成 13 年3月)) ※ 条例・解釈通知は介護老人福祉施設を例示 (指定介護福祉施設サービスの取扱方針) 第 16 条 4 (略) 指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所 者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制 限する行為(以下「身体的拘束等」という。 )を行ってはならない。 5 指定介護老人福祉施設は、身体的拘束等を行うときは、その態様及び時間、その際の入所者の心身の 状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。 (以下略) 【解釈通知】 同条第4項及び第5項は、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得な い場合を除き、身体的拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合にあっ ても、その態様及び時問、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければな らないこととしたものである。 (以下略) 11 資料2 4 運営規程 【主な指摘】 ⑴ 運営規程の内容と実態との整合が図られていない。 ⑵ 法定代理受領サービスに係る利用者負担として、基本額の1割のみの定めとなっ ている。 ⑶ 運営規程において定められていない料金を徴収している。 【解説】 運営規程は、事業を運営するにあたり、重要事項に関する内容を規定したものです。 この規定を遵守するようにしてください。なお、事業運営の状況や関係法令等の改正 にともない、運営規程の内容に変更が生じた場合は、適宜変更してください。なお、 運営規程を変更した際は、市長寿介護課に変更届が必要となります。 ⑴ 運営規程の内容と実態とで整合が図られていない事例が見受けられました。 (例 実態:8月 13 日から8月 15 日まで休業 運営規程:年中無休) まずは、運営規程に基づいて事業運営してください。運営規程が実態に即してい ない場合は、運営規程を変更して、実態と運営規程との整合を図るようにしてくだ さい。 ⑵ 平成 27 年8月から、一定以上の所得がある利用者については、介護保険サービ スを利用したときの自己負担割合が 1 割から 2 割に引き上げられました。 これに関連し、運営規程内の利用料として、法定代理受領サービスに係る利用者 負担を基本額の1割のみとする規定では足りません。 規定の記載表現は様々ありますが、いまだに「1割」のみの規定である場合は次 の記載例を参考にし、速やかに変更してください。 <記載例> 法定代理受領サービスであるときは、厚生労働大臣が定める基準の 1 割又は2 割の額とする。 法定代理受領サービスであるときは、介護報酬告示上の額に各利用者の介護保 険負担割合証に記載された負担割合を乗じた額とする。 ⑶ 運営規程は、事業の適正な運営及び利用者に対する適切なサービスの提供を確保 するために定められているものであり、重要事項説明書において料金を徴収するこ とが記載されていても、運営規程で定められていない場合には、当該料金を徴収す ることはできません。 重要事項説明書等において、運営規程で定めていない料金を記載し、徴収してい ないか注意してください。 12 資料2 【条例】 ※ 条例は通所介護を例示 (運営規程) 第 107 条 指定通所介護事業者は、指定通所介護事業所ごとに、事業の運営についての規則で定める重要 事項に関する規程(以下この章(第5節を除く。)において「運営規程」という。)を定めておかなけれ ばならない。 【規則】 (指定通所介護事業所の運営規程に定める事項) 第 38 条 条例第 107 条の規則で定める重要事項は、次に掲げるものとする。 (1) 事業の目的及び運営の方針 (2) 従業者の職種、員数及び職務の内容 (3) 営業日、営業時間及びサービス提供時間 (4) 指定通所介護の利用定員 (5) 指定通所介護の内容及び利用料その他の費用の額 (6) 通常の事業の実施地域 (7) サービス利用に当たっての留意事項 (8) 緊急時等における対応方法 (9) 非常災害対策 (10) その他運営に関する重要事項 13 資料2 5 勤務体制の確保 【主な指摘】 ⑴ 勤務表が整備されていない。 【解説】 ⑴ 事業者等は、事業を運営するにあたって、「人員基準」を遵守し、適切な人員配 置を行うことでサービスの提供の安定性・安全性を確保するとともに、継続的な勤 務体制を整備しなければなりません。 したがって、事業者は勤務体制確保のため、事業所ごとに、原則月ごとの勤務表 を作成する必要があります。