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循環型再生可能エネルギーシステムの開発
TE-3 南極から地球・宇宙を観る 南極地域観測事業の最近の成果 観測支援技術 循環型再生可能エネルギーシステムの開発 再生可能エネルギーの水素による備蓄と利用の 実証実験に成功 近年、昭和基地では消費電力の大きい観測装置が導入され、燃料 需要が逼迫しています。また、 燃料補給は年一回の船舶輸送のみで、 輸送量はすでに限界です。不足する燃料を補うためには、自然エネ ルギーの利用が必須ですが、風力や太陽光など、自然エネルギーは 時間・季節変動が大きく、安定した電力供給は困難です。 今回開発した「水素発電システム」は、風力発電装置の出力を一 旦水素に変換することにより備蓄し、その後、備蓄した水素からエ ネルギーを取り出すシステムの検証実験を目的とするものです。 将来的には、風力発電装置の出力変動を吸収して水素に変換・ 備蓄・回生し、自然エネルギーの時間・季節変動を補完したハイブ リッド発電システムを目指します。 図:自然エネルギー備蓄回生システム概念 極地用風力発電機の開発 昭和基地の逼迫した電力事情を解消するために、極地で比較 的利用しやすい再生可能エネルギーとして、太陽光と風力があり ます。 高緯度の極地では、太陽光は約半年間しか利用できませんが、 風力は年間を通して利 用可能です。しかし、低 温 と 50m/s を 超 え る 風も珍しくない厳しい 環境下で、使用に耐え ることと、観測船「しら せ」で輸送可能なサイ ズで限られた機材で設 置可能な市販品は無く、 新たに風力発電機メー カーと共同で開発しま した。 昭 和 基 地 導 入 後 は、 水素発電システムと連 携 さ せ る こ と に よ り、 昭和基地での化石エネ ルギー使用の削減を目 指します。 ▲ 極地用風力発電機外観 社会的 貢 献 図:水素発電設備構成 ▲ 水素発電設備外観 これらの循環型再生可能エネルギーシステムが実用化できれば、昭和基地と同様にエネルギー供給が 不安定な離島や、災害によって外部からのエネルギー供給が途絶えた被災地など、さまざまな場面での 利用が期待できます。 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 広報室 190-8518 東京都立川市緑町 10-3 [TEL]042-512-0655 [FAX]042-528-3105 http://www.nipr.ac.jp/ [E-mail][email protected] 2013.2 Copyright © National Institute of Polar Research All rights reserved.