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CIMPL:SureChEMBLデータベース検索機能搭載
新製品情報 化学データ可視化・解析ソフトウェア CIMPL:SureChEMBLデータベース検索機能 CIMPLは、ライブラリー解析、構造活性相関 (SAR)解析、データベース/Webサービスアクセスの機能によ り、メディシナルケミストの創薬研究を支援するソフトウェアです。新バージョン2.0545がリリースされ、 SureChEMBLデータベース検索機能が新規に搭載されましたので、その機能を紹介します。 ■ SureChEMBLデータベースについて ネぺジルの1置換体のみを収集したところ、15分子が登録 ら抽出して開発したデータベースです。 に置換基が導入された分子が特許に登録されていました。 SureChEMBLデータベースは化学構造データを特許か されていました。図 2のドネぺジルの基本骨格の R1 ~ R7 位 英国の出版社マクミランの一部門であるDigital Science の製品の1つSureChem のデータを、欧州分子生物学研究 所 (EMBL)の一部門である欧州バイオインフォマティクス研 究所 (EBI) とともにパブリックドメインで公開したものです。 SureChEMBL には1500 万を超える化学構造・化合 物 特許情報データが登録されています。オープン化されたこ とにより、開発した薬や化合物が今までにない全く新し 図2 ドネぺジルの分子構造 (ドネぺジルはR1=H, R 2=CH3, R 3=CH3, R 4 =H, R 5=H, R 6 =H, R7=H) R1 には 2 種、R 2 に 3 種、R 3 に 2 種、R 4 に 3 種、R 5 に 2 種、 いものであるかどうかを、誰でも自由に調べることができ R 6 に 2 種、R7 に1種の置換体が登録されていました。その るようになりました 1)2)。 いくつかの概要を以下に示します。 ■ SureChEMBLデータベース検索機能 CIMPL は今回新たに SureChEMBLのデータベース (2015 年3月19日まで)を内蔵しました。ローカルのデータベース ◆R1=FあるいはCl R1 にフッ素原子あるいは塩素原子が導入された分子構 造 が WO-2014008629-A1に登 録されていました (図 3)。 この置換は活性向上を目的として行われていました 5)。 に対して検索することで、分子構造を外部に出さずに、複数 (EP、JP、US、WO) の特許情報が一度に検索できます。 SureChEMBLデータベース検索では、部分構造検索、フィ ンガープリントを用いた類似構造検索が行えます。 検 索 結 果 として は 、分 子 構 造 を 表 す S M I L E S 、 SureChEMBL ID 番号、特許番号 (EP、JP、US、WO)の表が 出力されます。SMILES は CIMPL の機能により分子構造に 変換することができます。特許番号をダブルクリックする と SureChEMBLへのリンクが起動し、詳細情報の閲覧や PDF ファイルのダウンロードが行えます (図 1)。 図3 WO-2014008629-A1フロントページ 5) (C=O)OCH2CH3 ◆R 4 = ドネぺジルの新規合成法の特許 (EP-1386607-A1)に前 駆体構造として登録されていました (図 4)。2 つのフラグメ ントのカップリング反応により前駆体を合成し、加水分解 と脱炭酸反応により、最終生成物を得ています 6)。 リンクを起動 SMILES から 分子構造へ変換 図1 SureChEMBLデータベース検索画面と結果の表示 図4 EP-1386607-A1フロントページ 6) ■ 応用事例紹介:ドネぺジルの部分構造検索 ■ まとめ リン (ACh)の加水分解酵素であるアセチルコリンエステ ベース検索が行え、データベース構築の手間を省くことが ラーゼ (AChE)を可逆的に阻害することにより、ACh の分 できます。 解を抑制し濃度を高め、アルツハイマー型認知症の進行 1)https://www.surechembl.org/ ドネペジル塩酸塩 (商品名アリセプト)は、アセチルコ 3) を遅らせる薬です 。 CIMPLを導入するだけで、すぐに SureChEMBLデータ 2)http://www.ebi.ac.uk/about/news/press-releases/ 応用事例としてドネぺジルをクエリとして部分構造検索 を行った結果を紹介します。 SureChEMBL 3)http://www.aricept.jp/about/behavior.html まず、ドネぺジルをクエリとして部分構造検索を行ったと ころ、85 件のヒットがありました。このデータセットから分 4) 子構造を構築し、Matched Molecular Pair 解析 を行い、ド 4)Hussain, J. et al., J. Chem. Inf. Model. 2010, 50 , 339. 5)https://www.surechembl.org/document/WO2014008629-A1 6)https://www.surechembl.org/document/EP-1386607-A1 3