その際、勤務表は、管理者等を含めた当該事業所に関 わる従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、職種、他の職種との兼務関係も 明確にすることに留意して作成してください。 【条例】 ※ 条例・解釈通知は介護老人福祉施設を例示 (勤務体制の確保等) 第 30 条 指定介護老人福祉施設は、入所者に対し、適切な指定介護福祉施設サービスを提供することがで きるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。 【解釈通知】 勤務体制の確保等 基準省令第 24 条は、入所者に対する適切な指定介護福祉施設サービスの提供を確保するため、職員の勤 務体制等について規定したものであるが、次の点に留意するものとする。 ① 同条第1項は、指定介護老人福祉施設ごとに、原則として月ごとに勤務表(介護職員の勤務体制を 2以上で行っている場合は、その勤務体制ごとの勤務表)を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・ 非常勤の別、介護職員及び看護職員等の配置、管理者との兼務関係等を明確にすることを定めたもの であること。 【解釈通知】 ※ 解釈通知は訪問介護を例示 勤務体制の確保等 居宅基準第 30 条は、利用者に対する適切な指定訪問介護の提供を確保するため、職員の勤務体制等につ いて規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。 ① 指定訪問介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、訪問介護員等については、日々 の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス提供責任者である旨等を明 確にすること。 14 資料2 6 非常災害対策 【主な指摘】 ⑴ 施設の置かれた状況により、非常災害の態様ごとの具体的計画が立てられていな い。 ⑵ 定期的な避難訓練等が行われていない。 ⑶ 消防計画に基づく消防用具等の法定点検、自主検査が行われていない。 【解説】 ⑴ 非常災害対策として、災害対応への意識付けを図り、災害時の避難の実行性を高 めるため、市条例により、通所系、施設系サービスを行う事業所等では、施設の置 かれた状況に応じて火災、風水害、地震、津波その他の災害の態様ごとの対応計画 を策定することとされています。 したがって、どこでも発生が想定される火災、地震、風水害に対する計画につい ては原則として定めることとし、洪水、土砂災害、津波などについては、ハザード マップ等によりその危険性を確認し、それらの災害が想定される場合は、具体的な 対応方法、計画を定めてください。 また、計画内容について、従業者に周知し、有事の際に備えてください。 ⑵ 30 人以上収容する建物においては、年に2回以上、避難訓練及び消火訓練を実 施しなければなりません。また、30 人未満の収容の建物においても定期的な避難 訓練を実施するようにしてください。 このほか、日頃から消防団や地域住民との連携を図り、火災等の際に消火・避難 等に協力してもらえるような体制を作ることも重要です。 ⑶ 消防計画の作成が義務付けされている建物においては、年に2回以上、消防設備 の法定点検を実施しなければなりません。適切に実施し、年1回はその法定点検の 結果を管轄の消防所長に報告しなくてはなりませんので留意してください。 また、自主検査は定期的に行われていることがわかるように、日時、点検者及び チェックした内容等の記録を残し、適切な消防用具等の管理に努めてください。 今般、台風に伴う暴風雨等による災害により、岩手県の高齢者施設において入居者が 亡くなるなど、各地で甚大な被害が発生しています。 あらためて、各施設・事業所の非常災害対策を確認し、入所者及び利用者等の安全の 確保に万全を期すようにしてください。 15 資料2 【条例】 ※ 条例・解釈通知は通所介護を例示 (非常災害対策) 第 110 条 指定通所介護事業者は、非常災害に対する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報 及び関係機関との連携の体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知しなければならない。 2 前項の非常災害に対する具体的計画は、施設の置かれた状況により、火災、風水害、地震、津波その 他の災害の態様ごとに立てるものとする。 3 指定通所介護事業所は、非常災害に備えるため、定期的に避難又は救出その他必要な訓練を行わなけ ればならない。 【解釈通知】 非常災害対策 居宅基準第 103 条は、指定通所介護事業者は、非常災害に際して必要な具体的計画の策定、関係機関 への通報及び連携体制の整備、避難、救出訓練の実施等の対策の万全を期さなければならないこととし たものである。関係機関への通報及び連携体制の整備とは、火災等の災害時に、地域の消防機関へ速や かに通報する体制をとるように従業員に周知徹底するとともに、日頃から消防団や地域住民との連携を 図り、火災等の際に消火・避難等に協力してもらえるような体制作りを求めることとしたものである。 なお「非常災害に関する具体的計画」とは、消防法施行規則第3条に規定する消防計画(これに準ずる 計画を含む。 )及び風水害、地震等の災害に対処するための計画をいう。この場合、消防計画の策定及び これに基づく消防業務の実施は、消防法第8条の規定により防火管理者を置くこととされている指定通 所介護事業所にあってはその者に行わせるものとする。また、防火管理者を置かなくてもよいこととさ れている指定通所介護事業所においても、防火管理者について責任者を定め、その者に消防計画に準ず る計画の樹立等の業務を行わせるものとする。 16 資料2 7 掲示 【主な指摘】 ⑴ 掲示の内容が不適切。 ⑵ 掲示の仕方が適切ではない。 【解説】 ⑴ 事業者は運営規程の概要、勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資 すると認められる重要事項を掲示しなければなりません。 この掲示の趣旨は、サービス利用開始時において利用者に対して重要事項の説明 を行うことに加えて、サービス利用開始後においても当該重要事項を容易に確認で きるなど利用者保護を図るものとなります。このことから、当該掲示が全くされて いない場合の本市の指導としては、サービス利用開始時の説明に使用する重要事項 説明書(最新の内容のもの)を掲示することを基本に指導しています。ただし、掲 示方法はこれに限らず、掲示の趣旨に則していれば、重要事項説明書とは別に作成 したものを掲示していただいて問題ありません。 ⑵ 事業者は、利用申込者等が見やすい場所に掲示をしなくてはなりません。 掲示の仕方として、全項見開きにより掲示するよう指導しており、ファイルに綴 じられた状態での掲示は指摘事項の対象となりますので、掲示の仕方及び掲示場所 の確認・見直しをお願いします。 【条例】 ※ 条例・解釈通知は居宅介護支援を例示 (掲示) 第 25 条 指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、介護 支援専門員の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示し なければならない。 【解釈通知】 掲示 基準第 22 条は、基準第4条の規定により居宅介護支援の提供開始時に利用者のサービスの選択に資 する重要事項を利用者及びその家族に対して説明を行った上で同意を得ることとしていることに加え、 指定居宅介護支援事業所への当該重要事項の掲示を義務づけることにより、サービス提供が開始された 後、継続的にサービスが行われている段階においても利用者の保護を図る趣旨である。 17 資料2 8 秘密保持等 【主な指摘】 ⑴ 個人情報使用について、利用者の同意は文書で得られているが、家族の個人情報 を使用する場合に、あらかじめ家族から文書による同意を得ていない。 ⑵ 従業者の秘密保持義務について、就業規則又は雇用契約書等に明記されていな い。あるいは、明記されていても、退職後の秘密の保持が明記されていない。 【解説】 ⑴ 事業者が利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を共有するため には、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意を、利用者の家族の個人情 報を用いる場合は当該家族の同意をあらかじめ文書により得ることが必要です。 なお、よくある指摘事項としては、所定の個人情報使用同意書に「家族」の同 意欄が設けてられておらず、「代理者」の欄のみの同意書があります。「家族」 の同意欄を設けて、同意を得てください。 なお、この同意はサービス提供開始時に利用者及びその家族の代表から包括的 な同意を得ておくことで足りるものとされています。 ⑵ 業務上知り得た個人情報を保護するため、従業員に対しては、業務上知り得た秘 密の保持の義務を課す必要があります。 この場合、従業者の秘密の保持の義務については、在職中と併せて、当該従業者 が従業者でなくなった後(退職後)においても、秘密を保持すべき旨を就業規則、雇 用契約書又は誓約書等において明記してください。 また、事業所内で個人情報取扱いについての研修の実施や従業者に個人情報漏え い防止等の周知をするなど、利用者等の個人情報の取扱いについて十分留意してく ださい。 【条例】 ※ 条例・解釈通知は訪問介護を例示 (秘密保持等) 第 35 条 指定訪問介護事業所の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の 秘密を漏らしてはならない。 2 指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所の従業者であった者が、正当な理由がなく、その業 務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。 3 指定訪問介護事業者は、サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用いるときは当該利用 者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いるときは当該家族の同意を、あらかじめ、文書により得て おかなければならない。 【解釈通知】 秘密保持等 ① 基準第三三条第一項は、指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者に、その業務上知り得た利 用者又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。 ② 同条第二項は、指定訪問介護事業者に対して、過去に当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の 従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措 18 資料2 置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所 の訪問介護員等その他の従業者が、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、 従業者との雇用時等に取り決め、例えば違約金についての定めをおくなどの措置を講ずべきこととする ものである。 ③ 同条第三項は、訪問介護員等がサービス担当者会議等において、課題分析情報等を通じて利用者の有す る問題点や解決すべき課題等の個人情報を、介護支援専門員や他のサービスの担当者と共有するために は、指定訪問介護事業者は、あらかじめ、文書により利用者又はその家族から同意を得る必要があるこ とを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意 を得ておくことで足りるものである。 19 資料2 9 苦情処理 【主な指摘】 ⑴ 苦情処理体制が整備されていない。 ⑵ 苦情を受付けた事例において、受付日や経過内容、結果について記録されていな い。 【解説】 ⑴ 苦情は、サービスの質の向上を図る上での重要な情報です。事業者は苦情の内 容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行うものであり、そのため 利用者及び家族からの苦情あるいは意見等を言いやすい環境整備も重要となり ます。 事業所においては、提供したサービスに係る利用者及びその家族からの苦情に 迅速かつ適切に対応するために、相談窓口の設置、苦情処理体制及び手順等の苦 情を受けた際に講じる措置を明らかにしておく必要があります。 実際に苦情の申出があった際に、すべての従業者が遜色なく、一定の苦情対応 ができるよう苦情処理の手順を整備し、その内容については、従業者に周知して ください。 ⑵ 利用者又は家族からの苦情に対し、組織として迅速かつ適切に対応できるよう に、苦情を受付けた場合は、受付日や経過内容、結果等の内容を具体的に記録す るようにしてください。 これらの記録は、事業者等が利用者、その家族あるいは関係機関に対し正確に 説明責任を果たすための重要な記録となります。 【条例】 ※ 条例・解釈通知は訪問介護を例示 (苦情処理) 第 38 条 指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に係る利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ 適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置すること等の必要な措置を講じなければな らない。 2 指定訪問介護事業者は、前項の苦情を受け付けたときは、当該苦情の内容等を記録しなければならな い。 (以下略) 【解釈通知】 苦情処理 ① 基準第三六条第一項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情処理の体制及び手順等当 該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、利用申込者にサービス の内容を説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて記載するとともに、事業所に掲示す ること等である。 (以下略) 20 資料2 10 事故発生時の対応 【主な指摘】 ⑴ 誤薬事故が散見された。 ⑵ 介護事故の再発生を防ぐための対策が講じられていない。 ⑶ 骨折等の事故が発生した際に市に報告されていない。 【解説】 ⑴ 処方されていない薬を服用するなどの誤薬事故は、心身に重大な影響を与える危 険性が高く、また、薬剤の管理・配薬を行った事業所側の過失責任も問われる事故 であることから、配薬には細心の注意を払い、誤薬事故の再発防止を徹底するよう にしてください。 ⑵ 発生してしまった事故については、発生原因、事故の内容、結果等を取りまとめ た上で防止策を検討し、同様の事故が発生しないようにしてください。また、その 内容は記録に残しておくようにしてください。 特に事故の再発防止を講じる上では、その事故の情報が職員全員で共有されてい なければ、防止策の効果が発揮されません。事故に関する情報が職員全員に周知徹 底されるような環境(回覧、ミーティング等)を整えてください。 ⑶ 事故とは、介護サービスを提供する過程において発生した全ての異常事態で、利 用者又は職員の生命、身体等に被害が生じたものであり、ここには施設・事業所の 過誤・過失の有無に関わらず、自傷、行方不明、利用者自身が起こした怪我や事故 (自損事故) 、経済的・精神的被害の事故等も含みます。 事故が発生した場合に、家族等へは適切に報告されているものの、市に報告がさ れていない事例が多く見受けられました。 市への報告が必要となる事故は次のとおりです。 ① 介護サービスの提供に伴って発生したもので、骨折、入院加療又は利用者 の要介護認定に影響を及ぼす程度の事故、死亡事故。 ② 食中毒及び感染症等で法令により保健所への通報が義務付けられている 事由の事故。 ③ 職員(従業者)の法令違反・不祥事等の発生のうち、利用者の処遇に影響 のあるもの(例:利用者からの預かり金の横領・個人情報の紛失等)。 ④ その他、報告が必要と認められる事故。 なお、事故の報告の詳細等は市ホームページに掲載されている「介護保険事業所 等における利用者の事故発生時の対応及び事故発生防止策について」(平成 22 年 12 月1日、22 長第 333 号いわき市長発)でご確認してください。 http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000119/index.html 21 資料2 【条例】 ※ 条例は介護老人福祉施設を例示 (事故発生の防止及び発生時の対応) 第 41 条 指定介護老人福祉施設は、事故の発生又はその再発を防止するため、規則で定める措置を講じな ければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供により事故が発生したと きは、速やかに当該入所者に係る施設介護サービス費を支給する市町村、当該入所者の家族等に連絡を行 うとともに、必要な措置を講じなければならない。 (以下略) 【規則】 (事故発生の防止措置) 第 11 条 条例第 41 条第1項の規則で定める措置は、次に掲げるものとする。 (1) 事故が発生した場合の対応、次号の報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整 備すること。 (2) 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、そ の分析を通じた改善策を従業者に周知徹底する体制を整備すること。 (3) 略 22 資料2 <報酬に関する事項> 介護給付費の請求に関して、大切なことは請求の根拠となる記録を作成することで す。 記録することが算定要件となっている加算等は当然ですが、実際に算定要件を満た すサービスをしていたとしても、そのことを証明する記録等が一切確認できない場合 は、挙証責任が果たせないものとして、過誤調整するよう指導しています。 また、日ごろから、加算要件の確認を行うことも重要です。「介護保険等実地指導 マニュアル(改定版)について」 (平成24年8月30日老指発第0830第1号本 職通知)の「各種加算等自己点検シート」を参考にして、運営している事業所の加算 要件の確認をおこなってください。 1 基本的な事項 【主な指摘】 ⑴ ⑵ 請求と実態が異なっている。 ・ サービスの提供回数と報酬の請求回数が異なっている。 ・ キャンセルされたサービスについて請求している。 ・ 実際にサービスを提供した時間より多い時間数で報酬を請求していた。 加算要件である人員・職種が配置されていない、又は、配置されているか明確 でない。 【解説】 ⑴ 報酬請求にあたっては、サービスの提供の記録、業務日誌等により、当日の利用 の有無を確認したうえで請求するようにしてください。 また、誤った請求を未然に防ぐためにも、報酬請求時には、組織的なチェック体 制を確立することが求められますが、請求後、誤りに気付いた場合には、速やかに 過誤調整を行ってください。 なお、提供していないサービスを意図的に請求するなどの不正を行った場合、指 定の取り消し等の事由に該当することとなりますので決して行わないでください。 また、利用者の同意等が必要である場合、同意を得たことを証明する文書や記録 が請求の根拠となりますので、請求の根拠となる文書については、適切に作成の上、 保管してください。 ⑵ 加算要件の充足を明確にする観点からも、辞令、雇用契約書、勤務表等により、 職種・兼務関係・配属等を明確にしてください。 23 資料2 2 介護報酬の減算 【主な指摘】 ⑴ 介護報酬の減算要件を十分に把握・確認していない。 【解説】 介護報酬の減算については、業務の労力等の軽減を評価したこと、基準違反を未 然に防止し、適正なサービス提供の確保等を目的に設けられたしくみです。 実地指導時には、基本報酬、加算等の要件を詳細に把握し、根拠となる記録を作 成しているところは多く見受けられましたが、一方で介護報酬の減算についての要 件の把握、確認はあまり行われていませんでした。 該当要件をしっかり把握し、減算しなければならないところを、減算せずに請求 していた場合には、速やかに過誤調整を行ってください。 【例:居宅介護支援事業所における「運営基準減算」について】 居宅介護支援の業務が適切に行われない場合については、所定単位数の半分を、又、 運営基準減算が2月以上継続している場合は、所定単位数は算定しないこととされて おります。 当該規定は、適正なサービスの提供を確保するためのものであるため、運営基準に 係る規定を遵守する(居宅介護支援の業務が適切に行う)ことが極めて重要であると いうことを示しているものです。 24 資料2 【留意事項通知】 注2の「別に厚生労働大臣が定める基準に該当する場合」については、96号告示第 五十六号に規定することとしたところであるが、 より具体的には次のいずれかに該当 する場合に減算される。 これは適正なサービスの提供を確保するためのものであり、 運営基準に係る規定を 遵守するよう努めるものとする。都道府県知事は、当該規定を遵守しない事業所に対 しては、遵守するよう指導すること。当該指導に従わない場合には、特別な事情があ る場合を除き、指定の取消しを検討するものとする。 ⑴ 居宅サービス計画の新規作成及びその変更に当たっては、次の場合に減算される ものであること。 ① 当該事業所の介護支援専門員が、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族 に面接していない場合には、当該居宅サービス計画に係る月(以下「当該月」と いう。)から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。 ② 当該事業所の介護支援専門員が、サービス担当者会議の開催等を行っていない 場合(やむを得ない事情がある場合を除く。以下同じ。)には、当該月から当該 状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。 ③ 当該事業所の介護支援専門員が、居宅サービス計画の原案の内容について利用 者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得た上で、居宅サー ビス計画を利用者及び担当者に交付していない場合には、当該月から当該状態が 解消されるに至った月の前月まで減算する。 ⑵ 次に掲げる場合においては、当該事業所の介護支援専門員が、サービス担当者会 議等を行っていないときには、 当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月 まで減算する。 ① 居宅サービス計画を新規に作成した場合 ② 要介護認定を受けている利用者が要介護更新認定を受けた場合 ③ 要介護認定を受けている利用者が要介護状態区分の変更の認定を受けた場 合を受けた場合 ⑶ 居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(以下「モニタ リング」という)に当たっては、次の場合に減算されるものであること。 ① 当該事業所の介護支援専門員が1月に利用者の居宅を訪問し、利用者に面接 していない場合には、特段の事情のない限り、その月から当該状態が解消され るに至った月の前月まで減算する。 ② 当該事業所の介護支援専門員がモニタリングの結果を記録していない状態 が1月以上継続する場合には、特段の事情のない限り、その月から当該状態が 解消されるに至った月の前月まで減算する。 25